JP2001215907A - 可変イメージ表示装置 - Google Patents

可変イメージ表示装置

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JP2001215907A
JP2001215907A JP2000032691A JP2000032691A JP2001215907A JP 2001215907 A JP2001215907 A JP 2001215907A JP 2000032691 A JP2000032691 A JP 2000032691A JP 2000032691 A JP2000032691 A JP 2000032691A JP 2001215907 A JP2001215907 A JP 2001215907A
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light
prism
image
optical
optical contact
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JP2000032691A
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English (en)
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Shigeyuki Takiguchi
茂之 滝口
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3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 夜間でも明イメージを視認可能な可変イメー
ジ表示装置。 【解決手段】 略平らな表面と、複数のプリズム反射素
子が配列された裏面とを有する光透過性プリズム部材
と、プリズム部材の裏面側に配置され、プリズム反射素
子に対して密着および脱着が可能な光学密着部材とを備
え、光学密着部材がプリズム反射素子に密着していない
第1状態でプリズム部材の表面から観察される第1イメ
ージと、密着している第2状態で観測される第2イメー
ジとが異なる、可変イメージ表示装置において、光学密
着部材が光透過性を有しかつ光学密着部材と光学的に連
結された少なくとも反射要素および発光要素のいずれか
を含む光供給部材をさらに備え、少なくとも光学密着部
材および光供給部材のいずれかが着色されており、それ
により、観察者が、第2イメージを光供給部材から供給
される光によって明るいイメージとして視認できること
を特徴とする装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリズム反射素子
を含んでなる光透過性プリズム部材と、このプリズム反
射素子に対して密着および脱着が可能な光学密着部材と
を備えてなり、上記光学密着部材が上記プリズム反射素
子に密着していない第1状態において観察される第1イ
メージと、上記光学密着部材が上記プリズム反射素子に
密着した第2状態において観察される第2イメージとが
異なって見える、可変イメージ表示装置の改良に関す
る。この様な可変イメージ表示装置は、たとえば、広告
看板、標識等の情報表示装置、またはその構成部品とし
て有用に使用できる。
【0002】
【従来の技術】これまで、プリズム反射素子を含んでな
る光透過性プリズム部材を用いて形成した、道路標識等
のイメージ表示装置が知られている。この様な光透過性
プリズム部材は、すぐれた再帰反射性を有するので、光
源が比較的少ない夜間であっても、明るく輝いて見え
る。したがって、表示装置の夜間視認性を効果的に高
め、必要な情報をドライバー等の観察者に正確に伝達す
ることができる。
【0003】この様な光透過性プリズム部材を用いたイ
メージ表示装置としては、たとえば、特許登録第277
8731号明細書に、次の様な構成の表示装置(内面的
照明標識)が開示されている。すなわち、光源を内蔵す
る箱体(閉鎖容器)と、その箱体の前面(発光面)側に
配置されたプリズム反射素子型反射シート(キューブコ
ーナー逆反射性シート)とを備えている、内面的照明標
識である。この場合、標識情報等の情報は、イメージと
して観察者に視認される。
【0004】上記プリズム反射素子型反射シートは、 A:略平らな表面と、複数のプリズム反射素子が配置され
た裏面とを有する、フィルム状の光透過性プリズム部材
(プリズムフィルムとも呼ぶ。)と、 B:そのプリズムフィルムの裏面側に積層されたシール層
とを有し、 そのシール層は、部分的にのみプリズムフィルムのプリ
ズム反射素子面(裏面)に固着され、シール層とプリズ
ムフィルムとの間の空間(間隙)に、プリズム反射素子
が封入された「カプセル」を形成している。この様なプ
リズム反射素子型反射シートでは、プリズムフィルムの
平らな表面が反射面である。また、シール層と接着して
いるプリズム反射素子は実質的に反射性を持たず、一
方、シール層と接着せず、そのため、プリズム反射素子
表面が空気との界面を有するカプセル内にあるプリズム
だけが高い反射性を有する。上記の様なプリズムフィル
ムは、透明性が高い。それは、プリズムフィルムが、通
常、光透過性のポリマーから形成されるからである。ま
た、プリズム反射素子における高い反射性は、プリズム
反射素子表面と空気との界面反射を効果的に利用した、
再帰反射性によるものである。
【0005】一方、上記プリズム反射素子型反射シート
は、通常、装置の発光面(通常、情報が配置される表示
面)が高い再帰反射性を有する様に配置される。たとえ
ば、透明または半透明のプラスチック板の表面に、上記
反射シートを接着して表示板を形成し、それを箱体の発
光面前面に配置する。その反射シートの表面には、文
字、図案、記号等のイメージ(表示情報)が固定的に配
置される。
【0006】同様の内照発光型の表示装置として、特開
平10−280338号公報に開示された、内照式標識
板がある。この内照式標識板では、比較的細い径の冷陰
極管を内部光源として使用し、装置全体の薄型化を図っ
ている。
【0007】この様な内照型の表示装置では、次の様な
利点を有する。すなわち、装置の内部光源からの光によ
り、高輝度で表示情報を視認することができると同時
に、外部光源からの光による再帰反射作用でも、高輝度
で表示情報を視認することができる。したがって、夜間
の視認性を長期にわたって維持できる。しかしながら、
反射シート表面に固定的に配置された表示情報は、一定
の情報、すなわち、1つのイメージとしてしか観察者に
は視認されない。
【0008】そこで、プリズムフィルム(光透過性プリ
ズム部材)の高い夜間視認性を有効に利用しつつ視認情
報を可変にし、複数のイメージが見える様に工夫された
装置も提案されている。たとえば、国際特許出願公開W
O98/57212号、同WO99/10863号、同WO99/12069号等
には、次の様な可変イメージ表示装置が開示されてい
る。すなわち、(i )複数のプリズム反射素子を備えて
なるプリズムフィルムと、(ii)そのプリズム反射素子
に対して密着および脱着が可能な光学密着部材とを備え
てなり、上記光学密着部材が上記プリズム反射素子に密
着していない第1状態において観察される第1イメージ
と、上記光学密着部材が上記プリズム反射素子に密着し
た第2状態において観察される第2イメージとが異なっ
て見える、可変イメージ表示装置である。この装置にお
けるイメージの可変原理を、図1に沿って説明する。
【0009】プリズムフィルム(1)の裏面(プリズム
反射素子面)に、光学密着部材(2)が密着していない
ときには、プリズム反射素子面は空気と界面を有するの
で再帰反射性を持つ。一方、プリズム反射素子面に、光
学密着部材(2)を密着させると、光学密着部材(2)
の表面と密着したプリズム反射素子は、再帰反射性を実
質的に持たない。その結果、光学密着部材(2)が密着
していない第1状態((a)の再帰反射性を持つ状態
と、光学密着部材(2)が密着した第2状態(b)の再
帰反射性を持たない状態とでは、見え方が変化する。換
言すれば、光学密着部材(2)をプリズムフィルム
(1)の裏面のプリズム反射素子面に密着させるか否か
によって、光学密着部材(2)が密着していない時の第
1イメージ(f)(図示の例では、四角のみ)と、光学
密着部材(2)が密着した時の第2イメージ(s)(図
示の例では、四角の中に丸がある)との間で、イメージ
は可変である。なお、本明細書で「光学密着または密
着」という用語は、プリズム反射素子が反射可能な空気
界面を持たない様に、光学密着部材がプリズム反射素子
に密着することを意味する。
【0010】米国特許4,703,999号明細書に
は、キューブコーナー反射材と、鏡面反射層を有する反
射材とを組合せて含む反射シートが開示されている。こ
の反射シートでは、(1)透明体を含んでなり、その透
明体の背面において輪郭付けられた3つの相互に垂直な
面の組を少なくとも1組含み、その透明体の表面に対し
て照射された光をキューブコーナー反射するキューブコ
ーナー反射材と、(2)前記3つの相互に垂直な面のネ
ガとしての形状の内面を有し、その内面が鏡面反射面で
ある鏡面反射層、とを備えてなり、前記鏡面反射層は、
前記3つの相互に垂直な面から隔離されて接近し、かつ
その鏡面反射部分と前記透明体の背面とが互いに実質的
に平行になる様に調節されている。これにより、所定の
角度範囲の入射光をキューブコーナー反射材で反射し、
キューブコーナー反射材を透過する角度範囲の入射光
を、鏡面反射層で反射できる。したがって、広範囲の入
射角光を反射可能である。なお、この反射シートは、前
述のWO98/57212号等に開示の装置のような可
変イメージ表示装置ではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
可変イメージ表示装置では、昼夜でイメージの明るさや
色が異なってしまうという問題があった。従来の装置で
は、たとえば昼間等、プリズムフィルムに対して外部か
ら供給される光の量が比較的多い時は、そのイメージ
(D)は通常、拡散反射によって視認される。したがっ
て、密着した光学密着部材の拡散反射光の色が、プリズ
ムフィルムを透過して見える。一方、夜間等、プリズム
フィルムに対して外部から供給される光の量が比較的少
ない時のイメージ(N)は、通常、再帰性反射によって
視認される。ところが、光学密着部材が密着したプリズ
ムフィルムの部分(以下、「光学密着部分」と呼ぶこと
もある。)は光を再帰反射できないので、黒色に見え
る。すなわち、昼間の拡散反射では光学密着部材である
光学密着部材等を明るい色に着色して、イメージ全体を
明るく見せることはできても、夜間の再帰性反射では黒
色部分を含む暗いイメージとしてしか視認できなかっ
た。
【0012】したがって、本発明の目的は、夜間等、プ
リズムフィルム(光透過性プリズム部材)に外部から供
給される光の量が少ない時でも、変化前後で同様に、全
体として明るいイメージ(明イメージ)が視認可能な、
可変イメージ表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、略平坦な表面と、複数のプリズム反射素
子が配置された裏面とを有する、光透過性プリズム部材
と、上記光透過性プリズム部材の裏面側に配置され、上
記プリズム反射素子に対して密着および脱着が可能な光
学密着部材、とを備えてなり、上記光学密着部材が上記
プリズム反射素子に密着していない第1状態と、上記光
学密着部材が上記プリズム反射素子に密着した第2状態
との間で可逆的に状態を変えることができ、上記第1状
態において上記光透過性プリズム部材の表面から観察さ
れる第1イメージと、上記第2状態において上記光透過
性プリズム部材の表面から観察される第2イメージとが
異なって見える、可変イメージ表示装置において、上記
光学密着部材が光透過性を有し、かつ上記光学密着部材
と光学的に連結された、少なくとも反射要素および発光
要素のいずれか1方を含んでなる光供給部材をさらに備
えてなり、少なくとも上記光学密着部材および上記光供
給部材のいずれか1方が着色されており、それにより、
観察者が、上記第2イメージを光供給部材から供給され
る光によって明るいイメージとして視認できることを特
徴とする、可変イメージ表示装置を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明をその好ましい実施
の形態に関して説明する。なお、本発明のさらなる理解
のために、まず、本発明を作用面から説明すると、以下
の通りである。本発明の可変イメージ表示装置では、前
述の従来の装置が持つ特徴に加えて、上記光学密着部材
が光透過性を有すること、および上記光学密着部材と光
学的に連結された、反射要素または発光要素を含んでな
る光供給部材をさらに備えてなること、というさらなる
特徴を有する。この様な特徴により、光学密着部材がプ
リズム反射素子に密着した第2状態において、光供給部
材から供給される光が、光学密着部材および光透過性プ
リズム部材を透過し、その透過光によって、第2イメー
ジ全体を明イメージとして視認できるという効果を奏す
る。
【0015】本発明の可変イメージ表示装置における第
1イメージおよび第2イメージは下記の通りに作製する
ことができる。まず、第1イメージはプリズム部材に光
透過性着色材料で図案、文字、記号等を描くことにより
形成される。また、第1イメージは図案等を全く描かず
に無地とすることもできる。第2イメージは、光学密着
部材および/または光供給部材の形や色と第1イメージ
との組み合わせにより形成される。
【0016】本発明の可変イメージ表示装置において、
光学密着部材がプリズム部材のプリズム反射素子に密着
していない第1状態では、プリズム部材で再帰反射され
た光が観測者に到達するので、プリズム部材に形成され
た第1イメージが明イメージとして視認される。一方、
光学密着部材がプリズム反射素子に密着している第2状
態では、光供給部材から供給される光が光学密着部材お
よびプリズム部材を透過して観測者に到達するので、光
学密着部材および/または光供給部材の形や色と、プリ
ズム部材に形成された第1イメージとの組み合わせによ
り生じる第2イメージが明イメージとして視認される。
【0017】以下に、本発明の作用、特に、第2イメー
ジ全体が明イメージとして視認される作用を図2に沿っ
てさらに詳細に説明する。図2には、本発明の1態様の
可変イメージ装置の断面図が示されている。光学密着部
材(2)が、プリズム部材(1:図示の例ではプリズム
フィルム)のプリズム反射素子(11)に密着している
第2状態(b)において、それらが密着した部分(光学
密着部分)では、プリズム反射素子(11)は再帰反射
性を実質的に持たない。したがって、プリズムフィルム
の表面から内部に入射された光は、プリズム反射素子
(11)を通過し、さらに、光透過性を有する光学密着
部材(2)内部を通過する。この時、光学密着部材
(2)では再帰反射が生じないので、後述する光供給部
材(3)がなければ、この光は光学密着部材(2)も通
過し、第2イメージ(s)の光学密着部分は、夜間等の
外部から供給される光の量が少ない時には、図1の第2
イメージ(s,N)に示すように、黒色にしか視認され
ない。
【0018】しかしながら、本発明では、光学密着部材
(2)と光学的に連結された、光供給部材(3)をさら
に備えてなる。図2において、光供給部材(3)は反射
要素としての再帰反射部材(3)である。通常、再帰反
射部材(3)は、再帰反射シートなどから形成される。
光供給部材として再帰反射シートを用いた場合、上記の
様にして、プリズムフィルム内部に入射された光は、プ
リズム反射素子(11)、および光学密着部材(2)を
通過し、再帰反射部材(3)に到達する。この時、再帰
反射部材(3)で再帰反射が生じ、この再帰反射光が光
学密着部材(2)およびプリズム反射素子(11)を再
び通過する。したがって、第2状態(b)では、観察者
は、光学密着部材(2)が密着していない部分でのみプ
リズム反射素子(11)から反射される第1反射光と、
再帰反射部材(3)で再帰反射される第2反射光との両
方の光を明るく視認することができる。したがって、第
2イメージ全体を明イメージとして視認できる。また、
昼間等、プリズムフィルム(1)に外部から供給される
光の量が比較的多い場合は、従来と同様に、第2イメー
ジの光学密着部分は、光学密着部材(2)および再帰反
射部材(3)における拡散反射光により明るく視認でき
る。
【0019】また、詳細は後述するが、光供給部材が発
光要素である場合も同様に、第2イメージ全体を明イメ
ージとして視認できる。発光要素は、通常、光学密着部
材(2)に光を供給する光源を含んでなる。したがっ
て、第2状態(b)では、観察者は、光学密着部材
(2)が密着していない部分でのみプリズム反射素子
(11)から反射される反射光と、光学密着部分におい
て上記発光要素の光が透過した透過光との、両方の光を
視認することができ、したがって、第2イメージ全体を
明イメージとして視認できる。
【0020】なお、本明細書において、「光供給部材が
光学密着部材と光学的に連結される」ということは、光
供給部材が反射(または発光)した光が、光学密着部材
を透過し、プリズム部材(プリズムフィルム)に供給可
能であることを意味する。
【0021】さらに、本発明の可変イメージ表示装置で
は、上記光学密着部材および上記光供給部材のいずれか
一方、またはそれらの両方が着色されている。本発明の
構成では、第2状態でも、光学密着部分が暗イメージ
(黒色)とはならない。したがって、第2イメージに含
まれる光学密着部分が有効に着色され、しかも、昼夜を
問わず、着色された明るい第2イメージを視認できる。
【0022】なお、光学密着部材が着色される場合、光
透過性を維持したまま着色される。また、光供給部材が
発光要素である場合、「光供給部材が着色される」と
は、発光要素が光学密着部材に向けて照射(供給)する
光が着色される様にすることを意味する。
【0023】以下において、本発明による可変イメージ
表示装置を構成する各部材について説明する。 (光透過性プリズム部材)本発明で使用される光透過性
プリズム部材としては、好適には、キューブコーナープ
リズム等のプリズム反射素子を裏面に有する、光透過性
プリズム部材を用いる。光透過性プリズム部材は、通
常、プリズムフィルムである。なお、本発明の可変イメ
ージ表示装置において、プリズム部材の略平坦な表面
(プリズム反射素子を持たない平面)がイメージ表示面
である。
【0024】プリズム部材は、光透過率が通常60%以
上、好適には70%以上、特に好適には80%以上の樹
脂からなる。この様なプリズム部材は、プリズム部材の
透明性を低下させる金属反射膜を用いることなく、高い
透明性と反射輝度とを実現できる。透明性(光透過率)
が低下すると、夜間において、第2イメージが明るく視
認できないおそれがあり、特に、第2イメージの光学密
着部分の色が明るく視認できないおそれがある。プリズ
ム部材の光透過率は、裏面(反射素子)側から測定した
ときの透過率である。また、本明細書において用いると
きに、光透過率は、JIS K−7105に準拠して測
定した全光線透過率である。
【0025】プリズム部材のプリズム反射素子は、プリ
ズム反射素子が光学密着部材と密着していない第1状態
において、入射された光をプリズム面で反射することに
より再帰反射させ、一方、光学密着部材と密着している
第2状態では、光学密着部材と密着している部分の光を
透過させるものである。プリズム反射素子を構成するプ
リズム状突起の好ましい形状は、「キューブコーナー」
と呼ばれる三角錐である。キューブコーナープリズム
は、プリズム部材の反射輝度と広角度観測性とを容易に
高めることができる。三角錐状素子の好ましい寸法は、
通常、底面の一辺の長さが0. 1〜3. 0mmの範囲、高
さが25〜500μmの範囲である。底面の三角形は、
通常、正三角形または二等辺三角形であるが、各辺の長
さが少しことなる不等辺三角形であってもよい。プリズ
ム部材を形成する樹脂には、屈折率が1. 4〜1. 7の
範囲の透明性が高いものが好適である。たとえば、アク
リル系、エポキシ変成アクリル、ポリカーボネート等の
樹脂が用いられる。
【0026】プリズム部材の表面には、さらに屋外耐候
性を向上させるために、紫外線吸収剤を含んだ高透明で
耐候性に優れるプラスチックフィルム(アクリル樹脂や
アクリル樹脂・フッ素系樹脂ブレンドなどのフィルム)
を貼り合わせることが望ましい。
【0027】プリズム部材には、本発明の効果を損なわ
ない限り、各種添加剤を含有させることができる。添加
剤としては、蛍光染料や蛍光顔料等の着色剤、可塑剤、
界面活性剤、硬化剤、拡散反射粒子等のフィラー、耐熱
・耐酸化・耐紫外線用の安定剤などである。
【0028】なお、プリズム部材の寸法は、本発明の効
果を損なわない限り特に限定されない。通常、プリズム
部材がプリズムフィルムである場合、その層の厚みは通
常10μm〜10mmであり、平面寸法(表面の面積)
は通常10cm2 〜30m2である。
【0029】プリズム部材は、特開昭60−10010
3号公報、米国特許第4, 775,219号明細書等に
開示されている製造方法によって製造することができ
る。たとえば、所定の形状および配列を有する金型を用
い、樹脂を成形して作製することができる。
【0030】(光学密着部材)光学密着部材はプリズム
部材のプリズム反射素子と密着しているか否かによっ
て、表示イメージを第1イメージと第2イメージとの間
で変化させる機能を有する。鮮明なイメージを表示する
ために、光学密着部材は、プリズム反射素子が反射可能
な空気界面を持たないように、プリズム反射素子と密着
できるものであることが重要である。また、夜間におい
て、第2イメージを明るく視認し、かつ、第2イメージ
中の光学密着部材の密着部分の色を明るく視認すること
ができるように、光学密着部材は光透過性である。この
ような光学密着部材として、通常、光透過率が通常25
%以上、好適には28%以上、特に好適には30%以上
である弾性変形可能なポリマーが挙げられる。
【0031】上記の特性を有する光学密着部材は、好適
にはエラストマーまたはラバーから形成されたシート
(以下、総称して「エラストマーシート」と呼ぶことも
ある。)である。通常、この様なエラストマーシート
は、弾性変形可能なポリマーを原料として用い、シート
物の常用の成形方法により形成できる。原料用のポリマ
ーは、反応性(硬化性、架橋性等)のものであっても良
い。
【0032】光学密着部材の材料としては、シリコーン
系ポリマー(シリコーン−ポリウレア等の共重合体を含
む)、スチレン系エラストマー、ポリウレタン、イソプ
レンゴム、ブタジエン系ゴム、アクリルゴム、ポリオレ
フィン、アイオノマー、フッ素系ポリマー、天然ゴム、
ポリ塩化ビニル、ポリエステルなどを単独で、またはこ
れらの材料をブレンドして使用できる。また、上記の様
な材料に添加剤を加えることもできる。添加剤として
は、可塑剤、界面活性剤、硬化剤、フィラー、染料や顔
料等の着色剤、耐熱・耐酸化・耐紫外線用の安定剤など
が挙げられる。
【0033】光学密着部材の物性は、プリズム反射素子
に対して有効に光学密着可能であれば特に限定されず、
たとえば、針入度は通常18以上、好適には20〜10
0、特に好適には40〜80である。針入度が小さすぎ
ると光学密着が困難になり、第2イメージの光学密着部
分の色が明るく視認できないおそれがある。反対に大き
すぎると、密着および脱着の繰り返しが困難になった
り、その繰り返しのよる破損が起こりやすくなる傾向が
ある。なお、針入度は、好適にはASTMD1403に
準拠する針入度計(1/4コーン)を用いて測定した値
である。
【0034】光学密着部材のヤング率(引張試験によ
る)は、プリズム反射素子に対して有効に光学密着可能
であれば特に限定されない。通常1〜100MPa、好
適には5〜50MPaである。ヤング率が高すぎると光
学密着が困難になり、第2イメージの光学密着部分の色
が明るく視認できないおそれがある。反対に低すぎる
と、密着および脱着の繰り返しが困難になったり、その
繰り返しのよる破損が起こりやすくなる傾向がある。
【0035】また、光学密着部材の屈折率は、プリズム
部材の屈折率と同じか、または大きい方が好適である。
【0036】なお、光学密着部材の寸法は、本発明の効
果を損なわない限り特に限定されない。通常、光学密着
部材がエラストマーシートである場合、その層の厚みは
通常50μm〜10mmである。また、1つのプリズム
部材に対して、2以上の光学密着部材を並べて配置する
こともできる。
【0037】(光供給部材)光供給部材は、反射要素ま
たは発光要素である。反射要素としては、前述の様に再
帰反射シートが好適に使用できる。光供給部材が、反射
要素としての再帰反射シートを含んでなる場合、装置内
に別途光源を配置することなく、光学密着部材に対して
有効に光を供給できる。また、第2イメージを、再帰反
射作用により高輝度で視認可能にすることができる。
【0038】再帰性反射シートは、たとえば、再帰反射
反射素子として、微小ガラスビーズレンズと、その焦点
位置に配置された反射膜との組合せを有してなる素子を
有するビーズ型再帰反射シートが使用できる。ビーズ型
再帰反射シートとしては、たとえば、封入レンズ型、カ
プセルレンズ型再帰性反射シートがある。また、第2イ
メージの光学密着部分の視認輝度を効果的に高めたり、
その観測角を効果的に広げたりすることが容易であるこ
とから、前述のキューブコーナープリズム反射素子を利
用した、プリズム反射素子型再帰反射シートが好適であ
る。前述の様に、プリズム反射素子型反射シートは、通
常 A:略平らな表面と、複数のプリズム反射素子が配置され
た裏面とを有する、プリズムフィルムと、 B:そのプリズムフィルムの裏面側に積層されたシール層
とを有し、 そのシール層は、部分的にのみプリズムフィルムのプリ
ズム反射素子面(裏面)に固着され、シール層とプリズ
ムフィルムとの間の空間(間隙)に、プリズム反射素子
をカプセル封入したものである。
【0039】好適な再帰反射シートの具体例として、た
とえば、3M(株)社製の再帰反射シート(品番)#5
80、同(品番)#3810J、同(品番)1570、
同(品番)3390、同(品番)3963、同(品番)
3983、同(品番)3924、同(品番)3951、
同(品番)3970、同(品番)981等が使用でき
る。また、日本カーバイド(株)社から入手可能な
「(商品名)クリスタルグレード・シリーズ」、スティ
ムソナイト〔Stimsonite〕(株)社から入手
可能な「(商品名)トランスルーセント(番号)460
0シリーズ」を使用することもできる。
【0040】また、反射要素として、第2の光透過性プ
リズム部材を用い、上記再帰反射シートと同様の効果を
得ることもできる。反射要素として第2光透過性プリズ
ム部材を用いた場合、第2光透過性プリズム部材の裏面
側に発光要素を配置することもできる。この様な場合、
発光要素からの光は、上記第2光透過性プリズム部材表
示装置前面に配置される第1の光透過性プリズム部材と
の両方に供給される様にすることもできる。
【0041】さらに、第2光透過性プリズム部材のプリ
ズム反射素子に密着−脱着可能な、第2の光学密着部材
を、第2光透過性プリズム部材の裏面側に配置し、第2
光学密着部材と光学的に連結した光供給部材(反射要素
または発光要素)を配置することもできる。すなわち、
光学密着部材と、光供給部材との組を、複数含んでなる
様な多重構造を有することもできる。これにより、第1
イメージと異なる、複数の別イメージを表示できる可変
イメージ表示装置を容易に形成することもできる。
【0042】その他の反射要素としては、鏡面反射体、
拡散反射体等の反射体が使用できる。反射体の反射面
は、平坦面、曲面、または複数の凹凸を含む面にするこ
とができる。
【0043】反射要素は、通常、光学密着部材の裏面、
すなわち、表示装置のプリズム部材のプリズム反射素子
面と密着する表面とは反対側の面に密着し、これによ
り、光学密着部材と光学的に連結される。前述の様に、
光学密着部材は、通常、弾性変形可能な部材(エラスト
マーシート等)であるので、反射要素は、柔軟性が高い
方が好適である。したがって、反射要素は、フィルムま
たはシート状のものが好適である。この場合の反射要素
の厚みは、通常10〜800μm,好適には20〜70
0μmである。反射要素の破断伸び、破断強度などの物
性は、柔軟性が維持される範囲において、特には限定さ
れない。たとえば、破断伸びは、通常40〜350%、
好適には50〜300%である。破断強度は、通常1.
0〜20.0kg/25mm、好適には2.0〜10.0kg
/25mmである。
【0044】また、反射要素と光学密着部材との密着に
は、通常、光透過性の接着剤、たとえば、アクリル系接
着剤、シリコーン系接着剤を使用する。
【0045】前述の様に、第2イメージの光学密着部分
を着色するには、光学密着部材または反射要素が着色さ
れるのが良い。反射要素を着色する方法について、プリ
ズム反射素子型反射シートを例にとって説明する。たと
えば、反射シートの反射面に被覆フィルムを配置し、そ
の被覆フィルムを着色する。反射シートは、通常、被覆
フィルムの中に染料や顔料を含有させることにより着色
されるか、あるいは、反射シートのプリズムフィルムの
中に染料や顔料を含有させることにより着色される。こ
れらのいずれの場合にも、被覆フィルムまたはプリズム
フィルムの光透過率を不要に低下させない様に注意する
必要がある。
【0046】一方、光供給部材として、発光要素も使用
できる。発光要素は、光源を含んでなる。光源として
は、たとえば、通常、蛍光管、冷陰極管、キセノンラン
プ、ハロゲンランプ、フラッシュランプ、側面発光型光
ファイバー等が有利に使用できる。この様な光源の消費
電力は、通常0.2〜500Wである。また、液晶ディ
スプレー用のバックライトユニットを、光源として使用
することもできる。さらに、EL(エレクトロルミネッ
センス)素子またはELシート、発光ダイオード、燐光
層(燐光物質を含む層)も有用である。
【0047】発光要素は、光学密着部材に対して十分な
量の光を供給(照射)できるように、光学密着部材の裏
面側に配置すれば良く、光学密着部材に密着させる必要
はない。
【0048】前述の様に、第2イメージの光学密着部分
を着色するために発光要素を着色するには、発光要素が
光学密着部材に向けて照射(供給)する光が着色される
様にすれば良い。たとえば、発光要素が白色光源を含む
場合、その発光要素がさらに、その光源を被覆するカラ
ーフィルターや、光源と光学密着部材との間に配置され
たカラーフィルター等を含むことを意味する。カラーフ
ィルターは、通常、ポリマーやガラス等の透明性の高い
物質、染料や顔料等の着色剤とを組合せて、フィルムま
たはシート状にすることにより作製される。また、複数
の誘電反射層を積層してなる、いわゆる多層フィルムか
らなる波長選択フィルムを、カラーフィルターとして用
いることもできる。
【0049】また、発光要素としては、着色光を発する
光源を用いることもできる。たとえば、着色光を発する
燐光物質や蛍光物質を含む光源(発光ダイオード、カラ
ー蛍光管、ELシート等)、バックライト型液晶ディス
プレーなどが用いられる。
【0050】なお、前述の様に、光学密着部材が着色さ
れている場合には、発光要素自体が着色光を発する必要
はない。
【0051】(可変イメージ表示装置)本発明の可変イ
メージ表示装置の使用方法を、図2の例に沿って説明す
る。まず、光学密着部材(2)が、光透過性プリズム部
材(1)の裏面から分離された第1状態(a)では、プ
リズム部材の全表面にわたって、プリズム部材(1)上
に形成されている第1イメージが高輝度の反射光により
視認可能である。
【0052】一方、第1イメージから第2イメージに変
更したい時には、光学密着部材(2)の表面が、プリズ
ム部材(1)の裏面のプリズム反射素子(11)に密着
する様に、光学密着部材(2)をプリズム部材裏面に対
して圧接する。たとえば、光学密着部材(2)がエラス
トマーシートの場合、圧接したエラストマーシートの表
面は、プリズム反射素子の形に合わせて弾性変形し、光
学的密着が容易に達成できる。光学密着部材(2)の圧
接は、機械的にシートをプリズム部材(1)の裏面に対
して押し付けても良いし、空気圧で押し付けることもで
きる。たとえば、風船の様な膨張部材とエラストマーシ
ートとを組合せて、第1イメージから第2イメージに変
更したい時には、膨張部材に空気圧をかけて、光学密着
部材(2)をプリズム部材(1)に圧接して第2状態
(b)とし、第1イメージにもどす時には、膨張部材か
ら空気圧を取り除くことにより第1状態(a)とする。
あるいは、減圧装置を用いて、光学密着部材(2)のプ
リズム部材(1)に対する密着および脱着を行なうこと
もできる。
【0053】第2状態(b)では、プリズム部材(1)
の全表面にわたっては反射光が観察されない。光学密着
部材(2)が密着していない部分(非密着部分)での
み、プリズム部材(1)に入射した光は、プリズム反射
素子(11)において反射される(これを第1反射光と
呼ぶ)。一方、光学密着部材(2)が密着したプリズム
部材の部分(光学密着部分)では、プリズム部材(1)
に入射した光は、プリズム部材(1)および光学密着部
材(2)を透過し、光供給部材である再帰反射部材
(3)において反射される(これを第2反射光と呼
ぶ)。すなわち、上記第1および第2反射光の両方が同
時に、高輝度で明るく視認可能であり、これらの組み合
わせにより、第1イメージとは異なる第2イメージが観
察される。
【0054】第2イメージの着色化は、たとえば次の様
にして行うことができる。たとえば、光学密着部材を無
色透明なものにし、光学密着部材裏面に、再帰反射部材
として、色のついた再帰反射シート(着色された反射光
を与える)を固着する。または、光学密着部材を色のつ
いた光透過性のものにし、その裏面に着色されていない
(したがって、白い反射光を与える)再帰性反射シート
を固着する。
【0055】また、たとえば、上記プリズム部材が無着
色であり、上記光学密着部材が着色されているか、また
は上記再帰反射部材が着色されている場合、上記プリズ
ム部材の反射光(第1反射光)は白色であり、上記再帰
反射部材の反射光(第2反射光)は着色される。すなわ
ち、本発明によれば、プリズム部材における反射光と、
再帰反射部材における反射光との組み合わせにより形成
される第2イメージを容易に着色でき、しかも、上記再
帰反射部材の色は、昼夜で実質的に同一である。したが
って、本発明によれば、昼間および夜間で観察されるイ
メージ(第2イメージ)の色を実質的に同一にすること
ができる。
【0056】一方、イメージの可変方法は、いろいろな
手法で行うことができる。たとえば、無地の反射面を有
するプリズム部材と、その反射面よりも小さな面積の、
所定の形状の図形(円など)の表面を有する光学密着部
材とを組合せて、無地の第1イメージと、所定の形状の
図形が視認可能な第2イメージとを、可逆的に変更可能
に表示できる。この場合、たとえば、再帰反射部材の反
射面に交通標識情報等の表示情報を配置することもでき
る。
【0057】また、プリズム部材の表面に、光透過性着
色材料で図案、文字、記号等を描き、光学密着部材と再
帰反射部材の色や形状との組み合わせで、イメージを変
化させることもできる。さらに、プリズム部材の表面
を、光透過性着色材料で着色し、光学密着部材と再帰反
射部材の色との組み合わせ(混色作用)により、着色さ
れた第1イメージから、別の色に着色された第2イメー
ジに変化させることもできる。
【0058】前述の様に、本発明の可変イメージ表示装
置は、標識装置、看板装置、信号機等として使用でき
る。夜間においてイメージを照明する光源としては、通
常、外照光源が使用される。また、光透過性プリズム部
材−光学密着部材−反射要素(光供給部材としての構成
部品)の組み合わせが、全体として光透過性を有する場
合、外照光源と内照光源とを組み合わせることもでき
る。
【0059】
【実施例】以下において、本発明をその実施例を参照し
てさらに説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定
されるものでないことを理解されたい。 (実施例1)本例では、図3(i)に示される構成の可
変イメージ表示装置を作製した。本例では、光学密着部
材(2)のみを青色に着色し、光透過性プリズム部材
(1)および光供給部材としての反射要素(再帰反射シ
ート)(3)は着色されなかった。
【0060】光学密着部材(2)は、青色顔料を含むシ
リコーン樹脂からなるエラストマーシートであり、厚さ
は3mm、光透過率は35%、針入度は60mmであっ
た。
【0061】反射要素(3)は、スリーエム(株)社製
のプリズム反射素子型反射シート(再帰反射シート)
「品番:3990」であり、厚さは0.5mmであっ
た。また、光透過性プリズム部材(1)として、上記再
帰反射シートの構成部品であるプリズムフィルムを用い
た。上記再帰反射シートは、このプリズムフィルムと、
プリズムフィルムの裏面側に積層されたシール層とを有
し、そのシール層は、部分的にのみプリズムフィルムの
プリズム反射素子面(裏面)に固着され、シール層とプ
リズムフィルムとの間の空間(間隙)に、プリズム反射
素子をカプセル封入したものであった。上記プリズムフ
ィルムの厚さは0.4mm、光透過率は95%であっ
た。
【0062】一方、光透過性プリズム部材(1)は、1
辺が10cmの平面寸法を有する正方形に加工された。
光学密着部材(2)と反射要素(3)とは、光透過性の
接着剤(シリコーン系感圧接着剤)の層を介して密着さ
れ、直径が7cmの平面寸法を有する円形を有する積層
体を形成した。なお、上記接着剤の層の厚さは0.02
mm、光透過率は90%であった。
【0063】本例の可変イメージ表示装置の動作につい
て、ここで説明する。まず、光学密着部材(2)が、光
透過性プリズム部材(1)の裏面のプリズム反射素子に
密着していない第1状態(a)で観察される第1イメー
ジ(f)は、光透過性プリズム部材(1)の表面から形
成された、白い正方形であった。これは、昼間の第1イ
メージ(f,D)と夜間の第1イメージ(f,N)とも
同じであった。一方、光学密着部材(2)が、光透過性
プリズム部材(1)のプリズム反射素子に密着した第2
状態(b)で観察される第2イメージ(s)は、白い正
方形の中に、青色の円形が含まれるものであった。これ
も、昼間の第2イメージ(s,D)と夜間の第2イメー
ジ(s,N)とも同じく明るい色で観察できた。すなわ
ち、本例の可変イメージ表示装置では、夜間に再帰反射
光により観察される第2イメージ(s)を、明るく着色
することができた。
【0064】(実施例2)本例では、図3(ii)に示さ
れる構成の可変イメージ表示装置を作製した。なお、本
例の表示装置は、光学密着部材(2)を着色せず、再帰
反射シート(3)を着色した以外は、実施例1と同様に
して作製した。再帰反射シート(3)の着色は、再帰反
射シートの反射面を被覆する、光透過性フィルム中に、
青色顔料を含有させて行った。
【0065】本例の可変イメージ表示装置も、実施例1
と同様にして動作可能であり、第2状態(b)で観察さ
れる第2イメージ(s)は、昼夜とも同じく明るい色で
観察できた。すなわち、本例の可変イメージ表示装置で
は、夜間に再帰反射光により観察される第2イメージ
(s)を、明るく着色することができた。
【0066】(実施例3)本例では、図4(i)に示さ
れる構成の可変イメージ表示装置を作製した。なお、本
例の表示装置は、以下に説明する以外は、実施例1と同
様にして作製された。
【0067】まず、光透過性プリズム部材(1)の裏面
に、光学密着部材(2)と再帰反射シート(3)とから
なる積層体の平面寸法と、同じ平面寸法を有する円形図
形を配置した。この円形図形は、光透過性の赤色インク
を塗布して描いた、一面が着色されたものであった。
【0068】本例の可変イメージ表示装置の動作につい
て、ここで説明する。まず、光学密着部材(2)が、光
透過性プリズム部材(1)の裏面に密着していない第1
状態(a)で観察される第1イメージ(f)は、白い正
方形の中に赤色の円が含まれるもの観察された。これ
は、昼間の第1イメージ(f,D)と夜間の第1イメー
ジ(f,N)とも同じであった。一方、光学密着部材
(2)が、光透過性プリズム部材(1)に密着した第2
状態(b)で観察される第2イメージ(s)は、正方形
中の円が、第1イメージ(f)の赤色から紫色に変化し
た。これは、光学密着部材(2)の青色と、円形図形の
赤色との混色により、紫色に変化したものであった。な
お、この第2イメージについても、昼間の第2イメージ
(s,D)と夜間の第2イメージ(s,N)とも同じく
明るい色で観察できた。すなわち、本例の可変イメージ
表示装置では、夜間に再帰反射光により観察される第2
イメージ(s)を、明るく着色できると同時に、光透過
性プリズム部材の表面に形成された着色図形の色を、変
化させることもできた。
【0069】(実施例4)本例では、図4(ii)に示さ
れる構成の可変イメージ表示装置を作製した。なお、本
例の表示装置は、光学密着部材(2)を着色せず、再帰
反射シート(3)を着色した以外は、実施例3と同様に
して作製した。また、再帰反射シート(3)の着色は、
実施例2と同様にして行った。
【0070】本例の可変イメージ表示装置も、実施例3
と同様にして動作可能であり、第1イメージ(f)から
第2イメージ(s)の変化では、正方形中の円が赤色か
ら紫色に変化した。すなわち、本例の可変イメージ表示
装置では、夜間に再帰反射光により観察される第2イメ
ージ(s)を、明るく着色できると同時に、光透過性プ
リズム部材の表面に形成された着色図形の色を、変化さ
せることもできた。
【0071】(実施例5)本例では、図5に示される構
成の可変イメージ表示装置を作製した。なお、本例の表
示装置は、以下に説明する以外は、実施例1と同様にし
て作製された。
【0072】まず、再帰反射シート(3)の反射面に、
図示の様な道路標識の図案(4)を配置した。この図案
(4)は、光透過性の赤色インクを塗布して描いたもの
であった。この図案の上に、着色していない光学密着部
材(2)を密着し、再帰反射シート(3)とからなる積
層体を形成した。
【0073】本例の可変イメージ表示装置の動作につい
て、ここで説明する。まず、光学密着部材(2)が、光
透過性プリズム部材(1)の裏面に密着していない第1
状態(a)で観察される第1イメージ(f)は、白い正
方形の中に何も見えないものであった。これは、昼夜と
も同じであった。
【0074】一方、光学密着部材(2)が、光透過性プ
リズム部材(1)に密着した第2状態(b)で観察され
る第2イメージ(s)では、正方形の中に道路標識の図
案が(4)現れた。すなわち、何も見えない第1イメー
ジ(f)から、図案(4)を含む第2イメージ(s)へ
の変化が可能であった。また、この第2イメージ(s)
は、昼間の第2イメージ(s,D)と夜間の第2イメー
ジ(s,N)とも同じく明るい色で観察できた。すなわ
ち、本例の可変イメージ表示装置では、夜間に再帰反射
光により観察される第2イメージ(s)を明るく着色で
きると同時に、光透過性プリズム部材の表面に、第1イ
メージ(f)では隠されていた図案を出現させる様な、
イメージ変化が可能であった。
【0075】
【発明の効果】本発明の可変イメージ表示装置は、夜間
等の、光透過性プリズム部材に対して外部から供給され
る光が少ないときでも、イメージの変化前後で、明イメ
ージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の可変イメージ表示装置の断面図(第
1状態(a)および第2状態(b))並びにイメージ
(第1イメージ(f)および第2イメージ(s)、昼間
等の外部からの光の量が多い場合(D)および夜間等の
外部からの光の量が少ない場合(N))を示す。
【図2】本発明の1態様の可変イメージ表示装置の断面
図を示す。
【図3】実施例1および2の可変イメージ表示装置の断
面図およびイメージを示す。
【図4】実施例3および4の可変イメージ表示装置の断
面図およびイメージを示す。
【図5】実施例5の可変イメージ表示装置の断面図およ
びイメージを示す。
【符号の説明】
1…プリズム部材 2…光学密着部材 3…光供給部材(再帰反射部材) 4…図案 11…プリズム反射素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA04 AA14 AA21 AB38 AB40 AC01 AC02 2H042 EA04 EA15 EA16 5C096 AA02 AA12 BA03 BB18 BC11 CB06 CG16 CG17 DB12 DB19 FA02 FA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略平坦な表面と、複数のプリズム反射素
    子が配置された裏面とを有する、光透過性プリズム部材
    と、 上記光透過性プリズム部材の裏面側に配置され、上記プ
    リズム反射素子に対して密着および脱着が可能な光学密
    着部材、とを備えてなり、 上記光学密着部材が上記プリズム反射素子に密着してい
    ない第1状態と、上記光学密着部材が上記プリズム反射
    素子に密着した第2状態との間で可逆的に状態を変える
    ことができ、 上記第1状態において上記光透過性プリズム部材の表面
    から観察される第1イメージと、上記第2状態において
    上記光透過性プリズム部材の表面から観察される第2イ
    メージとが異なって見える、可変イメージ表示装置にお
    いて、 上記光学密着部材が光透過性を有し、かつ上記光学密着
    部材と光学的に連結された、少なくとも反射要素および
    発光要素のいずれか1方を含んでなる光供給部材をさら
    に備えてなり、 少なくとも上記光学密着部材および上記光供給部材のい
    ずれか1方が着色されており、 それにより、観察者が、上記第2イメージを光供給部材
    から供給される光によって明るいイメージとして視認で
    きることを特徴とする、可変イメージ表示装置。
  2. 【請求項2】 前記光供給部材が、前記反射要素として
    再帰反射部材を含んでなる、請求項1の可変イメージ表
    示装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017056994A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 富士フイルム株式会社 構造体および容器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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