JP2001186885A - D−ホルデインプロモーターを用いたオオムギ種子における有用物質の生産方法 - Google Patents

D−ホルデインプロモーターを用いたオオムギ種子における有用物質の生産方法

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JP2001186885A
JP2001186885A JP37471799A JP37471799A JP2001186885A JP 2001186885 A JP2001186885 A JP 2001186885A JP 37471799 A JP37471799 A JP 37471799A JP 37471799 A JP37471799 A JP 37471799A JP 2001186885 A JP2001186885 A JP 2001186885A
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barley
gene
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promoter
producing
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Naohiko Hirota
直彦 廣田
Makoto Kihara
誠 木原
Kazutoshi Ito
一敏 伊藤
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Sapporo Breweries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オオムギ種子におけるオオムギD−ホルデイ
ンプロモーターを用いた有用物質生産の方法と、この方
法で得られた形質転換オオムギ種子とを提供すること。 【解決手段】 以下の工程を含む、配列表の配列番号1
に記載のオオムギD−ホルデインプロモーター(pDPP
3)を用いることを特徴とする、オオムギ種子における
物質の生産方法: (1)オオムギD−ホルデインプロモーター、及びその
下流に配置された該物質の遺伝子を含む遺伝子カセット
を、オオムギのプロトプラストに導入する工程; (2)該遺伝子カセット導入プロトプラストを培養し、
形質転換細胞を得る工程; (3)該形質転換細胞を再分化させ、再分化植物を得る
工程;及び (4)該再分化植物を稔実させオオムギ種子を得る工
程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、D−ホルデインプ
ロモーターを用いたオオムギ種子における有用物質の生
産方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オオムギ(Hordeum vulgare)の種子に
は、種子特異的に発現するタンパク質(種子貯蔵タンパ
ク質)が多量に存在し、そのうち35〜55%をアルコ
ール可溶性のホルデインが占めている(Shewry 1993, B
arley:Chemistry and Technology. pp164:American A
ssociation of Cereal Chemists)。
【0003】このホルデインは、その遺伝子座及びアミ
ノ酸組成等からB、C、D、γの4タイプに分類され、
全ホルデインに対する含量比はBが70から80%、Cが10か
ら20%、Dが5%以下である。これらの遺伝子構造は既に
明らかにされ、その発現等の知見が蓄積されつつある。
D-ホルデインに関しても翻訳領域を全て含む cDNAが単
離、構造解析されている(Hirota et al.,DDBJ,D82941,
1996)。また、D−ホルデイン遺伝子のプロモーター領
域の解析についても報告がなされ、434 bpのプロモータ
ー(Sorensen et al.,Mol.Gen.Genet.,250,750-760,199
6、Cho et al,Theol. Appl. Genet.,98,1253-1262,199
9)及び本発明者らが既に単離した1739bpのプロモータ
ー(pDPP3、配列番号1;特願平10−506801、U
S.PATENTNo.5,955,649)の解析により、D−ホルデイン
のプロモーターが確かに胚乳組織で活性を持つことが明
らかにされている。さらに、本発明者らが単離したプロ
モーター領域(pDPP3)にはプロモーターを活性化する
領域が含まれている(特願平10−506801、US.P
ATENT No.5,955,649)。
【0004】しかしながら、D−ホルデインプロモータ
ー、特に本発明者らが単離したオオムギD−ホルデイン
プロモーター(pDPP3)を利用した種子における有用物
質の生産の報告はこれまでなく、このプロモーターが実
際に有用物質生産に利用できるということは明らかでは
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特定
のD−ホルデインプロモーターを利用したオオムギ種子
での有用物質の生産方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のD
−ホルデインプロモーターを利用したオオムギ種子にお
ける有用物質の生産を目的として鋭意検討した結果、本
発明者らが単離したオオムギD−ホルデインプロモータ
ー(pDPP3)領域下流に、有用物質遺伝子として耐熱性
β-アミラーゼ遺伝子及び転写終結因子を連結したベク
ターを構築し、これをオオムギに導入することにより、
オオムギ種子において活性のある耐熱性β-アミラーゼ
を生産、蓄積させることができることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0007】本発明によれば、配列表の配列番号1に記
載のオオムギD−ホルデインプロモーター(pDPP3)領
域の下流に所望の有用遺伝子及び転写終結因子を連結
し、オオムギに導入することにより、所望の有用遺伝子
の種子での発現及び種子中でのその産物の蓄積が可能と
なり、オオムギの種子改良あるいは種子での物質生産に
利用できる。
【0008】本発明の有用物質の生産方法は、 (1)配列表の配列番号1に記載のオオムギD−ホルデ
インプロモーター(pDPP3)、及びその下流に配置され
た該物質の遺伝子を含む遺伝子カセットを、オオムギの
プロトプラストに導入する工程; (2)該遺伝子カセット導入プロトプラストを培養し、
形質転換細胞を得る工程; (3)該形質転換細胞を再分化させ、再分化植物を得る
工程;及び (4)該再分化植物を稔実させオオムギ種子を得る工
程;を含む、前記オオムギD−ホルデインプロモーター
を用いることを特徴とするオオムギ種子における物質の
生産方法である。
【0009】本発明はまた、上記遺伝子カセットとし
て、上記カセットが挿入されたプラスミドを用いるオオ
ムギ種子における物質の生産方法である。
【0010】また、本発明は、上記物質が、オオムギ胚
乳組織において発現されることを特徴とする上記のオオ
ムギ種子における物質の生産方法である。
【0011】さらに、本発明は、上記物質が耐熱性βア
ミラーゼである、上記のオオムギ種子における物質の生
産方法である。
【0012】本発明はさらに、上記のいずれかのオオム
ギ種子における物質の生産方法によって作られたオオム
ギ種子である。
【0013】本発明はまた、上記のいずれかのオオムギ
種子における物質の生産方法によって生産された有用物
質である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態
を説明する。
【0015】1.D−ホルデインプロモーターを用いた
有用物質生産用遺伝子カセットの作製 D−ホルデインプロモーターを用いた有用物質生産用遺
伝子カセットは、所望の有用遺伝子をオオムギ登熟中胚
乳組織で発現するD−ホルデインプロモーターの下流に
正の向きに連結し、さらにその下流にNOSターミネータ
ーなどの転写終結因子を連結することで作製できる。こ
こで用いることができる所望の有用遺伝子とは、その産
物、すなわちタンパク質あるいはRNAが、酵素活性、
ホルモン活性、ワクチン活性、生物に対する効果、ある
いは種子において特定の物質の含量、例えばアミノ酸含
量を増加させる効果など、産業上有用な活性あるいは効
果を持っているものであれば特に制限はない。また、所
望の有用遺伝子は、その由来生物にも特に制限はなく、
天然に存在する遺伝子に加え、それらを改変したもの、
さらには人工的に合成したものであっても良い。遺伝子
の改変あるいは合成は、慣用の方法を用いて行いうる。
転写終結因子は、D−ホルデインプロモーターによる遺
伝子の転写を終結できるものであれば、特に制限が無
く、NOSターミネーターの他、カリフラワーモザイクウ
イルス35Sターミネーター、オクトピンシンターゼター
ミネーター等も用いることができる。所望の有用遺伝子
は上記活性あるいは効果を得るために必要なDNA断片で
あり、プロモーターと転写終結因子の間に、活性あるい
は効果を発現し得る向きに挿入される。
【0016】上記カセット構築に用いるD−ホルデイン
プロモーターは、種子胚乳組織での発現調節能を持つも
のであれば用いることができるが、種子での物質生産を
目的とする場合はその活性が強いものがより望ましい。
この点で、発現活性化領域(配列番号1の1096から
1303)を含んでいる配列番号1に記載のD−ホルデ
インプロモーター(pDPP3)がこの目的に特に適してい
る。また、配列番号1に記載のD−ホルデインプロモー
ター(pDPP3)を5'末端から欠失させたプロモーターで
あっても、活性化領域を含んでいれば、種子での有用物
質生産に好適に用いることができる。
【0017】上記遺伝子カセットの構築に用いるD−ホ
ルデインプロモーターは、種子胚乳組織での発現調節能
を持ち、種子での物質生産に用いるべくその活性が強い
ものが望ましい。すなわち、発現活性化領域を有するD
−ホルデインプロモーターが本発明に好適であり、発現
活性化領域(配列番号1の1096から1303)を含
んでいる配列番号1に記載のD−ホルデインプロモータ
ー(pDPP3)がこの目的に適している。また、配列番号
1に記載のD−ホルデインプロモーター(pDPP3)を5'
末端から欠失させたプロモーターであっても、活性化領
域を含んでいれば、種子での有用物質生産に好適に用い
ることができる。
【0018】上記のD−ホルデインプロモーターを用い
た有用物質生産用遺伝子カセットは、制限酵素処理、DN
A連結処理、PCR、大腸菌の形質転換など遺伝子クローニ
ングに関わる操作を用いて構築されるが、これらの操作
は慣用技術を用いて行われうる。たとえば, Molecular
Cloning (Sambrook, Fritsch,Maniatis. Cold Spring
harbor Laboratory)が参考になる。
【0019】本発明の目的を達成するために、本発明に
用いるD−ホルデインプロモーターを用いた有用物質生
産用遺伝子カセットは、直鎖状のままで植物の染色体に
導入することも可能であり、また、後述のように任意の
プラスミドに組み込んでD−ホルデインプロモーターを
用いた有用物質生産用遺伝子発現ベクターとして使用す
ることも可能である。
【0020】2.D−ホルデインプロモーターを用いた
有用物質生産用遺伝子発現ベクターの作製 D−ホルデインプロモーターを用いた有用物質生産用遺
伝子発現ベクターは、前項のD−ホルデインプロモータ
ーを用いた有用物質生産用遺伝子カセットを任意のプラ
スミドに挿入して作製することができる。又は、任意の
プラスミドに、プロモーター、構造遺伝子、転写終結因
子を順次連結させて作製することもでき、このようにし
て作製したプラスミドも、本発明では、D−ホルデイン
プロモーターを用いた有用物質生産用遺伝子カセットを
挿入したプラスミドという。プラスミドとしては、例え
ばプラスミドpBI101など市販のものあるいは実験室で調
製したものなどいかなるものも用いることができるが目
的に応じて選択することが好ましい。例えばベクターを
大量に回収したい場合では、コピー数の多いプラスミド
を選択することが望ましい。さらに、前記プラスミドと
して、前記発現ベクターを生物等に導入した際の示標と
なる薬剤又は栄養成分などに基づく選択マーカーが備え
られているプラスミドを選択することもできる。
【0021】上記のD−ホルデインプロモーターを用い
た有用物質生産用遺伝子発現ベクターは、制限酵素処
理、DNA連結処理、大腸菌の形質転換など遺伝子クロー
ニングに関わる操作を用いて構築されるが、これらの操
作は慣用技術によって行われうる。たとえば, Molecula
r Cloning (Sambrook, Fritsch,Maniatis, Cold Sprin
gharbor Laboratory)が参考になる。
【0022】3.D−ホルデインプロモーターを用いた
有用物質生産用遺伝子発現ベクターあるいはD−ホルデ
インプロモーターを用いた有用物質生産用遺伝子カセッ
トの植物への導入 D−ホルデインプロモーターを用いた有用物質生産用遺
伝子発現ベクターあるいはD−ホルデインプロモーター
を用いた有用物質生産用遺伝子カセットを導入する細胞
としては、再分化能を有する植物細胞、例えば、未熟胚
由来細胞、葯由来細胞が挙げられる。そのような細胞
を、常法に従い処理し、プロトプラストを作製し、次い
で遺伝子導入を行う。遺伝子導入の方法としては、公知
の方法を用いることができる(Plant Cell Report,10、5
95、(1992))。具体的には、ポリエチレングリコール法
のほかに、エレクトロポレーション法(Nature,319,791
(1986)、パーティクルガン法(Nature 327、70(1987))、
アグロバクテリウム法(Plant J.6、271(1994))など
が挙げられる。
【0023】4.形質転換植物 上記のようにして作製したD−ホルデインプロモーター
を用いた有用物質生産用遺伝子発現ベクターあるいはD
−ホルデインプロモーターを用いた有用物質生産用遺伝
子カセットが導入された植物細胞を培養し、形質転換細
胞を得る。次いで、再分化培地にて培養を行い、カルス
や胚様体の形成あるいはシュートの分化を誘導し、コロ
ニーを形成させる。形成されたコロニーを用いてさらに
植物体の再分化を促進し、再分化植物体を得る。このよ
うにして得た再分化植物体を稔実させることにより、種
子の取得が可能となる。
【0024】前記のようにして外来DNAであるD−ホル
デインプロモーターを用いた有用物質生産用遺伝子発現
ベクターあるいはD−ホルデインプロモーターを用いた
有用物質生産用遺伝子カセットが導入された植物は形質
転換植物として形質転換以前の性質とは異なり、有用物
質産生能を備えた新しい品種あるいは系統を形成する。
得られた形質転換植物を他の品種や系統と交配させるこ
とによっても同様の特性を持つ植物を得ることができ、
これらも本発明でいうD−ホルデインプロモーターを用
いた有用物質生産用遺伝子発現ベクターあるいはD−ホ
ルデインプロモーターを用いた有用物質生産用遺伝子カ
セットが導入された形質転換植物に含まれる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】実施例1 D−ホルデインプロモーターを用いた有用物質生産用遺
伝子発現ベクター作製1.D−ホルデインプロモーター
ベクターの作製 試験圃場で育成したオオムギ(はるな二条)の緑葉を凍
結乾燥後、染色体DNAを調製した。得られた全DNA5
μgを50ユニットの制限酵素PstIで完全消化した。こ
のDNAをエタノール沈殿後10μlの滅菌水に溶解し
た。
【0027】PstI消化したオオムギはるな二条DNA2.5μ
gとPstIアダプター(宝酒造社製)5μlをライゲーシ
ョンキット(宝酒造社製)を用いて16℃、30分反応
させ連結させた。連結したDNAをエタノール沈殿後、5
μlの滅菌水に溶解し、PCR法の鋳型DNA(鋳型A)とし
た。
【0028】Dホルデイン遺伝子5’末端近傍の以下に
示す配列を持つプライマーDNAを合成した。5’-TCTCAC
GTTCAGCGGTGGTGAGAGCC-3’(プライマーDHP1),5’-
GTTCCCATTGATCTCACGTTCAGCG-3’(プライマーDHP2)。
【0029】1回目の増幅は、鋳型A を1.0μl、DHP2
プライマー(100μM)を1.0μl、C1プライマー(宝酒
造社製、100μM)を1.0μl、dNTP混合溶液(dNTPそれ
ぞれ2.5mM)を 4.0μl、マグネシウムを含む10xPCR緩
衝液(ベーリンガー社製)を5.0μl、耐熱性DNAポリメ
ラーゼ(Expand High Fidelity,ベーリンガー社製)を
0.5μl、さらに滅菌水を37.5 μl加え反応液とした。
反応は、サーマルコントローラー(MJ research 社製)
を用いて、最初の変性を94℃で2分間行った後、60℃で3
0秒、68℃で3分間、94℃で15秒間の反応を30回繰り返
し行った。ここで得られた増幅産物をアガロース電気泳
動によって分析したが特異的なバンドは検出できなかっ
た。
【0030】2回目の増幅は、鋳型DNAとして一回目の
増幅産物を1.0μl,プライマーとして DHP1プライマー
(100μM)を1.0μl、C2プライマー(宝酒造社製、100
μM)を1.0μlに変更し一回目の反応と同様にして増幅
を試みた。ここで得られた増幅産物をアガロース電気泳
動によって分析したところ、約1.8Kbの特異的に増幅さ
れたバンドが検出された。
【0031】増幅産物をアガロース電気泳動後、1.8Kb
のバンドを切り出し、ガラスミルク法(バイオ101社
製)により精製後、得られたDNA断片をブランティング
キット(宝酒造社製)を用いて平滑末端化した。この断
片をクローニングベクターpUC118のHincII部位にクロー
ニングし、pDPP3クローンを得た。
【0032】2.耐熱性βアミラーゼ発現ベクターの作
製 D−ホルデインプロモーターを用いた有用物質生産用遺
伝子発現ベクターとして、耐熱性βアミラーゼ発現ベク
ター作製の各工程を図1に模式的に示す。本実施例にお
いては、有用遺伝子として耐熱性βアミラーゼを用い
た。用いた耐熱性βアミラーゼクローンの配列を配列表
の配列番号2に示した。耐熱性βアミラーゼ遺伝子は、
Proceedings of the 26th European Brewery Conventio
n(1997):83-90に記載されたものを用い、以下のように
して調製した。
【0033】次いで、pSBG501を鋳型DNAとして、TSA1プ
ライマー(5‘-ATGGAGGTGAACGTGAAAGGC-3’)とTSA2プ
ライマー(5'-TTACATGGTGGCAGGGAG-3')を用いてPCRを
行い、得られたDNA断片をpCRIIベクター(Invitrogen)
に挿入した。得られたDNA断片挿入ベクターを増幅した
後、BamHI及びEcoRVで消化後、平滑末端化し、耐熱性β
アミラーゼ遺伝子断片として用いた。
【0034】上記のD−ホルデインプロモーターである
DPP3プロモーターのマルチクローニングサイトのHindII
I部位を、HindIIIで切断し、更に平滑末端化して再度連
結させることによりNheI部位に変えたDPP3Nhe2プロモー
ターを作製し、以下の実験に用いた(図1)。D−ホル
デインプロモーターの転写終結因子にはpBI221(Clonet
ec社製)由来のNOSターミネーターを用いた。遺伝子移
入された植物細胞の選抜のための薬剤耐性マーカーとし
ては、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子
(neomycin phosphotransferase, Pharmacia社製、 以
下NPTII遺伝子という)を用いた。NPTII遺伝子を、arf
プロモーター(US.PATENT No.5,773,688)の下流に連結
し、さらに転写終結因子としてNOSターミネーターを連
結したpSBG121NHを作製し、それを用いた(図1)。
【0035】有用遺伝子発現ベクターの構築は、図1に
示すようにして行った。先ず、DPP3Nhe2プロモーターの
BamHI-EcoRI部位にpBI221のNOSターミネーターを含むBa
mHI-EcoRI断片を挿入し、DPP3NheTベクターを構築し
た。次に、DPP3NheTベクターをBstXIで消化後、末端を
平滑化し、再び連結し、DPP3NheTBXDベクターを得た。
このベクターに薬剤耐性のカセットを導入するために、
pSBG121NHをNheIで消化後NPTII遺伝子を含む断片を、DP
P3NheTBXDのNheI部位に導入することで、DPP3NheTBXDNP
Tを得た。このDPP3NheTBXDNPTベクターは、D−ホルデ
インプロモーターとNOSターミネーターの間にPmaCI部位
とSacI部位を持っている(図1)。
【0036】DPP3NheTBXDNPTベクターをPmaCIで消化
後、耐熱性βアミラーゼ遺伝子断片を挿入し、該遺伝子
が機能する方向(正方向)のものを選択し、D−ホルデ
インプロモーターを用いた耐熱性ベータアミラーゼ生産
用遺伝子発現ベクターpDPTSAMYとした。このベクター
を以下のオオムギの形質転換実験に用いた。
【0037】実施例2 オオムギの形質転換 オオムギの形質転換は、オオムギ品種Igriの未熟胚由来
の細胞系から得たプロトプラストにポリエチレングリコ
ール法を用いてpDPTSAMYを導入することにより行った。
ベクターは、キアゲンカラム(Quiagen社製)を用いて
精製した後、1μg/μlの濃度になるようにTE緩衝液(10
mM トリスHCl(pH7.5)、1mM EDTA)に溶解したものを用
いた。
【0038】pDPTSAMYベクターを品種Igriの液体懸濁培
養細胞系より単離されたプロトプラストに導入した。Ig
ri由来の未熟胚由来の細胞を酵素処理後、常法に従い酵
素処理後精製したプロトプラストを用い、基本的にFuna
tsuki et al.( Funatsuki etal.(1995) Theoritical an
d Applied Genetics 91:707-712)の方法に従い、プロト
プラストを遺伝子導入処理した。精製したプロトプラス
トを50μgのpDPTSAMYベクター、100 mMのCaCl2、0.6 M
のソルビトール、0.1% (w/v)のMES(2-(N-Morpholino)
ethanesulfonic acid、 monohydrate)を含みpHを5.7に
調整した250μlのCa-Sに懸濁した。この懸濁液に、PEG
(polyethyleneglycol、分子量1540)を40% (w/v)含む
Ca-S PEG(pH7.0)を600μl滴下し、数回の振とう後5〜10
分静置した。10 mlのLW液(Theol. Appl. Genet. 81:43
7(1991)等に記載)を加え希釈した後、遠心処理しプロト
プラストを回収した。このプロトプラストを1mlの1.8%
Sea Plaque Agarose (FMC社製)、0.4Mマルトースを含む
改変L1培地(Theol. Appl.Genet. 91:707(1995)等に記
載)に懸濁し、ナース細胞とともに培養した。
【0039】プロトプラストの培養を開始して2〜3週
間後に、液体培地及びナース細胞を除去した。更に得ら
れたコロニーをG418(ジェネティシン、Gibco 社製)を
20もしくは25μg/ml含む液体培地(改変L1培地)にて培
養した(1次選抜)。さらに約14日間振盪培養を行った
後、1次選抜と同濃度のG418を含む再分化培地(L3培
地、Plant.Cell.Report 17:937−940(199
8)等に記載)に移して培養を続けた(2次選抜)。2次
選抜の過程でカルスや胚様体の形成、あるいはシュート
の分化をみせたコロニーについては、それぞれ独立した
プロトプラストに由来する形質転換細胞系として、G418
を含まない改変L3培地(L3培地)に移植し植物体の再分
化を促した。緑色シュートが1〜2 cmになった時点でシ
ャーレを強光下に移動し培養後、ホルモンフリーの培地
に移植し発根を促進、鉢上げを行った。
【0040】pDPTSAMYベクターの代わりにpSBG503(Pr
oceedings of the 26th European Brewery Convention
(1997):83-90)を用いたものを陽性対照区とした。
【0041】以上の形質転換実験の結果、pDPTSAMYの導
入を試みた区からは9系統、26個体の再分化植物が得ら
れた。なお、供試したすべてのオオムギの育成は、16
℃、16時間日長、20000〜30000ルックス照明に制御した
人工気象庫内で行った。
【0042】再分化した植物体に導入したpDPTSAMYが存
在しているかどうかをサザンハイブリダイゼーションを
用いて以下のようにして確かめた。再分化植物の葉1gを
液体窒素中で磨砕後、CTAB法(Murray et al. 1980, Nu
cleic Acids Res. 8:4321-4325)にて全DNAを抽出し
た。得られたDNAをHincIIで消化後、アガロースゲル電
気泳動を行い、アルカリ変性後ナイロンメンブレン(ベ
ーリンガー社製)にキャピラリーブロッティングした。
プローブとして、pDPP3の挿入断片(プロモーター全領
域)をDIG-high prime(ベーリンガー社製)を用いてラ
ベルしたものを用いた。サザンハイブリダイゼーション
はベーリンガー社のマニュアルに従い行った。ハイブリ
ダイゼーション後のメンブレンの洗浄は、2 X SSC、1%
SDSで室温下30分間の洗浄の後、0.1 X SSC、0.1 % SDS
で42℃下、30分間の洗浄を2回繰り返した。シグナルの
検出法はベーリンガー社のマニュアルに従った。得られ
た再分化植物の各系統についてサザンハイブリダイゼー
ションにて導入遺伝子の検出を行った結果、pDPTSAMYの
導入を試みた区から得られた再分化植物のうち6系統、
16個体から導入遺伝子が検出された。但しここでは、各
系統の代表で導入遺伝子が検出された場合は、その系統
に属する個体は全て導入遺伝子を持っているものとして
計算した。
【0043】図2にサザンハイブリダイゼーションによ
る導入遺伝子の検出例を示す。これから明らかなよう
に、対照として用いた遺伝子導入していない再分化植物
から得たDNAでは内在のD−ホルデインプロモーターの
シグナルが検出されるのみであるが(図2、レーン
2)、遺伝子導入した再分化植物からは内在遺伝子以外
のシグナル、すなわち導入遺伝子が確認された(図2、
レーン1◇)。
【0044】得られた形質転換体のうち、1系統1個体
が稔実した。
【0045】実施例3 形質転換体種子における耐熱性βアミラーゼ蓄積の確認 種子からの素酵素液の抽出及びβアミラーゼの活性測定
はBETAMYLキット(Megazyme International Ireland Li
mited)の指示に従って実施した。得られた稔実したpD
PTSAMY導入形質転換体の完熟種子(以後T1種子と呼ぶ)
半粒をハンマーを用いて細かく粉砕し、粉砕した種子に
システインを添加した200μLのBETAMYL抽出バッファー
Aを加え攪拌後、室温で1時間インキュベートした。こ
のサンプルを15000回転で10分間遠心分離して得られる
上清を粗酵素液とした。粗酵素液をBETAMYL希釈バッフ
ァーで1600倍希釈した後、酵素活性測定に供試した。
【0046】pDPTSAMYを導入した形質転換体のT1種子
から抽出したβアミラーゼ粗酵素液の耐熱性を調べるた
め、酵素希釈液を50℃、53℃、56℃、59℃、62℃、65
℃、68℃、71℃、74℃で30分間インキュベートした後の
残存活性を調べた。陽性対照には、βアミラーゼプロモ
ーター下流に耐熱性βアミラーゼ遺伝子を連結したベク
ターpSBG503(Proceedings of the 26th European Brew
ery Convention(1997):83-90)を導入した個体に稔実し
た種子から調製した粗酵素液を用いた。
【0047】また、耐熱性βアミラーゼ遺伝子を導入し
ていない陰性対照区には、Igriより調製した粗酵素液を
用いた。非熱処理区の活性を100とし、各熱処理区の相
対残存活性を図3に示した。結果は、陰性対照では62
℃、30分処理でほぼ活性を示さなくなるのに対して、陽
性対照及びpDPTSAMYを導入した形質転換体のT1種子か
ら抽出したβアミラーゼ粗酵素液では、62℃、30分処理
後においても高い残存活性を示すことが明らかになった
(図3)。これにより、形質転換体種子において、耐性
βアミラーゼが発現されていることが示された。
【0048】次に、各区(陰性対照区、陽性対照区、pD
PTSAMY導入区)最低5粒から、粗酵素液を抽出し、62
℃、30分処理区の無処理区に対する相対残存活性につい
て検討した。その結果、陰性対照区、陽性対照区、 pDP
TSAMY導入区の活性の残存率は、それぞれ、1.0%、24.2
%、75.8%であった(図4)。
【0049】以上のように、D−ホルデインプロモータ
ー下流に有用遺伝子として耐熱性βアミラーゼ遺伝子を
連結したベクターをオオムギに導入することにより、高
率(75.8%)に目的の耐熱性βアミラーゼを発現、蓄積
できることが、今回の実験により初めて明らかとなっ
た。
【0050】同様に、D−ホルデインプロモーター下流
に他の有用遺伝子を連結したベクターをオオムギに導入
することにより、オオムギ種子内で有用遺伝子に由来す
る有用物質の発現、蓄積が可能となることは容易に判断
できる。
【0051】
【発明の効果】本発明では、配列表の配列番号1に記載
のオオムギD−ホルデインプロモーター(pDPP3)下流
に有用遺伝子を連結したベクターをオオムギに導入する
ことにより、オオムギ種子において高率に目的の有用物
質を生産できることが明らかとなった。この方法を用い
れば、オオムギ種子での有用物質の生産を効率よく、有
効に行うことができ、オオムギの種子改良あるいは種子
での物質生産に利用できる。
【0052】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Sapporo Breweries Limited <120> A Method for Producing a Useful Substance in a Seed of Hordeum Vul gare by the use of D-hordein Promoters <130> P99XX-197 <140> <141> <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1739 <212> DNA <213> Hordeum vulgare <400> 1 ctgcagattt gcaaaagcaa tgactaacag atacatatat tgcaaaaaaa acagaggata 60 atcactttta ttagatgaaa taaacagatc aatttacata agtcctcact tctccaaaca 120 gtattcagga ccatgataaa accgattacg tagctctgtt ttggaagatc caaatcctca 180 agttgagttt cattaattgg aatcgattgt atgctaaaca cgatgaacaa atggtgggtt 240 acgtggcata gcatacaact attcccctat tattctgcat gcatgatctc aatcggactc 300 cttcctagtt cctagttggc tctgctttga actttcatcc acatctcttt gagttattat 360 taacagacgc aagaaacatt tttttgcgct aagccaaggt gaggcaaggt cgcattggag 420 gactgatgga ctggcttcga tggattatga tatactcggt tttgcctgtt tgactgttac 480 gtttttctaa ttttgtggtt aggaattttt cgccgcagag tatagaataa ctaagctcaa 540 cacaaacaat ttagcaagca cattaaactg ggatcgtagg agcgcacctg gattttgttg 600 gttgatggtg gatgaaatgg gtgaatttaa taactgatat agtgtcagtg caacggaagc 660 ccatttttca tacaagttat taatattgtc aacatttgtc aacaaacaaa tgtttaactc 720 aggtttgcaa ttatgaagcc ccaattataa gaaggggata ttatgatggc gtgagcaagt 780 gataaggcca aggggagaag aagtgcagca tctacgcagc ccagtgaaag atagtgaaaa 840 tacagagagg cagggacggg ggagcaacac atggaaatca tagaagaaca aaagagttta 900 aacataggag gcagatataa tggacagcta aatctgcatt atctcatttg ggaaatgaaa 960 aaaataatcc tattcttgtg taaatcaaaa ctatttgccg cgaattttct tcgaagatcc 1020 tgtgttaatt ttagacacgg ctgaccaaag gttttcaatt agttgagttt tgtcacggaa 1080 aggtgtttcc atacatccaa aaattctaaa aactttttga tacggcgcgt tcgtagcata 1140 gctagatgtt gtgagtcact ggatagatat tgtgagtcat atcgtggatt tgtgttgcct 1200 gcaaatccaa ctacatgaca agcaacaaat gagcttttgg aaagatgatt tctcaattta 1260 ccagttccat gcaagctacc ttccactact cgacatgctt aaaagcttcg agtgcccgcc 1320 gatttgccag caatggctaa cagacacata ttctgccaaa accccagaac aataatcact 1380 tctcgtagat gaagagaaca gaccaagata caaacgtcca cgcttcagca aacagtaccc 1440 cagaactagg attaagccga ttacgcggct ttagcagacc gtccaaaaaa actgttttgc 1500 aaagctccaa ttcctccttg cttatccaat ttcttttgtg ttggcaaact gcacttgtcc 1560 aaccgatttt gttcttcccg tgtttcttct taggctaact aacacagccg tgcacatagc 1620 catggtccgg aatcttcacc tcgtccctat aaaagcccag ccaatctcca caatctcatc 1680 atcaccgaga acaccgagaa ccacaaaact agagatcaat tcattgacag tccaccgag 1739 <210> 2 <211> 1823 <212> DNA <213> Hordeum vulgare <400> 2 atggaggtga acgtgaaagg caactatgtc caagtctacg tcatgctccc tgtaagctcc 60 atccattcag accaatcgct gagaaccaca cactaaaact atttcaagga tctagtgcac 120 acatatacat tattgttgta catataacat tgatacttct tgtaaaactc taattcaaag 180 ggtgaagaac aagatctgag gcctcaaatg agtattttat ttgtactaac cttgactaca 240 cttccattgt tgaaataaat aaatagctgg acgccgtgag cgtgaacaac aggttcgaga 300 agggcgacga gctgagggcg caattgagga agctggtaga ggccggtgtg gatggtgtca 360 tggtagacgt ctggtggggc ttggtggagg gcaagggccc caaggcgtat gactggtccg 420 cctacaagca gttgtttgag ctggtgcaga aggctgggct gaagctacag gccatcatgt 480 cgttccacca gtgtggtggc aacgtcggcg acgccgtcaa catcccaatc ccacagtggg 540 tgcgggacgt cggcacgcgt gatcccgaca ttttctacac cgacggtcac gggactagga 600 acattgagta cctcactctt ggagttgata accagcctct cttccatgga agatctgccg 660 tccagatgta tgccgattac atgacaagct tcagggagaa catgaaagac ttcttggatg 720 ctggtgttat cgtcgacatt gaagtgggac ttggcccagc tggagagttg aggtacccat 780 catatcctca gagccacgga tggtcgttcc caggcatcgg agaattcatc tgctatgata 840 aatacctaca agcagacttc aaagcagcag cagcggcggt cggccatcct gagtgggaat 900 ttcctaacga tgccggacag tacaatgaca ctcccgagag aactcaattc ttcagggaca 960 acgggacata cctaagtgag aaggggaggt ttttccttgc atggtactcc aacaatctga 1020 tcaagcacgg tgacaggatc ttggatgaag caaacaaggt cttcttggga tacaaggtgc 1080 aattggcaat caagatcgct ggcgttcact ggtggtacaa ggttccaagc catgcagccg 1140 agctcacagc tgggtactat aacttacatg atagagacgg ctacagaacc atagcacgca 1200 tgctcaaaag gcaccgtgct agcattaact tcacttgcgc ggagatgagg gattcggagc 1260 aacccccgga cgcgatgagc gcaccagaag aactagtcca acaggtgttg agtgctggat 1320 ggagagaggg cctaaatgtg tcatgcgaaa acgcgcttcc acgatatgat ccaactgctt 1380 acaacaccat actcaggaat gcgaggcctc atggaatcaa ccagagcggc cctcctgagc 1440 acaagctgtt tggattcacc taccttcggc tgtcgaatca gctggtggag ggacaaaact 1500 atgtcaactt caagaccttt gtcgacagaa tgcatgccaa cctgcctcgt gacccatatg 1560 ttgatccaat ggcgcctttg ccaagatcag ggccagaaat atcgattgag atgatcctac 1620 aagcagcaca gccaaaactg cagccattcc ccttccagga gcacaccgac ctgccagtag 1680 gccctactgg tggcatgggt gggcaggctg aaggccccac ctgtggcatg ggtgggcaag 1740 ttaaaggccc tactggtggc atgggtgggc aggctgaaga ccctactagt ggcatgggtg 1800 gggagctccc tgccaccatg taa 1823
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で用いたD−ホルデインプロモーター
を用いた耐熱性ベータアミラーゼ生産用遺伝子発現ベク
ターpDPTSAMYの構築方法を示す図である。
【図2】本実施例の形質転換オオムギのサザンブロッテ
ィングによる導入遺伝子確認の結果を示す図である。レ
ーン1は、pDPTSAMY導入個体、レーン2は対照の結果で
ある。
【図3】本実施例の形質転換オオムギ種子βアミラーゼ
の熱失活曲線示す図である。
【図4】本実施例の形質転換オオムギ種子βアミラーゼ
熱処理後の相対残存活性を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 一敏 群馬県新田群新田町木崎37−1 サッポロ ビール株式会社植物工学研究所内 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD04 CA17 CA19 CB02 CD07 CD09 CD13 CD17 CD21 4B024 AA08 BA13 EA10 FA02 GA17 4B050 CC03 DD13 LL10 4B065 AA08Y AA89X AB01 BA02 BA12 CA32 CA53

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程を含む、配列表の配列番号1
    に記載のオオムギD−ホルデインプロモーター(pDPP
    3)を用いることを特徴とする、オオムギ種子における
    物質の生産方法: (1)前記オオムギD−ホルデインプロモーター、及び
    その下流に配置された該物質の遺伝子を含む遺伝子カセ
    ットを、オオムギのプロトプラストに導入する工程; (2)該遺伝子カセット導入プロトプラストを培養し、
    形質転換細胞を得る工程; (3)該形質転換細胞を再分化させ、再分化植物を得る
    工程;及び (4)該再分化植物を稔実させオオムギ種子を得る工
    程。
  2. 【請求項2】 上記遺伝子カセットとして、該カセット
    が挿入されたプラスミドを用いることを特徴とする、請
    求項1に記載のオオムギ種子における物質の生産方法。
  3. 【請求項3】 上記物質が、オオムギ胚乳組織において
    発現されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
    オオムギ種子における物質の生産方法。
  4. 【請求項4】 上記物質が、耐熱性βアミラーゼであ
    る、請求項1〜3のいずれか一つに記載のオオムギ種子
    における物質の生産方法。
  5. 【請求項5】 上記請求項1〜4のいずれか一つに記載
    のオオムギ種子における物質の生産方法により得られた
    オオムギ種子。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜4のいずれか一つに記載
    のオオムギ種子における物質の生産方法により得られた
    該物質。
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