JP2001210117A - 採光装置 - Google Patents

採光装置

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JP2001210117A
JP2001210117A JP2000019430A JP2000019430A JP2001210117A JP 2001210117 A JP2001210117 A JP 2001210117A JP 2000019430 A JP2000019430 A JP 2000019430A JP 2000019430 A JP2000019430 A JP 2000019430A JP 2001210117 A JP2001210117 A JP 2001210117A
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秀明 福井
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仙英 荒金
Yoshiaki Mitsuoka
嘉昭 三岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工に多少のズレがあっても、曇天から晴天
への変化時に、採光手段は正確な太陽軌道に対応するよ
う移動、待機されていて、太陽検知センサの追尾駆動に
よる効率の良い採光が迅速に再開される採光装置を提供
する。 【解決手段】 採光手段1、駆動手段2、太陽検知セン
サ3、制御手段4を備えて、制御手段4には演算部を有
し、この演算部で算出された太陽軌道に対応するよう、
同制御手段4で駆動手段2が採光手段1を追尾駆動させ
るようになした採光装置であり、駆動手段2としてパル
スモータ6a、6bを有し、時計機能と同パルスモータ6a、
6bへの出力パルス数とから、太陽の現実の位置と計算上
の位置との誤差値が導き出されて、太陽軌道が補正され
算出されるようになした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽に対し追尾駆
動されて太陽光を屋内へと採光する採光装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、太陽光を屋内へと採光する採
光手段と、該採光手段を太陽に対して追尾駆動させる駆
動手段と、該駆動手段の追尾駆動を動作制御する制御手
段とを備えた採光装置は知られている。該採光装置にお
いては、太陽光を受けて現実の太陽位置を検知する太陽
検知センサを備え、該太陽検知センサで検知された太陽
位置に対応するよう、前記制御手段で駆動手段の追尾駆
動が動作制御されるようになっている。
【0003】この場合、太陽光を屋内へと採光する採光
手段としては、太陽光を鏡で反射して屋内へと採光する
ものや、太陽光を集光レンズで集め光ファイバーを介し
て屋内へと採光するものがあった。前者の採光手段では
鏡が太陽に対して追尾駆動され、後者の採光装置では集
光レンズが太陽に対して追尾駆動される。そして、いず
れの場合にあっても、太陽検知センサの検知出力に応じ
て現実の太陽位置が把握され、該太陽位置に対応するよ
う鏡或いは集光レンズが追尾駆動されて、太陽光は効率
良く屋内へと採光される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術において、晴天時には、太陽検知センサが現実
の太陽位置を検知して採光手段は支障なく追尾駆動され
るが、曇天になると、同太陽検知センサは現実の太陽位
置を検知することができなくなり、同採光手段の追尾駆
動は行われなくなる。こうなると、曇天から晴天への変
化時には、採光手段が現実の太陽位置に対応するよう復
帰動作された後に、前記追尾駆動を開始することになっ
て、迅速には採光が再開されない。
【0005】そこで、曇天から晴天への変化時に、迅速
に採光が再開されるよう、曇天時に太陽軌道を算出し、
該太陽軌道に採光手段を対応するよう移動、待機させて
おくことも提案されている。この場合、制御手段には、
設置場所の緯度、経度、時刻の各データに基づいて太陽
軌道を計算する演算部が設けられ、該演算部で算出され
た太陽軌道に対応するよう、同制御手段で駆動手段の追
尾駆動は動作制御されることとなる。
【0006】しかし、この場合、施工ミス等によって、
水平設置に誤差があったり、真南との方位にズレ等があ
ったりすると、終始その誤差を引きずったまま、不正確
な太陽軌道に沿って移動することになる。そうなると、
センシング追尾で太陽をとらえるのに時間がかかり、追
尾駆動に遅れを生じるという問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の技術における問題を
悉く解決するために発明されたもので、その課題は、施
工に多少のズレがあっても、曇天から晴天への変化時
に、採光手段は補正されて計算された正確な太陽軌道に
対応するよう移動、待機されていて、迅速に太陽検知セ
ンサの出力に応じた追尾駆動による効率の良い採光が再
開される採光装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
採光装置は、太陽光を屋内へと採光する採光手段と、該
採光手段を太陽に対して追尾駆動させる駆動手段と、太
陽光を受けて現実の太陽位置を検知する太陽検知センサ
と、該太陽検知センサで検知された太陽位置に対応する
よう、前記駆動手段の追尾駆動を動作制御する制御手段
とを備え、該制御手段には、設置場所の緯度、経度、時
刻の各データに基づいて太陽軌道を計算する演算部を有
し、太陽光が前記太陽検知センサで検知されない際に、
同演算部で算出された太陽軌道に対応するよう、同制御
手段で前記駆動手段の追尾駆動を動作制御するようにな
した採光装置であって、前記駆動手段としてパルスモー
タを有し、前記制御手段には時計機能を有すると共に、
その演算部では、同パルスモータへの出力パルス数を加
減算し角度に変換して座標位置として認識する変換機能
を有し、前記太陽検知センサの検知出力を基に太陽位置
をとらえたときの座標と、このときの時刻における計算
された太陽軌道の座標と、該両座標の差とが記憶されて
いて、該記憶された各値に基づき現実の座標と計算上の
座標との誤差値が導き出されることにより、同計算され
る太陽軌道が補正されるようになしたものである。
【0009】したがって、この場合、晴天時には、太陽
検知センサで検知された現実の太陽位置に対応するよ
う、制御手段で駆動手段の追尾駆動が動作制御され、採
光手段によって太陽光が効率良く屋内へと採光される。
そして、曇天になると、制御手段の演算部で算出された
太陽軌道に対応するよう、該制御手段で追尾駆動が動作
制御されて、採光手段は同太陽軌道に対応するよう動作
される。そのため、曇天から晴天への変化時には、採光
手段が太陽軌道に対応するよう移動、待機されていて、
前記効率の良い採光は迅速に再開される。
【0010】しかも、駆動手段により追尾駆動されてい
る際に、該駆動手段となるパルスモータへの出力パルス
数が有効に利用されて、演算部では、効率良く正確な座
標位置を認識することができ、これと時計機能とによっ
て、太陽軌道の現実の座標と計算上の座標との誤差値が
導き出され、これにより、太陽軌道は容易に補正されて
算出される。そのため、施工に多少のズレがあっても、
曇天から晴天への変化時には、前記の如く、迅速に太陽
検知センサの出力に応じた追尾駆動による効率の良い採
光が再開される。
【0011】本発明の請求項2記載の採光装置は、上記
請求項1記載の採光装置において、制御手段の演算部
で、変換機能と時計機能とにより設置場所の緯度、経度
が算出され、該算出された緯度、経度データと、同時計
機能により得られた時刻データとに基づいて太陽軌道の
計算が行われるようになしたことを特徴とするものであ
る。
【0012】したがって、この場合は特に、駆動手段に
より追尾駆動されている際、上記と同様に、効率良く正
確な座標位置を認識することができ、これと時計機能と
によって、設置場所の緯度、経度は算出され、該緯度、
経度の両データと同時計機能により得られた時刻データ
とを用いて、上記制御手段の演算部では計算が行われる
ので、緯度、経度、時刻の各データはこのように容易に
得られて、出荷や施工等の際に、上記太陽軌道を算出す
るためのデータ入力を要さず、施工が簡単で製品管理上
も望ましいものとなる。
【0013】本発明の請求項3記載の採光装置は、上記
請求項1又は2記載の採光装置において、太陽検知セン
サの検知出力を基に太陽位置をとらえたときの座標と、
このときの時刻における計算された太陽軌道の座標と、
該両座標の差とが、一定期間逐次毎に記憶され、該記憶
された各値に基づき現実の座標と計算上の座標との誤差
値及びその変化が導き出されるようになしたことを特徴
とするものである。
【0014】したがって、この場合は特に、太陽軌道の
現実の座標と計算上の座標との誤差値だけでなくその変
化も導き出されるので、該誤差値の変化状況に応じてそ
の要因を判断することができ、太陽軌道は精度良く補正
されて算出される。
【0015】本発明の請求項4記載の採光装置は、上記
請求項1〜3のいずれか一つに記載の採光装置におい
て、駆動手段として、採光手段を横方向に回動させる方
位用パルスモータと、同採光手段を縦方向に回動させる
高度用パルスモータとを有し、該高度用パルスモータへ
の出力パルス数から座標位置の高度が認識され、同方位
用パルスモータへの出力パルス数から座標位置の方位が
認識されるようになしたことを特徴とするものである。
【0016】したがって、この場合は特に、駆動手段と
して方位用パルスモータと高度用パルスモータとを有
し、採光手段が横方向及び縦方向に二軸で回動制御され
て、該採光手段は方位、高度の両方ともが正確に制御さ
れ確実に追尾駆動される。しかも、方位用パルスモータ
への出力パルス数からは方位が、高度用パルスモータへ
の出力パルス数からは高度が、各別に認識されて、同方
位及び高度は各々正確で座標位置として最適なものとな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1〜4は、本発明の請求項1〜
4全てに対応する一実施形態を示す。該実施形態の採光
装置は、図1、4に示す如く、太陽光18を屋内へと採光
する採光手段1と、該採光手段1を太陽18に対して追尾
駆動させる駆動手段2と、太陽光19を受けて現実の太陽
18の位置を検知する太陽検知センサ3と、該太陽検知セ
ンサ3で検知された同太陽18の位置に対応するよう、前
記駆動手段2の追尾駆動を動作制御する制御手段4とを
備えている。
【0018】この場合に、図2に示す如く、制御手段4
には、設置場所の緯度、経度、時刻の各データに基づい
て太陽軌道を計算する演算部5を有し、太陽光19が前記
太陽検知センサ3で検知されない際に、同演算部5で算
出された太陽軌道に対応するよう、同制御手段4で前記
駆動手段2の追尾駆動を動作制御するようになってい
る。しかも、駆動手段2としてパルスモータ6を有し、
制御手段4には時計機能を有すると共に、その演算部5
では、同パルスモータ6への出力パルス数を加減算し角
度に変換して座標位置として認識する変換機能を有して
いる。そして、制御手段4の演算部5では、変換機能と
時計機能とにより設置場所の緯度、経度が算出され、該
算出された緯度、経度データと、同時計機能により得ら
れた時刻データとに基づいて、前記太陽軌道の計算が行
われるようになっている。
【0019】更に、図3に示す如く、制御手段4では、
前記太陽検知センサ3の検知出力を基に太陽18の位置を
とらえたときのその座標と、このときの時刻における計
算された太陽軌道の座標と、該両座標の差とが記憶され
ていて、その演算部5(マイコン26)で、同記憶された
各値に基づき現実の座標と計算上の座標との誤差値が導
き出されることにより、同計算される太陽軌道が補正さ
れるようにもなっている。
【0020】しかも、ここで、太陽検知センサ3の検知
出力を基に太陽18の位置をとらえたときの座標と、この
ときの時刻における計算された太陽軌道の座標と、該両
座標の差とが、一定期間逐次毎に記憶され、該記憶され
た各値に基づき現実の座標と計算上の座標との誤差値及
びその変化が導き出されるようになっている。又、前記
駆動手段2のパルスモータ6として、採光手段1を横方
向に回動させる方位用パルスモータ6aと、同採光手段1
を縦方向に回動させる高度用パルスモータ6bとを有し、
該高度用パルスモータ6bへの出力パルス数から座標位置
の高度が認識され、同方位用パルスモータ6aへの出力パ
ルス数から座標位置の方位が認識されるようになってい
る。
【0021】又、該実施形態の採光装置は、従来の天窓
に取り付けた構造となっており、アクリル樹脂製のドー
ム13を備えた天窓部材7と、取付架台8と、採光装置本
体9とでなる。この場合、野地板10の開口に設置された
天窓木枠11に取付架台8が架設固定され、該取付架台8
の略中央上に採光装置本体9が設置されている。採光装
置本体9は、採光手段1となる集光レンズ22と、該集光
レンズ22を駆動させる駆動手段2とを備えている。駆動
手段2は、集光レンズ22を水平に回動させる方位用パル
スモータ6aと、同集光レンズ22を垂直に回動させる高度
用パルスモータ6bとで構成される。なお、採光手段1と
しては、太陽光19を鏡で反射して屋内へと採光するもの
が採用されても良い。
【0022】天窓の周囲には天窓水切り部材12が設けら
れ、該天窓水切り部材12の周辺の屋根20には野地板10上
に屋根瓦21が敷設施工されている。そして、天窓木枠11
上に透明なドーム13が取り付けられ、該ドーム13はその
周囲に設けられる天窓周囲カバー14で固定され、同ドー
ム13によって採光装置本体9が覆われている。この場
合、採光装置本体9の採光手段1となる集光レンズ22が
屋根20より上方へ突出しており、該突出した部分をドー
ム13は覆っている。なお、採光装置本体9の集光レンズ
22上側には太陽検知センサ3が付設されており、取付架
台8上には、同採光装置本体9の他、その周辺に、制御
手段4となるマイコン26及びタイマー等が内蔵された基
板BOXが設置固定されている。
【0023】そして、採光装置本体9の集光レンズ22の
集光部23には、光ファイバー15が接続されている。光フ
ァイバー15は、図4に示す如く、北側一階部屋16にまで
延設され、該北側一階部屋16の天井で発光器具17に接続
されている。この場合、集光部23で光ファイバー15の受
光端面に太陽光19が入射され、該光ファイバー15内を光
搬送された同太陽光19は発光器具17より北側一階部屋16
内へと採光される。なお、天窓の取付架台8の隙間から
入射した太陽光19は、乳白色で半透明の配光板24を介し
て、南側二階部屋25へと採光される。
【0024】ここで、晴天時における採光の動作を説明
する。図4に示す如く、太陽18からの太陽光19は、屋根
20に設置された採光装置本体9へ照射される。採光装置
本体9では、図1に示す如く、集光レンズ22の横に付設
された太陽検知センサ3の出力結果に基づいて、方位用
パルスモータ6a及び高度用パルスモータ6bでなる駆動手
段2が動作制御され、該駆動手段2の操作によって、採
光手段1となる同集光レンズ22は太陽18の位置へ向くよ
うに駆動される。そして、集光レンズ22にて太陽光19が
集光部23に集光され、前述の如く、該集光部23から光フ
ァイバー15を介して、同太陽光19は発光器具17より北側
一階部屋16内へと採光され、その際、取付架台8の隙間
を通った太陽光19が、配光板24を介して南側二階部屋25
へも採光される。
【0025】このとき、制御手段4となるマイコン26及
びタイマー等が内蔵された基板BOXでは、パルスモー
タ6への出力パルス数より角度を導き、これ等を積算
(加算だけでなく減算を含む)することで、現在の座標
位置(方位、高度)を把握認識している。この場合、方
位用パルスモータ6aはギア伝達にもより0.1 °/STEPの
分解能を有し、北を方位の0位置(原点)と設定してい
るので、西に10パルス移動すると1°加算され、東に5
パルス移動すると0.5 °減算される。例えば、太陽追尾
により西側へ 100パルス発信すれば10°動いたことにな
り、続いて東側へ10パルス戻ると−1°で9°となる。
又、高度用パルスモータ6bも同様に0.1 °/STEPの分解
能を有し、水平面を高度の0位置と設定しているので、
同様に加減算される。このような計算(積算)を常に行
うことによって、現在の座標位置を把握認識している。
【0026】そして、太陽検知センサ3が太陽18の方向
を向いていると判断したときに、そのときの座標データ
と時刻データとを記憶して行き、日没後に一日の全デー
タを集計し、これからその日の最高高度(南中高度)を
導き出す。そうすると、基板BOXに内蔵されたタイマ
ーの月日と、前記南中高度とから緯度(北緯)を算出す
ることができる。この場合の計算式は、次の通りとな
る。 ・北緯=90°−南中高度−赤緯 ここでの赤緯は、月日から算出される。
【0027】又、前記時刻データから得られる南中時刻
と正午との時間差から、経度を算出することができる。
この場合の計算式は、次の通りとなる。 ・経度=(南中時刻−12時−均時差)×15+135 ここでの均時差も、月日から算出される。
【0028】次に、曇天時における採光の動作を説明す
る。太陽18が雲に隠れて陰った状態では、太陽検知セン
サ3による追尾駆動が不可能となる。そこで、前記晴天
時に推定されて制御手段4で記憶設定された緯度、経度
の両データを基に、同制御手段4の演算部5で太陽軌道
が計算されて、採光手段1が現在の太陽18の位置に対応
するよう移動、待機されるようになっている。これによ
り、晴れ間と共に、瞬時に採光が再開される。
【0029】又、前記、晴天時における採光の動作中に
は、太陽検知センサ3が太陽18の方向を向いていると判
断したときに、そのときの現実の太陽18の位置を示す座
標データと時刻データとを記憶して行くだけでなく、同
時刻における太陽軌道の計算上の座標データ、及び、こ
れと前記現実の太陽18の位置を示す座標データとの差を
常に記憶して行くようにもなっている。すなわち、セン
シング追尾と同時に同時刻での太陽軌道を計算すると共
に、同センシングにより判明した実際の太陽軌道との差
も算出して記憶して行く機能を有しているものである。
そして、一日の全データにより誤差値が導き出され、次
回の曇天の太陽軌道計算時に、同誤差値を基に太陽軌道
計算は補正されることになる。
【0030】ところで、一般に、太陽軌道の計算上の位
置とセンシング追尾による実際の太陽18の位置とがズレ
る原因としては、計算式の精度や装置の性能等を別にす
ると 1)水平に設置されていない 2)緯度、経度の初期条件の入力誤差 3)施工時の取付不良で、真南に合っていない 4)真南と施工方向のズレ量、磁気偏差等の初期条件の入
力誤差があげられる。
【0031】これ等のうち、3)、4)の要因は、方位誤差
値α、高度誤差値βの単純な一定量となるため、太陽軌
道の計算上の位置とセンシング追尾による実際の太陽18
の位置の差でもって表現することができ、補正も計算結
果後に加減算すれば良い。この場合の補正計算式は、次
の通りとなる。 ・sinH’=sinφsinδ+cosφcosδc
ost ・sinε=cosδsintsecH’ ・H=H’+β ・A=ε−λ+α λ:磁偏差(真南とコンパスの南とのズレ)であり、該
λは日本測量協会の近似式を利用すれば、入力が不要と
なる値である。 この場合、前記制御手段4の演算部5で算出された緯度
(φ)と、経度(ψ)を基に算出された時角(t)と、
月日より算出される赤緯(δ)とを利用することで、太
陽軌道の高度Hと方位Aとが求められるものである。
【0032】又、前記1)、2)の要因は、太陽軌道計算以
前の誤差要因となるため、計算は複雑になる。すなわ
ち、緯度及び屋根勾配での誤差をγとし、経度、水平で
の誤差をλと仮定する(屋根が真南と同方向で、水平が
東西方向と大きくズレ過ぎていないと解釈)。次に、γ
とλとを徐々に増加させ、その計算結果がセンシング追
尾による実際の太陽18の位置となった値γとλとが誤差
値となる。以後、その値を差し引いて計算を行うと、正
確な太陽軌道を算出することができる。この場合の補正
計算式は、次の通りとなる。 ・sinH=sinφ’sinδ+cosφ’cosδ
cost’ ・sinε=cosδsint’secH ・A=ε−λ この場合には、緯度φ’(φ−γ)と、経度ψ’(ψ−
λ)を基に算出された時角(t’)と、月日より算出さ
れる赤緯(δ)とを利用することで、太陽軌道の高度H
と方位Aとが求められるものである。
【0033】このように、要因を場合分けして判断する
には、太陽軌道の計算上の位置とセンシング追尾による
実際の太陽18の位置との差が一定で変化しない場合に、
前記要因3)、4)と判断し、同差が一定とならず変化し
て、南中時に最も大きくなるような場合に、前記要因
1)、2)と判断すれば良い。これ等、複合の原因が交差す
る場合には、4変数α、β、γ、λを基に、センシング
追尾による実際の太陽18の位置と合致する条件を見つけ
れば良い。
【0034】そして、図3に示す如く、前記の補正計算
を繰り返し行うことで、計算軌道と実際の太陽軌道との
差が縮小して行くことになる。又、前記の算出機能は、
商品設置後の初期に運転される機能であり、以後は、そ
の推定緯度、経度及び推定誤差に基づいて、太陽軌道を
補正しながら正確に算出することができる。又、その算
出に際しては、一時的な雲の陰りや、鳥等の通過による
逸脱したデータを除外し、数日間の推定緯度、経度を平
均化して精度を高める機能をも有している。
【0035】したがって、該実施形態の採光装置におい
ては、太陽検知センサ3で検知された現実の太陽18の位
置に対応するよう、制御手段4で駆動手段2となるパル
スモータ6(方位用パルスモータ6a、高度用パルスモー
タ6b)の追尾駆動が動作制御され、採光手段1となる集
光レンズ22によって太陽光19が効率良く屋内へと採光さ
れる。そして、曇天になると、制御手段4の演算部5で
算出された太陽軌道に対応するよう、該制御手段4で追
尾駆動が動作制御されて、集光レンズ22は同太陽軌道に
対応するよう動作される。そのため、曇天から晴天への
変化時には、集光レンズ22が太陽軌道に対応するよう移
動、待機されていて、前記効率の良い採光は迅速に再開
される。
【0036】しかも、駆動手段2となるパルスモータ6
により追尾駆動されている際に、該パルスモータ6への
出力パルス数が有効に利用されて、演算部5では、効率
良く正確な座標位置(方位、高度)を認識把握すること
ができ、これと時計機能とによって、太陽軌道の現実の
座標と計算上の座標との誤差値が導き出され、これによ
り、太陽軌道は容易に補正されて算出される。そのた
め、施工に多少のズレがあっても、曇天から晴天への変
化時には、前記の如く、迅速に太陽検知センサ3の出力
に応じた追尾駆動による効率の良い採光が再開される。
又、この場合、太陽軌道の現実の座標と計算上の座標と
の誤差値だけでなくその変化も導き出されるので、該誤
差値の変化状況に応じてその要因を判断することがで
き、太陽軌道は精度良く補正されて算出される。
【0037】更に、該実施形態の採光装置においては、
パルスモータ6により追尾駆動されている際、上記と同
様に、効率良く正確な座標位置が認識把握され、これと
時計機能とで設置場所の緯度、経度は算出され、該緯
度、経度の両データと同時計機能により得られた時刻デ
ータとを用いて、前記制御手段4の演算部5では計算が
行われる。このように、緯度、経度、時刻の各データは
容易に得られ、出荷や施工等の際に、前記太陽軌道を算
出するためのデータ入力を要さず、施工が簡単で製品管
理上も望ましいものとなる。なお、メーカー側で予め、
緯度、経度の両データが入力設定される場合には、この
ような機能を不要とすることができ、この場合であって
も、前記補正機能だけで十分に対応し得る。
【0038】又、該実施形態の採光装置においては、駆
動手段2のパルスモータ6として方位用パルスモータ6a
と高度用パルスモータ6bとを有しており、採光手段1が
横方向及び縦方向に二軸で精度良く回動制御されて、該
採光手段1は方位及び高度の両方ともが正確に制御され
確実に追尾駆動される。しかも、方位用パルスモータ6a
への出力パルス数からは方位が、高度用パルスモータ6b
への出力パルス数からは高度が、各別に認識されて、同
方位及び高度は各々正確で座標位置として最適なものと
なる。
【0039】
【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項1記載の採
光装置においては、施工に多少のズレがあっても、曇天
から晴天への変化時に、採光手段は補正された正確な太
陽軌道に対応するよう移動、待機されていて、太陽検知
センサの追尾駆動による効率の良い採光が迅速に再開さ
れる。
【0040】又、本発明の請求項2記載の採光装置にお
いては、特に、パルスモータへの出力パルス数から各種
のデータが容易に得られ、出荷や施工等の際に、上記太
陽軌道を算出するためのデータ入力を要さず、施工は簡
単で製品管理上も望ましいものとなる。
【0041】又、本発明の請求項3記載の採光装置にお
いては、特に、太陽軌道の現実の座標と計算上の座標と
の誤差値の変化状況に応じて、その要因を判断すること
ができ、太陽軌道は精度良く補正されて算出される。
【0042】又、本発明の請求項4記載の採光装置にお
いては、特に、採光手段が二軸で回動制御されて、該採
光手段は方位、高度の両方ともが正確に制御され確実に
追尾駆動される。しかも、方位用パルスモータへの出力
パルス数から方位が、高度用パルスモータへの出力パル
ス数から高度が、各別に認識されて、同方位及び高度は
各々正確で座標位置として最適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である採光装置の要部構成
を示す縦断面図。
【図2】同採光装置における制御全体の流れを示す概略
ブロック図。
【図3】同採光装置の制御手段における制御の概要を示
す概略ブロック図。
【図4】同採光装置の施工状態を示す概略縦断面図。
【符号の説明】
1 採光手段 2 駆動手段 3 太陽検知センサ 4 制御手段 5 演算部 6 パルスモータ 6a 方位用パルスモータ 6b 高度用パルスモータ 18 太陽 19 太陽光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三岡 嘉昭 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5H303 AA30 BB03 BB08 BB14 CC02 DD03 DD27 EE03 EE06 EE10 FF09 GG11 GG25 HH04 HH09 LL03 LL06 QQ06 QQ09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽光を屋内へと採光する採光手段と、
    該採光手段を太陽に対して追尾駆動させる駆動手段と、
    太陽光を受けて現実の太陽位置を検知する太陽検知セン
    サと、該太陽検知センサで検知された太陽位置に対応す
    るよう、前記駆動手段の追尾駆動を動作制御する制御手
    段とを備え、該制御手段には、設置場所の緯度、経度、
    時刻の各データに基づいて太陽軌道を計算する演算部を
    有し、太陽光が前記太陽検知センサで検知されない際
    に、同演算部で算出された太陽軌道に対応するよう、同
    制御手段で前記駆動手段の追尾駆動を動作制御するよう
    になした採光装置であって、前記駆動手段としてパルス
    モータを有し、前記制御手段には時計機能を有すると共
    に、その演算部では、同パルスモータへの出力パルス数
    を加減算し角度に変換して座標位置として認識する変換
    機能を有し、前記太陽検知センサの検知出力を基に太陽
    位置をとらえたときの座標と、このときの時刻における
    計算された太陽軌道の座標と、該両座標の差とが記憶さ
    れていて、該記憶された各値に基づき現実の座標と計算
    上の座標との誤差値が導き出されることにより、同計算
    される太陽軌道が補正されるようになした採光装置。
  2. 【請求項2】 制御手段の演算部で、変換機能と時計機
    能とにより設置場所の緯度、経度が算出され、該算出さ
    れた緯度、経度データと、同時計機能により得られた時
    刻データとに基づいて太陽軌道の計算が行われるように
    なしたことを特徴とする請求項1記載の採光装置。
  3. 【請求項3】 太陽検知センサの検知出力を基に太陽位
    置をとらえたときの座標と、このときの時刻における計
    算された太陽軌道の座標と、該両座標の差とが、一定期
    間逐次毎に記憶され、該記憶された各値に基づき現実の
    座標と計算上の座標との誤差値及びその変化が導き出さ
    れるようになしたことを特徴とする請求項1又は2記載
    の採光装置。
  4. 【請求項4】 駆動手段として、採光手段を横方向に回
    動させる方位用パルスモータと、同採光手段を縦方向に
    回動させる高度用パルスモータとを有し、該高度用パル
    スモータへの出力パルス数から座標位置の高度が認識さ
    れ、同方位用パルスモータへの出力パルス数から座標位
    置の方位が認識されるようになしたことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか一つに記載の採光装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR101313160B1 (ko) 2012-05-31 2013-09-30 삼성중공업 주식회사 헬리데크 조명 장치

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