JP2001182613A - 冷却空洞内蔵ピストン - Google Patents

冷却空洞内蔵ピストン

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JP2001182613A
JP2001182613A JP37148499A JP37148499A JP2001182613A JP 2001182613 A JP2001182613 A JP 2001182613A JP 37148499 A JP37148499 A JP 37148499A JP 37148499 A JP37148499 A JP 37148499A JP 2001182613 A JP2001182613 A JP 2001182613A
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cooling cavity
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metal pipe
cooling
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Tatsumi Hagiwara
多津美 萩原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鋳造性に優れて製造容易であり、かつ製品の
冷却特性の優れた冷却空洞内蔵ピストンおよびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 閉塞部を設けた金属製パイプでなる冷却
空洞を低圧鋳造法で鋳ぐるんだ強化部付き複合Al系素
材のピストンとその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷却空洞内蔵ピストンお
よびその製造方法に関し、より詳しくは冷却空洞が環状
に連通していない構造の不連続冷却空洞内蔵ピストンお
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術と課題】近年、自動車用エンジン、特にディ
ーゼルエンジン(DE)において、その高性能化および
排ガス清浄化に伴いピストンに対する熱的及び力学的負
荷が増大する傾向にあり、従来のピストン用アルミ合金
素材では製品ピストンの信頼性、耐久性が不十分なケー
スが多くなってきた。
【0003】その対策として、ピストンの部分強化やピ
ストンリング溝の内周部に冷却空洞を設置して冷却用の
オイル(以下クーラントオイルとも呼ぶ。通常はエンジ
ンオイルを共用する。)によりピストンを積極的に冷却
する事でピストン材料であるアルミ合金の強度低下を押
さえる事が一般に行われている。
【0004】冷却空洞を用いる場合、クーラントオイル
が供給されるクーラントオイル供給口とその排出口が必
要であるが、従来技術では、供給口と排出口は連通した
リング状冷却空洞の対称位置に配置される事が一般的で
あった(図21参照)。
【0005】その理由は、全周型冷却空洞の場合、供給
口と排出口が近くにあるとクーラントのオイルは供給口
から近回りで排出口に至り、遠回りの方向にはオイルが
供給されにくく、結果的には遠回りの方向はピストンが
十分冷却されない事になってしまうからである。
【0006】それを避けるためには供給口から最も離れ
ている対称位置に排出口を置く事がピストン全体を冷却
するためには望ましい。
【0007】しかし、ピストンはエンジンのシリンダ内
において複雑な首振り運動と上下運動を行っているた
め、対称位置においてもクーラントオイルは一般に供給
口から排出口に対し、時計回りないし反時計回りに均等
に流れ難く、ピストンは、クーラントオイルが流れやす
い方向には十分冷却されるが、流れにくい方向には冷却
が不十分になると言う問題が残ってしまう。
【0008】また、ピストンの構造上供給口と排出口を
対称位置に配する事が困難な場合が多いので、その場合
は更にピストンの冷却が均等に行われ難くなる。
【0009】一般にピストンの冷却のためには、冷却空
洞内の全周りに万遍なく均一にクーラントオイルが流れ
る事が最も望ましいから、その為には冷却空洞内に閉塞
箇所を設け、その閉塞箇所の片側からクーラントオイル
を供給し、反対側から排出する事が必要である。しか
し、従来の冷却空洞構成技術である崩壊性中子の一種で
ある塩中子を用いた場合、塩中子の形成上、また塩中子
をピストン鋳造後に水で溶出させる必要からも冷却空洞
内に閉塞箇所を設ける事が出来ないか、ないしは極めて
困難であると言う問題点があった。
【0010】そこで本発明者は、塩中子を用いる代わり
に予め用意した閉塞部付き金属製パイプをピストンの最
熱点付近に配置し、かつ新たに開発された空気圧による
低圧鋳造技術等を用いて強化部および冷却空洞付き複合
ピストンを鋳造する事により、前記問題点を解決し得る
事を見出した。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、鋳造性に優れて製造容
易であり、かつ製品の冷却特性が優れた冷却空洞内蔵ピ
ストンおよびその製造方法を提供する事にある。
【0012】
【発明の構成】本発明により、クーラントオイルを導通
する冷却空洞内蔵ピストンにおいて、冷却空洞が閉塞部
を備える不連続冷却空洞である事を特徴とする冷却空洞
内蔵ピストン(請求項1)、不連続冷却空洞が、金属製
パイプで構成された不連続冷却空洞である請求項1に記
載の冷却空洞内蔵ピストン(請求項2)、不連続冷却空
洞が、夫々端部閉塞部を備える1箇の環状もしくは複数
の部分環状の不連続冷却空洞であって、クーラントオイ
ルが各閉塞部の内側に設けられた供給口から入り、他の
閉塞部の内側に設けられた排出口から排出される不連続
冷却空洞である請求項1ないし2に記載の冷却空洞内蔵
ピストン(請求項3) 金属製パイプが、Cu,Zn,Sn,Ni,Cr,F
e,Al,Mgまたはこれらの合金でなる断面円形、長
円形、楕円形もしくは角を丸めた変形多角形の金属製パ
イプである請求項2ないし3に記載の冷却空洞内蔵ピス
トン(請求項4)、閉塞部付き環状ないし部分環状の金
属製パイプと強化部材とを組み付けて予熱し、これを予
熱された金型へセットして上型を閉じ、Al系金属溶湯
を注湯後、湯面より空気圧加圧し、凝固後ワークを取り
出し、該ワークをその後はつり、熱処理ならびに機械加
工する事を特徴とする冷却空洞内蔵ピストンの製造方法
(請求項5)、金属製パイプが、予めNiないしNi系
金属メッキ等の対Al系金属との親和性表面処理を施さ
れた金属製パイプである請求項5に記載の冷却空洞内蔵
ピストンの製造方法(請求項6)および製品である冷却
空洞内蔵ピストンが請求項2ないし4に記載の冷却空洞
内蔵ピストンである請求項5ないし6にに記載の冷却空
洞内蔵ピストンの製造方法(請求項7)が提供される。
【0013】以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明
する。
【0014】
【実施例】図4は閉塞部を備える不連続冷却空洞(金属
製パイプ)を鋳ぐるんだ冷却空洞内蔵ピストンの中心軸
を含む2分割鉛直断面図(実施例1、実施例2共通)、
図1は図4のP−Q断面図(実施例1)、図2は図4の
P−Q断面図(実施例2)、図5は他の実施例ピストン
の中心軸を含む2分割鉛直断面図(実施例3)、図3は
図5のP−Q断面図(実施例3)、(図6,図7),
(図8,図9)は夫々図4もしくは図5のP−Q断面図
におけるオイルの流れ方向を示す概念図、図10は本発
明実施例における冷却空洞の加工成形工程を示す工程図
であり、図11は本発明実施例の鋳造工程を示す工程
図、図20は空気圧による低圧鋳造装置の要部断面図、
図12、13はカラーチェックポイントa,b,c,d
を示す夫々ピストン全体および1/4分割したピストン
の斜視図、図14,15は冷却空洞をピストンの内部に
設けた熱交換器として熱交換特性の比較テストを行った
場合のピストン断面図であり、特に図15はサーミスタ
ないし熱電対測温箇所W,X,Y,Zを示す断面図であ
る。
【0015】図17は本発明実施例1のサーミスタない
し熱電対測温点A,B,C,Dを示すピストンの中心線
を通る2分割断面図であり、図16は図17のP−Q断
面図である。図19は同実施例2ピストンのサーミスタ
ないし熱電対測温点を示す中心線を通る2分割断面図で
あり、図18は図19のP−Q断面図である。図22は
従来例ピストンの測温点を示す中心線を通る2分割断面
図、図21は図22のP−Q断面図である。
【0016】図1〜5に閉塞部を持つ冷却空洞の構成例
(実施例1〜3)を示す。これらの図中、1は直噴燃焼
室20を有するピストン本体、14はピストンのワーク
(半製品)、2は特に冷却要求の強い部分であるところの
トップリング溝(強化部)、2Aは強化部(Ni多孔
体)、3は冷却空洞、4はピストン頂部、5はクーラン
トオイル(以下単にオイルと省略する事がある。)入
口、6はオイル出口、8はピストンスカート部、10,
10A,10Bは冷却空洞閉塞部である。12は静止し
たオイルジェットであって、ここより噴出されるオイル
がオイル供給口15を経て冷却空洞内に供給される。
【0017】冷却空洞3は、断面が長円形、楕円形、円
形もしくは角を丸めた変形多角形の環状または部分環状
の金属製パイプで構成される。その素材はCu,Zn,
Sn,Ni,Cr,Fe,Al,Mgの単体またはこれ
らの合金が用いられるが、これら素材は熱伝導率が高い
事が必要条件であるから、例えば18Cr−8Ni鋼の
如く熱伝導率の比較的低い合金は避けたほうが良い。一
般に環状もしくは部分環状パイプへの加工性、熱伝導
率、材料コスト等から、Cu,Cu−Zn合金,Cu−
Sn合金,Cu−Al合金,Al,Fe等が素材として
好適に用いられる。
【0018】図1における冷却空洞閉塞部10Aはペン
チやプレスによる圧潰(Crush)によって作られた
ものであり、図2〜3における冷却空洞閉塞部10Bは
ロウ付け、溶接、曲げ、鋳ぐるみ、メクラ蓋螺入ないし
圧入等の手段によって作られたものである。これらの冷
却空洞閉塞部を与える各種の手段は、ピストン全体の設
計段階で製造プロセスをも考慮しつつ任意に選択採用す
る事が出来る。
【0019】図21〜22は従来技術である塩中子によ
り形成された、閉塞部10のない冷却空洞30を持つピ
ストン31である。
【0020】本発明、従来例共に鋳造は空気加圧による
低圧鋳造で行う(例えば特開平9−122887参
照)。なお従来例の場合、塩中子の保持はNi多孔体
(強化部)によって行った。
【0021】図10にCuなどの金属パイプを用いた場
合の冷却空洞の製造工程を示す。金属パイプはベンディ
ング機により螺旋状リングに成形した後切断する。その
切断部をロウ付けにより接合して連通したリング状パイ
プとする。その後リングの一部をプレスにより押しつぶ
したりロウ付けする事により、閉塞部を形成する。リン
グ状金属パイプは表面の清浄性維持とピストン母材であ
るアルミ合金への鋳ぐるみ性(親和性)改善を目的とし
て、Niメッキを行う。
【0022】一般にNiメッキ浴にはワット浴、スルフ
アミン酸浴、ホウフツ化物浴、塩化物浴等があり、本発
明ではこれらのいずれの浴であってもよい。
【0023】なお、Niメッキの前処理として、アルカ
リ脱脂(電解含む)、有機溶剤脱脂、酸洗(硫酸、塩
酸、硝酸浸漬等、電解する場合もある。)及び水洗を行
う。
【0024】Niメッキ自体には工業的にはワット浴、
スルフアミン酸浴が多用される。無電解法もあるが、本
発明では電解(陰極処理)の方が無電解処理に較べてメ
ッキ厚みのコントロール及び浴管理がやり易いので、電
解法を採用する事が出来る。通常この場合、電流密度は
3〜80A/dm2程度である。
【0025】また、浴のPHは3.5〜5.5の酸性領
域が良い。浴温は40〜60℃程度である。Niメッキ
層のNi付着量は5〜45g/m2、望ましくは18〜
36g/m2の範囲が本発明では好適に採用される。付
着量が5g/m2に達しないと金属パイプの表面を充分
に被覆出来ず、45g/m2を超えると本発明効果が飽
和してしまって、不経済であり、製品コストを押し上げ
るからである。
【0026】表1に金属パイプを用いた場合の好ましい
鋳ぐるみ条件を求めたテスト結果を示す。すなわち表1
はテスト条件と鋳ぐるみ結果を示す表である。
【0027】
【表1】
【0028】これらのデータにより次の事実が判明し
た。すなわち、Alパイプの場合はNiメッキが鋳ぐる
み性改善の必要条件となる。これはAlパイプ表面の酸
化皮膜がAl溶湯とのなじみ性が悪いためで、これは一
般に良く知られている現象である。Cuパイプにおいて
はNiメッキが無くてもある程度の接合性は得られる
が、Niメッキを行う事によって更に接合性が改善され
る事がわかる。
【0029】また鋳造前の金属パイプの予熱温度は「予
熱無し」と比較して、300℃と500℃ではどちらも
接合性は良好だが、作業性の観点から、より温度が低い
300℃が良いと判断された。鋳ぐるみ性の評価は、図
12,13に示すようにピストンを4分割した後、断面
位置a,b,c,dの金属パイプ周辺をカラーチェック
の発色程度の目視によって行った。発色しない方がクラ
ックが少なく境界組織が健全である事を示す。
【0030】図12,13において2Aは強化材である
Ni多孔体である。
【0031】なお、低圧鋳造装置は図20の通りであ
り、1対のピストンワーク1A,1Aを、下型100と
上型200の間に湯口150よりAl合金溶湯101を
流し込んで、上型200中央部の空気管130より約2
〜4Kgf/cm2程度の空圧を与えて鋳造する。
【0032】図14,15に冷却空洞をピストンの内部
に設けた熱交換器として熱交換特性の比較テストを行っ
たその構成図を示す。
【0033】図14,15において1はピストン本体、
3は冷却空洞、22はピストン冷却用水の入り口、26
はその出口、24は冷却水の流量調整を行う調整バル
ブ、23は流量計、W,X,Y,Zは熱電対をセットし
た測温点でYはピストンクラウン中央部、Zはトップリ
ング溝上部、Xはピンボス上側中央部、Wはスカート下
端部であり、各部の測温を行った。
【0034】テスト方法は、恒温槽の外で水の流量を調
節して一定の流量としたピストンを一定温度とした恒温
槽内に入れ雰囲気温度によるピストン各部の温度上昇を
測定する事で熱交換器としての冷却空洞の冷却特性を調
査した。
【0035】表2に銅バイプを用いた冷却空洞の一部に
閉塞部を設けたものと比較のために冷却空洞が連通した
従来例であるピストンを用い、リグテストによるピスト
ン冷却性の比較テスト結果を記す。
【0036】
【表2】
【0037】雰囲気温度が400℃と同じ場合は、閉塞
部を持つ冷却空洞ではピストン全体が冷却される。その
結果、出口水温の温度が低く熱交換量が少ない結果とな
っている。ピストン全体の温度を、連通型冷却空洞のピ
ストンと同一レベルにするためには、雰囲気温度を55
0℃にする必要があり、この場合熱交換量は非常に高い
レベルとなる。すなわち、冷却空洞に閉塞部を設ける事
で冷媒はピストン全体を冷却することとなり、高い雰囲
気温度に対応可能となる。
【0038】
【製造方法実施例1】本発明を燃料直接噴射タイプのデ
ィーゼルエンジン用ピストンに応用した実施例について
説明する。
【0039】ここでは、金属パイプは銅パイプを用い、
その銅パイプの保持体としてニッケル多孔体を用いるた
め鋳造法は空気加圧による低圧鋳造法とした。なお、ニ
ッケル多孔体の体積率は10%のものを用いた。図11
に製造工程を示す。
【0040】図11において、ピストン母材であるJI
SAC8A材を780〜800℃で溶解した後、フラッ
クスにより非金属介在物やガス除去の溶湯処理を行い、
更にアルゴンガスバブリングにより脱ガスを完全に行
う。鋳造用金型を組み付けセットした後AC8A材によ
る捨て打ちを3〜5回行い、金型温度を250〜300
℃とする。金型が所定の温度になつたら、予め300℃
程度で予熱しておいた銅パイプとNi多孔体を組み付け
たものを金型にセットする。続いてピストン母材である
AC8A材保持灯から杓ですくい外型の注湯口より注湯
する。注湯終了と共に上型をセットする。
【0041】更に注湯終了から5〜10秒後に上型、押
し湯方向より2〜4kgf/cm2の空気圧で加圧を行
い溝強化材であるNi多孔体2Aの内部に溶湯を充填さ
せる。空気加圧は20〜40秒とし、その後約120秒
間の凝固時間を取り金型からピストン素材を取り出す。
素材が冷却した後にはつり、T6条件の熱処理を行い機
械加工によりピストンに成形する。
【0042】
【製造方法実施例−2】製造方法実施例−1と同様に、
本発明を燃料直接噴射タイプのディーゼルエンジン用ピ
ストンに応用した。ここでも、金属パイプは銅パイプを
用い、その銅パイプの保持体としてニッケル多孔体を用
いるため鋳造法は空気加圧による低圧鋳造法とした。な
お、ニツケル多孔体の体積率は10%のものを用いた。
【0043】製造方法実施例−1と異なる点は、銅パイ
プのリングが一部切れていてパイプが円環状になってい
ないことである。ピストンに鋳ぐるむ前は、銅パイプ断
面はロウ付けにより封がされている。このタイプの金属
パイプの特徴はパイプが円環状になっていないため形状
に自由度がありパイプの保持体であるNi多孔体の内部
寸法に対して正確に合わさなくても容易に保持出来るこ
とである。その為、金属パイプ加工精度わかなりラフに
出来るため、より低コストで製造できる有利性を持つ。
【0044】製造方法実施例−1、製造方法実施例−2
及び従来技術である塩中子により冷却空洞を形成したピ
ストンを排気量2リットル燃料直接噴射タイプのディー
ゼルエンジンを用いたテストによりトップリング溝部温
度測定を行い、冷却特性を比較した。
【0045】テスト条件は、2000rpm、全負荷状
態で測温を行った。この時の油温は90℃、メーンギャ
ラリにおける油圧は3kgf/cm2でこの条件でのオ
イルジェットのオイル吐出量は1.3リットル/分であ
る。実施例である(図16,図17)(図18,図1
9)および従来例である(図21,図22)に示す位置
a,b,cの3ヵ所にサーミスタを埋め込み接点式信号
取り出し方式で側温をおこなつた。その結果を表3に記
す。
【0046】
【表3】
【0047】トップリング溝位置aおよび燃焼室中央位
置cで本発明実施例1,2が、従来例に比して夫々30
℃、12℃も低温であり、冷却性能が優れている事が認
められる。
【0048】
【発明の効果】本発明を実施する事により、前記目的の
すべてが達成される。すなわち鋳造性に優れて製造容易
であり、かつ製品の冷却特性が優れた冷却空洞内蔵ピス
トンが提供される。
【0049】より具体的には次のような効果がもたらさ
れる。 (1)従来、連通していた冷却空洞の一部を閉塞状態に
する事で、ピストン冷却クウラントオイルを冷却空洞の
全体に流す事が可能となり、ピストン冷却効果を大幅に
改善する事が出来る。 (2)連通していない金属パイプで冷却空洞を形成する
事により、鋳造後の中子除去作業が不要となる。 (3)本発明では連通していない金属パイプを用いる事
で、高圧鋳造時に中子の破損、中子へのアルミ溶湯の差
込などの鋳造時の不具合を無くする事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4のP−Q断面図。
【図2】図4のP−Q断面図(実施例1)。
【図3】図5のP−Q断面図(実施例3)。
【図4】実施例ピストンの中心軸を含む2分割鉛直断面
図(実施例1、実施例2共通)。
【図5】他の実施例ピストンの中心軸を含む2分割鉛直
断面図(実施例3)。
【図6】図4のP−Q断面図におけるオイルの流れ方向
を示す概念図。
【図7】図4のP−Q断面図におけるオイルの流れ方向
を示す概念図。
【図8】図5のP−Q断面図におけるオイルの流れ方向
を示す概念図。
【図9】図5のP−Q断面図におけるオイルの流れ方向
を示す概念図。
【図10】本発明実施例における冷却空洞の加工成形工
程を示す工程図。
【図11】本発明実施例の鋳造工程を示す工程図。
【図12】カラーチェックポイントa,b,c,dを示
す夫々ピストン全体及び1/4分割したピストンの斜視
図。
【図13】カラーチェックポイントa,b,c,dを示
す夫々ピストン全体及び1/4分割したピストンの斜視
図。
【図14】冷却空洞をピストンの内部に設けた熱交換器
として熱交換特性の比較テストを行った場合のピストン
断面図。
【図15】冷却空洞をピストンの内部に設けた熱交換器
として熱交換特性の比較テストを行った場合のピストン
断面図サーミスタないし熱電対測温箇所W,X,Y,Z
を示す断面図。
【図16】図17のP−Q断面図。
【図17】本発明実施例1のサーミスタないし熱電対測
温点A,B,C,Dを示すピストンの中心線を通る2分
割断面図。
【図18】図19のP−Q断面図。
【図19】同実施例2ピストンのサーミスタないし熱電
対測温点を示す中心線を通る2分割断面図。
【図20】低圧鋳造装置の断面図。
【図21】図22のP−Q断面図。
【図22】従来例ピストンの測温点を示す中心線を通る
2分割断面図。
【符号の説明】 1 直噴燃焼室20を有するピストン本体 1A ワーク 2 トップリング溝(強化部) 2A 強化部(Ni多孔体) 4 ピストン頂部 5 クーラントオイル 6 オイル出口 8 ピストンスカート部 10,10A,10B 冷却空洞閉塞部 12 静止したオイルジェット 14 ピストンワーク(半製品) 15 オイル供給口 22 ピストン冷却用水の入り口 23 流量計 24 調節バルブ 26 出口 100 下型 101 Al合金溶湯 200 上型

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クーラントオイルを導通する冷却空洞内蔵
    ピストンにおいて、冷却空洞が閉塞部を備える不連続冷
    却空洞である事を特徴とする冷却空洞内蔵ピストン。
  2. 【請求項2】不連続冷却空洞が、金属製パイプで構成さ
    れた不連続冷却空洞である請求項1に記載の冷却空洞内
    蔵ピストン。
  3. 【請求項3】不連続冷却空洞が、夫々端部閉塞部を備え
    る1箇の環状もしくは複数の部分環状の不連続冷却空洞
    であって、クーラントオイルが各閉塞部の内側に設けら
    れた供給口から入り、他の閉塞部の内側に設けられた排
    出口から排出される不連続冷却空洞である請求項1ない
    し2に記載の冷却空洞内蔵ピストン。
  4. 【請求項4】金属製パイプが、Cu,Zn,Sn,N
    i,Cr,Fe,Al,Mgまたはこれらの合金でなる
    断面円形、長円形、楕円形もしくは角を丸めた変形多角
    形の金属製パイプである請求項2ないし3に記載の冷却
    空洞内蔵ピストン。
  5. 【請求項5】閉塞部付き環状ないし部分環状の金属製パ
    イプと強化部材とを組み付けて予熱し、これを予熱され
    た金型へセットして上型を閉じ、Al系金属溶湯を注湯
    後、湯面より空気圧加圧し、凝固後ワークを取り出し、
    該ワークをその後はつり、熱処理ならびに機械加工する
    事を特徴とする冷却空洞内蔵ピストンの製造方法。
  6. 【請求項6】金属製パイプが、予めNiないしNi系金
    属メッキ等の対Al系金属との親和性表面処理を施され
    た金属製パイプである請求項5に記載の冷却空洞内蔵ピ
    ストンの製造方法。
  7. 【請求項7】製品である冷却空洞内蔵ピストンが請求項
    2ないし4に記載の冷却空洞内蔵ピストンである請求項
    5ないし6に記載の冷却空洞内蔵ピストンの製造方法。
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Cited By (3)

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