JP2001214706A - ガスタービン蒸気冷却静翼 - Google Patents
ガスタービン蒸気冷却静翼Info
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Abstract
縁、シュラウドを全面蒸気冷却し、蒸気圧損を低減し、
空気を不要として冷却効果を向上させる。 【解決手段】 静翼1、外側、内側シュラウド50,5
1からなる翼には通路30A〜30Dが設けられ、それ
ぞれ中心部に丸棒からなる2本のスペーサ21〜27で
仕切板により背側と腹側に区分する。蒸気入口2から蒸
気40aが蒸気溜り3から通路30Aの周囲の隙間を通
り、リブの穴10から40bのように通路30Bへ、穴
11から40Cのように30Cへ、穴12から40dの
ように30Dへ、それぞれ周囲隙間を流れ、通路30D
内の蒸気と合流する。又、通路30B,30Cへは蒸気
溜り3より蒸気が内側へ流れ、一部はキャビティ16か
ら通路30A、後縁通路30Eへ流れ、残りは通路30
Dへ流れ、蒸気出口14より回収される。又、蒸気溜り
3から後縁側の隙間31E、31F,31Gへも流れ、
内側より後縁通路30Eを通り蒸気出口15より流出す
る。
Description
却静翼に関し、蒸気冷却方式を採用して静翼を冷却し、
蒸気の圧損を低減させ、冷却効果を高めるようにしたも
のである。
冷却する方式が一般的であるが、その概要をまず、図5
により説明する。図5は、ガスタービンの代表的な一段
静翼を示す断面図である。図において、70は一段静翼
を示し、60は外側シュラウド、61は内側シュラウド
である。70aは静翼の前縁部、70bは後縁部、70
c,70d,70eは翼中央部、後縁にそれぞれ設けら
れた空気冷却穴である。静翼70の内部には前縁側の通
路62、中央部の通路63、後縁部の通路68が設けら
れており、通路62内にはインサート64が挿入され、
通路63にはインサート65が挿入されている。これら
インサート64,65はそれぞれ通路62,63の内壁
に所定の隙間を保って挿入され、多点で支持されてい
る。インサート64,65は中空の筒状体であり、周囲
にはそれぞれ多数の空気吹出し穴66,67が明けられ
ている。
0,81,82は図示省略の車室空間より外側シュラウ
ド60を通り、静翼70内へ導かれるが、冷却空気80
は前縁側のインサート64に流入し、インサート64周
囲の空気吹出し穴66より通路62とインサート64と
で形成する隙間に流出し、冷却穴70a及び通路62の
周囲をインピンジ冷却した後、翼に穿設されている冷却
穴70cより翼表面に流出し、翼表面をシャワーヘッド
及びフィルム冷却する。
流入し、インサート65の空気吹出し穴67よりインサ
ート65と通路63とで形成される隙間に流出し、通路
63内周囲をインピンジ冷却し、同様に翼に設けられた
フィルム冷却穴70dより翼表面に流出し翼表面をフィ
ルム冷却する。又、冷却空気82は後縁の通路68に入
り、後翼部を冷却し、後縁のフィルム冷却穴70eより
外部へ流出する。
が、近年のガスタービンの高温化に伴い、特にコンバイ
ンドサイクルの発電プラントでは、蒸気タービンのボト
ミング系から蒸気を一部抽気して静翼に導き、蒸気によ
り冷却する方式が開発されており、実機に適用され始め
ている。この蒸気冷却方式においても、空気冷却方式と
同じような通路、あるいはサーペンタイン冷却通路を静
翼内に設け、蒸気を流入させ、冷却通路に流して冷却後
の蒸気を回収し、蒸気供給側に戻すようにしている。
ービンの冷却には、空気に代わって蒸気を導き冷却する
方式が採用され始めているが、空気冷却方式と同じよう
に、サーペンタイン方式の通路を設け、静翼を冷却する
構造では蒸気圧損が大きく、蒸気冷却方式では冷却後の
蒸気を回収し、これを蒸気供給側に戻して有効利用する
サイクルを構成しており、圧損を小さくすることが必要
となっている。
冷却がされておらず、後縁側は空気冷却としており、冷
却系統が2系統となって複雑となり、性能上からも何ら
かの対策を検討する余地があった。
前縁のみならず、後縁にも形成し、翼全体を効果的に蒸
気で冷却し、かつ蒸気の圧損を小さくし、蒸気を回収す
ることのできるガスタービン蒸気冷却静翼を提供するこ
とを課題としてなされたものである。
決するために、次の(1)〜(7)の手段を提供する。
らなり、同翼前半部及び翼後縁部には、それぞれ前後を
リブで区分し外側シュラウドから内側シュラウドへ貫通
する複数の通路を形成し、同翼後縁前部には、それぞれ
前後をリブで区分し外側シュラウドから内側シュラウド
へ貫通する翼背側と翼腹側に所定の隙間を保った複数の
隙間通路を形成し、外側蒸気供給用キャビティを前記翼
前半部の通路及び前記翼後縁前部の隙間通路にそれぞれ
連通させ、内側蒸気用キャビティを前記翼前半部の通路
及び前記翼後縁部の通路にそれぞれ連通させて構成され
た静翼であって;前記翼前半部の各通路には、同通路内
を翼背側と翼腹側に区分すると共に前記通路周囲及び前
記リブ壁面との間に所定の隙間を形成するように挿入さ
れた一対の筒状インサートと、同一対の筒状インサート
間に挿入され、両インサートを支持し、固定するスペー
サとを設け、更に、前記各通路を区分する前記翼前半部
のリブには複数の貫通穴を配列し、前記各隙間を連通さ
せ、かつ、同隙間は最後部の筒状インサート内と連通さ
せる構成とし;前記外側蒸気供給用キャビティから翼前
半部最後尾通路を除いて前記筒状インサートに蒸気を流
し、前記内側蒸気用キャビティから前記翼後縁部の通路
へ流入させて外側へ流出させると共に、前記翼前半部の
前記隙間にも蒸気を流入させ、前記リブの穴を通って最
後部の筒状インサート内へ混入させることを特徴とする
ガスタービン蒸気冷却静翼。
一部を後方の隙間通路から外側シュラウドに流出させる
と共に、残りの蒸気を前記翼後縁部の最前段の通路へ流
入させるように構成したことを特徴とする(1)記載の
ガスタービン蒸気冷却静翼。
インサートは、互いに対向する側面が仕切板で構成さ
れ、同仕切板と接続して筒状中空部を形成し、同互いに
対向する仕切板を前記スペーサで支持することを特徴と
する(1)記載のガスタービン蒸気冷却静翼。
後方の通路の前記対向する仕切板には、それぞれ複数の
貫通穴を配列させたことを特徴とする(3)記載のガス
タービン蒸気冷却静翼。
あり、各通路にそれぞれ2本が外側シュラウドから内側
シュラウドへ向かって挿通され、前記仕切板を支持して
いることを特徴とする(1)記載のガスタービン蒸気冷
却静翼。
ことを特徴とする(1)記載のガスタービン蒸気冷却静
翼。
インサートの前方には、それぞれ蒸気流出用穴が設けら
れ、前記筒状インサート内と前記隙間とを連通させ、同
筒状インサートから流出する蒸気を前記穴から隙間へ流
入させるよう構成したことを特徴とする(1)記載のガ
スタービン蒸気冷却静翼。
(1)の発明を基本としている。蒸気は外側の蒸気供給
用キャビティから、それぞれ翼前半部の通路の筒状イン
サート内へ流入し、各筒状インサート内を流れて翼前半
部を内部から冷却して内側蒸気用キャビティに流出す
る。内側蒸気用キャビティ内の蒸気は、一部は翼前半部
の最後部の通路の筒状インサートを流れて外側シュラウ
ドより流出し、残りは後縁部へ流入し、後縁部の通路を
流れて、外側シュラウドへ流出する。一方、翼前半部の
筒状インサートへ流入した蒸気は先端部と筒状インサー
トとが連通しているので、隙間へ流入し、翼前半部の前
縁側から後方に向かって翼背側、翼腹側の隙間を流れ、
リブの穴を通って次の通路の両側の隙間へ順次流入し、
翼前半部の最後部通路の両側隙間から筒状インサート内
の蒸気に混入する。又、外側蒸気供給用キャビティから
翼後縁前部の隙間通路にも蒸気が流入し、各両側の隙間
通路内を流れ、内側で合流し、翼後縁部最後部の隙間通
路を通り、外側シュラウドへ流出する。
は、翼前半部の一対の筒状インサートによる狭い蒸気通
路と、各筒状インサートと通路及びリブの壁との隙間、
翼後縁前部の両側の狭い隙間通路とで狭い蒸気流路を形
成し、少ない蒸気で効果的な冷却が可能となり、又蒸気
は外側シュラウドより回収し、蒸気供給源へ戻すので、
蒸気の圧損が低減する。又、後縁側も蒸気で冷却するの
で従来のような空気が不要となり、冷却系統が簡略化さ
れる。
た蒸気の一部は翼後縁部の最前段の通路へ流入するので
(1)の翼後縁部の冷却が強化される。又、(3)の発
明では、両側の筒状インサートはそれぞれ仕切板を対向
させて、仕切板とで中空筒状を形成し、両側の仕切板間
をスペーサで支持し、固定するので背側、腹側の各筒状
インサートの支持、固定が確実になされる。又、(5)
ではスペーサが丸棒、(6)では弾性材であり、同じ効
果が得られるので、設計上の選択肢が広まる。
前半部の最前方と最後方との仕切板には複数の穴を上下
に配列しており、これら穴により両側の筒状インサート
が内側シュラウドから外側シュラウド全体にわたって互
いに連通し、最前方においては流入する蒸気が、最後方
においては流出する蒸気が、それぞれ攪拌作用により均
一化され、均一な冷却を可能とする。
状インサートからの蒸気は穴を介して隙間に流入するの
で、最前方の筒状インサート内の蒸気が隙間へ容易に流
入し、隙間の蒸気流れがスムーズとなる。
図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実施
の一形態に係るガスタービン蒸気冷却静翼の縦断面図で
あり、1段静翼の例で示している。図において、外側シ
ュラウド50と内側シュラウド51、静翼1とで翼全体
を構成し、内側シュラウド50から蒸気を供給し、内部
を冷却し、冷却後の蒸気を再び外側シュラウド50から
回収する。
通路30A,30B,30C,30Dがそれぞれ外側シ
ュラウド50と内側シュラウド51間に設けられ、翼前
半部を構成し、又、通路30Dより後縁側には、後述す
るように、それぞれ蒸気通路となる隙間31E,31
F,31Gを有する翼後縁前部を形成し、後縁側の複数
の後縁通路30Eが設けられている。又、通路30Aに
は、後述する仕切板を介し、翼の背側と腹側に区分する
筒状インサートを支持するスペーサ20,21が、通路
30Bにはスペーサ22,23が、通路30Cにはスペ
ーサ24,25が、更に通路30Dにもスペーサ26,
27が、それぞれ上下に配設されている。
外側シュラウド50の外側から蒸気を導く。3は蒸気溜
り(外側蒸気供給用キャビティ)、4は前縁の通路へ蒸
気を均一に流入させるためのインピンジ板、5は前縁の
通路30Aを背側と腹側とに区分する仕切板で、仕切板
5には背側と腹側とを連通する穴6が内側から外側へ向
かって上下に複数設けられている。7はインピンジ板で
あり、内側シュラウド51から前縁の通路30Aに蒸気
を均一に流入させる。8はタービュレータであり、前縁
の通路30A内壁に設けられ、流れを攪拌し、冷却効果
を向上させるものである。
の上下に配列して設けられた多数の穴であり、蒸気を通
路30A周囲の隙間から30Bの隙間へ導く通路を構成
している。11も穴であり、通路30Bと30Cを区分
するリブに設けられ、蒸気を同時に通路30Bの隙間か
ら30Cの隙間へ導くものである。12も同様な穴であ
り、通路30Cと通路30Dとを区分するリブに設けら
れ、通路30Cから30Dの隙間へ蒸気を導くものであ
る。13は通路30Dを背側と腹側に仕切る仕切板に設
けられた多数の穴であり、筒状インサートで両側に仕切
られた通路を連通させるものである。
A,30B,30Cを流れ、30Dに流入した冷却後の
蒸気を外側シュラウドへ流出させて回収する。15も蒸
気出口であり、後縁側の隙間31E,31F,31G及
び後縁通路30Eを通った冷却後の蒸気を外側シュラウ
ド側へ回収する。16は内側シュラウド51側のキャビ
ティであり、通路30Bより流出した蒸気を他の通路へ
分配するための蒸気溜りとなっている。17はインピン
ジ板であり、内側シュラウド51のキャビティ16から
蒸気を多数の後縁通路30Eへ均一に分配して流入させ
るものである。18もインピンジ板であり、外側シュラ
ウド50の蒸気溜り3から蒸気を隙間31E,31Fに
均一に流入させるものである。
0aは蒸気入口2より流入し、蒸気溜り3へ入る。蒸気
溜り3からは、インピンジ板4を通って通路30Aへ外
側から均一に分配されて流入し、通路30B,30C,
及び後縁側の隙間31E,31Fへも流入する。
に仕切板5及び筒状インサートで区分された両通路を上
下に配列した多数の穴6で両側に連通して流れを攪拌さ
せて、図2で後述するように、通路30Aの周囲に形成
された両側の隙間31Aに流れ、前縁部を冷却し、穴1
0より隣接する後方の通路30Bの隙間31Bへ40b
のように流れる。
から40bのように穴10を通って流入した蒸気により
背側と腹側の通路側面の隙間31Bを通り、通路両側を
冷却し、冷却後の隙間31Bを通った蒸気は40Cで示
すように穴11を通って隣接する後方の通路30Cの隙
間31Cに流入し、同様に通路30Cの背側、腹側の両
面を冷却し、40dで示すように穴12を通り、隣接す
る後方の通路30Dの隙間31Dに流入する。
気は、図2で後述するように隙間31Dを通って両側面
を冷却した後、通路30Dの筒状インサート内に入り、
背側と腹側とを仕切る仕切板5D−1に設けられた多数
の上下の穴13で両側の通路内を連通して流れ、内側シ
ュラウド51側から流入してくる蒸気と混合し、外側シ
ュラウド50の蒸気出口14から流出して回収される。
流入した蒸気40eは、通路30Bを冷却しながら、外
側から内側シュラウド51内のキャビティ16に流出
し、又、通路30C内の筒状インサート内に流入した蒸
気40fも、通路30Cを冷却しながら、外側から内側
シュラウドへ流れてキャビティ16へ同様に流出する。
キャビティ16に流出し、ここで溜まった蒸気のうち、
40gはインピンジ板7より前縁の通路30Aに流入
し、通路30Aでは、外側シュラウドから流入した蒸気
と内側シュラウドから流入した蒸気が混合し、前縁側通
路30Aを効果的に冷却し、前述のように両側の隙間3
0Aへも流入して隣接する通路30Bへ多数の穴10か
ら40bで示すように流入する。
路30Dに流入し、通路30Cから40dのように隙間
31Dに流入して通路30Dに入ってきた蒸気と混合
し、通路30Dを効果的に冷却して外側シュラウドの蒸
気出口14より流出して回収される。又、キャビティ1
6内の蒸気40iは後縁側に流れて40jで示すように
後縁通路30Eの最後部の通路へ、他方インピンジ板1
7を通して40kのように残りの多数の通路へ均一に分
配されて流入する。後縁通路30Eに流入した蒸気40
j,40kは後縁通路30Eを流れて、これら複数の通
路を冷却し、蒸気出口15から40Mのように流出して
回収される。
入した蒸気のうち、40Nは後縁側の隙間31E,31
Fへそれぞれ40p,40Qのように流入し、それぞれ
背側と腹側の両側隙間31E,31Fを冷却して外側シ
ュラウド51のキャビティ33へ流出し、キャビティ3
3から、それぞれ後縁通路31Gへ40r,また翼後縁
部30Eの最前段通路へ40s,40tのように流れ
て、これらを冷却し、蒸気出口15へ40Uのように流
出して回収される。
において、通路30A,30B,30C,30Dは図1
でも説明したように、背側と腹側とに区分されている。
まず、通路30Aは中心部に2本の円形断面のスペーサ
20,21が上下に挿通されており、このスペーサ2
0,21で仕切板5A−1,5A−2を支持し、中心部
に空間を形成している。仕切板5A−1,5A−2に
は、図1にも示したように穴6がそれぞれ上下に多数配
列して設けられている。
挿入して通路30A−1と30A−2を形成し、内壁面
との間に所定の隙間31Aを周囲に形成している。背側
と腹側に形成された通路30A−1,30A−2のイン
サートの前縁先端部には、上下方向に穴32を多数配列
して設け、通路30A−1,30A−2を流れる蒸気が
両側の隙間31Aに流入するように穴32と隙間31A
とを連通させている。又、前縁先端の内壁周囲にはター
ビュレータ8が設けられ、先端部の蒸気の流れを攪拌す
ることにより、冷却効果を高めるようにしている。
部材で示したが、このスペーサ20,21は仕切板5A
−1,5A−2を両側外方向へ押し付けて固定するもの
であり、必ずしも丸形断面の棒でなくても良く、図3に
示すような形状でも良いものである。図3において、
(a)は中空チューブ状のスペーサ20a,21aとし
たものであり、(b)は,例えば断面短形状の弾性部材
21a,21bで両側に押し付けるスペーサとしてい
る。このような例でもスペーサ20,21と同様の効果
を有するものである。
はリブ(仕切壁)で区分され、リブには穴10が設けら
れている。通路30Bは、30Aと同様に仕切板5B−
1,5B−2により背側と腹側に区分され、それぞれ筒
状インサートを挿通することにより30B−1,30B
−2の通路が形成されている。両仕切板5B−1,5B
−2の間には同様に丸形断面の棒状のスペーサ22,2
3が挿通され、両仕切板を固定し、支持している。又、
通路30B−1,30B−2は2本の筒状インサートを
挿入し、両側の仕切板とで周囲に隙間31Bを形成する
ように配設され、この周囲の隙間31Bは穴10を介し
て通路30A側の隙間31Aと連通している。なお、上
記のスペーサ22,23も又、図3に示すスペーサ20
a,21a又は20b,21bと同様なスペーサを用い
ても良い。
れ、穴11で互いに連通している。通路30Cも同様に
仕切板5C−1,5C−2により背側と腹側に区分さ
れ、30C−1,30C−2の通路を形成している。両
仕切板5C−1,5C−2との間にはスペーサ24,2
5が挿通され、両仕切板を固定し、支持している。又、
通路30C−1と30C−2は2本の筒状インサートを
挿入し、両側の仕切板24,25とで周囲に隙間31C
を形成するように配設され、この周囲の隙間31Cは穴
11を介して通路30B側の隙間31Bと連通してい
る。なお、この場合もスペーサ24,25は同時に図3
(a),(b)に示すスペーサを用いても良い。
れ、同様に穴12が設けられ互いに連通している。通路
30Dも同様に仕切板5D−1,5D−2、スペーサ2
6,27とにより背側と腹側に区分され、仕切板5D−
1,5D−2はそれぞれ穴13が設けられ、両側を互い
に連通して通路30D−1,30D−2を形成してい
る。通路30D−1,30D−2も同様に2本の筒状イ
ンサートを挿入し、仕切板5D−1,5D−2とで周囲
に隙間31Dを形成するように配設され、この周囲の隙
間31Dは穴12を介して通路30C側の隙間31Cと
連通している。なお、この場合もスペーサ26,27は
同様に図3(a),(b)に示すスペーサを用いても良
い。又、通路30D−1,30D−2はそれぞれ穴35
が上下に複数配列されており、両側の隙間31Dに連通
している。
り(中空部を閉塞することでも可)、翼内壁両側にのみ
隙間31E,31F,31Gが形成され、この隙間には
図1に示すように蒸気が流れる。即ち、隙間31E,3
1Fには外側から内側シュラウドへ蒸気が流れ、キャビ
ティ33で合流し、隙間31Gへ内側から外側シュラウ
ドへ流れる。
通路30A−1,30A−2へ外側シュラウド50の蒸
気入口2からの蒸気及び内側シュラウド51のキャビテ
ィ16からの蒸気が流入し(図1参照)、30A−1,
30A−2の穴32から周囲両側の隙間31Aへそれぞ
れ流れ、又30A−1,30A−2間には仕切板5A−
1,5A−2の穴6で互いに連通し、かつタービュレー
タ8の作用も加わり、蒸気を攪拌して前縁部を効果的に
冷却する。通路30A−1,30A−2を冷却した蒸気
は隙間31Aから穴10を通り、隣接する通路30B−
1,30B−2周囲の隙間31Bへ流入する(図1の4
0b参照)。
を冷却し、穴11より次の通路30C−1,30C−2
の周囲の隙間31Cへ流入する(図1の40C参照)。
一方、通路30B−1,30B−2においては、図1で
説明したように、外側シュラウド50の蒸気溜り3より
内側に向かって蒸気が流入しており、この周囲と内部の
両蒸気により効果的に冷却がなされる。
冷却し、穴12より次の通路30D−1,30D−2の
周囲の隙間31Dへ流入する(図1の40d参照)。一
方、通路30C−1,30C−2においては、図1で説
明したように、外側シュラウド50の蒸気溜り3より内
側に向かって蒸気が流入しており、この周囲隙間への蒸
気と内部通路への蒸気の両蒸気により効果的な冷却がな
される。
冷却し、両側の穴35より、それぞれ通路30D−1,
30D−2へ流入する。一方、通路30D−1,30D
−2へは、図1でも説明したように、内側シュラウド5
1のキャビティ16から蒸気40hが流入し、外側シュ
ラウドへ流れており、穴35より流入した隙間からの蒸
気と混合し、更に通路30D−1,30D−2内は仕切
板5D−1,5D−2の穴13で連通しているので、蒸
気は充分に攪拌され、通路30D−1,30D−2の内
外を効果的に冷却して外側シュラウド50の蒸気出口1
4から流出して回収される。
内側から外側を見た内部断面図である。図において外側
シュラウド50には、図2に示す構成の翼が接続されて
おり、外側シュラウド50から蒸気が供給され、図1,
図2で説明したように蒸気で冷却される。一方、外側シ
ュラウド50は、図示のようにインピンジ板32,3
3,34,35,36,37が配置され、鋭角の隅部を
32,35で小さな径の穴から蒸気を流出させ、中央部
を33,34及び36,37で大小の穴を組合せて蒸気
を流出させ熱的に特に厳しい部分に均一に蒸気がシュラ
ウド底面に当り、また、回収できるようにして効果的な
冷却がなされるようにしている。
を前縁側の通路30A,30B,30C,30Dは、背
側と腹側に仕切板で区分し、各通路の周囲には隙間31
A,31B,31C,31Dを形成させ、各通路と周囲
の隙間に蒸気を流す構成とし、後縁側前部には壁内部の
背側と腹側にそれぞれ隙間31E,31F,31Gを設
け、この隙間に蒸気を流し、後縁側は通路30Eに蒸気
を流して静翼全体を蒸気冷却するように構成したので、
通路内部が仕切板やインサートで細く仕切リ、狭い通路
構成のため耐圧上強度が向上する。又、各通路30A−
1,30A−2,30B−1,30B−2,30C−
1,30C−2、隙間31A,31B,31C,31
D,31E,31F,31Gと細い通路と狭い隙間に蒸
気を通すので、少ない蒸気で効果的な冷却が可能とな
る。
の狭い隙間で蒸気冷却を可能とし、従来空気冷却をして
いた後縁も前縁と共に蒸気で統一して冷却する方式とし
たので、空気が不要となり、熱を回収し、高温となった
蒸気はすべて回収され、蒸気供給源へ戻されて有効利用
され、効果的な冷却がなされる。又、シュラウドの面は
蒸気でインピンジメント冷却を採用するのでシュラウド
の冷却も効果的になされ、結果として蒸気の圧損が著し
く低減され、静翼の寿命が延びるものである。
静翼の例で説明したが、本発明は一段静翼に限定され
ず、二段静翼、又はその他の静翼にも当然適用され、同
様の効果を奏するものである。
(1)翼前半部、翼後縁前部、翼後縁部からなり、同翼
前半部及び翼後縁部には、それぞれ前後をリブで区分し
外側シュラウドから内側シュラウドへ貫通する複数の通
路を形成し、同翼後縁前部には、それぞれ前後をリブで
区分し外側シュラウドから内側シュラウドへ貫通する背
側と腹側に所定の隙間を保った複数の隙間通路を形成
し、外側蒸気供給用キャビティを前記翼前半部の通路及
び前記翼後縁前部の隙間通路にそれぞれ連通させ、内側
蒸気用キャビティを前記翼前半部の通路及び前記翼後縁
部の通路にそれぞれ連通させて構成された静翼であっ
て;前記翼前半部の各通路には、同通路内を背側と腹側
に区分すると共に前記通路周囲及び前記リブ壁面との間
に所定の隙間を形成するように挿入された一対の筒状イ
ンサートと、同一対の筒状インサート間に挿入され、両
インサートを支持し、固定するスペーサとを設け、更
に、前記各通路を区分する前記翼前半部のリブには複数
の貫通穴を上下に配列し、前記各隙間を連通させ、かつ
同隙間は最後部の筒状インサート内と連通させる構成と
し;前記外側蒸気供給用キャビティから翼前半部最後尾
通路を除いて前記筒状インサートに蒸気を流し、前記内
側蒸気用キャビティから前記翼後縁部の通路へ流入させ
て外側シュラウドへ流出させると共に、前記翼前半部の
前記隙間にも蒸気を流入させ、前記リブの穴を通って最
後部の筒状インサート内へ混入させることを特徴として
いる。
の筒状インサートによる狭い蒸気通路と、各筒状インサ
ートと通路及びリブの壁との隙間、翼後縁前部の両側の
狭い隙間通路とで狭い蒸気流路を形成し、少ない蒸気で
効果的な冷却が可能となり、又蒸気は外側シュラウドよ
り回収し、蒸気供給源へ戻すので、蒸気の圧損が低減す
る。又、後縁側も蒸気で冷却するので従来のような空気
が不要となり、冷却系統が簡略化される。
た蒸気の一部は翼後縁部の最前段の通路へ流入するので
(1)の翼後縁部の冷却が強化される。又、(3)の発
明では、両側の筒状インサートはそれぞれ仕切板を対向
させて、仕切板とで中空筒状を形成し、両側の仕切板間
をスペーサで支持し、固定するので背側、腹側の各筒状
インサートの支持、固定が確実になされる。又、(5)
ではスペーサが丸棒、(6)では弾性材であり、同じ効
果が得られるので、設計上の選択肢が広まる。
前半部の最前方と最後方との仕切板には上下に複数の穴
を配列しており、これら穴により両側の筒状インサート
の蒸気が内側から外側全体にわたって互いに連通し、最
前方においては流入する蒸気が、最後方においては流出
する蒸気がそれぞれ攪拌作用により均一化され、均一な
冷却を可能とする。
サートからの蒸気は穴を介して隙間に流入するので、最
前方の筒状インサート内の蒸気が隙間へ容易に流入し、
隙間の蒸気流れがスムーズとなる。
冷却静翼の縦断面図である。
冷却静翼の断面図である。
冷却静翼の冷却通路を区分するスペーサの他の応用例を
示し、(a)は中空状のチューブ、(b)は弾性材を使
用した部分断面図である。
冷却静翼の外側シュラウドの断面図である。
断面図である。
翼 2 蒸
気入口 3 蒸
気溜り 4,7,17,18 イ
ンピンジ板 5 仕
切板 6,10,11,12,13 穴 8 タ
ービュレータ 14,15 蒸
気出口 16 キ
ャビティ 21,21,22,23,24,25,26,27 ス
ペーサ 30A,30B,30C,30D 通
路 30A−1,30A−2,30B−1,30B−2 通
路 30C−1,30C−2,30D−1,30D−2 通
路 30E 後
縁通路 31A,31B,31C,31D 隙
間 31E,31F,31G 隙
間 32 穴 33,34,35,36,37 イ
ンピンジ板 40a〜40u 蒸
気
Claims (7)
- 【請求項1】 翼前半部、翼後縁前部、翼後縁部からな
り、同翼前半部及び翼後縁部には、それぞれ前後をリブ
で区分し外側シュラウドから内側シュラウドへ貫通する
複数の通路を形成し、同翼後縁前部には、それぞれ前後
をリブで区分し外側シュラウドから内側シュラウドへ貫
通する翼背側と翼腹側に所定の隙間を保った複数の隙間
通路を形成し、外側蒸気供給用キャビティを前記翼前半
部の通路及び前記翼後縁前部の隙間通路にそれぞれ連通
させ、内側蒸気用キャビティを前記翼前半部の通路及び
前記翼後縁部の通路にそれぞれ連通させて構成された静
翼であって;前記翼前半部の各通路には、同通路内を翼
背側と翼腹側に区分すると共に前記通路周囲及び前記リ
ブ壁面との間に所定の隙間を形成するように挿入された
一対の筒状インサートと、同一対の筒状インサート間に
挿入され、両インサートを支持し、固定するスペーサと
を設け、更に、前記各通路を区分する前記翼前半部のリ
ブには上下に複数の貫通穴を配列し、前記各隙間を連通
させ、かつ同隙間は最後部の筒状インサート内と連通さ
せる構成とし;前記外側蒸気供給用キャビティから翼前
半部最後尾通路を除いて前記筒状インサートに蒸気を流
し、前記内側蒸気用キャビティから前記翼後縁部の通路
へ流入させて外側シュラウドへ流出させると共に、前記
翼前半部の前記隙間にも蒸気を流入させ、前記リブの穴
を通って最後部の筒状インサート内へ混入させることを
特徴とするガスタービン蒸気冷却静翼。 - 【請求項2】 前記翼後縁前部の隙間通路は蒸気の一部
を後方の隙間通路から外側シュラウドに流出させると共
に、残りの蒸気を前記翼後縁部の最前段の通路へ流入さ
せるように構成したことを特徴とする請求項1記載のガ
スタービン蒸気冷却静翼。 - 【請求項3】 前記翼前半部の各通路の一対の筒状イン
サートは、互いに対向する側面が仕切板で構成され、同
仕切板と接続して筒状中空部を形成し、同互いに対向す
る仕切板を前記スペーサで支持することを特徴とする請
求項1記載のガスタービン蒸気冷却静翼。 - 【請求項4】 前記翼前半部の最前方の通路及び最後方
の通路の前記対向する仕切板には、それぞれ複数の貫通
穴を配列させたことを特徴とする請求項3記載のガスタ
ービン蒸気冷却静翼。 - 【請求項5】 前記スペーサは、円形断面の棒状であ
り、各通路にそれぞれ2本が外側から内側へ向かって挿
通され、前記仕切板を支持していることを特徴とする請
求項1記載のガスタービン蒸気冷却静翼。 - 【請求項6】 前記スペーサは、弾性部材からなること
を特徴とする請求項1記載のガスタービン蒸気冷却静
翼。 - 【請求項7】 前記翼前半部の前縁側の一対の筒状イン
サートの前方には、それぞれ蒸気流出用穴が設けられ、
前記筒状インサート内と前記隙間とを連通させ、同筒状
インサートから流出する蒸気を前記穴から隙間へ流入さ
せるよう構成したことを特徴とする請求項1記載のガス
タービン蒸気冷却静翼。
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