JP2001201399A - 分光分析器の動作異常判定方法および動作異常判定機能付き分光分析器 - Google Patents
分光分析器の動作異常判定方法および動作異常判定機能付き分光分析器Info
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Abstract
を明確にし、人手を借りずに自動的に正しい判定ができ
るようにした分光分析器の動作異常判定方法を提供す
る。 【解決手段】試料の吸光度を測定し、得られたスペクト
ルから試料を分析する分光分析器における動作異常判定
方法において、基準ブランクスペクトルと測定ブランク
スペクトルの差分を波数ごとに求め、次に前記差分の平
均値と標準偏差を求めてそれぞれ基準値と比較すること
により、分光分析器の動作異常を判定する。
Description
などの分光分析器が正常に機能しているかどうかを判定
する方法の改良に関するものである。
の測定前に図9に示すように試料室(セル)1に試料が
ない状態いわゆる空のセルに入射光を照射し、その出射
光を測定してスペクトルを測定し、これを基準値として
用いるようにしている。
と呼ばれ、図10に示すような特性を示す。図の横軸は
波数[単位はcm-1](または波長)、縦軸は吸光度
[単位はAbs]である。なお、吸光度Aは、A=log(出
射光/入射光)で表わされる値である。
料をセルに入れ、同様に入射光を照射してその出射光を
測定する。試料のスペクトルは、図12に見られるよう
に前記出射光のスペクトルからセルブランクスペクトル
を差し引いたものになる。
に機能しているかどうか、例えばセルの壁面のガラスが
汚れていないか、入射光や出射光の導入に使われている
ファイバが破断していないかどうか等を調べるには、セ
ルブランクスペクトルの形状を調べて判断する。
基準はなく、比較基準となる過去のセルブランクスペク
トルと目視で比較して測定者が感覚的に判断している。
そのため、判定には個人差があり、正しい判定は期待で
きないという課題があった。
ので、分光分析器の動作異常を判定する際の判断基準を
明確にし、人手を借りずに自動的に正しい判定ができる
ようにした分光分析器の動作異常判定方法を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、上記目的の動作異常判
定方法を実現するための分光分析器を実現することにあ
る。
るために、請求項1の発明では、試料の吸光度を測定
し、得られたスペクトルから試料を分析する分光分析器
における動作異常判定方法であって、試料のないときの
基準ブランクスペクトルと試料のないときに測定した測
定ブランクスペクトルの差分を波数ごとに求め、次に前
記差分の平均値と標準偏差を求めてそれぞれ基準値と比
較することにより、分光分析器の動作異常を判定するよ
うにしたことを特徴とする。
ペクトルの差分を波数ごとに求め、次に前記差分の平均
値と標準偏差を求めてそれぞれ基準値と比較する。この
比較結果に基づいて分光分析器の動作異常を判断するた
め、従来のような判定の個人差は出ず、自動的に正しい
判定ができる。
の動作異常の判定では、前記差分の平均値を求めその平
均値が基準値以上の場合は分光分析器が異常と判断し、
前記差分の平均値が基準値よりも小さい場合は前記差分
の標準偏差を求めその標準偏差が基準値以上の場合は分
光分析器が異常と判断するのが、望ましい判定手順であ
る。
に、長期にわたって測定したブランクスペクトルの変動
幅から定めた値を用いるのが適切である。
セルを用いたものあるいはプローブを用いたもののいず
れであってもよい。
トルの代わりにパワースペクトルを使用した場合にも本
発明は適用できる。
得られたスペクトルから試料を分析する分光分析器にお
いて、試料のない状態における基準ブランクスペクトル
をあらかじめ保存するメモリと、試料のない状態におい
て測定した測定ブランクスペクトルと前記メモリからの
基準ブランクスペクトルとを受け、比較演算により分光
分析器の動作異常の判定を行なう計算機を具備した動作
異常判定機能付き分光分析器である。
により、分光分析器の動作異常の判定が自動的に行わ
れ、個人差などのない正確な判定ができるという効果が
ある。この場合、請求項7のように、計算機には、基準
ブランクスペクトルと測定ブランクスペクトルの吸光度
の差分を波数ごとに求めこの差分の平均値を演算する機
能と、前記差分の標準偏差を演算する機能と、前記平均
値あるいは標準偏差が基準値以上の場合には分光分析器
を異常と判定する機能を持たせることができる。
のように、セルまたはプローブを使用し、同様にブラン
クスペクトルを得て分光分析器の動作異常の判定を行な
うことができる。
説明する。図1は本発明に係る分光分析器の動作異常判
定方法を実現するための分光分析器の一実施例を示す要
部構成図である。図において、10は分光器、20は基
準となるブランクスペクトルを保存するメモリ、30は
分光器10とメモリ20からの各ブランクスペクトルを
読み取り動作判定処理を行なう計算機である。
ブランクスペクトルを測定ブランクスペクトル(セルを
用いて測定した場合は測定セルブランクスペクトルと言
う。なお、ここでは更にこれを簡略化して測定セルブラ
ンクと呼ぶ)と言う。
ブランクスペクトルを基準ブランクスペクトル(セルを
用いた場合はこれを基準セルブランクスペクトルと言
う。なお、これを更に簡略化してここでは基準セルブラ
ンクと呼ぶ)と言う。
る動作を次に説明する。図2は計算機30での処理フロ
ーである。
示すような基準セルブランクが保存されている。図3に
おいて、横軸は波数、縦軸は吸光度である。分光器10
からは図4に示すような測定セルブランクが得られる。
クと基準セルブランクを読み取り、その差を演算により
求める。すなわち、波数λnの1点1点について吸光度
の差ΔAλnを求める。図5にその演算結果の一例を示
す。
の平均値AVΔAを計算する。なお、図6は図5に示す
吸光度の差ΔAの頻度数をヒストグラムで表わしたもの
で、横軸に吸光度の差ΔA、縦軸にその頻度数をとって
ある。図中の曲線はヒストグラムの分布の傾向を表わ
す。
らかじめ定めた許容値以上の場合は機器の状態が異常
(不良)であるとの判定を出す。許容値より小さい場合
は、ΔAλnの標準偏差SDEVΔAを計算する。
定めた許容値以上の場合は、機器の状態が異常であると
の判定を下す。許容値より小さい場合は機器の状態が正
常と判定する。
ブランクスペクトル測定を長期にわたって実施し、実際
の変動幅から定めた値である。測定例を図7に示す。横
軸は波数[cm-1]、縦軸は吸光度[Abs]である。
な諸特性がある。 (1)セル壁面が汚れて薄膜状の付着物がある場合は図
7において左上がりになる。 (2)特定の試料が付着している場合、ピークを持つ。
図7において見られる2箇所のピークは空気中の水蒸気
によるものであり、通常の湿度であってもピークは生
じ、異常ではない。
大きく変動していると、左上がり、左下がり、上下方向
への平行シフトなどが生じする。 (4)ファイバが破断している場合は、図3や図4とは
全く類似しない特性となる。
ブランクと測定セルブランクの吸光度差の平均値と標準
偏差による判定で、正しく捕らえられる。
その試料の吸光度を測定する分光分析器を対象に説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば
図8に示すようなプローブを用いて試料の吸光度を測定
する分光分析器も適用できる。
ブには試料(流体)が入る通路42が設けられており、
試料分析時には少なくともプローブ本体41のこの通路
部分が試料で満たされるようになっている。
例えば光ファイバ等を介して通路42に光を入射する
と、通路3部を透過した光はプローブ先端部に取り付け
られたミラーで反射し、再度通路部を透過して戻ってく
る。この戻り光(出射光)と入射光と強度からセルの場
合と同様に吸光度を求めスペクトルを得ることができ
る。
記実施例で言うところのブランクスペクトルとは、プロ
ーブを試料中に入れないで空気中に置いた状態で得られ
るスペクトルであり、測定ブランクスペクトルとは空気
中で測定したときのブランクスペクトルである。
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明は、上記実施例に限定されること
なく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、
変形をも含むものである。
ば、セルブランクスペクトルの代わりにパワースペクト
ルを用いて同様に動作異常の判定を行なうことができ
る。
準セルブランクスペクトルと測定セルブランクスペクト
ルの差分を求め、波数ごとの吸光度差の平均値と標準偏
差を求めてそれぞれ基準値と比較することにより、当該
分光分析器が正常であるかどうかの判定を容易に自動的
に行なうことができる。また、本発明によれば、従来の
ような判定の個人差はなくなり、常に正しい判定ができ
る。
の分光分析器の一実施例を示す要部構成図である。
る。
一例を示す図である。
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】試料の吸光度を測定し、得られたスペクト
ルから試料を分析する分光分析器における動作異常判定
方法であって、 試料のないときの基準ブランクスペクトルと試料のない
ときに測定した測定ブランクスペクトルの差分を波数ご
とに求め、 次に前記差分の平均値と標準偏差を求めてそれぞれ基準
値と比較することにより、分光分析器の動作異常を判定
するようにしたことを特徴とする分光分析器の動作異常
判定方法。 - 【請求項2】前記分光分析器の動作異常の判定では、前
記差分の平均値を求めその平均値が基準値以上の場合は
分光分析器が異常と判断し、前記差分の平均値が基準値
よりも小さい場合は前記差分の標準偏差を求めその標準
偏差が基準値以上の場合は分光分析器が異常と判断する
ことを特徴とする請求項1記載の分光分析器の動作異常
判定方法。 - 【請求項3】前記基準値としては、長期にわたって測定
したブランクスペクトルの変動幅から定めた値を用いる
ことを特徴とする請求項1または2記載の分光分析器の
動作異常判定方法。 - 【請求項4】前記ブランクスペクトルは、試料を入れ試
料の吸光度を測定するために使用されるセルを空にした
状態におけるスペクトル、または試料中に入れ試料の吸
光度を測定するために使用されるプローブを空気中にお
いた状態におけるスペクトルであることを特徴とする請
求項1ないし3記載の分光分析器の動作異常判定方法。 - 【請求項5】前記ブランクスペクトルの代わりにパワー
スペクトルを使用することを特徴とする請求項1ないし
3記載の分光分析器の動作異常判定方法。 - 【請求項6】試料の吸光度を測定し、得られたスペクト
ルから試料を分析する分光分析器において、 試料のない状態における基準ブランクスペクトルをあら
かじめ保存するメモリと、 試料のない状態において測定した測定ブランクスペクト
ルと前記メモリからの基準ブランクスペクトルとを受
け、比較演算により分光分析器の動作異常の判定を行な
う計算機を具備したことを特徴とする動作異常判定機能
付き分光分析器。 - 【請求項7】前記計算機は、前記基準ブランクスペクト
ルと前記測定ブランクスペクトルの吸光度の差分を波数
ごとに求めこの差分の平均値を演算する機能と、前記差
分の標準偏差を演算する機能と、前記平均値あるいは標
準偏差が基準値以上の場合には分光分析器を異常と判定
する機能を有することを特徴とする請求項6記載の動作
異常判定機能付き分光分析器。 - 【請求項8】前記分光分析器は、試料を入れ試料の吸光
度を測定することのできるセル、または試料中に入れ試
料の吸光度を測定することのできるプローブを備え、前
記ブランクスペクトルが得られるように構成されたこと
を特徴とする請求項6または7記載の動作異常判定機能
付き分光分析器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000012993A JP2001201399A (ja) | 2000-01-21 | 2000-01-21 | 分光分析器の動作異常判定方法および動作異常判定機能付き分光分析器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000012993A JP2001201399A (ja) | 2000-01-21 | 2000-01-21 | 分光分析器の動作異常判定方法および動作異常判定機能付き分光分析器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001201399A true JP2001201399A (ja) | 2001-07-27 |
Family
ID=18540648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000012993A Pending JP2001201399A (ja) | 2000-01-21 | 2000-01-21 | 分光分析器の動作異常判定方法および動作異常判定機能付き分光分析器 |
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JP (1) | JP2001201399A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008304478A (ja) * | 2008-09-01 | 2008-12-18 | Toshiba Corp | 自動分析装置 |
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WO2019202776A1 (ja) * | 2018-04-16 | 2019-10-24 | 株式会社島津製作所 | 吸光度検出器及び液体クロマトグラフ |
-
2000
- 2000-01-21 JP JP2000012993A patent/JP2001201399A/ja active Pending
Cited By (9)
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