JP2001197882A - 細胞培養方法及び細胞共培養方法 - Google Patents

細胞培養方法及び細胞共培養方法

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JP2001197882A
JP2001197882A JP2000008339A JP2000008339A JP2001197882A JP 2001197882 A JP2001197882 A JP 2001197882A JP 2000008339 A JP2000008339 A JP 2000008339A JP 2000008339 A JP2000008339 A JP 2000008339A JP 2001197882 A JP2001197882 A JP 2001197882A
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JP
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cells
cell
culture
cultured
culturing
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JP2000008339A
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Yoshiaki Watanabe
芳明 渡辺
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞の産生する液生因子の評価を容易にする
培養方法を提供する。 【解決手段】 細胞を培養し複合化した浮遊する片状基
材を用いる細胞の培養方法、及び共培養の方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は細胞レベルの研究、
詳しくは液生因子による細胞間相互作用や代謝物による
他細胞への影響など複数の細胞にまたがる因子の研究に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】液性因子を主とする細胞間相互作用の働
きを明らかにする培養方法としては、大きく2つに分け
ることができる。すなわち、複数の細胞を同時に存在さ
せてその影響を見る方法と、もう一つは予め単一の細胞
群に液生因子などを産生させておいて、次にこの因子を
他の細胞に与える方法である。前者の場合、複数の細胞
を同時に一定の培養面、培養液中に同時に存在させる方
法、膜を介して2つの細胞を分離し液生因子のみを膜を
介して移動させて、その影響を調べる等の手法が採られ
る。後者の場合は、最も基本的な方法では、予め細胞を
培養し、その培養上清をそのまま、もしくは精製して利
用するものである。
【0003】上記方法のなかで、後者は多くの分野で実
際に使われている方法である。しかし前者の方法は必ず
しも頻繁に行われている方法ではない。それは複数の細
胞を同一条件で共存させた場合には、それぞれの細胞に
とって好適な条件とはならないこと、各細胞の量や相互
の配置のコントロールが自由にできない等の問題があ
り、その利用が限定される。また膜を介した共存方法
も、細胞の極性が関与し代謝反応が変化したり、膜の開
孔率が不充分で液生因子の移動が制限されるなどの問題
がある。
【0004】細胞を共存させて行う培養方法としては、
グリア細胞をコンフルエントになるまで培養し、この上
に神経細胞を直接接触させ培養する方法や、繊維芽細胞
を同じくコンフルエントになるまで培養して利用する、
いわゆるフィーダー細胞として使う方法が一般的に行わ
れる。
【0005】また、細胞の培養領域を物理的(3次元立
体的、または2次元平面的)に区切り培養する方法も報
告されている。
【0006】複数の細胞を膜構造物で区切り培養する方
法も行われる。これは複数の細胞を膜構造で仕切り、こ
の培養区域間に培養液を流通させてその影響をみたり、
連続的な代謝反応を行わせたりするものである。また膜
構造物上に直接細胞を培養し、細胞の接着している下面
から液生因子を移動させる方法も行われている。
【0007】物理的に複数の細胞を分離して培養する方
法は、細胞をその特定の位置に分離して配置することが
簡単にできない点が大きな問題である。一方膜を介した
培養方法では、強制的に培養液を還流するなどの方法が
必要である。また、膜面上の培養では、上記したように
培養下面からの液生因子の移動が、膜の開孔率が不充分
で物質の移動が制限されたり、細胞の極性からくる液生
因子の産生の低下などが指摘されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】我々はこれらの問題点
を比較検討し、容易に細胞間相互作用を調べることので
きる方法を検討して本発明に至ったものであり、本発明
は細胞の産生する各種因子の検討や、細胞間相互作用の
評価が効果的に行える細胞培養方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明は、接着性細胞を
片状基材に培養し、培養液中に浮遊させて行う培養方法
であり、また複数の細胞による共培養も可能とするもの
である。即ち本発明の第1の発明は、培養液に浮遊する
片状基材に接着性細胞を培養した複合基材を用いる細胞
培養方法であり、さらに第2の発明は培養液に浮遊する
片状基材に接着性細胞を培養した複合基材を用いる複数
細胞による細胞共培養方法であり、又各片状基材がフィ
ルム様態もしくはスポンジ様態である細胞培養方法又は
細胞共培養方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】培養液中に浮遊させるため、片状
基材は培養液に<浮く>、必要がある。しかし<沈む>
ものでも、強制的な循環を行えば適用は可能である。強
制的攪拌により培養する方法として、マイクロキャリア
ーによる培養方法が知られている。この方法は微小な粒
状物に、細胞を表面ないしは内空面に接着させ培養する
方法である。しかし本発明はこれとは異なり、攪拌が必
要な微小粒状物を使用するものではなく、自然に浮遊す
る片状基材を利用するものである。
【0011】この片状基材はフィルム状が好適である。
またはスポンジ状で内空領域に細胞を保持できるものも
用いることができる。これらは、培養液中に浮遊するも
のであれば、形状、厚みは問題にならず、用途により最
適なものを選択することが可能である。材質は培養細胞
に影響を与えないものであれば、いわゆるプラスチック
類をはじめとし、多糖、蛋白質、金属、セラミックなど
の材料を用いることができる。
【0012】接着性細胞を培養するためには、この片状
基材に、その接着性を増すために、別の物質をコーティ
ングする必要がある場合がある。この際に用いるものと
しては、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチ
ン、コラーゲン、ゼラチン、ポリリジン、ポリオリニチ
ン、など通常用いられる細胞接着性基質といわれるもの
を用いればよく、必要に応じて低温プラズマ処理などの
前処理を組み合わせればさらに効果的である。
【0013】浮遊させる片状基材に接着性細胞を培養し
固着させるためには、通常では浮遊する片状基材を固定
する必要がある。この方法は特に限定されるものではな
いが、例えば、培養液中で浮遊せず容易に移動しない密
度の材料をドーナツ状に加工し、培養する片状基材を固
定する方法がある。この状態をシャーレや培養プレート
上に形成し、目的とする細胞をドーナツ状物の内側領域
で培養すればよい。大きさ、形状は特に限定されるもの
ではなく、この固定物と片状基材との密着性も、必ずし
も必要ではなく、用途により適宜選択すればよいもので
ある。
【0014】このようにして、この片状基材上に細胞が
コンフルエントになるまで培養する。目的によっては必
ずしもコンフルエントにする必要がない場合もあり、そ
の場合も使用することが可能である。この後、固定して
いる物を取り外せば使用が可能である。なお固定物が覆
っていた部分を把持すれば、細胞を障害することなく容
易に培養液間を移すことができる。
【0015】細胞を培養したこの片状基材を用いる細胞
培養方法は特に限定されるものではない。液面に浮遊す
るタイプでは、細胞面を下方に向けて浮遊させることに
より、通常の培養方法と同じ扱いが可能である。液中に
浮遊するものはどちらの面を上下してもかまわない。
【0016】共培養する場合も同様である。予めシャー
レや培養プレートのウェル内に細胞を培養しておき、そ
こへ上記の細胞を培養した片状基材を移すことにより、
同様に培養が可能である。例えばウェル内に神経細胞を
培養しておき、ここへ繊維芽細胞などを培養した複合フ
ィルムを移せば、この2種細胞間の相互作用を調べるこ
とができる。培養液中には相互作用を受け分泌された化
学物質が、細胞内には影響を受け変化した代謝物が、そ
れぞれ蓄積されている。共培養する細胞は神経細胞のよ
うな接着性細胞に限らず、非接着性のリンパ系細胞など
も可能である。
【0017】マルチウエルプレートなど用いると、連続
的に、細胞の産生する因子の量や細胞間相互作用を容易
に調べることができる。例えば、細胞を培養した片状基
材をを30分間隔で隣接するウェルに移せば、各ウェル
内の培養液に産生されたものが含有されることになり、
この培養液を分析すれば連続的な産生物の変化を追うこ
とができる。また、このプレートをそのまま凍結保存す
れば、新たに保管容器を準備する必要はない。
【0018】共培養する細胞は2つである必要はなく複
数が可能である。例えば、液面に浮遊する片状基材には
血管内皮細胞を、液中に浮遊する基材にはグリア細胞を
培養液を保持するウェル底面には、神経細胞を培養すれ
ば3種の細胞による相互作用が検討できる系になる。ま
たここに浮遊するリンパ系細胞を加えれば、4種の細胞
による共培養系を構成することができる。逆に同一の細
胞による共培養系で培養条件の差異などを見ることも可
能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづき説明する。 (実施例1)厚さ50μm厚のポリメチルペンテンフィル
ムを直径14mmに打ち抜き、アルゴンガスによる低温プラ
ズマ処理(プラズマ装置:サムコ社製)を施し表面に親
水性を与えた。100%エチルアルコールに浸漬後、クリ
ーンベンチ内で殺菌灯点灯下乾燥させた。ステンレスを
シリコン溶液に浸積し表面をコートした外形14mm内径1
2.5mmのリング状物を、上記フイルムを底部に置いた培
養ウェル内(24ウェル培養プレート 住友ベークライト
製)におき、フィルムを固定した。ラット新生仔から大
脳を定法により切除、0.25%のトリプシン液(SIGMA社
製)中で、37℃、15分の酵素反応を行った。ピペッティ
ングにより分散した後、1,000回転で5分間の遠心分離
を行い細胞を分離した。DMEM/F-12(SIGMA製)+10%F
BS(牛胎児血清、SIGMA製)により細胞分散液を5ml調
製。前記リング内に、500μlの細胞液を加え培養した。
2〜3日間隔で培養液を交換し、10日間培養した。フィ
ルム上には、グリア細胞がコンフルエントの状態に達し
ていことが認められた。このフィルムは、リングを取り
除いた後取り出し、DMEM/F-12+10%FBS液を入れた(1
ml/ウェル)12ウエルプレートに移した。1日毎にウェ
ルを移し1週間培養した。細胞の状態は最初の頃と同様
で特に変化は認められなかった。
【0020】(実施例2、比較例1)ラット胎児(胎生
17日)から大脳を切りだし、パパインを主とする神経細
胞分散液(住友ベークライト製)で分散した。DMEM/F-
12にインシュリン(5μg/ml)、トランスフェリン(5μg
/ml)、亜セレン酸(5ng/ml)、ゲンタマイシン(5μ
g/ml)を加えた培養液で神経細胞を5×104cells/mlに
分散した。ポリリジンをコートした12ウェルの培養プレ
ート(住友ベークライト製)に、1ml/ウェル量加え培
養した。培養1日後、実施例1で調製したグリア細胞を
培養したフィルムを加えた。比較例1はこのフィルムを
加えないものとした。培養5日後、神経細胞の培養状態
を比較したところ、共培養した(実施例2の)ウェルの
神経細胞は、神経突起を伸ばした良好な培養状態の細胞
が数多く認められたが、比較例では死細胞が大半であっ
た。
【0021】(実施例3、比較例2)実施例1のグリア
細胞に代えて、株化肝細胞H4TGを同じ培養液でコンフル
エントになるまで培養した。一方、実施例2の神経細胞
を同様にしてポリリジンコート6ウェルプレート(住友
ベークライト製)に、2ml/ウェルの量で培養した。こ
の培養ウェルに実施例2のグリア細胞を培養したフイル
ムと上記のH4TG細胞を培養したフィルムを各1単位加え
て培養した(実施例3)。比較例2はこのフィルムを加
えないもの、とした。5日後顕微鏡下、細胞状態を観察
したところ、共培養したウェルの神経細胞は、神経突起
を伸ばした良好な培養状態の細胞が数多く認められた
が、比較例では死細胞が大半であった。
【0022】
【発明の効果】本発明を用いることにより、効果的な培
養環境を得ることができ、細胞の産生する各種因子の検
討や、細胞間相互作用の評価が効果的に行える。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培養液に浮遊する片状基材に接着性細胞
    を培養した複合基材を用いる細胞培養方法。
  2. 【請求項2】 培養液に浮遊する片状基材に接着性細胞
    を培養した複合基材を用いる複数細胞による細胞共培養
    方法
  3. 【請求項3】 片状基材がフィルム様態もしくはスポン
    ジ様態である請求項1の細胞培養方法。
  4. 【請求項4】 片状基材がフィルム様態もしくはスポン
    ジ様態である請求項2の細胞共培養方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017057599A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 日産化学工業株式会社 癌細胞と癌周囲細胞を共培養する方法

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WO2017057599A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 日産化学工業株式会社 癌細胞と癌周囲細胞を共培養する方法

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Effective date: 20040518