JP2001187496A

JP2001187496A - 偽造防止シートの作成方法および偽造防止シート

Info

Publication number: JP2001187496A
Application number: JP37539099A
Authority: JP
Inventors: Toru Maruyama; 徹丸山
Original assignee: Toppan Forms Co Ltd
Current assignee: Toppan Edge Inc
Priority date: 1999-12-28
Filing date: 1999-12-28
Publication date: 2001-07-10

Abstract

(57)【要約】【課題】簡単な構成で容易にコピー機によるコピーを
防止した偽造防止シートを作成する方法およびその方法
により作成される新規な偽造防止シートを提供する。【解決手段】（１）基材表面に文字、線、図柄、写真
などを印刷する工程、（２）印刷された印刷部の少なく
とも一部の上部に接着剤層を設けるかあるいは接着剤層
を設けることなく透明性を有する熱可塑性ポリマーを積
層する工程、（３）積層された前記熱可塑性ポリマー層
の少なくとも一部を熱加工して、プラスチックレンズ化
する工程を含む偽造防止シートの作成方法により課題を
解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、偽造防止シートの
作成方法および偽造防止シートに関するものであり、さ
らに詳しくはコピー機によるコピーを防止するための偽
造防止シートの作成方法および偽造防止シートに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、キャッシュカードやクレ
ジットカードにおいて、カードと使用者との同一性を確
認するためにカードの所有者の顔写真若しくはサイン、
又は所有者のＩＤ番号等を表示したものが知られてい
る。これらは、カードの偽造を牽制し、セキュリティ性
を高める手段としても用いられる。しかし、従来のカー
ドは、コピー機によりコピーされて、偽造される場合が
あり、偽造を防止する有効な手段ではなかった。コピー
防止技術には、透かしを入れた紙、着色用紙、チップ入
り紙、毛入り紙などの基材自体による偽造防止技術や、
地紋、彩紋、棒彩紋、ロゴラインなどを印刷したり、蛍
光インキ、消色インキなどの特殊インキを用いて印刷す
るなど印刷技術による偽造防止技術などがあるが、煩雑
になり、コスト高になる問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の第１の目的
は、このような従来の問題を解決し、簡単な構成で容易
にコピー機によるコピーを防止した偽造防止シートを作
成する方法を提供することであり、本発明の第２の目的
は、本発明の作成方法により得られる新規な偽造防止シ
ートを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、基材上に文字などを
印刷した後、その上に透明性を有する熱可塑性ポリマー
を積層し、この熱可塑性ポリマー層を加熱プレス加工や
加熱エンボス加工などして熱可塑性ポリマー層をプラス
チックレンズ化することにより、例えば２種類以上のレ
ンズタイプ（凸レンズとレンチキュラーレンズ、凹レン
ズとレンチキュラーレンズ、凹レンズと凸レンズなど）
の透明プラスチックレンズを備えた偽造防止シートを容
易に得ることができる、ことを見い出して本発明を完成
するに至った。

【０００５】本発明の請求項１は、下記の工程を含むこ
とを特徴とする偽造防止シートの作成方法に関するもの
である。（１）基材表面に文字、線、図柄、写真などを印刷する
工程、（２）印刷された印刷部の少なくとも一部の上部
に接着剤層を設けるかあるいは接着剤層を設けることな
く透明性を有する熱可塑性ポリマーを積層する工程、
（３）積層された前記熱可塑性ポリマー層の少なくとも
一部を熱加工して、プラスチックレンズ化する工程。

【０００６】本発明の請求項２は、表面に文字、線、図
柄、写真などが印刷された印刷部を有する基材と、前記
印刷部の上部に接着剤層を設けるかあるいは接着剤層を
設けることなく形成された２種類以上のレンズタイプの
透明プラスチックレンズとを備えたことを特徴とする偽
造防止シートに関するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
一実施形態について説明する。図１（イ）〜（ホ）は、
本発明の偽造防止シートの作成方法の工程を示す説明図
である。（イ）１は本発明で用いる基材である。基材１は、合成
樹脂もしくは紙材の単体またはこれらの組み合わせを使
用することができる。合成樹脂としては、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹
脂、ＡＢＳ、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカー
ボネートまたはアクリル樹脂などが挙げられる。各種用
途のシートとして用いるためには基材１の強度としては
可撓性を有するものが好ましいが、カードとして用いる
ためには基材１の強度としては、容易に折り曲がらない
ものであってもよく、あるいは可撓性を有するものであ
ってもよい。

【０００８】（ロ）基材１の表面の所定の箇所に公知の
方法で文字、線、図柄、写真などを印刷する。２は印刷
が施された印刷部を示す。

【０００９】（ハ）印刷部２の上部に接着剤層３を公知
の方法で設ける。接着剤は基材１と後述する透明性を有
する熱可塑性ポリマー層４を接着し、剥離し難くするよ
うなものであれば使用でき、例えば、熱可塑性接着剤で
も熱硬化性接着剤でも使用できる。透明性を有する接着
剤は好ましく使用できる。熱可塑性ポリマー層４を基材
１の上に公知の方法で溶融ラミネートするなどの方法に
より積層すると、熱可塑性ポリマー層４自体が基材１に
接着し、剥離しないような熱可塑性ポリマーと基材１の
組み合わせである場合には接着剤層３を設けなくてもよ
い。

【００１０】（ニ）次に、接着剤層３の上に、溶融ラミ
ネートするなどの方法により透明性を有する熱可塑性ポ
リマーを積層して熱可塑性ポリマー層４を形成する。熱
可塑性ポリマー層４は印刷部２の全部を覆うように形成
してもよく、あるいはコピーされるのを防止したい一部
の印刷部２を覆うように形成してもいずれでもよい。

【００１１】（ホ）熱可塑性ポリマー層４を形成した
後、図示しない金型を用いて加熱プレス加工するか、あ
るいは図示しないエンボスロールを用いて加熱エンボス
加工するなどして熱可塑性ポリマー層４を熱加工してプ
ラスチックレンズ化して本発明の偽造防止シート５を作
成する。４０はこのようにして形成されたプラスチック
レンズを示す。本発明の偽造防止シート５はプラスチッ
クレンズ４０が表面に形成されているので、コピー機で
コピーしても印刷部２の文字、線、図柄、写真などが鮮
明にコピーできず、偽造防止効果が高い。もし、本発明
の偽造防止シート５のプラスチックレンズ４０を剥離し
ようとしても剥離が困難であり、例え剥離したとしても
印刷部２が破壊される。

【００１２】本発明で作成される上記のプラスチックレ
ンズ４０の種類を図２〜図５に例示する。図２（イ）、
（ロ）は、レンチキュラーレンズの説明図である。
（イ）はレンチキュラーレンズの斜視図であり、レンチ
キュラーレンズ４１は断面が略半円柱状の複数の棒状体
のものが基材１上に平行に多数並べて設けられて形成さ
れている。（ロ）は、レンチキュラーレンズ４１の平面
説明図である。

【００１３】図３（イ）、（ロ）は多数の小さな凸レン
ズからなるプラスチックレンズ４２の説明図である。
（イ）はプラスチックレンズ４２の平面説明図であり、
レンチキュラーレンズ４２は半球状の小さな凸レンズが
基材１上に多数並べて設けられて形成されている。
（ロ）は、プラスチックレンズ４２の断面説明図であ
る。

【００１４】図４は、他のプラスチックレンズ４３の説
明図である。他のプラスチックレンズ４３は１つの大き
な凸レンズからなり、基材１上に全体を覆うように形成
されている。プラスチックレンズ４３が基材１上に全体
を覆うように形成されているので、上方から図示しない
印刷部２の文字、線、図柄、写真などを肉眼である程度
目視できるが、コピー機によってコピーしようとしても
歪んだり、ボケたりして鮮明にコピーできない特徴があ
る。

【００１５】図５は、他のプラスチックレンズ４４の説
明図である。他のプラスチックレンズ４４は１つの大き
な凹レンズからなり、基材１上に全体を覆うように形成
されている。プラスチックレンズ４４が基材１上に全体
を覆うように形成されているので、上方から図示しない
印刷部２の文字、線、図柄、写真などを肉眼である程度
目視できるが、コピー機によってコピーしようとしても
歪んだり、ボケたりして鮮明にコピーできない特徴があ
る。

【００１６】図６および図７は、本発明の偽造防止シー
トの他の例を示す説明図ある。図６に示す本発明の他の
偽造防止シート５１には、文字、線、図柄、写真などが
印刷された図示しない印刷部２を有する基材１上に図２
に示したレンチキュラーレンズ４１と図３に示した他の
プラスチックレンズ４２が相互に連続して一体に形成さ
れている。本発明によれば、前記のようにして熱可塑性
ポリマー層４を熱加工してプラスチックレンズ化する際
に使用される金型あるいはエンボスロールに予め精密機
械加工表面処理を施しておくことにより、レンチキュラ
ーレンズ４１と他のプラスチックレンズ４２が相互に連
続して一体に形成された本発明の偽造防止シート５１を
容易に作成できる。

【００１７】図７に示す本発明の他の偽造防止シート５
２には、文字、線、図柄、写真などが印刷された図示し
ない印刷部２を有する基材１上に図２に示したレンチキ
ュラーレンズ４１と図３に示した他のプラスチックレン
ズ４２と図４に示した他のプラスチックレンズ４３とが
一体に形成されている。本発明によれば、前記のように
して熱可塑性ポリマー層４を熱加工してプラスチックレ
ンズ化する際に、使用される金型あるいはエンボスロー
ルに予め精密機械加工表面処理を施しておくことによ
り、レンチキュラーレンズ４１と他のプラスチックレン
ズ４２と他のプラスチックレンズ４３が一体に形成され
た本発明の偽造防止シート５２を容易に作成できる。

【００１８】本発明の他の偽造防止シート５２は、プラ
スチックレンズ４３が形成された部分は、上方から図示
しない印刷部２の文字、線、図柄、写真などを肉眼で見
ようとすればある程度目視できるが、偽造防止シート５
２全体はコピー機によってコピーしようとしても歪んだ
り、ボケたりして鮮明にコピーできない特徴があるの
で、用途によって便利に使用できる。

【００１９】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各
部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の
技術的範囲内で種々の変形が可能である。

【００２０】例えば、上記の実施例では図２〜図５に示
したプラスチックレンズを例示したがプラスチックレン
ズの種類はこれらの例に限定されず、例えば複数曲率を
有するプラスチックレンズであってもよい。

【００２１】また、図６および図７に示す本発明の他の
偽造防止シートは２種類あるいは３種類のプラスチック
レンズが相互に連続して一体に形成されているものを例
示したが、本発明の偽造防止シートにおいては２種類以
上のレンズタイプの複数のプラスチックレンズが形成さ
れていればプラスチックレンズのレイアウトは自在であ
り、例えばあるものは相互に連続していても、あるもの
は相互に離れていてもあるいはこれらを組み合わせたも
のでもよい。

【００２２】また、上記の実施例ではプラスチックレン
ズを形成するために透明性を有する熱可塑性ポリマーを
基材上に積層したが、外表面に印刷層などを被覆保護す
るための熱可塑性ポリマーからなる透明性を有する保護
層（オーバーコート層）が積層されてなる磁気カードな
どの場合は、前記保護層（オーバーコート層）を形成し
た後、前記保護層（オーバーコート層）を加熱プレス加
工するか、あるいは加熱エンボス加工するなどして熱加
工してプラスチックレンズ化すればよく、容易に偽造防
止磁気カード（本発明の偽造防止シート）を作成でき
る。

【００２３】

【発明の効果】本発明の請求項１記載の方法により、基
材上に文字などを印刷した後、その上に透明性を有する
熱可塑性ポリマーを積層し、この熱可塑性ポリマー層を
加熱プレス加工や加熱エンボス加工などして熱可塑性ポ
リマー層をプラスチックレンズ化することにより、透明
プラスチックレンズを備えたコピー機によるコピーを防
止した偽造防止シートを容易に作成できる。

【００２４】本発明の請求項２記載の偽造防止シート
は、２種類以上のレンズタイプ（例えば、凸レンズとレ
ンチキュラーレンズ、凹レンズとレンチキュラーレン
ズ、凹レンズと凸レンズなど）の透明プラスチックレン
ズを備えており、コピー機によるコピーを防止できる
上、肉眼で印刷部を目視できるようにすることもでき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】（イ）〜（ホ）は、本発明の偽造防止シートの
作成方法の工程を示す説明図である。

【図２】（イ）〜（ロ）は、本発明の偽造防止シートに
用いられるプラスチックレンズの１例を示す説明図であ
り、（イ）はレンチキュラーレンズの斜視図であり、
（ロ）は、レンチキュラーレンズの平面説明図である。

【図３】（イ）〜（ロ）は、本発明の偽造防止シートに
用いられる他のプラスチックレンズを示す説明図であ
り、（イ）は他のプラスチックレンズの平面説明図であ
り、（ロ）は、他のプラスチックレンズの断面説明図で
ある。

【図４】本発明の偽造防止シートに用いられる他のプラ
スチックレンズを示す断面説明図である。

【図５】本発明の偽造防止シートに用いられる他のプラ
スチックレンズを示す断面説明図である。

【図６】本発明の他の偽造防止シートを示す説明図であ
る。

【図７】本発明の他の偽造防止シートを示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１基材２印刷部３接着剤層４熱可塑性ポリマー層５、５１、５２偽造防止シート４０、４１、４２、４３、４４プラスチックレンズ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】下記の工程を含むことを特徴とする偽造
防止シートの作成方法。（１）基材表面に文字、線、図柄、写真などを印刷する
工程、（２）印刷された印刷部の少なくとも一部の上部
に接着剤層を設けるかあるいは接着剤層を設けることな
く透明性を有する熱可塑性ポリマーを積層する工程、
（３）積層された前記熱可塑性ポリマー層の少なくとも
一部を熱加工して、プラスチックレンズ化する工程。
【請求項２】表面に文字、線、図柄、写真などが印刷
された印刷部を有する基材と、前記印刷部の上部に接着
剤層を設けるかあるいは接着剤層を設けることなく形成
された２種類以上のレンズタイプの透明プラスチックレ
ンズとを備えたことを特徴とする偽造防止シート。