JP2001188474A - 筆記具におけるクリップ用貼着ラベル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリップ肩部の曲面部を経由してその曲面部
に連設する平坦面部まで貼着される貼着ラベルであっ
て、該貼着ラベル貼着時における平坦部間の曲面部位で
生じている常態保形性の復元力を、表示内容の読み易さ
を損なうことなく平坦面部に貼着される貼着部分に伝達
されないよう低下させる。 【解決手段】 クリップＡの表面に貼着する貼着ラベル
１を曲面部位１１と平坦面部位１２、１２とで構成し、
該曲面部位１１の両側縁には、Ｖ字カット２１、２１を
切欠し、そのＶ字カット２１、２１の鋭角部先端から互
いに接近する方向に僅か長さの切り込み３１、３１を延
伸し、その切り込み３１、３１間で狭間部４１を構成し
て、その狭間部４１が曲面部位１１の剛性を弱めて常態
保形性によって生じる復元力を吸収して低下させ、ま
た、その狭間部４１が途切れのない表示面を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、筆記具におけるク
リップ用貼着ラベル、詳しくはシャープペンシル、ボー
ルペン、マーカーペン等のクリップに表示を目的として
貼着される貼着ラベルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、シャープペンシル、ボールペン、
マーカーペン等の筆記具には、商品名、注意書き、ロッ
ト番号、自社製品マーク等を表示する貼着ラベルが装飾
体を兼ねて貼着されることが多い。この貼着ラベルは、
例えばアルミニウム等の金属フイルムや紙や、塩化ビニ
ル、ポリエステル樹脂等のベース体上面に印刷部を、そ
のベース体下面に貼着層を夫々施して剥離フィルムに保
持され、筆記具には機械的や人為的な手段で貼着されて
いる。

【０００３】この種の貼着ラベルは、その厚みにもよる
が平面状に復元しようとする常態保形性により、この種
貼着ラベルが筆記具の軸筒等の曲面へ貼着されても、経
時変変化や、高温、多湿等の条件下で貼着力が弱くなる
と、該貼着ラベルの曲げ方向の端部がその常態保形性に
より貼着対象の筆記具の曲面から剥がれ起きてしまうと
いう問題があった。この問題を解決すべく提案されたの
が実開平７−２９５６８号公報記載の技術である。この
先行技術は、筆記具の軸筒の周方向に貼着さる貼着ラベ
ルに係るものであって、その曲面の曲げ方向への貼着ラ
ベル両端部位が剥がれ起きないようにするために、貼着
される曲面の曲げ方向に対して略直角方向に横断状に切
り込みを設け、その切り込みによって曲げ方向への剛性
を弱くして常態保形性による復元力を低下させ、それに
よって両端部位の剥がれ起きを防止することが狙いとさ
れている。

【０００４】ところで、従来技術では、軸筒の周方向に
貼着されるため、筆記具を回転させなければ表示内容が
読み取れない。そこで、クリップ表面を貼着対象面とし
て有効活用することによって表示内容を一目で読み取れ
るようにすることが提案される。しかしながら、軸筒の
周方向に貼着される曲面の曲げ方向に対して略直角方向
に横断状をもって切り込みを形成した従来技術から想起
される単純な発想では、貼着面積が小さなクリップ付け
根側の平坦面部に貼着される貼着部分の剥がれ起き現象
はもとより、横断状の切り込みが及ぼす表示内容の読み
難さを解決することはできない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来事情
に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、ク
リップ肩部の曲面部を経由してその曲面部に連設する平
坦面部まで貼着される貼着ラベルであって、該貼着ラベ
ル貼着時において平坦面部間の曲面部で生じているラベ
ルの常態保形性による復元力を、表示内容の読み易さを
損なうことなく平坦面部に貼着される貼着部分に伝達さ
れないよう低下させることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記技術的課題を解決す
るために講じた技術的手段として、筆記具のクリップの
表面に、クリップ肩部の曲面部を経由してその曲面部に
連設する平坦面部まで貼着される貼着ラベルであって、
該貼着ラベルの前記曲面部に貼着された曲面部位の両側
縁に、それぞれ切欠部を形成し、その切欠部の先端間で
狭間部を構成していることを要旨とする。また、その切
欠部は、例えばクリップ肩部の曲面部に貼着する曲面部
位の範囲内、例えばその中央の両側縁に切欠されるＶ字
カットとし、そのカット口を曲面部位の側縁から連続す
る二凸曲線状に形成し、その両Ｖ字カットの先端間で狭
間部を構成していると、狭間部を除く曲面部位の貼着面
積が単なるＶ字カットよりも拡張されて増強し、好適な
ものになる。そして、カット口を曲面部位の側縁から連
続する二凸曲線状とするＶ字カットの鋭角部先端から互
いに接近する方向に僅か長さの切り込みを更に延伸して
設け、その切り込み間で狭間部を構成すると、狭間部の
強度が低下し、より好適なものになる。また、前記切り
込みは、１ｍｍ以下程度の僅かな長さのものである。

【０００７】前記技術的手段によれば、クリップ表面肩
部の曲面部に貼着される曲面部位の常態保形性に起因す
る剥がれ起き現象への復元力を、曲面部位における切欠
部間の狭間部で吸収して低下させ、且つその切欠部間の
狭間部が、幅方向に横断するミシン目、切り込み等で狭
間部を構成した場合のように表示内容が途切れたり、表
示内容を理解できなくする等の問題点を発生させない表
示面を形成する。また、その切欠部が、カット口を曲面
部位の側縁から連続する二凸曲線状とするＶ字カットで
あると、単なるＶ字カットに比べて曲面部位への貼着面
積を拡張させて、貼着強度を高める。そして、前記Ｖ字
カット鋭角部先端から互いに接近する方向に延伸する切
り込みを形成していると、狭間部の曲げ方向への剛性を
更に弱めることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に本発明筆記具におけるクリッ
プ用貼着ラベルの実施の形態を説明すると、図１、図２
は、第１の実施の形態を示し、図３は、第２の実施の形
態を示しており、共に符号１はその貼着ラベルである。

【０００９】図１、図２について説明すると、この貼着
ラベル１には、商品名、注意書き、ロット番号、自社製
品マーク等を表示し、従来と同様にアルミニウム等の蒸
着フイルムや紙や、塩化ビニル、ポリエステル樹脂等か
らなるベース体上面に印刷部を、ベース体下面に貼着層
を夫々施し、剥離可能なフィルムに保持されている。
尚、前記ベース体が透明なものにあっては、そのベース
体の下面に印刷部を施しても良いものである。

【００１０】また、この貼着ラベル１は、筆記具におけ
る、肩部に曲面部ａ１を備えたクリップＡのその曲面部
ａ１を経由してクリップＡの付け根側の平坦面部ａ２、
クリップＡの前面側の平坦面部ａ２まで貼着できる細長
状を呈してなり、前記曲面部ａ１に貼着される曲面部位
（図２の斜線で示す部分）１１の両側縁にそれぞれ切欠
部としてＶ字カット２１、２１を切欠形成し、そのＶ字
カット２１、２１の鋭角部先端から延伸する切り込み３
１、３１を設けている。クリップＡの表面に貼着される
この貼着ラベル１は、前記曲面部位１１と前記平坦面部
ａ２、ａ２に貼着される平坦面部位１２、１２とで構成
されている。

【００１１】前記Ｖ字カット２１、２１は、図２に示す
ように曲面部位（図２の斜線域）１１の両側縁、例えば
中央部位に切欠されている。尚、Ｖ字カット２１、２１
の切欠位置は、曲面部位１１においてその中央部位に限
るものではない。そして、本実施の形態では、Ｖ字カッ
ト２１、２１を、カット口を曲面部位１１の側縁から連
続する二凸曲線２１ａ、２１ａで形成し、そのＶ字カッ
ト２１、２１の鋭角部先端から互いに接近する方向に僅
か長さの切り込み３１、３１を更に延伸して設け、その
切り込み３１、３１間で狭間部４１を構成させている。

【００１２】このように構成されているクリップ用貼着
ラベルは機械的または人為的な手段で筆記具のクリップ
Ａの表面に貼着される。肩部に曲面部ａ１を備えたクリ
ップＡの表面に貼着する貼着ラベル１では、曲面部ａ１
に相対する曲面部位１１に、常態保形性で平面状に保持
しようとする復元力が常時発生し貼着力と均衡を保って
いる。経時変化や、高温、多湿等の外的条件でその貼着
力が低下したときには、両Ｖ字カット２１、２１の鋭角
部先端間に僅か長さの切り込み３１、３１を更に延伸し
て構成した弱化部である狭間部４１が曲面部位１１の復
元力を吸収して低下させて、クリップ付け根側の平坦面
部ａ２に貼着される平坦面部位１２の剥がれ起き現象を
防止するのである。そして、カット口を二凸曲線状とす
るＶ字カット２１、２１の貼着面積拡張作用で曲面部位
１１への貼着強度を増強させ、また、狭間部４１が途切
れ部がない表示面を確保し、商品名、注意書き、ロット
番号、自社製品マーク等の表示内容を読み易くもするの
である。

【００１３】次に、図３に示す実施の形態を説明する。
この実施の形態は、曲面部位１１から平坦面部位１２、
１２に変る部位の貼着ラベルの両側縁に各々Ｖ字カット
２１、２１を切欠し、対向する該Ｖ字カット２１、２１
の鋭角部先端から更に延伸する切り込み３１、３１間で
前記する第１の実施の形態と同じ狭間部４１、４１を構
成している。この実施の形態では、前記する剥がれ起き
現象への復元力が、剛性を弱める狭間部４１を増加した
分、効果的に吸収、低下されて、クリップ付け根側の平
坦面部ａ２に貼着される平坦面部位１２の剥がれ起き現
象を防止するようになる。

【００１４】

【実施例】図１、図２に示す貼着ラベル１は横幅寸法７
ｍｍ、長さ寸法２８ｍｍの細長状を呈し、クリップＡの
表面に貼着した場合、クリップＡの付け根の端部から略
３．５ｍｍの部位に鋭角部を位置させるようにＶ字カッ
ト２１、２１が形成されており、そのＶ字カット２１、
２１は、貼着ラベル１の曲面部位１１中にあり、その両
側縁に１．５ｍｍ半径の二凸曲線２１ａ、２１ａで形成
されたカット口を形成し、その鋭角部先端から互いに接
近する方向に０．５ｍｍ長さの切り込み３１、３１を設
け、その切り込み３１、３１間で狭間部４１を構成して
いる。また、図３に示す貼着ラベル１は、前記と同縦横
寸法の細長状とし、クリップＡの表面に貼着した場合、
クリップＡの付け根の端部から１ｍｍ及び６ｍｍの部位
に鋭角部を位置させて１．５ｍｍ半径の二凸曲線２１
ａ、２１ａでカット口を形成し、その鋭角部先端から互
いに接近する方向に０．５ｍｍ長さの切り込み３１、３
１を切入して、その間に狭間部４１、４１を構成してい
る。尚、貼着ラベル１の横幅寸法、クリップＡの曲面部
位１１の曲率等で、そのＶ字カット２１、２１の大き
さ、二凸曲線２１ａ、２１ａの曲率、切り込み３１の長
さが設定されることは云うまでもないものである。

【００１５】尚、詳述しないが、本発明では、切欠部が
矩形状のカットを包含するし、Ｖ字カットにあっては、
カット口が二直線で形成されるものや、その鋭角部先端
に延伸する切り込みがないクリップ用の貼着ラベルであ
ってもよいことは云うまでもない。

【００１６】

【発明の効果】本発明は以上のように筆記具のクリップ
の表面に貼着される貼着ラベルであるから、筆記具をい
ちいち回転させずとも商品名、注意書き等の表示内容を
一目で読み取ることができる。その上、クリップ肩部の
曲面部に貼着された曲面部位の両側縁に、切欠部を形成
し、その切欠部の先端間で狭間部を構成しているから、
その狭間部がその曲面部位の常態保形性によって生じる
復元力を吸収し低下させて、クリップ付け根側の平坦面
部に貼着される平坦面部位の剥がれ起き現象を防止し、
また、狭間部が幅方向に横断するミシン目、切り込み等
で形成されている場合と違い途切れ部のない表示面を確
保し表示内容を鮮明にして読み易くする。その上、Ｖ字
カットが、カット口を曲面部位の側縁から連続する二凸
曲線状である場合には、狭間部を除く曲面部位の貼着面
積を拡張し貼着強度を高めて貼着力低下の鈍化に寄与す
ることができる。また、そのＶ字カットの鋭角部先端か
ら互いに接近する方向に僅か長さの切り込みを更に延伸
して設け、その切り込み間で狭間部を構成しているもの
にあっては、僅かな切り込みの延伸で狭間部の剛性を効
果的に弱化させ、前記平坦面部位の剥がれ起き現象を防
止し、より信頼性の高いクリップ用貼着ラベルを提供す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】クリップ用貼着ラベルの第１の実施形態を示す
斜視図。

【図２】同貼着ラベルをフィルム（剥離フィルム）に保
持している状態を示す平面図で一部切欠して示す。

【図３】筆記具におけるクリップ用貼着ラベルの展開
図。

【符号の説明】

Ａ：クリップ ａ１：曲面部 １：貼着ラベル １１：曲面部位 １２：平坦面部位 ２１：Ｖ字カット
（切欠部） ２１ａ：二凸曲線 ３１：切り込み ４１：狭間部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筆記具のクリップの表面に、クリップ肩
   部の曲面部を経由してその曲面部に連設する平坦面部ま
   で貼着される貼着ラベルであって、該貼着ラベルの前記
   曲面部に貼着された曲面部位の両側縁に、それぞれ切欠
   部を形成し、その切欠部の先端間で狭間部を構成してい
   ることを特徴とする筆記具におけるクリップ用貼着ラベ
   ル。
2. 【請求項２】 前記切欠部はＶ字カットであり、そのＶ
   字カットが、カット口を曲面部位の側縁から連続する二
   凸曲線状であることを特徴とする請求項１記載の筆記具
   におけるクリップ用貼着ラベル。
3. 【請求項３】 前記Ｖ字カットの鋭角部先端から互いに
   接近する方向に僅か長さの切り込みを更に延伸して設
   け、その切り込み間で狭間部を構成していることを特徴
   とする請求項２記載の筆記具におけるクリップ用貼着ラ
   ベル。