JP2001216420A - 医療用ワークステーションの制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】医療用ワークステーションの動作パラメータを
調整する。 【解決手段】たとえば歯科医の治療用椅子などのように
複数のユーザに提供されている医療用ワークステーショ
ンの動作パラメータを調整する方法である。ユーザがそ
れぞれ自分に割り当てられているデータ媒体を利用し、
ワークステーションは前記データ媒体の読取り装置を装
備しており、それぞれのユーザの動作パラメータは前記
データ媒体に記憶されているとともに、データ媒体を読
取り装置に入れたときに、ワークステーションは認識可
能かつ活動化可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は医療用ステーショ
ンの制御方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】病院、診療所、サナトリウム、共同経営
医院、およびその他の医療機関では、調達コストと維持
コストが数年前からは想像もつかないほどの金額に達し
ている機器が使用されることが増えている。したがっ
て、個々の患者に生じる費用をできるだけ低く抑えるた
め、こうした機器を集中的に利用したいというのが当該
分野の要請である。このことからひいては、以下におい
てはワークステーションと呼ぶこのような機器が１人ま
たは２人の医師によって使用されるのではなく、多数の
医師の利用に供されることになる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そして、このことは種
々の難問につながる。前述のようなワークステーション
の多くは、ワークステーションが固定されて据え付けら
れ、事前調整されてどのユーザーにも利用できるように
なってはいるものの、ユーザーはそれぞれ個人的な好み
と構造に合った末端器具を使用しているために、異なる
末端器具を使う異なる立場のユーザーに依存してワーク
ステーションが使用されることになるからである。

【０００４】このような状況の例としてほんの一例を挙
げると、空気圧で駆動されるタービンや電動モータによ
って回転をする、回転式あるいは振動式の器具やレーザ
器具を備えたハンドピースが使用される歯科医用または
外科医用のワークステーションがある。この場合にはこ
のような器具が使用されるのは、歯や骨を加工したり、
インプラントやそのねじ込プラグをねじ込んだり、ある
いは最終的なインプラント構造物を取り付けるときにこ
れを外したりするためであり、そのために、ワークステ
ーションでその都度利用する必要のあるきわめて多くの
動作パラメータについて多数の数値が必要になる。

【０００５】このことはたとえば回転数、トルク、トル
クの推移、冷却液の量と組成、フットスイッチのプログ
ラミング、追加的な吸引ポンプの操作、その他多くの事
柄であり得る。

【０００６】こうした動作パラメータは、当然ながら行
われるべき作業に応じて変動するが、そればかりでな
く、個人的に使用する機器や嗜好にも依存して変動す
る。

【０００７】たとえば電気駆動されるドリルの供給トル
クはモータ電流によって規定されるが、トルクとモータ
電流の間の依存性はハンドピースごとにまちまちであ
る。このことは上に挙げた実質的にすべてのパラメータ
や、ここには挙げていない他のパラメータについても同
じような形で当てはまる。

【０００８】すなわち、このように多数のユーザー（医
師など）の利用に供されるワークステーションは、各ユ
ーザーについてそのユーザーが頻繁にまたは少なくとも
時折使用する一切のパラメータの組合せを含んでいるよ
うに、かつ、スクラッチまたは前記組合せの１つから開
始してその都度のビジターがさらに適合化の変更を行え
るように、プログラミング可能でなくてはならない。

【０００９】このようなコストは一見したところそれほ
ど大きくないように思われるが、他ならぬこうしたワー
クステーションを使用している医療機関では、複数のワ
ークステーションが用意されていたり、それどころか、
多くの場合にはこのようなワークステーションが多数用
意されており、これらすべてがユーザー一人一人によっ
て使用される可能性があることを考慮する必要がある。

【００１０】こうしたことから、そこに新たに加わるユ
ーザー各人について個々のワークステーションをそれぞ
れ相応にプログラミングしなくてはならず、また、ある
ユーザーが退任したときはこれに対応するプログラミン
グの取消や変更または消去を行わねばならないことにな
り、要約して言えば相当の作業コストと管理コストがこ
れに結びついており、しばしばこうしたパラメータは誤
って調整すると使用開始時にすぐには発見できず、その
ため患者の健康に直接関わる事柄であるから、最大限の
正確さで作業を行わなくてはならない。

【００１１】Ｅ０４１３３６Ａ特許公報より、数値プロ
グラミング可能な工作機械（ＣＮＣ機械）の制御が公知
であり、この場合には所望の作業のための制御が機械自
体でプログラミングされるのではなく、独自のワークス
テーションでプログラミングされてから適切な形（磁気
データ媒体等）で機械に入れられて、当該機械に供給さ
れる。しかしこうしたプログラミングは一方では融通が
きかず、すなわちデータ媒体から機械へプログラムが送
られた後は材料の加工が自動的に進行し、その際に作業
者が何らかの変更を加えることができないので、その意
味ですでに本発明が対象とする医療用の機器ないしワー
クステーションとは根本的に異なっている。

【００１２】本発明はこの点で対策を講じて、上述した
問題点を回避することのできる方法ないしシステムを提
供することを目的とするものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は次のように構成
されている。

【００１４】第１の発明は、歯科医の治療用椅子などの
ように複数のユーザに提供されている医療用ワークステ
ーションの動作パラメータを調整する方法において、ユ
ーザがそれぞれ自分に割り当てられているデータ媒体を
利用し、ワークステーションは前記データ媒体の読取り
装置を装備しており、それぞれのユーザの動作パラメー
タは前記データ媒体に記憶されているとともに、データ
媒体を読取り装置に入れたときに前記ワークステーショ
ンはデータ媒体の動作パラメータに基づいて動作するこ
とを特徴とする。

【００１５】第２の発明は、第１の発明において、前記
ワークステーションのうちの少なくとも１つが前記デー
タ媒体の書込み装置を備えており、この書き込み装置を
介してユーザが希望する値ないし使用した最新の値を、
前記データ媒体に書き込むことができることを特徴とす
る。

【００１６】第３の発明は、第２の発明において、患者
原簿を補足するための治療固有のデータも、ユーザまた
は患者の個人別のデータ媒体に書き込まれることを特徴
とする。

【００１７】

【作用、効果】本発明によれば、上記した目的は、この
ような種類のワークステーションの各ユーザ（医師な
ど）が当該ワークステーションについての自分の個人的
な調整値を磁気カード、チップカード等のデータ媒体に
記憶させておき、ワークステーションの各々が当該デー
タ媒体の読取り装置を備えており、ないしはこのような
読取り装置を有しており、当該データ媒体に記憶されて
いる調整用の値を読んで活動化することができることに
よって達成される。

【００１８】このように、種々のワークステーションが
相応の読取り装置を装備しているように配慮するだけで
すみ、このことはワークステーションのコストが高いこ
とや、このような種類の読取り装置のコストがわずかで
あることを考えれば、ロジスティック上の問題も経済的
な問題ももたらさない。なお、データの記憶自体、およ
びその際に使用するデータフォーマットは決定的な事柄
ではなく、当業者が本発明を踏まえたうえで容易に選択
もしくは適合化することができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。

【００２０】本発明は、たとえば歯科医の治療用椅子な
どのように複数のユーザに提供されている医療用ワーク
ステーションの動作パラメータを調整する方法である。

【００２１】そして、ユーザ（医師など）がそれぞれ自
分に割り当てられているデータ媒体を利用し、また、ワ
ークステーションは前記データ媒体の読取り装置を装備
しており、それぞれのユーザの動作パラメータは各自に
割り当てられた前記データ媒体に記憶されているととも
に、データ媒体を読取り装置に入れたときに、ワークス
テーションはデータ媒体の動作パラメータに基づいて動
作する。

【００２２】本発明によれば、このような種類のワーク
ステーションの各ユーザが、当該ワークステーションに
ついての自分の個人的な調整値を磁気カード、チップカ
ード（ＩＣカード）等のデータ媒体に記憶させておき、
ワークステーションの各々が当該データ媒体の読取り装
置（カードリーダ）を備え、当該データ媒体に記憶され
ている調整用の値を読んで活動化することができること
によって、上記した目的が達成される。

【００２３】このようにすれば、種々のワークステーシ
ョンが相応の読取り装置を装備しているように配慮する
だけですみ、このことはワークステーションのコストが
高いことや、このような種類の読取り装置のコストがわ
ずかであることを考えれば、ロジスティック上の問題も
経済的な問題ももたらさない。

【００２４】データの記憶自体、およびその際に使用す
るデータフォーマットは決定的な事柄ではなく、当業者
が本発明を踏まえたうえで容易に選択もしくは適合化す
ることができ、この場合、すでに存在しているデータシ
ステムを考慮に入れることができる。このような種類の
データシステムはアクセス資格や出席等を把握ないしチ
ェックするために、今日、すでにさまざまな形で利用さ
れている。

【００２５】ワークステーション側の読取り装置は、少
なくとも何台かのワークステーションでは純粋な読取り
装置ではなくてデータ媒体への書き込みも行える（カー
ドリーダ／ライターあるいは読み書き可能なスマートメ
ディアドライブなど）と有利であり、それによって追加
的なデータ検出コストや伝送コストなしに、ワークステ
ーションの調整状態を個人のデータ媒体に書き込むこと
ができ、別のワークステーションでも利用できるように
なる。

【００２６】１つの実施形態では、治療中に把握された
治療値も個人別のデータ媒体に書き込むことができ、こ
のような簡単なやり方で、かつ特に伝送エラーなしにカ
ルテなどの患者原簿に利用することができる。私保険の
分野ではすでに実際に行われているように患者が自分に
割り当てられた自己のデータ媒体を利用できる場合に
は、こうしたデータ読取り・書込み装置を利用して、相
応のデータを患者のデータ媒体（ＩＣカードなど）に伝
送して、当該患者の個人的な病歴記録を最新の水準に保
つことも可能である。

【００２７】最後に、本発明はまったく新しい種類のワ
ークステーションの取得形態と運営形態を可能にする。
なぜなら、たとえば本発明に基づく装備を備えた１台ま
たは複数台のワークステーションを無償または比較的少
ない基本料支払で施療所等に提供することができ、運営
費用の支払と償却は、例えば医師などのユーザへ提供し
たデータ媒体（ＩＣカード）の使用に応じて課金などを
行うことにより、実施できるからである。

【００２８】本発明は上記の実施の形態に限定されず
に、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がな
しうることは明白である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨハン フェルスタラー オーストリア共和国 Ａ−5112 ラウプレ ヒッツハウゼン スポラツプラッツシュト ラッセ ７

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】歯科医の治療用椅子などのように複数のユ
   ーザに提供されている医療用ワークステーションの動作
   パラメータを調整する方法において、ユーザがそれぞれ
   自分に割り当てられているデータ媒体を利用し、ワーク
   ステーションは前記データ媒体の読取り装置を装備して
   おり、それぞれのユーザの動作パラメータは前記データ
   媒体に記憶されているとともに、データ媒体を読取り装
   置に入れたときに前記ワークステーションはデータ媒体
   の動作パラメータに基づいて動作することを特徴とする
   方法。
2. 【請求項２】前記ワークステーションのうちの少なくと
   も１つが前記データ媒体の書込み装置を備えており、こ
   の書き込み装置を介してユーザが希望する値ないし使用
   した最新の値を、前記データ媒体に書き込むことができ
   ることを特徴とする請求項１記載の方法。
3. 【請求項３】患者原簿を補足するための治療固有のデー
   タも、ユーザまたは患者の個人別のデータ媒体に書き込
   まれることを特徴とする請求項２記載の方法。