JP2001183541A - 偏波モード分散等化器 - Google Patents

偏波モード分散等化器

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JP2001183541A
JP2001183541A JP36352899A JP36352899A JP2001183541A JP 2001183541 A JP2001183541 A JP 2001183541A JP 36352899 A JP36352899 A JP 36352899A JP 36352899 A JP36352899 A JP 36352899A JP 2001183541 A JP2001183541 A JP 2001183541A
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optical waveguide
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JP36352899A
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Kaoru Kaneshiro
馨 金城
Takashi Sugihara
隆司 杉原
Yukio Kobayashi
由紀夫 小林
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Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各偏波モード間の結合および非線形光学効果
による影響が無視できない光伝送路の適宜な複数箇所に
容易に設けてPMD補償を行うこと。 【解決手段】 ブラッグ反射を生じさせる複屈折導波路
グレーティング1を有した光導波路3の等価屈折率に複
屈折性をもたせ、光導波路3の入出力端から入力された
入射光LIの偏光L1,L2の偏波モード分散を光導波
路3上におけるブラッグ反射の反射点P1,P2の位置
を、光導波路3の長手方向における等化屈折率を変化さ
せることによって変化させて、各偏光L1,L2の群遅
延時間差Δτである偏波モード分散を補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超高速光通信シ
ステムにおける光信号の偏波モード分散(PMD:Pola
rization Mode Dispersion)を補償する偏波モード分散
等化器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、光信号の伝送においては、光
が異なる屈折率をもつ物質中を進んだ場合、この物質の
屈折率の大小によって物質中の伝搬速度が異なり、屈折
率nの物質中を光が伝搬するときの伝搬速度βは、光の
速度を「c」として、次式(1)で示される。 β=c/n ・・・(1) ここで、入射光の偏波方向によって屈折率の異なる材料
(異方性材料)中での光の伝搬であって、長さLの異方
性材料における光の伝搬を考える。入射光の偏波方向に
よって光が受ける屈折率を「n1」または「n2」とす
る場合、式(1)をもとに、各屈折率n1,n2におけ
る伝搬速度β1,β2は、式(2),(3)に示すよう
になる。 β1=c/n1 ・・・(2) β2=c/n2 ・・・(3)
【0003】ここで、各光が長さLの異方性材料を通過
する時間τ1,τ2は、それぞれ次式(4),(5)に
示すようになる。 τ1=L/β1=L*n1/c ・・・(4) τ2=L/β2=L*n2/c ・・・(5)
【0004】したがって、光が異なる屈折率n1,n2
を受けて異方性材料中を伝搬する場合、異方性材料通過
後の遅延時間が異なるという現象が生じる。このとき、
異方性材料中での各固有偏波方向に変更した光に生じる
遅延時間|τ1−τ2|を偏波モード分散(PMD)と
いう。
【0005】一般に、光伝送路として用いられる単一モ
ードファイバでは、互いに直交する二つの方向に偏光
し、縮退した二つのモードを伝える。ここで、単一モー
ドファイバが、完全な軸対称性を有し、等方的な材質で
あるという理想的な条件をもとでは、二つの直交する偏
波の伝搬速度には差が生じないため、PMDの値は零と
なる。
【0006】しかし、実際には単一モードファイバの長
手方向に沿って、局所的にわずかな異方性が生じている
ため、このような単一モードファイバ内を光信号が伝搬
すると、伝搬経路中に存在する屈折率異方性が生じてい
る箇所において光信号が有する偏波方向に対応した遅延
差が生じる。この光信号の偏波の違いによる遅延差が伝
送路中で蓄積されると、受信端において信号波形の劣化
を引き起こすことになる。
【0007】従来の一般的なPMD補償方式は、受信器
前においてPMDを検出し、この検出したPMD量に応
じた検出信号をPMD補償回路にフィードバックし、受
信器端においてPMD量を一括して補償するようにして
いる。たとえば、図22は、PMD補償回路の一例を示
す図である。図22において、PMD補償回路200の
光タップ224は、光伝送路211上の光信号の一部を
取り出し、PMD検出器223は、光タップ224によ
って取り出した光信号をもとにPMDによる波形劣化を
検出し、PMD波形歪に対する補償量を制御回路222
a,222bに送出する。制御回路222bは、入力さ
れた補償量をもとに、偏波面調整部226を制御し、光
伝送路211から入力される、PMD歪みを受けた光信
号の偏光状態を最適にする。制御回路222aは、入力
された補償量をもとに遅延光学系227cを制御してP
MD歪みを補償する。このPMD歪みの補償が行われた
光信号は、光伝送路211上に送出され、光タップ22
4による光信号の一部取り出しによるフィードバック制
御が実行される。
【0008】偏波面調整器226は、偏光面が、偏光ビ
ームスプリッタ227aと偏光ビームスプリッタ227
bとが分離する偏光主軸に対して45度の角度となるよ
うに、偏波面を調整して出力する。偏波面が調整された
光信号は、偏光ビームスプリッタ227aによって、光
ファイバの速度軸に偏光したx偏光l1と、これに直交
する光ファイバの遅延軸に偏光したy偏光l2とに分離
される。x偏光l1は、遅延光学系227cに出力され
るが、このx偏光と直交するy偏光l2は、そのまま偏
光ビームスプリッタ227bに出力される。遅延光学系
227cは、制御回路222aの制御のもとに、入力さ
れた偏波光のPMD、つまり各偏光の群遅延時間差Δτ
分、x偏光とy偏光とを遅延させて、偏光ビームスプリ
ッタ227bに出力する。
【0009】この遅延差Δτは、主として、遅延光学系
227c内のミラーm1,m2の距離を調整し、x偏光
l1の往復時間を変えることによって設定される。この
ミラーm1,m2間の距離は、制御回路222aによっ
て行われる。PMD検出器223は、光タップ224を
介して取り出した光信号の一部をもとにPMDによる波
形劣化を検出し、PMD波形歪に対する補償量を算出
し、この補償量を制御回路222a,222bに送出す
る。制御回路222aは、入力された補償量に相当する
遅延差Δτを求め、この遅延差Δτに相当するミラーm
1,m2間の距離を算出し、この算出した距離となるよ
うにミラーm2を移動させる。一方、制御回路222b
は、入力された補償量が最小となるように、偏波調整部
226に対して、偏波面調整を行わせ、偏光ビームスプ
リッタ227aによるx偏光l1とy偏光l2との分波
を確実に行わせ、PMD歪みが最小となるようにする。
【0010】ここで、図23を参照して、PMD補償処
理について説明する。図23(a)は、PMD補償前に
おけるx偏光とy偏光との関係を示し、図23(b)
は、PMD補償後におけるx偏光とy偏光との関係を示
している。図23において、偏波面調整部226による
偏光ビームスプリッタ227aに対する偏波面調整が正
しく行われている場合、y偏光l2は、x偏光l1に対
する直交偏波成分として表せる。y偏光l2は、x偏光
l1に対して、PMD歪みによる遅延差Δτ分遅延して
伝送される。遅延光学系227cは、x偏光l1を遅延
差Δτ分遅延させるので、図23(b)に示すように、
x偏光l1とy偏光l2との遅延差Δτは解消され、P
MD歪みは補償されることになる。
【0011】その後、偏光ビームスプリッタ227b
は、偏光ビームスプリッタ227aから直接入力された
y偏光l2と、遅延光学系227cから入力されたx偏
光l1とを合波し、PMD補償がなされた光信号として
光伝送路211上に出力する。その後、さらに、この光
信号の一部が光タップ224によって取り出され、フィ
ードバックループによるPMD補償が実行される。
【0012】なお、上述したPMD補償回路の構成は、
文献「Automatic Compensation ofFirst Order Polariz
ation Mode Dispersion in a 10 Gb/s Transmission Sy
stem」(Fred Heismannら著,ECOC'98,20-24,Septemb
er,1998,pp529-530)に記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したP
MD補償方式では、光伝送路における各偏波モード間の
結合が小さく、また光伝送路における非線形光学効果の
影響が小さい状態である場合には有効にPMD歪みを補
償することができるが、光伝送路における各偏波モード
間の結合が大きく、また光伝送路における非線形光学効
果の影響が無視できない場合、一旦PMDによる偏波モ
ード間の遅延差が生じると、各偏波が受ける非線形光学
効果の大きさが異なる上、さらに偏波モード間でパワー
の結合が生じるために、各偏波モードの光信号波形は互
いに異なったものとなり、もはや、受信器前での一括補
償では信号波形の再現が困難になるという問題点があっ
た。
【0014】そこで、受信器前の一括補償のみならず、
各偏波モード間の結合および非線形光学効果による影響
が大きくなる前に、光伝送路上の複数箇所にPMD補償
回路を設け、受信器端における信号波形の再現を確実に
できるようにしているが、上述したPMD補償回路は、
遅延光学系227c等の光学部品が多く用いられている
ため、その装置規模が大きく、設置およびその取り扱い
にかかる時間と労力とが大きいという問題点があった。
【0015】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
各偏波モード間の結合および非線形光学効果による影響
が無視できない光伝送路の適宜な複数箇所に容易に設け
てPMD補償を行うことができる小型化された偏波モー
ド分散等化器を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる偏波モード分散等化器は、ブラッ
グ反射を生じさせるグレーティングを有した光導波路の
等価屈折率に複屈折性をもたせ、前記光導波路の入出力
端から入力された光信号の偏波モード分散を該光導波路
上におけるブラッグ反射位置の長短によって補償し、該
光導波路の入出力端から出力することを特徴とする。
【0017】この発明によれば、光導波路の一端から入
射された光信号は、光導波路上のグレーティングによっ
て生じるブラッグ反射位置を複屈折性によって、光信号
の各偏光に対するブラッグ反射位置を異ならせて反射さ
せることによって、反射光路長差を持たせ、この反射光
路長の違いによって入射光を構成する各偏光の群遅延時
間差Δτである偏波モード分散を補償するようにしてい
る。
【0018】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光導波路の長手方向の屈
折率を変化させたことを特徴とする。
【0019】この発明によれば、光導波路の長手方向の
屈折率を変化させることによって、光導波路の長手方向
距離に対応するブラッグ波長を変化させ、これによって
各偏光の群遅延時間差である偏波モード分散を補償する
ようにしている。
【0020】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光導波路のグレーティン
グ間隔を該光導波路の長手方向に線形に変化させたこと
を特徴とする。
【0021】この発明によれば、光導波路のグレーティ
ング間隔を光導波路の長手方向に沿って線形に変化させ
てチャープドグレーティングを実現し、光導波路の長手
方向距離に対応するブラッグ波長を変化させ、これによ
って各偏光の群遅延時間差である偏波モード分散を補償
するようにしている。
【0022】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光導波路の長手方向の屈
折率変化あるいは前記光導波路のグレーティング間隔の
変化を該長手方向の距離の関数によって変化させたこと
を特徴とする。
【0023】この発明によれば、光導波路の長手方向の
屈折率変化あるいは光導波路のグレーティング間隔の変
化を長手方向の距離の関数によって変化させ、光導波路
の長手方向距離に対応するブラッグ波長を変化させ、こ
れによって各偏光の群遅延時間差である偏波モード分散
を補償するようにしている。
【0024】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光導波路の長手方向に温
度勾配を与える温度勾配手段をさらに備えたことを特徴
とする。
【0025】この発明によれば、温度勾配手段が光導波
路の長手方向に温度勾配を与え、この温度勾配によって
光導波路の長手方向に屈折率変化を与えることによって
光導波路の長手方向距離に対応するブラッグ波長を変化
させ、これによって各偏光の群遅延時間差である偏波モ
ード分散を任意に変更し、最適な偏波モード分散の補償
を行うようにしている。
【0026】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光導波路の長手方向に電
界勾配を与える電界勾配手段をさらに備えたことを特徴
とする。
【0027】この発明によれば、電界勾配手段が光導波
路の長手方向に電界勾配を与え、この電界勾配によって
光導波路の長手方向に電気光学効果を生じさせ、この電
気光学効果による屈折率変化を与えることによって光導
波路の長手方向距離に対応するブラッグ波長を変化さ
せ、これによって各偏光の群遅延時間差である偏波モー
ド分散を任意に変更し、最適な偏波モード分散の補償を
行うようにしている。
【0028】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光導波路の長手方向に応
力勾配を与える応力勾配手段をさらに備えたことを特徴
とする。
【0029】この発明によれば、たとえば圧電素子等を
用いた応力勾配手段が光導波路の長手方向に応力勾配を
与え、この応力勾配が与えられた近傍の光導波路の光路
長を伸長させて光導波路の長手方向距離に対応するブラ
ッグ波長を変化させ、これによって各偏光の群遅延時間
差である偏波モード分散を任意に変更し、最適な偏波モ
ード分散の補償を行うようにしている。
【0030】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、入力する光信号を伝送する第
1の光伝送路と、出力する光信号を伝送する第2の光伝
送路と、前記第1の光伝送路と前記光導波路の入出力端
と前記第2の光伝送路とを接続した光サーキュレータ
と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0031】この発明によれば、第1の光伝送路から入
力された光信号は、光サーキュレータに入力され、さら
に光サーキュレータに接続された光導波路に入力され、
この光導波路において偏波モード分散補償された光信号
を光サーキュレータが第2の光伝送路に出力するように
している。
【0032】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、入力する光信号を伝送する第
1の光伝送路と、出力する光信号を伝送する第2の光伝
送路と、前記第1の光伝送路と前記光導波路の入出力端
と前記第2の光伝送路とを接続し、該第1の光伝送路と
該複数の前記光導波路と該第2の光伝送路との間で入出
力される光信号を合分波する光合分波器と、をさらに備
えたことを特徴とする。
【0033】この発明によれば、第1の光伝送路から入
力された光信号は、光合分波器に入力され、複数の光導
波路に分波される。分波された光信号は各光導波路で偏
波モード分散補償され、再度光合分波器に入力され、第
2の光伝送路に出力されるようにしている。
【0034】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光サーキュレータに接続
され、前記光導波路の入出力端から出力された光信号の
波長分散を補償し、該光サーキュレータに出力する可変
分散補償手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0035】この発明によれば、光導波路によって偏波
モード分散補償された光信号は、この光導波路内におい
て波長分散を受けるが、可変分散補償手段によってこの
波長分散を補償するようにしている。
【0036】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光導波路の入出力端の前
段に該光導波路に入力される光信号の偏波面を調整する
偏波面調整手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0037】この発明によれば、光導波路による偏波モ
ード分散補償を行う前に光信号の偏波面を最適な状態に
調整するようにしている。
【0038】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光導波路の入出力端から
出力された光信号の偏波モード分散を検出する偏波モー
ド分散検出手段と、前記偏波モード分散検出手段の検出
結果をもとに前記温度勾配手段、前記電界勾配手段また
は前記応力勾配手段を制御して前記偏波モード分散を最
小にする制御手段と、をさらに備えたことを特徴とす
る。
【0039】この発明によれば、偏波モード分散検出手
段が光導波路の入出力端から出力された光信号の偏波モ
ード分散を検出し、制御手段が、この検出結果をもとに
温度勾配手段、電界勾配手段または応力勾配手段をフィ
ードバック制御し、動的に偏波モード分散が最小となる
ように制御する。
【0040】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、前記光導波路の入出力端から
出力された光信号の符号誤りを検出する誤り検出手段
と、前記誤り検出手段の検出結果をもとに前記温度勾配
手段、前記電界勾配手段または前記応力勾配手段を制御
して前記符号誤りを最小にする制御手段と、をさらに備
えたことを特徴とする。
【0041】この発明によれば、誤り検出手段が光導波
路の入出力端から出力された光信号の符号誤りを検出
し、制御手段が、この検出結果をもとに温度勾配手段、
電界勾配手段または応力勾配手段をフィードバック制御
し、動的に偏波モード分散が最小となるように制御す
る。
【0042】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、波長多重化された光信号を複
数のポートに分波する分波器と、前記分波器によって分
波された光信号のうちの所定波長帯域の光信号を取り出
し、取り出された光信号を複数の前記光導波器のうちの
対応する光導波器の入出力端にそれぞれ入力する複数の
光フィルタと、各光導波器の入出力端から出力された光
信号を合波して出力する合波器と、をさらに備えたこと
を特徴とする。
【0043】この発明によれば、分波器が波長多重化さ
れた光信号を複数のポートに分波し、光フィルタが、分
波器によって分波された光信号のうちの所定波長帯域の
光信号を取り出し、この取り出した光信号を複数の光導
波路のうちの対応する光導波路の入出力端にそれぞれ入
力して偏波モード分散補償を行わせ、合波器が、この偏
波モード分散補償された各光信号を合波して出力するよ
うにしている。
【0044】つぎの発明にかかる偏波モード分散等化器
は、上記の発明において、波長多重化された光信号を所
定波長帯域毎に分岐し、分岐された各光信号を複数の前
記光導波路のうちの対応する光導波路の入出力端に接続
するアレイ型導波路格子と、前記アレイ型導波路格子を
接続する光サーキュレータと、をさらに備えたことを特
徴とする。
【0045】この発明によれば、アレイ型導波路格子
が、波長多重化された光信号を所定波長帯域毎に分岐
し、分岐された各光信号を複数の光導波路のうちの対応
する光導波路に入力して偏波モード分散補償を行わせ、
アレイ型導波路格子が、この偏波モード分散補償が行わ
れた光信号を合波して出力するようにしている。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかる偏波モード分散等化器の好適な実施の形態
を詳細に説明する。
【0047】実施の形態1.まず、この発明の実施の形
態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態
1である偏波モード分散等化器の構成および動作を示す
図である。図1において、偏波モード分散等化器10
は、長手方向であるz方向に光を導波する光導波路3を
形成する。偏波モード分散等化器10は、この光導波路
3上のz方向にグレーティングピッチΛを等間隔にした
複屈折光導波路グレーティング1をもたせた回折格子2
を有する。複屈折導波路グレーティング1は、z方向に
直交する面を定義するx−y平面上の屈折率が一様では
なく、x方向を長軸とする楕円特性をもった複屈折性を
有し、x方向(主偏波方向)の屈折率nxとy方向の屈
折率nyとは、nx>nyの関係を有する。また、複屈
折導波路グレーティング1の等価屈折率は、図1(b)
に示すようにz方向(長手方向)に進むに従って1次関
数的に変化させている。
【0048】ここで、一般にグレーティングよって反射
される波長(ブラッグ波長)λbは、グレーティングの
等価屈折率neffとグレーティングピッチΛとを用いて
次式(6)で表せる。すなわち、λb=2neff・Λ
・・・(6)のように表せる。したがって、グレーティ
ングピッチΛが一定の場合で、図1(b)に示すよう
に、長手方向に進むに従って屈折率が1次関数的に増大
する場合、図1(c)に示すようにブラッグ波長λbも
1次関数的に増大する。
【0049】ところで、光導波路3のz方向に、偏光L
1とこの偏光L1に直交する偏光L2との成分を有する
入射光LIが入射すると、各偏光L1,L2が複屈折導
波路グレーティング1で受ける屈折率が異なるため、各
偏光L1,L2は、z軸上、異なる反射点を有すること
になる。ここでは、x方向の屈折率nxはy方向の屈折
率nyに対して常に大きな値を持たせるようにしている
ので、光導波路3の入射点から偏光L1の反射点までの
距離は、同じ入射点から偏光L2の反射点までの距離に
対して小さな値となる。たとえば、図1(a)におい
て、入射光L1は反射点P1で反射し、入射光L2は反
射点P1からさらにz方向に進んだ反射点P2で反射す
る。この反射点P1におけるnx方向の屈折率n1と反
射点P2におけるny方向の反射率n2とは同じ反射率
であり、このような反射点位置関係となるように等価屈
折率na,nbが設定されることになる。
【0050】各偏光L1,L2の群遅延時間の波長依存
性は、図1(d)に示す関係を有し、偏光L1の群遅延
時間波長依存性を示す特性F1は、偏光L2の群遅延時
間波長依存性を示す特性F2に比して長波長側にシフト
したものとなる。すなわち、偏光L1が光導波路3に入
射し、反射点P1で反射して戻ってくるまでの群遅延時
間と、偏光L2が光導波路3に入射し、反射点P2で反
射して戻ってくるまでの群遅延時間とは異なり、偏光L
1の群遅延時間に比して偏光L2の群遅延時間の方が大
きな値となる。
【0051】したがって、波長λ0の入射光を構成する
偏光L1が偏光L2に比して群遅延時間差ΔτのPMD
を有する場合、偏光L2に対して群遅延時間差Δτの遅
延量を相対的に与えるようにすれば、偏波モード分散等
化器10によって反射された出射光LOを構成する偏光
L1と偏光L2との群遅延時間差であるPMDが補償さ
れることになる。すなわち、偏波モード分散等化器10
の光導波路3内において波長λ0に対する偏光L2の群
遅延時間τp2と偏光L1の群遅延時間τp1との差が、入
射光LIの群遅延時間差Δτとなるように、複屈折導波
路グレーティング1の等価屈折率とグレーティングピッ
チΛとを設定すればよい。
【0052】なお、偏光L2が偏光L1に比して群遅延
時間差Δτ分、遅延する場合には、複屈折導波路グレー
ティング1の等価屈折率を1次関数的に減少させ、光導
波路3内において偏光L2に対して偏光L1が群遅延時
間差Δτ分、遅延して出射させるようにすればよい。
【0053】また、上述した実施の形態1では、複屈折
導波路グレーティング1の等価屈折率をz方向に進むに
従って1次関数的に増加するように設定していたが、複
屈折導波路グレーティング1が複屈折性を有するのであ
れば、複屈折導波路グレーティングの等価屈折率をz方
向に一様としてもよい。この場合、複屈折性によって各
偏光L1,L2が受ける屈折率が異なり、この屈折率の
違いによって異なる反射点を有することになるからであ
る。
【0054】この実施の形態1によれば、光導波路3上
に、ブラッグ反射を生じさせる複屈折導波路グレーティ
ング1のグレーティングピッチΛを等間隔とし、各複屈
折導波路グレーティングに複屈折性をもたせ、かつ光導
波路3の長手方向(z方向)に進むに従って複屈折導波
路グレーティングの等価屈折率を1次関数的に変化させ
た偏波モード分散等化器を形成し、この偏波モード分散
等化器に入射される入射光を構成する直交した偏光L
1,L2の各ブラッグ反射点までの光路長を異ならせ、
反射した出射光を構成する各偏光L1,L2の群遅延時
間差Δτを解消することによってPMDの補償を行うよ
うにしている。
【0055】実施の形態2.つぎに、この発明の実施の
形態2について説明する。上述した実施の形態1では、
複屈折性を有した複屈折導波路グレーティング1のグレ
ーティングピッチΛを等間隔とし、複屈折導波路グレー
ティング1の等価屈折率を光導波路3の長手方向に沿っ
て変化させるようにしていたが、この実施の形態2で
は、複屈折導波路グレーティングの等価屈折率を長手方
向に変化させず、グレーティングピッチΛを長手方向に
線形変化させたチャープドグレーティングとしている。
【0056】図2は、この発明の実施の形態2である偏
波モード分散等化器の構成および動作を示す図である。
図2(a)に示すように、この偏波モード分散等化器2
0は、光導波路23を構成し、複屈折導波路グレーティ
ング21のグレーティングピッチΛは、光導波路23の
長手方向に進むに従って、その間隔を順次線形(1次関
数的)に拡げる変化をもたせた回折格子22を形成して
いる。ただし、各複屈折導波路グレーティング21は、
複屈折性を有するものの、その等価屈折率は長手方向に
対して変化しない。この点が実施の形態1と異なる。
【0057】したがって、式(6)を参照すると、各複
屈折導波路グレーティング21の長手方向の等価屈折率
neffが同じであり、グレーティングピッチΛが長手方
向距離に対応して1次関数的に変化するため、図2
(b)に示すように、長手方向距離に対するブラッグ波
長λbの値も1次関数的に変化する。一方、たとえば波
長λOをもつ入射光LIが偏波モード分散等化器20に
入力されると光導波路23上のブラッグ反射を行う反射
点で反射し、出射光LOとして出力される。したがっ
て、偏波モード分散等化器20に入射された入射光LI
は反射点までの距離に対応した遅延量をもった出射光L
Oとして出射される。
【0058】ここで、複屈折導波路グレーティング21
は複屈折性を有しているため、波長λOの入射光LIを
構成する偏光L1とこれに直交する偏光L2とに対する
屈折率が異なり、偏光L1が光導波路上で受ける屈折率
の方が偏光L2が受ける屈折率に比して大きくしてい
る。したがって、各偏光L1,L2の群遅延時間の波長
依存性は、図2(c)に示す関係を有し、偏光L1の群
遅延時間波長依存性を示す特性F21は、偏光L2の群
遅延時間波長依存性を示す特性F22に比して長波長側
にシフトしたものとなる。この結果、波長λ0の入射光
LIを構成する偏光L1と偏光L2とに対する群遅延時
間が異なり、各偏光L1,L2に対して群遅延差Δτを
生じさせることになる。
【0059】したがって、波長λ0の入射光を構成する
偏光L1が偏光L2に比して群遅延時間差ΔτのPMD
を有する場合、偏光L2に対して群遅延時間差Δτの遅
延量を相対的に与えるようにすれば、偏波モード分散等
化器20によって反射された出射光LOを構成する偏光
L1と偏光L2とのPMDが補償されることになる。す
なわち、偏波モード分散等化器20の光導波路内におい
て波長λ0に対する偏光L2の群遅延時間τp2と偏光L
1の群遅延時間τp1との差が、入射光LIの群遅延時間
差Δτとなるように、複屈折導波路グレーティング1の
間隔をチャープ化すればよい。
【0060】なお、偏光L2が偏光L1に比して群遅延
時間差Δτ分、遅延する場合には、複屈折導波路グレー
ティング1の間隔を1次関数的に減少させるチャープ化
を行い、光導波路23内において偏光L2に対して偏光
L1が群遅延時間差Δτ分、遅延して出射させるように
すればよい。
【0061】この実施の形態2によれば、光導波路23
上に、ブラッグ反射を生じさせる複屈折導波路グレーテ
ィング1のグレーティングピッチΛを長手方向に変化さ
せたチャープドグレーティングとし、各複屈折導波路グ
レーティングに複屈折性をもたせた偏波モード分散等化
器を形成し、この偏波モード分散等化器に入射される入
射光を構成する直交した偏光L1,L2の各ブラッグ反
射点までの光路長を異ならせ、反射した出射光を構成す
る各偏光L1,L2の群遅延時間差Δτを解消すること
によってPMDの補償を行うようにしている。
【0062】実施の形態3.つぎに、この発明の実施の
形態3について説明する。上述した実施の形態2では、
複屈折性を有した複屈折導波路グレーティング1のグレ
ーティングピッチΛを長手方向に線形に変化させたチャ
ープドグレーティングとしていたが、この実施の形態3
では、複屈折導波路グレーティングのグレーティングピ
ッチΛを長手方向に不均一に変化させるようにしてい
る。
【0063】図3は、この発明の実施の形態3である偏
波モード分散等化器の構成および動作を示す図である。
図3(a)に示すように、この偏波モード分散等化器3
0は、光導波路33を構成し、複屈折導波路グレーティ
ング31のグレーティングピッチΛは、光導波路33の
長手方向に進むに従って、その間隔を不均一に変化させ
た回折格子32を形成させており、このように不均一に
グレーティングピッチを変化させたものをアポタイズグ
レーティングと呼ぶ。複屈折導波路グレーティング31
のグレーティングピッチΛの変化は、長手方向に進むに
したがって当初グレーティングピッチΛを徐々に拡げて
いき、光導波路33の中央部を境にして再び長手方向に
進むにしたがってグレーティングピッチΛを縮めていく
ようにしている。複屈折導波路グレーティング31は、
複屈折性を有するが、その等価屈折率は長手方向に対し
て変化しない。
【0064】したがって、式(6)を参照すると、各複
屈折導波路グレーティング21の長手方向の等価屈折率
neffが同じであり、グレーティングピッチΛが長手方
向距離に対応して変化するため、図3(b)の特性F0
で示すように、長手方向距離に対するブラッグ波長λb
の値も特性F0と同様な曲線を描いて変化する。一方、
たとえば波長λOをもつ入射光LIが偏波モード分散等
化器30に入力されると光導波路上のブラッグ反射を行
う反射点で反射し、出射光LOとして出力される。した
がって、偏波モード分散等化器30に入射された入射光
LIは反射点まの距離に対応した遅延量をもった出射光
LOとして出射される。
【0065】ここで、複屈折導波路グレーティング31
は複屈折性を有しているため、波長λOの入射光LIを
構成する偏光L1とこれに直交する偏光L2とに対する
屈折率が異なり、偏光L1が光導波路上で受ける屈折率
の方が偏光L2が受ける屈折率に比して大きくしてい
る。したがって、各偏光L1,L2の群遅延時間の波長
依存性は、図3(c)に示す関係を有し、偏光L1の群
遅延時間波長依存性を示す特性F31は、偏光L2の群
遅延時間波長依存性を示す特性F32に比して長波長側
にシフトしたものとなる。この結果、波長λ0の入射光
LIを構成する偏光L1と偏光L2とに対する群遅延時
間が異なり、各偏光L1,L2に対して群遅延差Δτを
生じさせることになる。
【0066】したがって、波長λ0の入射光を構成する
偏光L1が偏光L2に比して群遅延時間差ΔτのPMD
を有する場合、偏光L2に対して群遅延時間差Δτの遅
延量を相対的に与えるようにすれば、偏波モード分散等
化器30によって反射された出射光LOを構成する偏光
L1と偏光L2とのPMDが補償されることになる。す
なわち、偏波モード分散等化器30の光導波路33内に
おいて波長λ0に対する偏光L2の群遅延時間τp2と偏
光L1の群遅延時間τp1との差が、入射光LIの群遅延
時間差Δτとなるように、複屈折導波路グレーティング
31の間隔を変化させればよい。
【0067】なお、偏光L2が偏光L1に比して群遅延
時間差Δτ分、遅延する場合には、複屈折導波路グレー
ティング1の間隔を入射端から徐々に短くさせる変化を
行って、光導波路33内において偏光L2に対して偏光
L1が群遅延時間差Δτ分、遅延して出射させるように
すればよい。また、図3(c)に示した群遅延時間の波
長依存性の長波長側を用いるようにすれば、偏光L1,
L2の反射点を逆転させることができるので、この長波
長側の特性を用いてPMDを適切に補償するようにして
もよい。
【0068】また、上述した実施の形態3では、グレー
ティングピッチΛを長手方向に沿って不均一な変化をと
るようにしているが、この変化は長手方向距離に対応し
た関数として表すようにしてもよい。
【0069】さらに、上述した実施の形態3では、グレ
ーティングピッチΛを長手方向に沿って不均一としてい
るが、これに限らず、グレーティングピッチΛを等間隔
とし、複屈折導波路グレーティングの等価屈折率を不均
一に変化させるようにしてもよい。
【0070】この実施の形態3によれば、光導波路33
上に、ブラッグ反射を生じさせる複屈折導波路グレーテ
ィング1のグレーティングピッチΛを長手方向に不均一
に変化させ、各複屈折導波路グレーティングに複屈折性
をもたせた偏波モード分散等化器を形成し、この偏波モ
ード分散等化器に入射される入射光を構成する直交した
偏光L1,L2の各ブラッグ反射点までの光路長を異な
らせ、反射した出射光を構成する各偏光L1,L2の群
遅延時間差Δτを解消することによってPMDの補償を
行うようにしている。
【0071】実施の形態4.つぎに、この発明の実施の
形態4について説明する。上述した実施の形態1〜3で
は、いずれも、偏波モード分散等化器10〜30の光導
波路上における偏光L1,L2の反射点が固定的であっ
たが、この実施の形態4では、複屈折導波路グレーティ
ングに温度変化を与えることによって複屈折導波路グレ
ーティングの等価屈折率を長手方向に沿って変化させる
ようにしている。
【0072】図4は、この発明の実施の形態4である偏
波モード分散等化器の構成を示す図である。図4におい
て、この偏波モード分散等化器40は、光導波路43を
構成し、光導波路43の長手方向に沿って複屈折性を有
した複屈折導波路グレーティング41を等間隔に形成し
た回折格子42を有する。回折格子42の両端には、加
熱部44a,44bを有し、この加熱部44a,44b
は、温度制御部44によって温度制御される。温度制御
部44は、各加熱部44a,44bに対する熱量発生を
異ならせる制御を行うことによって、回折格子42に対
して温度勾配を与え、回折格子42を形成する複屈折グ
レーティング41の等価屈折率を長手方向に沿って変化
させるようにしている。なお、加熱部44a,44bを
加熱しない初期状態において、複屈折導波路グレーティ
ングの等価屈折率は長手方向に沿って同じであるものと
する。また、各複屈折導波路グレーティングの間隔は長
手方向に沿って同じであるものとする。
【0073】光導波路43の屈折率は温度の関数となっ
ているため、回折格子42の等価屈折率も温度の関数と
なる。したがって、加熱部44a,44bによって熱勾
配を与えると、回折格子42の等価屈折率も長手方向に
沿って温度勾配が発生する。図5(a)は、加熱部44
a,44bによって導波路43に温度差を与えた場合に
おける長手方向距離に対する光導波路43の温度、すな
わち長手方向距離に対する等価屈折率の勾配を示してい
る。図5(a)では、長手方向に沿って順次温度が高く
なるような温度勾配を与えているので、長手方向に沿っ
て順次、等価屈折率が高くなる変化が与えられる。した
がって、図5(b)に示すように、実施の形態1と同様
に長手方向に沿ってブラッグ波長λbの値も順次大きな
値に変化し、図5(c)に示すように、群遅延時間の波
長依存性も波長が長くなるにしたがって、群遅延時間が
大きくなる特性を示す。また、図5(d)に示すよう
に、各偏光L1,L2に対する群遅延時間の波長依存性
は、偏光L1の特性F41が偏光L2の特性F42に対
して長波長側にシフトしたものとなる。偏光L2を偏光
L1に比して群遅延時間Δτ分、遅延させることでPM
Dをなくす補償を行うことができる。
【0074】ここで、温度制御部44が加熱部44a,
44bに対する温度勾配を変化させる場合を考える。図
5(a)〜図5(c)に示した実線は、温度勾配を大き
く(急)にした場合を示し、破線は、温度勾配を小さく
(緩やか)にした場合を示している。温度勾配を大きく
した場合、図6(a)に示すように、波長λ0における
群遅延時間差Δτは、群遅延時間差Δτ’(Δτ’<Δ
τ)となり、群遅延時間差を小さくすることができる。
一方、温度勾配を小さくした場合、図6(b)に示すよ
うに、波長λ0における群遅延時間差Δτは、群遅延時
間差Δτ”(Δτ”>Δτ)となり、群遅延時間差を大
きくすることができる。すなわち、温度勾配を変化させ
ることによって群遅延時間差を変化させることができ
る。
【0075】また、図5(a)とは逆の温度勾配を与え
ることもできる。すなわち、図7(a)に示すように、
長手方向に沿って負の温度勾配を与えることができる。
このような負の温度勾配を与えると、図7(b)に示す
ようにブラッグ波長λbも長手方向に沿って小さくなる
特性を示す。この結果、図7(c)に示すように、群遅
延時間の波長依存性も負の勾配をもち、偏光L1に対す
る特性が長波長側にシフトする。したがって、偏光L1
が偏光L2に比して群遅延時間Δτ進む特性を有した入
射光LIに対して偏光L1を群遅延時間Δτ遅らすとい
うPMD補償を行うことができる。
【0076】なお、上述した実施の形態4では、加熱部
44a,44bによって光導波路43に温度勾配を与え
るようにしているが、これに限らず、冷却によって温度
勾配を与えるようにしてもよい。要は、光導波路43の
長手方向に任意の温度勾配が設定できればよい。
【0077】また、実施の形態1のように複屈折導波路
グレーティングの等価屈折率が長手方向に予め変化して
いてもよく、また、実施の形態2,3のように複屈折導
波路グレーティング41の間隔が変化していてもよい。
【0078】この実施の形態4によれば、光導波路43
上に、ブラッグ反射を生じさせる複屈折導波路グレーテ
ィング1のグレーティングピッチΛを長手方向に等間隔
にし、各複屈折導波路グレーティングに複屈折性をもた
せるとともに、光導波路43の長手方向に任意の温度勾
配を持たせるようにしているので、入射光の波長に対す
る各偏光L1,L2の群遅延時間差Δτの長短を任意に
変化させることができるとともに、正と負との温度勾配
を任意に持たせることによって各偏光L1,L2の遅延
関係に対応した遅延量をなくすことができるので、柔軟
かつ確実なPMD補償を行うことができる。
【0079】実施の形態5.つぎに、この発明の実施の
形態5について説明する。上述した実施の形態4では、
光導波路の長手方向に温度勾配をもたせ、これによって
偏光L1,L2に対する群遅延時間差Δτを任意に設定
するものであったが、この実施の形態5では、光導波路
の長手方向に電圧勾配を与え、電気光学効果によって光
導波路の長手方向の等価屈折率を変化させて群遅延時間
差Δτを任意に設定しようとするものである。
【0080】図8は、この発明の実施の形態5である偏
波モード分散等化器の構成を示す図である。図8におい
て、この偏波モード分散等化器50は、光導波路53を
構成し、光導波路53の長手方向に沿って複屈折性を有
した複屈折導波路グレーティング51を等間隔に形成し
た回折格子52を有する。光導波路53は、電界の印加
によって屈折率変化を生じさせる電気光学効果をもつ材
料によって形成される。電気光学効果の大きな材料とし
ては、各種の半導体材料や誘電体結晶材料を用いること
ができる。
【0081】回折格子52の一側面には、複数の+電極
54a〜54eが設けられるとともに、他側面には−電
極54fが設けられる。各+電極54a〜54eには可
変電源55a〜55eが接続され、電圧制御部56によ
って設定された電圧を+電極54a〜54eに印加す
る。電圧制御部56は、光導波路53の長手方向に沿っ
て電圧勾配を持たせる電圧設定を行う。
【0082】上述したように光導波路53は、電気光学
効果を生じる材料によって形成されているため、+電極
54a〜54eと−電極54fとの間に電圧が印加され
ると、電界によって光導波路53内では電気光学効果が
生じ、屈折率が電界の大きさによって変化する。たとえ
ば、入射光LIおよび出射光LOの入出射点から長手方
向に沿って徐々に(線形に)大きな電圧を印加すると、
長手方向に沿って屈折率が大きくなる。この結果、図9
(a)に示すように波長が長くなるに従って群遅延時間
も大きくなる正の勾配をもつ特性を得ることができる。
ここで、偏光L1の感じる屈折率が偏光L2の感じる屈
折率に比して大きい場合、偏光L1に対する群遅延時間
の波長依存性を示す特性F51は、偏光L2に対する群
遅延時間の波長依存性を示す特性F52に対して長波長
側にシフトする。これによって、入射光LIの波長λ0
に対する偏光L1と偏光L2との群遅延時間が異なり、
群遅延時間差ΔτであるPMDを補償することができ
る。
【0083】一方、偏光L1に比して偏光L2が遅延し
ている場合には、長手方向に沿って負の電圧勾配を印加
させることによって、図9(b)に示すように群遅延時
間の波長依存性は負の勾配をもつようになり、これによ
って群遅延時間差ΔτであるPMDを補償することがで
きる。
【0084】また、群遅延時間の波長依存性が正あるい
は負の勾配をもつ、いずれの場合であっても、電圧勾配
を小さくすることによって同一波長に対する群遅延時間
Δτの値を大きな群遅延時間Δτ’(Δτ’>Δτ)に
適切に変化させることができ(図9(c)参照)、ま
た、電圧勾配を大きくすることによって同一波長に対す
る群遅延時間Δτの値を小さな群遅延時間Δτ”(Δ
τ”<Δτ)に適切に変化させることができる。
【0085】なお、上述した実施の形態5では、+電極
54a〜54eに対して長手方向に沿って順次線形に変
化する電圧を印加するようにしていたが、これに限ら
ず、不均一の電圧を印加し、長手方向に沿って不均一の
屈折率変化をもたせるようにしてもよい。
【0086】この実施の形態5によれば、光導波路53
上に、ブラッグ反射を生じさせる複屈折導波路グレーテ
ィング51のグレーティングピッチΛを長手方向に等間
隔にし、各複屈折導波路グレーティング51に複屈折性
をもたせるとともに、各複屈折導波路グレーティング5
1によって構成される回折格子52の一側面から光導波
路53の長手方向に沿って変化する電圧を印加し、この
電圧値に対応した光導波路53の電気光学効果による屈
折率変化を長手方向に任意に変化させ、偏光L1,L2
間の群遅延時間差Δτを適切に調整することができるよ
うにしている。
【0087】実施の形態6.つぎに、この発明の実施の
形態6について説明する。上述した実施の形態5では、
光導波路の長手方向に電圧勾配を与え、光導波路の電気
光学効果によって長手方向の等価屈折率を変化させて群
遅延時間差Δτを任意に設定していたが、この実施の形
態6では、光導波路の長手方向に応力勾配を与え、応力
が加えられた近傍の光伝送路の光路長を応力に応じて変
化させ、これによって群遅延時間差Δτを任意に設定す
るようにしている。
【0088】図10は、この発明の実施の形態6である
偏波モード分散等化器の構成を示す図である。図10に
おいて、この偏波モード分散等化器60は、光導波路6
3によって構成されており、光導波路63の長手方向に
沿って複屈折性を有した複屈折導波路グレーティング6
1を等間隔に形成した回折格子62を有する。
【0089】回折格子62の一側面には、複数の圧電素
子であるピエゾ素子64a〜64eが設けられるととも
に、他側面には抑え板67が設けられる。各ピエゾ素子
64a〜64eには可変電源65a〜65eが接続さ
れ、電圧制御部66によって設定された電圧を各ピエゾ
素子64a〜64eに印加する。この場合、電圧制御部
66は、光導波路63の長手方向に沿って応力勾配を持
たせた電圧設定を行う。
【0090】ピエゾ素子64a〜64eに電圧が印加さ
れると、印加された電圧に対応した応力が光導波路63
の側面から加えられる。大きな応力が加えられた近傍の
光導波路63長は大きく延びるため、光路長の延びが大
きくなり、小さな応力が加えられた近傍の光導波路63
長は小さく延びるため、光路長の延びは小さくなる。こ
の結果、ブラッグ波長λbの反射点までの距離が変化す
るため、各偏光L1,L2に対する反射点までの距離も
比例して変化することになる。この結果、群遅延時間差
Δτも比例して変化することになる。
【0091】たとえば、入射光LIおよび出射光LOの
入出射点から長手方向に沿って徐々に(線形に)大きな
電圧を印加すると、長手方向に沿って光路長の延びが長
くなる。この結果、図11(a)に示すように波長が長
くなるに従って群遅延時間も大きくなる正の勾配をもつ
特性を得ることができ、偏光L1に対する群遅延時間の
波長依存性を示す特性F61は、偏光L2に対する群遅
延時間の波長依存性を示す特性F62に対して長波長側
にシフトする。これによって、入射光LIの波長λ0に
対する偏光L1と偏光L2との群遅延時間が異なり、群
遅延時間差ΔτであるPMDを補償することができる。
【0092】一方、偏光L1に比して偏光L2が遅延し
ている場合には、長手方向に沿って負の電圧勾配を印加
させることによって、図11(b)に示すように群遅延
時間の波長依存性は負の勾配をもつようになり、これに
よって群遅延時間差ΔτであるPMDを補償することが
できる。
【0093】また、群遅延時間の波長依存性が正あるい
は負の勾配をもつ、いずれの場合であっても、応力勾配
を小さくすることによって同一波長に対する群遅延時間
Δτの値を大きな群遅延時間Δτ’(Δτ’>Δτ)に
適切に変化させることができ(図11(c)参照)、ま
た、応力勾配を大きくすることによって同一波長に対す
る群遅延時間Δτの値を小さな群遅延時間Δτ”(Δ
τ”<Δτ)に適切に変化させることができる(図11
(d)参照)。
【0094】なお、上述した実施の形態5では、ピエゾ
素子64a〜54eに対して長手方向に沿って順次線形
に変化する電圧を印加させ、この電圧印加によって発生
する応力によって光路長を変化させるようにしていた
が、これに限らず、不均一の電圧を印加し、長手方向に
沿って不均一の光路長変化をもたせるようにしてもよ
い。
【0095】この実施の形態6によれば、光導波路63
上に、ブラッグ反射を生じさせる複屈折導波路グレーテ
ィング61のグレーティングピッチΛを長手方向に等間
隔にし、各複屈折導波路グレーティング61に複屈折性
をもたせるとともに、各複屈折導波路グレーティング6
1によって構成される回折格子62の一側面から光導波
路63の長手方向に沿って変化する電圧を印加し、この
電圧に対応して変化する応力によって光導波路63の光
路長を長手方向に任意に変化させ、偏光L1,L2間の
群遅延時間差Δτを適切に調整することができるように
している。
【0096】実施の形態7.つぎに、この発明の実施の
形態7について説明する。この実施の形態7では、上述
した実施の形態1〜6で示した偏波モード分散等化器1
0〜60を任意の光伝送路上に配置して偏波モード分散
を補償するようにしている。
【0097】図12は、この発明の実施の形態7である
偏波モード分散等化器の構成を示す図である。図12に
おいて、この偏波モード分散等化器70は、3端子の光
サーキュレータ71の一端に実施の形態4で示した偏波
モード分散等化器40を接続するようにしている。実施
の形態4では、光導波路43を構成し、光導波路43の
長手方向に沿って複屈折性を有した複屈折導波路グレー
ティング41を等間隔に形成した回折格子42を有し、
温度制御部44が回折格子42の両端の一側面に設けた
加熱部44a,44bを制御することによって光伝送路
43に所望の温度勾配を与え、この温度勾配に伴う屈折
率変化によって各偏光L1,L2に対する群遅延時間差
Δτを調整するようにしている。
【0098】光伝送路72を伝搬する光信号は、端子7
3aを介して光サーキュレータ74に入力され、端子7
3bから、光導波路43の入力端74に出力され、光導
波路43に入力される。光導波路43に入力された光信
号は、各偏光L1,L2に対応して異なる群遅延時間を
もち、各偏光L1,L2の群遅延時間差であるΔτのP
MDを補償した光信号を入力端74から再び、端子73
bを介して光サーキュレータ71に入力する。なお、入
力端74から入力された光信号のうち、回折格子42の
ブラッグ波長と一致しなかった光信号は、光導波路43
の出力端79から出力される。PMD補償され、光サー
キュレータ71に再入力された光信号は、光サーキュレ
ータの端子73cから光伝送路上に出力される。
【0099】なお、上述した実施の形態7では、温度勾
配を設けることによってPMD補償を行う実施の形態4
に対応する偏波モード分散等化器40を用いるようにし
ているが、これに限らず、実施の形態5,6に対応する
偏波モード分散等化器50,60を用いる構成としても
よい。
【0100】この実施の形態7によれば、実施の形態4
に対応する偏波モード分散等化器40を3端子の光サー
キュレータ71に接続し、これによって偏波モード分散
等化器40を光伝送路上に接続し、光伝送路上を伝搬す
る光信号のPMDを任意の伝送路上で補償できるように
している。
【0101】実施の形態8.つぎに、この発明の実施の
形態8について説明する。上述した実施の形態7では、
光サーキュレータ71を用いて偏波モード分散等化器4
0を光伝送路上に接続するようにしていたが、この実施
の形態8では、光合分波器を用いて偏波モード分散等化
器40を光伝送路上に接続するようにしている。
【0102】図13は、この発明の実施の形態8である
偏波モード分散等化器の構成を示す図である。図13に
おいて、この偏波モード分散等化器80は、4端子の光
合分波器81の2端子にそれぞれ入力側の光伝送路と出
力側の光伝送路とを接続し、他の2端子にそれぞれ実施
の形態4で示した偏波モード分散等化器40を接続する
ようにしている。
【0103】光伝送路82を伝搬する光信号は、光合分
波器81の端子83aを介して入力され、二つの隣り合
う光導波路43,43’にそれぞれ端子83c,83d
を介して、光パワーがそれぞれ1/2、位相差π/2の
状態で分波出力される。分波された光信号のうち、光導
波路43,43’においてブラッグ波長に一致した光信
号のみが回折格子42,42’によって反射され、光合
分波器81に出力されるとともに、光導波路43,4
3’においてブラッグ波長に一致しなかった光信号は、
それぞれ出力端子89,89’から出力される。
【0104】光導波路43,43’によって反射された
光信号は、温度勾配によって調整された群遅延時間差Δ
τ分のPMDが補償されている。この光信号は、光合分
波器81を通過するときに、さらにπ/2の位相差を得
るので、光合分波器81を往復した光導波路43,4
3’からの反射光の位相差はπとなる。その結果、反射
光は、光合分波器81の端子83a,83bを介して出
力されるが、このうち、端子83bを通過する反射光の
みが出力光として光伝送路に伝送される。
【0105】なお、上述した実施の形態8では、温度勾
配を設けることによってPMD補償を行う実施の形態4
に対応する偏波モード分散等化器40を用いるようにし
ているが、これに限らず、実施の形態5,6に対応する
偏波モード分散等化器50,60を用いる構成としても
よい。
【0106】この実施の形態8によれば、実施の形態4
に対応する偏波モード分散等化器40を光合分波器81
に接続し、これによって偏波モード分散等化器40を光
伝送路上に接続し、簡易な構成によって、光伝送路上を
伝搬する光信号のPMDを任意の伝送路上で補償できる
ようにしている。
【0107】実施の形態9.つぎに、この発明の実施の
形態9について説明する。この実施の形態9では、実施
の形態7の構成に対して、さらにPMD補償に伴う波長
分散を補償できる偏波モード分散等化器を実現してい
る。
【0108】図14は、この発明の実施の形態9である
偏波モード分散等化器の構成を示す図である。図14に
おいて、この偏波モード分散等化器90は、実施の形態
7に示した3端子の光サーキュレータ71に代えて4端
子の光サーキュレータ91を設けるとともに、光サーキ
ュレータ91の一端子に、波長分散を補償する可変分散
補償器95を接続するようにしている。その他の構成は
実施の形態7と同じ構成である。
【0109】光伝送路72を伝搬する光信号は、4端子
の光サーキュレータ91の端子91aに入力され、端子
91bから光導波路43の入力端92に出力され、光導
波路43に入力される。光導波路43に入力された光信
号は、各偏光L1,L2に対応して異なる群遅延時間を
もち、各偏光L1,L2の群遅延時間差であるΔτのP
MDを補償した光信号を入力端92から再び、端子91
bを介して光サーキュレータ91に入力する。なお、入
力端92から入力された光信号のうち、回折格子42の
ブラッグ波長と一致しなかった光信号は、光導波路43
の出力端79から出力される。PMD補償され、光サー
キュレータ91に再入力された光信号は、光サーキュレ
ータ91の端子91cを介して可変分散補償器95に入
力され、光導波路43内で受けた波長分散が補償され
る。波長分散が補償された光信号は、再び端子91cに
入力され、光サーキュレータ91の端子91dから、光
伝送路上に出力される。
【0110】なお、上述した実施の形態9では、4端子
の光サーキュレータ91を用いているが、たとえば図1
5に示すように、二つの3端子の光サーキュレータ7
1,96を用いてもよい。図15において、光伝送路7
2を伝搬する光信号は、3端子の光サーキュレータ71
の端子91aに入力され、端子91bから光導波路43
の入力端92に出力され、光導波路43に入力される。
光導波路43に入力された光信号は、各偏光L1,L2
に対応して異なる群遅延時間をもち、各偏光L1,L2
の群遅延時間差であるΔτのPMDを補償した光信号を
入力端92から再び、端子91bを介して光サーキュレ
ータ71に入力する。なお、入力端92から入力された
光信号のうち、回折格子42のブラッグ波長と一致しな
かった光信号は、光導波路43の出力端79から出力さ
れる。PMD補償され、光サーキュレータ71に再入力
された光信号は、光サーキュレータ71の端子91cを
介して、3端子の光サーキュレータ96の端子97aに
入力される。端子97aに入力された光信号は、端子9
7bを介して可変分散補償器95に入力され、光導波路
43内で受けた波長分散が補償される。波長分散が補償
された光信号は、再び端子97bに入力され、光サーキ
ュレータ96の端子91cから、光伝送路上に出力され
る。
【0111】また、上述した実施の形態9では、温度勾
配を設けることによってPMD補償を行う実施の形態4
に対応する偏波モード分散等化器40を用いるようにし
ているが、これに限らず、実施の形態5,6に対応する
偏波モード分散等化器50,60を用いる構成としても
よい。
【0112】この実施の形態9によれば、実施の形態4
に対応する偏波モード分散等化器40によって波長分散
された光信号に対し、可変分散補償器95を用いて波長
分散補償を行うようにしているので、一層、歪みのない
光信号として光伝送路上に出力することができる。
【0113】実施の形態10.つぎに、この発明の実施
の形態10について説明する。この実施の形態10で
は、実施の形態7の構成に対し、PMD補償を行う前段
にさらに偏波面調整器を設け、確実かつ正確なPMD補
償を行うようにしている。
【0114】図16は、この発明の実施の形態10であ
る偏波モード分散等化器の構成を示す図である。図16
において、この偏波モード分散等化器100は、実施の
形態7に示した3端子の光サーキュレータ71の前段に
偏波面調整器101をさらに設けた構成としている。そ
の他の構成は、実施の形態7と同じ構成であり、同一構
成部分には同一符号を付している。
【0115】光伝送路72を伝搬する光信号は、3端子
の光サーキュレータ71の端子73aに入力する前に偏
波面調整器101によって光信号の偏波面が調整され
る。すなわち、光信号の偏光面が回折格子42を形成す
る複屈折導波路グレーティングの主軸(図1(a)のn
x方向)と45度の角度をなすように偏波面調整され
る。偏波面調整された光信号は、光サーキュレータ71
の端子73aに入力され、端子73bから光導波路43
の入力端74に出力され、光導波路43に入力される。
光導波路43に入力された光信号は、各偏光L1,L2
に対応して異なる群遅延時間をもち、各偏光L1,L2
の群遅延時間差であるΔτのPMDを補償した光信号を
入力端74から再び、端子73bを介して光サーキュレ
ータ71に入力する。なお、入力端74から入力された
光信号のうち、回折格子42のブラッグ波長と一致しな
かった光信号は、光導波路43の出力端79から出力さ
れる。PMD補償され、光サーキュレータ71に再入力
された光信号は、光サーキュレータ71の端子73cを
介して光伝送路上に出力される。
【0116】なお、上述した実施の形態10では、温度
勾配を設けることによってPMD補償を行う実施の形態
4に対応する偏波モード分散等化器40を用いるように
しているが、これに限らず、実施の形態5,6に対応す
る偏波モード分散等化器50,60を用いる構成として
もよい。
【0117】また、上述した実施の形態10では、実施
の形態9で示した可変分散補償器95の構成を付加して
いないが、この可変分散補償器95を付加するようにし
てもよい。
【0118】この実施の形態10によれば、実施の形態
4に対応する偏波モード分散等化器40によってPMD
補償を行う前に、PMD補償される光信号の偏波面調整
を行い、これによって確実かつ正確なPMD補償を行う
ことができる。
【0119】実施の形態11.つぎに、この発明の実施
の形態11について説明する。この実施の形態11で
は、実施の形態10の構成に対し、さらにPMD検出器
を設け、このPMD検出器による検出結果をもとに、最
適なPMD補償を動的に制御するようにしている。
【0120】図17は、この発明の実施の形態11であ
る偏波モード分散等化器の構成を示す図である。図17
において、この偏波モード分散等化器110は、実施の
形態10に示した3端子の光サーキュレータ71の端子
73cに光合分波器111を接続し、この光合分波器1
11の一端にPMD検出器112を接続するとともに、
一端を光信号の出力端としている。その他の構成は、実
施の形態10と同じ構成であり、同一構成部分には同一
符号を付している。
【0121】光伝送路72を伝搬する光信号は、3端子
の光サーキュレータ71の端子73aに入力する前に偏
波面調整器101によって光信号の偏波面が調整され
る。すなわち、光信号の偏光面が回折格子42を形成す
る複屈折導波路グレーティングの主軸(図1(a)のn
x方向)と45度の角度をなすように偏波面調整され
る。偏波面調整された光信号は、光サーキュレータ71
の端子73aに入力され、端子73bから光導波路43
の入力端74に出力され、光導波路43に入力される。
光導波路43に入力された光信号は、各偏光L1,L2
に対応して異なる群遅延時間をもち、各偏光L1,L2
の群遅延時間差であるΔτのPMDを補償した光信号を
入力端74から再び、端子73bを介して光サーキュレ
ータ71に入力する。なお、入力端74から入力された
光信号のうち、回折格子42のブラッグ波長と一致しな
かった光信号は、光導波路43の出力端79から出力さ
れる。PMD補償され、光サーキュレータ71に再入力
された光信号は、光サーキュレータ71の端子73cを
介して光合分波器111に出力される。
【0122】光合分波器111の端子75に入力された
光信号は、PMD検出器112および端子113に出力
される。PMD検出器112は、入力された光信号のP
MDを検出し、この検出したPMDを温度制御部44に
出力する。温度制御部44は、入力されたPMDをもと
に加熱部44a,44bの加熱を制御し、光導波路43
内の温度勾配を制御することによって、光導波路43に
入力された光信号のPMD、すなわち群遅延時間差Δτ
をなくす補償を行わせるフィードバック制御を行う。一
方、端子113に入力された光信号は光伝送路上に出力
される。
【0123】なお、上述した実施の形態11では、温度
勾配を設けることによってPMD補償を行う実施の形態
4に対応する偏波モード分散等化器40を用いるように
しているが、これに限らず、実施の形態5,6に対応す
る偏波モード分散等化器50,60を用いる構成として
もよい。
【0124】また、上述した実施の形態11では、実施
の形態9で示した可変分散補償器95の構成を付加して
いないが、この可変分散補償器95を付加するようにし
てもよい。
【0125】この実施の形態11によれば、実施の形態
4に対応する偏波モード分散等化器40によってPMD
補償を行う前に、PMD補償される光信号の偏波面調整
を行うとともに、光伝送路上に出力する光信号のPMD
をPMD検出器112によって検出し、この検出結果を
もとにPMD補償をフィードバック制御するようにして
いるので、最適なPMD補償を行うことができる。
【0126】実施の形態12.つぎに、この発明の実施
の形態12について説明する。この実施の形態12で
は、実施の形態10の構成に対し、さらに誤り検出器を
設け、このPMD検出器による検出結果をもとに、最適
なPMD補償を動的に制御するようにしている。
【0127】図18は、この発明の実施の形態12であ
る偏波モード分散等化器の構成を示す図である。図18
において、この偏波モード分散等化器120は、実施の
形態11に示したPMD検出器112の代わりに誤り検
出器121を設けている。その他の構成は、実施の形態
11と同じ構成であり、同一構成部分には同一符号を付
している。
【0128】光伝送路72を伝搬する光信号は、3端子
の光サーキュレータ71の端子73aに入力する前に偏
波面調整器101によって光信号の偏波面が調整され
る。すなわち、光信号の偏光面が回折格子42を形成す
る複屈折導波路グレーティングの主軸(図1(a)のn
x方向)と45度の角度をなすように偏波面調整され
る。偏波面調整された光信号は、光サーキュレータ71
の端子73aに入力され、端子73bから光導波路43
の入力端74に出力され、光導波路43に入力される。
光導波路43に入力された光信号は、各偏光L1,L2
に対応して異なる群遅延時間をもち、各偏光L1,L2
の群遅延時間差であるΔτのPMDを補償した光信号を
入力端74から再び、端子73bを介して光サーキュレ
ータ71に入力する。なお、入力端74から入力された
光信号のうち、回折格子42のブラッグ波長と一致しな
かった光信号は、光導波路43の出力端79から出力さ
れる。PMD補償され、光サーキュレータ71に再入力
された光信号は、光サーキュレータ71の端子73cを
介して光合分波器111に出力される。
【0129】光合分波器111の端子75に入力された
光信号は、誤り検出器121および端子113に出力さ
れる。誤り検出器121は、入力された光信号の符号誤
りを検出し、この検出した符号誤りを温度制御部44に
出力する。温度制御部44は、入力された符号誤りをも
とに加熱部44a,44bの加熱を制御し、光導波路4
3内の温度勾配を制御することによって、光導波路43
に入力された光信号のPMD、すなわち群遅延時間差Δ
τをなくす補償を行わせるフィードバック制御を行う。
一方、端子113に入力された光信号は光伝送路上に出
力される。
【0130】なお、上述した実施の形態12では、温度
勾配を設けることによってPMD補償を行う実施の形態
4に対応する偏波モード分散等化器40を用いるように
しているが、これに限らず、実施の形態5,6に対応す
る偏波モード分散等化器50,60を用いる構成として
もよい。
【0131】また、上述した実施の形態12では、実施
の形態9で示した可変分散補償器95の構成を付加して
いないが、この可変分散補償器95を付加するようにし
てもよい。
【0132】この実施の形態12によれば、実施の形態
4に対応する偏波モード分散等化器40によってPMD
補償を行う前に、PMD補償される光信号の偏波面調整
を行うとともに、光伝送路上に出力する光信号の符号誤
りを誤り検出器121によって検出し、この検出結果を
もとにPMD補償をフィードバック制御するようにして
いるので、最適なPMD補償を行うことができる。
【0133】実施の形態13.つぎに、この発明の実施
の形態13について説明する。この実施の形態13で
は、光伝送路上を伝送する波長多重化信号に対するPM
D補償が行えるようにしている。
【0134】図19は、この発明の実施の形態13であ
る偏波モード分散等化器の構成を示す図である。図19
において、この偏波モード分散等化器130は、光伝送
上を伝搬する波長多重化信号をスター型合分波器131
aによって複数(n個の多重数)に分波する。分波され
た光信号は、n個の光フィルタ132−1〜132−n
にそれぞれ入力され、光フィルタ132−1〜132−
nは、各波長毎の光信号にフィルタリングする。フィル
タリングされた光信号は、それぞれ各波長に対応する偏
波面調整器133−1〜133−nに入力され、偏波面
調整が行われ、それぞれ3端子の光サーキュレータ13
4−1〜134−nの端子135−1〜135−nに入
力される。
【0135】光サーキュレータ71の端子135−1〜
135−nに入力された各波長毎の光信号は、偏波モー
ド分散等化器40に対応する偏波モード分散等化器40
−1〜40−nの入力端136−1〜136−nに入力
される。光導波路43−1〜43−nに入力された光信
号は、各波長毎の各偏光L1,L2に対応して異なる群
遅延時間をもち、各偏光L1,L2の群遅延時間差であ
るΔτのPMDを補償した光信号を入力端136−1〜
136−nから再び、光サーキュレータ134−1〜1
34−nに入力する。なお、入力端136−1〜136
−nから入力された各波長毎の光信号のうち、回折格子
42−1〜42−nのブラッグ波長と一致しなかった光
信号は、光導波路43−1〜43−nの出力端79−1
〜79−nから出力される。PMD補償され、光サーキ
ュレータ134−1〜134−nに再入力された各波長
毎の光信号は、スター型合分波器131bに出力され、
合波されて光伝送路上に出力される。
【0136】なお、上述した実施の形態13では、温度
勾配を設けることによってPMD補償を行う実施の形態
4に対応する偏波モード分散等化器40に対応する偏波
モード分散等化器40−1〜40−nを用いるようにし
ているが、これに限らず、実施の形態5,6に対応する
偏波モード分散等化器50,60をそれぞれの波長毎に
用いる構成としてもよい。
【0137】また、上述した実施の形態13では、実施
の形態9で示した可変分散補償器95の構成を付加して
いないが、この可変分散補償器95を付加するようにし
てもよい。
【0138】さらに、上述した実施の形態13では、波
長多重数に対応した個数に分波し、各波長毎にPMD補
償を行い、その後合波するようにしているが、各波長毎
に限らず、数波長毎の波長ブロック毎に分波し、各波長
ブロック毎にPMD補償を行ってその後各波長ブロック
毎に合波するようにしてもよい。
【0139】また、上述した実施の形態13では、入力
用と出力用の二つのスター型合分波器131a,131
bを用いるようにしたが、これに限らず、図20に示す
ように、光サーキュレータ142を用い、一つのスター
型合分波器141とする構成としてもよい。この場合、
光伝送路から入力された各波長毎の光信号は、光サーキ
ュレータ142を介し、スター型合分波器141に入力
され、各派長後とに分波され、PMD補償された後、再
度、スター型合分波器141によって合波され、光サー
キュレータ142を介して光伝送路上に出力されること
になる。
【0140】この実施の形態13によれば、偏波モード
分散等化器40に対応し、波長多重数に対応した偏波モ
ード分散等化器40−1〜40−nを用いて波長多重化
信号のPMDを補償するようにしているので、少ない光
部品を用いた簡易な構成によって波長多重化信号のPM
D補償を行うことができる。
【0141】実施の形態14.つぎに、この発明の実施
の形態14について説明する。この実施の形態14で
は、光伝送路上を伝送する波長多重化信号に対するPM
D補償が行えるようにしている。
【0142】図21は、この発明の実施の形態14であ
る偏波モード分散等化器の構成を示す図である。図21
において、この偏波モード分散等化器150は、光伝送
上を伝搬する波長多重化信号をまず、3端子の光サーキ
ュレータ152の端子161に入力する。光サーキュレ
ータ152に入力された波長多重化信号は、端子162
からアレイ導波路格子153に入力され、各波長毎に分
岐された各波長の光信号は、波長多重数に対応した個数
の偏波面調整部154−1〜154−nに入力される。
偏波面調整部154−1〜154−nは、それぞれ光合
分波器155−1〜155−nの端子163−1〜16
3−nに接続され、端子164−1〜164−nと端子
165−1〜165−nに分波される。
【0143】端子164−1〜164−nに分波された
光信号は、誤り検出器156−1〜156−nに入力さ
れ、各波長毎の光信号の符号誤りが検出される。検出さ
た符号誤りは偏波モード分散等化器40に相当する偏波
モード分散等化器40−1〜40−n内の温度制御部4
4−1〜44−nに出力される。一方、端子165−1
〜165−nに分波された光信号は、光導波路43−1
〜43−nに入力され、各波長毎の各偏光L1,L2に
対応して異なる群遅延時間をもち、各偏光L1,L2の
群遅延時間差であるΔτのPMDを補償した光信号を端
子165−1〜156−nに反射出力する。なお、端子
165−1〜165−nから入力された各波長毎の光信
号のうち、回折格子42−1〜42−nのブラッグ波長
と一致しなかった光信号は、光導波路43−1〜43−
nの出力端79−1〜79−nから出力される。また、
温度制御部44−1〜44−nに入力された符号誤りを
もとに、温度制御部44−1〜44−nは、各加熱部4
4a−1〜44a−nおよび各加熱部44b−1〜44
b−nを制御し、符号誤りをなくすようにPMD、すな
わち群遅延時間差Δτをなくす補償をフィードバックし
て制御する。
【0144】各偏波モード分散等化器40−1〜40−
nによってPMD補償された各波長毎の光信号は、光合
分波器155−1〜155−nの端子165−1〜16
5−nから端子166−1〜166−nに分波され、再
びアレイ導波路格子153に入力され、アレイ導波路格
子153によって合波された波長多重化信号は、光サー
キュレータ162,167を介して光伝送路上に出力さ
れる。
【0145】なお、上述した実施の形態14では、温度
勾配を設けることによってPMD補償を行う実施の形態
4に対応する偏波モード分散等化器40に対応する偏波
モード分散等化器40−1〜40−nを用いるようにし
ているが、これに限らず、実施の形態5,6に対応する
偏波モード分散等化器50,60をそれぞれの波長毎に
用いる構成としてもよい。
【0146】また、上述した実施の形態14では、実施
の形態9で示した可変分散補償器95の構成を付加して
いないが、この可変分散補償器95を付加するようにし
てもよい。
【0147】さらに、上述した実施の形態14では、波
長多重数に対応した個数に分波し、各波長毎にPMD補
償を行い、その後合波するようにしているが、各波長毎
に限らず、数波長毎の波長ブロック毎に分波し、各波長
ブロック毎にPMD補償を行ってその後各波長ブロック
毎に合波するようにしてもよい。
【0148】この実施の形態14によれば、偏波モード
分散等化器40に対応し、波長多重数に対応した偏波モ
ード分散等化器40−1〜40−nを用いて波長多重化
信号のPMDを補償するようにしているので、少ない光
部品を用いた簡易な構成によって波長多重化信号のPM
D補償を行うことができる。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、光導波路の一端から入射された光信号は、光導波路
上のグレーティングによって生じるブラッグ反射位置を
複屈折性によって、光信号の各偏光に対するブラッグ反
射位置を異ならせて反射させることによって、反射光路
長差を持たせ、この反射光路長の違いによって反射光を
構成する各偏光の偏波モード分散を補償するようにして
いるので、簡易な構成で、かつ小型軽量化された偏波モ
ード分散等化器を実現できるという効果を奏する。
【0150】つぎの発明によれば、光導波路の長手方向
の屈折率を変化させることによって、光導波路の長手方
向距離に対応するブラッグ波長を変化させ、これによっ
て各偏光の偏波モード分散である群遅延時間差を補償す
るようにしているので、簡易な構成で、かつ小型軽量化
された偏波モード分散等化器を実現できるという効果を
奏する。
【0151】つぎの発明によれば、光導波路のグレーテ
ィング間隔を光導波路の長手方向に沿って線形に変化さ
せてチャープドグレーティングを実現し、光導波路の長
手方向距離に対応するブラッグ波長を変化させ、これに
よって各偏光の偏波モード分散である群遅延時間差を補
償するようにしているので、簡易な構成で、かつ小型軽
量化された偏波モード分散等化器を実現できるという効
果を奏する。
【0152】つぎの発明によれば、光導波路の長手方向
の屈折率変化あるいは光導波路のグレーティング間隔の
変化を長手方向の距離の関数によって変化させ、光導波
路の長手方向距離に対応するブラッグ波長を変化させ、
これによって各偏光の偏波モード分散である群遅延時間
差を補償するようにしているので、簡易な構成で、かつ
小型軽量化された偏波モード分散等化器を実現できると
いう効果を奏する。
【0153】つぎの発明によれば、温度勾配手段が光導
波路の長手方向に温度勾配を与え、この温度勾配によっ
て光導波路の長手方向に屈折率変化を与えることによっ
て光導波路の長手方向距離に対応するブラッグ波長を変
化させ、これによって各偏光の偏波モード分散である群
遅延時間差を任意に変更し、最適な偏波モード分散の補
償を行うようにしているので、偏波モード分散補償の対
象となる光信号に対する最適な偏波モード分散補償を行
うことができるという効果を奏する。
【0154】つぎの発明によれば、電界勾配手段が光導
波路の長手方向に電界勾配を与え、この温度勾配によっ
て光導波路の長手方向に電気光学効果を生じさせ、この
電気光学効果による屈折率変化を与えることによって光
導波路の長手方向距離に対応するブラッグ波長を変化さ
せ、これによって各偏光の偏波モード分散である群遅延
時間差を任意に変更し、最適な偏波モード分散の補償を
行うようにしているので、偏波モード分散補償の対象と
なる光信号に対する最適な偏波モード分散補償を行うこ
とができるという効果を奏する。
【0155】つぎの発明によれば、たとえば圧電素子等
を用いた応力勾配手段が光導波路の長手方向に応力勾配
を与え、この応力勾配が与えられた近傍の光導波路の光
路長を伸長させて光導波路の長手方向距離に対応するブ
ラッグ波長を変化させ、これによって各偏光の偏波モー
ド分散である群遅延時間差を任意に変更し、最適な偏波
モード分散の補償を行うようにしているので、偏波モー
ド分散補償の対象となる光信号に対する最適な偏波モー
ド分散補償を行うことができるという効果を奏する。
【0156】つぎの発明によれば、第1の光伝送路から
入力された光信号は、光サーキュレータに入力され、さ
らに光サーキュレータに接続された光導波路に入力さ
れ、この光導波路において偏波モード分散補償された光
信号を光サーキュレータが第2の光伝送路に出力するよ
うにしているので、小型軽量化された偏波モード分散等
化器を実現できるとともに、偏波モード分散等化器を光
伝送路の途中に設けることができ、長距離光伝送システ
ムの場合に偏波モード分散量の蓄積を低減し、常に線形
補償できる範囲の偏波モード分散量に維持できるという
効果を奏する。
【0157】つぎの発明によれば、第1の光伝送路から
入力された光信号は、光合分波器に入力され、複数の光
導波路に分波される。分波された光信号は各光導波路で
偏波モード分散補償され、再度光合分波器に入力され、
第2の光伝送路に出力されるようにしているので、小型
軽量化された偏波モード分散等化器を実現できるととも
に、偏波モード分散等化器を光伝送路の途中に設けるこ
とができ、長距離光伝送システムの場合に偏波モード分
散量の蓄積を低減し、常に線形補償できる範囲の偏波モ
ード分散量に維持できるという効果を奏する。
【0158】つぎの発明によれば、光導波路によって偏
波モード分散補償された光信号は、この光導波路内にお
いて波長分散を受けるが、可変分散補償手段によってこ
の波長分散を補償するようにしているので、偏波モード
分散および波長モード分散の双方が低減され、受信側に
おいて一層、信号劣化の少ない光信号を受信することが
できるという効果を奏する。
【0159】つぎの発明によれば、光導波路による偏波
モード分散補償を行う前に光信号の偏波面を最適な状態
に調整するようにしているので、偏波モード分散補償を
確実かつ正確に行うことができるという効果を奏する。
【0160】つぎの発明によれば、偏波モード分散検出
手段が光導波路の入出力端から出力された光信号の偏波
モード分散を検出し、制御手段が、この検出結果をもと
に温度勾配手段、電界勾配手段または応力勾配手段をフ
ィードバック制御し、動的に偏波モード分散が最小とな
るように制御するので、偏波モード分散補償量の設定に
かかる労力と時間とを低減できるとともに、偏波モード
分散量が時間的に変動する場合であっても、常に偏波モ
ード分散補償量を最小にすることができるという効果を
奏する。
【0161】つぎの発明によれば、誤り検出手段が光導
波路の入出力端から出力された光信号の符号誤りを検出
し、制御手段が、この検出結果をもとに温度勾配手段、
電界勾配手段または応力勾配手段をフィードバック制御
し、動的に偏波モード分散が最小となるように制御する
ので、偏波モード分散補償量の設定にかかる労力と時間
とを低減できるとともに、偏波モード分散量が時間的に
変動する場合であっても、常に偏波モード分散補償量を
最小にすることができるという効果を奏する。
【0162】つぎの発明によれば、分波器が波長多重化
された光信号を複数のポートに分波し、光フィルタが、
分波器によって分波された光信号のうちの所定波長帯域
の光信号を取り出し、この取り出した光信号を複数の光
導波路のうちの対応する光導波路の入出力端にそれぞれ
入力して偏波モード分散補償を行わせ、合波器が、この
偏波モード分散補償された各光信号を合波して出力する
ようにしているので、波長多重化された光信号に対する
偏波モード分散補償を行う場合であっても、簡易な構成
で、かつ小型軽量化された偏波モード分散等化器を実現
することができるという効果を奏する。
【0163】つぎの発明によれば、アレイ型導波路格子
が、波長多重化された光信号を所定波長帯域毎に分岐
し、分岐された各光信号を複数の光導波路のうちの対応
する光導波路に入力して偏波モード分散補償を行わせ、
アレイ型導波路格子が、この偏波モード分散補償が行わ
れた光信号を合波して出力するようにしているので、波
長多重化された光信号に対する偏波モード分散補償を行
う場合であっても、一層、簡易な構成で、かつ小型軽量
化された偏波モード分散等化器を実現することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である偏波モード分
散等化器の構成および動作を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態2である偏波モード分
散等化器の構成および動作を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態3である偏波モード分
散等化器の構成および動作を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態4である偏波モード分
散等化器の構成を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態4である偏波モード分
散等化器によるPMD補償の原理を説明する図である。
【図6】 この発明の実施の形態4である偏波モード分
散等化器によるPMD補償量の可変原理を説明する図で
ある。
【図7】 この発明の実施の形態4である偏波モード分
散等化器によるPMD補償量の可変原理を説明する図で
ある。
【図8】 この発明の実施の形態5である偏波モード分
散等化器の構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態5である偏波モード分
散等化器によるPMD補償の原理を説明する図である。
【図10】 この発明の実施の形態6である偏波モード
分散等化器の構成を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態6である偏波モード
分散等化器によるPMD補償の原理を説明する図であ
る。
【図12】 この発明の実施の形態7である偏波モード
分散等化器の構成を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態8である偏波モード
分散等化器の構成を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態9である偏波モード
分散等化器の構成を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態9である偏波モード
分散等化器の変形例の構成を示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態10である偏波モー
ド分散等化器の構成を示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態11である偏波モー
ド分散等化器の構成を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態12である偏波モー
ド分散等化器の構成を示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態13である偏波モー
ド分散等化器の構成を示す図である。
【図20】 この発明の実施の形態13である偏波モー
ド分散等化器の変形例の構成を示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態14である偏波モー
ド分散等化器の構成を示す図である。
【図22】 従来におけるPMD補償回路の構成を示す
図である。
【図23】 PMD補償前後の各偏波状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,21〜61 複屈折導波路グレーティング、2,2
2〜62 回折格子、3,23〜63 光導波路、10
〜140 偏波モード分散等化器、44 温度制御部、
44a,44b 加熱部、54a〜54e +電極、5
4f −電極、55a〜55e,64a〜64e 電
源、56,66 電圧制御部、64a〜64e ピエゾ
素子、71,91,96,142 光サーキュレータ、
81 光合分波器、95 可変分散補償器、101 偏
波面調整器、112 PMD検出器、121 誤り検出
器、130,131 スター型合分波器、132−1〜
132−n 光フィルタ、143 アレイ導波路格子、
L1,L2 偏光、LI入射光、LO 出射光、P1,
P2 反射点、na,nb 等価屈折率。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04J 14/00 14/02 (72)発明者 小林 由紀夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA11 LA00 LA03 PA11 RA00 TA00 2H079 AA02 AA06 AA07 AA12 BA02 CA04 DA02 DA17 EA03 HA00 KA20 5K002 BA02 CA01 DA02 FA01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラッグ反射を生じさせるグレーティン
    グを有した光導波路の等価屈折率に複屈折性をもたせ、
    前記光導波路の入出力端から入力された光信号の偏波モ
    ード分散を該光導波路上におけるブラッグ反射位置の長
    短によって補償し、該光導波路の入出力端から出力する
    ことを特徴とする偏波モード分散等化器。
  2. 【請求項2】 前記光導波路の長手方向の屈折率を変化
    させたことを特徴とする請求項1に記載の偏波モード分
    散等化器。
  3. 【請求項3】 前記光導波路のグレーティング間隔を該
    光導波路の長手方向に線形に変化させたことを特徴とす
    る請求項1に記載の偏波モード分散等化器。
  4. 【請求項4】 前記光導波路の長手方向の屈折率変化あ
    るいは前記光導波路のグレーティング間隔の変化を該長
    手方向の距離の関数によって変化させたことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか一つに記載の偏波モード分散
    等化器。
  5. 【請求項5】 前記光導波路の長手方向に温度勾配を与
    える温度勾配手段をさらに備えたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか一つに記載の偏波モード分散等化
    器。
  6. 【請求項6】 前記光導波路の長手方向に電界勾配を与
    える電界勾配手段をさらに備えたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか一つに記載の偏波モード分散等化
    器。
  7. 【請求項7】 前記光導波路の長手方向に応力勾配を与
    える応力勾配手段をさらに備えたことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか一つに記載の偏波モード分散等化
    器。
  8. 【請求項8】 入力する光信号を伝送する第1の光伝送
    路と、 出力する光信号を伝送する第2の光伝送路と、 前記第1の光伝送路と前記光導波路の入出力端と前記第
    2の光伝送路とを接続した光サーキュレータと、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か一つに記載の偏波モード分散等化器。
  9. 【請求項9】 入力する光信号を伝送する第1の光伝送
    路と、 出力する光信号を伝送する第2の光伝送路と、 前記第1の光伝送路と前記光導波路の入出力端と前記第
    2の光伝送路とを接続し、該第1の光伝送路と該複数の
    前記光導波路と該第2の光伝送路との間で入出力される
    光信号を合分波する光合分波器と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か一つに記載の偏波モード分散等化器。
  10. 【請求項10】 前記光サーキュレータに接続され、前
    記光導波路の入出力端から出力された光信号の波長分散
    を補償し、該光サーキュレータに出力する可変分散補償
    手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8または9
    に記載の偏波モード分散等化器。
  11. 【請求項11】 前記光導波路の入出力端の前段に該光
    導波路に入力される光信号の偏波面を調整する偏波面調
    整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8または
    9に記載の偏波モード分散等化器。
  12. 【請求項12】 前記光導波路の入出力端から出力され
    た光信号の偏波モード分散を検出する偏波モード分散検
    出手段と、 前記偏波モード分散検出手段の検出結果をもとに前記温
    度勾配手段、前記電界勾配手段または前記応力勾配手段
    を制御して前記偏波モード分散を最小にする制御手段
    と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項5〜11のいず
    れか一つに記載の偏波モード分散等化器。
  13. 【請求項13】 前記光導波路の入出力端から出力され
    た光信号の符号誤りを検出する誤り検出手段と、 前記誤り検出手段の検出結果をもとに前記温度勾配手
    段、前記電界勾配手段または前記応力勾配手段を制御し
    て前記符号誤りを最小にする制御手段と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項5〜11のいず
    れか一つに記載の偏波モード分散等化器。
  14. 【請求項14】 波長多重化された光信号を複数のポー
    トに分波する分波器と、 前記分波器によって分波された光信号のうちの所定波長
    帯域の光信号を取り出し、取り出された光信号を複数の
    前記光導波器のうちの対応する光導波器の入出力端にそ
    れぞれ入力する複数の光フィルタと、 各光導波器の入出力端から出力された光信号を合波して
    出力する合波器と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜13のいず
    れか一つに記載の偏波モード分散等化器。
  15. 【請求項15】 波長多重化された光信号を所定波長帯
    域毎に分岐し、分岐された各光信号を複数の前記光導波
    路のうちの対応する光導波路の入出力端に接続するアレ
    イ型導波路格子と、 前記アレイ型導波路格子を接続する光サーキュレータ
    と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜13のいず
    れか一つに記載の偏波モード分散等化器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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