JP2001214570A - 構造物用アルミニウム合金押出形材及びその製造方法 - Google Patents

構造物用アルミニウム合金押出形材及びその製造方法

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JP2001214570A
JP2001214570A JP2000025823A JP2000025823A JP2001214570A JP 2001214570 A JP2001214570 A JP 2001214570A JP 2000025823 A JP2000025823 A JP 2000025823A JP 2000025823 A JP2000025823 A JP 2000025823A JP 2001214570 A JP2001214570 A JP 2001214570A
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aluminum alloy
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extruded profile
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Nobuyasu Hagisawa
亘保 萩澤
Takeshi Komatsu
健 小松
Hisao Saito
久男 斉藤
Hiromichi Sano
博通 佐野
Keiichi Sugiyama
敬一 杉山
Yuzo Sakuma
勇三 佐久間
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要な強度・剛性を具備、薄肉化・断面
積の減少による材料原価の低減と軽量化が可能、亜鉛め
っき鋼管に比べ軽量で取り扱いが容易、耐蝕性に優れ防
錆塗料の塗装等の保守が不要等の種々の利点を生かし、
構造物用支柱及び/又は梁用材料として実用化可能なア
ルミニウム合金押出形材(管材)の提供を課題とする。 【解決手段】 アルミニウム合金押出管材1cの管本体
2cの内周面及び/又は外周面に、管材長手方向に延び
る複数のリブ3c及び/又は4cを形成すると共に、管本
体、両リブの各々の肉厚tm,tri,troの最大肉厚te
MAX=25mmとし、最小肉厚teMIN (mm)を使用時に
局部座屈を生じない肉厚とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道用架線支持体
の支柱・梁、建築物の支柱・梁、構造物の支柱・梁等の
構造物用支柱及び/又は梁に用いるアルミニウム合金製
押出形材、及び、該アルミニウム合金製押出形材の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電車線路支持物用の電柱には、耐
久性に優れ、メンテナンスも容易であるため、コンクリ
ート柱が用いられているが、コンクリート柱の建植が困
難な高架橋・橋梁箇所や、土木構造上投げ込み基礎が設
置できない、設計曲げモーメントが15000kgf・
mを超える大荷重の単独柱等には溶融亜鉛めっき鋼管柱
が使用されていた。又、コンクリート柱は、重量が重く
取り扱いが困難で、設置作業や撤去作業のコストが高
く、作業時間も長くかかる。さらに、コンクリートと内
部の補強鋼材との分離が困難であるためリサイクルでき
ず、産業廃棄物として処理しなければならないため、そ
の廃棄処分に問題があり、製造・設置・撤去作業や廃棄
処分等をも含めたトータルコストが鋼管柱より高いもの
となる。そのため最近では、溶融亜鉛めっき鋼管柱を使
用することが行われている。
【0003】一方、門型構造の電車線路支持物用の固定
ビームにも、架線用として、従来のトラス構造のビーム
に代えて、溶融亜鉛めっき鋼管材を単体で使用した構造
の鋼管ビームが使用されている。
【0004】又、屋外用のデッキ、複数段式駐車場、陸
橋、道路標識や交通信号灯等の支持用の片持ち梁式又は
門型構造の構造物等には、従来から支柱にH形鋼、軽量
H形鋼や角鋼管、円形管状鋼管を用い、梁にH形鋼、軽
量H形鋼や軽量角鋼管を含む軽量形鋼等を用いた構造が
一般的に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のような、電車線
路支持物用の電柱としての鋼管柱や門型構造の電車線路
支持物用の固定ビームとしての鋼管ビームには、以下の
問題点がある。 (1)問題点1:鋼管製電柱は、コンクリート製電柱に
比べて、強度の割りには軽量化されたが、それでも重量
が重いため、特に建植・交換工事の現場での作業上、取
り扱いに困難があり、作業に長時間を要すると共に、そ
の作業コストが高いものになる。この問題点は、鋼管ビ
ームについても共通する。 (2)問題点2:初期の亜鉛めっき剥離後、防錆ペイン
ト塗装を必要とし、メンテナンスコストが高い。
【0006】これに対して、アルミニウム合金押出形材
は、軽量で取り扱いが容易、耐蝕・耐候性がよく防錆ペ
イント塗装等のメンテナンスが不要、鋼管と同様にリサ
イクルが容易で廃棄後の処理や環境保護の観点において
都合がよい等の利点を有し、最近アルミニウム合金押出
形材を電車線路支持物用電柱及び/又は固定ビームとし
て使用する試みがなされている。
【0007】アルミニウム合金押出形材を用いる場合
も、鉄筋コンクリートや鋼管等の材料と同様、使用箇所
に応じた必要な強度・剛性を得る必要があるのは当然で
ある。電柱や固定ビーム等の大型の構造物については、
高い強度・剛性が求められる一方で、材料コストの比率
が高いため、材料原単価が高いアルミニウム合金押出形
材を用いる場合、必要な強度・剛性を確保しつつ形材の
断面積を小さくして材料コスト低減の要求に応えること
も必要で、そのことが又軽量化に役立つものである。
【0008】しかしながら、前記の利点を活用して、電
車線路支持物用の電柱や固定ビームに、鋼管等の従来の
材料に代えてアルミニウム合金押出形材を採用する場合
は、アルミニウム合金材の弾性率は鋼の1/3にすぎな
いため、必要な強度・剛性を付与するためには、電柱や
固定ビームは厚肉でかつ太い断面のものとなる。本来ア
ルミニウム合金は軽量である反面材料単価の高いもので
あるから、このような太く、厚肉のアルミニウム合金押
出形材製の電柱や固定ビームは単価の高いものとなり、
必ずしも軽量化を達成できない。又、電柱の外径は、付
帯部品の規格統一の都合上、鉄道会社によって規格が定
められている場合が多く、例えば、電柱外径を任意に太
く変更することは困難であり、その分肉厚を増やさざる
を得なくなり、前記の問題の解決をさらに困難にしてい
る。そのため、アルミニウム合金押出形材製の電柱や固
定ビームは全面的に実用化されるに至っていない。又、
この点は建築物、その他の構築物用の支柱・梁材におい
ても同様である。
【0009】ところで、図8に示す片持梁式・単独支持
柱型の電柱にかかる荷重について、電車線路いわゆる架
線を例に説明する。軌条11の側方に建てられた電柱1
2にブラケット13を取付け、ちょう架線14をブラケ
ット先端で支持して、軌条の直上のパンダグラフに接す
る位置に、ちょう架線からトロリ線15が吊り下げられ
ている。トロリ線を吊るちょう架線は、一定の区間ごと
にその両端部で図示せぬ自動張力調整装置により一定の
張力を付加されて、トロリ線をパンダグラフに対して一
定の高さに保つように支持する。
【0010】前記のような電柱にかかる荷重は、主とし
てトロリ線やちょう架線等の架線から受ける力によるも
のであるが、架線の架設された方向に直交する水平方向
の力I、架線の架設された方向の力II、及び、架線の自
重による垂直方向の力IIIに分けられる。この中で、架
線の架設された方向の力IIは主として自動張力調整装置
により付加された張力によるもので、軌条11が直線の
場合には、架線内で相互に引張り合う力であるから個々
の電柱には働かず、又変動しないため電柱に対する影響
は殆ど問題とならない。
【0011】これに対して、架線の架設された方向に直
交する水平方向の力Iは、主として電柱と電柱の間に架
設された架線の受ける風圧と、電車線路の曲線部におけ
る架線張力により生じるもので、広い間隔で設置された
電柱の間に架設された長大な架線は、台風等の強風時に
は、非常に大きな荷重を受け、電柱の曲がりや折れの原
因ともなる。さほどの強風でなくとも電柱が風圧によっ
て揺れると、トロリ線の支持位置ではそれが拡大・増幅
されてその位置のずれや大きな振れとなる。電車の運行
時にはトロリ線とパンダグラフとの接触を一定に保つ必
要があるため、架線の位置ずれや振れを最小限に抑えな
ければならず、電柱はこのような架線の位置ずれや振れ
を生じないように、特に架線の架設された方向に直交す
る方向に高い剛性を要求される。
【0012】又、電柱に付属した架線支持用ブラケット
等の構成部品と架線の自重による垂直方向の力IIIは、
隣り合う電柱の間の架線の全自重をうけることになるた
め、片持梁式に架線を支持する単独支持柱型の電柱に対
して架線の架設された方向に直交する水平方向の大きな
曲げ荷重となる。電柱は、前記の架線の架設された方向
に直交する水平方向の力 Iと共に、この荷重に耐える剛
性を必要とすると共に、トロリ線とパンダグラフとの接
触時の負荷変動により振動してトロリ線の許容範囲以上
の上下動を生じないための剛性が必要である。
【0013】このような事情は、図8に示す様な片持梁
式の単独支持柱型の電柱に限らず、図9に示すように、
軌条11の両側に設置された一対の電柱垂直部17の上
部に接続された曲げ部19を介して、水平ビーム部18
を形成して門型構造を構成し、該ビーム部で架線を支持
する場合も同様である。この場合、水平ビーム部におい
ては、その自重と共に隣り合う電柱の間の架線の自重に
よる垂直方向の力IIIが加わるため、水平な梁としてそ
の荷重による撓みに耐える剛性を必要とすると共に、鉄
道の架線を支持する場合には、高速で移動するパンダグ
ラフとの接触に伴う負荷変動から生じる強い揺れを防止
するため架線の架設される方向に直交する垂直な方向に
大きな剛性を必要とする。一方、主として電柱と電柱の
間に架設された架線の受ける風圧と、電車線路の曲線部
における架線張力の変化により生じる架線の架設された
方向に直交する水平方向の力 Iは、水平ビーム部と曲げ
部を介して、相対する一対の電柱垂直部に作用し、さら
に前記水平ビームに作用する垂直方向の力 IIIによって
発生する曲げモーメントが、前記水平ビームの上端に作
用する。従って、前記と同様に、図9に示す門型構造の
電車線路支持物の電柱においても、架線の架設される方
向と直交する方向の水平力が作用し曲げ剛性の大きなも
のが要求される。
【0014】(3)問題点3:従来の亜鉛めっき鋼管を
用いた電柱や水平ビームにおいて、前記のような特定の
方向の剛性を大きくすることは困難であり、敢えて行お
うとする場合は鋼管外周面の当該方向に、鋼管の長手方
向に延びる長いリブを溶接する必要があり、作業工程の
増加により、製造コストが更に高くなり、又、前述のよ
うに電柱の外径を一定の寸法に保つことが困難であり、
実際的ではない。
【0015】鋼管(角管や円管)を屋外のデッキや複数
段式の駐車場の支柱や梁に用いた場合も、前記(1)〜
(3)項と略同様の問題点を有する。
【0016】鋼管(角管や円管)を建築物等の構造物の
支柱や梁に用いた場合、直接風雨に曝されないので、前
記(2)項のような問題点はないが、前記(1)項及び
(3)項と略同様の問題点を有する。なお、鋼管(角管
や円管)の小径化と薄肉化を図り、なおかつ、一定の強
度を付与するために、鋼管(角管や円管)の内部にコン
クリートを充填して固化することも行われているが、こ
の方法は、以下の問題点を有する。 (4)問題点4:小径化と薄肉化による材料費のコスト
ダウン効果は、コンクリート充填コストを差し引くと、
さほど大きなものではなく、重量化による取り扱いの困
難性増加や、重量化によって地震による水平力が大きく
なるので、耐震性を向上させるために、構造物全体とし
ての剛性をさらに高める必要があり、コストアップに繋
がる。
【0017】本発明は、前記従来技術の持つ問題点を解
消し、アルミニウム合金押出形材を構造物用支柱及び/
又は梁に用いるに当たり、それぞれに必要な強度・剛性
を有し、かつ、断面積の減少による材料コストの低減と
さらなる軽量化が可能で、前記のようなアルミニウム合
金押出形材の優れた利点を生かして、実用化が可能な構
造物用アルミニウム合金押出形材の提供、つまりこのア
ルミニウム合金の素材も持つ強度等の機械的性能を充分
発揮できる構造物用アルミニウム合金押出形材の提供を
第1の課題とする。本発明は、又、支柱や梁の各々の横
断面の曲げモーメント作用方向の剛性を高め、前記のよ
うな曲げモーメントよる支柱の局部座屈や折れは無論、
過剰な曲がりや、梁の過剰な撓み、あるいは、支柱や梁
の振れや揺れを防止した構造物用アルミニウム合金押出
形材の提供を第2の課題とする。本発明は、さらに、前
記のようなアルミニウム合金押出形材の好適な製造方法
の提供を第3の課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウム合
金押出形材は、前記第1の課題を解決するために、第1
の技術手段として、構造物の支柱及び/又は梁に用いる
アルミニウム合金押出形材を円管又は角管等の管状に、
Al−Mg−Si系アルミニウム合金で形成すると共に
押出直後に焼き入れ処理し、その後人工時効処理を施し
てなり、管状に形成された押出形材の内周面及び/又は
外周面に、該押出形材の長手方向に延びるリブを配設す
ると共に、前記押出形材本体と前記リブの、最大肉厚を
teMAX=25mmとし、最小肉厚teMINを局部座屈の生
じない肉厚としてなるように構成したものである。
【0019】前記の発明によれば、成型性の良いAl−
Mg−Si系アルミニウム合金を利用することにより押
出加工により自由な形状の構造物用アルミニウム合金製
押出形材を得ることができ。最大肉厚を25mmに規制
したことにより、機械的強度向上を材料の全肉厚に亘り
充分発揮できる。すなわち焼き入れ処理における冷却速
度を材料の全体に亘り一定以上となり必要強度を得るた
めの熱処理条件を充分満たすことができる。さらに、熱
処理時に生じる材料の部分的温度差により生じる材料に
生じる歪みの発生が小さくて済む冷却速度の冷却手段を
選定することが可能となる。これにより材料全体が構造
材として有効に機能を果たすことになる。なお、押出加
工後の押出形材は焼き入れ時にMg,Si、Cu等を多
量に固溶させ、その後の人工時効処理によるMg2
i、Al2Cu等の有効な析出物の量を確保することに
より機械的強度が向上するものである。又、最小肉厚を
使用状態に於いて局部座屈の発生しない板厚とすべきこ
とは当然である。
【0020】前記第1の技術手段を採用した本発明のア
ルミニウム合金押出形材は、前記第2の課題を解決する
ために、第2の手段として、支柱に用いる前記押出形材
のリブを、最大曲げモーメントの作用する方向の剛性が
大きくなるように配設することが望ましい。
【0021】前記第1の技術手段を採用した本発明のア
ルミニウム合金押出形材は、前記第2の課題を解決する
ために、第3の手段として、梁に用いる前記押出形材の
リブを、梁の垂直方向の剛性が大きくなるように配設す
ることが望ましい。
【0022】これら第2第3の手段により力の加わる方
向にのみ強度を補強した無駄のない構造材料が提供でき
る。又、第4の技術手段として、本発明の構造物用アル
ミニウム合金押出形材管材は製造時の熱処理工程の容易
性を向上させ、他の部品の固定を容易にするためにリブ
を外面に形成するとよい。
【0023】第5の技術的手段は、前記第1乃至第4の
技術手段のいずれか1つの技術的手段を採用した構造物
用アルミニウム合金製押出形材が鉄道線路支持物用支柱
物の支柱又は梁として用いられるものである。これによ
り、前記各技術的手段が有効に利用できるものである。
【0024】本発明の構造物用アルミニウム合金製押出
形材の製造方法は、前記第3の課題を解決するために、
第6の技術手段として、前記第1乃至第5の技術手段の
いずれか1つを採用した構造物用アルミニウム合金製押
出形材の製造方法を、アルミニウム合金製押出形材とし
てJIS H4100に定める6000系アルミニウム
合金押出形材を用いると共に、押出工程において規格の
0.2%耐力を得ることができる下限界以上かつ下記式
1で定める変形率Biが0.1%以下の値を得ることの
できる上限界以下の熱伝達係数α{W/(m2・K)}
となるような冷却手段で、押出し直後に押出形材を焼き
入れ処理し、該押出形材を(170〜210)℃×(1
〜12)時間の人工時効処理を施すことを特徴として構
成したものである。 記 Bi=h/W ………式1 ここで、 h :冷却後の押出形材の面外変形量(図5参照)(m
m) W :冷却後の押出形材の押出方向と直交する方向の幅
(図5参照)(mm) この発明により設計された前記請求項1の範囲内の板厚
に対し空冷・ミスト・水どぶ漬け等の最適な冷却手段を
選定できる。
【0025】又、第7の技術手段として、本発明の構造
物用アルミニウム合金押出形材は製造時の熱処理工程の
容易性を向上させ、他の部品の固定を容易にするために
リブを外面に形成するとよい。
【0026】第8の技術的手段は、リブを押出形材の内
周面に配設した場合において、押出形材の内面側からも
冷却をおこなうことにより充分な冷却速度が得られ焼き
入れ処理が確実になるというものである。
【0027】第9の技術的手段は、前記第6乃至第8の
技術的手段のいずれか1つを採用した構造物用アルミニ
ウム合金製押出形材の製造方法を、この方法により製造
した構造物用アルミニウム合金製押出形材が鉄道線路支
持物用支柱物の支柱又は梁として用いられるとしたもの
であり、前記各技術的手段が有効に利用できるものであ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付の図
面と具体的な実施例を参照して、以下に説明する。
【0029】請求項1に係る本発明の第1の実施の形態
においては、構造物の支柱及び/又は梁に用いるアルミ
ニウム合金押出形材1を、その横断面形状を、(1)図
1(a)に示すように、円形管状押出し形材1cの管本
体2cの内周面に、該押出形材1cの長手方向に延びる
リブ3cを配設するか、(2)図1(b)に示すよう
に、円形管状押出し形材1cの管本体2cの外周面に、
該押出形材1cの長手方向に延びるリブ4cを配設する
か、(3)図1(c)に示すように、円形管状押出形材
1cの管本体2cの内周面及び外周面の各々に、該押出
形材1cの長手方向に延びるリブ3cとリブ4cをそれ
ぞれ配設する、と共に、前記管本体2cの肉厚tm (m
m)、前記内面リブ3cの肉厚tri(mm)及び前記外
面リブ4cの肉厚tro(mm)を、最大肉厚をteMAX
25mmとし、最小肉厚teMINを使用時において局部座
屈の発生しない肉厚になるように構成している。
【0030】請求項1に係る本発明の第2の実施の形態
においては、構造物の支柱及び/又は梁に用いるアルミ
ニウム合金押出形材1を、その横断面形状を、(1)図
2(a)に示すように、正方形管状押出し形材1sの管
本体2sの内周面に、該押出形材1sの長手方向に延び
るリブ3sを配設するか、(2)図2(b)に示すよう
に、正方形管状押出形材1sの管本体2sの外周面に、
該押出形材1sの長手方向にーびるリブ4sを配設する
か、(3)図2(c)に示すように、正方形管状押出形
材1sの管本体2sの内周面及び外周面の各々に、該押
出形材1sの長手方向に延びるリブ3sとリブ4sをそ
れぞれ配設する、と共に、前記管本体2sの肉厚tm
(mm)、前記リブ3sの肉厚tri(mm)及び前記リ
ブ4sの肉厚tro(mm)を、最大肉厚をteMAX=25
mmとし、最小肉厚teMINを使用時において局部座屈の
発生しない肉厚になるように構成している。
【0031】請求項1に係る本発明の第3の実施の形態
においては、構造物の支柱及び/又は梁に用いるアルミ
ニウム合金押出形材1を、その横断面形状を、(1)図
3(a)に示すように、長方形管状押出形材1sの管本
体2sの内周面に、該押出形材1sの長手方向に延びる
リブ3sを配設するか、(2)図3(b)に示すよう
に、長方形管状押出形材1sの管本体2sの外周面に、
該押出形材1sの長手方向にーびるリブ4sを配設する
か、(3)図3(c)に示すように、長方形管状押出形
材1sの管本体2sの内周面及び外周面の各々に、該押
出形材1sの長手方向に延びるリブ3sとリブ4sをそ
れぞれ配設する、と共に、前記管本体2sの肉厚tm
(mm)、前記リブ3sの肉厚tri(mm)及び前記リ
ブ4sの肉厚tro(mm)を、最大肉厚をteMAX=25
mmとし、最小肉厚teMINを使用時において局部座屈の
発生しない肉厚になるように構成している。
【0032】請求項6に係る本発明のアルミニウム合金
押出形材の製造方法の実施の形態とその作用、及び、前
記管本体2の肉厚tm (mm)、前記リブ3の肉厚tri
(mm)並びに前記リブ4の肉厚tro(mm)を、最大
肉厚teMAX=25mmに限定する理由を以下に述べる。
なお、最小肉厚teMINを使用時において局部座屈の発生
しない肉厚になるように構成する理由は、構造物の支柱
用及び/又は梁用の材料として必然的事項であり省略す
るが、実際の設計においては例えば現時点制定されてい
ないがアルミニウム構造物設計・製作指針案等の構造設
計指針によればよい。又外形寸法、リブの形状・個数等
の断面形状は利用用途に応じて作用する軸方向の荷重や
曲げモーメントにより必要形状に設計されることはいう
までもない。
【0033】請求項6に係る本発明のアルミニウム合金
押出形材の製造方法は、請求項1乃至請求項5のいずれ
か1つに記載の構造物用アルミニウム合金製押出形材の
製造方法を、押出直後の焼き入れ工程において、アルミ
ニウム合金製押出形材としてJIS H 4100に定
める6000系アルミニウム合金押出形材を用いると共
に、押出工程において規格の0.2%耐力を得ることが
できる下限界以上かつ下記式1で定める変形率Biが
0.1%以下の値を得ることのできる上限界以下の熱伝
達係数α{W/(m2・K)}となるような冷却手段で
冷却し、該押出形材を(170〜210)℃×(1〜1
2)時間の人工時効処理を施すことを特徴として構成し
ている。 記 Bi=h/W ………式1 ここで、 h :冷却後の押出形材の面外変形量(図5参照)(m
m) W :冷却後の押出形材の押出方向と直交する方向の幅
(図5参照)(mm)
【0034】アルミニウム合金押出形材の板厚te(m
m)と押出後の冷却能すなわち熱伝達係数α{W/(m
2・K)}が、人工時効後の該押出形材の変形と機械的
特性に及ぼす影響を調べるため以下のような実験を行っ
た。すなわち、「JIS H 4100」に定めるAl
−Mg−Si系アルミニウム合金押出形材A6N01材
で板厚te(mm)が各々の2〜30mmの角形中空形
材を押し出して、熱伝達係数αが40〜20000W/
(m2・K)の範囲の各種冷却能になるような冷却方法
で冷却後、180℃×8時間の人工時効処理を行った。
そして、人工時効後の変形の測定と0.2%耐力(N/
mm2)の測定を行なった。その結果と伝熱工学を基に
行ったシュミレーションを行ない、その結果を図4に示
した。図4において、曲線Aは0.2%耐力が225N
/mm2以上を呈する熱伝達係数の下限界を示す。この
値は冷却速度100℃/min相当の値と一致する。又、
曲線Bは冷却により生じる変形率が0.1%以下となる
熱伝達係数の上限界である。
【0035】なお、変形率の測定は以下のように行っ
た。押出後の冷却工程で発生する形状変形歪みは冷媒が
直接作用する形材表面と熱伝導により冷却される裏面、
内部等との間に生じる温度差が原因である。具体的には
図5aに示すように押出形材Mの押出方向に直交する断
面において表面Sに冷媒Cを吹き付けると冷却初期は冷
却面側が収縮し冷却面側が凹になる。このとき非冷却面
側に拘束されて冷却面Sに引張残留応力が発生するた
め、最終的には押出形材は図5bのように冷却面S側が
凸になる面外変形量hを生じる。これにより押出形材に
形状変形歪みが発生する。前記の面外変形量hは、押出
形材M全体の温度が高いほど材料強度が弱いため、断面
内の温度差が大きい程発生し易い。押出直後の高温状態
から形材が冷却される過程で面外変形量hが大きく生じ
ると、最終的な構造物用アルミニウム合金押出形材に残
存し、断面形状を悪化させる。変形率Biの測定結果
は、冷却後の押出形材の押出方向と直交する方向の幅w
と面外変形量hの比(h/W)の100分率で表したも
のである。
【0036】前記の実験結果を整理して、作成された図
4において、曲線B以下で、かつ曲線A以上の部分が、
各板厚te(mm)における最適冷却範囲であるといえ
る。なお、強制空冷では400W/(m2・K)、水ス
プレー冷却では1000W/(m2・K)、水どぶ漬け
では20000W/(m2・K)程度の冷却能がそれぞ
れ得られる。図4から、人工時効後の必要強度(0.2
%耐力225N/mm2以上)と、許容変形率(冷却に
より生じる変形率Biが0.1%以下)とが両立の可能
な最高板厚teMAXは25mmであり、熱伝達係数αを水
スプレー冷却の冷却能の800W/(m2・K)、程度
にすれば、板厚te(mm)が25mm以下の範囲がカ
バーできることになる。すなわち、図4によると、押出
後の冷却能の影響の観点から、25mmが許容できる最
高板厚teMAX(mm)であるといえる。
【0037】なお、前記の人工時効条件(170〜21
0)℃×(1〜12)時間で時効処理すると、Mg2
i、Al2Cu等の有効な析出物が析出し、所定の機械
的強度が付与される。強度付与に有効な析出を行わせる
ためには、170℃以上、1時間以上の時効処理が必要
である。しかし210℃を超える温度や12時間を超え
る長時間加熱では、高温、長時間に見合った強度向上効
果が得られず、却ってエネルギ損失の増加や生産性低下
等の悪影響がみられる。
【0038】(実施例)前記の請求項1及び請求項6に
係る本発明の実施例及び比較例を以下に述べる。前記
「JIS H 4100」に定めるアルミニウム合金押
出形材A6N01材で、図1(b)に示す外径DR0=2
67.4mmの環状横断面形状の管本体2の肉厚tm
(mm)とリブ3の肉厚tri(mm)とを10、15、
20、25、30mmの5種類とし、外周面のリブ3の
高さhri(mm)が20mmのものを等間隔で8本形成
したものを、押出直後全外周面より水ミスト焼入れし、
その後、180℃×8時間の人工時効を施した。人工時
効後の変形と管本体2とリブ3のそれぞれの材料の引張
り試験を行い、平均の0.2%耐力(N/mm2)を測定
した結果を下記表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】前記表1によれば、管本体2の外径D=2
67.4mm、肉厚tm(mm)とリブ3の肉厚tri
(mm)とが本発明の肉厚の数値範囲内である10、1
5、20、25mmの場合は、変形率Biが0.1%以
下で、平均の引張り強さ(N/mm2)と平均の0.2
%耐力(N/mm2)のいずれもが、アルミニウム合金
押出形材A6N01−T5の板厚が6<t≦12mmの
場合の規格値である引張り強さ≧270N/mm2
0.2%耐力≧225N/mm2 を十分に満足する結果
が得られた。 一方、肉厚tm(mm)とリブ3の肉厚
tri(mm)とが本発明の範囲外である30mmの比較
例の場合は、変形率Biは0.1%超えとなり、更にア
ルミニウム合金押出形材A6N01−T5の規格値であ
る引張り強さ≧270N/mm2と0.2%耐力≧22
5N/mm2を十分に満足していないという結果となっ
た。
【0041】以上のような請求項1及び請求項6に係る
本発明の実施例によれば、以下のような作用・効果があ
る。すなわち、 (1)管本体2の内周面及び/又は外周面のそれぞれに
リブ3及び/又はリブ4を設けることにより、アルミニ
ウム合金押出形材1の強度・剛性を一定以上に保ちなが
ら、管本体2、リブ3及びリブ4の肉厚を一定の範囲内
で薄くできる。 (2)管本体2、リブ3及びリブ4の肉厚を25mm以
下にすることにより、押出形材の押出し直後に、図4の
曲線A以上かつ曲線B以下の熱伝達係数α{W/(m2
・K)}と成るように冷却能を制御し、その後(170
〜210)℃×(1〜12)時間の人工時効処理を行う
ことによって板厚全体にわたり充分な強度と小さな熱処
理歪みの材料を得ることができる。 (3)押出後に同じ熱伝達係数α{W/(m2・K)}
の得られる冷却方法で押出形材を冷却すれば、肉厚の薄
い方が冷却速度が速くなり焼入効果が大きくなるので、
引張り強さ(N/mm2)や0.2%耐力(N/mm2
等の機械的特性が向上し、一定の範囲内で薄肉化して
も、必要な強度・剛性を得ることができる。又、薄肉化
した方が、変形率Biを小さく、冷却能の制御により強
度を制御できる冷却能の選択範囲が広くなる。 (4)以上の作用・効果の総合的な結果として、たとえ
支柱の外径が一定値に規制されている場合でも、薄肉で
単価の安い構造物用の支柱及び/又は梁に使用可能なア
ルミニウム合金押出形材を得ることが可能となる。
【0042】次に、請求項2又は請求項3に係る本発明
の実施の形態について、図6、図7の各々に示す横断面
図を参照して、以下に説明する。
【0043】請求項2及び請求項3に係る本発明の実施
の形態は、図1、図2を各々参照して説明した前記請求
項1に係る本発明の第1の実施の形態、第2の実施の形
態の各々の構成と異なる点は、図6(a)〜(c)、図
7(a)〜(c)に各々示すように、本発明のアルミニ
ウム合金押出形材を電柱に用いる場合に、前記押出形材
1c、1sの各々の内周面のリブ3c、3sの各々及び
/又は外周面のリブ4c、4sの各々を、図のY−Y方
向で示す(架線方向と直交する)最大曲げモーメントの
作用する方向側又は梁の垂直方向側の配設密度を増や
し、該方向の剛性が大きくなるように配設して構成して
いることである。そして、管本体2c、2sの各々の肉
厚tm(mm)、前記リブ3の肉厚tri(mm)及び前
記リブ4の肉厚tro(mm)を、最大肉厚teMAX=25
mm、最小肉厚teMINを使用時に局部座屈を生じない肉
厚となるように構成している点は、請求項1に係る前記
実施の形態とは変わらない。
【0044】前記のように構成した請求項2に係る本発
明の実施の形態の構成は、前記請求項1に係る本発明の
実施の形態の作用・効果に加えて、以下のような優れた
作用・効果を有する。すなわち、最大曲げモーメントの
作用する方向(架線の方向と直交する方向)の大きな剛
性により、特に片持梁形式の単独支持柱型の電車線路支
持物用電柱において、 (1)電柱の上部の前記方向に作用する特に台風時等の
大きな曲げ荷重・曲げモーメントによる電柱の局部座
屈、曲がり、折れが防止される。なお、この作用・効果
は、電柱に限らず、特定の方向に大きな曲げモーメント
の作用する構造物の支柱においても同様に期待できる。 (2)電柱の風圧による揺れが抑制され、トロリ線の支
持位置における位置のずれや振れが最小限に抑制され
て、電車の運行時におけるトロリ線とパンダグラフとの
接触が一定に保たれる。 (3)電車の運行時におけるトロリ線とパンダグラフと
の接触時の負荷変動により振動してトロリ線の許容範囲
以上の上下動を生じない。
【0045】前記のように構成した請求項3に係る本発
明の実施の形態の構成は、前記請求項1に係る本発明の
実施の形態の作用・効果に加えて、以下のような優れた
作用・効果を有する。すなわち、門型構造の電車線路支
持物の固定ビーム等の構造物の梁に使用し、該水平ビー
ム部で架線を支持する場合に、前記Y−Yの方向を上下
方向になるように設置することで固定ビームの垂直方向
の大きな剛性により、 (1)隣接する電柱間の架線の自重による垂直方向の力
が該水平ビームに作用することによる撓みが抑制され
る。なお、電柱に限らずデッキや複数段式駐車場等の構
造物の梁や低層建築物の梁等に、本発明の前記の実施の
形態のアルミニウム合金押出形材を使用した場合に、床
の自重による垂直方向の力がこの梁に作用することによ
る撓みが抑制される。 (2)高速で移動するパンダグラフとの接触に伴う負荷
変動から生じる強い揺れが防止され、パンダグラフとト
ロリ線との安定した接触が保たれる。
【0046】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこれに限るものでなく、その構成の趣旨
を逸脱しない範囲内で他の実施の形態を含むことは勿論
である。例えば、門型構造の電車線路支持物の水平ビー
ムに代わって、固定ビームを円弧形状として、アーチ型
の電車線路支持物を構築した場合にも適用可能である。
又、構造物として、従来鉄骨構造が用いられてきた屋外
構造物、例えば、各種プラントのデッキ、複数段式駐車
場、道路標識・信号灯等支持用の片持ち梁式もしくは門
型構造の構造物、陸橋等や、低・中層建築物等が考えら
れ、本発明は、これらの構造物用の支柱や梁用のアルミ
ニウム合金押出形材として有用である。なお、前記実施
例にあってはアルミニウム合金JIS H 4100
A6N01を用いたが他の6000系アルミニウム合金
にあっても合金組成の若干の相違はあるが、熱伝導率に
大きな差違は無く同様な結果が得られることは明らかで
ある。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、下記のような優れた効
果が得られる。 (1)請求項1に係る本発明によれば、アルミニウム合
金押出形材を構造物用支柱及び/又は梁に用いるにあた
り、それぞれに必要な強度を材料の断面全体において有
し、これにより、断面積の減少による材料コストの低減
とさらなる軽量化が可能で、 a)押出し加工による製造工程での作業コストを上昇さ
せることがなく、 b)軽量で取り扱いが容易であり、設置作業や撤去作業
の作業時間短縮や作業コストの低減が可能で、 c)優れた耐蝕・耐候性のため、屋外構造物に用いた場
合に、亜鉛めっき鋼管材のような初期めっき剥離後の耐
蝕ペイント塗装等のメンテナンスが不必要で、寿命も長
く、 d)廃棄時のリサイクルが極めて低コストで可能であ
る、等のアルミニウム合金押出形材の利点を十分に活用
した構造物用支柱及び/又は梁に用いるアルミニウム合
金押出形材の実用化が可能となる。
【0048】(2)請求項2に係る本発明によれば、電
柱の架線の方向と直交する方向等最大曲げモーメントの
作用する方向の大きな剛性により、特に片持梁形式の単
独支持柱型の電車線路支持物用電柱において、 a)電柱の上部の前記方向に作用する、特に台風時等の
大きな曲げ荷重・曲げモーメントに対する強度が向上
し、 b)電柱の風圧による揺れが抑制され、トロリ線の支持
位置における位置のずれや振れが最小限に抑制されて、
電車の運行時におけるトロリ線とパンダグラフとの接触
が一定に保たれ、 c)電車の運行時におけるトロリ線とパンダグラフとの
接触時の負荷変動により振動してトロリ線の許容範囲以
上の上下動を生じない、等の効果を有する他に、一般構
造物の支柱に用いた場合にも、効率的な強度設計が可能
になる。
【0049】(3)請求項3に係る本発明によれば、構
造物の梁の垂直方向の大きな剛性により、門型構造やア
ーチ型構造電線支持物の固定ビームに用いた場合、 a)隣接する電柱間の架線の自重による垂直方向の力が
該水平ビームに作用することによる過大な撓みが抑制さ
れ、 b)高速で移動するパンダグラフとの接触に伴う負荷変
動から生じる強い揺れが防止され、パンダグラフとトロ
リ線との安定した接触が保たれる、等の効果を有する他
に、一般構造物の梁に用いた場合にも、床等の支持物の
荷重による過大な撓みが効果的に抑制される。
【0050】(4)請求項4又は請求項7に係る本発明
によれば、本発明の構造用アルミニウム合金押出形材の
製造時の熱処理工程の容易性が向上し、又、他の部品の
固定が容易になる。
【0051】(5)請求項5又は請求項9に係る本発明
によれば、前記各請求項のいずれかに係る本発明の効果
を有効利用できる。
【0052】(6)請求項6に係る本発明によれば、
「JIS H 4100」に規定される6000系のア
ルミニウム合金押出形材の変形率を所定の上限界以下に
保ちつつ、0.2%耐力を規格の下限界以上とすること
ができる。
【0053】(7)請求項8に係る本発明によれば、押
出形材を内面側からも冷却を行うことによって、充分な
冷却速度が得られ、焼き入れ処理が確実になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係る本発明の第1の三つの実施
の形態の各々の構成を示す横断面図である。
【図2】 請求項1に係る本発明の第2の三つの実施
の形態の各々の構成を示す横断面図である。
【図3】 請求項1に係る本発明の第3の三つの実施
の形態の各々の構成を示す横断面図である。
【図4】 アルミニウム合金押出形材の板厚と、0.
2%耐力225N/mm2以上を呈する熱伝達係数の下
限界及び冷却により生じる変形率Biが0.1%以下と
なる熱伝達係数の上限界との関係を各々示す図面であ
る。
【図5】 (a)は押出形材の変形のメカニズムを模
式的に示す断面図、(b)は押出形材の変形量と変形率
を定義するための模式的な断面図である。
【図6】 請求項2、請求項3に係る本発明の三つの
実施の形態の各々の構成を示す横断面図である。
【図7】 請求項2、請求項3に係る本発明の別の三
つの実施の形態の各々の構成を示す横断面図である。
【図8】 片持梁式・単独支持柱型の電車線路支持物
の構成と、それに作用する三方向の荷重を示す斜視図で
ある。
【図9】 門型構造の電車線路支持物の構成と、それ
に作用する二方向の荷重を示す正面図である。
【符号の説明】
1c,1s,1ep,1op アルミニウム合金押出
形材 2c,2s,2ep,2op 管本体 3c,3s,3ep,3op リブ 4c,4s,4ep,4op リブ 11 軌条 12 電柱 13 ブラケット 14 ちょう架線 15 トロリ線 17 電柱垂直部 18 水平ビーム部 19 曲げ部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 624 C22F 1/00 624 630 630A 682 682 691 691B 691C (72)発明者 斉藤 久男 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1−34−1 日本 軽金属株式会社グループ技術センター内 (72)発明者 佐野 博通 東京都品川区東品川2−2−20 日本軽金 属株式会社内 (72)発明者 杉山 敬一 東京都品川区東品川2−2−20 日本軽金 属株式会社内 (72)発明者 佐久間 勇三 東京都品川区東品川2−2−20 日本軽金 属株式会社内 Fターム(参考) 2E163 FA02 FA12 FB04 FB06 FB07 FB09 FB34 4E029 AA06 AC01 DA00 SA01 SA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の支柱及び/又は梁に用いるア
    ルミニウム合金押出形材であって、 Al−Mg−Si系アルミニウム合金で形成すると共に
    押出直後に焼き入れ処理し、その後人工時効処理を施し
    てなり、 管状に形成され押出形材の内周面及び/又は外周面に、
    該押出形材の長手方向に延びるリブを配設すると共に、 前記押出形材本体と前記リブの、最大肉厚をteMAX=2
    5mmとし、 最小肉厚teMIN(mm)を使用時に局部座屈を生じない
    肉厚としてなる構造物用アルミニウム合金製押出形材。
  2. 【請求項2】 支柱に用いる前記押出形材のリブを、
    最大曲げモーメントの作用方向の剛性が大きくなるよう
    に配設してなる請求項1に記載の構造物用アルミニウム
    合金製押出形材。
  3. 【請求項3】 梁に用いる前記押出形材のリブを、梁
    の垂直方向の剛性が大きくなるように配設してなる請求
    項1に記載の構造物用アルミニウム合金製押出形材。
  4. 【請求項4】 前記押出形材のリブが押出形材の外周
    面にのみ形成されている請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項に記載の構造物用アルミニウム合金製押出形材。
  5. 【請求項5】前記構造物用アルミニウム合金製押出形材
    は鉄道線路支持物の支柱又は梁として用いられるもので
    ある請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の構造
    物用アルミニウム合金製押出形材。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項
    に記載の構造物用アルミニウム合金製押出形材の製造方
    法であって、アルミニウム合金製押出形材としてJIS
    H 4100に定める6000系アルミニウム合金押
    出形材を用いると共に、押出工程において規格の0.2
    %耐力を得ることができる下限界以上かつ下記式1で定
    める変形率Biが0.1%以下の値を得ることのできる
    上限界以下の熱伝達係数α{W/(m2・K)}となる
    ような冷却手段で、押出し直後に押出形材を焼き入れ処
    理し、該押出形材を(170〜210)℃×(1〜1
    2)時間の人工時効処理を施すことを特徴とした構造物
    用アルミニウム合金製押出形材の製造方法。 記 Bi=h/W ………式1 ここで、 h :冷却後の押出形材の面外変形量(図5参照)(m
    m) W :冷却後の押出形材の押出方向と直交する方向の幅
    (図5参照)(mm)
  7. 【請求項7】 前記押出形材のリブはその押出形材の
    外周面にのみ形成されている請求項6に記載の構造物用
    アルミニウム合金製押出形材の製造方法。
  8. 【請求項8】 押出形材の内周面にリブを配設した場
    合において、押出形材の外面よりの冷却に加えて内面か
    らも冷却してなる請求項6に記載の構造物用アルミニウ
    ム合金製押出形材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記構造物用アルミニウム合金製押出
    形材は鉄道線路支持物用支柱物の支柱又は梁として用い
    られるものである請求項6乃至請求項8のいずれか1項
    に記載の構造物用アルミニウム合金製押出形材の製造方
    法。
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