JP2001185987A - 音叉型圧電振動子 - Google Patents

音叉型圧電振動子

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JP2001185987A
JP2001185987A JP37119899A JP37119899A JP2001185987A JP 2001185987 A JP2001185987 A JP 2001185987A JP 37119899 A JP37119899 A JP 37119899A JP 37119899 A JP37119899 A JP 37119899A JP 2001185987 A JP2001185987 A JP 2001185987A
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electrode
drive electrode
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Tsukasa Funasaka
司 舩坂
Osamu Iwamoto
修 岩本
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腕部に溝を形成することによって、電気機械
結合係数を大きくするとともにクリスタルインピーダン
スを小さくして、小型化を図ることができる音叉型圧電
振動子を提供すること。 【解決手段】 ほぼ同一形状に形成された複数の腕部1
3A、13Bを有する音叉型圧電振動子10であって、
前記腕部13A、13Bが対向する前記腕部13A、1
3Bの第1の面13xに対してほぼ垂直な第2の面13
y及び第3の面13zに第1の電極12a、12cと第
2の電極12b、12dが形成されてなり、前記第1の
電極12a、12cと前記第2の電極12b、12d間
に溝14が形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子の改
良、特に、いわゆる音叉型圧電振動子における腕部の構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水晶や圧電素子を用いた共振振動子は、
所定の弾性振動の共振現象を利用して、素子の形状で定
まる数kHz〜数GHzの共振周波数の振動モードを生
成する。特に数KHz〜100kHzの周波数帯域にお
いては、音叉型圧電振動子が使用され、たとえば時計用
の発振回路などの発振源として約32kHzの周波数を
有する水晶振動子が使用されている。ここで、水晶が使
用される理由として、安定した発振周波数と低いCI値
(クリスタルインピーダンスまたは等価直列抵抗)を備
えていることが挙げられる。また、低精度ではあるが、
大気圧発振が可能なX軸40°回転のタンタル酸リチウ
ム板からなる音叉型圧電振動子もある。
【0003】図7は従来の音叉型圧電振動子の一例を示
す構成図であり、図7を参照して音叉型圧電振動子1に
ついて説明する。図7の音叉型圧電振動子1は、基部
2、腕部3、駆動電極4等を有しており、基部2及び腕
部3はたとえばタンタル酸リチウム等の圧電材料により
形成されている。この音叉型圧電振動子1はたとえばX
軸40°回転板からなっていて、分極方向が図8の矢印
Y方向になるように形成されている。腕部3には駆動電
極4が形成されていて、駆動電極4は腕部3の一面3a
側に形成されている第1駆動電極4a及び第2駆動電極
4bと、他面3b側の第1駆動電極4c及び第2駆動電
極4dからなっている。ここで、第1駆動電極4aと第
1駆動電極4c及び第2駆動電極4bと第2駆動電極4
dはそれぞれ電気的に接続されている。
【0004】第1駆動電極4aと第2駆動電極4d及び
第2駆動電極4bと第1駆動電極4cは、それぞれ対向
するように形成されている。そして、駆動電極4に電力
が供給されると、第1駆動電極4aと第2駆動電極4d
及び第1駆動電極4cと第2駆動電極4bの間にそれぞ
れ電界が印加されることにより、たとえばコルピッツ発
振回路により駆動され、圧電効果により2つの腕部3が
それぞれ振動する。このとき図7の音叉型圧電振動子1
の発振周波数は、腕部3の長さLと幅WとしたときL2
/Wで決まる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、音叉型圧電振動
子1の小型化の要請により、腕部3の長さLを短くする
ことが求められている。腕部3の長さLを短くした際、
従前の音叉型圧電振動子1の発振周波数を同一にするた
めには、幅Wも小さくする必要がある。しかし、腕部3
の長さL及び幅Wを小さくすると、CI値が大きくなっ
てしまい、振動損失が大きくなってしまうという問題が
ある。
【0006】具体的には、腕部3の幅Wを小さくする
と、図8の同一平面上に形成された第1駆動電極4aと
第2駆動電極4b及び第1駆動電極4cと第2駆動電極
4dの距離Dが短くなる。従って、対向する第1駆動電
極4aと第2駆動電極4d及び第1駆動電極4bと第2
駆動電極4cの間に生じる電界の他に、同一平面上の第
1駆動電極4aと第2駆動電極4b及び第1駆動電極4
cと第2駆動電極4dの間に電界が印加されてしまう。
この同一平面上における電界の漏れは、振動に対して有
効に電界を利用できない要因となる。また、タンタル酸
リチウム等、水晶に比べ電気機械結合係数が大きい材料
の場合、大気圧中で発振させる音叉型振動子のうち電界
の漏れが大きくなると発振しない原因となる。
【0007】そこで本発明は上記課題を解消し、腕部に
溝を形成することによって、電気機械結合係数を大きく
するとともにクリスタルインピーダンスを小さくして、
小型化を図ることができる音叉型圧電振動子を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ほぼ
同一形状に形成された複数の腕部を有する音叉型圧電振
動子であって、前記腕部が対向する前記腕部の第1の面
に対してほぼ垂直な第2の面及び第3の面に第1の電極
と第2の電極が形成されてなり、前記第1の電極と前記
第2の電極間に溝が形成されてなる音叉型振動子ことを
特徴とする。
【0009】請求項1の構成によれば、腕部の第2の面
と第3の面にはそれぞれ第1の電極と第2の電極が形成
されている。そして、第2の面及び第3の面における第
1の電極と第2の電極の間には溝がそれぞれ形成されて
いる。
【0010】この溝を形成することにより、同一平面上
に形成されている第1の電極から第2の電極への電界の
漏れが低減されることとなる。これにより、音叉型圧電
振動子の電気機械結合係数が増加するとともに、クリス
タルインピーダンス値が小さくなる。電気機械結合係数
の増大により、音叉型振動子を発振させるための電力を
少なくすることができる。また、クリスタルインピーダ
ンス値を小さくすることによって、安定した振動特性を
得ることができるとともに、音叉型圧電振動子の小型化
を図ることができる。さらに、音叉型圧電振動子の小型
化によって、1つのウェハからより多くの音叉型圧電振
動子を作製することができ、量産性の向上を図ることが
できる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記第2の面に形成されてなる前記第1の電極は、
前記第3の面に形成されてなる前記第2の電極と対向す
るように配置されてなり、前記第2の面に形成されてな
る前記第2の電極は、前記第3の面に形成されてなる前
記第1の電極と対向するように配置されてなる音叉型圧
電振動子を特徴とする。
【0012】請求項2の構成によれば、第2の面の第1
の電極と第3の面の第2の電極が対向するように形成さ
れている。同様に、第2の面の第2電極と第3の面の第
1電極が対向するように形成されている。このように、
第1の電極と第2の電極がそれぞれ対向して設けられて
いることによって、第2の面と第3の面が対称的な構造
を有することとなり、振動特性の向上を図ることができ
る。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の構成において、前記第1の電極、前記第2の電極及び
前記溝は、前記腕部の長軸方向に形成されてなる音叉型
圧電振動子を特徴とする。
【0014】請求項3の構成によれば、第1の電極、第
2の電極及び溝が、腕部の長手方向に形成されていて、
同一平面上に形成された第1の電極及び第2の電極の電
界の短絡が腕部のほぼ全体にわたって低減する。
【0015】上記目的は、請求項4の発明は、請求項1
から請求項3のいずれかの構成において、前記第1の面
における前記溝と前記第2の面における前記溝は、その
一部または全部において貫通孔を形成している音叉型圧
電振動子を特徴とする。
【0016】請求項4の構成によれば、第1の面に形成
された溝と第3の面に形成された溝のその一部または全
部が貫通されて、貫通孔を形成している。従って、腕部
の圧電材料を介して生じる同一平面上の第1駆動電極と
第2駆動電極の電界の短絡がなくなり、振動子の性能を
向上させることができる。また、貫通孔を形成すること
によって、加工行程を外形形状と同一にすることができ
る。
【0017】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
のいずれかの構成において、前記圧電材料は、タンタル
酸リチウム、ニオブ酸リチウムもしくはランガサイトの
いずれかからなる音叉型圧電振動子を特徴とする。
【0018】請求項5の構成によれば、音叉型圧電振動
子は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムもしくは
ランガサイトからなっていて、これらの圧電材料は水晶
と比べて高い電気機械結合係数を有している。このよう
な圧電材料を用いることによって音叉型圧電振動子のク
リスタルインピーダンス値が低減されることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の
音叉型圧電振動子の好ましい実施の形態を示す平面図で
あり、図1を参照して音叉型圧電振動子10について説
明する。なお、図1(A)は音叉型圧電振動子10の第
2の面13yを示しており、図1(B)は音叉型圧電振
動子10の第3の面13zを示している。図1の音叉型
圧電振動子10は、基部11、駆動電極12、2つの腕
部13A、13B、溝14等を有している。
【0020】この音叉型圧電振動子10の材料は、圧電
材料からなっていて、特に、タンタル酸リチウム、ニオ
ブ酸リチウムもしくはランガサイトの回転Y板からなっ
ている。ここら圧電材料は、水晶に比べて電気機械結合
係数(圧電係数)が高い材料であり、この圧電係数が高
い材料を用いることによって、音叉型圧電振動子10の
CI値を小さくして小型化を図ることができる。
【0021】ここで、回転Y板とは、タンタル酸リチウ
ム等の単結晶において、電気軸をX軸、機械軸をY軸、
光軸をZ軸とした直交座標系において、Y軸回りにXZ
平面を主面として形成したものである。従って、基部1
1及び腕部13A、13Bの分極方向は、図2の矢印Y
方向に形成されることとなる。
【0022】図1の基部11はたとえばほぼ方形状に形
成されていて、基部11の幅W1はたとえば0.4(m
m)になるように形成されている。基部11から矢印Z
方向に向かって2つの腕部13A、13Bが形成されて
いる。腕部13A、13Bはそれぞれ同一の形状及び同
一の構造を有しており、腕部13A、13Bの幅W2は
それぞれたとえば0.1(mm)で形成されている。ま
た、図2の腕部13A、13Bにおいて、腕部13A、
13Bの互いに対向する面である第1の面13xとほぼ
垂直になるように第2の面13y及び第3の面13zが
形成されている。
【0023】駆動電極12は、基部11から腕部13
A、13Bの長手方向(矢印Z方向)に向かって形成さ
れている。基部11の第2の面13y上に形成されてい
る駆動電極12には外部端子12eが形成されており、
この外部端子12eに交流電圧が印加されることによ
り、腕部13A、13Bが励振されることとなる。この
駆動電極12は、たとえば下地がクロム(Cr)、ニッ
ケル(Ni)もしくはチタン(Ti)で上層が金(A
u)、もしくは1層のアルミニウム膜、又は1層のクロ
ム膜の上に保護膜としてSiO2 を成膜することにより
形成される。
【0024】図2は、図1の音叉型圧電振動子10にお
ける腕部13A、13BのA−A断面を示す断面図であ
り、図1と図2を参照して駆動電極12について説明す
る。図2の駆動電極12は第1駆動電極(第1の電極)
12a、12c及び第2駆動電極(第2の電極)12
b、12d等から構成されている。第1駆動電極12a
と第2駆動電極12bは、腕部13A、13Bの第2の
面13yに形成されていて、第1駆動電極12cと第2
駆動電極12dは、腕部13A、13Bの第3の面13
zに形成されている。
【0025】また、第2の面13yの第1駆動電極12
aと第3の面13zの第1駆動電極12cは、第1の面
13xを介して電気的に接続されている。同様に、第2
の面13yの第2駆動電極12bと第3の面13zの第
2駆動電極12dも、腕部13の第1の面13xを介し
て電気的に接続されている。
【0026】第1駆動電極12aと第2駆動電極12d
及び第2駆動電極12bと第1駆動電極12cはそれぞ
れ対向するように設けられていて、第1駆動電極12a
と第2駆動電極12d及び第1駆動電極12cと第2駆
動電極12bの間でそれぞれ電界が形成される。第2の
面13yと第3の面13zが同一の電極構造を有するこ
とによって、音叉型圧電振動子10はX軸に対して対称
になり、周波数特性の向上を図ることができる。
【0027】腕部13A、13Bの同一平面上に形成さ
れている第1駆動電極12aと第2駆動電極12b及び
第1駆動電極12cと第2駆動電極12dの間にはそれ
ぞれ溝14がたとえばエッチング等により形成されてい
る。ここで、溝14の深さDpはたとえば30(μ
m)、溝14の幅Ddはたとえば70(μm)になるよ
うに形成されている。第1駆動電極12aと第2駆動電
極12b及び第1駆動電極12cと第2駆動電極12b
の間にそれぞれ溝14を形成したのは以下の理由によ
る。
【0028】たとえば図8に示す従来の音叉型圧電振動
子1のように、同一平面上に形成された第1駆動電極4
aと第2駆動電極4b及び第1駆動電極4cと第2駆動
電極4cにおいて、電界が短絡してしまい、電気機械結
合係数が小さくなるとともにCI値が大きくなってしま
うという問題がある。そこで、図2に示すように溝14
を形成すると、同一平面上に形成された第1駆動電極1
2aと第2駆動電極12b及び第1駆動電極12cと第
2駆動電極12dにおいて、溝14を回り込まなけれ
ば、電界の短絡は発生しないようになる。従って、同一
平面上に形成されている第1駆動電極12aと第2駆動
電極12b及び第1駆動電極12cと第2駆動電極12
dの電界の短絡が少なくなり、それぞれ対向した第1駆
動電極12aと第2駆動電極12d及び第1駆動電極1
2cと第2駆動電極12bの間で電界が形成されるよう
になる。
【0029】従って、音叉型圧電振動子10の大きさを
小さくして、同一平面上の第1駆動電極12aと第2駆
動電極12b及び第1駆動電極12cと第2駆動電極1
2dの距離が短くなったときでも、CI値の上昇を防止
することができる。すなわち、腕部13A、13Bの幅
Wを小さくしても、CI値が上昇せずに安定した振動を
得ることができる。また、上述したように音叉型圧電振
動子10の発振周波数はL2 /Wに依存するため、腕部
13A、13Bの長さLも小さくすることができる。こ
れにより、音叉型圧電振動子10の小型化及び性能の向
上を図ることができる。
【0030】ここで、図3は溝14の深さDpと大気中
のCI値の関係を示すグラフ図であり、図3を参照して
具体的に説明する。図3において、溝14の深さDpの
大きさに反比例して大気中のCI値が小さくなり、溝1
4は深ければ深い程CI値が小さくなっている。具体的
には、溝14が形成されていない(Dp=0(μm))
音叉型圧電振動子において、大気中のCI値が約103
(kΩ)であるのに対して、溝14の深さDpがたとえ
ば20(μm)のとき、大気中のCI値は約42.5
(kΩ)にまで低くなっている。
【0031】また、溝14の深さDpが30(μm)の
とき大気中のCI値は約37.4(kΩ)、溝14の深
さDpが35(μm)のとき大気中のCI値は約33.
3(kΩ)となり、溝14の深さDpが深ければ深いほ
ど大気中のCI値が小さくなっていることがわかる。こ
れは、溝14が深ければ深いほど、溝14を回り込むこ
とにより発生する第1駆動電極12aと第2駆動電極1
2b及び第1駆動電極12cと第2駆動電極12dの間
の電界の短絡が少なくなるためである。
【0032】さらに、図4は同一の大きさで形成された
音叉型圧電振動子であって、溝を有していない音叉型圧
電振動子と、溝を有する音叉型圧電振動子における腕部
の幅とCI値の関係を示すグラフ図を示している。図4
(A)の溝14を有していない音叉型圧電振動子1にお
いて、腕部3の幅Wが小さくなると、それに反比例して
CI値が急激に大きくなっている。一方、図4(B)の
溝14を形成した音叉型圧電振動子10において、腕部
13A、13Bの幅W2が小さくなっても、CI値の上
昇が抑えられている。
【0033】特に、従来の音叉型圧電振動子1の腕部3
の幅Wは200(μm)以上で形成されていて、これを
200(μm)以下で形成しようとするとCI値は急激
に悪化してしまう。これに対し、溝14を形成した音叉
型圧電振動子10においては、腕部13A、13Bの幅
W2が200(μm)になっても、CI値の上昇が抑制
されている。これは、溝14を設けることで腕部13の
幅Wを小さくできることを示しており、腕部13A、1
3Bの長さLも短くできることを意味する。このよう
に、音叉型圧電振動子10を小型化しても振動損失が大
きくならず効率的な音叉型圧電振動子10を製造するこ
とができる。
【0034】また、図5は溝の幅とCI値の関係を示す
グラフ図であるが、図5において、溝14の幅Ddが大
きくなるにつれて、大気中のCI値が小さくなっている
ことがわかる。これは、溝14の幅Ddが大きければ大
きいほど、溝14を回り込むことにより発生する同一平
面上に形成されている第1駆動電極12aと第2駆動電
極12b及び第1駆動電極12cと第2駆動電極12d
の電界の短絡が少なくなるためである。従って、溝14
の幅Ddを大きくすることによって、よりCI値を小さ
くすることができ、音叉型圧電振動子10の小型化を図
ることができる。図4と図5に示すように、溝14、1
4の深さDpは深ければ深いほどよく、幅Ddは大きけ
れば大きいほどよい。
【0035】図6は本発明の音叉型圧電振動子の第2の
実施の形態を示す断面図であり、図6を参照して音叉型
圧電振動子100について説明する。なお、図6の音叉
型圧電振動子100において、図2の音叉型圧電振動子
10と同一の構成を有する部位には同一の符号を付して
その説明を省略する。
【0036】図6の音叉型圧電振動子100が図2の音
叉型圧電振動子10と異なる点は、溝14の構造であ
る。図7の音叉型圧電振動子100において、第2の面
13yに形成された溝14と第3の面13zに形成され
た溝14が貫通しており、貫通孔110を形成してい
る。この貫通孔110は、たとえば第2の面13y及び
第3の面13zからそれぞれ溝14を形成することで貫
通させることで形成されている。なお、第2の面13y
から第3の面13zに向かって溝14を貫通させ、もし
くは第3の面13zから第2の面13yに向かって溝1
4を貫通させるように形成してもよい。
【0037】このように、溝14を貫通させることによ
って、同一平面上に形成された第1駆動電極12aと第
2駆動電極12b及び第1駆動電極12cと第2駆動電
極12dにおいて、溝14を回り込むことにより腕部1
3、13の圧電材料中を通って発生する電界の短絡が全
くなくなり、CI値を十分に低くすることができる。従
って、音叉型圧電振動子100を小型化して、第1駆動
電極12aと第2駆動電極12b及び第1駆動電極12
cと第2駆動電極12dの距離がそれぞれ近くなったと
しても、CI値の上昇を最小限に抑制することができ
る。
【0038】上記実施の形態によれば、同一平面上に形
成された第1駆動電極12aと第2駆動電極12bの間
及び第1駆動電極12cと第2駆動電極12dの間に溝
14、14をそれぞれ形成することによって、同一平面
上に形成されている第1駆動電極12aと第2駆動電極
12b及び第1駆動電極12cと第2駆動電極12dの
電界の短絡を低減して、CI値を小さくすることができ
る。腕部13の幅W及び長さLをそれぞれ小さくしても
CI値が大きくならないため、音叉型圧電振動子10の
小型化を図ることができる。具体的には、従来と同一の
性能を有する音叉型圧電振動子10において、従来と比
べて腕部13、13の長さLを約68(%)、幅Wを約
75(%)、体積比を約50(%)まで小さくすること
ができる。従って、この音叉型圧電振動子10をパッケ
ージングする際のパッケージの大きさとして、従来は横
幅(図1の矢印X方向)が1.9(mm)、縦幅(図1
の矢印Z方向)が4.7(mm)、高さ(図2の矢印Y
方向)が0.9(mm)の大きさのパッケージが必要で
あったのが、音叉型圧電振動子10を用いることによっ
て、横幅(腕部13、13の幅方向)が1.6(m
m)、縦幅(腕部13A、13Bの長さL方向)が3.
2(mm)、高さが0.9(mm)の大きさのパッケー
ジに収容することができるようになる。従って、この音
叉型圧電振動子10を組み込んだ時計等の電子機器の大
きさを小さくすることができる。
【0039】さらに、第2の面13yの溝14と第3の
面13zの溝14を貫通させて貫通孔110を形成する
ことによって、溝14を回り込んで発生する電界の漏れ
をなくし、CI値を最小限に抑えることができる。
【0040】また、音叉型圧電振動子10の小型化を実
現することによって、1つのウェハから製造することが
できる音叉型圧電振動子10の数が増加するため、生産
効率の向上を図ることができる。すなわち、1つの音叉
型圧電振動子10のサイズが小さくなれば、所定のサイ
ズのウェハから製造できる音叉型圧電振動子10の数が
大きくなるため、1つのウェハからより多くの音叉型圧
電振動子10を製造することができるようになる。
【0041】さらに、溝14を形成することによって電
気機械結合係数を増加させることができるので、この音
叉型圧電振動子10の発振に必要とされる電力が少なく
てすみ、消費電力の低減を図ることができる。
【0042】本発明の実施の形態は、上記実施の形態に
限定されない。たとえば、図1における溝14は、第1
駆動電極12aと第2駆動電極12b及び第1駆動電極
12cと第2駆動電極12dが形成されている長さだけ
形成されていれば、電界の漏れを防止することができ
る。また、溝14の形状は矩形状に形成されているが、
V字状に形成されている場合でもよい。
【0043】また、図6の音叉型圧電振動子100にお
いて、腕部13A、13Bにおいて形成された溝14の
全領域にわたって貫通していてもよいし、一部のみ貫通
していてもよい。
【0044】さらに、音叉型圧電振動子10の発振周波
数としてたとえば32kHzの場合のみならず、たとえ
ば16kHz等の発振周波数を有する音叉型圧電振動子
にも適用することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1の電極と第2の電極の間に溝を形成することによっ
て、同一平面上に形成されている第1の電極と第2の電
極の間の電界の漏れを防止して、小型化及び性能の向上
を図るとともに、小型化によって生産効率の向上を図る
ことができる音叉型圧電振動子を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音叉型圧電振動子の好ましい実施の形
態を示す平面図。
【図2】図1の音叉型圧電振動子におけるA−A断面を
示す断面図。
【図3】本発明の音叉型圧電振動子における溝の深さと
CI値の関係を示すグラフ図。
【図4】本発明の音叉型圧電振動子の好ましい実施の形
態と従来の溝を設けない音叉型圧電振動子とにおける腕
部の幅とCI値の関係を示すグラフ図。
【図5】本発明の音叉型圧電振動子における溝の幅とC
I値の関係を示すグラフ図。
【図6】本発明の音叉型圧電振動子の別の実施の形態を
示す断面図。
【図7】従来の音叉型圧電振動子の一例を示す平面図。
【図8】図7の音叉型圧電振動子におけるX−X断面を
示す断面図。
【符号の説明】
10、100・・・音叉型圧電振動子 11・・・基部 12・・・駆動電極 12a、12c・・・第1駆動電極(第1の電極) 12b、12d・・・第2駆動電極(第2の電極) 13、13・・・腕部 13a・・・第1の面 13y・・・第2の面 13z・・・第3の面 14・・・溝 110・・・貫通孔 Dp・・・溝の深さ Dd・・・溝の幅 W1・・・基部の幅 W2・・・腕部の幅

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ同一形状に形成された複数の腕部を
    有する音叉型圧電振動子であって、 前記腕部が対向する前記腕部の第1の面に対してほぼ垂
    直な第2の面及び第3の面に第1の電極と第2の電極が
    形成されてなり、前記第1の電極と前記第2の電極間に
    溝が形成されてなることを特徴とする音叉型圧電振動
    子。
  2. 【請求項2】 前記第2の面に形成されてなる前記第1
    の電極は、前記第3の面に形成されてなる前記第2の電
    極と対向するように配置されてなり、前記第2の面に形
    成されてなる前記第2の電極は、前記第3の面に形成さ
    れてなる前記第1の電極と対向するように配置されてな
    ることを特徴とする請求項1に記載の音叉型圧電振動
    子。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極、前記第2の電極、及び
    前記溝は、前記腕部の長軸方向に形成されてなることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の音叉型圧電振
    動子。
  4. 【請求項4】 前記第1の面における前記溝と前記第2
    の面における前記溝は、その一部または全部において貫
    通孔を形成している請求項1から請求項3のいずれかに
    記載の音叉型圧電振動子。
  5. 【請求項5】 前記圧電材料は、タンタル酸リチウム、
    ニオブ酸リチウムもしくはランガサイトのいずれかから
    なる請求項1から請求項4のいずれかに記載の音叉型圧
    電振動子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7406756B2 (en) 2003-10-22 2008-08-05 Seiko Epson Corporation Method for manufacturing a piezoelectric resonator
US9257959B2 (en) 2013-03-29 2016-02-09 Seiko Epson Corporation Resonator element, resonator, oscillator, electronic apparatus, sensor, and moving object

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