JP2001208915A - 光ファイバケーブルおよび歪み測定方法 - Google Patents

光ファイバケーブルおよび歪み測定方法

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JP2001208915A JP2000019479A JP2000019479A JP2001208915A JP 2001208915 A JP2001208915 A JP 2001208915A JP 2000019479 A JP2000019479 A JP 2000019479A JP 2000019479 A JP2000019479 A JP 2000019479A JP 2001208915 A JP2001208915 A JP 2001208915A
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fiber
grating
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Takeshi Genchi
武士 源地
Kazuo Imamura
一雄 今村
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い距離分解能を持つ歪み測定が可能な光フ
ァイバケーブルを提供する。 【解決手段】 反射特性または透過特性の異なる複数種
類のファイバグレーティング21を有する計測用心線2
0を少なくとも一つ備えた光ファイバケーブル100で
ある。計測用心線20には、第1波長の光を反射または
透過する第1ファイバグレーティングと、第1波長とは
異なる第2波長の光を反射または透過する第2ファイバ
グレーティングとが少なくとも形成されており、第2フ
ァイバグレーティングは、第1ファイバグレーティング
が形成されている位置から軸方向に沿って離れた位置に
形成されている。第1および第2ファイバグレーティン
グのそれぞれからの波長シフトによって、第1および第
2ファイバグレーティングのそれぞれの位置の歪み量が
モニターされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバケーブ
ルおよび歪み測定方法に関する。特に、高分解能歪測定
に適した光ファイバケーブル、ならびに、この光ファイ
バケーブルを用いた歪み測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバに張力が印加され伸び歪が生
じていると、光ファイバは劣化してゆくため、光通信線
路の長期信頼性を確保するには、光ケーブルの製造時、
敷設時、および適用環境使用時の各段階において光ファ
イバの歪を正確に測定することが必要になる。従来、こ
のような歪を測定する方法としては、歪の発生に伴う光
信号遅延時間の変化を直接に時間軸上で測定する光パル
ス法や、正弦波変調信号の位相変化から歪を測定する位
相法が用いられていた。
【0003】上記の歪測定方法によれば、歪を高い精度
で測定できるが、光ファイバの長手方向に沿って歪が不
均一に分布する場合は、長手方向に沿って平均化した歪
の値を検知することしかできなかった。光ファイバの強
度劣化は最大歪によって決定されるため、歪の平均値が
小さい場合であっても、局所的に大きな最大歪が発生し
ていると、その部分で光ファイバの劣化が大きく進行す
ることになる。このため、長手方向に平均した歪値だけ
を測定していたのでは、光ファイバの信頼性を充分に保
証することはできなくなる。
【0004】そこで、歪分布を光ファイバの長手方向に
沿って測定する方法が提案されている。この方法は、音
波および周波数変換を伴う光波の非線形相互作用を分析
する技術と、OTDR(Optical Time Domain Reflecto
metry)に類似した時間領域測定技術とを融合させた方
法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では光パルス幅によって距離分解能(時間分解能)が
数メートル程度に限定されてしまうため、従来、数10
cm程度以下の高分解能を達成することはできかった。
他方、光ファイバケーブル内に収納された光ファイバ心
線は、通常、数10cm程度のピッチで螺旋状に撚られ
ている。このため、上記従来の測定方法によっては、光
ファイバに生じている最大歪を高い精度で測定すること
ができなかった。
【0006】また、上記方法では、歪み計測分解能が低
く(約0.015%以上)、測定時間が比較的長い(5
分以上)という問題点もあった。さらに、上記方法に
は、特殊かつ高価な専用計測器が必要であるという問題
点もあった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その主な目的は、高い距離分解能を持つ歪み測定
が可能な光ファイバケーブルおよび歪み測定方法を提供
できることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による光ファイバ
ケーブルは、複数の光ファイバ心線を備えた光ファイバ
ケーブルであって、前記複数の光ファイバ心線のうちの
少なくとも一つは、反射特性または透過特性の異なる複
数種類のファイバグレーティングを有し、前記複数種類
のファイバグレーティングは、少なくとも、第1波長の
光を反射または透過する第1ファイバグレーティング
と、前記第1波長とは異なる第2波長の光を反射または
透過する第2ファイバグレーティングとを含んでおり、
前記第2ファイバグレーティングは、前記第1ファイバ
グレーティングが形成されている位置から軸方向に沿っ
て離れた位置に形成されており、前記第1ファイバグレ
ーティングおよび前記第2ファイバグレーティングのそ
れぞれからの波長シフトによって、前記第1ファイバグ
レーティングおよび前記第2ファイバグレーティングの
それぞれの位置の歪み量がモニターされる。これによ
り、上記目的を達成する。
【0009】ある実施形態では、前記複数種類のファイ
バグレーティングを有する光ファイバ心線は、少なくと
も前記第1波長の光と前記第2波長の光とを含む測定光
と、前記測定光によって影響を受けずに通信可能な通信
光とを伝播する。
【0010】前記複数の光ファイバ心線のうちの少なく
とも2つは、前記複数種類のファイバグレーティングを
有する光ファイバ心線であり、前記複数種類のファイバ
グレーティングを有する光ファイバ心線のそれぞれが含
んでいる前記第1ファイバグレーティングおよび前記第
2ファイバグレーティングは、前記複数の光ファイバ心
線を備えた光ファイバケーブルの中心軸を基準にして対
称に配置されていることが好ましい。
【0011】本発明による歪み測定方法は、上記光ファ
イバケーブルに対して、前記第1波長の光および第2波
長の光を含む広帯域の光を入射する工程と、前記第1フ
ァイバグレーティングからの第1波長シフトおよび前記
第2ファイバグレーティングからの第2波長シフトをそ
れぞれ検出し、それによって前記第1ファイバグレーテ
ィングの位置における第1歪み量、および前記第2ファ
イバグレーティングの位置における第2歪み量を求める
工程とを包含する。
【0012】本発明による他の歪み測定方法は、上記光
ファイバケーブルに対して、前記第1波長の光および第
2波長の光を含む広帯域の光を入射する工程と、前記光
ファイバケーブルの前記中心軸を基準にして対称に配置
された一対のファイバグレーティングの波長シフトの差
をとることによって、前記一対のファイバグレーティン
グの位置における歪み量を求める工程とを包含する。
【0013】本発明の光ファイバケーブルは、複数種類
のファイバグレーティングを有し、これらの複数種類の
ファイバグレーティングのそれぞれは近距離間隔で配置
することができるため、従来技術よりも高い距離分解能
を持つ歪み測定が可能な光ファイバケーブルおよび歪み
測定方法を提供することができる。
【0014】また、測定光と通信光とを光ファイバ心線
に伝播させる場合には、光ファイバケーブルに搭載する
全ての光ファイバ心線を通信用に使用することができ
る。測定光と通信光とを光ファイバ心線に伝播させる場
合、グレーティングの反射波長を通信波長帯外にするこ
とによって、通信光に影響を与えることなく測定光を通
信光と共に同一の光ファイバ心線に伝播させるようにす
ればよい。このようにすれば、通信光による通信が活線
状態のままで計測を行うことができ、光ファイバケーブ
ルに搭載する全ての光ファイバ心線を通信用に使用する
ことができる。さらに、光ファイバケーブルの中心軸を
基準にして同種類のファイバグレーティングを対称に配
置すると、それぞれのファイバグレーティングが反射ま
たは透過する光を比較することによって、光ファイバケ
ーブルの屈曲によるシフト量を感度良く検知することが
可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態を説明する。 (実施形態1)図1から図16を参照しながら、本発明
による実施形態1を説明する。まず、図1(a)および
(b)を参照する。図1(a)は、本実施形態にかかる
光ファイバケーブル100の断面を模式的に示してお
り、図1(b)は、光ファイバケーブル100に含まれ
るテープ状の光ファイバ心線(テープ心線)50の断面
を模式的に示している。
【0016】光ファイバケーブル100は、テープスロ
ット型の光ファイバケーブルであり、外周にスロット
(溝)55を有するスロットロッド60と、スロット5
5内に重ねて収容されたテープ心線50と、スロットロ
ッド60を覆うシース(例えば、PEシース)64とを
有している。スロットロッド60の中心には、光ファイ
バケーブルの強度を確保するためのテンションメンバ
(抗張力体)62が配置されている。なお、本実施形態
では、テープスロット型の光ファイバケーブルを用いて
いるが、ストランド構造またはチューブ構造の光ファイ
バケーブルを用いることもできる。
【0017】光ファイバケーブル100に収容されたテ
ープ心線50は、複数の光ファイバ心線を有している。
本実施形態では、テープ心線50として、4心テープ心
線を用いている。テープ心線50は、歪み計測用光ファ
イバ心線(以下、「計測用心線」と称する。)20と光
ファイバ心線30とを有しており、これらの光ファイバ
心線は、テープ被覆52によって覆われている。本実施
形態では、計測用心線20には、反射特性(または透過
特性)の異なる複数種類のファイバグレーティングが形
成されている。
【0018】次に、図2を参照しながら、計測用心線2
0の詳細な説明をする。図2は、計測用心線20の光フ
ァイバ素線部分を模式的に示しており、この光ファイバ
素線部分は、ファイバグレーティング21が書き込まれ
たコア22と、コア22の周りに形成されたクラッド2
3とから構成されている。
【0019】計測用心線20のコア22に書き込まれた
(形成された)グレーティング21は、軸方向に沿って
コア2の屈折率が周期Λ(例えば0.3〜0.6μm)
で変化した短周期の屈折率変調構造を有している。この
周期Λとコア21の平均屈折率とによって規定されるブ
ラッグ(Bragg)波長を持つ光がグレーティング21に
よって選択的に反射されることになる。なお、本願明細
書において、ブラッグ波長を「反射ピーク波長」と呼ぶ
ことがある。
【0020】上述のようにブラッグ波長は周期Λに依存
して変化するため、熱または外力などによって計測用心
線20に歪みが発生すると、その歪みが発生している部
分における周期Λが無歪状態の値から変化(シフト)す
ることになる。この変化の大きさ(シフト量)は、ブラ
ッグ波長(反射ピーク波長)のシフト量として光学的に
観測できる。計測用心線20には、反射特性の異なる複
数種類のファイバグレーティング21のそれぞれが軸方
向に沿って離れた位置に形成されている。従って、各フ
ァイバグレーティング21におけるシフト量を観測する
ことによって、各ファイバグレーティング21の位置に
おける歪み量をモニターすることができる。すなわち、
各ファイバグレーティングの物理的状態の変化に起因し
て発生した反射ピーク波長のシフト量を検出することに
よって、長いファイバ上に生じた複数箇所における応力
等をセンシングすることが可能となる。
【0021】次に、図3を参照しながら、計測用心線2
0の構成とグレーティング21の作製方法とを説明す
る。図3に示すように、計測用心線20は、グレーティ
ング21が書き込まれるコア22と、コア22の周りに
形成されたクラッド23と、クラッド23の外表面を被
覆する被覆層24とから構成されている。本実施形態で
用いるコア22には、通常仕様の光ファイバのコアに含
まれているGeと同程度の濃度を有するGeがドープさ
れている。ここで、通常仕様の光ファイバとは、計測用
心線20に接続される光ファイバ心線(例えば、通信用
途で光ファイバケーブル内に収容される一般的な光通信
用光ファイバ心線)のことである。このような光ファイ
バ心線のコアには、通常、比屈折率差が0.9%程度に
なる量のGeがドープされている。
【0022】図示されている計測用心線20のコア22
には、光誘起屈折率変化を定常的に高めるためには、G
eに加えて、Sn、Sn 及びAl 、または、Sn,A
l及びBのドーパントをコア22にドープしておくこと
が好ましい。例えば、上記の通常仕様の光ファイバのコ
アと同量(比屈折率差が0.9%となる程度の量)のG
eに加え、濃度10000ppm以上、好ましくは濃度
10000〜15000ppmのSn、或いは、このよ
うな濃度のSn及び濃度1000ppm以下のAl等を
共ドープすればよい。このようなドープは、種々の公知
方法によって行えばよく、例えば液浸により行う場合に
は、上記GeやSnの化合物(Snの場合、例えばSn
Cl2・2H2O)をメチルアルコールと混合し、その溶
液の中に浸漬すればよい。
【0023】被覆層24は、コア22及びクラッド23
からなる光ファイバ素線の線引き工程に引き続いてシン
グルコート法によって、例えば、少なくとも30μm程
度の膜厚になるように形成されたものである。なお、被
覆層24を形成する材料(被覆剤)および被覆層12の
厚さは、要求される条件に応じて適宜決定すればよい。
例えば、光ファイバ素線の弾性率(ヤング率E)、熱膨
張係数(線熱膨張係数α)、屈折率の温度係数(熱光学
係数ξ)、および被覆層の材料の弾性率(ヤング率)、
熱膨張係数(線熱膨張係数)などに基づいて決定するこ
とが好ましい。本実施形態で用いた計測用心線20のパ
ラメータを下記表1に示す。
【0024】
【表1】 本実施形態では、被覆層24の材料として、ある波長帯
域の紫外線(第1の紫外線)で硬化する特性と、他の波
長帯域の紫外線(第2の紫外線)を透過する特性の両方
を備えた樹脂を用いる。このような樹脂を本願明細書で
は「紫外線透過型紫外線硬化樹脂」と称することがあ
る。
【0025】この紫外線透過型紫外線硬化樹脂は、グレ
ーティング21の書き込みのためにコアに照射する特定
波長帯(例えば240nm〜270nmの波長帯)の紫
外線を少なくとも透過させる(好ましくは、この紫外線
を殆ど吸収せずに透過させる)一方で、上記特定波長帯
よりも短い波長または長い波長の紫外線を吸収して硬化
反応を生じさせる。つまり、同じ樹脂ではあるが、波長
によって紫外線吸収特性が異なり、特定波長帯では紫外
線透過型である一方、上記特定波長帯よりも短い波長域
または長い波長域では紫外線硬化型であるような樹脂を
用いて被覆層24を形成することになる。
【0026】本実施形態では、ウレタン系アクリレート
もしくはエポキシ系アクリレートに対し、例えば240
nmよりも短い波長域または270nmよりも長い波長
域の紫外線を受けて硬化反応を開始・促進させるような
光開始剤(フォトイニシエータ)を配合した樹脂を「紫
外線透過型紫外線硬化樹脂」として用いる。
【0027】このような樹脂の層で光ファイバの外周面
を被覆した後、まず、その被覆層に対して第1の紫外線
を照射し、被覆層24を硬化する。
【0028】硬化した被覆層24によって被覆された状
態の光ファイバ心線に対して第2の紫外線を照射する前
に、コア22に対して水素充填を行うことが光誘起屈折
率変化を高める上で好ましい。従って、本実施形態で
は、この高圧水素充填を行う。具体的には、光ファイバ
心線1を水素が充填された密閉容器内に入れ、室温状態
でほぼ20MPaの圧力下で約2週間放置すればよい。
【0029】次に、光ファイバ心線の外側、つまり、被
覆層24の外側から第2の紫外線を照射することにより
コア22に対しグレーティング21の書き込みを行う。
グレーティング21の書き込みは、周知の種々の方法を
採用して行えばよく、例えば位相マスク法により行う場
合には、計測用心線20となる光ファイバ心線の側方直
前に格子状の位相マスク25を配設し、この位相マスク
25に対しNd−YAGレーザ源から例えばその4倍波
長(4ω)である266nmのコヒーレント紫外レーザ
光をシリンドリカルレンズ系26により集光した状態で
照射すればよい。これにより、上記紫外レーザ光が位相
マスク25及び被覆層24を透過し、コア22に対し位
相マスク25の格子ピッチに対応したグレーティングピ
ッチの部分の屈折率が増大されてブラッググレーティン
グ21が書き込まれることになる。第2の紫外線の波長
は、例えば150〜400nmであり、照射エネルギー
は0.1〜10kJ/cm2である。
【0030】本実施形態では、図2または図3に示す構
造のファイバグレーティング21をひとつのコア22内
に、軸方向に沿って間隔を置きながら、複数個形成す
る。例えば、長さ5〜20mmの短周期ファイバグレー
ティングを50mm間隔で20個以上形成する。このと
き、各ファイバグレーティングの反射率を4〜5%程度
あるいはそれ以上とし、また、反射される光の中心波長
を僅かずつ(例えば0.5nm間隔で)シフトさせる。
このようなファイバグレーティングを一本のファイバ心
線に書き込むには、例えば、一種類の位相マスク25お
よび紫外線を用いながら、一本のファイバ心線に印加す
る張力を段階的に変化させながらグレーティングの書き
込みを行えばよい。グレーティング書き込み時の張力が
異なることによって、たとえ書き込み時の格子間隔が一
定でも張力開放時における各グレーティングの格子間隔
が相互に変化することになる。
【0031】図4に示すように、計測用心線20となる
光ファイバ心線に張力を印加した状態で、位相マスク2
5を介して掃引照射をすることによってグレーティング
21の書き込みを行った。掃引照射は反射ミラー27を
移動させることによって行った。本実施形態では、被覆
層24を除去することなくグレーティング21の書き込
みを行っているので、機械的強度が低下していない高強
度の光ファイバ心線(計測用心線20)を作製すること
ができる。グレーティング21が書き込まれる光ファイ
バ心線(被照射ファイバ)20には、カプラ33を介し
て広帯域光源31および分光器32を結合し、反射光波
形を観察するしながら、グレーティング21の書き込み
を行った。広帯域光源31として、スーパールミネッセ
ンスダイオード光源(SLD光源)を用いた。光源31
とカプラ33との間には光アイソレータ34を配置し
た。分光器32として、例えば分解能が0.1nm以下
の赤外波長領域の分光器を用いることができる。
【0032】被照射ファイバ20の張力は、図5に示す
ように、固定ドラム35および回転ドラム(張力付与ド
ラム)36を用いて印加し、印加する張力量は、回転ド
ラム36の回転角度を制御することによって設定した。
具体的には、被照射ファイバ20を固定ドラム35およ
び回転ドラム36のそれぞれに巻き付けて固定した後、
回転ドラム36に接続されたステッピングモータ(不図
示)を駆動することによって回転ドラム36を回転さ
せ、設定した張力を被照射ファイバ20に印加した。本
実施形態では、20段階の張力設定を行い、同一の被照
射ファイバ20に反射波長の異なるグレーティング21
を同一マスクで50mm間隔にて連続して作製した。
【0033】図6(a)に、作製した計測用心線20を
模式的に示し、図6(b)に、計測用心線20の反射特
性を示す。計測用心線20には、約0.82nm間隔で
反射波長の異なるグレーティング21が20個形成され
ている。グレーティング21同士の間隔dが50mmと
いう近接した距離間隔で複数種類のグレーティングが一
本の被照射ファイバ20に配置されている。図6(b)
からわかるように、各グレーティング21の反射特性
は、良好に制御されている。
【0034】図7は、グレーティング21作製時および
張力解放後における各グレーティング21の反射ピーク
波長(反射特性)を示している。図7から、回転ドラム
(張力付与ドラム)36の回転量によって、張力解放後
の反射ピーク波長を線形に制御できることがわかる。す
なわち、被照射ファイバ20の伸び量によって、グレー
ティング21の反射波長を線形に制御することができ
る。また、グレーティング21作製時の反射波長変化か
ら、張力印加に伴う高弾性効果によるコア部の低屈折率
化を確認できる。本実施形態では、最大約1.4%の伸
びを被照射ファイバに与えることによって、約17nm
の短波長化を行うことができた。
【0035】図8に、被照射ファイバ20に印加された
張力量の指標となる照射時反射波長と張力解放後反射波
長との関係を示す。図8からわかるように、極めて良好
な線形性が確認できる。従って、被照射ファイバ20に
印可する張力量を制御することによって高精度な波長設
定が可能であることが理解できる。
【0036】次に、図9を参照しながら、計測用心線2
0を含む光ファイバケーブル100用いて歪み分布(ま
たは応力分布)が測定できることの基本的原理を説明す
る。
【0037】光ファイバケーブル100に含まれる計測
用心線20は、n個(nは2以上の整数)のファイバグ
レーティングFBG1〜FBGnを有している。この例で
は、計測用心線20は、カプラ33を介して広帯域光源
31および分光器32が結合されている。広帯域光源3
1、分光器32およびカプラ33は、光学測定系40を
構成している。本実施形態では、上述したように広帯域
光源31として、例えばスーパールミネッセンスダイオ
ード光源(SLD光源)を用いることができ、また、分
光器32として、例えば分解能が0.1nm以下の赤外
波長領域の分光器を用いることができる。
【0038】まず、広帯域光源31から出た広帯域光
(測定光)は、カプラ33を経て計測用心線20に入射
する。この広帯域光は、まず、ファイバグレーティング
FBG1に入射する。入射した広帯域光のうち、ファイ
バグレーティングFBG1の周期Λ1で決まる反射ピー
ク波長λ1の光が選択的に左方へ反射される。波長λ1
の反射光はカプラ33を介して分光器32に入射する。
光ファイバ心線1の上方には透過光スペクトルが模式的
に示され、計測用心線20の下方には反射光スペクトル
が模式的に示されている。
【0039】第1ファイバグレーティングFBG1に入
射した広帯域光のうち、ファイバグレーティングFBG
1で反射されなかった帯域成分は、次のファイバグレー
ティングFBG2に入射する。ここで同様に、第2ファ
イバグレーティングFBG2の周期Λ2で決まる反射ピ
ーク波長λ2の光が選択的に左方へ反射され、波長λ2
の反射光はカプラ33を介して分光器32に入射するこ
とになる。
【0040】なお、図9に示す構成例では、ファイバグ
レーティングFBG1〜FBGnの反射ピーク波長λ1
〜λnが、計測用心線20の入射端側から遠ざかるにつ
れて大きくなるようにファイバグレーティングFBG1
〜FBGnが作製されている。すなわち、λ1<λ2<
・・・λn-1<λnの関係が成立している。
【0041】この例において、例えば、反射ピーク波長
λ3のファイバグレーティングFBG3に応力が付与さ
れた場合、この応力によってファイバに歪みが生じ、そ
の結果、FBG3の反射ピーク波長は、λ3から(λ3
+Δλ)に変化する。この波長シフト量Δλを計測する
ことによって、FBG3の位置での歪み量をモニターす
ることができ、FBG3の位置に付与された応力を測定
することが可能となる。FBG3について説明したが、
FBG1〜FBGnについても同様に各位置の歪みや応
力を測定することができる。従って、距離分解能を上げ
るには、ファイバグレーティングの間隔dを小さくすれ
ばよく、測定点数を多くするには、計測用心線20に形
成するファイバグレーティング21の数(設定波長数)
を多くすればよい。なお、波長シフト量と歪み(または
応力)との関係は、事前に、その対応関係を測定し、記
録しておけばよい。
【0042】図10は、図1に示した光ファイバケーブ
ル100の計測用心線20を光学測定系40に接続した
構成を模式的に示しており、光ファイバケーブル100
は、曲げ半径Rで屈曲されている。本実施形態で用いた
光ファイバケーブル100の外径は13mmであり、ス
ロット周期は500mmである。図1に示すように光フ
ァイバケーブル100のスロット55内の最外層となる
ように、計測用心線20を含む4心テープ心線50をス
ロット55内に収納している。テープ心線50内におけ
る計測用心線20以外の光ファイバ心線30には、通常
使用される通信用光ファイバ心線30を用い、テープ心
線50の下層4枚のテープ心線51に含まれる光ファイ
バ心線にも同様に通常使用される通信用光ファイバ心線
30を用いている。なお、光ファイバケーブル100は
Z型のものを用いた。
【0043】図11は、図10に示した構成における光
ファイバケーブル100の各位置[mm]に対する反射
波長シフト量[nm]および歪み(量)[%]を示して
いる。ケーブル曲げ半径Rが38cm、25cm、およ
び17cmの場合について計測を行った。別途行った実
験結果から、ファイバグレーティング部に印加された張
力と反射波長変化量との対応係数1.34[nm/N]
(11.83[nm/%])を求め、この対応係数を用
いて反射波長シフト量から歪み(量)への換算を行っ
た。
【0044】図11からわかるように、引張り方向歪み
と圧縮方向歪みとの繰り返しがスロット周期で観測さ
れ、光ファイバの収納形状に応じて発生した歪み偏在を
観察することができた。この計測によって、約0.00
2%の計測精度で両方向の歪み量を多点(距離分解能:
50mm)で検出することができた。
【0045】次に、図12に示すSZ型の光ファイバケ
ーブルに対しても同様の計測を行った。図12(a)
は、SZ型の光ファイバケーブル110の断面を模式的
に示しており、図12(b)は、光ファイバケーブル1
10に収納されたテープ心線50の断面を模式的に示し
ている。テープ心線50は、図1に示した4心テープ心
線と同様であり、計測用心線20を含んでいる。光ファ
イバケーブル110のスロットロッド61のスロット径
は10mmであり、SZピッチは320mmである。溝
角度振幅θが270度の5溝スロット内の1つのスロッ
トにテープ心線50が最外層に位置するように収納され
ている。なお、スロットロッド61の中心にはテンショ
ンメンバ62が配置されている。
【0046】図12(c)に示すように、ケーブル曲げ
半径R17.5cmで光ファイバケーブル110を屈曲
させ、反射波形の計測を行った。屈曲は、線61cを基
準にして、内向き曲げ、外向き曲げ、および中間曲げの
3方向について行った。図13に、反射光波形の計測結
果を示す。
【0047】図13からわかるように、外向き曲げ(線
61cが外弧となる屈曲形態)では計測用心線全体に引
張り歪みが印可され、内向き曲げ(線61cが内弧とな
る屈曲形態)では、外向き曲げと逆に圧縮歪みが印加さ
れることが観察された。中間曲げ(線61cについての
外弧/内弧が均等に光ファイバケーブル軌跡に存在する
屈曲形態)では、引張りと圧縮とがスロットピッチで周
期的に分布することが確認された。
【0048】なお、上記実施形態では、反射光ピーク波
長のシフト量から軸方向歪を測定しているが、反射光の
半値全幅のシフト量から心線の屈曲量を求めることもで
きる。ただし、その場合は、反射率の高いファイバグレ
ーティングを形成しておく必要がある。また、事前に、
計測用心線20の反射ピークと温度との関係を測定し、
記録しておけば、温度補正が可能となる。
【0049】また、本実施形態では、紫外線透過型紫外
線硬化樹脂でクラッド層を被覆した後、この樹脂層を剥
がすことなく、樹脂層を透過するように紫外線をコアに
照射し、それによってグレーティングを書き込んでい
る。このような製造方法によれば、グレーティング書き
込み後も光ファイバ心線は高い機械的強度を発揮するこ
とができる。その結果、大きな歪を測定することが可能
になる。もし、樹脂層を除去した状態でグレーティング
を書き込む方法を採用した場合、光ファイバ心線の機械
的強度が著しく低下するため、1%程度の軸方向歪みで
ファイバ心線が破断するおそれがある。これに対して本
実施形態の方法で製造した光ファイバ心線によれば、そ
の5〜6倍の機械的強度が確保されるため、5%の歪ま
で安定した測定を実施することが可能である。
【0050】本実施形態にかかる光ファイバケーブル
は、反射特性の異なる複数種類のファイバグレーティン
グ21を有する計測用心線20を有している。複数種類
のファイバグレーティング21のそれぞれは近距離間隔
で配置することができるため、高い距離分解能を持つ歪
み測定が可能な光ファイバケーブルを提供することがで
きる。従って、従来の技術では計測できなかった光ファ
イバ心線の局所的な最大歪を測定することができる。ま
た、従来の技術と比較して、高精度の測定精度(例え
ば、約0.002%)で歪み量を測定することができる
という利点もある。さらに、各位置での歪み量(または
応力)を波長多重でリアルタイムにて測定することがで
きるため、比較的長い測定時間(5分以上)を要してい
た従来の技術よりも好適である。また、本実施形態の光
ファイバケーブルでは、特殊かつ高価な専用計測器を用
いずに、簡便に歪み測定をすることができるという利点
もある。
【0051】なお、図14に示すように、計測用心線2
0に通信光を伝播させて、計測用心線20を通信用光フ
ァイバ心線として使用することも可能である。この場
合、通信光と、通信光の通信波長帯とは異なる波長帯の
計測光とをカプラ(例えばWDMカプラ)33にて計測
用心線20に合波すれば、通信光による通信に影響を与
えることなく活線状態で光ファイバの歪み分布を計測す
ることができる。
【0052】このように測定光と通信光とを伝播する計
測用心線20を用いると、歪み測定専用の光ファイバ心
線を搭載することなく、光ファイバケーブル100に搭
載する全ての光ファイバ心線を通信用に使用することが
できる。計測用心線20において測定光によって影響を
受けずに通信可能な通信光を伝播させる場合、例えば、
通信波長1.31μm帯に対して計測光波長が1.55
μm帯になるように、または通信波長1.55μm帯に
対して計測光波長が1.65μm帯になるように設計し
たファイバグレーティング21を形成すればよい。
【0053】また、図15(a)および(b)に示すよ
うに、同一反射特性を有するファイバグレーティング2
1が点対称(すなわち、光ファイバケーブルの中心軸を
基準にして対称)になるように一対の計測用心線20a
−20a’(または20b−20b’)を配置すること
もできる。
【0054】このようにして一対の計測用心線20a−
20a’を収納した光ファイバケーブル120を用いる
と、計測用心線20aの反射ピークと、計測用心線20
a’の反射ピークとを比較すること(例えば、両者のピ
ークの差を取ること)によって、ケーブル屈曲(または
ケーブル屈曲による応力)を感度良く検知することがで
きる。すなわち、図15(b)に示すように、例えば、
計測用心線20aのλ2位置に引張り応力が印加される
場合、計測用心線20a’のλ2位置では圧縮応力が印
加されることになるため、ケーブル内で点対称に位置す
る計測用心線20aおよび20a’は、ケーブル屈曲に
起因して生じる応力分布が正反対となり、これによって
観察されるピーク波長変化も反対の値になる。その結
果、ケーブル屈曲をさせていない状態で一致する両者の
ピーク波長のずれ間隔を測定することによって、単芯
(1本の計測用心線20)での測定と比較して2倍のシ
フト量を検出することができるため、測定感度が2倍に
することができる。また、測定により求められた引張り
応力と圧縮応力とを比較することによって、光ファイバ
ケーブルがどの方向に屈曲しているかも検出することが
できる。さらに、計測用心線20a−20a’に加え
て、もう一対の計測用心線20b−20b’を搭載させ
て、2対の計測用心線が直交するように4本の計測用心
線を設ければ、螺旋収納構造を取っている箇所以外の光
ファイバケーブル120における全ての方向の屈曲を検
知することができ、その方向も検出することが可能とな
る。なお、一対の計測用心線20a−20a’を用いる
ことによって、例えば温度の影響をキャンセルさせて応
力による影響だけを観測することも可能である。
【0055】また、図16に示すように、2対の計測用
心線20a−20a’および20b−20b’を搭載し
た光ファイバケーブル130の構成にすることもでき
る。このような構成にした光ファイバケーブル130で
も、光ファイバケーブル120と同様に、応力や曲げの
分布を高感度で検知することができる。内部構造を螺旋
化せずに外部シースに面方向を示すマーキングを付した
り、ケーブル形状を非円にするなどして心線配置位置が
同定できる状態で布設すれば、ケーブルの屈曲量とその
方向を反射光測定で観測することができる。 (実施形態2)次に、図17(a)および(b)を参照
しながら、本発明による光ファイバケーブルを用いて応
力分布を検知する方法を説明する。
【0056】この例では、上記実施形態と同様の光ファ
イバケーブル70が道路72の中に埋設されている。光
ファイバケーブル70の一方の端部は監視装置71に接
続されている。監視装置71は、内部に図9の光学測定
系40と同様の構成を含んでいる。光ファイバケーブル
70は多数のファイバグレーティングを内蔵しており、
各ファイバグレーティングの反射ピーク波長は少しずつ
異なっている。
【0057】図17(a)に示すように、自動車73お
よび74等が道路72上に存在すると、その影響で光フ
ァイバケーブル70の対応部分に応力が発生する。前述
した原理に基づいて、監視装置71は光ファイバケーブ
ル70上の軸方向応力分布を検知することができる。
【0058】また、図17(b)に示すように、光ファ
イバケーブル70を二次元的な広がりを持つ監視区域内
に蛇行して埋設することもでき、図17(b)に示す監
視区域のどの部分にどの程度の応力が発生しているかを
検出することが可能になる。
【0059】なお、道路72についての説明をしたが、
トンネルや橋における応力についても同様に検出するこ
とができる。また、土砂崩れ等によって光ファイバケー
ブルに応力や曲げが発生した場合でも、土砂崩れが発生
した箇所に行かなくとも遠隔から光ファイバケーブルの
状態を観測することも可能である。
【0060】この例によれば、ファイバグレーティング
を用いているため高い精度で応力・歪が測定でき、しか
も、一本のファイバを用いて多点計測が実現する。ま
た、ファイバグレーティングは数十mm間隔で形成する
ことが可能であるため、位置についての高い分解能が得
られる。光ファイバケーブル70を図14に示す構成に
すれば、光ファイバケーブル70に搭載する全ての光フ
ァイバ心線を通信用に使用することができる。さらに、
通信用光ファイバにグレーティングを書き込みことによ
って、通信用光ファイバに自己の張力を監視する機能を
与えることも可能である。実施形態1で説明した被覆剤
は通信用光ファイバに求められる特性を満足し、実施形
態1で説明したグレーティング作製方法は、通信用光フ
ァイバにも適用可能である。
【0061】また、光ファイバケーブル70を図15ま
たは図16に示す構成にした場合には、光ファイバケー
ブル70の屈曲によるシフト量を感度良く検知すること
ができ、光ファイバケーブル70の屈曲量および屈曲の
方向を検出することが可能となる。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、光ファイバケーブルが
備える複数の光ファイバ心線のうちの少なくとも一つが
複数種類のファイバグレーティングを有しているので、
従来の技術よりも高い距離分解能を持つ歪み測定が可能
である。また、光ファイバケーブルを空間的に配置すれ
ば、二次元的または三次元的な応力分布を精度良く検知
することも可能になる。さらに、光ファイバケーブルの
中心軸を基準にして同種類のファイバグレーティングを
対称に配置すると、光ファイバケーブルの屈曲によるシ
フト量を感度良く検知でき、屈曲量や屈曲の方向を検出
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明による光ファイバケーブルの
実施形態を模式的に示す断面図であり、(b)は、光フ
ァイバケーブルに収納されたテープ心線を模式的に示す
断面図である。
【図2】ファイバグレーティング21が形成された計測
用心線20を模式的に示す図である。
【図3】計測用心線20の作製方法を説明するための図
である。
【図4】計測用心線20の作製方法を説明するための図
である。
【図5】計測用心線20の作製方法を説明するための図
である。
【図6】(a)は、複数のファイバグレーティング21
が形成された計測用心線20を模式的に示す図であり、
(b)は、計測用心線20の反射特性を示すグラフであ
る。
【図7】グレーティング21作製時および張力解放後に
おける各グレーティング21の反射ピーク波長(反射特
性)を示すグラフである。
【図8】照射時反射波長と張力解放後反射波長との関係
を示すグラフである。
【図9】本発明による歪み量測定方法の実施形態を説明
するための構成図である。
【図10】光ファイバケーブル100を光学測定系40
に接続した構成図である。
【図11】光ファイバケーブル100の各位置[mm]
に対する反射波長シフト量[nm]および歪み量[%]
の関係を示すグラフである。
【図12】(a)は、SZ型の光ファイバケーブル11
0を模式的に示す断面図であり、(b)は、光ファイバ
ケーブル110に収納されたテープ心線50を模式的に
示す断面であり、そして(c)は、光ファイバケーブル
110の屈曲状態を説明するための図である。
【図13】光ファイバケーブル110の各位置[mm]
に対する反射波長シフト量[nm]および歪み量[%]
の関係を示すグラフである。
【図14】計測用心線20を通信用光ファイバ心線とし
て使用する構成を説明するための図である。
【図15】(a)は、同一反射特性を有するファイバグ
レーティング21が点対称に配置された一対の計測用心
線を搭載した光ファイバケーブル120を模式的に示す
断面図であり、(b)は、一対の計測用心線20a−2
0a’を模式的に示す図である。
【図16】(a)は、2対の計測用心線を搭載した光フ
ァイバケーブル130を模式的に示す断面図である。
【図17】(a)は、光ファイバケーブル70を道路内
に埋設した例を示す模式図であり、(b)は、2次元的
な計測を行う場合の埋設例を示す図である。
【符号の説明】
20 計測用心線 21 ファイバグレーティング(グレーティング) 22 コア 23 クラッド 24 被覆層 25 位相マスク 26 シリンドリカルレンズ系 27 反射ミラー 30 光ファイバ心線 31 光源 32 分光器 33 カプラ 34 光アイソレータ 35 固定ドラム 36 回転ドラム 40 光学測定系 50 テープ心線 51 テープ心線 52 テープ被覆 55 スロット 60、61、62 スロットロッド 62 テンションメンバ 64 シース 70 光ファイバケーブル 71 監視装置 72 道路 73、74 自動車 100、110、120、130 光ファイバケーブ
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA01 AA65 BB12 CC23 DD03 FF12 FF33 FF41 FF48 GG04 GG12 GG24 JJ01 JJ15 LL02 LL08 LL20 LL42 LL67 QQ25 QQ29 2H038 AA05 BA25 CA62 2H050 AA07 AB03Z AC84 AD06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光ファイバ心線を備えた光ファイ
    バケーブルであって、前記複数の光ファイバ心線のうち
    の少なくとも一つは、反射特性または透過特性の異なる
    複数種類のファイバグレーティングを有し、 前記複数種類のファイバグレーティングは、少なくと
    も、第1波長の光を反射または透過する第1ファイバグ
    レーティングと、前記第1波長とは異なる第2波長の光
    を反射または透過する第2ファイバグレーティングとを
    含んでおり、 前記第2ファイバグレーティングは、前記第1ファイバ
    グレーティングが形成されている位置から軸方向に沿っ
    て離れた位置に形成されており、前記第1ファイバグレ
    ーティングおよび前記第2ファイバグレーティングのそ
    れぞれからの波長シフトによって、前記第1ファイバグ
    レーティングおよび前記第2ファイバグレーティングの
    それぞれの位置の歪み量がモニターされる、光ファイバ
    ケーブル。
  2. 【請求項2】 前記複数種類のファイバグレーティング
    を有する光ファイバ心線は、少なくとも前記第1波長の
    光と前記第2波長の光とを含む測定光と、前記測定光に
    よって影響を受けずに通信可能な通信光とを伝播する、
    請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 【請求項3】 前記複数の光ファイバ心線のうちの少な
    くとも2つは、前記複数種類のファイバグレーティング
    を有する光ファイバ心線であり、 前記複数種類のファイバグレーティングを有する光ファ
    イバ心線のそれぞれが含んでいる前記第1ファイバグレ
    ーティングおよび前記第2ファイバグレーティングは、
    前記複数の光ファイバ心線を備えた光ファイバケーブル
    の中心軸を基準にして対称に配置されている、請求項1
    または2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 【請求項4】 請求項1から3の何れかひとつに記載の
    光ファイバケーブルに対して、前記第1波長の光および
    第2波長の光を含む広帯域の光を入射する工程と、 前記第1ファイバグレーティングからの第1波長シフト
    および前記第2ファイバグレーティングからの第2波長
    シフトをそれぞれ検出し、それによって前記第1ファイ
    バグレーティングの位置における第1歪み量、および前
    記第2ファイバグレーティングの位置における第2歪み
    量を求める工程とを包含する、歪み測定方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の光ファイバケーブルに
    対して、前記第1波長の光および第2波長の光を含む広
    帯域の光を入射する工程と、 前記光ファイバケーブルの前記中心軸を基準にして対称
    に配置された一対のファイバグレーティングの波長シフ
    トの差をとることによって、前記一対のファイバグレー
    ティングの位置における歪み量を求める工程とを包含す
    る、歪み測定方法。
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