JP2001211321A - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体

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JP2001211321A
JP2001211321A JP2000020243A JP2000020243A JP2001211321A JP 2001211321 A JP2001211321 A JP 2001211321A JP 2000020243 A JP2000020243 A JP 2000020243A JP 2000020243 A JP2000020243 A JP 2000020243A JP 2001211321 A JP2001211321 A JP 2001211321A
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English (en)
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Daisaku Horie
大作 保理江
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2値化処理において線と線とが結合したり線
がかすれるのを防止すること。 【解決手段】 多値画像を入力するためのCCD104
と、入力された多値画像の局所領域ごとに輝度変化の複
雑度を求め、求められた輝度変化の複雑度に基づきしき
い値を求めるしきい値演算部114と、求められたしき
い値を用いて局所領域ごとに多値画像を2値化する2値
化処理部112とを備える。局所領域ごとに求められた
輝度変化の複雑度に基づき2値化するので、輝度変化の
複雑度が高い部分で線と線とが結合することがなく、輝
度変化の複雑度が低い部分で細線がかすれることがな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像処理装置、
画像処理方法および画像処理プログラムを記録したコン
ピュータ読取可能な記録媒体に関し、特に、デジタルカ
メラやイメージスキャナ等で読取った多値画像を2値化
処理する画像処理装置、画像処理方法および画像処理プ
ログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタルカメラやイメージスキャ
ナ等の画像入力装置を用いて、原稿画像を電子データと
して取り込むことが可能となっている。そして、入力さ
れた電子データとしての画像に2値化処理を施すことに
より、画質を向上させることができる。この2値化処理
に用いられるしきい値を、画像全体あるいは2値化処理
の対象となる部分的な領域に含まれる画素の画素値から
作成されるヒストグラムを用いて決定する方法が知られ
ている。
【0003】しかし、画像入力装置で入力される画像
は、原稿画像の微少な濃度むら、入力時のシェーディン
グ等によるノイズを含む。このため、画像全体に対して
1つのしきい値を用いて2値化処理を施したのでは、良
好な2値画像を得ることができない。これに対して、入
力された画像をある程度の大きさの局所領域に分けて、
局所領域ごとにしきい値を決定する方法が、たとえば、
特開昭61−146173号公報や特開平2−2771
86号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
2値化処理においては、局所領域ごとに決定されるしき
い値は、局所領域の階調分布にのみ基づいて決定される
ため、線が密に集合する輝度が複雑に変化する局所領域
と線が粗に集合する輝度が単純に変化する局所領域とを
区別することができなかった。したがって、階調分布が
似通った局所領域においては、局所領域間で輝度変化が
複雑であろうと単純であろうと似通ったしきい値とされ
ていた。
【0005】これについて具体的に説明する。図11
は、デジタルカメラやイメージスキャナ等の画像入力装
置で入力された画像の一例を示す図である。図11を参
照して、画像には「E−難」の文字が含まれる。ここ
で、「E」の文字を含む領域を領域Aとし、「難」の文
字を含む領域を領域Bとする。「E」の文字は4本の線
から構成され、「難」の文字は19本の線から構成され
る。このため、領域Aは、領域Bと比較して線が粗に集
合する輝度変化が単純な画像であり、領域Bは領域Aと
比較して線が密に集合する輝度変化が複雑な画像であ
る。
【0006】図12は、図11に示した画像の画素値の
ヒストグラムを示す図である。横軸は画素値を示し、縦
軸は画素の度数を示す。図12(A)は、領域Aに含ま
れる画素の画素値のヒストグラムであり、図12(B)
は、領域Bに含まれる画素の画素値のヒストグラムであ
る。図12(A)と図12(B)とにそれぞれ示された
ヒストグラムを比較すると、分布が非常に似ており、異
なる領域として区別するのが困難である。
【0007】図13は、図11に示した画像の画素値か
ら求めた2次微分値のヒストグラムを示す図である。図
13(A)は、領域Aに含まれる画素の画素値から求め
た2次微分値のヒストグラムであり、図13(B)は領
域Bに含まれる画素の画素値から求めた2次微分値のヒ
ストグラムを示す。図13(A)と図13(B)とにそ
れぞれ示されたヒストグラムを比較すると、分布が非常
に似ており、異なる領域として区別するのが困難であ
る。
【0008】このようにの領域Aと領域Bとを階調分布
が異なる領域として区別するのが困難である。このた
め、領域Aと領域Bとにおいて2値化処理に用いられる
しきい値は、近似した値が設定されることになる。
【0009】図11に示した画像を2値化処理した結果
を図14に示す。図14(A)は、細線がかすれないよ
うにしきい値を設定して2値化処理を施した画像を示す
図である。図を参照して、「E」と「難」との文字のい
ずれにおいてもすべての線がかすれない画像となってい
る。しかし、「難」の文字の一部分で線と線とが結合し
て文字がつぶれてしまっている。
【0010】図14(B)は、文字がつぶれないように
しきい値を設定して2値化処理を施した画像を示す図で
ある。図を参照して、「難」の文字がつぶれない画像と
なっているが、「E」の文字の下方部分で線が一部かす
れてしまっている。
【0011】なお、文字のつぶれや細線のかすれを防止
するために、局所領域をより小さくして2値化処理を施
すこともできるが、局所領域のサイズがあまりに小さく
なりすぎると局所領域に含まれる画素の数が少ないため
に局所領域の階調特性が正確でなくなってしまうという
問題がある。
【0012】この発明は上述の問題点を解決するために
なされたもので、この発明の目的の1つは、線と線とが
結合して文字が潰れたり、線が掠れるのを防止した2値
化処理が可能な画像処理装置、画像処理方法および画像
処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録
媒体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めにこの発明のある局面によれば、画像処理装置は、多
値画像を入力するための入力手段と、入力された多値画
像の局所領域ごとに輝度変化の複雑度を求める手段と、
求められた輝度変化の複雑度に基づき、局所領域ごとに
多値画像を2値化する2値化手段とを備える。
【0014】輝度変化の複雑度とは、局所領域に含まれ
る線の密度や局所領域に含まれる線の本数などを示す。
局所領域に含まれる線の密度が高いほど、換言すれば、
局所領域に含まれる線の本数が多いほど、輝度変化が複
雑になる。
【0015】この発明に従えば、輝度変化の複雑度に基
づき、局所領域ごとに多値画像が2値化されるので、線
と線とが結合して文字が潰れたり、線が掠れるのを防止
した2値化処理が可能な画像処理装置を提供することが
できる。
【0016】好ましくは、画像処理装置の2値化手段
は、入力された多値画像の画素値に基づき、2値化する
ために用いる基準しきい値を求める基準しきい値取得手
段を含み、輝度変化の複雑度に基づいて、求められた基
準しきい値を局所領域ごとに変更することを特徴とす
る。
【0017】この発明に従えば、入力された多値画像の
画素値に基づき求められた基準しきい値が、輝度変化の
複雑度に基づき局所領域ごとに変更されるので、隣接す
る局所領域間で、2値化するために用いられるしきい値
が急激に変化することによる画質の低下を防止すること
ができる。
【0018】さらに好ましくは、基準しきい値取得手段
は、入力された多値画像の階調分布に基づき、基準しき
い値を求めることを特徴とする。
【0019】階調分布は、画素値のヒストグラムや画像
のエッジ等で表される。この発明に従えば、入力された
多値画像の階調分布に基づき、基準しきい値が求められ
るので、容易に多値画像を2値化するためのしきい値を
求めることができる。
【0020】この発明の他の局面によれば、画像処理方
法は、多値画像を入力するための入力ステップと、入力
された多値画像の局所領域ごとに輝度変化の複雑度を求
めるステップと、求められた輝度変化の複雑度に基づ
き、局所領域ごとに多値画像を2値化する2値化ステッ
プとを含む。
【0021】この発明に従えば、輝度変化の複雑度に基
づき、局所領域ごとに多値画像が2値化されるので、線
と線とが結合して文字が潰れたり、線が掠れるのを防止
した2値化処理が可能な画像処理方法を提供することが
できる。
【0022】この発明のさらに多の局面によれば、画像
処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録
媒体は、多値画像を入力するための入力ステップと、入
力された多値画像の局所領域ごとに輝度変化の複雑度を
求めるステップと、求められた輝度変化の複雑度に基づ
き、局所領域ごとに多値画像を2値化する2値化ステッ
プとをコンピュータに実行させるための画像処理プログ
ラムを記録する。
【0023】この発明に従えば、輝度変化の複雑度に基
づき、局所領域ごとに多値画像が2値化されるので、線
と線とが結合して文字が潰れたり、線が掠れるのを防止
した2値化処理が可能な画像処理装置プログラムを記録
した記録媒体を提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
における画像処理装置を備えたデジタルカメラについて
図面を参照しながら説明する。なお、図中同一符号は同
一または相当する部材を示し、説明は繰り返さない。
【0025】図1は、デジタルカメラ1が雑誌などの原
稿2を撮像している状況を示す図である。図2は、デジ
タルカメラ1の前方からの斜視図である。図を参照し
て、デジタルカメラ1は、撮影ボタン3と、撮影レンズ
部4と、カード挿入口5とを備える。
【0026】デジタルカメラ1による撮影結果は、デジ
タルカメラ1の内部に存在する図示しないハードディス
クカードに電子データとして記憶される。ここでハード
ディスクカードは画像データの記録媒体であり、たとえ
ばPCMCIA(personal computer memory and inter
face association)に準拠したハードディスクカードの
ようなものを用いてもよいし、これに代えてメモリカー
ドなどを用いてもよい。また、ミニディスク(MD)を
記録媒体に用いてもよい。さらに、カードを記録媒体と
しなくても、たとえばSCSI(small computer syste
m interface)ケーブルなどでデジタルカメラ1をプリ
ンタなどに直接接続するようにしてもよい。
【0027】本実施の形態におけるデジタルカメラ1で
は、会議などで配布された資料、カタログ、雑誌、研究
記録などの紙原稿を電子データに取り込む場合の画質を
向上させることができる。
【0028】図3は、デジタルカメラ1の回路構成を示
すブロック図である。図を参照して、デジタルカメラ1
はデジタルカメラ1の全体の制御を行なう中央演算装置
(以下「CPU」という)100と、撮像を行なう電荷
結合素子(以下「CCD」という)104と、撮像され
た内容を表示する表示部106と、CCD104からの
画像を一時記憶するためのランダムアクセスメモリ(以
下「RAM」という)108と、撮像された画像を複数
のブロックに分割するためのブロック分割部110と、
分割されたブロックごとに画像を2値化するための2値
化処理部112と、2値化処理部112で用いるしきい
値を決定するためのしきい値演算部114と、2値化処
理が行なわれた画像を出力するための出力部116と、
画像を記録するためのカードメモリ部120と、CPU
100で実行するためのプログラムを記憶するためのリ
ードオンリーメモリ(以下「ROM」という)102と
を備える。
【0029】なお、デジタルカメラ1のCPU100に
外部記憶装置122を接続し、CD−ROM124や光
磁気ディスク、デジタルビデオディスク、フロッピーデ
ィスク等からデジタルカメラ1の制御のためのプログラ
ムを読取るようにしてもよい。この場合、後述する2値
化処理をCPU100で実行するためのプログラムが、
CD−ROM124などの記録媒体に記録され、外部記
憶装置122でそのプログラムを読み取ることによりC
PU100で実行可能になる。CPU100でプログラ
ムを実行することにより2値化処理を行う場合には、ブ
ロック分割部110、2値化処理部112、およびしき
い値演算部114は不要となる。
【0030】また、以下に述べる2値化処理はデジタル
カメラ1の内部で行なってもよいし、デジタルカメラ1
に接続された別のカメラやパーソナルコンピュータの端
末などにデータを転送してそこで行なってもよい。
【0031】次に、図3に示されるブロック図を用いて
実際の撮影の様子を説明する。図3において太い矢印は
画像の流れを示し、細い矢印は制御データの流れを示し
ている。ユーザがカメラの電源をONにすると、撮影レ
ンズ部4で撮られているシーンがCCD104を介して
表示部106に映し出される。
【0032】CPU100は、撮影ボタン3がONにな
ったことを検出すると、CCD104に対してCCDの
積分を指示し、積分が終了すればCCDデータのRAM
108へのダンプを行なう。そして、表示部106にこ
の画像を表示(フリーズ表示)させる。
【0033】CCD104からの画像は、RAM108
に記憶される。ここでRAM108に記憶される画像
は、例えば、1画素が8ビットの多値の画像である。画
像がCCD104からRAM108に記憶されると、ブ
ロック分割部110、2値化処理部112、しきい値演
算部114、出力部116でそれぞれ処理が行なわれ、
カードメモリ部125に2値化処理が施された2値画像
が記憶される。
【0034】カードメモリ部120は、ハードディスク
などであっても外部の記憶装置や端末などであってもよ
い。
【0035】ブロック分割部110は、RAM108に
記憶された画像を所定の大きさのブロックに分割する。
たとえば、512×512画素からなる大ブロック、3
2×32画素からなる中ブロック、8×8画素からなる
小ブロックである。
【0036】2値化処理部112は、分割されたブロッ
クごとに2値化処理を行なう。2値化処理の対象となる
ブロックの大きさは、1文字分の大きさ程度が好まし
く、たとえば、32×32画素の中ブロックである。
【0037】しきい値演算部114は、2値化処理の対
象となるブロックごとに2値化処理に用いるしきい値を
決定する。
【0038】なお、2値化処理部112やしきい値演算
部114で、RAM108から必要な大きさのブロック
を直接読出すようにすることもできる。この場合には、
ブロック分割部110は不要である。
【0039】図4は、しきい値演算部114の詳細な構
成を示すブロック図である。図4を参照して、しきい値
演算部114は、ブロックに含まれる画素の画素値から
階調分布に基づき仮のしきい値となる基準しきい値を求
める基準しきい値演算部130と、ブロックごとにブロ
ックの画素の輝度変化の複雑度に基づき補正値を演算す
る補正値演算部132と、基準しきい値演算部130で
求められた基準しきい値を補正値演算部132で求めら
れた補正値で補正する基準しきい値補正部134とを備
える。
【0040】基準しきい値演算部130は、RAM10
8に記憶された画像から既存の手法によって2値化処理
に用いるしきい値を仮に決定する。ここでは、仮に決定
されたしきい値を基準しきい値と呼ぶ。基準しきい値の
決定は、処理時間が重視される場合には、画素の画素値
のヒストグラムを用いた簡単な手法を用いることができ
る。また、画質が重視される場合には、画像中に含まれ
るエッジ等を検出する比較的高度な手法を用いることが
できる。
【0041】基準しきい値は、RAM108に記憶され
た画像全体から求めてもよいし、画像をたとえば512
×512画素の大ブロックに分割し、それぞれの大ブロ
ックごとに求めてもよい。大ブロックごとに基準しきい
値を求める場合には、画像がシェーディング等の影響を
受けている場合や、画像に含まれる文字の品質が、画像
中の位置の違いにより大きく異なる場合などに、有効で
ある。また、基準しきい値は、大ブロックごとあるいは
画像全体に対して求めるのではなく、固定の値を用いる
こともできる。
【0042】補正値演算部132は、2値化処理の対象
となるブロックの輝度変化の複雑度を求める。輝度変化
の複雑度とは、局所領域に含まれる線の密度や局所領域
に含まれる線の本数などを示す。局所領域に含まれる線
の密度が高いほど、換言すれば、局所領域に含まれる線
の本数が多いほど、輝度変化が複雑になる。輝度変化の
複雑度は、ブロックに含まれる画素の画素値をアダマー
ル変換や離散コサイン変換(以下「DCT」という)す
ることによって求めることができる。なお、輝度変化の
複雑度は、直交変換等により求めた周波数情報に基づき
求める他に、文字の複雑度の尺度になるものであれば他
の尺度を用いることができる。例えば、処理速度やデジ
タルスチルカメラ1の構成に制約がない場合には、エネ
ルギ関数等を用いた輪郭追跡などを利用してもよい。
【0043】以下、DCTを用いて輝度変化の複雑度を
求める場合について説明する。DCTを用いた場合、輝
度変化の複雑度は、周波数情報成分の量で表わすことが
できる。周波数情報成分の量は、ブロックに含まれる画
素の画素値をDCTすることにより求められるDCT係
数のうち、交流成分の二乗平均値で表わされる。
【0044】基準しきい値補正部134は、基準しきい
値演算部130で求められた基準しきい値を補正値演算
部132で求められた周波数情報成分の量で補正する。
補正式は、次式(1)を用いることができる。
【0045】 しきい値=基準しきい値+10×(基準値−(周波数成分の量))…(1) ただし、基準しきい値は、多数のサンプルに基づき統計
的に定められる値である。
【0046】次に、しきい値演算部114で行なわれる
処理を具体的に説明する。図5は、入力された画像と大
ブロック、中ブロック、および小ブロックを説明するた
めの図である。図5(A)は、入力された画像を示し、
ここでは入力画像を文字画像としている。入力画像20
0中に、512×512画素の大ブロック202が示さ
れている。ここでは1つの大ブロックを示しているが、
実際には、入力された画像200は複数の大ブロックを
含む。たとえば入力された画像200のサイズが、20
480×30720画素の場合、入力された画像200
中に大ブロック202が40×60=2400[個]含
まれることになる。
【0047】図5(B)は、大ブロックと中ブロックと
を示す図である。512×512画素の大ブロック20
2中に32×32画素の中ブロック204が16×16
=256[個]含まれる。図5(C)は、中ブロックと
小ブロックとを示す図である。中ブロック204中に8
×8画素の小ブロック206が4×4=16[個]含ま
れる。
【0048】2値化処理部112では、中ブロックごと
に2値化処理が行なわれる。これに対応してしきい値演
算部114では中ブロックごとに2値化に用いるしきい
値が決定される。
【0049】しきい値演算部114の基準しきい値演算
部130は、大ブロック202に含まれる画素の画素値
を用いて基準しきい値を求める。基準しきい値は、ブロ
ックの階調分布に基づき求められる。階調分布は、ブロ
ックに含まれる画素の画素値のヒストグラムにより表わ
される。ヒストグラムの平均値および標準偏差を用いて
しきい値が決定される。
【0050】なお、入力された画像200にシェーディ
ングの影響がない場合や、画像の位置により文字の品質
が異ならない場合には、基準しきい値を入力された画像
200全体の階調分布に基づき求めるようにしてもよ
い。
【0051】次に、補正値演算部132で、中ブロック
の周波数情報成分の量が求められる。周波数情報成分の
量は、次の手順により求められる。
【0052】(手順1) 中ブロックに含まれる16個
の小ブロックすべてにDCTを行なう。
【0053】(手順2) DCTにより求められたDC
T係数のうち、交流成分について16個の小ブロックの
対応するDCT係数ごとに二乗平均を求める。
【0054】(手順3) 二乗平均されたDCT係数に
重みづけフィルタで重みづけした値の平均を求め、求め
た平均値を周波数成分の量とする。
【0055】図6は、図11に示した画像の領域Aと領
域Bをそれぞれ中ブロックとした場合に、DCTにより
求められた16個の小ブロックの交流成分を二乗平均し
た結果を示す図である。図6(A)は、図11に示した
画像の領域Aを中ブロックとした場合に求められる結果
を示し、図6(B)は図11に示した画像の領域Bを中
ブロックとした場合に求められる結果を示す。
【0056】図7は、重みづけフィルタの一例を示す図
である。図6(A)および図6(B)に示す交流成分を
二乗平均した結果に、図7(A)に示す重みづけフィル
タを用いて重みづけした成分の平均値は、それぞれ6.
15,9.15となる。
【0057】なお、重みづけフィルタは、図7(A)に
示したフィルタに限られず、図7(B)に示すフィルタ
を用いることもできる。画像入力装置の性能の違い等に
より、入力された2値化処理の対象となる画像の解像度
が異なるので、入力される画像に応じて重みづけフィル
タを異ならせるようにするためである。
【0058】一般に、DCTにより求められるDCT係
数の高周波成分の値は、低周波成分の値に比べて小さく
なることが多い。このため、図7(A)および図7
(B)に示す重みづけフィルタは、高周波側の重みづけ
を大きくしている。このように、高周波側の重みづけを
大きくするフィルタを用いるのが好ましい。
【0059】なお、本実施の形態においては、中ブロッ
クに含まれる小ブロックにDCTを行ない、それらの交
流成分ごとの二乗平均を求めた後に、重みづけフィルタ
で重みづけした値の平均値を求めるようにしたが、中ブ
ロックに直接DCTを行ない、求められたDCT係数を
用いて周波数情報成分の量を求めるようにしてもよい。
さらに、中ブロック内で二乗平均を求めるのではなく、
たとえば絶対値平均を用いるようにしてもよい。
【0060】基準しきい値補正部134で、基準しきい
値演算部130で求められた基準しきい値と補正値演算
部132で求められた周波数情報成分の量とから、上述
の式(1)を用いてしきい値が求められる。このとき、
式(1)において基準値は、たとえば7.5を用いるこ
とができる。
【0061】図11に示した画像に本実施の形態におけ
るデジタルカメラ1で2値化処理を施した結果の一例を
図8に示す。図8を参照して、「E」の文字の細線部分
がかすれることなく2値化されており、「難」の文字が
つぶれることなく2値化されている。
【0062】なお、本実施の形態においては、式(1)
を用いて、基準しきい値を基準値と周波数情報成との量
とにより補正するようにしたが、これに代えて、512
×512画素の大ブロックの周波数情報成分の量を基準
にして、これに対する32×32画素の中ブロックごと
の周波数情報成分の量の比率を用いて基準しきい値を補
正するようにしてもよい。
【0063】さらに、大ブロックを512×512画素
の大きさとし、中ブロックを32×32画素のサイズと
し、小ブロックを8×8画素のサイズとしたが、ブロッ
クのサイズはこれらに制約されるわけではない。デジタ
ルスチルカメラ1の構成で必要とされる画像の精度、処
理速度、および利用することができるメモリ容量等に応
じてブロックのサイズを変えることができる。
【0064】さらに、本実施の形態においては、中ブロ
ックごとに2値化処理を行なうようにしたが、処理時間
に制限がない場合は、小ブロックごとに2値化処理を行
なうようにしてもよい。
【0065】次に、CPU100が、CD−ROM12
4に記憶されプログラムを実行することによって、2値
化処理を行なう場合について説明する。この場合、CD
−ROM124に記憶されたプログラムは、外部記憶装
置122によりCPU100のメモリに読込まれる。
【0066】図9は、CPU100で実行される2値化
処理の流れを示すフローチャートである。図9を参照し
て、CPU100は、RAM108に記憶された画像を
ブロックごとにしきい値を決定するステップ(S01)
と、決定されたしきい値に従って2値化を行なうステッ
プ(S02)とを含む。
【0067】図10は、図9のステップS01で行なわ
れるしきい値決定処理の流れを示すフローチャートであ
る。図10を参照して、RAM108に記憶された画像
から最初の大ブロックを読出す(ステップS11)。こ
こでいう大ブロックは、512×512画素のブロック
であり、RAM108に記憶された画像が、複数の大ブ
ロックに分割されて、順にCPU100に読出される。
【0068】そして、仮のしきい値となる基準しきい値
が、読出された大ブロックの画素の画素値から公知の手
法で求められる(ステップS12)。
【0069】次に、大ブロックに含まれる16個の中ブ
ロックがステップS13とステップS21とにおいて順
に読込まれる。そして、ステップS14〜ステップS2
0において、中ブロックにおける処理がそれぞれの中ブ
ロックについて行なわれる。中ブロックに含まれる16
個の小ブロックが、ステップS14とステップS17で
順に読込まれ、ステップS15とステップS16におい
て、小ブロックにおける処理が小ブロックごとに行なわ
れる。
【0070】ステップS15においては、小ブロック単
位にDCT演算が行なわれる。これにより、小ブロック
ごとにDCT係数が求められる。
【0071】ステップS16においては、処理すべき小
ブロックが最後の小ブロックか否か判断される。最後の
小ブロックである場合にはステップS18に進み、そう
でない場合にはステップS17に進み次の小ブロックが
読込まれる。
【0072】ステップS18においては、中ブロック内
の周波数情報成分の量が計算される。中ブロック内の周
波数情報成分の量は、中ブロックに含まれる16個の小
ブロックについて、それぞれのDCT係数のうち交流成
分を、対応する成分ごとに二乗平均を求めることにより
求められる。また、図7に示した重みづけフィルタを用
いるようにしてもよい。
【0073】そして、上述した式(1)を用いて、中ブ
ロックにおけるしきい値が求められる(ステップS1
9)。
【0074】ステップS20では、処理対象となる中ブ
ロックが最後の中ブロックか否かが判断される。最後の
中ブロックである場合にはステップS22に進み、そう
でない場合にはステップS21に進む。ステップS21
においては、次の中ブロックの読込が行われ、ステップ
S14に進む。
【0075】ステップS22においては、処理対象とな
る大ブロックが最後の大ブロックか否かが判断される。
最後の大ブロックである場合には処理を終了し、そうで
ない場合にはステップS23に進む。ステップS23に
おいては、処理対象となる次の大ブロックの読込が行な
われる。
【0076】以上説明したように、本実施の形態におけ
るデジタルカメラ1では、入力された画像の局所領域ご
とに、その局所領域における輝度変化の複雑度に基づき
2値化するためのしきい値を決定するようにしたので、
細線のかすれと線と線とが結合して文字が潰れたりする
のを防止することができる。
【0077】本実施の形態においては、2値化処理に用
いるしきい値を、大ブロックにおいて求めた基準しきい
値を、中ブロックごとに求めた輝度変化の複雑度に基づ
き修正するようにしたので、隣接する中ブロック間でし
きい値が極端に異なることがなく、画質が低下するのを
防止することができる。また、大局的な階調情報と局所
的な輝度変化の複雑度との組合せによりしきい値が決定
されるため、局所的な輝度変化の複雑度のみを利用した
場合に情報量が欠落するといった不具合が生じることが
ない。
【0078】また、本実施の形態におけるデジタルカメ
ラ1では、画像の属性が同じであっても、また、濃度分
布が同じであっても、輝度変化の複雑度が異なれば2値
化に用いるしきい値が変化するので、複雑度が低い場合
に細線を強調することができ、複雑度が高い場合に細線
が太くなるのを防止することができる。
【0079】なお、本実施の形態では、デジタルカメラ
の例について説明したが、ミノルタ社製BC3000の
ように本などを上方から撮影するスキャナ等の撮像装置
にも適用可能である。
【0080】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の1つにおけるデジタル
カメラ1が雑誌などの原稿2を撮像している状況を示す
図である。
【図2】 本実施の形態におけるデジタルカメラ1の前
方からの斜視図である。
【図3】 本実施の形態におけるデジタルカメラ1の回
路構成を示すブロック図である。
【図4】 本実施の形態におけるデジタルカメラ1のし
きい値演算部114の詳細な構成を示すブロック図であ
る。
【図5】 入力された画像と大ブロック、中ブロック、
および小ブロックを説明するための図である。
【図6】 図11に示した画像の領域Aと領域Bをそれ
ぞれ中ブロックとした場合に、DCTにより求められた
16個の小ブロックの交流成分を二乗平均した結果を示
す図である。
【図7】 重みづけフィルタの一例を示す図である。
【図8】 本実施の形態におけるデジタルカメラ1で2
値化処理を行なった結果の一例を示す図である。
【図9】 本実施の形態におけるデジタルカメラ1のC
PU100で行われる2値化処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図10】 図9のステップS01で行われるしきい値
決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】 デジタルカメラやイメージスキャナ等の画
像入力装置で入力された画像の一例を示す図である。
【図12】 図11に示した画像の画素値のヒストグラ
ムを示す図である。
【図13】 図11に示した画像の画素値から求めた2
次微分値のヒストグラムを示す図である。
【図14】 図11に示した画像を2値化処理した結果
を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ、2 原稿、3 撮影ボタン、4
撮影レンズ部、5 カード挿入口、100 CPU、1
02 ROM、104 CCD、106 表示部、10
8 RAM、110 ブロック分割部、112 2値化
処理部、114しきい値演算部、116 出力部、12
0 カードメモリ部、122 外部記憶装置、124
CD−ROM、130 基準しきい値演算部、132
補正値演算部、134 基準しきい値補正部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA20 BA02 BA30 CA02 CA08 CA12 CA16 CB02 CB06 CB12 CB16 CC02 CD01 CD20 CE12 DA17 DB02 DB05 DB09 DC23 5C022 AA13 AB03 AB30 AC01 AC42 AC69 CA00 5C077 LL08 LL09 LL19 PP21 PP43 PP46 PP47 PP49 PP68 PQ19 RR02 RR16 TT09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多値画像を入力するための入力手段と、 前記入力された多値画像の局所領域ごとに輝度変化の複
    雑度を求める手段と、 前記求められた輝度変化の複雑度に基づき、前記局所領
    域ごとに前記多値画像を2値化する2値化手段とを備え
    た、画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記2値化手段は、前記入力された多値
    画像の画素値に基づき、2値化するために用いる基準し
    きい値を求める基準しきい値取得手段を含み、 前記輝度変化の複雑度に基づき、前記求められた基準し
    きい値を局所領域ごとに変更することを特徴とする、請
    求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記基準しきい値取得手段は、前記入力
    された多値画像の階調分布に基づき、前記基準しきい値
    を求めることを特徴とする、請求項2に記載の画像処理
    装置。
  4. 【請求項4】 多値画像を入力するための入力ステップ
    と、 前記入力された多値画像の局所領域ごとに輝度変化の複
    雑度を求めるステップと、 前記求められた輝度変化の複雑度に基づき、前記局所領
    域ごとに前記多値画像を2値化する2値化ステップとを
    含む、画像処理方法。
  5. 【請求項5】 多値画像を入力するための入力ステップ
    と、 前記入力された多値画像の局所領域ごとに輝度変化の複
    雑度を求めるステップと、 前記求められた輝度変化の複雑度に基づき、前記局所領
    域ごとに前記多値画像を2値化する2値化ステップとを
    コンピュータに実行させるための画像処理プログラムを
    記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007034676A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Sony Corp エッジ検出回路、エッジ検出方法、ノイズ除去回路及びノイズ除去方法

Cited By (2)

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