JP2001180976A - 陶磁器製造工程で生じる廃材を利用した結晶化ガラスの製造方法 - Google Patents

陶磁器製造工程で生じる廃材を利用した結晶化ガラスの製造方法

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JP2001180976A JP36407199A JP36407199A JP2001180976A JP 2001180976 A JP2001180976 A JP 2001180976A JP 36407199 A JP36407199 A JP 36407199A JP 36407199 A JP36407199 A JP 36407199A JP 2001180976 A JP2001180976 A JP 2001180976A
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昭夫 福永
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0063Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing waste materials, e.g. slags

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陶磁器製造工程で生じる廃材の陶石廃材や石
膏型廃材に、新規なガラス結晶補助剤を添加して調合を
調整することにより、廃材を原料としてこれを従来の結
晶化ガラスより低温で溶融、焼結できるようにして廃材
の無害化、有効利用を図ると共に経済性も優れた結晶化
ガラスを得ることにある。 【解決手段】 陶磁器製造工程で生じる廃材の陶石廃材
及び石膏型廃材の粉末と、少なくとも石灰石及び炭酸ナ
トリウムを含むガラス結晶補助剤の粉末とを、比較的低
温の1300℃以上の炉内に入れて溶融し、溶融後の冷
却固化後に粉砕し、粉砕後のものを炉内に入れて室温か
ら低温の900〜1000℃までに徐々に温度を上げ、
一定時間その温度に保持し、その後徐々に温度を下げて
焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、陶磁器製造工程
で生じる廃材を原料としてこれを有効利用する技術に係
り、特に、陶磁器製造工程で生じる廃材の陶石廃材や石
膏型廃材に、新規なガラス結晶補助剤を添加して調合を
調整することにより、廃材を原料としてこれを従来の結
晶化ガラスより低温で溶融、焼結できるようにして廃材
の無害化、有効利用を図ると共に経済性も優れた結晶化
ガラスを得るようにした陶磁器製造工程で生じる廃材を
利用した結晶化ガラスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、陶磁器産業では、陶磁器製造工程
中に生じる粘土(例えば天草陶土)の水簸物(廃けい
砂)(以下「陶石廃材」)や、使用に耐えられなくなっ
た石膏型(以下「石膏型廃材」)などが廃材として生じ
ており、陶磁器生産地の一町村を例にとっても、年間数
千トンも廃棄されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、天然
物、一般及び産業廃棄物の焼却灰などは従来、多量のセ
メントに混合されたり一般には多く埋立てられていた産
業廃棄物である陶磁器製造工程中の廃棄物も全く利用さ
れず、埋立地の確保が困難で一地方だけでも廃棄物が甚
大な量に及び、石膏型の廃棄物には硫酸根が含まれてお
り、野積みにすると風化が激しく地盤沈下するため、埋
め立てにも適さないという欠点があり、有効利用が大き
な問題となっている。なお、埋立地に放置されると必ず
しも有害産業廃棄物またはその化合物の処理のための判
定基準に合格しないものもあり、二次公害を起こす問題
点もあった。
【0004】陶磁器用の廃棄物については、現在までは
その有効利用は考えておらず、この有効利用が可能なら
ば地場産業である陶磁器業界で画期的な課題である。
【0005】β−ウオラストナイト系の結晶化ガラスを
天然物や廃棄物から造る出願は、抗火石や下水汚泥の焼
却灰などで提出されているが、特に焼結温度が高く経済
的でない欠点があった。
【0006】この発明は、上記のような課題に鑑み、そ
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、陶磁器製造工程で生じる廃材の陶石廃
材や石膏型廃材に、新規なガラス結晶補助剤を添加して
調合を調整することにより、廃材を原料としてこれを従
来の結晶化ガラスより低温で溶融、焼結できるようにし
て廃材の無害化、有効利用を図ると共に経済性も優れた
結晶化ガラスを得るようにした陶磁器製造工程で生じる
廃材を利用した結晶化ガラスの製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、陶磁器製造工程で生じる廃材
の陶石廃材及び石膏型廃材の粉末と、少なくとも石灰石
及び炭酸ナトリウムを含むガラス結晶補助剤の粉末と
を、比較的低温の1300℃以上の炉内に入れて溶融
し、溶融後の冷却固化後に粉砕し、粉砕後のものを炉内
に入れて室温から低温の900〜1000℃までに徐々
に温度を上げ、一定時間その温度に保持し、その後徐々
に温度を下げて焼結する手段よりなるものである。
【0008】ここで、請求項1の好ましい態様として、
石膏型廃材は全廃材の20%以下である。
【0009】また、請求項3の発明は、陶磁器製造工程
で生じる陶石廃材の粉末と、少なくとも石灰石及び炭酸
ナトリウムを含むガラス結晶補助剤の粉末とを、比較的
低温の1300℃以上の炉内に入れて溶融し、溶融後の
冷却固化後に粉砕し、粉砕後のものを炉内に入れて室温
から低温の900〜1000℃までに徐々に温度を上
げ、一定時間その温度に保持し、その後徐々に温度を下
げて焼結する手段よりなるものである。
【0010】ここで、請求項1又は請求項3の好ましい
態様として、廃材とガラス結晶補助剤は、重量比で1:
1程度の割合である。
【0011】また、請求項1又は請求項3の好ましい態
様として、ガラス結晶補助剤は、石灰石及び炭酸ナトリ
ウムの他に、酸化亜鉛と、微量のフッ素、塩素及び炭素
を含むものからなる。
【0012】また、請求項1又は請求項3の好ましい態
様として、ガラス結晶補助剤は、石灰石及び炭酸ナトリ
ウムの他に、酸化亜鉛と、微量のフッ素、塩素及び炭素
を含むと共に、必要に応じて、ホウ酸、酸化マグネシウ
ム、酸化バリウムを含むものからなる。
【0013】また、請求項1又は請求項3の好ましい態
様として、重量比で、石膏型廃材は0〜10%程度、陶
石廃材は約38%程度、石灰石は約11〜31%程度、
炭酸ナトリウムは約15%程度、フッ素は1%未満、塩
素は1%未満、炭素は2%未満、酸化亜鉛は約10%程
度、ホウ酸は約3%程度、酸化マグネシウムは約3%程
度、酸化バリウムは約3%程度である。
【0014】また、請求項1又は請求項3の好ましい態
様として、着色剤が必要に応じて添加される。
【0015】すなわち「この発明」は、陶磁器製造工程
で生じる廃材の陶石廃材や石膏型廃材などを有効に利用
し、これらの廃材に、少なくとも石灰石及び炭酸ナトリ
ウムを含み、この他に、酸化亜鉛と、微量のフッ素、塩
素及び炭素を含むと共に、必要に応じて、ホウ酸、酸化
マグネシウム、酸化バリウムを含むガラス結晶補助剤を
添加して調合を調整することにより、これを比較的低温
(1300℃以上、最適は1380℃、従来のガラス産
業界では1450℃以上)で溶融、低温(900〜10
00℃、最適は950℃)で焼結することができ、その
結果、β−ウオラストナイト(CaO・SiO2)などの
結晶が析出、強度や硬度が高く、高級建材として適する
結晶化ガラスが得られるものである。
【0016】陶石廃材(廃けい砂)と石膏型廃材とを利
用した場合は、酸化鉄(Fe23)などの含有量が少ない
ので、着色剤を添加することにより、所望の色調のガラ
スが得られる筈であるが、石膏型廃材を多く利用した場
合は硫黄(S)が多く含有されるので、硫黄と酸化鉄と
で着色したアンバー系の色調が他の着色剤を加えても影
響し、独特な色調が得られる。例えば、グリーン系統の
着色剤である酸化第二銅(CuO)、重クロム酸カリ
(K2Cr27)の添加により黒色系統のガラスが得ら
れ、天然石(例えば黒御影石)で見られるような審美な
色調となる。
【0017】色調の変わった結晶化ガラスをつくり、粉
砕し、単味又は混合して耐熱石膏型などに詰めて焼結し
て(パート・ド・ベール方式)つくる製品は高級建築
材、例えば装飾用タイルなどを作るのに適している。添
加加飾の場合でも、着色ガラス中は酸化鉛(PbO)、
多くの酸化第二銅(CuO)、例えば2%(wt)が含
まれると黒御影石の様な黒化縞模様を生じ審美である。
【0018】陶磁器製造工程中に生じる粘土(例えば、
天草陶土)の水簸物(廃けい砂) 、また、この成形工程
では、石膏型を使用しない場合もあるが、多くは、石膏
型が多く使用され、この型には寿命がある。「この発
明」は陶石廃材(廃けい砂)、焼石膏(CaSO4 ・1/
2 H2O)を利用した石膏型廃材などを原料として、主
として大理石様結晶化ガラスを製造する方法に関するも
のであり、比較的低温1300℃以上、例えば1380
℃で溶融し、低温で結晶が早く析出し焼結例えば900
〜1000℃、一定時間例えば2時間で焼結することに
より、従来陶磁器生産地の一町村に例をとっても、年間
数千トンは廃棄されている陶磁器製造工程中の廃棄物を
有効に利用し、付加価値の高い建築資材(内外装材、床
材など)に使用することができる。なお焼結する前のガ
ラスは工芸、装飾ガラスにも使用することができる。
【0019】この結晶化ガラスは、結晶した場合はもち
ろんのこと、焼結前のガラスでも有害産業廃棄物また
は、その化合物の処理のための判定基準に十分に合格
し、公害は全くないことが立証されている。
【0020】従来製造されているβ−ウオラストナイト
(CaO・SiO2)系の結晶化ガラス、例えば発明の名
称「天然大理石模様結晶化ガラス」(特許公開、昭和4
8年第65210号)などの明細書にも記載されている
ように、焼結温度は1100℃であるが、「この発明」
は焼結温度が900〜1000℃であり普通のニクロム
線の炉で結晶が析出するので経済的である。
【0021】なお、従来、硫黄(S)及び、炭素(C)
を多量に含有した原料を使用してガラスを溶融した場合
は、泡などを発生する欠点を生じたものであるが、「こ
の発明」で石膏型廃材を多く使用し、硫黄を多量に含
み、故意に炭素を含ませたガラスを製造した場合にも全
く欠点を生じない当事者の常識を逸脱した新規な発明を
開発したものである。
【0022】陶石廃材(廃けい砂)、石膏型廃材に含有
する着色成分は、硫黄(S)、酸化鉄(Fe23)であ
り、「この発明」には炭素(C)が添加されており、硫
黄鉄(FeS)による非金属コロイドのアンバーガラス
となり、着色剤を加える単独加飾でも添加加飾でも独特
の色調が得られる。例えば、天然大理石にも優る優雅な
天然石の多彩な色調が得られる。
【0023】なお、単独加飾とは、結晶化ガラスの組成
に着色剤を添加し、溶融、成形、熱処理したもので、添
加加飾とは、結晶化ガラスの組成には着色剤を加えず、
溶融、成形後、着色ガラスの微粉などを添加して熱処理
し、加飾したものである。
【0024】
【発明の実施例】陶磁器製造工程で生じる陶石廃材(天
草陶土の廃けい砂)や石膏型廃材に、「この発明」のガ
ラス結晶補助剤を添加して調合して調整したときの調合
組成を表1に示す。PK−K1〜PK−K7は何れも陶
石廃材(廃けい砂)及び石膏型廃材を使用し、少しずつ
調合を変えて調整したときの調合組成の記号であり、表
2の記号に対応している。
【0025】
【表1】
【0026】陶磁器製造工程中に生ずる廃棄物などを有
効に利用した結晶化ガラスについては数多くの実験を行
ったが、ガラス産業界のガラスの溶融温度1450℃に
比べて比較的低温の1300℃以上、最適は1380
℃、例えば1350℃で溶融、低温で焼結、結晶の析出
は早く例えば900〜1000℃、最適温度は950
℃、900〜1000℃で一定時間温度を保持して熱処
理、例えば2時間保持して熱処理を行った代表的な実施
例として、陶石廃材(廃けい砂)と石膏型廃材を利用し
たものを挙げ、その組成を調整した化学組成の実施例を
表2に示す。
【0027】PK−K1〜PK−K7は何れも陶石廃材
(廃けい砂)及び石膏型廃材を使用し、少しずつ組成を
変えた化学組成の記号であり、表1の記号に対応してい
る。石膏型は焼石膏(CaSO4・1/2H2O)を使用し
て、水を加えて石膏型をつくるが、使用回数が増加すれ
ば吸水率も悪くなり、廃材とする。この石膏型廃材を粉
砕して、ガラスの原料に使用されるが、これらの組成
は、焼石膏が純粋であるとして計算されている。
【0028】調合(バッチ)を溶融する場合、硫酸塩が
多くなると、例えばアルカリと反応して無水ボウ硝(N
a2SO4)などが溶融後、どろどろに溶融したガラスの表
面に浮く(これをシオと呼称)ので、溶融温度を高くす
るか、炭素(C)を多く加えることにより、シオを減少
させる方法がとられている。シオが浮いた場合は耐火物
が侵食され易く、製品に残った場合は白い斑点となる。
【0029】
【表2】
【0030】表2に示すガラス組成になるように、調合
(バッチ)をつくり、前記の温度でシオにも注意して溶
融ガラスを粒状又は球状に成形するか、あるいは水揚げ
を行い、前記の温度で焼結することにより、β−ウオラ
ストナイト、などの結晶が析出して乳濁し、高級建材と
しても十分実用性のある製品が得られる。なお、アラバ
スター(乳白)ガラスでは、故意にシオを浮かせている
が、「この発明」の調合で万一シオが浮いていてもシオ
の除去は可能である。
【0031】陶磁器製造工程で生じる廃材(陶石廃材
(廃けい砂)と石膏型廃材)においては、従来全部が廃
棄されていたので、これらの利用は陶磁器業界において
も一大革命である。
【0032】単味加飾の場合は結晶化ガラスの組成に着
色剤を添加、溶融、成形熱処理することにより得られる
ことは前述の如くであるが結晶化着色ガラスはイオン着
色もコロイド着色も可能である。
【0033】添加加飾の場合は、結晶化ガラスの塊状ガ
ラスと着色ガラスとの微粉(前者と後者との割合、10
0:20〜5)を十分に混合し、耐熱石膏型及び陶磁製
素焼型などに入れて焼結することにより多彩で縞模様の
ある審美な建築材料が得られる。
【0034】「この発明」で特許請求の範囲の請求項7
を限定した理由は、次のとおりである。廃材に含まれる
アルミナ(Al23)の添加量が上限を越えると、比較的
低温での溶融が困難であり、下限を越えると焼結時の結
晶の析出が悪くなる。
【0035】廃材に含まれるSiO2 とCaOとは、当
然のことであるが、回析X線分析を行い、β−ウオラス
トナイト(CaO・SiO2)、その他の結晶が析出する
重量%が実験データに基づいて上限、下限が限定されて
いる。アルカリについては、融剤の添加量にもよるが、
上限を越えると、例えば焼結温度900〜1000℃、
2時間ではこれらの結晶が析出せず、下限を越えると溶
融が困難である。
【0036】酸化亜鉛(ZnO)は、硫化亜鉛(Zn
S)の結晶を析出させるためであり、上限を越えると耐
火物が侵食される傾向があり、下限を越えると、硫化亜
鉛が析出しない。酸化亜鉛は結晶生成助剤として機能す
る。
【0037】炭素(C)は色調に若干影響するが、主と
して、シオの排除又は減少のために使用される。調合、
溶融温度により、シオが浮くかどうかは左右される。炭
素が上限を越えると、泡が切れ難く、下限を越えると、
シオが浮く傾向となる。
【0038】また、硫化亜鉛が結晶化ガラスに析出する
とガラス全体が白くなる。塩素、フッ素を含有させるこ
とにより、結晶核が成長することも認められた。
【0039】また、ガラス結晶補助剤に必要に応じて含
有される酸化マグネシウム及び酸化バリウムは、上記の
酸化亜鉛と同様、結晶生成助剤として機能し、ホウ酸は
低温溶融に寄与する。
【0040】表2に示す化学組成で調合(バッチ)を計
算して、溶融し、熱処理して得られた結晶化ガラスはβ
−ウオラストナイトの結晶などの析出が見られ、アルカ
リが特許請求の範囲の上限でもJISに準じた曲げ試
験、ビッカス硬度を測定した結果、いずれも700(K
g/cm2)以上、550(Kg/mm3)以上であった。天然大理
石よりも強度があるので高級建材としても使用が可能で
ある。
【0041】
【発明の効果】以上の記載より明らかなように、「この
発明」は陶磁器製造における廃けい砂の陶石廃材、焼石
膏から造られた石膏型の石膏型廃材などを有効に利用
し、従来製造されていたβ−ウオラストナイト系の結晶
化ガラスより溶融温度、熱処理温度を低下させることに
より、より経済的にしかも、組成に硫酸や炭素を多量に
含有させても、優れた結晶化ガラスが製造できるもので
ある。
【0042】「この発明」による結晶化ガラスは、β−
ウオラストナイトなどの結晶を析出するため、無公害
で、強度、硬度に優れているため、板状に成形して内外
装材、床材などの高級建材などの製品を製造することが
できる。
【0043】高級建材では、これらの結晶化ガラスの調
合(バッチ)に着色剤などを加えたり(単味加飾)、着
色結晶化ガラスの混合あるいは結晶化ガラスと着色ガラ
スとの混合(混合加飾)により審美性を増大する。
【0044】現在これらの廃棄物は全く利用されていな
いため、「この発明」に係る結晶化ガラスの開発によ
り、近い将来リサイクル事業として大々的な活動が期待
され、特に市町村が、地元企業や研究機関などの協力を
得て、事業化の実現にあたっては多大な効果が期待され
るものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陶磁器製造工程で生じる廃材の陶石廃材
    及び石膏型廃材の粉末と、少なくとも石灰石及び炭酸ナ
    トリウムを含むガラス結晶補助剤の粉末とを、比較的低
    温の1300℃以上の炉内に入れて溶融し、溶融後の冷
    却固化後に粉砕し、粉砕後のものを炉内に入れて室温か
    ら低温の900〜1000℃までに徐々に温度を上げ、
    一定時間その温度に保持し、その後徐々に温度を下げて
    焼結することを特徴とする陶磁器製造工程で生じる廃材
    を利用した結晶化ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 石膏型廃材は全廃材の20%以下である
    請求項1記載の陶磁器製造工程で生じる廃材を利用した
    結晶化ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】 陶磁器製造工程で生じる陶石廃材の粉末
    と、少なくとも石灰石及び炭酸ナトリウムを含むガラス
    結晶補助剤の粉末とを、比較的低温の1300℃以上の
    炉内に入れて溶融し、溶融後の冷却固化後に粉砕し、粉
    砕後のものを炉内に入れて室温から低温の900〜10
    00℃までに徐々に温度を上げ、一定時間その温度に保
    持し、その後徐々に温度を下げて焼結することを特徴と
    する陶磁器製造工程で生じる廃材を利用した結晶化ガラ
    スの製造方法。
  4. 【請求項4】 廃材とガラス結晶補助剤は、重量比で
    1:1程度の割合である請求項1又請求項3記載の陶磁
    器製造工程で生じる廃材を利用した結晶化ガラスの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 ガラス結晶補助剤は、石灰石及び炭酸ナ
    トリウムの他に、酸化亜鉛と、微量のフッ素、塩素及び
    炭素を含むものからなる請求項1又請求項3記載の陶磁
    器製造工程で生じる廃材を利用した結晶化ガラスの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 ガラス結晶補助剤は、石灰石及び炭酸ナ
    トリウムの他に、酸化亜鉛と、微量のフッ素、塩素及び
    炭素を含むと共に、必要に応じて、ホウ酸、酸化マグネ
    シウム、酸化バリウムを含むものからなる請求項1又請
    求項3記載の陶磁器製造工程で生じる廃材を利用した結
    晶化ガラスの製造方法。
  7. 【請求項7】 重量比で、石膏型廃材は0〜10%程
    度、陶石廃材は約38%程度、石灰石は約11〜31%
    程度、炭酸ナトリウムは約15%程度、フッ素は1%未
    満、塩素は1%未満、炭素は2%未満、酸化亜鉛は約1
    0%程度、ホウ酸は約3%程度、酸化マグネシウムは約
    3%程度、酸化バリウムは約3%程度である請求項1又
    請求項3記載の陶磁器製造工程で生じる廃材を利用した
    結晶化ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】 着色剤が必要に応じて添加される請求項
    1又請求項3記載の陶磁器製造工程で生じる廃材を利用
    した結晶化ガラスの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1267102A2 (en) 2001-06-15 2002-12-18 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Hydraulic control apparatus of an automatic transmission
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