JP2001193287A - 軸組建造物の改築方法 - Google Patents

軸組建造物の改築方法

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JP2001193287A
JP2001193287A JP2000000965A JP2000000965A JP2001193287A JP 2001193287 A JP2001193287 A JP 2001193287A JP 2000000965 A JP2000000965 A JP 2000000965A JP 2000000965 A JP2000000965 A JP 2000000965A JP 2001193287 A JP2001193287 A JP 2001193287A
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Isamu Oguchi
勇 大口
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SUNWOOD KANTO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストを低く抑えて軸組建造物の強度を向上
する改築が容易な軸組建造物の改築方法を提供する。 【解決手段】 木造家屋の既設の外壁材26、内壁材、床
材35,36,37、天井材38,39,40を取り外して解体し骨
組部材9a〜9kのみとする。露出する骨組部材9a〜9kの一
部が朽ちている場合、新しい骨組部材9a〜9kと交換す
る。骨組部材9a〜9kの軸組開口部21に補強板材22を取り
付けて閉塞したり、筋交い9gと骨組部材9a〜9kとの接合
部分に金物を取り付けて補強する。骨組部材9a〜9kに発
泡ウレタンボード25を取り付けたり、解体時に保存して
おいた外壁耐火材28や内壁耐火材、天井耐火材40などを
取り付ける。骨組部材9a〜9kのみに解体し、解体した材
料を別途保管して適宜再利用するため、補修および補強
が容易で改築コストも低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨組部材が軸組さ
れた軸組建造物を改築するための軸組建造物の改築方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、柱や梁、土台などの骨組部材が格
子状に軸組みされた軸組建造物において、家族構成や生
活環境の変化、居住年数の経過などにより、部屋数を増
減するなどの間取りを代えたり、和室を洋室に代えるな
どの模様替えなどの改築をする場合、改築する領域の内
壁や外壁などを除去し、場合によって傷んだ部分を補修
しつつ新たな間取りや様式に合わせて新たに内壁や外壁
などを組み付けて改築している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
改築方法では、除去した内壁や外壁を構成する材料が、
ほとんど損傷なく材料本来の強度や断熱性、耐火性など
の特性を有していても全て産業廃棄物となり、改築コス
トが増大するとともにゴミの増大を招き環境に好ましく
ない問題がある。
【0004】また、改築する軸組建造物が、新築された
時期における建築基準に対応した強度を有していても、
改築する時期における建築基準を十分に満足しない構造
となっている場合があるが、従来の改築方法では新たな
基準に対応した強度に改築することが困難で、新たな建
築基準を満足するための強度を得るためには、従来新た
に建造し直しており、新築のためのコストと既設の軸組
建造物を解体するためのコストが必要となり、コストが
大幅に増大する問題がある。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、コストを低く抑えて軸組建造物の強度を向上する改
築が容易な軸組建造物の改築方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の軸組建造
物の改築方法は、基礎コンクリート上に軸組された骨組
部材に外壁材、内壁材、床材および天井材が設けられて
内部空間を区画する軸組建造物を改築する軸組建造物の
改築方法において、既存の前記外壁材、内壁材、床材お
よび天井材を取り外して損傷していない前記外壁材、内
壁材、床材および天井材を別途保存して軸組された前記
骨組部材を露出し、この露出する軸組された骨組部材を
補修するとともに補強部材を設け、この補修され補強部
材が設けられた骨組部材に、前記保存した前記外壁材、
内壁材、床材および天井材と損傷により交換された新た
な外壁材、内壁材、床材および天井材とを用いて外壁、
内壁、床および天井を設けて新たに内部空間を区画する
ものである。
【0007】そして、既存の外壁材、内壁材、床材およ
び天井材を取り外して損傷していない外壁材、内壁材、
床材および天井材を別途保存するとともに軸組された骨
組部材を露出させ、この露出した骨組部材を補修すると
ともに例えば筋交いや金物、パネルなどの補強部材を取
り付けて骨組部材の軸組構造の強度を向上させた後に、
保存しておいた外壁材、内壁材、床材および天井材と損
傷により交換された新たな外壁材、内壁材、床材および
天井材とを用いて外壁、内壁、床および天井を形成し、
新たに内部空間を区画することにより改築するため、骨
組部材の軸組構造の補強が容易で、骨組部材が朽ちるな
どの損傷が容易に発見でき、損傷が生じていても補修が
容易であるとともに、間取りの変更などの大掛かりな改
築でも配管や電気配線などの変更が容易で、材料の再利
用によるコストの低減も図れる。
【0008】請求項2記載の軸組建造物の改築方法は、
基礎コンクリート上に軸組された骨組部材に外壁材、内
壁材、床材および天井材が設けられて内部空間を区画す
る軸組建造物を改築する軸組建造物の改築方法におい
て、既存の前記外壁材、内壁材、床材および天井材を取
り外して損傷していない前記外壁材、内壁材、床材およ
び天井材を別途保存して軸組された前記骨組部材を露出
し、この露出する軸組された骨組部材に、角材が枠状に
軸組みされたパネル構造体を取り付け、前記保存した前
記外壁材、内壁材、床材および天井材と損傷により交換
された新たな外壁材、内壁材、床材および天井材とを用
いて、前記パネル構造体とにて外壁、内壁、床および天
井を設けて新たに内部空間を区画するものである。
【0009】そして、既存の外壁材、内壁材、床材およ
び天井材を取り外して損傷していない外壁材、内壁材、
床材および天井材を別途保存するとともに軸組された骨
組部材を露出させ、この露出した骨組部材に角材が枠状
に軸組みされたパネル構造体を取り付けて骨組部材の軸
組構造の強度を向上させた後に、保存しておいた外壁
材、内壁材、床材および天井材と損傷により交換された
新たな外壁材、内壁材、床材および天井材とを用いて、
パネル構造体とにて外壁、内壁、床および天井を形成
し、新たに内部空間を区画することにより改築するた
め、パネル構造体を取り付けるのみで補強されるととも
に外壁、内壁、床および天井の形成が容易で改築効率が
向上し、骨組部材が朽ちるなどの損傷が容易に発見で
き、損傷が生じていても補修が容易であるとともに、間
取りの変更などの大掛かりな改築でも配管や電気配線な
どの変更が容易で、材料の再利用によるコストの低減も
図れる。
【0010】請求項3記載の軸組建造物の改築方法は、
請求項1または2記載の軸組建造物の改築方法におい
て、露出する軸組された骨組部材のうちの一部が損傷し
ている場合には、新たな骨組部材に交換するものであ
る。
【0011】そして、露出する軸組された骨組部材のう
ちの一部が損傷している場合には、軸組みされた骨組部
材のみであることから新たな骨組部材への交換が例えば
ジャッキアップなどにより容易で、確実な補修および強
度の向上が得られる。
【0012】請求項4記載の軸組建造物の改築方法は、
請求項1ないし3いずれか一記載の軸組建造物の改築方
法において、基礎コンクリートの内面および地盤上を覆
って防湿シートを取り付けるものである。
【0013】そして、基礎コンクリートの内面および地
盤上を覆って防湿シートを取り付けるため、基礎コンク
リートを透過する湿気や地盤からの湿気による軸組建造
物の損傷を防止するとともに、この湿気による悪影響を
防止するための防湿シートの施工が軸組された骨組部材
のみにするので容易となる。
【0014】請求項5記載の軸組建造物の改築方法は、
請求項4記載の軸組建造物の改築方法において、防湿シ
ート上に防湿層を設け、外壁材として断熱部材を用いて
外壁を形成し、天井裏に断熱部材を設け、基礎コンクリ
ートの外面側に断熱部材を設けるものである。
【0015】そして、防湿シート上に防湿層を設け、外
壁、天井裏および基礎コンクリートの外面側に断熱部材
を設けるため、高い断熱効果が得られるとともに、この
高い断熱効果が得られる改築が軸組された骨組部材のみ
にするので容易となる。
【0016】請求項6記載の軸組建造物の改築方法は、
請求項1ないし5いずれか一記載の軸組建造物の改築方
法において、基礎コンクリートおよび骨組部材との境界
部分を通気および通水不可能にシールするものである。
【0017】そして、基礎コンクリートおよび骨組部材
との境界部分を通気および通水不可能にシールするた
め、高い気密性が得られ、高い断熱効果が得られるとと
もに、この高い断熱効果が得られる改築が軸組された骨
組部材のみにするので容易となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の建造物の実施の一
形態を図面を参照して説明する。
【0019】図1ないし図3において、1は気密構造に
改築された軸組建造物としての木造家屋で、この木造家
屋1は、地盤2が所定の深さで掘削された底部に礫3aや
砂利3bなどが敷き詰められ、これら礫3aや砂利3b上に図
示しない鉄筋が組み付けられて現場コンクリート打ちに
て形成された断面逆T字状の基礎コンクリート3が設け
られている。また、基礎コンクリート3の内周側の地盤
2上には、図4に示すように、基礎コンクリート3の内
面側に亘って防湿シート4が敷き詰められ、さらに防湿
シート4の上面には防湿層である防湿コンクリート層5
が例えば50mmの厚さで略平滑に現場コンクリート打ち
にて地盤2の全面を覆って形成されている。なお、防湿
層は、防湿コンクリート層5の代わりに砂が敷き詰めら
れて形成される防湿砂層としてもよい。
【0020】そして、基礎コンクリート3の外面側に
は、図1および図5に示すように、発泡ウレタンボード
などの断熱部材6が接着剤などにて取り付けられ、この
断熱部材6の外面側にはモルタル7などが盛り付けら
れ、さらに無機質の化粧外壁板8が取り付けられてい
る。また、基礎コンクリート3の上端面には、上面が平
坦となるようにモルタル7が盛り付けられている。
【0021】そして、木造家屋1には、基礎コンクリー
ト3の上端上に組み付けられた骨組部材である土台9aを
有している。さらに、この土台9aに骨組部材である柱9b
や梁9c、間柱9d、桁9e、胴差9f、筋交い9gなどが軸組み
され、これら土台9a、柱9b、梁9c、間柱9d、桁9e、胴差
9fおよび筋交い9gなどに外部10と区画する仕切体である
外壁としての外壁部11、内部空間である各種の部屋12を
区画する図示しない間仕切壁などの仕切体である内壁と
しての内壁部13、床面を形成する床である床部14、天井
面を形成する天井である天井部15、屋根を形成する屋根
部16が形成されて木造家屋1が構成されている。
【0022】そして、外壁部11は、柱9b、間柱9d、梁9
c、土台9a、桁9eおよび胴差9fなどが軸組されて格子状
に開口し、図6に示すように筋交い9gが設けられていな
い開口部としての軸組開口部21には合板などの補強部材
としての外壁材である補強板材22が耐震補強として取り
付けられて閉塞されている。また、筋交い9gが設けられ
た軸組開口部21には、筋交い9gと土台9a、柱9b、間柱9
d、梁9c、桁9eおよび胴差9fなどとの接合部分に補強部
材としての金物23が釘止めされている。
【0023】さらに、土台9a、柱9b、間柱9d、梁9c、桁
9eおよび胴差9fなどの外面側には、軸組開口部21を閉塞
して断熱部材としての例えば厚さ寸法が約30mmの板状
に形成された発泡ウレタンボード25が略全面に釘止めな
どにより取り付けられている。そして、隣接する発泡ウ
レタンボード25の接合部分や、土台9a、柱9b、間柱9d、
梁9c、桁9eおよび胴差9fなどの骨組部材と発泡ウレタン
ボード25との境界部分、あるいは、発泡ウレタンボード
25と補強板材とに亘って、図示しない気密部材としての
気密テープが貼り付けられて気密構造となっている。
【0024】また、発泡ウレタンボード25の外面側に
は、例えば幅寸法が約45mmで厚さ寸法が約15mmの細
長板状の図示しない外壁材としての胴縁が、長手方向を
略上下方向に沿って釘止めなどにより所定の間隔で複数
取り付けられている。
【0025】そして、これら胴縁に外壁材としての外壁
板26が発泡ウレタンボード25を覆って全面に取り付けら
れ、適宜外壁板26に塗装を施したり、外壁材としてのタ
イルを貼るなどの仕上げが施されている。なお、発泡ウ
レタンボード25と外壁板26との間には、胴縁の厚さ寸法
分の空気層27が形成されている。
【0026】また、土台9a、柱9b、間柱9d、梁9c、桁9e
および胴差9fなどの骨組部材の内面側には、例えば厚さ
寸法が約12.5mmの石膏ボードやセラミックスボード
などの無機質材にて形成された外壁材としての板状の外
壁耐火材28が軸組開口部21を閉塞して全面に取り付けら
れている。
【0027】そして、外壁耐火材28の表面である部屋側
には、図示しない化粧シートなどの壁紙が設けられたり
漆喰や珪藻土塗り、外壁材としての腰板などが設けられ
て仕上げが施され、外壁部11が構成されている。
【0028】なお、骨組部材である土台9aの外面側に
は、角材である当木29が釘止めされ、この当木29の外面
側に基礎コンクリート3の化粧外壁板8の外面上部を覆
う金属板にて折曲形成された水切30が釘止めされて取り
付けられている。この水切30の釘止め箇所は外壁板26に
て覆われ、外壁板26と水切30との境界部分には図示しな
いコーキング材などのシール部材が設けられている。ま
た、土台9aと基礎コンクリートとの境界部分にもコーキ
ング材などのシール部材31が設けられている。
【0029】一方、内壁部13は、土台9a、柱9b、間柱9
d、梁9c、桁9eおよび胴差9fなどの骨組部材間で、この
骨組部材9a〜9f間に胴縁や筋交い9gなどの構造材が設け
られていない軸組開口部21に図示しないパネル構造体を
備えている。このパネル構造体は、断面の辺の長さが約
2対1の断面長方形の図示しない細長木材が厚さ寸法を
細長木材の長手方向となるように長方形の格子枠状に軸
組みされて形成されている。そして、骨組部材9a〜9f間
の軸組開口部21を閉塞して石膏ボードなどの内壁材であ
る板状の図示しない内壁耐火材が取り付けられ、内壁耐
火材の表面に図示しない化粧シートなどの壁紙が設けら
れたり漆喰や珪藻土塗り、内壁材である腰板などが設け
られて仕上げが施され、内壁部13が構成されている。
【0030】なお、骨組部材9a〜9f間に胴縁や筋交い9g
などの構造材が設けられている場合には、パネル構造体
を用いることなく軸組開口部21を閉塞して石膏ボードや
セラミックスボードなどの内壁材である板状の内壁耐火
材が取り付けられる。また、胴縁や筋交い9aなどの構造
材が設けられていない軸組開口部21でも、パネル構造体
を用いずにそのまま内壁耐火材を取り付けてもよい。さ
らに、パネル構造体を用いず、筋交い9gや金物23、外壁
部と同様の補強板材22などの補強部材を軸組開口部21に
設けた後に内壁耐火材を取り付けてもよい。
【0031】また、床部14は、土台9aに略平行に複数取
り付けられた骨組部材である根太9hが取り付けられ、こ
の根太9hの上面に床材である板状の下地板35が釘止めさ
れ、さらにこの下地板35の上面に床材である化粧床板36
が釘止めされたり、床材である畳37が敷き詰められて構
成されている。なお、下地板35の上面に吸音シートなど
を取り付けてもよい。また、根太9hの下面に床材である
図示しない板状の下地パネルを取り付け、根太9h間に発
泡ウレタンボード25などの床材である断熱部材を設けて
もよい。
【0032】そして、天井部15は、梁9cや桁9eなどの長
手方向が略水平の土台9aと略平行に軸組された骨組部材
に水平面に沿って格子状に取り付けられた図示しない天
井材としてのつり木受が取り付けられ、この格子状のつ
り木受に上下方向に長手状の角材である天井材としての
つり木38が取り付けられ、このつり木38に角材である天
井材である野縁39が水平面に沿った格子状に設けられて
いる。そして、この格子状に形成された野縁39の下面
に、石膏ボードやセラミックスボードなどの天井材であ
る板状の天井耐火材40が取り付けられ、この天井耐火材
40の下面に図示しない化粧シートや天井材である化粧板
などが取り付けられて天井部15が構成されている。な
お、天井部15は、野縁39などを格子状に形成する他に、
内壁部13と同様のあらかじめ格子枠状に形成したパネル
構造体を取り付けてもよい。
【0033】そして、天井の上方で屋根の下方である屋
根部16の天井裏には、図示しない照明器具などの電気配
線や空調用ダクトなどが配設されている。
【0034】さらに、屋根部16は、梁9cや桁9eなどに設
けられた骨組部材である母屋9iに設けられた骨組部材で
ある垂木9jに、合板などの骨組部材である下地板材9kが
釘止めされて設けられ、下地板材9kの上面に図示しない
防水シートが釘止めなどにより取り付けられ、さらに防
水シートの上面に屋根材である例えば瓦45が敷き詰めら
れて構成されている。なお、外壁部11を構成する発泡ウ
レタンボード25の屋根部16との境界部分である上部縁に
は、図7および図8に示すように垂木に係合する係合切
欠部46が設けられ、外壁部11の発泡ウレタンボード25と
屋根部16の発泡ウレタンボード25とが当接され、当接部
分には気密テープや発泡ウレタンの吹き付けなどにより
閉塞されて気密構造となっている。
【0035】次に、上記改築された木造家屋の改築方法
を図面を参照して説明する。
【0036】まず、図9および図10に示す改築前の木
造家屋1aの外面に取り付けられた図示しないガスメータ
や水道メータなどのメータ類や灯油などを供給する給油
設備、プロパンガスなどのガスを供給する給ガス設備、
お湯を供給する給湯設備などの設備類、表札や外灯など
の外装品であるエクステリアなどを取り外す。なお、設
備類には図示しない保護シートなどで覆い、エクステリ
アは別途保管する。
【0037】そして、木造家屋1aを囲むように地盤上に
図示しない保護シートを地盤上に敷き詰め、保護シート
上に図示しない足場を組立形成する。この後、足場に木
造家屋1aの側面部分を覆うように、例えば図示しない網
状のネットを張り付ける。
【0038】次に、外壁部11の外壁材である外壁板26や
タイル、防水シートなどの既設の外壁部材を取り外し、
土台9a、柱9b、間柱9d、梁9c、桁9eおよび胴差9fなどの
骨組部材の外面側を露出させる。そして、土台9a、柱9
b、間柱9d、梁9c、胴差9f、桁9eなどの骨組部材間に収
容された図示しないガラスウールなどの断熱材を除去す
る。すなわち、在来工法の木造家屋1aでは、一般的に壁
内に空気層を設けて内部の湿気を外部に排出する構成と
なっていないので、ガラスウールなどの断熱材は湿気に
より断熱性が損なわれた状態となっており、場合によっ
てはかびなどが繁殖している。このため、断熱材は除去
する。
【0039】さらに、骨組部材9a〜9fの外壁部11の部屋
側に取り付けられた図示しない化粧シートなどの壁紙や
漆喰、珪藻土塗り、外壁材としての腰板などを取り外
し、さらに骨組部材9a〜9fに取り付けられた外壁耐火材
28を取り外し、外壁部11を骨組部材9a〜9fのみにする。
同様に、内壁部13も、図示しない化粧シートなどの壁紙
や漆喰、珪藻土塗り、外壁材としての腰板などを取り外
し、さらに骨組部材9a〜9fに取り付けられた外壁耐火材
28を取り外し、骨組部材9a〜9fのみにする。
【0040】また、床部14は、畳37が敷き詰められた和
室では畳を外して下地板35を露出させ、化粧床板36が取
り付けられている洋室や廊下などでは床面上に保護シー
トを敷き詰めておく。そして、和室の下地板35の中央部
分を取り外して図示しない作業開口部を開口し、床下を
臨ませる。なお、取り外した畳37や下地板35は、別途保
管しておく。また、床部の洋室や廊下、洗面所などの化
粧床板36が取り付けられている部分で水道管などの水廻
り近傍の化粧床板36および下地板35を取り外して点検開
口部を開口し、取り外した化粧床板36や下地板35は別途
保管し、床下を点検可能に臨ませる。また、和室がない
場合には、水廻りが位置する部屋の中央部分の化粧床板
36を取り外すとともに露出する下地板35を取り外して点
検を兼ねる作業開口部を開口する。なお、下地板35や化
粧床板36を取り外しができない場合には、切断する。
【0041】さらに、浴室や台所などの水廻り部分で
は、図示しないタイルや化粧シートなどを剥がすととも
にモルタルなどの下地材を剥がし、さらに露出する下地
板を剥がして骨組部材9a〜9fを露出させる。
【0042】また、天井裏となる屋根部16に対向する天
井部15の図示しない化粧シートや天井材である化粧板な
どを損傷しないように取り外すとともに天井材である天
井耐火材40を損傷しないように取り外し、つり木受、つ
り木38、野縁39などの天井材を露出する。さらに、これ
ら天井材38,39を損傷しないように取り外して屋根部16
の内面側である屋根裏側を露出させ、取り外した天井材
38,39を別途保管する。
【0043】そして、上述したように既設の外壁材26、
内壁材、床材35,36,37、天井材38,39,40を取り外し
て骨組部材9a〜9kのみとした後に、床部14に設けた作業
開口部から床下の地盤2を整地し、図1および図4に示
すように、床部14の中央部分の各床材35,36,37を取り
外して開口する作業開口部から床下の地盤2上に基礎コ
ンクリート3の内面側に亘って防湿シート4を敷き詰
め、基礎コンクリート3の上端面上に設けられた骨組部
材の土台9aに両面粘着テープ48などにて取り付ける。ま
た、地盤2部分には、適宜笠釘49などで止める。なお、
この防湿シート4を敷き詰める際、地盤2と基礎コンク
リート3との境界部分および基礎コンクリート3の角部
分などの隅部分は隅部分に合わせて折り込み、弛みや張
りなどがないように確実に敷き詰める。
【0044】この後、防湿シート4の上面に、現場コン
クリート打ちなどにて厚さ寸法が例えば約70mmの防
湿コンクリート層5を設けたり、砂を敷き詰めて厚さ寸
法が例えば約50mmの防湿砂層を設ける。なお、防湿
コンクリート層5および防湿砂層を設けることにより、
床下に作業者が入り込めなくなる場合には、地盤2の土
の一部を作業開口部から搬出する。また、現場コンクリ
ート打ちをした場合には、防湿コンクリート層5が固化
するまで作業開口部は閉塞しないで湿気を外部に放出で
きる状態とする。
【0045】一方、露出する骨組部材9a〜9kを点検し、
朽ちているなどの場合には、新しい骨組部材9a〜9kと交
換する。なお、柱9bなどの上方からの重量が係る部分
は、例えばジャッキアップして交換する柱9bなどに重量
が係らない状態として交換する。また、交換できない部
分は、防虫・防腐処理して金属板などの金物を取り付け
て補強する。
【0046】また、外壁部11および内壁部13を構成する
柱9b、間柱9d、梁9c、土台9a、桁9eおよび胴差9fなどの
骨組部材が軸組されて格子状に開口し筋交い9gが設けら
れていない外壁部11を構成する部分の軸組開口部21に
は、図6に示すように、合板などの補強板材22を取り付
けられて閉塞し、骨組部材9a〜9fの軸組構造の強度を向
上させる。一方、筋交い9gが設けられている場合には、
筋交い9gと土台9a、柱9b、間柱9d、梁9c、桁9eおよび胴
差9fなどとの接合部分に金物23を釘止めし、骨組部材9a
〜9fの軸組構造の強度を向上させる。
【0047】この後、補強された骨組部材9a〜9kの外面
側に、軸組開口部21を閉塞して断熱部材としての例えば
厚さ寸法が約30mmの板状に形成された発泡ウレタンボ
ード25を略全面に釘止めなどにより取り付ける。そし
て、隣接する発泡ウレタンボード25の接合部分や、骨組
部材9a〜9kと発泡ウレタンボード25との境界部分、ある
いは、発泡ウレタンボード25と補強板材22,23とに亘っ
て気密部材としての気密テープを貼り付け、気密構造と
する。
【0048】さらに、発泡ウレタンボード25の外面側
に、例えば幅寸法が約45mmで厚さ寸法が約15mmの細
長板状の図示しない外壁材としての胴縁を長手方向が略
上下方向に沿うように釘止めなどにより所定の間隔で複
数取り付け、この胴縁に別途保管しておいた外壁板26を
釘止めなどにより発泡ウレタンボード25を覆って全面に
取り付ける。そして、適宜外壁板26に塗装を施したり、
外壁材としてのタイルを貼るなどの仕上げを施す。な
お、外壁板26が再利用できない、例えば解体時に損傷し
たり、湿気などにより損傷しているなどの場合、適宜新
しい外壁板26を補充して既存の保管しておいた外壁材26
と併用する。
【0049】また、補強された骨組部材9a〜9kの軸組開
口部21内に適宜電気配線や水道管およびガス管などの配
管をし、別途保管しておいた外壁耐火材28を軸組開口部
21の内面側を閉塞して全面に取り付ける。そして、外壁
耐火材28の内面側に、図示しない化粧シートなどの壁紙
が設けられたり漆喰や珪藻土塗り、別途保管しておいた
腰板などを張り付けて仕上げを施し、外壁部11を構成す
る。なお、外壁耐火材28や腰板が再利用できない、例え
ば解体時に損傷したり、湿気などにより損傷していた
り、腰板を使用しない内装を施す場合など、適宜新しい
外壁耐火材28や腰板を補充して既存の保管しておいた外
壁耐火材28や腰板と併用する。
【0050】一方、内壁部13を構成する骨組部材9a〜9f
間で、骨組部材9a〜9f間に胴縁や筋交い9gなどの構造材
が設けられていない軸組開口部21に、あらかじめ格子枠
状に軸組み形成したパネル構造体をはめ込むように取り
付けたり、筋交い9gや金物23、補強板材22などの補強部
材を取り付けて補強する。なお、補強が不要の場合、す
なわち骨組部材9a〜9fで十分な補強が得られている場合
にはパネル構造体や補強部材9g,22,23を取り付けなく
てもよい。
【0051】そして、補強された内壁部13を構成する骨
組部材9a〜9fの軸組開口部21内に適宜電気配線や水道管
およびガス管などの配管をした後に、軸組開口部21の両
面側に別途保管しておいた図示しない内壁耐火材を取り
付けて閉塞する。さらに、内壁耐火材の表面に図示しな
い化粧シートなどの壁紙を設けたり漆喰や珪藻土塗り、
腰板などを設けて仕上げを施し、内壁部13を構成する。
この内壁部13を構成する場合も、外壁部11の場合と同様
に内壁耐火材や腰板が再利用できない、例えば解体時に
損傷したり、湿気などにより損傷していたり、腰板を使
用しない内装を施す場合などでは、適宜新しい内壁耐火
材や腰板を補充して既存の保管しておいた内壁耐火材や
腰板と併用する。
【0052】一方、床下に防湿コンクリート層5や防湿
砂層を施した後の作業開口部を、あらかじめ保管してお
いた下地板35にて閉塞し、さらに下地板35の上面に別途
保管しておいた畳37や化粧床板36を取り付ける。なお、
下地板35や畳37、化粧床板36が再利用できない、例えば
解体時に損傷したり、湿気などにより損傷していたり、
畳37や化粧床板36を使用しない内装を施す場合などで
は、適宜新しい下地板35や畳37、化粧床板36を補充して
既存の保管しておいた下地板35や畳37、化粧床板36と併
用し、床部14を構成する。
【0053】また、床部14の洋室や廊下、洗面所などの
化粧床板36が取り付けられている部分で水道管などの水
廻り近傍の化粧床板36および下地板35を取り外して開口
する点検開口部から、骨組部材9a〜9hを点検して適宜損
傷した骨組部材9a〜9hを交換および補強し、点検開口部
をあらかじめ保管しておいた下地板35で閉塞する。な
お、下地板35が再利用できない、例えば解体時に損傷し
たり、湿気などにより損傷しているなどの場合、同様に
適宜新しい下地板35を用いる。
【0054】さらに、浴室や台所などの水廻り部分で
は、露出する骨組部材9a〜9hを同様に交換および補強
し、湿気による影響の少ない例えばユニットバスなどを
用いたり、防腐加工や防水加工を施す。そして、台所の
場合には外壁耐火材28や内壁耐火材、天井耐火材40など
を下地板として、タイルを貼ったり化粧シートを張り付
けて仕上げを施す。
【0055】一方、屋根部16の梁9cや桁9e、母屋9i、垂
木9jなどの骨組部材や下地板材9kを適宜点検し、損傷し
ている場合には適宜新しいものと交換し、適宜補強す
る。そして、垂木9j間に発泡ウレタンボード25などの断
熱部材を取り付け、外壁部11の発泡ウレタンボード25と
屋根部16の発泡ウレタンボード25とを当接させ、当接部
分を気密テープや発泡ウレタンの吹き付けなどにより閉
塞して気密構造とする。また、下地板材9kの外面側とな
る上面側に防水シートを敷き詰めて取り付け、あらかじ
め保管しておいた瓦45を敷き詰め、屋根部16を構成す
る。
【0056】さらに、屋根部16に断熱部材を取り付けた
後に、あらかじめ保管しておいたつり木受、つり木38お
よび野縁39を梁9cや桁9eなどの骨組部材に組み付け、適
宜電気配線や水道管およびガス管などの配管、天井裏の
空気を外部に排気する換気装置を配設する。そして、野
縁39の下面に保管しておいた天井耐火材40を取り付け、
この天井耐火材40の下面に化粧シートや保管しておいた
化粧板などを取り付けて天井部15を形成する。
【0057】この後、設備類や保管しておいたエクステ
リアを取り付け、足場を解体して改築を完了する。
【0058】上述したように、木造家屋1aを構成する既
存の外壁材26、内壁材、床材35,36,37および天井材3
8,39を取り外して骨組部材9a〜9kを露出させるため、
損傷箇所を直接認識できるので容易で確実に補修できる
とともに金物23や補強板材22にて容易に補強でき、改築
後の木造家屋1の強度を、現在の規格に対応して新築す
ることなく改築で増大でき、さらには新築することなく
改築のみで間取りの変更などの大掛かりな改築でも配管
や電気配線などを容易に変更できる。
【0059】さらに、解体の際に取り外した既存の外壁
材26、内壁材、床材35,36,37および天井材38,39を別
途保管して適宜再利用するため、改築のコストも低減で
きる。
【0060】そして、骨組部材9a〜9kのみにするので、
高気密や高断熱住宅、介護設備の設置や24時間換気シ
ステムなどの設置など、生活形態の変化に対応して容易
に改築でき、居住者の健康管理に良好な住宅として改築
できるとともに、木造住宅1の健康診断、すなわち既築
の木造家屋1の状態を容易に認識でき、状態に対応して
適宜補修が容易にできる。
【0061】また、骨組部材9a〜9kのみにするので、例
えば骨組部材9a〜9kが損傷しているために新しい骨組部
材9a〜9kに交換する際に、ジャッキアップが可能とな
り、確実に補修できる。
【0062】そして、基礎コンクリート3の内面および
地盤2上を覆って防湿シート4を設け、防湿コンクリー
ト層5や防湿砂層を設けるため、基礎コンクリート3を
透過する湿気や地盤2からの湿気による木造家屋1の損
傷を防止できるとともに、軸組された骨組部材9a〜9kを
露出した状態にするので湿気による悪影響を防止するた
めの防湿シート4の施工が容易にできる。
【0063】また、防湿シート4上に防湿コンクリート
層5や防湿砂層を設け、外壁部11、天井裏となる屋根部
16の内面側および基礎コンクリート3の外面側に発泡ウ
レタンボード6などの断熱部材を設けるため、高い断熱
効果が得られるとともに、軸組された骨組部材9a〜9kを
露出した状態にするので高い断熱効果が得られる改築が
容易にできる。
【0064】さらに、基礎コンクリート3および骨組部
材9a〜9kとの境界部分を通気および通水不可能にシール
するため、高い気密性が得られ、高い断熱効果が得られ
るとともに、軸組された骨組部材9a〜9kを露出した状態
にするので高い断熱効果が得られる改築が容易にでき
る。
【0065】なお、上記実施の一形態において、地盤2
に防湿シート4を敷き詰めて説明したが、防湿シート4
を設けなくてもよく、さらには防湿コンクリート層5や
防湿砂層などの防湿層を設けなくてもよい。
【0066】また、基礎コンクリート3および骨組部材
9a〜9kとの境界部分を通気および通水不可能にシールし
たが、例えば水切30を設けて水切30の取付部分でシール
してもよい。
【0067】そして、外壁部11に補強板材22を取り付け
て補強し、内壁部13は細長木材を格子枠状に軸組したパ
ネル構造体を用いて構成して説明したが、例えば細長木
材を長方形の格子枠状に軸組した枠状物の少なくとも一
面に合板や発泡ポリウレタンボード25などの断熱部材、
石膏ボードなどの耐火材などの板材を取り付けたパネル
構造体を用い、板材が軸組開口部21の外面側あるいは内
面側に位置するように取り付けて軸組開口部21を閉塞す
る構成としてもよい。この構成によれば、板材による補
強の他、枠状物による補強効果も得られ、強度のさらな
る向上が得られるとともに、補強施工と断熱あるいは耐
熱施工とが一動作ででき、改築性を向上でき、改築期間
の短縮も図れる。
【0068】また、屋根部16に発泡ウレタンボードを取
り付けて説明したが、野縁の上面側に断熱部材を設ける
など、天井裏のいずれの位置に設けてもよい。
【0069】
【発明の効果】請求項1記載の軸組建造物の改築方法に
よれば、既存の外壁材、内壁材、床材および天井材を取
り外し別途保存するとともに骨組部材を露出し、露出し
た骨組部材を補修し補強部材を取り付けて骨組部材の軸
組構造の強度を向上させた後に、保存しておいた外壁
材、内壁材、床材および天井材を適宜用いて改築するた
め、骨組部材の軸組構造の補強を容易にでき、骨組部材
が朽ちるなどの損傷が容易に発見でき、損傷が生じてい
ても補修が容易にできるとともに、間取りの変更などの
大掛かりな改築でも配管や電気配線などを容易に変更で
き、材料の再利用によるコストの低減も図れることがで
きる。
【0070】請求項2記載の軸組建造物の改築方法によ
れば、既存の外壁材、内壁材、床材および天井材を別途
保存するとともに骨組部材を露出し、露出した骨組部材
に枠状に軸組み形成したパネル構造体を取り付けて骨組
部材の軸組構造の強度を向上させた後に、保存しておい
た外壁材、内壁材、床材および天井材を用いて改築する
ため、パネル構造体を取り付けるのみで補強できるとと
もに外壁、内壁、床および天井を容易に形成でき改築効
率を向上でき、骨組部材が朽ちるなどの損傷が容易に発
見でき、損傷が生じていても補修が容易にできるととも
に、間取りの変更などの大掛かりな改築でも配管や電気
配線などを容易に変更でき、材料の再利用によるコスト
の低減も図れることができる。
【0071】請求項3記載の軸組建造物の改築方法によ
れば、請求項1または2記載の軸組建造物の改築方法の
効果に加え、軸組みされた骨組部材のみにするので、一
部が損傷している骨組部材を新たな骨組部材への交換が
例えばジャッキアップなどにより容易にでき、新たな部
材への効果により確実な補修および強度の向上を容易に
得ることができる。
【0072】請求項4記載の軸組建造物の改築方法によ
れば、請求項1ないし3いずれか一記載の軸組建造物の
改築方法の効果に加え、基礎コンクリートの内面および
地盤上を覆って防湿シートを取り付けるため、基礎コン
クリートを透過する湿気や地盤からの湿気による軸組建
造物の損傷を防止できるとともに、この湿気による悪影
響を防止するための防湿シートの施工が軸組された骨組
部材のみにするので容易にできる。
【0073】請求項5記載の軸組建造物の改築方法によ
れば、請求項4記載の軸組建造物の改築方法の効果に加
え、防湿シート上に防湿層を設け、外壁、天井裏および
基礎コンクリートの外面側に断熱部材を設けるため、高
い断熱効果が得られるとともに、この高い断熱効果が得
られる改築が軸組された骨組部材のみにするので容易に
できる。
【0074】請求項6記載の軸組建造物の改築方法によ
れば、請求項1ないし5いずれか一記載の軸組建造物の
改築方法の効果に加え、基礎コンクリートおよび骨組部
材との境界部分を通気および通水不可能にシールするた
め、高い気密性および高い断熱効果が得られるととも
に、この高い気密性および断熱効果が得られる改築が軸
組された骨組部材のみにするので容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す木造家屋の一部を
切り欠いた断面図である。
【図2】上記木造家屋の1階部分の間取り図である。
【図3】同上木造家屋の2階部分の間取り図である。
【図4】同上基礎コンクリート近傍を示す断面図であ
る。
【図5】同上基礎コンクリート近傍を示す一部を切り欠
いた斜視図である。
【図6】同上外壁部の土台近傍を示す一部を切り欠いた
正面図である。
【図7】同上屋根部の近傍を示す一部を切り欠いた断面
図である。
【図8】同上外壁部に取り付けられる断熱部材を示す一
部を切り欠いた斜視図である。
【図9】同上改築前の1階部分を示す間取り図である。
【図10】同上改築前の2階部分を示す間取り図であ
る。
【符号の説明】
1,1a 軸組建造物としての木造家屋 2 地盤 3 基礎コンクリート 4 防湿シート 5 防湿層としての防湿コンクリート層 6,25 断熱部材としての発泡ウレタンボード 9a 骨組部材である土台 9b 骨組部材である柱 9c 骨組部材である梁 9d 骨組部材である間柱 9e 骨組部材である桁 9f 骨組部材である胴差 9g 骨組部材である筋交い 9h 骨組部材である根太 9i 骨組部材である母屋 9j 骨組部材である垂木 9k 骨組部材である下地板材 11 外壁である外壁部 12 内部空間としての部屋 13 内壁である内壁部 14 床である床部 15 天井である天井部 16 屋根としての屋根部 22 補強部材としての補強板材22 25 断熱部材としての発泡ウレタンボード 26 外壁材である外壁板 28 外壁材である外壁耐火材 35 床材である下地板 36 床材である化粧床板 37 床材である畳 38 天井材であるつり木 39 天井材である野縁 40 天井材である天井耐火材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎コンクリート上に軸組された骨組部
    材に外壁材、内壁材、床材および天井材が設けられて内
    部空間を区画する軸組建造物を改築する軸組建造物の改
    築方法において、 既存の前記外壁材、内壁材、床材および天井材を取り外
    して損傷していない前記外壁材、内壁材、床材および天
    井材を別途保存して軸組された前記骨組部材を露出し、 この露出する軸組された骨組部材を補修するとともに補
    強部材を設け、 この補修され補強部材が設けられた骨組部材に、前記保
    存した前記外壁材、内壁材、床材および天井材と損傷に
    より交換された新たな外壁材、内壁材、床材および天井
    材とを用いて外壁、内壁、床および天井を設けて新たに
    内部空間を区画することを特徴とする軸組建造物の改築
    方法。
  2. 【請求項2】 基礎コンクリート上に軸組された骨組部
    材に外壁材、内壁材、床材および天井材が設けられて内
    部空間を区画する軸組建造物を改築する軸組建造物の改
    築方法において、 既存の前記外壁材、内壁材、床材および天井材を取り外
    して損傷していない前記外壁材、内壁材、床材および天
    井材を別途保存して軸組された前記骨組部材を露出し、 この露出する軸組された骨組部材に、角材が枠状に軸組
    みされたパネル構造体を取り付け、 前記保存した前記外壁材、内壁材、床材および天井材と
    損傷により交換された新たな外壁材、内壁材、床材およ
    び天井材とを用いて、前記パネル構造体とにて外壁、内
    壁、床および天井を設けて新たに内部空間を区画するこ
    とを特徴とする軸組建造物の改築方法。
  3. 【請求項3】 露出する軸組された骨組部材のうちの一
    部が損傷している場合には、新たな骨組部材に交換する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の軸組建造物の
    改築方法。
  4. 【請求項4】 基礎コンクリートの内面および地盤上を
    覆って防湿シートを取り付けることを特徴とする請求項
    1ないし3いずれか一記載の軸組建造物の改築方法。
  5. 【請求項5】 防湿シート上に防湿層を設け、 外壁材として断熱部材を用いて外壁を形成し、 天井裏に断熱部材を設け、 基礎コンクリートの外面側に断熱部材を設けることを特
    徴とする請求項4記載の軸組建造物の改築方法。
  6. 【請求項6】 基礎コンクリートおよび骨組部材との境
    界部分を通気および通水不可能にシールすることを特徴
    とする請求項1ないし5いずれか一記載の軸組建造物の
    改築方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010043451A (ja) * 2008-08-12 2010-02-25 Seiji Orito 再生古民家の基礎構造及びその構築方法
CN110206332A (zh) * 2019-06-05 2019-09-06 中铁四局集团建筑工程有限公司 一种民居的仿古改造方法

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