JP2001197754A - インバータ電源機器 - Google Patents

インバータ電源機器

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JP2001197754A
JP2001197754A JP2000002263A JP2000002263A JP2001197754A JP 2001197754 A JP2001197754 A JP 2001197754A JP 2000002263 A JP2000002263 A JP 2000002263A JP 2000002263 A JP2000002263 A JP 2000002263A JP 2001197754 A JP2001197754 A JP 2001197754A
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inverter power
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Takeshi Imamura
武志 今村
Eiji Ono
英次 小野
Taizo Kimura
泰三 木村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で安価なインバータ電源機器を実現す
る。 【解決手段】 交流電源電圧の2倍の直流電圧を2つの
倍電圧整流用コンデンサの直列回路の両端から出力する
倍電圧整流部を有し、機器の最大出力時に倍電圧整流用
コンデンサの端子間のリップル比率を30〜100%と
成すインバータ電源機器において、2つの倍電圧整流用
コンデンサとして、樹脂ケース29に2つの金属化フィ
ルムコンデンサ素子20,21を一体集合してエポキシ
樹脂22を充填し、コンデンサ素子20,21に接続さ
れた3つの外部用端子23,24,25を有した構成の
ものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータ電源に
よりモータを駆動するインバータ電源機器に関する。さ
らに詳しくは電源回路部にコンデンサを用いた倍電圧整
流回路を設けたインバータ電源機器に関する。
【0002】
【従来の技術】電源回路部に倍電圧整流回路を用いたイ
ンバータ用コンデンサでは、従来その倍電圧整流回路に
は主にアルミ電解コンデンサが使用されてきた。このコ
ンデンサには大きなリップル電流が流れるため、課電中
の劣化が著しかった。すなわち、アルミ電解コンデンサ
では、tanδ特性が悪いのと等価直列抵抗(電解液の
抵抗、陽極酸化被膜、漏れ電流等できまる)が高いた
め、大きなリップル電流が流れると発熱し、容量が減
り、さらに発熱が高まり、劣化が加速され、暴爆弁動
作、発煙、発火に至ることがあった。
【0003】これに対し、耐リップル性が高く、低損失
で、省エネルギー効果が高い、小型軽量のフィルムコン
デンサを用いたインバータエアコンが提唱されている
(特公平7−75464号公報参照)。しかし、このイ
ンバータエアコンに用いられるコンデンサには、1〜4
μmの極薄金属化フィルムが使用されており、極薄フィ
ルム材料のコストが高く、コストダウンの障壁となって
おり、このような極薄金属化フィルムコンデンサの材料
費が高くなることは、とりもなおさず従来のインバータ
エアコンのコスト高騰要因であった。安価で、耐リップ
ル性が高く、低損失で、省エネルギー効果が高い、小型
軽量のフィルムコンデンサを用いたインバータエアコン
が求められており、コスト削減にむけた鋭意研究が必要
であった。
【0004】ここで、従来のインバータ電源機器の例で
あるインバータエアコンについて図面を用いて説明す
る。図11は従来のインバータ電源機器であるインバー
タエアコンの倍電圧整流部の概略の回路図であり、C1
およびC2は倍電圧整流用電解コンデンサ、3は平滑用
コンデンサ、4はダイオードブリッジ、5はダイオード
ブリッジ4の+側からの接続電線、6はダイオードブリ
ッジ4の−側からの接続電線、7はダイオードブリッジ
4と交流単相100V入力電源8との接続部からの接続
電線、9は倍電圧整流部、INVは直流を三相交流に変
換するインバータ部、Mはモータである。
【0005】図12は図11に示されたインバータエア
コンの倍電圧整流用電解コンデンサC1およびC2の構
成について示す図であり、89は−極性表示用チューブ
にておおわれた集合ケース、90は倍電圧整流用電解コ
ンデンサC1の+(正)側外部用端子、91は倍電圧整
流用電解コンデンサC1の−(負)側外部用端子、92
は倍電圧整流用電解コンデンサC2の+(正)側外部用
端子、93は倍電圧整流用電解コンデンサC2の−
(負)側外部用端子である。
【0006】図12に示すように、倍電圧整流用電解コ
ンデンサC1の+側外部用端子90はダイオードブリッ
ジ4の+側からの接続電線5と接続されており、倍電圧
整流用電解コンデンサC1の−側外部用端子91と倍電
圧整流用電解コンデンサC2の+側外部用端子92は、
ダイオードブリッジ4と交流単相100V入力電源8と
の接続部からの接続電線7と接続されており、倍電圧整
流用電解コンデンサC2の−側外部用端子93はダイオ
ードブリッジ4の−側からの接続電線6と接続されてい
る。集合ケース89は−極性表示用チューブにて覆わ
れ、+−の極性を表示しており、この表示に従って、接
続電線との接続が行われる。ダイオードブリッジ4と交
流単相100V入力電源8との接続部からの接続電線7
は分岐等により、2本の電線となっている。
【0007】上記構成において、電解コンデンサC1お
よびC2には+−の極性があり、また、配線接続時、複
数の電線があるため、注意が必要である。また、外部用
端子90〜93への接続電線5〜7の接続時に+−の極
性を間違えると、過電流が流れ、発熱し、暴爆弁動作、
発煙、発火に至るため、明確な+−の極性表示が必要で
あった。また、+−極性表示の手段としては、外部用端
子90・91、92・93を有する蓋の表面への表示も
考えられるが、より明確にするため集合ケース89を−
表示のある塩化ビニール、PET等による収縮チューブ
で覆っての表示がほとんどである。この収縮チューブの
熱収縮作業性、材料コスト面、安価な塩化ビニールの場
合の使用後廃棄時の環境面で問題があり、コスト、環境
の両面から鋭意研究が必要であった。集合ケース89と
しては金属ケースがほとんどであり、金属ケースを覆っ
ての表示は電解コンデンサの金属ケースの絶縁確保のた
めにも欠かすことができないもので、複数の効果を併せ
もち、無くすことができないものであった。
【0008】また、倍電圧整流部9の電解コンデンサC
1およびC2に使用される倍電圧整流用アルミ電解コン
デンサは、発熱が非常に大きく、使用される温度により
寿命が左右され、近傍の他の部品に与える影響も多大
で、電源回路の小型化、高密度化の妨げとなっていた。
また、2つの倍電圧整流用アルミ電解コンデンサ素子を
1つの容器内に集合することは、寿命の低下につなが
り、困難を極め、小型、省スペース化の障壁になってい
た。
【0009】また、使用環境下の不測の事態(電圧変
動、温度上昇等)によるコンデンサの破損により、暴爆
弁動作、発煙、発火に至る恐れもあった。
【0010】次に、従来の保安装置付コンデンサについ
て図面を用いて説明する。図13は従来の保安装置付コ
ンデンサの構成について示す図であり、80は金属ケー
ス、81は外部用端子、82は外部用端子81を有する
蓋、83は厚さ4μm以上のフィルムを用いた金属化フ
ィルムコンデンサ素子、84は金属ケース80に設けら
れた蛇腹加工部、85はコンデンサ素子83と外部用端
子81とを導通接続するリード線、86はリード線85
に設けられた機械的弱点部、87は絶縁ケース、88は
絶縁油である。
【0011】ここで、金属化フィルムコンデンサ素子8
3は外部用端子81を有する蓋82および金属ケース8
0に絶縁油88とともに集合されている。金属ケース8
0には内部圧力の上昇時に変位可能な蛇腹形状の加工部
84が施されており、金属化フィルムコンデンサ素子8
3と外部用端子81を導通接続するリード線85には機
械的弱点部86が設けられている。なお、金属化フィル
ムコンデンサ素子83は絶縁ケース87にて、金属ケー
ス80と絶縁されている。
【0012】上記構成の2個の保安装置付コンデンサ
を、図11において電解コンデンサC1およびC2に代
えて用いると、使用環境下の不測の事態(電圧変動、温
度上昇等)により金属化フィルムコンデンサ素子83に
異常が発生した場合、金属化フィルムコンデンサ素子8
3と外部用端子81を導通接続するリード線85に機械
的弱点部86を設け、またコンデンサ素子83の破損時
発生するガスにより、金属ケース80に施された内部圧
力の上昇時に変位可能な蛇腹形状の加工部84が伸び、
リード線85に設けられた機械的弱点部86を遮断し、
完全に交流単相100V入力電源8と分離するように構
成できる。ここで、倍電圧整流用コンデンサに機械的弱
点部86や蛇腹加工部84のような機械式保安装置を内
蔵することにより、部品コストがかかり、安価で安全な
インバータ電源機器を実現する上で障壁となっており、
安全性とコスト性の選択が必要となるため、安全なコン
デンサからなるインバータ電源機器のコスト削減にむけ
た鋭意研究が必要であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のインバータ
電源機器の倍電圧整流用のアルミ電解コンデンサにおい
ては、接続時極性を間違えると、大電流が流れ、発熱
し、暴爆弁動作、発煙、発火に至ることがあり、明確な
極性表示が必要であり、非常に危険であり、接続時に注
意を要した。
【0014】また、特公平7−75464号公報に記載
されたインバータエアコンに用いられるコンデンサに
は、1〜4μmの極薄金属化フィルムが使用されてお
り、極薄フィルム材料のコストが高く、コストダウンの
障壁となっており、従来の極薄フィルムコンデンサに
は、材料費が高くなることは、とりもなおさず従来のイ
ンバータエアコンのコスト高騰要因であった。また、省
スペース化も要求されていた。そのため、安価で耐リッ
プル性が高く、低損失で、省エネルギー効果が高い、小
型軽量のフィルムコンデンサを用いた、より小型で安価
なインバータ電源機器が求められていた。
【0015】また、使用環境下の不測の事態(電圧変
動、温度上昇等)によるコンデンサの破損により、暴爆
弁動作、発煙、発火に至ることがあった。
【0016】また、倍電圧整流用コンデンサに機械式保
安装置を内蔵すると、コストが高くなった。
【0017】また、高密度化、省スペース化を図った、
安価で、かつ、スペース効率のよい小型なインバータ電
源機器を実現することは難しかった。
【0018】本発明は、上記の課題を解決するために、
正負(+−)の極性区分のないコンデンサを用いること
により、接続時の組立作業性を向上し、かつ安価なコン
デンサとし、安全で安価なインバータ電源機器を提供す
ることを目的とする。
【0019】また、本発明は、倍電圧整流用コンデンサ
を一体集合し、高密度化およびコスト低減を図り、より
小型、安価なコンデンサとし、より小型で安価なインバ
ータ電源機器を提供することを目的とする。
【0020】また、本発明は、倍電圧整流用コンデンサ
を一体集合し、高密度化およびコスト低減することに加
え、安全装置を内蔵することにより、安全性を高めた信
頼性の高いコンデンサとし、より小型、安価で安全なイ
ンバータ電源機器を提供することを目的とする。
【0021】また、本発明は、安全装置として、機械式
でない保安機構をコンデンサ内部に具備することによ
り、コスト低減を図り、安価で安全で信頼性の高いコン
デンサとし、より安価で安全なインバータ電源機器を提
供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のインバー
タ電源機器は、交流電源電圧の2倍の直流電圧を2つの
倍電圧整流用コンデンサの直列回路の両端から出力する
倍電圧整流部を有したインバータ電源機器であって、倍
電圧整流用コンデンサとして、厚さが1〜3μmの金属
化フィルムよりなり、正負の極性区分のないコンデンサ
としたことを特徴とするものである。
【0023】請求項1記載のインバータ電源機器によれ
ば、倍電圧整流用コンデンサとして、厚さが1〜3μm
の金属化フィルムよりなり、正負の極性区分のないコン
デンサを用いたことにより、コンデンサ接続時の組立作
業性を向上し、極性表示のための熱収縮チューブ等が不
要であり、安価なコストのインバータ電源機器が可能と
なる。
【0024】請求項2記載のインバータ電源機器は、交
流電源電圧の2倍の直流電圧を2つの倍電圧整流用コン
デンサの直列回路の両端から出力する倍電圧整流部を有
したインバータ電源機器であって、2つの倍電圧整流用
コンデンサを一体集合したことを特徴とするものであ
る。
【0025】請求項2記載のインバータ電源機器によれ
ば、倍電圧整流用コンデンサを一体集合することによ
り、外装ケース、その他集合部材を単独に作成するのと
比較し、割安となり、さらに高密度化により、省スペー
ス化が図れ、安価なコストで、かつ、スペース効率のよ
い小型なインバータ電源機器が可能となる。
【0026】請求項3記載のインバータ電源機器は、請
求項2記載のインバータ電源機器において、2つのコン
デンサ素子を金属ケースと3つの外部用端子を有する蓋
からなる1つの容器内に収納するとともに、金属ケース
に容器内の圧力により伸縮可能な蛇腹加工を施し、2つ
のコンデンサ素子を接続した接続部と一の外部用端子と
を機械的弱点部を設けたリード線で接続し、2つのコン
デンサ素子の直列回路の両端を各々リード線で他の2つ
の外部用端子に接続したことを特徴とするものである。
【0027】請求項3記載のインバータ電源機器によれ
ば、金属ケースに容器内の圧力により伸縮可能な蛇腹加
工を施し、2つのコンデンサ素子を接続した接続部と一
の外部用端子とを接続するリード線に機械的弱点部を設
けるという保安装置を具備することにより、使用環境下
の不測の事態(電圧変動、温度上昇等)に備え、より安
全で、信頼性の高いインバータ電源機器が可能となる。
【0028】請求項4記載のインバータ電源機器は、請
求項1または2記載のインバータ電源機器において、倍
電圧整流用コンデンサは、蒸着金属を電極とした保安機
構付き金属化フィルムコンデンサであることを特徴とす
る。
【0029】請求項4記載のインバータ電源機器によれ
ば、安全装置として、機械式でない保安機構をコンデン
サ内部に具備することにより、より安価で、かつ安全、
信頼性の高いインバータ電源機器が可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、従来例同様、インバータ電源機器として
インバータエアコンを例に説明する。そして以下の各実
施の形態は、図11において、電解コンデンサC1およ
びC2に代えて各実施の形態で説明する倍電圧整流用コ
ンデンサを用いたことを特徴とするものである。また、
図3は、インバータエアコンの倍電圧整流回路に用いた
倍電圧整流用コンデンサの電圧波形を示す図であり、倍
電圧整流用コンデンサの印加電圧VO-P は、直流成分に
交流成分VP-P を重畳した脈流波形となっている。この
電圧波形で、端子間電圧のリップル比率rは、r=V
P-P /VO-P とする。ここで、リップル比率rが大きい
場合にフィルムコンデンサの損失特性により、損失が小
さいので、発熱が低く、長期寿命効果、省エネ効果が大
きく、エアコンの最大出力時のリップル比率rが30〜
100%の場合に特に有効となる。したがって、各実施
の形態における倍電圧整流用コンデンサは、機器(ここ
ではインバータエアコン)の最大出力時の各コンデンサ
素子における端子間のリップル比率rを30〜100%
と成すように構成している。
【0031】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の
第1の実施の形態のインバータ電源機器であるインバー
タエアコンの倍電圧整流部に用いられるコンデンサの構
成図であり、1,2は倍電圧整流用コンデンサ、10は
金属ケース、11は外部用端子を有する蓋、12は金属
化フィルムコンデンサ素子、13は倍電圧整流用コンデ
ンサ1の外部用端子、14は倍電圧整流用コンデンサ2
の外部用端子である。
【0032】ここで、倍電圧整流用コンデンサ1および
2は同じ構成であり、金属化フィルムコンデンサ素子1
2を金属ケース10および外部用端子13,14を有す
る蓋11にて集合し、形成されている。金属化フィルム
コンデンサ素子12は、1.8μmの片面アルミ蒸着P
ETフィルムを用いて巻回し、コンデンサ素子とした。
倍電圧整流用コンデンサ1の蓋11には2つの外部用端
子13が設けられ、同様に倍電圧整流用コンデンサ2の
蓋11にも2つの外部用端子14が設けられている。な
お、金属ケース10内には、図示していないが、図13
と同様な絶縁ケース87や絶縁油88が収納されてい
る。
【0033】本実施の形態では、図11において、電解
コンデンサC1,C2に代えて倍電圧整流用コンデンサ
1,2を用いる。交流単相100V入力電源8はダイオ
ードブリッジ4に接続され、ダイオードブリッジ4から
の接続電線5,6およびダイオードブリッジ4と交流単
相100V入力電源8との接続部からの接続電線7を経
て倍電圧整流用コンデンサ1,2に接続されており、さ
らに平滑用コンデンサ3を経由してモータへとつながっ
ている。また、金属化フィルムコンデンサ素子12は+
−の極性を持っていないため、電解コンデンサのように
塩化ビニール等での−極性表示用熱収縮チューブはな
い。
【0034】本実施の形態によれば、倍電圧整流用コン
デンサ1の2つの外部用端子13および、倍電圧整流用
コンデンサ2の2つの外部端子14は、+−の極性の拘
束を受けないため、ダイオードブリッジ4の+側からの
接続電線5と、ダイオードブリッジ4と交流単相100
V入力電源8との接続部からの接続電線7とに接続され
る倍電圧整流用コンデンサ1の2つの外部用端子13は
いずれの接続電線5,7に接続されてもよく、ダイオー
ドブリッジ4の−側からの接続電線6と接続電線7とに
接続される倍電圧整流用コンデンサ2の2つの外部用端
子14はいずれの接続電線6,7に接続されてもよいた
め、接続時の組立作業性を向上することができる。
【0035】また、金属ケース10、外部用端子13,
14を有する蓋11のいずれにも+−の極性が表示され
ておらず、極性表示のための熱収縮チューブ等が不要と
なり、安価なコストのコンデンサにできるため、安価な
インバータ電源機器を実現できる。
【0036】以上のように、+−の極性を持つ電解コン
デンサとは異なり、+−の極性区分のないコンデンサと
し、接続時の組立作業性を向上し、安価なコストのコン
デンサとし、安価なインバータ電源機器が可能となる。
【0037】ここで、倍電圧整流用コンデンサを+−の
極性を持たない交流用電解コンデンサとしても、+−の
極性の拘束を受けないコンデンサとし、+−の極性表示
をなくすことができるが、形状も大きくなり、コストも
高くなり、実現できなかった。+−の極性区分がない、
小型で、安価な倍電圧整流用コンデンサを実現する手段
として、後述のように厚さが1〜3μmの金属化フィル
ムを用いた金属化フィルムコンデンサ素子12にて達成
が可能となった。
【0038】例えば、100Vの倍電圧整流用コンデン
サとしては100Vの整流後の直流電圧140Vにリッ
プル分を考慮し、最低200Vの耐圧が必要である。図
2(a)に、フィルム厚み0.5,0.8,1,2,
3,4,5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
を用い、蒸着金属をアルミニウムとし、蒸着膜抵抗値を
20Ω/cm2 とした300μFのコンデンサを作製
し、コンデンサを作製したときの電圧破壊レベルの結果
を示す。ここでの、各試料数は5とした。図2(a)に
おいて、横軸はフィルム厚みであり、縦軸は直流破壊電
圧を示す。図2(a)に示すように、フィルム厚みが
0.8μm以下では直流破壊電圧が200V未満とな
り、100Vの倍電圧整流用途には耐えられない。ま
た、フィルム厚みが1μm未満では、量産化製造技術が
確立されておらず、品質,コストの面でも実用的ではな
い。
【0039】また、図2(b)に、フィルム厚み0.
5,0.8,1,2,3,4,5μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムを用い、蒸着金属をアルミニウム
とし、蒸着膜抵抗値を20Ω/cm2 とした300μF
のコンデンサを作製し、作製されたコンデンサの体積
を、従来のアルミ電解コンデンサ(定格電圧200V,
420μF)の体積を100としたときの比率として示
す。ここで、作製したフィルムコンデンサが300μF
であるのに対し、420μFのアルミ電解コンデンサと
しているのは、フィルムコンデンサがアルミ電解コンデ
ンサより特性が優れており、同等の性能を得るために、
300μFのフィルムコンデンサに対し420μFのア
ルミ電解コンデンサとしたものである。図2(b)にお
いて、横軸はフィルム厚みであり、縦軸は従来のアルミ
電解コンデンサとの体積比率を示す。図2(b)に示す
ように、フィルム厚みが3μmを超えると、従来のアル
ミ電解コンデンサよりも体積が大きくなり、形状が大き
くなるため、実用的ではない。
【0040】したがって、倍電圧整流用コンデンサに用
いるフィルム厚みは、1〜3μmが、耐電圧,体積,品
質,コストの点より適切である。
【0041】以上のように、本実施の形態における倍電
圧整流用コンデンサは、正負の極性区分のないコンデン
サであり、かつ厚みが1〜3μmのフィルムを用いて作
製した金属化フィルムコンデンサであり、従来の図13
の構成とは、それに用いられているフィルム(厚み4μ
m以上)と厚みが異なる。また、従来例で説明した特公
平7−75464号公報に記載のものとは、本実施の形
態が正負の極性区分のないコンデンサであるという点で
異なる。
【0042】なお、後述の各実施の形態においても、倍
電圧整流用コンデンサを、厚みが1〜3μmのフィルム
を用いて作製した金属化フィルムコンデンサとすること
により、前述のように耐電圧,体積,品質,コストの点
で適切なものとすることができる。
【0043】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態について図面を用いて説明する。図4は本発明の
第2の実施の形態のインバータ電源機器であるインバー
タエアコンの倍電圧整流部に用いられるコンデンサの構
成図であり、20は第1の金属化フィルムコンデンサ素
子(以下「第1のコンデンサ素子」という)、21は第
2の金属化フィルムコンデンサ素子(以下「第2のコン
デンサ素子」という)、22はエポキシ樹脂、23は第
1の外部用端子、24は第2の外部用端子、25は第3
の外部用端子、26は第1のコンデンサ素子20と第2
のコンデンサ素子21と第1の外部用端子23を導通接
続するリード線、27は第1のコンデンサ素子20と第
2の外部用端子24を導通接続するリード線、28は第
2のコンデンサ素子21と第3の外部用端子25を導通
接続するリード線、29は樹脂ケースである。なお、第
1,第2,第3の外部用端子23,24,25はそれぞ
れ接触しないように離れて配置されている。また、図5
(a)は、図4のコンデンサを端子方向から見た平面図
で、図5(b)は、図4のコンデンサの外観斜視図であ
る。
【0044】ここで、第1のコンデンサ素子20および
第2のコンデンサ素子21は樹脂ケース29に一体集合
され、エポキシ樹脂22により充填されている。第1の
コンデンサ素子20および第2のコンデンサ素子21の
それぞれの一方の電極は、第1の外部用端子23と導通
接続されており、第1のコンデンサ素子20の他方の電
極は第2の外部用端子24と導通接続されており、第2
のコンデンサ素子21の他方の電極は第3の外部用端子
25と導通接続されている。なお、第1のコンデンサ素
子20および第2のコンデンサ素子21は、第1の実施
の形態と同様に1.8μmの片面アルミ蒸着PETフィ
ルムを用いて巻回し、コンデンサ素子とした。
【0045】本実施の形態では、図11において、電解
コンデンサC1,C2に代えて図4に示される倍電圧整
流用コンデンサ(第1,第2のコンデンサ素子20,2
1)を用いる。第1の外部用端子23を接続電線7に接
続し、第2,第3の外部用端子24,25をダイオード
ブリッジ4からの接続電線5,6に接続する。外部用端
子24,25はそれぞれ接続電線5,6のいずれかに接
続すればよい。
【0046】以上のように本実施の形態によれば、第1
のコンデンサ素子20と第2のコンデンサ素子21は2
つのコンデンサ素子でありながら、1つの樹脂ケース2
9内に一体集合されている。耐リップル性が高く、低損
失で、省エネルギー効果が高い金属化フィルムコンデン
サ素子とすることにより、発熱が抑えられ、一体集合が
可能となり、省スペース化が図れ、スペース効率のよい
小型化を実現できる。さらに、一体集合することによ
り、各コンデンサ素子20,21を個別で樹脂ケースに
集合する場合と比較し、材料費、組立費とも割安とする
ことができ、コストを安価にできる。
【0047】本実施の形態の場合、第1の外部用端子2
3を接続電線7に接続しなければならないので、外部用
端子23とそれ以外の外部用端子24,25とを区別す
る必要があるが、外部用端子24と外部用端子25とは
区別する必要がないので、この点において、接続時の組
立作業性を向上することができる。
【0048】なお、外部用端子23と外部用端子24,
25との区別は、図5に示すように、例えば、外部用端
子取付面の外部用端子23の近傍に、共通の意味を示す
アルファベット(common)の頭文字の“C”の表
示100をしておくことで、外部用端子24,25との
区別している。
【0049】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態について図面を用いて説明する。図6は本発明の
第3の実施の形態のインバータ電源機器であるインバー
タエアコンの倍電圧整流部に用いられるコンデンサの構
成図であり、30は第1の金属化フィルムコンデンサ素
子(以下「第1のコンデンサ素子」という)、31は第
2の金属化フィルムコンデンサ素子(以下「第2のコン
デンサ素子」という)、32は3つの外部用端子23,
24,25を有する蓋、36は第1のコンデンサ素子3
0と第2のコンデンサ素子31と第1の外部用端子23
を導通接続するリード線、39は金属ケース、34は金
属ケース39に施された蛇腹形状の加工部、35はリー
ド線36に設けられた機械的弱点部である。なお、金属
ケース39内には、図示していないが、図13のような
絶縁ケース87や絶縁油88も収納されている。
【0050】ここで、第1のコンデンサ素子30および
第2のコンデンサ素子31は3つの外部用端子23,2
4,25を有する蓋32および金属ケース39に一体集
合され、第1のコンデンサ素子30および第2のコンデ
ンサ素子31のそれぞれの一方の電極は、第1の外部用
端子23と導通接続されており、第1のコンデンサ素子
30の他方の電極は第2の外部用端子24と導通接続さ
れており、第2のコンデンサ素子31の他方の電極は第
3の外部用端子25と導通接続されている。なお、第1
のコンデンサ素子30および第2のコンデンサ素子31
は、第1の実施の形態と同様に1.8μmの片面アルミ
蒸着PETフィルムを用いて巻回し、コンデンサ素子と
した。
【0051】また、金属ケース39には内部圧力の上昇
時に変位可能な蛇腹形状の加工部34が施されており、
第1のコンデンサ素子30と第2のコンデンサ素子31
と第1の外部用端子23を導通接続するリード線36に
は機械的弱点部35が設けられている。図7はリード線
36に設けた機械的弱点部35の構成を示し、図7の
(a),(b)は第三角法により示したものである。こ
こでは、例えば直径φ=1.0mmの銅線に荷重を加え
ることにより図7のように変形させて機械的弱点部35
を形成し、破断強度を変更している。また、銅線の直径
φを0.6や1.2等に変更しても機械的破断強度を一
定の値に設定加工し、調整することにより同様の効果を
持たせることができる。
【0052】本実施の形態では、図11において、電解
コンデンサC1,C2に代えて図6に示される倍電圧整
流用コンデンサ(第1,第2のコンデンサ素子30,3
1)を用いる。また、第2の実施の形態同様、第1の外
部用端子23を接続電線7に接続し、第2,第3の外部
用端子24,25を接続電線5,6に接続する。
【0053】以上のように本実施の形態によれば、第1
のコンデンサ素子30と第2のコンデンサ素子31は2
つのコンデンサ素子でありながら、3つの外部用端子2
3,24,25を有する蓋32および金属ケース39に
一体集合されている。耐リップル性が高く、低損失で、
省エネルギー効果が高い金属化フィルムコンデンサ素子
とすることにより、発熱が抑えられ、一体集合が可能と
なり、省スペース化が図れ、スペース効率のよい小型化
を実現できる。さらに、一体集合することにより、各コ
ンデンサ素子を個別で外部用端子を有する蓋および金属
ケースに集合する場合と比較し、材料費、組立費とも割
安とし、コストを安価にできるのは、第2の実施の形態
と同様である。
【0054】さらに、使用環境下の不測の事態(電圧変
動、温度上昇等)によりいずれかのコンデンサ素子3
0,31に異常が発生した場合、第1のコンデンサ素子
30と第2のコンデンサ素子31のどちらのコンデンサ
素子が破損に至るかは不明であり、従って、いずれのコ
ンデンサ素子が破損しても安全装置が動作するように、
第1のコンデンサ素子30と第2のコンデンサ素子31
と第1の外部用端子23を導通接続するリード線36に
機械的弱点部35を設け、またコンデンサ素子の破損時
発生するガスにより、金属ケース39に施された内部圧
力の上昇時に変位可能な蛇腹形状の加工部34が伸び、
リード線36に設けられた機械的弱点部35を遮断し、
完全に交流単相100V入力電源8と分離できる。ここ
で、第1のコンデンサ素子30の他方の電極と第2の外
部用端子24とを導通接続するリード線または第2のコ
ンデンサ素子31の他方の電極と第3の外部用端子25
とを導通接続するリード線に機械的弱点部を設け、同様
に遮断させても、交流単相100V入力電源8から完全
に分離することができないため、破損が進行して危険な
状態になる。第1のコンデンサ素子30と第2のコンデ
ンサ素子31と第1の外部用端子23を導通接続するリ
ード線36に機械的弱点部35を設けることにより、安
全な保安装置を実現できる。このように、使用環境下の
不測の事態に備え、より安全で、信頼性の高いインバー
タ電源機器を実現できる。
【0055】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態について図面を用いて説明する。図8は本発明の
第4の実施の形態のインバータ電源機器であるインバー
タエアコンの倍電圧整流部に用いられるコンデンサの構
成図であり、図1と同様の構成については同一の符号を
付して説明を省略する。図8において、40は保安機構
を具備した第1の金属化フィルムコンデンサ素子(以下
「第1のコンデンサ素子」という)、41は保安機構を
具備した第2の金属化フィルムコンデンサ素子(以下
「第2のコンデンサ素子」という)、49は樹脂ケース
である。図9は図8に用いられる第1,第2のコンデン
サ素子40,41の構成を説明するための図であり、4
6はコンデンサ素子40,41を構成するヒューズ加工
部47が設けられた一方の金属化フィルム、48はコン
デンサ素子40,41を構成する他方の金属化フィルム
である。
【0056】ここで、第1のコンデンサ素子40および
第2のコンデンサ素子41は樹脂ケース49にそれぞれ
集合されている。第1のコンデンサ素子40および第2
のコンデンサ素子41は同じ構成であり、ヒューズ加工
部47が設けられた金属化フィルム46と金属化フィル
ム48とを重ねて巻回し、電極導出用メタリコンを施
し、通常の方法でコンデンサ素子とし、エポキシ樹脂で
注型・硬化し乾式MFコンデンサを得た。なお、金属化
フィルム46,48は、1.8μmの片面アルミ蒸着P
ETフィルムであり、金属化フィルム46に設けられて
いるヒューズ加工部47の幅Lを1mmとした。
【0057】本実施の形態では、図11において、電解
コンデンサC1,C2に代えて図8(a),(b)に示
された倍電圧整流用コンデンサを用いる。
【0058】本実施の形態によれば、第1の実施の形態
同様、図8(a)の倍電圧整流用コンデンサの2つの外
部用端子13および、図8(b)倍電圧整流用コンデン
サの2つの外部端子14は、+−の極性の区分がないた
め、図11の接続電線5と接続電線7とに接続される図
8(a)の倍電圧整流用コンデンサの2つの外部用端子
13はいずれの接続電線5,7に接続されてもよく、図
11の接続電線6と接続電線7とに接続される図8
(b)の倍電圧整流用コンデンサの2つの外部用端子1
4はいずれの接続電線6,7に接続されてもよいため、
接続時の組立作業性を向上することができる。
【0059】したがって、第1の実施の形態同様、+−
の極性を持つ電解コンデンサとは違い、+−の極性区分
のないコンデンサとし、接続時の組立作業性を向上し、
安価なコストのコンデンサとし、安価なインバータ電源
機器が可能となる。
【0060】さらに本実施の形態では、第1のコンデン
サ素子40および第2のコンデンサ素子41を構成する
金属化フィルム46には、ヒューズ加工部47が設けら
れている。金属化フィルム46および48に使用環境下
の不測の事態(電圧変動、温度上昇等)が発生した場
合、破損部のヒューズ加工部47を溶断し、異常箇所を
遮断できる。さらに、エポキシ樹脂で樹脂ケース49に
集合されており、図13のように金属ケース80に変位
可能な蛇腹形状の加工部84およびリード線85に機械
的弱点部86を施すことなく保安機構を実現でき、機械
的保安装置とする場合と比較し、材料費、組立費とも割
安とすることができる。このように、安全装置として、
機械式でない保安機構を有する保安機構付き金属化フィ
ルムコンデンサ素子を用いることにより、より安価で、
かつ安全、信頼性の高いインバータ電源機器が可能とな
る。
【0061】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
の形態について図面を用いて説明する。図10は本発明
の第5の実施の形態のインバータ電源機器であるインバ
ータエアコンの倍電圧整流部に用いられるコンデンサの
構成図である。図10において、図4および図8と同様
の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
50はコンデンサ素子40およびコンデンサ素子41の
導電部の絶縁を確保するための絶縁体である。
【0062】本実施の形態における第1のコンデンサ素
子40および第2のコンデンサ素子41は、第4の実施
の形態同様、ヒューズ加工部46が設けられた金属化フ
ィルム46と金属化フィルム48とを重ねて巻回し、電
極導出用メタリコンを施し、コンデンサ素子とし、エポ
キシ樹脂で注型・硬化し乾式MFコンデンサを得た。さ
らに、本実施の形態では、第2の実施の形態同様、第1
のコンデンサ素子40および第2のコンデンサ素子41
は樹脂ケース49に一体集合され、第1のコンデンサ素
子40と第2のコンデンサ素子41の一方の電極は、第
1の外部用端子23と導通接続されており、第1のコン
デンサ素子40の他方の電極は第2の外部用端子24と
導通接続されており、第2のコンデンサ素子41の他方
の電極は第3の外部用端子25と導通接続されている。
【0063】本実施の形態では、図11において、電解
コンデンサC1,C2に代えて図10に示される倍電圧
整流用コンデンサ(第1,第2のコンデンサ素子40,
41)を用いる。第1の外部用端子23を接続電線7に
接続し、第2,第3の外部用端子24,25をダイオー
ドブリッジ4からの接続電線5,6に接続する。外部用
端子24,25はそれぞれ接続電線5,6のいずれかに
接続すればよい。
【0064】本実施の形態によれば、前述の第4の実施
の形態と同様の効果が得られる。そしてさらに、第1の
コンデンサ素子40と第2のコンデンサ素子41は2つ
のコンデンサ素子でありながら、1つの樹脂ケース49
に一体集合されている。耐リップル性が高く、低損失
で、省エネルギー効果が高い金属化フィルムコンデンサ
素子とすることにより、発熱が抑えられ、一体集合が可
能となり、省スペース化が図れ、スペース効率のよい小
型化を実現できる。さらに、一体集合することにより、
各コンデンサ素子40,41を個別で樹脂ケースに集合
する場合と比較し、材料費、組立費とも割安とすること
ができるのは、第2の実施の形態と同様である。
【0065】なお、上記の各実施の形態では、片面金属
化フィルムを巻回して金属化フィルムコンデンサ素子と
したが、両面金属化フィルムと非金属化の合わせフィル
ムとを重ねて巻回するようにしてもよい。また、巻回型
に限らず、積層型の金属化フィルムコンデンサ素子とし
てもよい。
【0066】
【発明の効果】請求項1記載のインバータ電源機器によ
れば、倍電圧整流用コンデンサとして、厚さが1〜3μ
mの金属化フィルムよりなり、正負の極性区分のないコ
ンデンサとしたことにより、コンデンサ接続時の組立作
業性を向上し、極性表示のための熱収縮チューブ等が不
要であり、安価なコストのインバータ電源機器が可能と
なる。
【0067】請求項2記載のインバータ電源機器によれ
ば、2つの倍電圧整流用コンデンサを一体集合すること
により、外装ケース、その他集合部材を単独に作成する
のと比較し、割安となり、さらに高密度化により、省ス
ペース化が図れ、安価なコストで、かつ、スペース効率
のよい小型なインバータ電源機器が可能となる。
【0068】さらに、請求項3記載のインバータ電源機
器によれば、2つのコンデンサ素子を金属ケースと3つ
の外部用端子を有する蓋からなる1つの容器内に収納
し、金属ケースに容器内の圧力により伸縮可能な蛇腹加
工を施し、2つのコンデンサ素子を接続した接続部と一
の外部用端子とを接続するリード線に機械的弱点部を設
けるという保安装置を具備することにより、使用環境下
の不測の事態(電圧変動、温度上昇等)に備え、より安
全で、信頼性の高いインバータ電源機器が可能となる。
【0069】また、さらに請求項4記載のインバータ電
源機器によれば、安全装置として、機械式でない保安機
構を有する保安機構付き金属化フィルムコンデンサ素子
を用いることにより、より安価で、かつ安全、信頼性の
高いインバータ電源機器が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のインバータ電源機
器の倍電圧整流部に用いられるコンデンサの構成図。
【図2】(a)は本発明の第1の実施の形態におけるフ
ィルム厚みと昇圧破壊電圧値との関係を示す図、(b)
は本発明の第1の実施の形態におけるフィルム厚みとア
ルミ電解コンデンサとの体積比率との関係を示す図。
【図3】インバータエアコンの倍電圧整流回路に用いた
倍電圧整流用コンデンサの電圧波形を示す図。
【図4】本発明の第2の実施の形態のインバータ電源機
器の倍電圧整流部に用いられるコンデンサの構成図。
【図5】(a)は図4のコンデンサを上から見た図、
(b)は図4のコンデンサの外観斜視図。
【図6】本発明の第3の実施の形態のインバータ電源機
器の倍電圧整流部に用いられるコンデンサの構成図。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるリード線の
機械的弱点部を示す図。
【図8】本発明の第4の実施の形態のインバータ電源機
器の倍電圧整流部に用いられるコンデンサの構成図。
【図9】本発明の第4の実施の形態における金属化フィ
ルムコンデンサ素子の構成を説明するための図。
【図10】本発明の第5の実施の形態のインバータ電源
機器の倍電圧整流部に用いられるコンデンサの構成図。
【図11】従来のインバータ電源機器のインバータエア
コンの倍電圧整流部の概略の回路図。
【図12】従来のインバータ電源機器のインバータエア
コンの倍電圧整流用コンデンサとして用いられる電解コ
ンデンサの構成図。
【図13】従来のインバータ電源機器のインバータエア
コンの倍電圧整流用コンデンサとして用いられる保安装
置付コンデンサの構成図。
【符号の説明】
1 倍電圧整流用コンデンサ 2 倍電圧整流用コンデンサ 3 平滑用コンデンサ 4 ダイオードブリッジ 5 ダイオードブリッジの+側からの接続電線 6 ダイオードブリッジの−側からの接続電線 7 ダイオードブリッジと交流100Vの接続部からの
接続電線 8 交流単相100V入力電源 9 倍電圧整流部 10 金属ケース 11 外部用端子を有する蓋 12 金属化フィルムコンデンサ素子 13 外部用端子 14 外部用端子 20 第1のコンデンサ素子 21 第2のコンデンサ素子 22 エポキシ樹脂 23 第1の外部用端子 24 第2の外部用端子 25 第3の外部用端子 26 リード線 27 リード線 28 リード線 29 樹脂ケース 30 第1のコンデンサ素子 31 第2のコンデンサ素子 32 3つの外部用端子を有する蓋 34 蛇腹形状の加工部 35 リード線に設けられた機械的弱点部 36 リード線 39 金属ケース 40 保安機構を具備した第1のコンデンサ素子 41 保安機構を具備した第2のコンデンサ素子 46 金属化フィルム 47 金属化フィルムに設けられたヒューズ加工部 48 金属化フィルム 49 樹脂ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02M 7/10 H01G 4/40 A (72)発明者 木村 泰三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AB04 BB10 BC06 BC09 CC06 DD13 EE07 EE24 EE37 FG06 FG36 GG08 HH03 HH06 HH07 HH08 HH28 HH35 HH47 HH48 JJ04 JJ22 PP08 PP09 5H006 AA05 AA07 BB05 CA07 CB04 CC08 HA06 HA83 5H007 AA17 CA01 CB05 CC01 HA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源電圧の2倍の直流電圧を2つの
    倍電圧整流用コンデンサの直列回路の両端から出力する
    倍電圧整流部を有したインバータ電源機器であって、 前記倍電圧整流用コンデンサとして、厚さが1〜3μm
    の金属化フィルムよりなり、正負の極性区分のないコン
    デンサとしたことを特徴とするインバータ電源機器。
  2. 【請求項2】 交流電源電圧の2倍の直流電圧を2つの
    倍電圧整流用コンデンサの直列回路の両端から出力する
    倍電圧整流部を有したインバータ電源機器であって、 前記2つの倍電圧整流用コンデンサを一体集合したこと
    を特徴とするインバータ電源機器。
  3. 【請求項3】 2つのコンデンサ素子を金属ケースと3
    つの外部用端子を有する蓋からなる1つの容器内に収納
    するとともに、前記金属ケースに前記容器内の圧力によ
    り伸縮可能な蛇腹加工を施し、2つの前記コンデンサ素
    子を接続した接続部と一の前記外部用端子とを機械的弱
    点部を設けたリード線で接続し、2つのコンデンサ素子
    の直列回路の両端を各々リード線で他の2つの前記外部
    用端子に接続したことを特徴とする請求項2記載のイン
    バータ電源機器。
  4. 【請求項4】 倍電圧整流用コンデンサは、蒸着金属を
    電極とした保安機構付き金属化フィルムコンデンサであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のインバータ
    電源機器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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