JP2001208131A - 免震装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】空気浮上させる免震装置において、圧縮空気の
供給装置を含めた免震装置全体の占有面積を小さくして
実用に供しやすくするとともに、免震性能の優れた免震
装置を提供する。 【解決手段】空気噴出機構を免震テーブルの下面に設
け、さらに、空気噴出の受面を空気供給装置収容箱の上
面として免震装置を構成させた。空気供給装置は、圧力
空気を溜める圧力空気タンク、圧力空気を供給・遮断す
る電磁バルブ、圧力空気の圧力を調整するレギュレー
タ、その間を接続する空気配管、振動センサから構成さ
れ、地震波を感知して電気信号によって電磁バルブの開
閉を制御して圧縮空気を供給する。空気供給装置の空気
配管を空気供給装置収容箱の上面板に取付けられたカッ
プリングに連結し、圧縮空気を空気噴出機構を構成する
フレキシブルチューブ・空気パッドに供給し、この空気
パッドに結合されている免震テーブルを空気浮上させて
地震の揺れから遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、美術品、骨董品を
収納又は展示している陳列ケース、或はコンピュータ、
特に大切なデータ等を管理するサーバ、精密機器を設置
したテーブルが地震の激しい揺れによる倒壊から保護す
る免震装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の空気浮上の免震装置では、特開平
０９−０１４３３９や実開平０１−１３８０５１に示さ
れるように、架台の下面の床に直接圧縮空気を噴出浮上
させて圧縮空気の薄い層をつくり、地震の揺れから遮断
していた。

【０００３】

【発明の解決しようとする課題】これらの方法におい
て、圧縮空気の供給装置は免震テーブルとは別に設けら
れており、免震装置全体としては占有面積が大きく、実
用に供しにくいという課題があった。また、床面の面精
度が悪いために、圧縮空気供給時の摩擦係数を十分下げ
ることができず、十分な免震性能を得るにいたっていな
かった。

【０００４】本発明の目的は占有面積が小さく、かつ免
震性能に優れた空気式免震装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
には、本発明の免震装置において、空気噴出機構を免震
テーブルの下面に設け、さらに、空気噴出の受面を空気
供給装置収容箱の上面としたことである。空気供給装置
は、圧力空気を溜める圧力空気タンク、圧力空気を供給
・遮断する電磁バルブ、圧力空気の圧力を調整するレギ
ュレータ、その間を接続する空気配管、振動センサから
構成され、地震波を感知して電気信号によって電磁バル
ブの開閉を制御して圧縮空気を供給する。

【０００６】

【作用】上記のように構成されている免震装置は、地震
の前兆であるＰ波を振動センサがキャッチし、一定値を
超えたときには、電磁バルブを開いて圧力空気タンクよ
り圧縮空気を空気噴出機構に送り、空気噴出面より噴出
させて免震テーブルを空気浮上させ、薄い空気層によっ
て地震の揺れから遮断して、その上に乗る美術品等を倒
壊より保護する。この時、空気供給装置収容箱の上面板
は、地震による空気噴出機構との相対変位を考慮した大
きさとするので、収容箱の内部に空気供給装置を内蔵さ
せることができ、免震装置全体の占有面積を著しく低減
させることができる。また、空気供給装置収容箱の上面
は十分な面精度で加工できるので、空気噴出時の摩擦係
数を十分小さくして免震性能を高めることができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基き
図面を参照し説明する。図１は本発明の実施例を示す免
震装置の正面図で、１は美術品やサーバ等を載置する免
震テーブル、２は空気噴出機構で、空気パッド２ａ、テ
ーブル取付ボルト２ｂ、フレキシブルチューブ２ｃから
成っている。フレキシブルチューブ２ｃの一端は空気パ
ッド２ａの中央部で接続されている。３は空気供給装置
６の収容箱であり、その上面板３ａは空気パッド２ａの
空気噴出の受面を構成している。この上面板３ａの１つ
のコーナ部にはカップリング８が取付けられており、前
記フレキシブルチューブ２ｃの一端と連結されている。
５は免震テーブル１と上面板３ａとの間に設けられた弾
性体である。この弾性体は柔らかいコイルばねで構成さ
れ、免震テーブル１の相対変位を一定量以下に抑制する
もので、免震されるものが載った上面板３ａより上の重
量と弾性体５のばね定数できまる固有振動数が地震波の
主要振動数より十分小さく設定されている。

【０００８】図２は本実施例の平面図を示しており、こ
の例では四角形の免震テーブル１の形状に合せ、空気供
給機構２の空気パッド２ａの噴出口を四角形とし、空気
供給装置収容箱３の上面板３ａも四角形としている。こ
れに伴い、弾性体５は４ヶ所に設置され、どの方向の地
震にも対応できるようになっている。

【０００９】図３は空気供給装置６の構成を示す図で、
収容箱３の内部配置図を示している。空気供給装置６は
圧縮空気タンク９、電磁バルブ１０、レギュレータ１
１、コンプレッサ１２、空気配管１３、振動センサ１
４、制御器１５、配線１６、圧力スイッチ１７からな
り、制御器１５により一定以上の地震波を検知した場合
に圧縮空気タンク９の圧縮空気をレギュレータ１１、電
磁バルブ１０を介してカップリング８に供給する。制御
器１５はコンプレッサ１２も制御しており、圧縮空気タ
ンク９の圧縮空気は圧力スイッチ１７により、常時一定
の圧力に保たれている。

【００１０】このように構成された免震装置の動作を以
下に説明する。地震の前兆であるＰ波を振動センサ１４
がキャッチすると電気信号により振動の数値を制御器１
５に送り、一定値を超えると電磁バルブ１０が開き、圧
縮空気タンク９よりレギュレータ１１によって圧力調整
された圧縮空気が空気配管１３・カップリング８を介し
て空気噴出機構２に送られて空気パッド２ａより噴出
し、これと結合されている免震テーブル１を空気浮上さ
せる。免震テーブル１は弾性体５によって水平方向に保
持されており、地震が継続している間、上面板３ａとの
間で適切な相対変位を保ちながら、地震の大きな揺れか
ら遮断される。地震がおさまり地震波が無くなると、振
動センサ１４がキャッチして、電磁バルブ１０を閉じて
圧縮空気タンク９からの圧縮空気の供給を遮断し、空気
噴出機構２による免震テーブル１の空気浮上を停止して
正常に復帰する。

【００１１】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので以下に記載するような効果を奏する。

【００１２】本発明の免震装置においては、空気噴出機
構２を免震テーブル１の下面に設け、さらに、空気噴出
の受面を空気供給装置内臓の収容箱３の上面板３ａとし
ているので、空気供給装置６を別途設ける必要がなく、
従って、免震装置全体の占有面積を著しく低減させるこ
とができる。

【００１３】また、空気供給装置収容箱３の上面板３ａ
は十分な面精度で加工できるので、空気噴出時の空気パ
ッド２ａと上面板３ａ間の摩擦係数を十分小さくして、
高い免震性能を得ることができる。

【００１４】上記実施例では、空気パッド２ａに四角形
のものを用いているが、円形のパッドを用いてもよい。
この場合、空気供給装置収容箱３の外形も円筒状にする
ことができる。設置場所によっては直方体でも構わな
い。これら免震パッド２ａ・免震テーブル１・収容箱の
上面板３ａの形状としては、空気パッド２ａの噴出面積
と空気パッド２ａ・上面板３ａ間の相対変位から決ま
り、免震装置の占有面積を小さくしたい場合には円形が
良く、占有巾をより小さくしたい場合には四角形（正方
形）が適している。

【００１５】さらに、上記実施例ではフレキシブルチュ
ーブ２ｃを収容箱３の上面板３ａと空気パッド２ａの上
をずれるように伸縮する構成としているが、免震テーブ
ル１の下面側にカーテンレールを設け、これにフレキシ
ブルチューブ２ｃを取付けるようにすれば、よりスムー
ズな伸縮が得られる。

【００１６】また、上記実施例では空気供給装置６とし
てコンプレッサ１２をはじめとするフル装備としている
が、１フロアにいくつかの免震装置を設置する場合に
は、コンプレッサを別置きとしてもよく、また、収容箱
３とカップリング８及び空気配管１３の一部のみを各免
震装置に設け、他の空気供給装置部品を１つの免震装置
に共通に持たしてもよいし、別途配置してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例を示す免震装置の正面図であ
る。

【図２】本発明の１実施例を示す免震装置の平面図であ
る。

【図３】本発明の１実施例を示す免震装置の空気供給装
置構成図である。

【符号の説明】

１．免震テーブル ２．空気噴出機構 ２ａ．空気パッド ２ｂ．テーブル取付ボルト ２ｃ．フレキシブルチューブ ３．空気供給装置収容箱 ３ａ．上面板 ５．弾性体 ６．空気供給装置 ８．カップリング ９．圧縮空気タンク １０．電磁バルブ １１．レギュレータ １２．コンプレッサ １３．空気配管 １４．振動センサ １５．制御器 １６．配線 １７．圧力スイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮空気を噴出させて免震テーブルを空気
   浮上させる免震装置において、空気噴出機構を上記免震
   テーブルの下面に取り付け、空気噴出の受面を空気供給
   装置収容箱の上面としたことを特徴とする免震装置。