JP2001191148A - 溶融金属の成形用金型並びにその補修方法及びそのための装置 - Google Patents
溶融金属の成形用金型並びにその補修方法及びそのための装置Info
- Publication number
- JP2001191148A JP2001191148A JP2000005689A JP2000005689A JP2001191148A JP 2001191148 A JP2001191148 A JP 2001191148A JP 2000005689 A JP2000005689 A JP 2000005689A JP 2000005689 A JP2000005689 A JP 2000005689A JP 2001191148 A JP2001191148 A JP 2001191148A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- molten metal
- lubricating film
- forming
- solid lubricating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 安価なコストでキャビティ表面などの金型内
の表面の摩擦係数を小さくすることができ、それによっ
て金型内において溶湯が受ける流動抵抗を減少させ、薄
肉の大型成形品でも精度よく成形することができる溶融
金属の成形用金型並びに金型の補修方法及びそのための
装置を提供する。 【解決手段】 金属材料を溶融して鋳造成形する成形装
置の金型において、キャビティ4を形成する金型内の母
材の表面に、摩擦係数が0.03以下の固体潤滑膜8を
形成する。
の表面の摩擦係数を小さくすることができ、それによっ
て金型内において溶湯が受ける流動抵抗を減少させ、薄
肉の大型成形品でも精度よく成形することができる溶融
金属の成形用金型並びに金型の補修方法及びそのための
装置を提供する。 【解決手段】 金属材料を溶融して鋳造成形する成形装
置の金型において、キャビティ4を形成する金型内の母
材の表面に、摩擦係数が0.03以下の固体潤滑膜8を
形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料を鋳造成
形するための溶融金属の成形用金型並びにその補修方法
及びそのための装置に関するものである。
形するための溶融金属の成形用金型並びにその補修方法
及びそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に溶融金属の鋳造成形を行う
際には、図4に示すような金型が用いられている。図4
において、金型1は主として固定側金型2及び移動側金
型3から構成され、両金型2,3の間に成形品を成形す
るための所定の立体形状を有するキャビティ4が形成さ
れており、前記固定側金型2には成形装置の射出ユニッ
トから金型1内へ成形すべき金属材料を溶融状態にして
なる溶湯を流し込むための湯口5が形成され、さらに、
両金型2,3の間には湯道6が形成され、前記キャビデ
ィ4の入り口には湯口7が形成されている。
際には、図4に示すような金型が用いられている。図4
において、金型1は主として固定側金型2及び移動側金
型3から構成され、両金型2,3の間に成形品を成形す
るための所定の立体形状を有するキャビティ4が形成さ
れており、前記固定側金型2には成形装置の射出ユニッ
トから金型1内へ成形すべき金属材料を溶融状態にして
なる溶湯を流し込むための湯口5が形成され、さらに、
両金型2,3の間には湯道6が形成され、前記キャビデ
ィ4の入り口には湯口7が形成されている。
【0003】このような金型1において、成形すべき金
属材料を溶融状態にしてなる溶湯を成形装置の射出ユニ
ットから湯口5へ流し込むと、溶湯は湯道6及び湯口7
を通ってキャビティ4内に注入される。キャビティ4内
に注入された溶湯はキャビティ4内で冷却されることに
よって、キャビティ4の所定の立体形状に対応する形状
を保持したまま固化され、金型1を開くことによって所
定の形状を有する成形品が得られる。
属材料を溶融状態にしてなる溶湯を成形装置の射出ユニ
ットから湯口5へ流し込むと、溶湯は湯道6及び湯口7
を通ってキャビティ4内に注入される。キャビティ4内
に注入された溶湯はキャビティ4内で冷却されることに
よって、キャビティ4の所定の立体形状に対応する形状
を保持したまま固化され、金型1を開くことによって所
定の形状を有する成形品が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、成形すべき
材料が金属材料である場合、溶湯は溶融状態を保つため
に成形装置内においてその金属材料の融点以上もしくは
固相線温度以上の温度に保たれている。例えば、金属材
料がマグネシウム合金である場合には、成形装置の溶融
炉は500℃以上に設定されている。一方、金型の温度
は一般にこれよりも低い200〜300℃に設定されて
いるため、溶湯はキャビティ内に注入されると、金型に
対して放熱を開始して凝固し始める。例えば、厚みが1
mm未満の薄肉の成形品を得ようとする場合は、キャビ
ティ内において0.03〜0.5秒以内に溶湯の凝固に
よる流動停止が起こり、キャビティ内全体に溶湯が行き
渡らないために、必要とする量の溶湯がキャビティ内に
充填されず、その結果、得られた成形品に溶湯の不十分
な充填による欠陥を生ずることがあり、この傾向は大型
の成形品ほど顕著である。
材料が金属材料である場合、溶湯は溶融状態を保つため
に成形装置内においてその金属材料の融点以上もしくは
固相線温度以上の温度に保たれている。例えば、金属材
料がマグネシウム合金である場合には、成形装置の溶融
炉は500℃以上に設定されている。一方、金型の温度
は一般にこれよりも低い200〜300℃に設定されて
いるため、溶湯はキャビティ内に注入されると、金型に
対して放熱を開始して凝固し始める。例えば、厚みが1
mm未満の薄肉の成形品を得ようとする場合は、キャビ
ティ内において0.03〜0.5秒以内に溶湯の凝固に
よる流動停止が起こり、キャビティ内全体に溶湯が行き
渡らないために、必要とする量の溶湯がキャビティ内に
充填されず、その結果、得られた成形品に溶湯の不十分
な充填による欠陥を生ずることがあり、この傾向は大型
の成形品ほど顕著である。
【0005】このような溶湯の不十分な充填による成形
品の欠陥を解消するため、研磨等の仕上げ加工を行って
キャビティの表面の摩擦係数を下げることが考えられる
が、一般に金型はキャビティの表面にキャビティを構成
する母材そのものが露出しているので、この母材を研削
等の仕上げ加工をしても摩擦係数を0.1以下に下げる
ことは困難である。さらに、キャビティの表面の摩擦係
数を下げるために、研磨による鏡面加工を施こすことも
考えられるが、研磨によると、その金型加工費は研削等
の仕上げ加工と比べると、例えば5倍〜10倍程度の高
い費用を要することになる。
品の欠陥を解消するため、研磨等の仕上げ加工を行って
キャビティの表面の摩擦係数を下げることが考えられる
が、一般に金型はキャビティの表面にキャビティを構成
する母材そのものが露出しているので、この母材を研削
等の仕上げ加工をしても摩擦係数を0.1以下に下げる
ことは困難である。さらに、キャビティの表面の摩擦係
数を下げるために、研磨による鏡面加工を施こすことも
考えられるが、研磨によると、その金型加工費は研削等
の仕上げ加工と比べると、例えば5倍〜10倍程度の高
い費用を要することになる。
【0006】そこで、本発明はこのような課題を解決す
るものであって、安価なコストでキャビティ表面などの
金型内の表面の摩擦係数を小さくすることができ、それ
によって金型内において溶湯が受ける流動抵抗を減少さ
せ、薄肉の大型成形品でも精度よく成形することができ
る溶融金属の成形用金型並びに金型の補修方法及びその
ための装置を提供することを課題とする。
るものであって、安価なコストでキャビティ表面などの
金型内の表面の摩擦係数を小さくすることができ、それ
によって金型内において溶湯が受ける流動抵抗を減少さ
せ、薄肉の大型成形品でも精度よく成形することができ
る溶融金属の成形用金型並びに金型の補修方法及びその
ための装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明は、第1に、金属材料を溶融して鋳造成
形する成形装置の金型において、金型内の表面のうち少
なくともキャビティを形成する金型内の母材の表面に、
母材の表面の摩擦係数よりも摩擦係数が小さい固体潤滑
膜を形成したことを特徴とする溶融金属の成形用金型に
ある。
るための本発明は、第1に、金属材料を溶融して鋳造成
形する成形装置の金型において、金型内の表面のうち少
なくともキャビティを形成する金型内の母材の表面に、
母材の表面の摩擦係数よりも摩擦係数が小さい固体潤滑
膜を形成したことを特徴とする溶融金属の成形用金型に
ある。
【0008】第2に、前記溶融金属の成形用金型を補修
するに際し、成形装置に取り付けた金型を開き、金型内
の母材の表面に形成されている固体潤滑膜の表面に固体
潤滑膜を形成する材料を溶液の状態で塗布し、しかる後
に前記材料を加熱して焼成することを特徴とする溶融金
属の成形用金型の補修方法にある。第3に、前記固体潤
滑膜を形成する材料の溶液を収納する装置と、前記材料
の溶液を金型内の表面へ塗布する装置と、金型内の表面
に塗布された前記材料を焼成するための加熱装置を備え
たことを特徴とする溶融金属の成形装置にある。
するに際し、成形装置に取り付けた金型を開き、金型内
の母材の表面に形成されている固体潤滑膜の表面に固体
潤滑膜を形成する材料を溶液の状態で塗布し、しかる後
に前記材料を加熱して焼成することを特徴とする溶融金
属の成形用金型の補修方法にある。第3に、前記固体潤
滑膜を形成する材料の溶液を収納する装置と、前記材料
の溶液を金型内の表面へ塗布する装置と、金型内の表面
に塗布された前記材料を焼成するための加熱装置を備え
たことを特徴とする溶融金属の成形装置にある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の溶融金属の成形用金型について説明す
る。本発明の溶融金属の成形用金型は、金型内の表面の
うち少なくともキャビティを形成する金型内の母材の表
面に、母材の表面の摩擦係数よりも摩擦係数が小さい固
体潤滑膜を形成したものであり、前記固体潤滑膜の摩擦
係数は0.1以下であることが好ましく、より好ましく
は0.03以下である。
まず、本発明の溶融金属の成形用金型について説明す
る。本発明の溶融金属の成形用金型は、金型内の表面の
うち少なくともキャビティを形成する金型内の母材の表
面に、母材の表面の摩擦係数よりも摩擦係数が小さい固
体潤滑膜を形成したものであり、前記固体潤滑膜の摩擦
係数は0.1以下であることが好ましく、より好ましく
は0.03以下である。
【0010】前記のような摩擦係数が小さい固体潤滑膜
を形成するためには、例えば、カーボングラファイトの
ような摩擦係数が小さい材料を主成分とする材料が用い
られる。このような摩擦係数が小さい材料を用いると、
その小さい摩擦係数が反映されて小さい摩擦係数を有す
る固体潤滑膜が形成される。また、金型母材と固体潤滑
膜とを密着させるために、前記カーボングラファイトの
ような摩擦係数が小さい材料に無機バインダを混合して
用いることが好ましい。
を形成するためには、例えば、カーボングラファイトの
ような摩擦係数が小さい材料を主成分とする材料が用い
られる。このような摩擦係数が小さい材料を用いると、
その小さい摩擦係数が反映されて小さい摩擦係数を有す
る固体潤滑膜が形成される。また、金型母材と固体潤滑
膜とを密着させるために、前記カーボングラファイトの
ような摩擦係数が小さい材料に無機バインダを混合して
用いることが好ましい。
【0011】通常、キャビティ内に注入された溶湯は完
全溶融状態では液体であり、その流動現象は凝固や粘度
上昇を除けば、水やグリセリンのような一般の流体と同
様に扱えるものである。そして、流体力学では一般に管
内面が粗いほど流れの抵抗係数が大きく、平滑であるほ
ど抵抗係数が小さいとされており、この現象は特にレイ
ノルズ数の大きい流れで顕著である。したがって、例え
ば溶湯を5m/s以上の速い流速で金型内を流す場合に
レイノルズ数の大きい流れが形成されても、本発明の金
型においては、キャビティ表面に形成された固体潤滑膜
の表面の摩擦係数が小さく平滑であるので、溶湯が受け
る流動抵抗が小さく、キャビティ内に溶湯を充填しやす
くなる。その結果、溶湯の充填距離を伸ばすことがで
き、溶湯が流れにくい狭いキャビティ内へも溶湯を容易
に注入することができる。さらに、キャビティ表面に摩
擦係数が小さい表面平滑な固体潤滑膜を形成したことに
よって、成形品に湯じわが形成されたり、金型の転写不
良を起こしたりすることを低減させることもできる。
全溶融状態では液体であり、その流動現象は凝固や粘度
上昇を除けば、水やグリセリンのような一般の流体と同
様に扱えるものである。そして、流体力学では一般に管
内面が粗いほど流れの抵抗係数が大きく、平滑であるほ
ど抵抗係数が小さいとされており、この現象は特にレイ
ノルズ数の大きい流れで顕著である。したがって、例え
ば溶湯を5m/s以上の速い流速で金型内を流す場合に
レイノルズ数の大きい流れが形成されても、本発明の金
型においては、キャビティ表面に形成された固体潤滑膜
の表面の摩擦係数が小さく平滑であるので、溶湯が受け
る流動抵抗が小さく、キャビティ内に溶湯を充填しやす
くなる。その結果、溶湯の充填距離を伸ばすことがで
き、溶湯が流れにくい狭いキャビティ内へも溶湯を容易
に注入することができる。さらに、キャビティ表面に摩
擦係数が小さい表面平滑な固体潤滑膜を形成したことに
よって、成形品に湯じわが形成されたり、金型の転写不
良を起こしたりすることを低減させることもできる。
【0012】前記の固体潤滑膜は例えば次のようにして
形成される。固体潤滑膜を形成すべき材料、例えば前記
カーボングラファイトのような摩擦係数が小さい材料と
無機バインダとをアルコール系の溶剤に溶解し、両者が
溶解した適度の粘度の溶液を調製する。次いで、この溶
液をキャビティを形成している母材の表面にスプレ、刷
毛塗りなどによって塗布するか、あるいはキャビティを
形成している金型表面を除いて金型内にマスクを施し、
金型を溶液にディップし、キャビティを形成している金
型表面に前記溶液を塗布する。しかる後に、溶液中の揮
発性溶剤を蒸発させ、例えば、300℃以上に加熱して
焼成する。
形成される。固体潤滑膜を形成すべき材料、例えば前記
カーボングラファイトのような摩擦係数が小さい材料と
無機バインダとをアルコール系の溶剤に溶解し、両者が
溶解した適度の粘度の溶液を調製する。次いで、この溶
液をキャビティを形成している母材の表面にスプレ、刷
毛塗りなどによって塗布するか、あるいはキャビティを
形成している金型表面を除いて金型内にマスクを施し、
金型を溶液にディップし、キャビティを形成している金
型表面に前記溶液を塗布する。しかる後に、溶液中の揮
発性溶剤を蒸発させ、例えば、300℃以上に加熱して
焼成する。
【0013】このような方法によると、物理的気相成長
法(PVD)や化学的気相成長法(CVD)等の蒸着に
よって成膜する場合のような真空装置や電極などは不要
であり、金型寸法や材質の制約を受けることなく、簡便
な方法によって固体潤滑膜を形成することができる。上
記固体潤滑膜は、金型内のキャビティを形成している母
材の表面のみならず、必要に応じて金型内の湯道等の溶
湯が通過する他の箇所にも形成してもよく、このように
することによって金型内を溶湯がより一層流動し易くな
る。
法(PVD)や化学的気相成長法(CVD)等の蒸着に
よって成膜する場合のような真空装置や電極などは不要
であり、金型寸法や材質の制約を受けることなく、簡便
な方法によって固体潤滑膜を形成することができる。上
記固体潤滑膜は、金型内のキャビティを形成している母
材の表面のみならず、必要に応じて金型内の湯道等の溶
湯が通過する他の箇所にも形成してもよく、このように
することによって金型内を溶湯がより一層流動し易くな
る。
【0014】次に、本発明の金型の補修方法について説
明する。本発明の金型の補修方法は、成形装置に取り付
けた金型を開き、当初に金型内の母材の表面に形成され
た固体潤滑膜の表面全体又は損傷箇所に固体潤滑膜を形
成する材料を溶液の状態で塗布し、しかる後に前記材料
を加熱して焼成するものである。すなわち、金型を成形
装置に取り付けた状態で、金型内の母材表面に形成され
た前記固体潤滑膜を再生するものである。
明する。本発明の金型の補修方法は、成形装置に取り付
けた金型を開き、当初に金型内の母材の表面に形成され
た固体潤滑膜の表面全体又は損傷箇所に固体潤滑膜を形
成する材料を溶液の状態で塗布し、しかる後に前記材料
を加熱して焼成するものである。すなわち、金型を成形
装置に取り付けた状態で、金型内の母材表面に形成され
た前記固体潤滑膜を再生するものである。
【0015】ここで、固体潤滑膜を再生するためには、
前記当初に固体潤滑膜を形成する場合と同様に、例え
ば、カーボングラファイトのような摩擦係数が小さい材
料と無機バインダをアルコール系の溶剤に溶解した溶液
が用いられる。そして、スプレ又は刷毛塗りによって塗
布し、溶液中の揮発性溶剤を蒸発させた後、加熱して焼
成する。
前記当初に固体潤滑膜を形成する場合と同様に、例え
ば、カーボングラファイトのような摩擦係数が小さい材
料と無機バインダをアルコール系の溶剤に溶解した溶液
が用いられる。そして、スプレ又は刷毛塗りによって塗
布し、溶液中の揮発性溶剤を蒸発させた後、加熱して焼
成する。
【0016】金属材料を成形する際には、成形すべき金
属材料を溶融状態となした溶湯を速い速度で金型内に流
し込むと、溶湯の粘性によってかなりの摩擦力が金型表
面に加わることになる。そのため、連続成形を繰り返す
うちに、この摩擦力によって、金型内表面に当初に形成
した前記固体潤滑膜が剥離したり、摩耗し、当初のよう
な平滑性が保てなくなり、固体潤滑膜の補修が必要にな
ることがある。
属材料を溶融状態となした溶湯を速い速度で金型内に流
し込むと、溶湯の粘性によってかなりの摩擦力が金型表
面に加わることになる。そのため、連続成形を繰り返す
うちに、この摩擦力によって、金型内表面に当初に形成
した前記固体潤滑膜が剥離したり、摩耗し、当初のよう
な平滑性が保てなくなり、固体潤滑膜の補修が必要にな
ることがある。
【0017】そこで、固体潤滑膜の補修が必要になった
ときに、本発明の金型の補修方法によって固体潤滑膜を
再生する。本発明の金型の補修方法によると、金型を成
形装置に取り付けた状態で固体潤滑膜の再生を行うの
で、成形装置に対する金型の着脱作業が不要であって、
短時間で効率的にメンテナンスを行うことができる。し
かも、固体潤滑膜を形成する材料を溶液の状態で塗布す
るので、均一な厚みの固体潤滑膜を再生することができ
る。そして、再生後は直ちに成形を再開することができ
る。
ときに、本発明の金型の補修方法によって固体潤滑膜を
再生する。本発明の金型の補修方法によると、金型を成
形装置に取り付けた状態で固体潤滑膜の再生を行うの
で、成形装置に対する金型の着脱作業が不要であって、
短時間で効率的にメンテナンスを行うことができる。し
かも、固体潤滑膜を形成する材料を溶液の状態で塗布す
るので、均一な厚みの固体潤滑膜を再生することができ
る。そして、再生後は直ちに成形を再開することができ
る。
【0018】なお、前記の当初に金型内に固体潤滑膜を
形成する場合においても、固体潤滑膜を補修する場合と
同様に金型を成形装置に取り付けた状態で固体潤滑膜を
形成することもできる。次に、本発明の溶融金属の成形
装置について説明する。本発明の溶融金属の成形装置
は、前記金型を補修するための装置を備えたものであっ
て、補修装置として、固体潤滑膜を形成する材料の溶液
を収納する装置と、前記材料の溶液を金型内の表面へ塗
布する装置と、金型内の表面に塗布された前記材料を焼
成するための加熱装置を備えているものである。
形成する場合においても、固体潤滑膜を補修する場合と
同様に金型を成形装置に取り付けた状態で固体潤滑膜を
形成することもできる。次に、本発明の溶融金属の成形
装置について説明する。本発明の溶融金属の成形装置
は、前記金型を補修するための装置を備えたものであっ
て、補修装置として、固体潤滑膜を形成する材料の溶液
を収納する装置と、前記材料の溶液を金型内の表面へ塗
布する装置と、金型内の表面に塗布された前記材料を焼
成するための加熱装置を備えているものである。
【0019】この装置においては、固体潤滑膜を形成す
る材料の溶液を収納する装置は成形装置本体の近傍に設
けられ、固体潤滑膜を形成する材料の溶液を金型内の表
面へ塗布する装置は開いた金型の表面近傍に着脱自在に
設けられ、そして、金型内の表面に塗布された固体潤滑
膜を形成する材料を焼成するための加熱装置は、例え
ば、金型内に内蔵される。
る材料の溶液を収納する装置は成形装置本体の近傍に設
けられ、固体潤滑膜を形成する材料の溶液を金型内の表
面へ塗布する装置は開いた金型の表面近傍に着脱自在に
設けられ、そして、金型内の表面に塗布された固体潤滑
膜を形成する材料を焼成するための加熱装置は、例え
ば、金型内に内蔵される。
【0020】前記金型の補修に際しては、まず金型を開
き、金型内の固体潤滑膜を再生すべき箇所の近傍に前記
塗布装置を位置させ、塗布装置へ前記収納装置から固体
潤滑膜を形成する材料の溶液を導き、塗布装置によって
固体潤滑膜を再生すべき箇所に前記材料の溶液を塗布
し、塗布された材料を加熱装置によって焼成する。しか
る後に、塗布装置を金型近傍から外し、金型を閉じる。
き、金型内の固体潤滑膜を再生すべき箇所の近傍に前記
塗布装置を位置させ、塗布装置へ前記収納装置から固体
潤滑膜を形成する材料の溶液を導き、塗布装置によって
固体潤滑膜を再生すべき箇所に前記材料の溶液を塗布
し、塗布された材料を加熱装置によって焼成する。しか
る後に、塗布装置を金型近傍から外し、金型を閉じる。
【0021】この装置によると、金型内に形成された固
体潤滑膜を簡単な操作で短時間に再生することができ
る。以下、本発明を図面を参照しながら具体的に説明す
る。図1〜図3において、同じ構造であるものは同じ符
号で示す。図1は、本発明の成形用金型の一実施態様を
示す断面図である。
体潤滑膜を簡単な操作で短時間に再生することができ
る。以下、本発明を図面を参照しながら具体的に説明す
る。図1〜図3において、同じ構造であるものは同じ符
号で示す。図1は、本発明の成形用金型の一実施態様を
示す断面図である。
【0022】図1において、金型1は固定側金型2及び
移動側金型3から構成され、両金型2、3の間の空間に
は成形品を成形するためのキャビティ4が形成され、キ
ャビティ4を形成している母材の表面には表面が平滑な
固体潤滑膜8が形成されている。そして、前記固定側金
型2には図示されていない成形装置の射出ユニットから
金型1内へ成形材料を溶融状態にしてなる溶湯を流し込
むための湯口5が形成され、さらに、両金型2、3の間
の空間には湯道6が形成され、前記キャビディ4の入り
口には湯口7が形成されている。
移動側金型3から構成され、両金型2、3の間の空間に
は成形品を成形するためのキャビティ4が形成され、キ
ャビティ4を形成している母材の表面には表面が平滑な
固体潤滑膜8が形成されている。そして、前記固定側金
型2には図示されていない成形装置の射出ユニットから
金型1内へ成形材料を溶融状態にしてなる溶湯を流し込
むための湯口5が形成され、さらに、両金型2、3の間
の空間には湯道6が形成され、前記キャビディ4の入り
口には湯口7が形成されている。
【0023】前記固体潤滑膜8はカーボングラファイト
と無機バインダとの混合物を焼成して形成されており、
その表面の摩擦係数は0.03であり、10〜20μm
の膜厚を有する。そして、無機バインダによってカーボ
ングラファイトが金型母材に密着している。図2は、図
1の金型を備えた成形装置を示す断面図である。
と無機バインダとの混合物を焼成して形成されており、
その表面の摩擦係数は0.03であり、10〜20μm
の膜厚を有する。そして、無機バインダによってカーボ
ングラファイトが金型母材に密着している。図2は、図
1の金型を備えた成形装置を示す断面図である。
【0024】図2において、成形装置本体11には図1
に示す金型1が取り付けられ、成形装置本体11は金属
材料を供給するホッパ12、ヒータ13によって加熱さ
れ金属材料を加熱する加熱シリンダ(溶融炉)14を備
え、加熱シリンダ14の中にはスクリュー15が備えら
れ、金型1には型締め装置9が取り付けられている。こ
の成形装置において、ホッパ12から供給された金属材
料は加熱シリンダー14の中で溶融され、スクリュー1
5によって加熱シリンダー14の先端部から溶湯として
射出され、金型1の湯口5から金型1内に流入する。金
型1内に流入された溶湯は湯道6及び湯口7を通って、
表面に固体潤滑膜8が形成されているキャビティ4内に
均一に注入される。キャビティ4内に注入された溶湯は
キャビティ4内で冷却されることによって、キャビティ
4の所定の立体形状に対応する形状を保持したまま固化
され、金型1を開くことによって所望の形状を有する表
面平滑な成形品が得られる。
に示す金型1が取り付けられ、成形装置本体11は金属
材料を供給するホッパ12、ヒータ13によって加熱さ
れ金属材料を加熱する加熱シリンダ(溶融炉)14を備
え、加熱シリンダ14の中にはスクリュー15が備えら
れ、金型1には型締め装置9が取り付けられている。こ
の成形装置において、ホッパ12から供給された金属材
料は加熱シリンダー14の中で溶融され、スクリュー1
5によって加熱シリンダー14の先端部から溶湯として
射出され、金型1の湯口5から金型1内に流入する。金
型1内に流入された溶湯は湯道6及び湯口7を通って、
表面に固体潤滑膜8が形成されているキャビティ4内に
均一に注入される。キャビティ4内に注入された溶湯は
キャビティ4内で冷却されることによって、キャビティ
4の所定の立体形状に対応する形状を保持したまま固化
され、金型1を開くことによって所望の形状を有する表
面平滑な成形品が得られる。
【0025】図3は、本発明の金型を補修するための装
置を備えた成形装置の一実施態様を示す断面図である。
図3において、成形装置本体11には図2と同様に図1
に示す金型1が取り付けられ、成形装置本体11は図2
の成形装置と同様にホッパ12、ヒータ13、加熱シリ
ンダ14及びスクリュー15を備え、金型1には型締め
装置9が取り付けられている。成形装置本体11の近傍
には固体潤滑膜を形成するための溶液を収納したタンク
20が設けられ、このタンク20は吸引管21を介して
塗布装置22に連結され、塗布装置22は操作管23と
スプレノズル24を備えている。そして、固定側金型2
及び移動側金型3には加熱装置25がそれぞれ内蔵され
ている。
置を備えた成形装置の一実施態様を示す断面図である。
図3において、成形装置本体11には図2と同様に図1
に示す金型1が取り付けられ、成形装置本体11は図2
の成形装置と同様にホッパ12、ヒータ13、加熱シリ
ンダ14及びスクリュー15を備え、金型1には型締め
装置9が取り付けられている。成形装置本体11の近傍
には固体潤滑膜を形成するための溶液を収納したタンク
20が設けられ、このタンク20は吸引管21を介して
塗布装置22に連結され、塗布装置22は操作管23と
スプレノズル24を備えている。そして、固定側金型2
及び移動側金型3には加熱装置25がそれぞれ内蔵され
ている。
【0026】成形作業者が金型の表面や得られた成形品
の状態を見ながらキャビティに形成された固体潤滑膜の
損傷度合を考慮して、固体潤滑膜を補修する必要がある
と判断すると、操作管23を操作して吸引管21を介し
てタンク20からスプレノズル24に前記溶液を導き、
スプレノズル24によって前記溶液をキャビティの表面
全体又は損傷箇所に塗布し、塗布後、加熱装置25によ
って焼成を行い、キャビティ表面の固体潤滑膜を再生す
る。しかる後に、型締め装置9を作動させて金型1を閉
じ、成形の再開に供される。
の状態を見ながらキャビティに形成された固体潤滑膜の
損傷度合を考慮して、固体潤滑膜を補修する必要がある
と判断すると、操作管23を操作して吸引管21を介し
てタンク20からスプレノズル24に前記溶液を導き、
スプレノズル24によって前記溶液をキャビティの表面
全体又は損傷箇所に塗布し、塗布後、加熱装置25によ
って焼成を行い、キャビティ表面の固体潤滑膜を再生す
る。しかる後に、型締め装置9を作動させて金型1を閉
じ、成形の再開に供される。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明の金型によると、安
価なコストでキャビティ表面などの金型内表面の摩擦係
数を小さくすることができる。それによって金型内にお
いて溶湯が受ける流動抵抗を減少させて、溶湯の充填距
離を伸ばすことができ、溶湯が流れにくい狭いキャビテ
ィ内へも溶湯を注入することができ、ひいては湯じわや
金型の転写不良などが少ない外観品質のよい薄肉の大型
成形品を精度よく得ることができる。
価なコストでキャビティ表面などの金型内表面の摩擦係
数を小さくすることができる。それによって金型内にお
いて溶湯が受ける流動抵抗を減少させて、溶湯の充填距
離を伸ばすことができ、溶湯が流れにくい狭いキャビテ
ィ内へも溶湯を注入することができ、ひいては湯じわや
金型の転写不良などが少ない外観品質のよい薄肉の大型
成形品を精度よく得ることができる。
【0028】また、本発明の金型の補修方法によると、
短時間で効率的に金型のメンテナンスを行うことがで
き、それによって外観品質のよい成形品を継続して得る
ことができる。しかも、金型自体の寿命を伸ばすことも
できる。さらに、本発明の成形装置によると、簡単な操
作で短時間に金型を補修することができる。
短時間で効率的に金型のメンテナンスを行うことがで
き、それによって外観品質のよい成形品を継続して得る
ことができる。しかも、金型自体の寿命を伸ばすことも
できる。さらに、本発明の成形装置によると、簡単な操
作で短時間に金型を補修することができる。
【図1】 本発明の成形用金型の一実施形態を示す断面
図である。
図である。
【図2】 図1の金型を備えた成形装置を示す断面図で
ある。
ある。
【図3】 本発明の成形装置の一実施態様を示す断面図
である。
である。
【図4】 従来の金型を示す断面図である。
1 金型 2 固定側金型 3 移動側金型 4 キャビティ 5 湯口 6 湯道 7 湯口 8 固体潤滑膜 9 型締め装置 11 成形装置本体 12 ホッパ 13 ヒータ 14 加熱シリンダ 15 スクリュー 20 タンク 21 吸引管 22 塗布装置 23 操作管 24 スプレノズル 25 加熱装置
Claims (5)
- 【請求項1】 金属材料を溶融して鋳造成形する成形装
置の金型において、金型内の表面のうち少なくともキャ
ビティを形成する金型内の母材の表面に、母材の表面の
摩擦係数よりも摩擦係数が小さい固体潤滑膜を形成した
ことを特徴とする溶融金属の成形用金型。 - 【請求項2】 固体潤滑膜の表面の摩擦係数が0.1以
下であることを特徴とする請求項1記載の溶融金属の成
形用金型。 - 【請求項3】 固体潤滑膜がカーボングラファイトと無
機バインダとからなることを特徴とする請求項1又は2
記載の溶融金属の成形用金型。 - 【請求項4】 請求項1記載の溶融金属の成形用金型を
補修するに際し、成形装置に取り付けた金型を開き、金
型内の母材の表面に形成されている固体潤滑膜の表面に
固体潤滑膜を形成する材料を溶液の状態で塗布し、しか
る後に前記材料を加熱して焼成することを特徴とする溶
融金属の成形用金型の補修方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の固体潤滑膜を形成する材
料の溶液を収納する装置と、前記材料の溶液を金型内の
表面へ塗布する装置と、金型内の表面に塗布された前記
材料を焼成するための加熱装置を備えたことを特徴とす
る溶融金属の成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000005689A JP2001191148A (ja) | 2000-01-06 | 2000-01-06 | 溶融金属の成形用金型並びにその補修方法及びそのための装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000005689A JP2001191148A (ja) | 2000-01-06 | 2000-01-06 | 溶融金属の成形用金型並びにその補修方法及びそのための装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001191148A true JP2001191148A (ja) | 2001-07-17 |
Family
ID=18534317
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000005689A Pending JP2001191148A (ja) | 2000-01-06 | 2000-01-06 | 溶融金属の成形用金型並びにその補修方法及びそのための装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001191148A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103495700A (zh) * | 2013-10-21 | 2014-01-08 | 邵宏 | 防飞边贴膏 |
-
2000
- 2000-01-06 JP JP2000005689A patent/JP2001191148A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103495700A (zh) * | 2013-10-21 | 2014-01-08 | 邵宏 | 防飞边贴膏 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20050247427A1 (en) | Metal molding method and apparatus | |
JP4694358B2 (ja) | 鋳造方法と鋳造型の製造方法 | |
JP3882013B2 (ja) | 鋳造装置の給湯装置 | |
AU3090692A (en) | Casting of light metal alloys | |
CN113399641B (zh) | 一种铝合金压铸件的高致密度压铸成型方法 | |
MX2007013608A (es) | Distribuidor de suspension de aleacion metalica. | |
CN1817507A (zh) | 一种消失模铸渗工艺 | |
JP3988660B2 (ja) | 金型交換による成形品の射出及び加飾成形方法 | |
JPH01245953A (ja) | ダイカスト方法およびダイカスト装置 | |
JP2009255118A (ja) | 粗材冷却装置および方法 | |
JP2016120518A (ja) | ダイカスト方法 | |
JP2001191148A (ja) | 溶融金属の成形用金型並びにその補修方法及びそのための装置 | |
DE19530254A1 (de) | Verfahren zur Erzeugung von Hohlräumen in Gußteilen und Form (Teil II) | |
JP2011156549A (ja) | プランジャー装置およびプランジャーチップ | |
US6786271B2 (en) | Metal object forming method utilizing freezing point depression of molten metal | |
JP5474746B2 (ja) | 半凝固金属の供給方法 | |
JP4211457B2 (ja) | 金型および粉体離型剤供給方法 | |
JPH01241352A (ja) | 低圧鋳造方法及び低圧鋳造装置 | |
JPH01202349A (ja) | 連続鋳造方法 | |
JP2002113564A (ja) | 低融点金属製品の成形用金型 | |
JP3855613B2 (ja) | マグネシウム合金用成形金型への離型剤の付着方法及び成形金型 | |
JPS635862A (ja) | プランジヤ加圧鋳造装置 | |
CN1321765C (zh) | 还原铸造方法 | |
JP4509343B2 (ja) | 半溶融金属素材の鍛造方法および鍛造装置 | |
JPH0318980B2 (ja) |