JP2001187165A - 消火剤、消火用水及び消火方法 - Google Patents
消火剤、消火用水及び消火方法Info
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Abstract
して燃焼物に付着して消火・延焼を防止する消火剤の提
供。 【解決手段】 特定の設定温度以下では水溶性で、設定
温度以上の温度である火災の熱で水を含んでゲル化ない
し固形化する感温性ポリマーを含む消火剤、該消火剤を
水に溶解した、必要に応じて防炎剤、他の消火剤等を含
む、消火用水、及び該消火用水を使用する消火方法。
Description
に消火用の水を保持させることのできる消火剤、消火用
水及びこれを使用する消火方法に関するものである。
ている。わが国では水資源が比較的豊富でかつ上水道が
普及しているため、消火には上水道が主として使用さ
れ、防火水槽や河川の水が補助的に用いられている。し
かし、阪神・淡路大震災のような大地震などによって水
道管の破裂や防火水槽の損壊などが生じた場合には限ら
れた水で消火しなければならない。また、山林の火災な
どの場合も同様である。これらの場合の消火方法とし
て、例えば、消火用の化学薬品を用いるとか砂を掛ける
など方法が採られているが、前者は水に比べて高価であ
るとか使用に注意が必要であるなどの問題点を有し、後
者は重くてかつ流動性が無いため消火地点に容易に送れ
ないなどの問題点を有している。
よって燃焼物を着火点又は発火点以下に冷却する作用や
酸素の遮断作用などにより消火するが、用いられた水の
多くは燃焼物面より流れ落ちてしまうため、効率の悪い
結果となっている。消火に使用した水が燃焼物の表面に
残留すれば、上記の消火作用がより十分に得られるもの
と考えられる。その対策の一つとして、高吸水性ポリマ
ーの使用が研究されている。このポリマーは水に接する
と数秒で自量の数百ないし数千倍の量の水を固形化する
が、水に溶けている物質等によって固形化が著しく阻害
されるとともに紫外線で分解され固形化した水が容易に
流失するという欠点がある。また、該ポリマーは消火水
とは別個に取扱わなければならないという問題点を有す
る。また、セルロース誘導体等の熱ゲル化剤と高吸水性
樹脂を添加させた薬剤も報告されているが(例えば、特
開平1−56070号公報等)、水溶液ではないため消
防ポンプ等に付着しその除去が容易でないという問題点
があった。
ぷら油火災によるものが、近年ますます増加している傾
向がある。都市部の住宅事情を考えると、一般家庭の火
災についても甚大な災害の原因となり得ることから、火
災の初期段階での確実且つより安全な消火方法を必要と
するところである。従来、広く使用されている消火薬剤
として、粉末系の消火薬剤、ガス系の消火薬剤、水系の
消火薬剤があるが、天ぷら油火災の場合は油の発火点以
下に冷却しないと再着火するため、水系の消火薬剤が好
ましいと考えられている。しかし、従来の水系の消火薬
剤では、突沸を起こしたり、消火液が高いアルカリ性を
示したり、炎が高く上がるなどの問題点を有している。
に鑑み、従来の消火水と同様に取扱いができ、かつ、噴
射した消火水が燃焼物面に残留する消火剤、消火用水を
提供せんとするものである。更に、天ぷら油火災等の油
火災に対しても優れた消火作用を有する消火剤、消火用
水を提供せんとするものである。
「水」に添加してもその水は常温では液体のままで、粘
度も比較的小さく流動性を有し既存の消防ポンプ等で充
分に使用でき、燃焼物面で水を多量に含有し固形化し、
空気を遮断すると共に冷却効果をも有する。更に油火災
に対しても優れた消火作用を持つ物質を求めて種々研究
した結果、感温性ポリマーがその目的に達成し得ること
を見出して本発明を完成した。
以下では水溶性で、設定温度以上では水を含んで固形化
する感温性ポリマーを含むことを特徴とする消火剤、
(2)感温性ポリマーの固形化が、ハイドロゲルである
ことを特徴とする上記(1)記載の消火剤、(3)感温
性ポリマーが、水溶性アクリルアミド系ポリマーである
ことを特徴とする上記(1)及び(2)記載の消火剤、
(4)感温性ポリマーが、N−イソプロピルアクリルア
ミドを主成分とするポリマーであることを特徴とする上
記(1)〜(3)記載の消火剤、(5)感温性ポリマー
が、N−イソプロピルアクリルアミド75〜99モル%
とアクリル酸ナトリウム1〜25モル%を共重合してな
るポリマーであることを特徴とする上記(1)〜(4)
記載の消火剤、(6)上記(1)〜(5)に記載の消火
剤を水に溶解することを特徴とする消火用水、(7)感
温性ポリマーのほかに、消火剤、防炎剤並びに必要に応
じてこれら薬剤の浸透剤を含むことを特徴とする上記
(6)記載の消火用水、(8)水溶液の粘度が20〜2
000mPa・s(30℃)であることを特徴とする上
記(6)及び(7)記載の消火用水、(9)請求項
(6)〜(8)に記載の消火用水を使用することを特徴
とする消火方法、(10)感温性ポリマーを予め所定濃度
に溶解した感温性ポリマー水溶液を消火用の水に添加し
つつ噴射等することを特徴とする上記(9)記載の消火
方法、を提供するものである。
ーは、「特定の設定温度(以下感温点と記述する)以下
では水溶性で、感温点以上では固形化(水不溶のハイド
ロゲルとなる)する温度感応性ポリマー」と定義される
ものである。本発明は、この感温性ポリマーを消火剤と
して消防用の水に添加して、その水溶液が常温時には流
動性を有し消火水と同様に従来の消防ポンプ等の消防器
具で消火に使用でき、火災物(燃焼物)に噴射又は噴霧
したとき、燃焼による熱で水を含んだ状態でゲル化ない
しは固形化して燃焼物面に残留し、消火、延焼及び再着
火を防止するようにしたものである。
(1)そのホモポリマーが水中で下限臨界共溶温度を有
するビニルモノマー(a)と、(a)と共重合可能な他
のビニルモノマー(b)とを共重合する方法、及び
(2)メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
スのごとき水中で下限臨界共溶温度を有するポリマーに
アクリル酸ナトリウムのようなイオン基を有するビニル
モノマーをグラフト重合する方法などの製法によって得
ることができる。上記の製法のうち(1)の方法が、得
られるポリマーの感温点を容易に調整できることからよ
り好ましい。ビニルモノマー(a)としては、N−イソ
プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルア
ミド、アクリロイルピペリジン、アクリロイルピロリジ
ン、ビニルカプロラクタム等のN−置換アクリルアミド
及びその誘導体、メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル等のアルキルビニルエーテル、N−ビニルイソ
ブチルアミド等のN−ビニルアルキルアミドなどが挙げ
られる。
酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩等)、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸
及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩
等)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
及びその塩(硫酸塩、モノメチル硫酸塩、ジメチル硫酸
塩、塩化メチル塩等)、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート及びその塩(硫酸塩、モノメチル
硫酸塩、ジメチル硫酸塩、塩化メチル塩等)等のイオン
性基を有するビニルモノマー、アクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド
等のアクリルアミド誘導体、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
れないが、常温ないしは火災現場での温度で、また盛夏
時の温度でゲル化しない温度以上とすることが必要であ
る。冬期及び火災現場での温度を考慮して10〜140
℃(100℃以上は、加圧下で測定した値)、好ましく
は50〜100℃の温度範囲で設定するとよい。具体的
な感温性ポリマーとしては、ビニルモノマー(a)とし
てN−イソプロピルアクリルアミドを主成分とし、他の
ビニルモノマー(b)と共重合させたポリマーが好まし
く、特にN−イソプロピルアクリルアミド75〜99モ
ル%とビニルモノマー(b)としてアクリル酸ナトリウ
ム1〜25モル%とを共重合させたポリマーが天ぷら油
火災、石油ストーブ火災にも優れた消火性能を持つため
より好ましい。
だ消火剤を水に溶解させた消火用水が提供される。感温
性ポリマーの分子量並びに水への溶解濃度については、
消火に用いる水溶液の状態でかつ、感温性ポリマーが水
溶性を示す温度範囲において、感温性ポリマーを含む水
が20〜2000mPa・s(30の℃)の粘度を有す
る量であることが望ましい。この範囲より粘度が低い場
合、消火用水を十分にハイドロゲル状とすることができ
ず高い消火並びに延焼防止効果を期待できない。また、
この範囲より高い粘度の場合、輸送・放水操作が困難と
なり好ましくない。感温性ポリマーの種類、分子量等に
よって異なるが、水に対して0.1〜10重量%、好ま
しくは、0.5〜2重量%程度の水溶液とするとよい。
濃度が、0.1重量%未満であると熱による固形化が十
分でなく、10重量%を越えると水溶液の粘度が高くな
り流動性に乏しくなる場合があり好ましくない。
に応じて、従来より消火用薬剤として使用されている薬
剤を添加することもできる。例えば、燐酸第1アンモニ
ウム、燐酸第2アンモニウムのごとき消火剤、防炎剤
や、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムのごとき浸透
剤としての界面活性剤等を混合溶解して使用しても何ら
差し支えないばかりか、感温性ポリマーの固形化作用に
より防炎剤等の飛散・流出を防止できるため、より効果
的に消火並びに延焼防止を行うことができる。これら消
火剤、防炎剤、浸透剤等は、消火用水に対して0.05
〜5重量%の濃度で使用することが望ましい。濃度が
0.05重量%以下であると防炎剤あるいは浸透剤の効
果が乏しく、5重量%以上の添加は感温性ポリマーの析
出等を招くため好ましくない。
火方法と同様の方法で放水し消火に用いることができ
る。例えば、噴霧状又は水滴状にホースより噴出させ
て、火炎中で固形化して燃焼物面に落下・付着するよう
にしてもよく、また、従来の消防ホースで噴射させて燃
焼物面で固形化するようにしてもよい。この他、予め感
温性ポリマーの濃厚水溶液を調整しておき、消火時に消
火用の水に添加しつつ放水するようにしてもよい。
び消火剤、消火用水の試験例を示すが、本発明はこれら
の例に限定されるものではない。なお、以下の例におい
て、特記しない限り%は重量%を示す。
0gを入れ、N−イソプロピルアクリルアミド222.
6gを加えて攪拌下溶解した。溶解した溶液を10℃に
冷却した後、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸35.5gを加え、攪拌下溶解した。この溶
解液の温度を15℃以下に保ちながら、48%苛性ソー
ダ水溶液を徐々に添加し、溶液のpHを7.0とし、モ
ノマー調整液とした。モノマー調整液を0℃まで冷却し
た後、窒素ガスをバブリングして脱気した。脱気終了
後、重合開始剤として、N,N,N′、N′−テトラメ
チルエチレンジアミンの10%水溶液14.7ml、ペ
ルオキソ2硫酸アンモニウムの10%水溶液7.4ml
を順に加え、重合反応を開始させた。目視にてモノマー
調整液の粘度が上昇してきたことを確認し、攪拌並びに
窒素ガスバブリングを停止し、密栓状態にて、室温下1
6時間重合反応を行った。重合終了後、反応容器よりポ
リマーを取り出し、約5mm角に裁断し、40℃にて真
空乾燥、粉砕、分級の後、粒子径1mm以下の感温性ポ
リマーA260.4gを得た。得られたポリマーAの1
%水溶液の粘度を30℃にて、B型粘度計を用いて測定
したところ、1600mPa・sであった。また、ポリ
マー1%、防炎剤として燐酸第2アンモニウム1%を含
む水溶液の場合、30℃下、B型粘度計を用いて測定し
たところ、140mPa・sであった。感温点55℃〜
60℃
0g、N−イソプロピルアクリルアミド208.5g、
アクリル酸80%水溶液26.6gを入れ、攪拌下モノ
マーを溶解した。攪拌下、モノマーを溶解した溶液を1
5〜20℃に保ちながら、48%苛性ソーダ水溶液を徐
々に添加し、溶液のpHを7.0とし、モノマー調整液
とした。モノマー調整液を0℃まで冷却の後、窒素ガス
をバブリングし脱気した。脱気終了後、重合開始剤とし
て、N,N,N′、N′−テトラメチルエチレンジアミ
ンの10%水溶液14.7ml、ペルオキソ2硫酸アン
モニウムの10%水溶液7.4mlを順に加え、重合反
応を開始させた。目視にてモノマー調整液の粘度が上昇
してきたことを確認し、攪拌並びに窒素ガスバブリング
を停止し、密栓状態にて、室温下16時間重合反応を行
った。重合終了後、反応容器よりポリマーを取り出し、
約5mm角に裁断し、40℃にて真空乾燥、粉砕、分級
の後、粒子径1mm以下の感温性ポリマーB230gを
得た。得られたポリマーBの1%水溶液の粘度を30℃
下、B型粘度計を用いて測定したところ、1600mP
a・sであった。また、ポリマー1%、防炎剤として燐
酸第2アンモニウム1%を含む水溶液の場合、30℃
下、B型粘度計を用いて測定した該水溶液の粘度は、2
00mPa・sであった。感温点55℃〜60℃。
3gとした以外は、製造例2と同様の操作を行い製造し
た。得られたポリマーCの1%水溶液の粘度を30℃
下、B型粘度計を用いて測定したところ、2000mP
a・sであった。また、ポリマー1%、防炎剤として燐
酸第2アンモニウム1%を含む水溶液の場合、30℃
下、B型粘度計を用いて測定した該水溶液の粘度は、2
00mPa・sであった。感温点60℃〜70℃。
た以外は、製造例2と同様の操作を行い感温性ポリマー
D229gを得た。得られたポリマーDの1%水溶液の
粘度を30℃下、B型粘度計を用いて測定したところ、
600mPa・sであった。また、ポリマー1%、防炎
剤として燐酸第2アンモニウム1%を含む水溶液の場
合、30℃下、B型粘度計を用いて測定した該水溶液の
粘度は、150mPa・sであった。感温点60〜70
℃。
9gに感温性ポリマーB1gを混合溶解した。得られた
ポリマー水溶液20mlを、内径18mm、長さ180
mmのガラス製ねじ口試験管に入れ、密栓の後、任意の
温度に溶液を加温し、溶液の流動性の有無を目視にて確
認した。結果を表1に示す。 表中: ○:溶液全体が固形状態(ハイドロゲルを形成した状
態)で試験管を傾けても液が全く流動しない。 △:かなり溶液が増粘状態であるが、まだ流動性が認め
られる状態。 ×:流動性のある液体状態を示す。
酸第2アンモニウムのみを溶解させた燐酸第2アンモニ
ウム0.5%水溶液の粘度をB型粘度計にて上記の各温
度条件下で測定した結果、75℃以下の温度において溶
液は、10mPa・s以下の粘度を有する液体状態であ
った。
す。水としてイオン交換水を使用し、これに各成分(重
量%)を加えて100とした。表中、DOSS・Naは
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを示す。
アンモニウムを1%加えたもの(溶液3A)、燐酸水素
アンモニウム1%とジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム0.1%を加えた水溶液(溶液3B)の各粘度を表3
に示す。
した上に試験すべき溶液(試料)を10g、20g、5
0gを滴下して、状態変化を観測する。 感温点付近で恒温槽中で試料が均一温度になるまで
加温しゲル化又は完全に固形化した状況を観測する。 試料の加熱・冷却を繰り返すことによりその状態を
観察する。
示す。加熱平皿に溶液(試料)を滴下してから水分が蒸
発するまでの時間(試験方法)と金属製平皿に入れた
試料を加温して固形化するか否かを測定した(試験方法
)。
リマー2%水溶液に対して4倍程度の水を加えた溶液も
加温によって固形化する。そのため、感温性ポリマー量
の250倍程度の水を保水することができる。
液3A(溶液3に燐酸二水素アンモニウム1%を加えた
もの)に水を等量加えた溶液(溶液3A:水=1:1)
を用い、250℃に加熱して固形化した試料を常温放置
して、温度低下による変化を観察した。その結果を表5
に示す。
火用水は一旦固形化した後は常温付近まで冷却しても燃
焼物面に残留し、流出することがない。
火薬剤及び他の混入物との併用について検討した。感温
性ポリマーとして製造例3の感温性ポリマーCを用い、
表6に示す割合の水溶液として各温度での固形化状態を
観察した。結果を表6に示す。
剤(燐安)及び無機物(炭酸ナトリウム)が溶解してい
ても本発明の消火用水は固形化する。このことは、河川
の水に対しても適用できることを示している。
0gを用い、燐酸第2アンモニウム50g、ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウム5gとともに水道水4845
gに溶解し消火用水とした。作製した消火用水3Lを水
消火器に入れ、圧搾空気を用いて消火器内の圧力を5×
105 Paに加圧し、3cm角、長さ50cmの松材5
本を1段とし、20段を格子状に積み上げた櫓に着火
し、櫓全体が、独立燃焼状態となった後、消火器より消
火用水を放水し、消火試験を行った。同一条件での消火
試験を10回行い、放水開始から鎮火までに要した平均
時間(秒)と使用した消火用水の平均使用量(kg)の
積算値を使用した消火用水の消火効率とし、その値を算
出したところ、96.7kg・秒であった。更に、消火
作業中並びに鎮火直後、放水した消火用水の飛散・流出
は認められなかった。
0g、燐酸第2アンモニウム50g、ジオクチルスルホ
コハク酸ナトリウム5gを水道水4845gに溶解した
ものを用いた以外は、試験例4と同様の操作にて消火試
験を行った。その結果、消火効率は100.0kg・秒
であった。更に、消火作業中並びに鎮火直後において、
放水した消火用水の飛散・流失は認められなかった。
チルスルホコハク酸ナトリウム5gを水道水4945g
に溶解したものを用いた以外は、試験例4と同様の操作
にて消火試験を行った。その結果、消火効率は132.
2kg・秒であった。更に、消火作業中並びに鎮火直後
において、放水した消火用水の飛散・流失が認められ
た。
の操作にて消火試験を行った。その結果、消火効率は2
55.2kg・秒であった。更に、消火作業中並びに鎮
火直後において、放水した消火用水の飛散・流出が認め
られた。
大豆油を入れガスコンロにて加熱発火させた。発火30
秒後に、消火液(消火用水)として、製造例2で合成し
た感温性ポリマーBの1%水溶液300mlを柄付きの
ステンレス製ジョッキを用い中華鍋に一括投入し、投入
から鎮火に至る時間を測定すると共に、炎の様子を目視
にて確認した。その結果、鎮火迄に要した時間は3秒で
あり、消火液投入時から鎮火に至るまで炎が高く上がる
現象は観察されなかった。更に、鎮火後、消火剤がハイ
ドロゲルの膜状となり鍋上部を覆っていることが確認で
き、再発火もなかった。
1%、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.1%の
水溶液を消火液として用いた以外は、試験例6と同様の
評価を行った。その結果、鎮火迄に要した時間は7秒で
あり、消火液投入時から鎮火に至るまで、炎が高く上が
る現象はほとんど観察されなかった。更に、鎮火後、ハ
イドロゲルの固まりとなった消火剤が、油中に存在する
ことが確認でき、再発火もなかった。
火液として用いた以外は、試験例6と同様の評価を行っ
た。その結果、鎮火迄に要した時間は2秒であり、消火
液投入時から鎮火に至るまで、炎が高く上がる現象はほ
とんど観察されなかった。更に、鎮火後、消火剤がハイ
ドロゲルの膜状となり鍋上部を覆っていることが確認で
き、再発火もなかった。
解した水溶液を消火液として用いた以外は、試験例6と
同様の評価を行った。その結果、鎮火迄に要した時間は
9秒であったが、消火液投入直後に炎が高く上がり、周
辺に油が飛散した。鎮火後、再発火については認められ
なかった。
00gを用い、その1%水溶液3kgを直径2mmφの
ノズルのついた消火器(ハッタ製:消火訓練用消火器、
テスター7)に入れ、窒素ガスを用いて消火器内の圧力
を5×105 Paに加圧し、3cm角、長さ50cmの
松材5本を1段とし、20段を格子状に積み上げた櫓に
着火し、櫓全体が、独立燃焼状態となった後、消火器よ
り消火用水を放水し、消火試験を行った。同一条件での
消火試験を10回行い、放水開始から鎮火までに要した
平均時間(秒)と使用した消火用水の平均使用量(k
g)の積算値を使用した消火用水の消火効率とし、その
値を算出したところ、97.6kg・秒であった。更
に、消火作業中並びに鎮火直後、放水した消火用水の飛
散・流出は認められず、消火後、櫓を1時間放置したが
再燃も認められなかった。
0g、燐酸第2アンモニウム50g、ジオクチルスルホ
コハク酸ナトリウム5gを水道水4845gに溶解した
ものを用いた以外は、試験例9と同様の操作にて消火試
験を行った。その結果、消火効率は58.3kg・秒で
あった。更に、消火作業中並びに鎮火直後において、放
水した消火用水の飛散・流出は認められなかった。
の操作にて消火試験を行った。その結果、消火効率は2
42.3kg・秒であった。更に、消火終了の後、約2
0分で再び当初の燃焼状態に近い状態まで再燃した。
用水として使用するためには、 消防に使用する水であるから常温ないし常温より若
干高めの温度は液体のままであること、 火災時の燃焼熱のみで瞬時に水が固まること、 火災熱に曝されても容易に分解しないこと、 鎮火後可燃物が冷却して常温になった時にも流動し
ないこと、等のことが必要であるが、上記各試験例によ
って本発明の消火剤、これを水に溶解した消火用水はこ
れらの条件を満足し、充分に消火・延焼防止能力を有す
ることが認められた。
む溶液は、水に比べ60〜300倍の粘度を有するが6
0℃位までは液体で安定しており、濃厚液として火災現
場で固形化することなく消火用の水に供給できる。ま
た、これらの感熱性ポリマーは消火能力のある燐酸第2
アンモニウム等を添加することにより感温点を明瞭化す
ることができる。この他、河川の水を使用しても同様に
固形化することができるので、都市部の火災のみなら
ず、山林火災等にも使用することができる。更に、感温
性ポリマーとしてN−イソプロピルアクリルアミドを主
成分とするポリマー、特にN−イソプロピルアクリルア
ミド75〜99モル%とアクリル酸ナトリウム1〜25
モル%を共重合してなるポリマーを消火剤として用いる
ことにより、天ぷら油火災に対しても、より安全にかつ
効率的に使用することができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 特定の設定温度以下では水溶性で、設定
温度以上では水を含んで固形化する感温性ポリマーを含
むことを特徴とする消火剤。 - 【請求項2】 感温性ポリマーの固形化が、ハイドロゲ
ルであることを特徴とする請求項1記載の消火剤。 - 【請求項3】 感温性ポリマーが、水溶性アクリルアミ
ド系ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2記
載の消火剤。 - 【請求項4】 感温性ポリマーが、N−イソプロピルア
クリルアミドを主成分とするポリマーであることを特徴
とする請求項1ないし3記載の消火剤。 - 【請求項5】 感温性ポリマーが、N−イソプロピルア
クリルアミド75〜99モル%とアクリル酸ナトリウム
1〜25モル%を共重合してなるポリマーであることを
特徴とする請求項1ないし4記載の消火剤。 - 【請求項6】 請求項1ないし5に記載の消火剤を水に
溶解することを特徴とする消火用水。 - 【請求項7】 感温性ポリマーのほかに、消火剤、防炎
剤並びに必要に応じてこれら薬剤の浸透剤を含むことを
特徴とする請求項6記載の消火用水。 - 【請求項8】 水溶液の粘度が20〜2000mPa・
s(30℃)であることを特徴とする請求項6又は7記
載の消火用水。 - 【請求項9】 請求項6ないし8に記載の消火用水を使
用することを特徴とする消火方法。 - 【請求項10】 感温性ポリマーを予め所定濃度に溶解
した感温性ポリマー水溶液を消火用の水に添加しつつ噴
射等することを特徴とする請求項9記載の消火方法。
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