JP2001182801A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JP2001182801A
JP2001182801A JP36794199A JP36794199A JP2001182801A JP 2001182801 A JP2001182801 A JP 2001182801A JP 36794199 A JP36794199 A JP 36794199A JP 36794199 A JP36794199 A JP 36794199A JP 2001182801 A JP2001182801 A JP 2001182801A
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JP
Japan
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planetary gear
transmission
torque
gear unit
clutch
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JP36794199A
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English (en)
Inventor
Shuji Nagano
周二 永野
Kojiro Kuramochi
耕治郎 倉持
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速機およびクラッチに入力されるトルクを
可及的に抑制する。 【解決手段】 駆動力源のトルクを変速機を経由させて
遊星歯車変速装置に伝達する第1のトルク伝達経路と、
第1のトルク伝達経路とは並列に配置され、かつ、駆動
力源のトルクを変速機を迂回させて遊星歯車変速装置に
伝達する第2のトルク伝達経路とを備え、遊星歯車変速
装置が第1のプラネタリギヤユニットおよび第2のプラ
ネタリギヤユニットを有する動力伝達装置において、遊
星歯車変速装置7が、変速機6の出力側に連結されたト
ルク伝達シャフト22と、ギヤ20に連結されたコネク
ティングドラム37とを有し、第1のプラネタリギヤユ
ニット25のサンギヤ27とトルク伝達シャフト22と
が連結され、ギヤ20と第1のプラネタリギヤユニット
25のキャリヤ30とが連結され、第1のプラネタリギ
ヤユニット25のリングギヤ28と出力軸23とが連結
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動力源の出力
側に、変速機および遊星歯車変速装置が設けられている
構成の動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用のエンジンから出力され
たトルクは、車輪に伝達する前に運転者の要求や道路状
態に応じた状態に変換する必要があるとともに、エンジ
ンの燃焼効率などに基づいて、その回転速度とトルクと
を制御する必要がある。これらの要求に基づいて、エン
ジンから車輪に至る動力伝達経路には変速機が設けられ
ている。この変速機には、変速比を連続的(つまり無段
階)に制御することのできる無段変速機と、変速比を非
連続的(つまり段階的)に制御することのできる有段変
速機とがある。
【0003】無段変速機の一例として、駆動側プーリと
従動側プーリとにベルトを巻かけるとともに、ベルトの
巻き掛け半径を制御することにより、その変速比を制御
することのできるベルト式無段変速機が挙げられる。こ
のようなベルト式無段変速機をエンジンの出力側に配置
した場合は、エンジン回転数を最適運転状態に制御しや
すい利点があるが、ベルト式無段変速機は、車載性の点
から駆動側回転部材と従動側回転部材との軸間距離が制
約を受け、結果的に変速比の制御幅が制約を受ける。そ
こで、上記無段変速機および有段変速機の両方を用いる
ことにより、全体としての変速比幅を可及的に広くする
ことの可能な動力伝達装置の一例が特表平11−504
415号公報に記載されている。
【0004】上記公報に記載された動力伝達装置におい
ては、エンジンの出力側に遊星歯車変速装置が設けられ
ており、エンジンと遊星歯車変速装置との間には、2つ
のトルク伝達経路が相互に並列に形成されている。この
うち、第1のトルク伝達経路にはベルト式無段変速機が
配置されている。ベルト式無段変速機は、駆動側回転部
材および従動側回転部材を備えており、駆動側回転部材
には駆動側プーリが取り付けられており、従動側回転部
材には従動側プーリが取り付けられている。そして、駆
動側プーリおよび従動側プーリにはベルトが巻き掛けら
れている。なお、駆動側回転部材がエンジンの出力軸に
接続されている。また、第2のトルク伝達経路には第1
のクラッチが設けられている。
【0005】前記遊星歯車変速装置は、2つのプラネタ
リギヤユニットと、第1のトルク伝達経路に連結され、
かつ、ベルト式無段変速機の出力側に連結された第1の
入力要素と、第2のトルク伝達経路に連結された第2の
入力要素とを有する。前記第1のプラネタリギヤユニッ
トは、シングルピニオン型のプラネタリギヤユニットで
あり、この第1のプラネタリギヤユニットは、サンギヤ
およびリングギヤと、サンギヤとリングギヤとに噛み合
わされたピニオンギヤを保持するキャリヤとを備えてい
る。このキャリヤと第2の入力要素とが連結されてい
る。
【0006】第2のプラネタリギヤユニットは、ダブル
ピニオン型のプラネタリギヤユニットであり、この第2
プラネタリギヤユニットは、サンギヤおよびリングギヤ
と、サンギヤとリングギヤとに別個に噛み合わされ、か
つ、相互に噛み合わされたピニオンギヤを保持するキャ
リヤとを備えている。なお、第1プラネタリギヤユニッ
トのサンギヤと、第2プラネタリギヤユニットのサンギ
ヤとが一体回転する状態で、遊星歯車変速装置の出力要
素に連結されている。また、第1のプラネタリギヤユニ
ットのリングギヤと、第2のプラネタリギヤユニットの
キャリヤとが、前記第1の入力要素に対して連結されて
いる。さらに、第2のプラネタリギヤユニットのキャリ
ヤと遊星歯車変速装置の出力要素との間のトルク伝達状
態を制御する第2のクラッチが設けられている。さらに
また、第2のプラネタリギヤユニットのリングギヤの回
転・固定を制御するブレーキが設けられている。
【0007】上記構成において、車両を前進させるため
の前進段が選択された場合は、第1のモードまたは第2
のモードを選択することができる。まず、第1のモード
においては、第1のクラッチが解放され、第2のクラッ
チが係合され、ブレーキが解放される。したがって、通
常のベルト式無段変速機と同様に、エンジンのトルクは
全てベルト式無段変速機に伝達された後、このトルクが
遊星歯車変速装置の第1の入力要素に伝達される。な
お、第1のクラッチが解放されているため、エンジンの
トルクは、遊星歯車変速装置の第2の入力要素には伝達
されない。そして、第2のクラッチが係合されているた
めに、第1のプラネタリギヤユニットの各回転要素が一
体回転し、第1の入力要素と遊星歯車変速装置の出力要
素とが直結状態になり、遊星歯車変速装置の出力軸が所
定方向に回転する。
【0008】これに対して、第2のモードが選択された
場合は、第1のクラッチが係合され、第2のクラッチが
解放され、ブレーキが解放される。すると、エンジンの
トルクが第2の入力要素に伝達されて、第1のプラネタ
リギヤユニットのリングギヤとサンギヤが各々反力要素
として作用し、サンギヤに伝達されたトルクの一部が出
力軸に伝達される一方、第1の入力要素のトルクが、第
1のトルク伝達経路を経由してベルト式無段変速機側に
伝達される、いわゆる動力循環が発生する。
【0009】一方、車両を後進させるための後進段が選
択された場合は、第1のクラッチおよび第2のクラッチ
が解放され、ブレーキが係合される。したがって、エン
ジンのトルクが、ベルト式無段変速機および第1の入力
要素を介して第2のプラネタリギヤユニットのキャリヤ
に伝達される。そして、第2プラネタリギヤユニットの
トルクが、第2プラネタリギヤユニットのリングギヤを
反力要素として、逆転され、かつ回転速度が減速されて
出力要素に伝達される。上記のように構成することによ
り、前進段における最小変速比を可及的に小さく設定で
き、かつ、変速比の制御幅を可及的に広く設定すること
ができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載された
動力伝達装置においては、前進段を設定する場合にトル
ク伝達に関与する第1のプラネタリギヤユニットが、い
わゆるシングルピニオン型のプラネタリギヤユニットに
より構成されている。このようなシングルピニオン型の
プラネタリギヤユニットの各回転要素に働くトルクは、 Ts+Tr=Tc であることが知られている。Tsはサンギヤのトルクを
意味し、Trはリングギヤのトルクを意味し、Tcはキ
ャリヤのトルクを意味している。
【0011】ここで、ρ=Zs/Zr、Ts=ρ、Tr
=1、Tc=1+ρ、ρ=0.5、とすると、出力トル
クTsとの関係は、 Ts=Tc−Tr となり、各々Ts=0.5、Tc=1.5、Tr=1と
なる。ここで、Zsはサンギヤの歯数であり、Zrはリ
ングギヤの歯数である。
【0012】そして、上記公報においては、ベルト式無
段変速機に連結された第1の入力要素と、第1のプラネ
タリギヤユニットのリングギヤとが連結されている。こ
のため、遊星歯車変速装置の出力要素から、Ts=0.
5のトルクを出力させるためには、第1の入力要素から
ベルト式無段変速機側を経由させて第1のプラネタリギ
ヤユニットのリングギヤに対して、Tr=1のトルクを
伝達(循環)する必要がある。つまり、出力トルクに対
して2倍の入力トルクを必要とする。
【0013】また、上記と同様にして、遊星歯車変速装
置の出力要素から、Ts=0.5のトルクを出力させる
ためには、第1クラッチを介して第1のプラネタリギヤ
ユニットのキャリヤに対して、Tc=1.5のトルクを
伝達する必要がある。つまり、出力トルクに対して3倍
の入力トルクが必要になる。このように、上記公報に記
載されている動力伝達装置においては、ベルト式無段変
速機の構成要素、第1のクラッチなどにより伝達するべ
きトルクが大きくなるために、伝達するべきトルク容量
に応じて構成部品を大型化・厚肉化しなければならず、
システムの配置スペースが拡大して車載性が低下する問
題があった。また、最も大きいトルクを伝達することに
なる車両の発進時は、通常のベルト式無段変速機と同様
のトルク伝達経路を経由してトルクが伝達されるため、
ベルトの強度・耐久性に大きく影響する問題もあった。
【0014】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、最も大きなトルクを伝達する必要があ
る車両の発進時において、変速機の負担を軽減し、か
つ、第1のトルク伝達経路および第2のトルク伝達経路
に設けられている部品の大型化および大重量化を抑制し
つつ、出力要素を正方向に回転させる場合における全体
変速比の制御幅を広げ、かつ、出力軸を逆方向に回転さ
せる場合における全体変速比を可及的に大きく設定する
ことのできる動力伝達装置を提供することを目的として
いる。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、駆動力源のト
ルクを変速機を経由させて遊星歯車変速装置に伝達する
第1のトルク伝達経路と、この第1のトルク伝達経路と
相互に並列に配置され、かつ、前記駆動力源のトルクを
前記変速機を迂回させて前記遊星歯車変速装置に伝達す
る第2のトルク伝達経路とを備え、前記遊星歯車変速装
置が第1のプラネタリギヤユニットおよび第2のプラネ
タリギヤユニットを有し、前記第1のプラネタリギヤユ
ニットのいずれかの回転要素および第2のプラネタリギ
ヤユニットのいずれかの回転要素と、前記遊星歯車変速
装置の出力要素とが連結されているとともに、前記第1
のプラネタリギヤユニットの各回転要素および前記第2
のプラネタリギヤユニットの各回転要素の回転状態を制
御することにより、前記遊星歯車変速装置の出力要素を
正方向または逆方向に回転させることのできる動力伝達
装置において、前記遊星歯車変速装置が、前記変速機の
出力側に連結された第1の入力要素と、前記第2のトル
ク伝達経路に連結された第2の入力要素とを有し、前記
第1のプラネタリギヤユニットのサンギヤと前記第1の
入力要素とが連結され、前記第2の入力要素と前記第1
のプラネタリギヤユニットのキャリヤとが連結され、前
記第1のプラネタリギヤユニットのリングギヤと前記出
力要素とが一体回転するように連結されていることを特
徴とするものである。
【0016】請求項1の発明によれば、駆動力源のトル
クが第2の入力要素を介して第1のプラネタリギヤユニ
ットのキャリヤに伝達される。すると、第1のプラネタ
リギヤユニットのサンギヤとリングギヤが反力要素とし
て作用し、前記トルクの一部が第1の入力要素を介して
変速機側に伝達される、いわゆる動力循環が生じるとと
もに、前記トルクの一部が出力要素に伝達される。
【0017】ところで、シングルピニオン型のプラネタ
リギヤユニットの各回転要素に働くトルクは、Ts+T
r=Tcである。Tsはサンギヤのトルクを意味し、T
rはリングギヤのトルクを意味し、Tcはキャリヤのト
ルクを意味している。ここで、ρ=Zs/Zr、Ts=
ρ、Tr=1、Tc=1+ρ、ρ=0.5とすると、出
力トルクTrとの関係は、 Tr=Tc−Ts となり、各々Ts=0.5、Tc=1.5、Tr=1と
なる。ここで、Zsはサンギヤの歯数であり、Zrはリ
ングギヤの歯数である。そして、変速機に連結された第
1の入力要素と、第1のプラネタリギヤユニットのサン
ギヤとが連結されている。このため、遊星歯車変速装置
の出力要素から、Tr=1のトルクを出力させるために
は、第1の入力要素から変速機側を経由させて第1のプ
ラネタリギヤユニットのサンギヤに対して、Ts=0.
5のトルクを伝達(循環)する必要がある。つまり、出
力トルクに対して1/2倍のトルクを入力すればよいこ
とになる。
【0018】また、上記と同様にして、遊星歯車変速装
置の出力要素から、Tr=1のトルクを出力させるため
には、第1クラッチを介して第1のプラネタリギヤユニ
ットのリングギヤに対して、Tc=1.5のトルクを伝
達すればよい。つまり、出力トルクに対して1.5倍の
入力トルクでよいことになる。このように、変速機の構
成要素、または第1のクラッチなどにより伝達するべき
トルクを可及的に小さくすることができる。
【0019】請求項2の発明は請求項1の構成に加え
て、前記第2のトルク伝達経路におけるトルクの伝達・
遮断を制御するために係合・解放される第1のクラッチ
と、前記第1のプラネタリギヤユニットまたは第2のプ
ラネタリギヤユニットのいずれか2つの回転要素同士の
間におけるトルクの伝達・遮断を制御するために係合・
解放される第2のクラッチと、前記第2のプラネタリギ
ヤユニットのキャリヤの固定・回転を制御するために係
合・解放されるブレーキとが設けられており、前記出力
要素を正方向に回転させる場合は、前記第1のクラッチ
を係合し、かつ、前記第2のクラッチおよび前記ブレー
キを解放させる第1の変速制御状態と、前記第2のクラ
ッチを係合し、かつ、前記第1のクラッチおよび前記ブ
レーキを解放させる第2の変速制御状態とを選択するこ
とができ、前記出力要素を逆方向に回転させる場合は、
前記第1のクラッチおよび前記第2のクラッチを解放
し、かつ、前記ブレーキを係合させる第3の変速制御状
態を選択することを特徴とするものである。
【0020】請求項2の発明によれば、第1の変速制御
状態が選択された場合に、駆動力源のトルクが第2の入
力要素を介して第1のプラネタリギヤユニットのキャリ
ヤに伝達されて、請求項1の発明と同様の作用が生じ
る。また、第2の変速制御状態が選択された場合は、駆
動力源のトルクが第1の動力伝達経路のみを介して遊星
歯車変速装置に伝達されるとともに、第1のプラネタリ
ギヤユニットの各回転要素が一体回転し、遊星歯車変速
装置の第1の入力要素と出力要素とが直結状態になる。
【0021】請求項3の発明は請求項2の構成に加え
て、車両の発進時に前記第1の変速制御状態を選択し、
車両の発進後における走行中に前記第2の変速制御状態
を選択することを特徴とするものである。
【0022】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
と同様の作用が生じるほかに、車両の発進時に第1の変
速制御状態が選択され、車両の発進後における走行中に
第2の変速制御状態が選択される。
【0023】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成に加えて、前記変速機が、その変速比を無
段階に制御することのできる無段変速機であることを特
徴とするものである。
【0024】請求項4の発明によれば、請求項1ないし
3のいずれかの発明と同様の作用が生じるほかに、遊星
歯車変速装置の第1の入力要素の回転速度を無段階に制
御することができる。
【0025】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかの構成に加えて、前記第1のプラネタリギヤユニ
ットおよび前記第2のプラネタリギヤユニットと、前記
第2のクラッチおよび前記ブレーキとが同一軸線上に配
置されていることを特徴とするものである。
【0026】請求項5の発明によれば、請求項1ないし
4のいずれかの発明と同様の作用が生じるほか、遊星歯
車変速装置が出力要素の半径方向において小型化され
る。
【0027】請求項6の発明は、請求項5の構成に加え
て、前記遊星歯車変速装置の出力要素から出力されたト
ルクが伝達されるデファレンシャルが設けられており、
前記駆動力源の出力部材の軸線と、前記デファレンシャ
ルの出力部材の軸線との間に相当する空間に、前記遊星
歯車変速装置が配置されていることを特徴とするもので
ある。
【0028】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
と同様の作用が生じるほか、駆動力源の出力部材の軸線
と、デファレンシャルの出力部材の軸線との間の距離を
可及的に狭めることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明を図面を参照し
ながら具体的に説明する。図1は、この発明の動力伝達
装置をFF車(フロントエンジン・フロントドライブ;
エンジン前置き前輪駆動車)に用いた一実施形態のスケ
ルトン図、図2は図1に示す動力伝達装置の配置状態を
示す側面図である。図1において、1は車両の駆動力源
としてのエンジンであり、このエンジン1としては内燃
機関、具体的にはガソリンエンジン、ディーゼルエンジ
ン、LPGエンジンなどが用いられる。ここでは、便宜
上、エンジン1としてガソリンエンジンが搭載されてい
る場合について説明するものであり、このエンジン1
は、吸排気装置、潤滑装置、冷却装置、燃料噴射装置、
点火装置、始動装置などを備えた公知のものを用いるこ
とができ、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト
2が、車両の幅方向に配置されている。
【0030】また前記エンジン1の出力側には、トラン
スアクスル3が設けられている。このトランスアクスル
3は、変速機構4およびデファレンシャル5を有してい
る。この変速機構4は、ベルト式無段変速機6および遊
星歯車変速装置7を備えている。まず、ベルト式無段変
速機6の構成について説明すれば、ベルト式無段変速機
6は、相互に平行に配置された駆動側シャフト8および
従動側シャフト9を備えている。図2のように、駆動側
シャフト8の回転中心K1は、従動側シャフト9の回転
中心K2よりも低い位置に設けられている。また、駆動
側シャフト8の回転中心K1の方が、従動側シャフト9
の回転中心K2よりも車両の前方側に配置されている。
さらに、図1のように、駆動側シャフト8とクランクシ
ャフト2とが同一の軸線X1上に配置されている。
【0031】クランクシャフト2と駆動側シャフト8と
の間には中間シャフト10が設けられており、クランク
シャフト2と中間シャフト10とがダンパ機構11を介
してトルク伝達可能に接続されている。また、中間シャ
フト10と駆動側シャフト8とのトルク伝達状態を制御
するために係合・解放されるクラッチC0が設けられて
いる。このクラッチC0は、油圧制御により駆動側シャ
フト8の軸線方向に動作するピストンおよびクラッチデ
ィスクならびにクラッチプレート(いずれも図示せず)
などを備えた公知のものである。
【0032】また、駆動側シャフト8には駆動側プーリ
12が取り付けられているとともに、従動側シャフト9
には従動側プーリ13が取り付けられている。この駆動
側プーリ12は、駆動側シャフト8に固定された固定シ
ーブ14と、駆動側シャフト8の軸線方向に移動可能な
可動シーブ15とを有している。そして、駆動側プーリ
12は、可動シーブ15を駆動側シャフト8の軸線方向
に移動させることにより、駆動側プーリ12の溝幅を制
御することができる。
【0033】一方、従動側プーリ13は、従動側シャフ
ト9に固定された固定シーブ16と、従動側シャフト9
の軸線方向に移動可能な可動シーブ17とを有してい
る。そして、従動側プーリ13は、可動シーブ17を従
動側シャフト9の軸線方向に移動させることにより、従
動側プーリ13の溝幅を制御することができる。上記構
成の駆動側プーリ12および従動側プーリ13にはベル
ト18が掛け回されている。
【0034】上記構成のベルト式無段変速機6において
は、油圧制御装置(後述)により駆動側プーリ12の溝
幅が調整される。その結果、駆動側プーリ12における
ベルト18の巻き掛け半径が変化し、駆動側シャフト8
の回転数と従動側シャフト9の回転数との比、すなわ
ち、変速比が無段階(連続的)に制御される。また、こ
れにともない油圧制御装置により、従動側プーリ13の
溝幅が調整され、ベルト18の張力が制御される。
【0035】さらに、駆動側シャフト8における駆動側
プーリ12とクラッチC0との間には、中空軸19が取
り付けられている。この中空軸19と駆動側シャフト8
とは相対回転可能に構成され、中空軸19にはギヤ20
が形成されている。また、中空軸19と駆動側シャフト
8とのトルク伝達状態を制御するために係合・解放され
るクラッチC1が設けられている。このクラッチC1
は、油圧制御により駆動側シャフト8の軸線方向に動作
するピストンおよびクラッチディスクならびにクラッチ
プレート(いずれも図示せず)などを備えた公知のもの
である。なお、従動側シャフト9にはギヤ21が形成さ
れている。
【0036】つぎに、遊星歯車変速装置7について説明
すれば、遊星歯車変速装置7は、トルク伝達シャフト2
2およびアウトプットシャフト23を有している。トル
ク伝達シャフト22およびアウトプットシャフト23
と、駆動側シャフト8および従動側シャフト9とは相互
に平行に配置されている。また、トルク伝達シャフト2
2およびアウトプットシャフト23の回転中心K3は、
回転中心K2よりも低い位置に配置されている。さら
に、回転中心K3は回転中心K2よりも車両の後方側に
配置されている。
【0037】また、トルク伝達シャフト22にはギヤ2
4が形成され、ギヤ24とギヤ21とが噛合されてい
る。つまり、従動側シャフト9とトルク伝達シャフト2
2との間の変速比は、ギヤ24とギヤ21とにより一義
的に決定(固定)される。さらにトルク伝達シャフト2
2の外周側には第1のプラネタリギヤユニット25が設
けられているとともに、アウトプットシャフト23の外
周側には第2のプラネタリギヤユニット26が設けられ
ている。第1のプラネタリギヤユニット25は、トルク
伝達シャフト22に形成されたサンギヤ27と、サンギ
ヤ27の外周側に、サンギヤ27と同心状に配置された
リングギヤ28と、サンギヤ27およびリングギヤ28
に噛合された複数のピニオンギヤ29を保持したキャリ
ヤ30とを備えている。このように、第1のプラネタリ
ギヤユニット25は、いわゆるシングルピニオン型のプ
ラネタリギヤユニットである。
【0038】さらに、トルク伝達シャフト22とキャリ
ヤ30とのトルク伝達状態を制御するために係合・解放
されるクラッチC2が設けられている。このクラッチC
2は、油圧制御によりトルク伝達シャフト22の軸線方
向に動作するピストンおよびクラッチディスクならびに
クラッチプレート(いずれも図示せず)などを備えた公
知のものである。
【0039】前記第2のプラネタリギヤユニット26
は、アウトプットシャフト23に形成されたサンギヤ3
1と、サンギヤ31の外周側に、サンギヤ31と同心状
に配置されたリングギヤ32と、サンギヤ31およびリ
ングギヤ32に噛合された複数のピニオンギヤ33を保
持したキャリヤ34とを備えている。このように、第2
のプラネタリギヤユニット26は、いわゆるシングルピ
ニオン型のプラネタリギヤユニットである。そして、ト
ルク伝達シャフト22およびアウトプットシャフト23
と、第1のプラネタリギヤユニット25および第2のプ
ラネタリギヤユニット26とが、同一軸線X2上に配置
されている。
【0040】さらに、キャリヤ34とトランスアクスル
3のケーシング35との間には、キャリヤ34の固定・
回転を制御するために係合・解放されるブレーキB1が
設けられている。このブレーキB1としては、油圧制御
により動作する公知のバンドブレーキなどを用いること
ができる。そして、アウトプットシャフト23と、第1
のプラネタリギヤユニット25のリングギヤ28とが連
結部材36により一体回転できる状態で連結されてい
る。
【0041】上記第1のプラネタリギヤユニット25お
よび第2のプラネタリギヤユニット26の周囲を取り囲
むコネクティングドラム37が設けられている。言い換
えれば、コネクティングドラム37の内部に、第1のプ
ラネタリギヤユニット25および第2のプラネタリギヤ
ユニット26が収納されている。このコネクティングド
ラム37と第1のプラネタリギヤユニット25のキャリ
ヤ30とが一体回転できる状態で連結され、コネクティ
ングドラム37と第2のプラネタリギヤユニット26の
リングギヤ32とが一体回転できる状態で連結されてい
る。
【0042】さらに、コネクティングドラム37におけ
るエンジン1側の端部にはギヤ38が形成され、このギ
ヤ38と駆動側シャフト8側のギヤ20とが噛合されて
いる。つまり、中空軸19とコネクティングドラム37
との間のギヤ比は、ギヤ20とギヤ38とにより一義的
に決定(固定)される。なお、アウトプットシャフト2
3におけるエンジン1側の端部にはギヤ39が形成され
ている。さらに、アウトプットシャフト23にはパーキ
ングギヤ(図示せず)が形成されており、このパーキン
グギヤとパーキングギヤに噛合するロック部材(図示せ
ず)とにより、パーキング機構が構成されている。
【0043】前記デファレンシャル5は、デフケース4
0の外周に形成されたリングギヤ41と、デフケース4
0の内部に取り付けられた複数のピニオンギヤ40A
と、複数のピニオンギヤ40Aに噛み合わされた2つの
サイドギヤ40Bと、2つのサイドギヤ40Bに別個に
連結された2本のドライブシャフト42とを有してい
る。各ドライブシャフト42に車輪(つまり前輪)43
が接続されている。したがって、ギヤ39のトルクがリ
ングギヤ41に伝達されると、そのトルクが2本のドラ
イブシャフト42に分配される。このデファレンシャル
5は、いわゆる差動装置としての機能と最終減速機とし
ての機能とを兼備している。
【0044】ところで、2つのサイドギヤ40Bの回転
中心(言い換えればリングギヤ41の回転中心)K4
は、回転中心K1よりも低い位置に設定され、かつ、回
転中心K4は回転中心K3よりも車両の後方側に設定さ
れている。つまり、車両の前後方向において、クランク
シャフト2の回転中心となる軸線X1と、2つのサイド
ギヤ40Bの回転中心となる軸線X3との間に相当し、
かつ、所定の上下方向の領域(空間)に、遊星歯車変速
装置7が配置されている。
【0045】つぎに、上記構成を有するFF車の制御系
統を、図3のブロック図に基づいて説明する。まず、エ
ンジン1と油圧制御装置44とを制御する電子制御装置
(ECU)45が設けられている。この電子制御装置4
5は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶
装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフ
ェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成さ
れている。この電子制御装置45に対して、エンジン回
転数センサ46の信号、アクセル開度センサ47の信
号、スロットル開度センサ48の信号、ブレーキスイッ
チ49の信号、シフトレバー(図示せず)の操作状態を
検出するシフトポジションセンサ50の信号、駆動側プ
ーリ12の回転数を検出する駆動側回転数センサ51の
信号、従動側プーリ13の回転数を検出する従動側回転
数センサ52の信号、アウトプットシャフト23の回転
数を検出する出力回転数センサ53の信号などが入力さ
れている。
【0046】前記シフトレバーの操作により、エンジン
1の駆動力を車輪43に伝達させるための状態を設定す
る駆動ポジション(例えばD(ドライブ)ポジション、
R(リバース)ポジション)と、エンジン1の駆動力が
車輪43に伝達されない状態を設定する非駆動ポジショ
ン(例えばN(ニュートラル)ポジション、P(パーキ
ング)ポジション)を選択することができる。そして、
Dポジションが選択された場合は車両を前進させること
ができ、Rポジションが選択された場合は車両を後進さ
せることができる。すなわち、Dポジションが前進段に
相当し、Rポジションが後進段に相当する。
【0047】電子制御装置45からは、エンジン1の点
火時期および燃料噴射時期を制御する信号、油圧制御装
置44を制御する信号などが出力される。この油圧制御
装置44により、駆動側プーリ12および従動側プーリ
13の動作を制御する油圧室(図示せず)の油圧制御
と、クラッチC0,C2およびブレーキB1などの摩擦
係合装置の動作を制御する油圧室(図示せず)の油圧制
御とがおこなわれる。
【0048】また、この電子制御装置45には、各種の
信号に基づいてエンジン1および変速機構4を制御する
ために各種のデータが予め記憶されている。例えば、ア
クセル開度、車速、エンジン回転数などの車両状態に基
づいて、ベルト式無段変速機6および遊星歯車変速装置
7を制御するためのデータ、あるいは、エンジン1の最
適な運転状態を選択するための最適燃費線などが記憶さ
れている。前記車速は出力回転数センサ53の信号に基
づいて判断される。また、エンジン1の運転状態が最適
燃費線に沿った状態になるように、ベルト式無段変速機
6の変速比を制御するためのデータが電子制御装置45
に記憶されている。さらに前記ベルト18の張力は、エ
ンジントルクおよびベルト式無段変速機6の変速比など
に基づいて制御される。
【0049】つぎに、この実施形態の制御および動作
を、図4および図5を参照しながら説明する。図4は、
車両の走行方向と、CVT運転点と、変速機構4のトー
タル変速比と、クラッチC1ないしC3およびブレーキ
B1の係合・解放状態と、変速機構4における動力伝達
状況とを示す図表である。また、図5は変速機構4の状
態を示す共線図である。図4において、走行方向「中
立」はシフトレバーによりNポジションが選択された場
合に相当し、「前進」はシフトレバーにより前進ポジシ
ョン、例えばDポジションが選択された場合に相当し、
「後進」はシフトレバーによりRポジションが選択され
た場合に相当している。
【0050】図4において、CVT運転点は、ベルト式
無段変速機6の駆動側シャフト8の回転数と従動側シャ
フト9の回転数との比(つまりベルト式無段変速機6の
変速比)と、ギヤ21とギヤ24とのギヤ比とに基づい
て決定されるものであり、具体的には、第1のプラネタ
リギヤユニット25のサンギヤ27の回転数を意味して
いる。また、トータル変速比は、変速機構4の全体変速
比、具体的には、駆動側シャフト8の回転数とアウトプ
ットシャフト23の回転数との比を意味している。さら
に、図4の摩擦係合装置の係合・解放状態を示す欄にお
いて、「○」印は摩擦係合装置が係合されることを意味
し、空欄は摩擦係合装置が解放されることを意味してい
る。
【0051】さらに、図5において、(27)は第1の
プラネタリギヤユニット25のサンギヤ27を意味し、
(30)は第1のプラネタリギヤユニット25のキャリ
ヤ30を意味し、(28)は第1のプラネタリギヤユニ
ット25のリングギヤ28を意味し、(32)は第2の
プラネタリギヤユニット26のリングギヤ32を意味
し、(34)は第2のプラネタリギヤユニット26のキ
ャリヤ34を意味し、(31)は第2のプラネタリギヤ
ユニット26のサンギヤ31を意味している。図5にお
いては、縦軸の高さが各回転要素の回転数(回転速度)
を示し、各回転要素の4本の縦軸同士の間隔(距離)
が、各回転要素同士の回転数の比率を表している。
【0052】また、図5においては、サンギヤ27とキ
ャリヤ30との回転数の比率を“1”とし、キャリヤ3
0とリングギヤ28との回転数の比率をρ1としてい
る。また、このρ1を内分するキャリヤ34とサンギヤ
31との回転数の比率を“1”とし、リングギヤ32と
サンギヤ31との回転数の比率をρ2としている。ここ
で、 ρ1=サンギヤ27の歯数/リングギヤ28の歯数 で求められ、 ρ2=サンギヤ31の歯数/リングギヤ32の歯数 で求められる。
【0053】図4に示す走行方向が「中立」である場合
は、各摩擦係合装置が全て解放されるため、エンジン1
のトルク(言い換えれば動力)は変速機構4および車輪
43に伝達されない。ただし、各摩擦係合装置の作動を
より連続的にするため、車両停止中はクラッチC1を係
合し、かつ、クラッチC0を解放するなど、各走行モー
ド1ないし4においてクラッチC0のみを解放するよう
に制御した場合でも、上記と同様の作用が生じる。つぎ
に、走行方向が「前進」である場合はモード1ないしモ
ード4の制御をおこなうことができる。各モードは、車
速およびアクセル開度などの条件に基づいて選択され
る。
【0054】まず、モード1は、車両の発進時などに選
択されるモードであり、モード1が選択された場合は、
CVT運転点が「点A」または「点C寄りの任意の点」
に制御されるとともに、クラッチC0,C1が係合さ
れ、かつ、クラッチC2およびブレーキB1が解放され
る。図5においては、便宜上、CVT運転点が「点A」
に制御された場合が示されている。なお、ベルト式無段
変速機6は、その変速比が“1”より小さい値に制御す
る、いわゆるオーバードライブ(O/D)状態に制御す
ることができる。そして、「点C」は、ベルト式無段変
速機6の変速比を、一層“1”よりも小さい値に制御し
た状態を意味している。
【0055】このモード1の制御がおこなわれると、エ
ンジン1のトルクがダンパ機構11および中間シャフト
10ならびにクラッチC0を経由して駆動側シャフト8
に伝達される。駆動側シャフト8に伝達されたトルク
は、ギヤ20およびギヤ38ならびにコネクティングド
ラム37を経由して第1のプラネタリギヤユニット25
のキャリヤ30に伝達される。このとき、第1のプラネ
タリギヤユニット25における入出力のつり合いによ
り、サンギヤ27が反力メンバとして作用するため、コ
ネクティングドラム37を経由してキャリヤ30に伝達
されたトルクが、サンギヤ27とリングギヤ28とに分
配される。サンギヤ27のトルクは、ギヤ24,21を
経由してベルト式無段変速機6に伝達される、いわゆる
動力循環が生じる。一方、リングギヤ28に伝達された
トルクは、連結部材36を介して出力軸23に伝達され
るとともに、このトルクはデファレンシャル5を介して
車輪43に伝達される。
【0056】遊星歯車変速装置7が上記のように動作す
る際に、キャリヤ30の回転数は、ギヤ20とギヤ38
とのギヤ比により決定される「点D」となる。すなわ
ち、「点A」の回転数よりも「点D」の回転数の方が低
く、「点A」と「点D」とを結ぶ線分F1の延長線上
に、リングギヤ28およびサンギヤ31の回転数、つま
り、アウトプットシャフト23の回転数「点G」が設定
される。このようにして、第1のプラネタリギヤユニッ
ト25のキャリヤ30のトルクをアウトプットシャフト
23に伝達するにあたり、キャリヤ30の回転速度が減
速されてアウトプットシャフト23に伝達され、トータ
ル変速比が最大減速比になる。
【0057】以上のように、モード1が選択された場合
は、第1のプラネタリギヤユニット25の回転要素同
士、および第2のプラネタリギヤユニット26の回転要
素同士が差動回転するとともに、駆動側シャフト8のト
ルクがコネクティングドラム37を経由して第1のプラ
ネタリギヤユニット25に伝達されるとともに、このト
ルクがギヤ24,21を経由してベルト式無段変速機6
に伝達され、ついで駆動側シャフト8に伝達される作
用、いわゆる動力循環が生じる。
【0058】前記モード1からモード2に変更される
と、CVT運転点が「点A」から「点B」に変更され
る。このモード2が選択された場合も、クラッチC0,
C1が係合され、かつ、クラッチC2およびブレーキB
1が解放された状態が継続される。したがって、モード
2においても、駆動側シャフト8のトルクが、モード1
の場合と同様の経路から遊星歯車変速装置7に伝達され
る。なお、「点B」は、ベルト式無段変速機6の変速比
が最大減速比に制御されていることを意味しており、
「点B」における第1のプラネタリギヤユニット25の
サンギヤ27の回転数は、「点A」における第1のプラ
ネタリギヤユニット25のサンギヤ27の回転数よりも
低い。また、「点B」においては、第1のプラネタリギ
ヤユニット25のサンギヤ27の回転数と、第1のプラ
ネタリギヤユニット25のキャリヤ30およびリングギ
ヤ28の回転数とが同一になる。
【0059】このように、CVT運転点が「点B」に制
御されると、第1のプラネタリギヤユニット25のサン
ギヤ27の回転数と、第1のプラネタリギヤユニット2
5のキャリヤ30および第2のプラネタリギヤユニット
26のリングギヤ32の回転数とが同じになり、「点
B」と「点D」とを結ぶ線分F2の延長線上の「点J」
に、アウトプットシャフト23の回転数が設定される。
ここで、第1のプラネタリギヤユニット25のサンギヤ
27の回転数と、第1のプラネタリギヤユニット25の
キャリヤ30の回転数とが同一であるため、第1のプラ
ネタリギヤユニット25のサンギヤ27の回転数とアウ
トプットシャフト23の回転数とが同一になる。そし
て、「点J」に相当するアウトプットシャフト23の回
転数は、「点G」に相当する回転数よりも高く、変速機
構4は、そのトータル変速比が中減速比になる。なお、
このモード2においても、変速機構4の動力伝達状況
は、前述した動力循環状態にある。
【0060】また、モード2からモード3に変更する場
合は、モード2の状態からクラッチC2を係合する一
方、クラッチC1が解放される。モード3のその他の制
御は、モード2の制御と同様である。モード3が選択さ
れた場合は、クラッチC1が解放されるために、駆動側
シャフト8のトルクは従動側シャフト9に伝達されるも
のの、中空軸19には伝達されない。また、モード3に
おいては、クラッチC2が係合されるため、第1のプラ
ネタリギヤユニット25の全体が一体回転するととも
に、第2のプラネタリギヤユニット26の全体が一体回
転する。すなわち、トルク伝達シャフト22とアウトプ
ットシャフト23とが直結状態になる。
【0061】このため、モード3が選択された場合にお
ける変速機構4の状態は、モード2が選択された場合の
線分F2と同様になる。なお、モード3が選択された場
合は、トルク伝達シャフト22とアウトプットシャフト
23とが直結状態になるため、ベルト式無段変速機6の
変速比(最大変速比)と、ギヤ21とギヤ24との変速
比とに基づいて、トータル変速比が中減速比になる。な
お、モード2からモード3に切り換える際に、過渡的に
全てのクラッチC0,C1,C2が係合される状態が発
生したとしても、2つのプラネタリギヤユニット25,
26の各回転要素間には差動が生じることはなく、ショ
ックの発生はない。
【0062】モード3からモード4に変更した場合は、
摩擦係合装置の状態はモード3と同様に制御されるとと
もに、CVT運転点が「点B」から「点C」に変更され
る。このモード4においても、トルク伝達シャフト22
とアウトプットシャフト23とが直結状態にあるため、
アウトプットシャフト23の回転数は、トルク伝達シャ
フト22の回転数と同じ「点H」に設定される。つま
り、「点C」と「点H」とを結ぶ線分F3が、モード4
における変速機構4の状態を示している。そして、CV
T運転点の「点C」は、ベルト式無段変速機6がオーバ
ードライブ(O/D)状態に対応しているため、トータ
ル変速比も最小減速比(具体的には、O/D状態)にな
る。なお、モード1とモード4との間で相互に変更する
場合は、モード2,3を経由してからモード4またはモ
ード1が連続的に選択される。
【0063】このように、車両が前進する場合は、アウ
トプットシャフト23の回転数が「点G」と「点H」と
の間で制御され、変速機構4で動力循環が発生している
状態においては、トータル変速比を、「点G」と「点
J」との間に相当する回転数の範囲に対応する変速比に
制御することができる。また、車両の発進後に、モード
1が選択されている状態において、CVT運転点をなる
べく「点C」寄りに制御することにより、トータル変速
比をより大きな減速比に制御することができるととも
に、トータル変速比の制御幅を可及的に広くすることが
できる。
【0064】これに対して、車両が後進する場合は、C
VT運転点が「点A」もしくは「点B」寄りの任意の点
に制御され、かつ、クラッチCOおよびブレーキB1が
係合され、クラッチC1,C2が解放される。図5にお
いては、便宜上、CVT運転点が「点A」に制御された
場合を示している。ブレーキB1の係合により、第2の
プラネタリギヤユニット26のキャリヤ34の回転数が
「点E」の位置、つまり、零に固定されるため、「点
A」と「点E」とを結ぶ線分R1の延長線上の「点F」
に、アウトプットシャフト23の回転数が設定される。
【0065】すなわち、第1のプラネタリギヤユニット
25のサンギヤ27のトルクが、キャリヤ30およびコ
ネクティングドラム37を経由して、第2のプラネタリ
ギヤユニット26のリングギヤ32に伝達されるととも
に、リングギヤ32のトルクがキャリヤ34を反力要素
としてサンギヤ31に逆方向に伝達される。なお、アウ
トプットシャフト23にトルクが伝達されると、そのト
ルクが連結部材36および第1のプラネタリギヤユニッ
ト25のリングギヤ28を経由して、第1のプラネタリ
ギヤユニット25のキャリヤ30に伝達される作用、い
わゆる動力循環が生じる。このようにして、アウトプッ
トシャフト23は、車両が前進する場合とは逆方向に回
転し、車両が後進する。さらに、車両が後進を開始した
後に、CVT運転点を「点A」から「点B」寄りに変更
することにより、トータル変速比を一層、大減速比側に
設定にすることができる。
【0066】ここで、この実施形態の構成とこの発明の
構成との対応関係を説明すれば、エンジン1がこの発明
の動力源に相当し、ベルト式無段変速機6がこの発明の
変速機に相当し、駆動側シャフト8および従動側シャフ
ト9ならびにギヤ21,24がこの発明の第1の動力伝
達経路に相当し、駆動側シャフト8、クラッチC1、中
空軸19、ギヤ20、ギヤ38、コネクティングドラム
37がこの発明の第2の動力伝達経路に相当し、サンギ
ヤ27,31およびキャリヤ30,34ならびにリング
ギヤ28,32がこの発明の回転要素に相当し、トルク
伝達シャフト22がこの発明の第1の入力要素に相当
し、コネクティングドラム37がこの発明の第2の入力
要素に相当し、アウトプットシャフト23がこの発明の
出力要素に相当し、クラッチC1がこの発明の第1のク
ラッチに相当し、クラッチC2がこの発明の第2のクラ
ッチに相当する。2つのサイドギヤ40Bがこの発明の
出力部材に相当する。また、前記モード1とモード2と
の切り換えにともなう制御状態がこの発明の第1の変速
制御状態に相当し、モード3とモード4との切り換えに
ともなう制御状態がこの発明の第2の変速制御状態に相
当し、後進段(Rポジション)がこの発明の第3の変速
制御状態に相当する。
【0067】以上のように、この実施形態においては、
エンジン1のトルクの一部が、ベルト式無段変速機6を
介して第1のプラネタリギヤユニット25のサンギヤ2
7に伝達されるとともに、エンジン1のトルクが、第2
の入力要素を介して第1のプラネタリギヤユニット25
のキャリヤ30に伝達される。すると、第1のプラネタ
リギヤユニット25のサンギヤ27と、第1のプラネタ
リギヤユニット25のリングギヤ28とが差動回転す
る。このため、コネクティングドラム37を介して第1
のプラネタリギヤユニット25に伝達されたトルクが、
第1のプラネタリギヤユニット25のリングギヤ28を
介して出力軸23に伝達され、かつ、トルクの一部がト
ルク伝達シャフト22を介してベルト式無段変速機6側
に伝達される、いわゆる動力循環が生じる。
【0068】ここで、シングルピニオン型の第1のプラ
ネタリギヤユニット25の各回転要素に働くトルクは、
Ts+Tr=Tcである。Tsはサンギヤ27のトルク
を意味し、Trはリングギヤ28のトルクを意味し、T
cはキャリヤ30のトルクを意味している。ここで、ρ
=Zs/Zr、Ts=ρ、Tr=1、Tc=1+ρ、ρ
=0.5とすると、リングギヤ28の出力トルクTrと
の関係は、 Tr=Tc−Ts となり、各々Ts=0.5、Tc=1.5、Tr=1と
なる。
【0069】ここで、Zsはサンギヤ27の歯数であ
り、Zrはリングギヤ28の歯数である。そして、ベル
ト式無段変速機6に連結されたトルク伝達シャフト22
と、第1のプラネタリギヤユニット25のサンギヤ27
とが連結されている。このため、遊星歯車変速装置7の
出力軸23から、Tr=1のトルクを出力させるために
は、ベルト式無段変速機6側からトルク伝達シャフト2
2を経由させて第1のプラネタリギヤユニット25のサ
ンギヤ27に対して、Ts=0.5のトルクを入力する
必要がある。つまり、出力トルクに対して1/2倍のト
ルクを入力すればよいことになる。
【0070】さらに、上記と同様にして、遊星歯車変速
装置7の出力軸23から、Tr=1のトルクを出力させ
るためには、クラッチC1を介して第1のプラネタリギ
ヤユニット25のキャリヤ30に対して、Tc=1.5
のトルクを伝達すればよい。つまり、出力トルクに対し
て1.5倍の入力トルクでよいことになる。このような
理由により、ベルト式無段変速機6の構成要素、または
クラッチC1などにより伝達するべきトルク(言い換え
れば、ベルト式無段変速機6の構成要素、またはクラッ
チC1などに対して入力されるトルク)を可及的に小さ
くすることができる。したがって、これらの構成部品を
薄肉化・小型化することができ、システムの配置スペー
スが可及的に抑制されて、車載性が向上する。
【0071】さらに、トルク伝達シャフト22およびア
ウトプットシャフト23と、第1のプラネタリギヤユニ
ット25および第2のプラネタリギヤユニット26とが
同一軸線上に配置されているため、遊星歯車変速装置7
のトルク伝達シャフト22およびアウトプットシャフト
23の半径方向における、第1のプラネタリギヤユニッ
ト25および第2のプラネタリギヤユニット26の配置
スペースが抑制され、車載性が一層向上する。
【0072】さらに、トルク伝達シャフト22およびア
ウトプットシャフト23と、第1のプラネタリギヤユニ
ット25および第2のプラネタリギヤユニット26とが
同一軸線上に配置され、かつ、車両の前後方向におい
て、クランクシャフト2の軸線X1と、デファレンシャ
ル5のサイドギヤ40Bの軸線X3との間に相当する空
間に、遊星歯車変速装置7が配置されている。したがっ
て、車両の前後方向における軸線X1と軸線X3との距
離を可及的に短く設定することができ、システムの小型
化が促進されて車載性が向上する。
【0073】さらに、この実施形態においては、ベルト
式無段変速機6および第1のプラネタリギヤユニット2
5ならびに第2のプラネタリギヤユニット26を連結
し、モード1においては動力循環を生じさせて、トータ
ル減速比の制御幅を可及的に広くするとともに、車両が
後進する場合には、トータル減速比をなるべく大減速比
側に制御することができる。したがって、ベルト式無段
変速機6の駆動側プーリ12および従動側プーリ13の
外径の拡大が抑制されるとともに、駆動側シャフト8と
従動側シャフト9との間の軸間距離を短縮化することが
でき、ベルト式無段変速機6のコンパクト化(小型化)
を図ることができるとともに、車載性が向上する。
【0074】さらに、ベルト式無段変速機6と遊星歯車
変速機構4との組合せにより、前進段におけるトータル
減速比の制御幅を可及的に広くし、かつ、後進段におけ
るトータル減速比を、なるべく大減速比側に制御するこ
とができるから、後進段設定用の歯車変速機構を別途設
ける必要もない。
【0075】また、この実施形態においては、車両の発
進時にトータル変速比を設定するとともに、車両の発進
後に、必要に応じて(言い換えれば加速要求に応じて)
トータル変速比が大きくなるように、ベルト式無段変速
機6の変速比を制御してCVT運転点を制御することに
より、要求駆動力を発生させることができる。したがっ
て、車両の発進時に、エンジン1から車輪43に至る動
力伝達経路に対して、急激に過大なトルクが入力されて
衝撃が発生したり、必要以上の駆動力が生じて車輪43
がスリップすることなどを防止することができ、ドライ
バビリティを向上することができる。
【0076】さらに、この実施形態においては、車両の
停止状態でシフトポジションを前進段と後進段とで相互
に変更する場合は、クラッチC0を解放した状態におい
て、例えば、図5の線分F1と線分R1とを相互に変更
する制御をおこなえばよい。すなわち、ベルト式無段変
速機6の変速比を固定したまま、クラッチC1およびブ
レーキB1の係合・解放状態を変更するだけで済む。し
たがって、車両が停止した状態からでも、車両を任意の
方向に発進させることができる。
【0077】なお、この実施形態において、クラッチC
2を、出力軸23とキャリヤ34との間、またはキャリ
ヤ34とコネクティングドラム37との間に設けること
も可能である。また、クラッチC2により、第1のプラ
ネタリギヤユニット25および前記第2のプラネタリギ
ヤユニット26のいずれかの回転要素同士、例えばサン
ギヤ27とリングギヤ28、あるいはリングギヤ28
(アウトプットシャフト23)とキャリヤ34とを連結
するような構成を採用することもでき、そのような構成
においても、上記実施形態と同様の効果を得られる。
【0078】また、この実施形態において、無段変速機
として、円弧形状の摩擦面を備えたディスクと、このデ
ィスクに接触するパワーローラとを有するトロイダル形
式の無段変速機を用いることもできる。このトロイダル
形式の無段変速機の場合には、ディスクの外径を大きく
することなく、トータル変速比の制御幅を可及的に広く
することができ、かつ、車両の後進時におけるトータル
変速比をなるべく大減速比に制御することができる。し
たがって、無段変速機のコンパクト化を図ることができ
る。
【0079】さらに、この実施形態において、無段変速
機に代えて、変速比を段階的(つまり不連続的)に制御
することのできる有段変速機を用いることもできる。さ
らに、エンジンに代えて電動機を駆動力源として搭載し
た車両に適用することもできる。また、駆動力源として
エンジンおよび電動機を搭載した、いわゆるハイブリッ
ド車に対しても、この実施形態を適用することができ
る。また、この実施形態は、FR(エンジン前置き後輪
駆動)車、または4輪駆動車にも適用することができ
る。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、変速機に連結された第1の入力要素と、第1のプ
ラネタリギヤユニットのサンギヤとが連結されている。
このため、遊星歯車変速装置の出力要素から、“1”の
トルクを出力させるためには、第1の入力要素を経由さ
せて変速機側から第1のプラネタリギヤユニットのサン
ギヤに対して、“0.5”のトルクを伝達(循環)させ
る必要がある。つまり、出力トルクに対して1/2倍の
トルクを伝達すればよいことになり、変速機に伝達され
るトルクを減少させることができる。また、遊星歯車変
速装置の出力要素から、“1”のトルクを出力させるた
めには、第1クラッチを介して第1のプラネタリギヤユ
ニットのリングギヤに対して、“1.5”のトルクを伝
達すればよい。つまり、出力トルクに対して1.5倍の
入力トルクでよいことになる。このように、変速機の構
成要素、または第1のクラッチなどにより伝達するべき
トルクを可及的に小さくすることができる。したがっ
て、構成部品の小型化および軽量化を図ることができ、
車載性が向上する。
【0081】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
と同様の効果を得られるほか、第1の変速制御状態が選
択された場合に、駆動力源のトルクが第2の入力要素を
介して第1のプラネタリギヤユニットのキャリヤに伝達
されて、請求項1の発明と同様の作用が生じる。また、
第2の変速制御状態が選択された場合は、駆動力源のト
ルクが第1の動力伝達経路のみを介して遊星歯車変速装
置に伝達されるとともに、第1のプラネタリギヤユニッ
トの各回転要素が一体回転し、遊星歯車変速装置の第1
の入力要素と出力要素とが直結状態になる。
【0082】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
と同様の効果を得られるほか、車両の発進時に第1の変
速制御状態が選択され、車両の発進後における走行中に
第2の変速制御状態が選択される。
【0083】請求項4の発明によれば、請求項1ないし
3のいずれかの発明と同様の効果を得られるほか、遊星
歯車変速装置の第1の入力要素の回転速度を無段階に制
御することができる。
【0084】請求項5の発明によれば、請求項1ないし
4のいずれかの発明と同様の効果を得られるほか、遊星
歯車変速装置が出力要素の半径方向において小型化さ
れ、車載性が一層向上する。
【0085】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
と同様の効果を得られるほか、駆動力源の出力部材の軸
線と、デファレンシャルの出力部材の軸線との間の距離
を可及的に狭めることができ、車載性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る動力伝達装置の一実施形態を
示すスケルトン図である。
【図2】 図1の動力伝達装置において、各要素の位置
関係を示す側面図である。
【図3】 図1のシステムの制御系統を示すブロック図
である。
【図4】 図1ないし図3に示す構成を有する車両にお
いて、各システムの状態を示す図表である。
【図5】 図1ないし図3に示す構成の車両において、
変速装置の状態の一例を示す共線図である。
【符号の説明】 1…エンジン、 5…デファレンシャル、 6…ベルト
式無段変速機、 7…遊星歯車変速装置、 8…駆動側
シャフト、 9…従動側シャフト、 19…中空軸、
20,21,24,38…ギヤ、 22…トルク伝達シ
ャフト、 23…アウトプットシャフト、 25…第1
のプラネタリギヤユニット、 26…第2のプラネタリ
ギヤユニット、 27,31…サンギヤ、 30,34
…キャリヤ、 28,32…リングギヤ、 37…コネ
クティングドラム、 40B…サイドギヤ、 B1…ブ
レーキ、 C1,C2…クラッチ、 X1,X2,X3
…軸線。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動力源のトルクを変速機を経由させて
    遊星歯車変速装置に伝達する第1のトルク伝達経路と、
    この第1のトルク伝達経路と相互に並列に配置され、か
    つ、前記駆動力源のトルクを前記変速機を迂回させて前
    記遊星歯車変速装置に伝達する第2のトルク伝達経路と
    を備え、前記遊星歯車変速装置が第1のプラネタリギヤ
    ユニットおよび第2のプラネタリギヤユニットを有し、
    前記第1のプラネタリギヤユニットのいずれかの回転要
    素および第2のプラネタリギヤユニットのいずれかの回
    転要素と、前記遊星歯車変速装置の出力要素とが連結さ
    れているとともに、前記第1のプラネタリギヤユニット
    の各回転要素および前記第2のプラネタリギヤユニット
    の各回転要素の回転状態を制御することにより、前記遊
    星歯車変速装置の出力要素を正方向または逆方向に回転
    させることのできる動力伝達装置において、 前記遊星歯車変速装置が、前記変速機の出力側に連結さ
    れた第1の入力要素と、前記第2のトルク伝達経路に連
    結された第2の入力要素とを有し、前記第1のプラネタ
    リギヤユニットのサンギヤと前記第1の入力要素とが連
    結され、前記第2の入力要素と前記第1のプラネタリギ
    ヤユニットのキャリヤとが連結され、前記第1のプラネ
    タリギヤユニットのリングギヤと前記出力要素とが一体
    回転するように連結されていることを特徴とする動力伝
    達装置。
  2. 【請求項2】 前記第2のトルク伝達経路におけるトル
    クの伝達・遮断を制御するために係合・解放される第1
    のクラッチと、前記第1のプラネタリギヤユニットまた
    は第2のプラネタリギヤユニットのいずれか2つの回転
    要素同士の間におけるトルクの伝達・遮断を制御するた
    めに係合・解放される第2のクラッチと、前記第2のプ
    ラネタリギヤユニットのキャリヤの固定・回転を制御す
    るために係合・解放されるブレーキとが設けられてお
    り、 前記出力要素を正方向に回転させる場合は、前記第1の
    クラッチを係合し、かつ、前記第2のクラッチおよび前
    記ブレーキを解放させる第1の変速制御状態と、前記第
    2のクラッチを係合し、かつ、前記第1のクラッチおよ
    び前記ブレーキを解放させる第2の変速制御状態とを選
    択することができ、 前記出力要素を逆方向に回転させる場合は、前記第1の
    クラッチおよび前記第2のクラッチを解放し、かつ、前
    記ブレーキを係合させる第3の変速制御状態を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 車両の発進時に前記第1の変速制御状態
    を選択し、車両の発進後における走行中に前記第2の変
    速制御状態を選択することを特徴とする請求項2に記載
    の動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 前記変速機が、その変速比を無段階に制
    御することのできる無段変速機であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の動力伝達装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のプラネタリギヤユニットおよ
    び前記第2のプラネタリギヤユニットと、前記第2のク
    ラッチおよび前記ブレーキとが同一軸線上に配置されて
    いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の動力伝達装置。
  6. 【請求項6】 前記遊星歯車変速装置の出力要素から出
    力されたトルクが伝達されるデファレンシャルが設けら
    れており、前記駆動力源の出力部材の軸線と、前記デフ
    ァレンシャルの出力部材の軸線との間に相当する空間
    に、前記遊星歯車変速装置が配置されていることを特徴
    とする請求項5に記載の動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007154995A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Yanmar Co Ltd 作業車両用変速装置
CN110886822A (zh) * 2018-09-07 2020-03-17 株式会社斯巴鲁 变速装置

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