JP2001205842A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JP2001205842A
JP2001205842A JP2000022064A JP2000022064A JP2001205842A JP 2001205842 A JP2001205842 A JP 2001205842A JP 2000022064 A JP2000022064 A JP 2000022064A JP 2000022064 A JP2000022064 A JP 2000022064A JP 2001205842 A JP2001205842 A JP 2001205842A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image forming
diameter
treatment agent
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000022064A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Ono
泰寛 大野
Masaru Yano
賢 谷野
Toshiya Natsuhara
敏哉 夏原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP2000022064A priority Critical patent/JP2001205842A/ja
Publication of JP2001205842A publication Critical patent/JP2001205842A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophotography Using Other Than Carlson'S Method (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 目詰まりを防止する画像形成装置を提供する
こと。 【解決手段】 トナーを担持して搬送するトナー担持体
および該トナー担持体に対向して配置され、トナー担持
体との対向部に複数のアパチャーを有するヘッドを備え
てなり、トナー担持体に担持されているトナーを該アパ
チャーを通じて飛翔させることにより記録媒体上に画像
を形成する画像形成装置であって、トナーが、平均円形
度0.96〜0.99のトナー母材に少なくとも平均一次粒径10
0nm〜500nmの大径後処理剤が外添されてなることを特徴
とする画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー担持体と紙
等の記録媒体とを非接触に保ち、トナー担持体から記録
媒体にトナーを直接的に飛翔させて作像するトナージェ
ット方式を採用した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トナー担持体に対向して、複数のアパチ
ャーを有するヘッドを配置し、各アパチャーの周辺に備
えられた記録電極に画像信号に対応した電圧を印加して
トナーに静電気力を生じさせ、その電圧印加状態に応じ
て、トナー担持体に担持されているトナーをアパチャー
を通じて飛翔させるトナージェット方式(直接記録方
法)を採用した画像形成装置が従来から知られている。
【0003】近年では印字画像の高画質化が要求されて
おり、このような要求にトナージェット式画像形成装置
を用いて応えようとすると、ドット径を小さくするため
にアパチャー径を比較的小さくする必要がある。しかし
ながら、アパチャー径を小さく設定するほど、目詰まり
が発生し易くなり、出力される画像に白スジが発生する
という問題が生じていた。
【0004】そこで、トナー粒子にアパチャー内を円滑
に通過させることを目的として、トナー粒子の平均円形
度を比較的高く設定する試みがなされているが、目詰ま
りの発生が顕著であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであって、長期にわたって目詰まりを防
止する画像形成装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、トナーを担持
して搬送するトナー担持体、および該トナー担持体に対
向して配置され、トナー担持体との対向部に複数のアパ
チャーを有するヘッドを備えてなり、トナー担持体に担
持されているトナーを該アパチャーを通じて飛翔させる
ことにより記録媒体上に画像を形成する画像形成装置で
あって、トナーが、平均円形度0.96〜0.99のトナー母材
に少なくとも平均一次粒径100nm〜500nmの大径後処理剤
が外添されてなることを特徴とする画像形成装置に関す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては平均円形度が0.
96〜0.99、好ましくは0.96〜0.98、より好ましくは0.96
〜0.97であるトナー母材に少なくとも平均一次粒径が10
0nm〜500nm、好ましくは200〜400nm、より好ましくは25
0〜350nmの大径後処理剤が外添されてなるトナーを用い
る。このように特定の平均円形度を有するトナー母材に
特定の粒径の後処理剤を外添して用いることにより、ト
ナーの適度な充填率および凝集度を確保し、不良帯電ト
ナーの発生を抑制するため、目詰まりを有効に防止でき
ると考えられる。また、本発明においてはトナー平均円
形度および大径後処理剤粒径がそれぞれ上記範囲内でい
かなる値の組み合わせであっても、長期にわたって目詰
まりを防止できる。
【0008】トナー母材の平均円形度が0.96未満である
と、たとえ後処理剤を添加していても、装置の長期ラン
ニングによって当該後処理剤の脱落またはトナー中への
埋めこみが起こり、トナー凝集が起こる。そのため、目
詰まりが起こりやすくなるだけでなく、トナー飛翔性が
低下し、十分な濃度の鮮明な画像を出力することができ
ない。一方、平均円形度が0.99を越えると目詰まりの発
生が顕著になる。すなわち、平均円形度が高すぎるとト
ナーの充填率が高くなり、トナー粒子間において隣接す
る粒子の数が増え、複数の粒子が共に挙動する傾向が強
くなるため、アパチャーが架橋され易くなり、目詰まり
が起こり易くなると考えられる。また、平均円形度が高
すぎると、当該トナーは規制ブレードをすり抜けやすく
なり、十分に摩擦帯電されないため、不良帯電トナー
(WST)が増加してアパチャーが詰まり易くなると考え
られる。詳しくは、正規に帯電されたトナーは飛翔時、
アパチャー内壁にほとんど付着せず、たとえアパチャー
内壁に付着したとしても、現像領域における電場により
再度、引き剥がされて記録媒体に到達すると考えられる
が、不良帯電トナーは正規の極性と反対の極性を有する
か、または正規の帯電量より極めて小さい帯電量を有
し、飛翔性が低いため、アパチャー内壁に付着し易く、
付着すると、当該内壁に存在し続ける確率が高い。その
ため、不良帯電トナーの増加に伴い、目詰まりが起こり
易くなると考えられる。
【0009】外添される後処理剤の平均一次粒径が100n
m未満であると、充填率が高くなってアパチャーが架橋
され易くなり、目詰まりが発生し易い。一方、平均一次
粒径が500nmを越えると、トナー凝集が起こり易くなる
ため、目詰まりが起こりやすくなるだけでなく、トナー
飛翔性が低下し、十分な濃度の鮮明な画像を出力するこ
とができない。
【0010】本明細書中、平均円形度は次式: 平均円形度=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子
投影像の周囲長 により算出される値の平均値であり、「粒子の投影面積
に等しい円の周囲長」および「粒子投影像の周囲長」は
フロー式粒子像分析装置(FPIA-1000またはFPIA-2000;
東亞医用電子株式会社製)を用いて水分散系で測定を行
って得られる値を用いている。なお、本発明において、
平均円形度は上記装置によって測定されなければならな
いというわけではなく、原理的に上式に基づいて求める
ことができる装置であればいかなる装置によって測定さ
れてもよい。
【0011】また、飛翔性の安定化の観点からトナー母
材の円形度標準偏差は0.01〜0.05、好ましくは0.03以下
であることが望ましい。円形度標準偏差は上記平均円形
度と同様の測定装置により測定できる。
【0012】本発明においてトナー母材の大きさは特に
制限されるものではないが、通常、体積平均粒径で5〜
10μm、好ましくは5〜8μm、より好ましくは5〜7μ
mである。
【0013】トナー母材の平均円形度は、後述の公知の
方法により得られるトナー母材(以下、トナー粒子とい
うこともある)を、例えば、表面改質装置により表面処
理することによって制御され得る。平均円形度を制御す
るために用いられる表面改質装置としては、例えば、高
速気流中衝撃法を応用したハイブリダイゼーションシス
テム(奈良機械製作所社製)、コスモスシステム(川崎
重工業社製)、イノマイザーシステム(ホソカワミクロ
ン社製)およびターボミル(ターボ工業社製)、乾式メ
カノケミカル法を応用したメカノフュージョンシステム
(ホソカワミクロン社製)およびメカノミル(岡田精工
社製)、熱気流中改質法を応用したサーフュージングシ
ステム(日本ニューマチック工業社製)および熱処理装
置(ホソカワミクロン社製)、ならびに湿式コーティン
グ法を応用したディスパーコート(日清エンジニアリン
グ社製)およびコートマイザー(フロイント産業社製)
等が挙げられる。
【0014】本発明においてトナー母材は、上記の表面
改質装置の中でも、加熱処理しながら、平均円形度を制
御できる点で、サーフュージングシステム(日本ニュー
マチック工業社製)または熱処理装置(ホソカワミクロ
ン社製)によって表面処理されていることが好ましい。
トナー粒子を加熱処理に供することによって、表面に適
度な凹凸および平滑性を有するトナー母材を得ることが
でき、当該トナー母材を用いることによって、耐久時の
トナー凝集度の上昇をより有効に抑制し、目詰まりを有
効に防止できるだけでなく、長期にわたって鮮明な画像
を十分な濃度で提供することができる。以下、トナー粒
子を上記サーフュージングシステムによって表面加熱処
理する場合について、図4を参照しながら説明する。
【0015】図4に示すごとく、熱風発生装置101にて
発生する高温高圧エアーは導入管102を経て、熱風噴射
ノズル106より噴射される。一方、表面改質処理される
べきトナー粒子(試料)105は、定量供給器104より所定
量加圧エアーにより導入管102’を経て搬送され、熱風
噴射ノズル106の周囲に設けられた試料噴射ノズル107よ
り熱気流中に噴射される。この場合、試料噴射ノズル10
7の噴出流が熱気流を横切ることがないように試料噴射
ノズル107を熱風噴射ノズル106に対して所定の傾きを設
けておくことが好ましい。このようにして噴射されたト
ナー粒子は高温の熱風と瞬間的に接触して均質に表面改
質処理される。
【0016】次いで表面改質処理されたトナー粒子は、
直ちに冷却風導入部108から導入される冷風により急冷
却される。かかる急冷により装置器壁への付着、トナー
粒子同士の凝集がなくなり収率も向上する。次にトナー
粒子は導入管102”を経てサイクロン109により捕集さ
れ、製品タンク111にたまる。トナー粒子が捕集された
後の搬送エアーはさらにバグフィルター112を通過して
微粉が除去された後、ブロアー113を経て大気中に放出
される。なお、サイクロン109には、冷却水(110aおよ
び110b)の循環による冷却ジャケット110が設けられ、
冷却水によりサイクロン内のトナー粒子を冷却し凝集を
防止する。
【0017】上記のような装置を用いて表面改質処理を
行う場合、装置条件、例えば、処理最高温度、滞留時
間、粉体分散濃度、冷却風温度、冷却水温度等を適宜微
調整することによってトナー母材の平均円形度を容易に
制御することができる。本発明においては、処理温度は
通常、150〜300℃の範囲内に設定されることが好まし
い。
【0018】このようにトナー母材の平均円形度の制御
および加熱処理を目的として表面改質処理を行うに際し
ては、当該処理の前に外添剤を添加することが好まし
い。このことにより処理時のトナー粒子の分散性が向上
し、形状のバラツキを抑えることができる。添加量とし
てはトナー母材に対して0.1〜5重量%が適当である。こ
こで添加される外添剤材料としては後述の後処理剤材料
が使用可能である。
【0019】以上のように平均円形度が前記範囲内に制
御されたトナー母材に外添される、前記平均一次粒径を
有する大径後処理剤としては従来からトナー流動性、ト
ナー荷電量の制御等の向上を目的としてトナー粒子に外
部添加される公知の微粒子が使用可能であり、例えば、
シリカ微粒子(例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸亜
鉛、ケイ酸マグネシウム等)、金属酸化物微粒子(例え
ば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ア
ンチモン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸スト
ロンチウム、チタン酸バリウム等)等が挙げられる。そ
の他の後処理剤として、ポリメチルメタクリレート、ポ
リメタクリル酸メチル、フルオロポリマー(例えば、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン)な
どの樹脂微粉末よりなるクリーニング助剤、ケーキング
防止剤、低分子量ポリオレフィンなどの定着助剤、又は
脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸鉛、ステアリン酸
アルミニウム等)などの現像ブレード固着防止用潤滑剤
を添加してもよい。上記の後処理剤材料の中でも、特
に、金属酸化物微粒子、樹脂微粉末を用いることが好ま
しく、さらに好ましくは酸化チタン、チタン酸ストロン
チウム、ポリメタクリル酸メチルを用いる。大径後処理
剤は、疎水化処理などの表面処理が施されたものが好ま
しく使用される。また、大径後処理剤は単独でまたは組
み合わせて使用することができる。
【0020】大径後処理剤の添加量はトナー母材に対し
て0.1〜2重量%、好ましくは0.3〜1重量%の割合で使用
することが望ましい。2種以上の異なる大径後処理剤を
用いる場合はそれらの合計添加量が上記範囲内であるこ
とが望ましい。
【0021】本発明において、トナー母材には、後処理
剤として上記の大径後処理剤と共に、平均一次粒径50nm
以下、好ましくは3〜50nm、より好ましくは5〜30nmの小
径後処理剤が外添されていることが好ましい。このよう
に大径後処理剤と小径後処理剤を併用することにより、
流動性が向上し、目詰まりをより有効に防止し、より鮮
明な画像を十分な画像濃度で提供できる。
【0022】小径後処理剤としては前記の大径後処理剤
と同様の材料を使用することができ、疎水化処理などの
表面処理が施されたものが好ましく使用される。また、
小径後処理剤は単独でまたは組み合わせて使用してよ
い。
【0023】小径後処理剤の添加量はトナー母材に対し
て0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%の割合で使用
することが望ましい。2種以上の異なる小径後処理剤を
用いる場合はそれらの合計添加量が上記範囲内であるこ
とが望ましい。大径後処理剤と小径後処理剤を併用する
場合、重量比(大径:小径)で1:1〜1:5、好まし
くは1:2〜1:3で使用することが好ましい。
【0024】後処理剤を混合する手段としては、公知の
混合装置を使用でき、例えば高速流動形混合装置を用い
るのが望ましい。高速流動形混合装置としては、例え
ば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、マイクロ
スピードミキサーなどが挙げられる。後処理剤を添加・
混合した後は、篩を用いて凝集物や混入物などを除去す
ることが好ましい。
【0025】大径後処理剤と小径後処理剤を併用する場
合は、トナー母材にまず、小径後処理剤を添加して上記
混合手段により混合した後、次いで大径後処理剤を添加
して混合することが好ましい。流動性を向上させる小径
後処理剤が母材表面を包んだ状態の上にスペーサとなる
大径後処理剤がのることとなり効果が大きくなるためで
ある。
【0026】本発明においてトナーは耐久性の観点か
ら、後処理剤の添加前、すなわち上記の表面処理を行う
場合においては表面処理後、後処理剤の添加前におい
て、凝集度が50以下、好ましくは10〜40、より好ましく
は20〜30であることが望ましい。このような凝集度を有
するトナーは耐久時において凝集度の上昇をより有効に
抑制できる。
【0027】本発明においてトナーは、後処理剤の添加
後において、凝集度が60以下、好ましくは1〜30、より
好ましくは2〜10であることが望ましい。このような凝
集度を有するトナーは耐久初期において凝集度の上昇を
より有効に抑制できる。
【0028】凝集度はトナーの凝集し易さを示す一つの
尺度であり、凝集度が大きいほどトナーが凝集し易いこ
とを示す。本明細書中、凝集度はミクロ型電磁振動ふる
い器(M-2型;筒井理化機器株式会社製)を用いて測定
した値を用いている。詳しくは、まず、乾燥させた撹拌
用テフロンビーズ(直径9.5mm)10個を入れた50ccのポ
リ瓶にトナー5gを入れる。このときトナー量は5g±0.1g
の精度で秤量する。トナーを入れたポリ瓶をターブラに
より5分間撹拌する。撹拌後、ポリ瓶から撹拌用ビーズ
をピンセットにより取り出す。取り出されたビーズは次
回の使用のためにエアーブローされ、布拭きされてアル
コールに漬け込まれる。上記のように前処理されたトナ
ーを、上段、中段、下段の各篩のうち上段の篩に移す。
上段の篩のメッシュ開口径は250μm、中段の篩のメッシ
ュ開口径は150μm、下段の篩のメッシュ開口径は75μm
であり、各篩は予めゴムパッキングを装着されており、
0.0001gの精度で重量測定されセットされている。トナ
ーを上段の篩に移した後は篩に蓋をしてスプリングで3
点をとめる。振動目盛りを0に合わせ、ストップウオッ
チをスタートさせる。ストップウオッチのタイムが1秒
となった時点でスイッチを入れ、ストップウオッチのタ
イムが30秒となった時点でスイッチを切る。その後、各
篩の重量を0.0001gの精度で測定して各段の篩に存在す
るトナー重量を求め、下記式; 凝集度=(x×0.2+y×0.12+z×0.04)×100 (式中、xは上段のトナー重量(g)を意味し、yは中
段のトナー重量(g)を意味し、zは下段のトナー重量
(g)を意味する。)に従って凝集度を算出する。
【0029】さらに本発明においては、トナージェット
プロセスに対してさらに高い耐久性を保つために、トナ
ーは以下のAD値(ゆるみかさ密度)および安息角を有す
ることが好ましい。AD値は0.430g/cc以上0.530g/cc以
下、安息角は3.8°以上29.1°以下とすることが望まし
い。
【0030】安息角はトナーの流動性を示す一つの尺度
であり、安息角が小さいほどトナーの流動性が高いこと
を示す。本明細書中、安息角とAD値は両者ともパウダー
テスター(ホソカワミクロン社製)を用いて測定された
値を示しているが、同様の原理で測定できるのであれ
ば、特にその装置で測定された値で示さなければならな
いことを意味するものではない。
【0031】さらに本発明で使用されるトナーは、アパ
チャー目詰まりのさらなる防止の観点から、大径粒子の
含有量が少ないことが好ましく、その基準粒径はアパチ
ャー径に依存するため、一概に規定できないが、通常、
粒径9μm以上のトナー粒子の含有割合が12重量%以下、
好ましくは10重量%以下であることが望ましい。当該割
合を上記範囲内に設定することにより、有効に目詰まり
を防止でき、より鮮明な画像を得ることもできる。本明
細書中、トナー粒径分布は、例えばコールターカウンタ
ーMULTISIZER(COULTER社製)を用いて測定することが
できる。
【0032】以上のようなトナーを構成するトナー母材
はいかなる方法、例えば、粉砕法、湿式法等によって製
造されてよい。
【0033】例えば、本発明においてトナー母材は、少
なくとも結着樹脂および着色剤、ならびに所望によりワ
ックスおよび荷電制御剤を、充分混合して、溶融混練
し、冷却した後、粗粉砕および微粉砕を行い、分級して
得られる。さらに、本発明においては公知の湿式法、例
えば、乳化分散造粒法、懸濁重合法、乳化重合法等によ
って製造されても良いが、製造コストおよび製造容易性
の観点から上記の粉砕法を採用することが好ましい。
【0034】粉砕法を採用して本発明のトナー母材を製
造する場合、詳しくは、まず少なくとも結着樹脂および
着色剤、ならびに所望によりワックスおよび荷電制御剤
を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、ヘンシェ
ルミキサー、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、
スクリュー型押出機、フォールバーグなどを用いて混
合、分散する。次に、この混合物を加圧ニーダー、二軸
押出混練機、ローラなどを用いて加熱混練する。得られ
た混練物を粉砕機、例えば、ハンマーミル、ジェットミ
ル、カッターミル、ローラミルなどを用いて粗粉砕す
る。更に、粉砕機、例えば、ジェットミル、高速回転式
粉砕機などを用いて微粉砕した後、分級機、例えば、風
力分級機、気流式分級機などにより所望の粒径に分級し
てトナー母材を得る。所望の平均円形度に制御する必要
がある場合は、このようにして得られたトナー母材を前
述のごとく表面処理に供する。
【0035】トナー構成結着樹脂としては、ポリスチレ
ン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンな
どのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p
−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、
スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸
エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリアク
リレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタ
クリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリグ
リシジルメタクリレート、ポリ含フッ素アクリレートな
どのアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリオール樹
脂、ポリビニルブチラート、ポリアクリル酸樹脂、ロジ
ン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、尿素
樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹
脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が定着
性、現像性も考慮しながら単独で、あるいは混合して用
いることができる。
【0036】トナーに含まれる着色剤としては、必要な
色調および耐久性、ならびに選択される結着樹脂に対す
る分散性等を考慮しながら、以下のようなものが選択さ
れ得るが、これらに限られるものではない。例えば、カ
ーボンブラック(ファーネスブラック、ケッチェンブラ
ック、ランプブラック、サーマルブラック、チャンネル
ブラック等)の他、フタロシアニン系、アゾ系、モノア
ゾ系、ジスアゾ系、アゾメチン系、キナクリドン系、ペ
リレン系、アンスラピリミジン系、イシインドリノン
系、スレン系、ベンジジン系、ナフトール系、キサンテ
ン系等の染顔料、より具体的には、黄鉛、アゾレーキ、
ベンガラ、酸化チタン、モリブデン赤、群青、フタロシ
アニンブルー、アニリンブルー、フォロンイエロー、ロ
ータミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、チオイン
ジゴ、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエ
ロー、ハンザイエローG、ローズベンガル、トリアリル
メタンなど、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるい
は混合して使用し得る。これらの着色剤の使用量は結着
樹脂100重量部に対して、通常1〜30重量部、好ましくは
3〜20重量部である。
【0037】更にトナーに離型性を付与する目的で、各
種の離型剤の併用添加も可能である。特に、耐オフセッ
ト性等の特性を向上させるためにワックスを含有させて
もよい。このようなワックスとしてはポリエチレンワッ
クス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ラ
イスワックス、サゾールワックス、モンタン系エステル
ワックス、カルナバワックス、フィッシャートロプシュ
ワックス等を挙げることができる。このようにワックス
を含有させる場合は、その含有量を結着樹脂100重量部
に対して0.5〜5重量部とすることがフィルミング等の問
題を生じることなく添加による効果を得る上で好まし
い。上記ワックスは単独でまたは組み合わせて用いてよ
く、組み合わせて用いる場合においてはそれらの合計量
が上記範囲内であればよい。
【0038】又、トナー中に使用される荷電制御剤とし
ては、ニグロシン系染料、アルコキシ化アミン、第四級
アンモニウム塩、アルキルアミド、アゾ系染料の金属錯
体、テトラフェニルホウ素誘導体、サリチル酸誘導体Z
n塩、アルキルサルチル酸の金属錯体、高級脂肪酸の金
属塩等がトナーの色調と帯電量を考慮しながら用いられ
る。これらの含有量は結着樹脂100重量部に対して1〜10
重量部であり、好ましくは2〜8重量部の範囲で内添され
ていることが望ましい。荷電制御剤が1重量部未満しか
内添されていない場合には、トナーを均一且つ迅速に飽
和帯電させることが困難となり、画像濃度が許容濃度よ
りも低下してしまい、又、荷電制御剤が10重量部を越え
て内添されている場合には、トナーの帯電量が過剰とな
って画像のかぶりが許容量を越えてしまうからである。
【0039】本発明の画像形成装置は以上のようなトナ
ーを用いたトナージェット式画像形成装置であり、詳し
くはトナーを担持して搬送するトナー担持体および該ト
ナー担持体に対向して配置され、トナー担持体との対向
部に複数のアパチャーを有するヘッドを備えてなり、ト
ナー担持体に担持されているトナーを該アパチャーを通
じて飛翔させることにより記録媒体上に画像を形成する
画像形成装置である。
【0040】具体的には、本発明の画像形成装置は通
常、図1に示すような構成を有している。以下、添付図
面を用いて本発明の画像形成装置の好適な実施の形態を
説明する。図1には、符号1で全体を示す、本発明の画
像形成装置の一例の概略構成図が表されている。印刷装
置1は符号4で全体を示すシート供給ステーションを有
する。シート供給ステーション4はカセット6を有し、
そこに紙などのシート5が積層して収容されている。シ
ート供給ローラ3はカセット6の上に配置されており、
最上シート5と接触しながら回転し、このシート5を印
刷装置1の内部に送り出す。シート供給ローラ3の近傍
には、一対のタイミングローラ7が配置されており、カ
セット6から送り出されたシート5を、点線で示すシー
ト通路Lに沿って、このシート5上に印刷材料からなる
像を形成する画像形成部(全体を符号10で示す)に供給
する。当該画像形成部10において、トナーを担持して搬
送するトナー担持体12および該トナー担持体に対向して
配置され、トナー担持体との対向部に複数のアパチャー
を有するヘッド26が設置されている。印刷装置1はま
た、画像形成部10に対向して、飛翔したトナー粒子を誘
導するための背面ローラ20を有する。印刷装置1はさら
に、印刷材料からなる像をシート5に永久定着するため
の定着ステーション8と、印刷材料からなる像が定着さ
れたシート5を収容するための最終スタックステーショ
ン9とを有する。
【0041】トナー担持体12から背面ローラ20にかけて
の詳しい構成を示すための拡大構成図を図2に示す。画
像形成部10は、駆動ローラ13を備える。駆動ローラ13
は、導電性の材料、例えばSK鋼、アルミニウム、ステ
ンレス等を円筒状に形成したもの、または、金属ローラ
の外周部に導電性の弾性材(ニトリルゴム、シリコンゴ
ム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム等)
を設けたものからなり、図示しないモータにより矢印14
方向に回転駆動可能としてある。また、駆動ローラ13
は、第1のバイアス電源16に接続され、所定の電圧(本
実施形態では負極性のバイアス電圧VB1)が印加できる
ようにしてある。駆動ローラ13にはトナーを担持して搬
送するためのトナー担持体(以下、スリーブという)12
が外装されており、所定の極性(本実施形態では負極
性)に帯電されたトナー18が、スリーブ12の外周面に層
を形成しながら担持されている。
【0042】スリーブ12は、導電性材料からなる薄膜、
例えばポリカーボネイト、ナイロン、フッ素系樹脂等の
樹脂からなる軟質の樹脂シート、前記樹脂にカーボン、
ウィスカー又は金属粉末等を添加したシート、ニッケ
ル、ステンレス又はアルミニウム等の金属薄膜、前記樹
脂シートと金属薄膜とを積層したシートで筒状に形成さ
れており、その内径は駆動ローラ13の外径より僅かに大
きく作られている。スリーブ12はまた、スリーブ回転軸
に関して両端部において、図面上上側の部分が押圧部材
(図示しない)により駆動ローラ13に押圧されており、
図面上下側の部分(自由部29)を駆動ローラ13と非接触
に保ちながら、駆動ローラ13との摩擦により、駆動ロー
ラ13の回転にしたがって矢印14方向に回転するようにし
てある。
【0043】駆動ローラ13の近傍には、スリーブ12の自
由部29に対向して背面電極ローラ(背面電極)20が、駆
動ローラ13(及びスリーブ12)と平行に設けられてい
る。背面電極ローラ20は導電性材料、たとえば、SK
鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属、または、金属
ローラの外周部に導電性の弾性材(ニトリルゴム、シリ
コンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴ
ム等)で被覆した導電材料又は誘電樹脂、誘電ゴム等の
誘電材料からなり、矢印22で示す方向に回転自在に支持
されている。また、背面電極ローラ20は第2のバイアス
電源24に接続され、所定の電圧(本実施形態では正極性
のバイアス電圧VB2)が印加できるようにしてある。バ
イアス電圧VB1、VB2の値は、駆動ローラ13と背面電極
ローラ20との電位差によってそれらの間に形成される電
界により、スリーブ12に担持されている負極帯電トナー
18が背面電極ローラ20に向けて吸引されるが、その吸引
力だけでは現像剤18がスリーブ12から分離しないように
調節されている。
【0044】スリーブ12と背面電極ローラ20との間には
ヘッド26が配置されている。スリーブ12とヘッド26の間
隔(L1)は一定に設定されている。他方、背面電極ロー
ラ20とヘッド26の間隔(L2)は、これらの間を記録媒体
28(例えば、紙、樹脂フィルム)が通過できると共に、
後に説明するように、この記録媒体28に付着したトナー
18がヘッド26と接触しない程度の空間30が形成されるよ
うに設定されている。ヘッドの厚みは50〜120μmが好適
である。
【0045】ヘッド26は非導電性材料からなる薄い板で
形成されている。図1に示すように、ヘッド26の一部、
すなわちスリーブ12と背面電極ローラ20とが対向する領
域(印刷領域32)に含まれる部分には、このヘッド26を
貫通する複数の円形のアパチャー(孔)34が、駆動ロー
ラ13の中心軸と平行(以下、方向Aとする。)な一つの
線上に、所定の間隔をあけて形成されている。代わり
に、複数のアパチャー34は、駆動ローラ13の軸と平行な
複数の線に沿って所定の間隔をあけて形成されてもよ
い。
【0046】アパチャーの直径はトナー粒径との関係を
考慮して設定される必要があるため、特に限定的でない
が、本発明においては前記のようなトナーを用いるた
め、比較的小さく設定しても、目詰まりの問題を防止で
きる。そのため、本発明においてアパチャーの直径は通
常、25〜150μm、好ましくは60〜140μm、より好ましく
は80〜140μmに設定される。
【0047】ヘッド26内部の駆動ローラ側表面には、各
アパチャー34を囲むように、リング状のトリガ電極36が
設けられている。また、ヘッド26内部の背面電極20側に
は、各アパチャー34を囲み、かつ上記のリング状トリガ
電極36の内径より大きな内径を有するように、リング状
のガード電極37が設けられている。トリガ電極36および
ガード電極37の設置態様の一例を、図3を用いて説明す
る。図3は、図2において一つのアパチャー34を駆動ロ
ーラ13側から見たときの、アパチャー34、トリガ電極36
およびガード電極37の位置関係を表す概略透視図を示
す。図3において、アパチャー34の周りにリング状トリ
ガ電極36は設けられており、当該トリガ電極より大きな
内径を有しながら、ガード電極37はアパチャー34の周り
に設けられている。図3において、トリガ電極36および
ガード電極37は周方向に連続しているが、これに限るも
のでなく、一部を削除した馬蹄形又はこれに類似の形で
あってもよい。
【0048】トリガ電極36はコントローラ(画像制御
部)38に接続され、このコントローラ38から各トリガ電
極36に印字信号すなわちパルス44が印加できるようにし
てある。一方、ガード電極37もまたトリガ電極36と同様
にコントローラ(画像制御部)38に接続され、このコン
トローラ38から各ガード電極37に印字信号が印加できる
ようにしてある。トリガ電極はトナーと逆極性の電圧が
印加され、画像形成時、トナーの飛翔を誘発する。ガー
ド電極はトナーと同極性又は逆極性の電圧が印加され、
ドット径、トナー飛散、トナー飛翔量およびエッジのき
れの良好なバランスを確保する。すなわち、ガード電極
をトナーと同極側に強くすると収束効果が上がり(ドッ
ト径が小さくなる)、飛散が減るものの、紙への飛翔そ
のものを妨げるような電界になるため、飛翔量は下が
り、エッジのきれ(鮮明さ(ランク))は低下する。一
方、ガード電極をトナーと逆極側に強くすると収束効果
が下がり(ドット径が大きくなる)、飛散が増えるもの
の、紙への飛翔そのものを助けるような電界になるため
飛翔量は上がり、見かけ上のエッジのきれは向上する。
【0049】本発明においては図2に示すように、ヘッ
ド26のスリーブ12に対向する面上であって、印刷領域32
からみて駆動ローラ13(及びスリーブ12)回転方向に関
して上流方向に、1枚のプレート形状からなるスペーサ
50が配置されていることが好ましい。このスペーサ50の
端部の少なくとも一部はスリーブ12に軽く接触してい
る。
【0050】一般に、スリーブ12(及び駆動ローラ13)
の、回転軸に関して両端部(以下、単に両端部という)
においては、それぞれ幅の狭い押圧部材(又はCリング
部材)(図示しない)が、ヘッド26の反対側でスリーブ
12の外周面を駆動ローラ13に押し付けており、これによ
り、駆動ローラ13がスリーブ12に接しつつ両者の摩擦に
より駆動ローラ13の回転をスリーブ12に伝達している。
このような回転伝達機構において、スペーサ50を設置し
ないと、スリーブ12と駆動ローラ13との間の自由部29の
高さ(Le)は、スリーブ12(及び駆動ローラ13)の両
端部からスリーブ12(及び駆動ローラ13)の回転軸に関
して中央部(以下、単に中央部という)に向かうほど、
スリーブ12の弾性復帰力が原因で小さくなり、スリーブ
12と、トリガ電極36及び背面電極ローラ20との距離が僅
かに変動するため、スリーブ12における両端部と中央部
でスリーブ12に保持されているトナー18を背面電極ロー
ラ20に向けて付勢する吸引力に差が生じ、結果として、
スリーブ12(及び駆動ローラ13)の両端部に向かう程、
形成される画像の濃度が濃くなる傾向があるためであ
る。
【0051】したがって、スペーサ50は、スリーブ12の
部位に拠らず、間隔Leの値が一定に保たれるような形
状を有していれば特に制限されず、例えば、厚さは一定
(数μmから数十μm)で、駆動ローラ13(及びスリーブ
12)の方向からみると、スリーブ12の両端部付近に対向
する部位において、スリーブ12の回転方向に僅かに前出
していてもよいし、またはスリーブ12(及び駆動ローラ
13)の両端部付近に対向する部位において、スリーブ12
(及び駆動ローラ13)の中央部付近に対向する部位より
も、スペーサ50の厚さを僅かに大きくしてもよい。スペ
ーサ50が上記のいずれの形状を有する場合においても、
スリーブ中央部付近において、スペーサ50はスリーブ12
外周面に僅かに接するのみであり、スリーブ12に押圧力
を及ぼさず、よってスリーブ12の形状を変えない。一
方、スリーブ両端部付近において、スペーサ50はスリー
ブ12外周の移動方向に僅かに前出しているか、または厚
さを僅かに大きくしているため、該スペーサ50はスリー
ブ12外周面に対し駆動ローラ13の中心方向への押圧力を
与え、よってヘッド26のアパチャー34とそれに対向する
スリーブ12外周上の部位との間隔L1を僅かに広げてい
る。これらのことにより、ヘッド26のアパチャー34とそ
れに対向するスリーブ12外周上の部位との間隔L1が、
スリーブ12(及び駆動ローラ13)の両端部、中央部を問
わず、等しくなるようにされている。
【0052】また、トナー担持体はスリーブ状でなく、
駆動ローラの曲面を覆う、導電性の材料からなる厚さ一
定のスポンジ状の樹脂層であってもよく、そのような場
合、駆動ローラの曲面(即ち、円柱形の側面)をたとえ
一定厚さの樹脂層で覆ったとしても、担持体両端部に進
むにつれ僅かではあるが紡錘形状となり、トナー担持体
と、トリガ電極及び背面電極ローラとの距離が僅かに変
動し、画像濃度が変動する傾向があるが、上記のスペー
サの形態とは逆に、トナー担持体の中央部付近に対向す
る部位において、スペーサを当該担持体の回転方向に僅
かに前出させるか、またはトナー担持体の中央部付近に
対向する部位において、当該担持体の両端部付近に対向
する部位よりも、スペーサの厚さを僅かに大きくして、
トナー担持体の外周を僅かの力で押圧してもよい。
【0053】以上のように構成された画像形成装置の画
像作成部における画像作成動作について説明する。画像
作成部10の画像作成動作時、記録媒体28が印刷領域32に
運ばれると、この記録媒体28と同期を取って、コントロ
ーラ38より、トリガ電極36にパルス44が、ガード電極37
にトナーと逆極性の電圧が印加される。このときトリガ
電極に印加されるパルス44は正極性であり、ガード電極
に印加される電圧は正極性である。
【0054】その結果、トリガ電極36とこれに対向する
スリーブ12部分との間には、このスリーブ12部分に保持
されている負極性トナー18を背面電極ローラ20に向けて
付勢する新たな電界が形成される。この新たに形成され
た電界は、すでに第1と第2のバイアス電源16、24によ
り駆動ローラ13と背面電極ローラ20との間に形成されて
いる電界と相俟って、スリーブ12部分に担持されている
一群のトナー18をスリーブ12から分離し、飛翔させる。
【0055】飛翔したトナーの集団は対応するアパチャ
ー34を通り、このアパチャー34に対向する記録媒体部分
に付着してドットを形成する。本発明の画像形成装置に
おいては前記のようなトナーが使用されるため、飛翔時
においてトナーのアパチャー内壁への付着、ガード電極
付近への付着およびアパチャー架橋が有効に回避されな
がら、トナーの飛翔はスムーズに行われる。このため、
アパチャーの目詰まりは有効に防止される。
【0056】以上のようにして形成される多数のドット
の集合により目的の画像が作成される。なお、記録媒体
28に付着したトナーは記録媒体28と共に定着工程(図1
参照;定着ステーション8)に運ばれ、そこで加熱溶融
されて記録媒体28に固定される。
【0057】本発明の画像形成装置の上記実施形態にお
いては、トナーを担持して搬送するトナー担持体とし
て、駆動ローラのヘッド側において適度な自由部を有し
ながら当該駆動ローラに外装させたスリーブを用いてい
るが、導電性材料からなる駆動ローラを直接的にトナー
担持体として用いてもよい。
【0058】
【実施例】(ポリエステル樹脂Aの製造例)温度計、攪
拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付け
たガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン
(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニ
ル無水コハク酸、テレフタル酸およびフマル酸を重量比
82:77:16:32:30に調整して重合開始剤であるジブチ
ル錫オキサイドとともに入れた。これをマントルヒータ
ー中で窒素雰囲気下にて、220℃で攪拌しつつ反応させ
た。得られたポリエステル樹脂Aの軟化点(Tm)は110
℃、ガラス転移点(Tg)は60℃、酸価は17.5KOHmg/gで
あった。
【0059】(ポリエステル樹脂Bの製造例)スチレン
および2−エチルヘキシルアクリレートを重量比17:3.
2に調整し、重合開始剤であるジグミルパーオキサイド
とともに滴下ロートに入れた。一方、温度計、攪拌器、
流下式コンデンサーおよび窒素導入管を取り付けたガラ
ス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,
2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニル無水
コハク酸、テレフタル酸、無水1,2,4−ベンゼント
リカルボン酸およびアクリル酸を重量比42:11:11:1
1:8:1に調整して重合開始剤であるジブチル錫オキサ
イドとともに入れた。これをマントルヒーター中で窒素
雰囲気下にて、135℃で攪拌しつつ、滴下ロートよりス
チレン等を滴下した後、昇温して230℃で反応させた。
得られたポリエステル樹脂Bの軟化点は150℃、ガラス
転移点は62℃、酸価は24.5KOHmg/gであった。
【0060】(トナー母材1の製造)ポリエステル樹脂
A40重量部、ポリエステル樹脂B60重量部、ポリエチレ
ンワックス(800P;三井石油化学工業社製)2重量部、
ポリプロピレンワックス(TS-200;三洋化成工業社製)
2重量部、酸性カーボンブラック(モーガルL;キャボ
ット社製;pH2.5;平均1次粒径24nm)8重量部および
下記一般式(I)で示される負荷電制御剤2重量部;
【0061】
【化1】
【0062】をヘンシェルミキサーで充分混合し、二軸
押出混練機で溶融混練後、冷却しその後、ハンマーミル
で粗粉砕しジェット粉砕機で微粉砕した後、分級してト
ナー粒子を得た。得られたトナー粒子を図4に示す表面
改質装置(サーヒュージングシステム;日本ニューマチ
ック工業社製)により表面処理して、体積平均粒径6.8
μmおよび平均円形度0.960のトナー母材1を得た。
【0063】(トナー母材2〜5の製造)粉砕条件、分
級条件および表面処理温度を適宜変更したこと以外、ト
ナー母材1の製造方法においてと同様にしてトナー母材
2〜5を得た。
【0064】
【表1】
【0065】得られたトナー母材に対して各種後処理剤
を添加、混合した後、振動ふるい(目開き106μm)にて
ふるって得られたトナーを以下の項目について評価し
た。なお、トナーを得るに際しては、トナー母材に、ま
ず平均一次粒径が50nm以下の全ての後処理剤を添加し、
ヘンシェルミキサーで3分間混合し、次いで当該混合物
に平均一次粒径が50nmを超える全ての後処理剤を添加し
て3分間混合した。平均一次粒径が50nm以下の後処理剤
または平均一次粒径が50nmを越える後処理剤、いずれか
一方の後処理剤しか用いない場合には添加後、3分間混
合した。評価結果は表2および3に示す。なお、表中、
後処理剤の添加量は括弧内に示した。また、それらの表
中、平均一次粒径(以下、単に平均粒径という)7nmの
後処理剤としてシリカ(TS-500;キャボット社製)を、
平均粒径23nmの後処理剤として酸化チタン(STT-30A;
チタン工業社製)を、平均粒径55nmの後処理剤として酸
化チタン(A11;チタン工業社製)を、平均粒径150nmの
後処理剤として樹脂ビーズ(MP1451;綜研科学社製)
を、平均粒径200nmの後処理剤として酸化チタン(KR46
0;チタン工業社製)を、平均粒径250nmの後処理剤とし
て樹脂ビーズ(MP1450;綜研科学社製)を、平均粒径27
0nmの後処理剤として酸化チタン(KR380S;チタン工業
社製)を、平均粒径300nmの後処理剤としてチタン酸ス
トロンチウムを、平均粒径375nmの後処理剤として酸化
チタン(STT-60A;チタン工業社製)を、平均粒径425nm
の後処理剤として樹脂ビーズ(MP5500;綜研科学社製)
を、平均粒径800nmの後処理剤として樹脂ビーズ(MP140
1;綜研科学社製)を用いた。
【0066】(開口率)各トナーを図1に示す構造を有
する画像形成装置に搭載し、開口率を測定した。開口率
は「未使用時のアパチャーの開口面積」に対する「使用
後のアパチャーの開口面積」の割合をいうものとし、20
ドット打ったときの当該割合が60%以上であれば耐刷し
ても目詰まりをほとんど起こさないといえる。このた
め、20ドット打ったときの開口率を求め、以下の表に示
した。
【0067】
【表2】
【0068】(目詰まり)各トナーを図1に示す構造を
有する画像形成装置に搭載し、A4版の黒ベタ画像を100
枚印字した。印字画像を観察し、白スジが発生し、実用
上問題となるものには「×」、白スジが若干発生してい
るが実用上問題とならないものには「△」、白スジが発
生していないものには「○」とランク付けした。白スジ
はアパチャーの目詰まりに起因する。
【0069】
【表3】
【0070】トナー特性の測定方法を以下に示す。 (平均円形度)平均円形度はフロー式粒子像分析装置
(FPIA-2000;東亞医用電子株式会社製)を用いて水分
散系で測定した。 (トナー体積平均粒径)トナーの体積平均粒径はコール
ターカウンターMULTISIZER(COULTER社製)によって測
定した。
【0071】本実施例で用いた図1に示す構造を有する
画像形成装置の設定条件を以下に示した。 ヘッド(FPC)厚み;100μm、アパチャー径;120μm、
L1;90μm、L2;200μm、現像ローラ電圧;0V、
トリガ電極電圧;450V(黒);-70V(白)、ガード電極
電圧;150V、背面電極;800V。
【0072】
【発明の効果】本発明の画像形成装置は長期にわたって
目詰まりを防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の概略構成図を示す。
【図2】 本発明の画像形成装置における現像領域の拡
大構成図を示す。
【図3】 図2において一つのアパチャーを駆動ローラ
側から見たときの、アパチャー、トリガ電極およびガイ
ド電極の位置関係を表す概略透視図を示す。
【図4】 トナーの熱処理装置の一例の概略構成図を示
す。
【符号の説明】
10:画像形成部、12:スリーブ(トナー担持体)、13:
駆動ローラ、16:第1のバイアス電源、18:トナー、2
0:背面電極ローラ(背面電極)、24:第2のバイアス
電源、26:ヘッド、28:記録媒体、34:アパチャー、3
6:トリガ電極、37:ガード電極、38:コントローラ、4
4:パルス、50:スペーサ。
フロントページの続き (72)発明者 夏原 敏哉 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2C162 AE74 AE79 AE80 CA02 CA12 CA24 2H005 AA08 AA15 CA02 CB07 CB08 CB13 EA05 EA07 2H029 DB00 DB04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーを担持して搬送するトナー担持
    体、および該トナー担持体に対向して配置され、トナー
    担持体との対向部に複数のアパチャーを有するヘッドを
    備えてなり、 トナー担持体に担持されているトナーを該アパチャーを
    通じて飛翔させることにより記録媒体上に画像を形成す
    る画像形成装置であって、 トナーが、平均円形度0.96〜0.99のトナー母材に少なく
    とも平均一次粒径100nm〜500nmの大径後処理剤が外添さ
    れてなることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 トナー母材の平均円形度が0.96〜0.98で
    あることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 トナー母材の体積平均粒径が2〜8μm
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 大径後処理剤が金属酸化物よりなること
    を特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】 大径後処理剤が樹脂よりなることを特徴
    とする請求項1〜3いずれかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 大径後処理剤がトナー母材に対して0.1
    〜2重量%の割合で混合されてなることを特徴とする請
    求項1〜5いずれかに記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 トナーが、トナー母材に平均一次粒径50
    nm以下の小径後処理剤がさらに外添されてなることを特
    徴とする請求項1〜6いずれかに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 小径後処理剤がトナー母材に対して0.1
    〜3重量%の割合で混合されてなることを特徴とする請
    求項7に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 アパチャーの直径が25〜150μmであるこ
    とを特徴とする請求項1〜8いずれかに記載の画像形成
    装置。
JP2000022064A 2000-01-31 2000-01-31 画像形成装置 Pending JP2001205842A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000022064A JP2001205842A (ja) 2000-01-31 2000-01-31 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000022064A JP2001205842A (ja) 2000-01-31 2000-01-31 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001205842A true JP2001205842A (ja) 2001-07-31

Family

ID=18548403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000022064A Pending JP2001205842A (ja) 2000-01-31 2000-01-31 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001205842A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6907215B2 (en) * 2001-12-07 2005-06-14 Seiko Epson Corporation Developing device and image forming apparatus incorporating the same
JP2007229851A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Institute Of Physical & Chemical Research マイクロパターン形成装置、マイクロパターン構造体、および、その製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6907215B2 (en) * 2001-12-07 2005-06-14 Seiko Epson Corporation Developing device and image forming apparatus incorporating the same
JP2007229851A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Institute Of Physical & Chemical Research マイクロパターン形成装置、マイクロパターン構造体、および、その製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5022801B2 (ja) トナーの製造方法、トナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置
JPH09197714A (ja) 現像剤及び現像方法
US8148040B2 (en) Toner and method of manufacturing the same, two-component developer, developing device, and image forming apparatus
US6291123B1 (en) Toner for toner-jetting
US20070140749A1 (en) Developing device for developing a latent image using a two-component developer
JP5591148B2 (ja) 非磁性一成分現像用トナーおよびそれを備えた現像装置、画像形成装置
JP4960694B2 (ja) トナーの製造方法、トナー、2成分現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
US6171746B1 (en) Toner for toner-jetting
JP2001205842A (ja) 画像形成装置
US6291124B1 (en) Toner for toner-jetting
JP4966813B2 (ja) トナー、現像剤、現像装置および画像形成装置
US7041423B2 (en) Developing method and image forming method
JP2001180031A (ja) 画像形成装置
JP2001171161A (ja) 画像形成装置
US6963711B2 (en) Developing method and developing device for electrophotographic image, and printing device using the developing device
US6171745B1 (en) Toner for toner-jetting
JP2001147588A (ja) 画像形成装置
JP2011141351A (ja) 非磁性一成分現像用トナー
JPH11167226A (ja) 電子写真用トナー及びその製造方法
JP2000267422A (ja) 画像形成装置
JP2584293B2 (ja) 熱ローラー定着用トナー
JP5708971B2 (ja) 画像形成装置
JP4832265B2 (ja) トナーの製造方法、トナー、2成分現像剤、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JPH06258863A (ja) 現像剤及び画像形成装置
JP5303227B2 (ja) 2成分現像剤用トナー、および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20050614