JP2001201625A - 光学部材およびそれを用いた光学モジュールおよび情報記録/再生装置 - Google Patents
光学部材およびそれを用いた光学モジュールおよび情報記録/再生装置Info
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Abstract
複数の部品、材料から構成される。したがって1部品の
特性の温度依存性を小さくしても、系全体の温度による
特性変動が小さくなるとは限らないという問題点があっ
た。 【解決手段】この発明では、使用環境温度の変化による
該光学モジュールまたは該情報記録/再生装置の出力特
性の変動の少なくとも一部を、光学部材の基板1に結晶
化ガラスを採用することにより、その熱膨張による光学
特性の変化によって系全体の温度依存性を打ち消すこと
を特徴としている。
Description
形状を有する光学部材、特に微小光学素子および情報記
録媒体基板に応用される光学部材に関する。
イクロレンズアレイ(多数の微小レンズを平板上に平行
配列したレンズ列)などの光学部品、CD−ROM、そ
の他の情報記録媒体は、その表面に微小な凹凸構造を具
備している。この表面の微小な凹凸部は、光学部品にお
いては、光の集束もしくは拡散を行う回折格子もしくは
マイクロレンズとして機能し、また情報記録媒体におい
ては、ピットまたはトラッキングガイドとして機能す
る。
部材を組み込んだ光学モジュールや情報記録装置に対す
る要求性能は高度化し、その使用環境、特に使用温度域
において安定した出力特性を発揮する必要がある。
子を組み込んだ光分波器用に用いられる光学モジュール
の場合、使用温度範囲内での回折波長の変動は0.5n
m以下であることが求められている。しかも使用温度
域、保存温度範囲に対する要求範囲も従前に比べて広く
なる傾向があり、−40℃から+80℃という広い温度
範囲(温度差ΔT=120deg)での使用が要求され
る場合もある。この場合、要求される回折波長の温度係
数は約4.2pm/deg以下となる。さらに少なくと
も上記使用温度範囲内での耐候性が保証されなければな
らないのは勿論である。これらの要求を満たすために、
温度依存性が小さく、耐候性が良い素子を組み合わせ、
回折波長の変動を抑える手法が必要とされる。また、そ
の他の光学モジュール、情報記録装置についても特性の
温度変動を小さく抑えることが要求されている。
構造の製造方法を開示している(特許協力条約に基づい
て公開された国際出願:WO99/39890)。すなわち、ガラ
スなど広い温度範囲で安定な基板の表面に塑性変形可能
な状態に調整した有機無機複合材料を膜状に塗布し、こ
れに微細凹凸構造を形成した成形型を押し当てる。次い
で離型し、加熱処理することによって成型型の微細凹凸
構造を反転した構造を前記基板上に形成できる。この微
細凹凸構造は樹脂製などに比べて耐熱性が高く、クラッ
クの発生や基板からの剥離も起こりにくい特徴をもって
いる。このため、基板材料として石英ガラスを採用する
と、この方法で形成した光学部材単独の光学特性の温度
変動は極めて小さくすることができる。
モジュールや情報記録/再生装置は上記光学部材の他、
複数の部品、材料から構成される。このため、所望の光
学性能を満足しつつ、光学モジュールや情報記録/再生
装置を構築するすべての素子に温度依存性が小さい部材
を選定することは困難である。例えばこれらの素子を組
み合わせる際に素子固定のために用いる接着剤の膨張特
性は通常かなり大きく、使用温度領域を限定する原因と
なっていた。したがって1部品の特性の温度依存性を小
さくしても、系全体の温度による特性変動が小さくなる
とは限らないという問題点があった。
に着目してなされたものである。その目的とするところ
は、耐候性の高い微細凹凸表面を有する光学部材を簡便
で生産性に優れた方法で提供し、かつこの光学部材を組
み込んだ光学モジュールまたは情報記録/再生装置の温
度変化による出力特性の変動を抑制することにある。
面に少なくとも1層以上の固体膜層を形成し、該固体膜
層の厚さ方向全体もしくは一部分に凹凸形状を形成した
光学部材が組み込まれた光学モジュールまたは情報記録
/再生装置において、使用環境温度の変化による該光学
モジュールまたは該情報記録/再生装置の出力特性の変
動の少なくとも一部を、前記光学部材の基板の熱膨張に
よる光学特性の変化によって打ち消すことを特徴として
いる。
を析出結晶として含む結晶化ガラスを用いる。
ち少なくとも1層は、つぎの化学式 RmMXn-m で表される有機無機複合材料を主成分とした原材料を用
いて形成され、化学式中のR基を残留成分として含むこ
とを特徴とする。ただし、Rはアルキルまたはアリール
基(m=1,2)、Mは原子価n(n=3,4)の金
属、Xはアルコキシル基またはハロゲン基である。
材料を用いて形成してもよい。ただし、Mは原子価n
(n=3,4)の金属、Xはアルコキシル基またはハロ
ゲン基である。
熱膨張係数が既知である基板の表面に厚さ数μm〜数百
μmの有機無機複合材料膜を塗布し、その表面に断面形
状が円弧、楕円弧、正弦波曲線、鋸歯状などの微細凹凸
形状を形成したものである。図1はこの光学部材の断面
図であり、基板1上に微細凹凸形状を形成した固体膜層
2が形成されている。この微細凹凸形状が図1(a)に
示すように連続した峰3からなる場合は回折格子として
作用し、円周上に配置される場合はフレネルレンズとし
て作用する。またこの微細凹凸形状が図1(b)に示し
たように独立した円弧4または楕円弧である場合は微小
レンズとして作用する。
して最適な材料を選ぶ方法を説明する。まず、互いに線
膨張係数(既知)の異なる2種類以上の基板上に所望の
凹凸形状を形成し試験用光学部材を作製する。これらの
試験用光学部材を所望の光学モジュールまたは情報記録
/再生装置に組み込み、温度変化を与えた際の出力特性
を実測する。この結果から各基板に対する温度−出力特
性を得る。これらの温度−出力特性の傾きを、基板の線
膨張係数に対してプロットする。得られた特性曲線から
温度−出力特性の傾きが0となるような基板の線膨張係
数が推定できる。
つ基板材料は単純に既存の材料から選定できるとは限ら
ない。一般に正の膨張係数をもつ部材が多いため、これ
を補償するために基板に負の線膨張係数が要求される場
合が多くなると予想されるが、適当な材料がなかった。
有機樹脂材料には負の線膨張係数をもつものがあるが、
耐候性が十分でない場合が多い。
の線膨張係数を持つ場合、ガラス部分の正の線膨張係数
を相殺させることにより、その線膨張係数をある程度制
御できる。本発明によれば、結晶化ガラスを利用するこ
とにより、線膨張係数が最適値に近く、かつ良好な耐候
性を備えた基板を得ることができる。
子を組み込んだ高密度波長多重通信用光分波器に用いら
れる光学モジュールを製造する方法をつぎに説明する。
材料としてはメチルトリエトキシシランとテトラエトキ
シシランを混合したものを用いた。これをアルコール希
釈した後、酸水溶液を混合、撹拌し加水分解させる。次
いでこの液を基板に塗布、乾燥させる。最終的な基板材
料を決定するための、試験用基板材料としてはフロート
法による通常のソーダライムガラス、パイレックスガラ
ス、光学ガラスであるBK7,石英ガラスの4種類を使
用した。成形型をプレス機内を減圧状態として前記の基
板上塗布膜に押圧、硬化させる。離型したのち、350
℃以下の温度で焼成すると膜内に有機成分が残留し、こ
れによって型の形状を正確に反映した微細凹凸形状が固
体薄膜表面に形成される。微細凹凸形状の表面にAl反
射膜を成膜することにより反射型の回折格子が形成でき
る。
に応じて下地層を設けてもよい。また、この凹凸形状表
面には、本光学部材を光透過型として使用する場合、反
射防止膜を成膜してもよく、光反射型として使用する場
合は反射膜を成膜してもよい。
波器用光学モジュール6に組み付け、その分波特性の温
度変化を測定した。作製した光学モジュール6全体をを
恒温槽内10に置き、温度を−40℃から85℃まで変
化させる。波長可変レーザ14の出射光を光ファイバ1
6を介して恒温槽10内に導き、光ファイバ端18から
出射する光をコリメートレンズ20で平行光22として
試験する回折格子8に入射する。回折された光を再びコ
リメートレンズ20で受光ファイバ端24上に集光す
る。この光の中心波長を波長計12にて測定した。測定
結果を図3に示す。各ガラス基板の波長変動の温度係数
として、それぞれソーダライムガラス:13pm/de
g、BK7:12pm/deg、パイレックス:8pm
/deg、石英ガラス:3pm/degを得た。
係数(それぞれ99×10-7/deg、90×10-7/
deg、36×10-7/deg、5.5×10-7/de
g)に対してプロットした。得られた特性は図4に示す
ようにほぼ直線であり、波長温度係数が0pm/deg
となる基板の膨張係数を最小二乗法によって求めると、
約−25×10-7/degと負の値になる。したがっ
て、負の線膨張係数を持つ基板が最適である。
もわかるように正の線膨張係数をもつため、使用に適さ
ない。しかし結晶化ガラスはその成分によっては負の線
膨張係数をもち得、かつ耐候性も一般のガラス材料同様
に優れている。例えばβ−石英結晶にリチウムイオンと
アルミニウムイオンが固溶したβ−ユークリプタイトな
どのβ−石英固溶体結晶は負の線膨張係数をもつことが
知られている。この結晶が析出した結晶化ガラスは、結
晶の負の線膨張係数とガラス部分の正の線膨張係数を相
殺させることにより、その線膨張係数を結晶の析出割合
によって0付近である程度制御できる。このようなβ−
石英固溶体結晶を析出させた結晶化ガラスの製法(母材
ガラスの組成および熱処理条件)は特公昭46-39879号な
どに開示されている。本実施例ではSiO2:70%、
Al2O3:20%、Li2O:4%、TiO2:1.8
%、ZrO2:1.5%を主成分とする母材ガラスを1
000℃以上の温度で熱処理することにより、線膨張係
数がおよそ−10×10-7の結晶化ガラスを得た。
子を成形した。この回折格子を前記の光分波器用光学モ
ジュールに組み付け、波長変動の温度係数を評価したと
ころ、約1pm/degであった。これは、目標の0p
m/degに十分近い値であり、本件に記載した実施例
により光学モジュール全体の温度係数値を抑制できたこ
とがわかる。
透明であり、組み込まれる光学モジュールによっては透
過型回折格子としても使用できる。その際には、回折格
子表面に反射防止膜を成膜することが望ましい。なお、
図3あるいは図4の特性は一例であって、組み込む機
器、モジュールによって変わってくる。しかし図4と同
様な手法で求めた温度係数が0となる基板の線膨張係数
は、その値が負であっても結晶化ガラスを基板として用
いることにより実現できる。もちろん使用できる結晶化
ガラスの材質は上記に限られたものではなく、母材ガラ
スの組成と熱処理条件によって特性の異なるものが得ら
れる。
折格子に限られない。回折格子の場合は回折波長を特性
値としその温度係数を測定したが、その他の光学部材、
光学素子においてもそれぞれの特性値の温度係数を測定
すれば、同様に基板の材質を決定できる。
フェニルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン
混合系、メチルトリエトキシシラン単体、テトラエトキ
シシランに増粘剤を添加した液、これらの液にチタン、
ジルコニウム、アルミニウムなどの金属有機化合物ある
いは、酸化物微粒子を添加した液、上述組成の重合体か
らなる液も使用できる。
置の使用環境での温度変化がその光学モジュールまたは
その情報記録/再生装置の出力特性の変動へ寄与する効
果のすべてまたは一部をうち消すように光学部材の基板
の線膨張係数を決定することで、単に低膨張係数の基板
を選定するよりも光学モジュールまたは情報記録/再生
装置の環境温度変化による出力特性の変動を抑制でき
る。また、本発明により開示した光学部材の作製方法は
前記のごとく基板種類を変更した場合でもプロセスの変
更が少なく、簡便に適した光学部材を提供することがで
きる。
図である。
実測結果を示す図である。
を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】基板の表面に少なくとも1層以上の固体膜
層を形成し、該固体膜層の厚さ方向全体もしくは一部分
に凹凸形状を形成した光学部材が組み込まれた光学モジ
ュールまたは情報記録/再生装置において、使用環境温
度の変化による該光学モジュールまたは該情報記録/再
生装置の特性変動の少なくとも一部を、前記光学部材の
基板の熱膨張による光学特性の変化によって打消すこと
を特徴とする光学モジュールまたは情報記録/再生装
置。 - 【請求項2】前記基板がβ-石英固溶体結晶を主たる析
出結晶として含む結晶化ガラスであることを特徴とする
請求項1に記載の光学部材。 - 【請求項3】凹凸形状を形成した前記固体膜層のうち少
なくとも1層は、つぎの化学式 RmMXn-m で表される有機無機複合材料を主成分とした原材料を用
いて形成され、化学式中のR基を残留成分として含むこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の光学部材。た
だし、Rはアルキルまたはアリール基(m=1,2)、
Mは原子価n(n=3,4)の金属、Xはアルコキシル
基またはハロゲン基である。 - 【請求項4】凹凸形状を形成した前記固体薄膜層のうち
少なくとも1層は、つぎの化学式 MXn で表される有機無機複合材料と増粘剤を主成分とした原
材料を用いて形成されることを特徴とする請求項1、2
に記載の光学部材。ただし、Mは原子価n(n=3,
4)の金属、Xはアルコキシル基またはハロゲン基であ
る。
Priority Applications (1)
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JP2000007090A JP3680672B2 (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 光学部材およびそれを用いた光学モジュールおよび情報記録/再生装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7502167B2 (en) | 2003-02-18 | 2009-03-10 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Diffraction grating element, production method of diffraction grating element, and method of designing diffraction grating element |
US7864427B2 (en) | 2005-08-29 | 2011-01-04 | Panasonic Corporation | Diffractive optical element and method for manufacturing the same, and imaging apparatus using the diffractive optical element |
CN112198669A (zh) * | 2019-07-08 | 2021-01-08 | 三赢科技(深圳)有限公司 | 结构光投射模组、深度相机和电子装置 |
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2000
- 2000-01-14 JP JP2000007090A patent/JP3680672B2/ja not_active Expired - Fee Related
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