JP2001179352A - 多角形断面部材の液圧成形方法、液圧成形型および自動車用多角形断面部材 - Google Patents

多角形断面部材の液圧成形方法、液圧成形型および自動車用多角形断面部材

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JP2001179352A JP36689499A JP36689499A JP2001179352A JP 2001179352 A JP2001179352 A JP 2001179352A JP 36689499 A JP36689499 A JP 36689499A JP 36689499 A JP36689499 A JP 36689499A JP 2001179352 A JP2001179352 A JP 2001179352A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多角形断面を備えた中空部材を液圧成形する
に際して、多角形のうちの特定の辺の板厚を素材の初期
板厚よりも厚くすることができ、板厚増加と成形による
加工硬化とによって成形品の機械的強度を向上させるこ
とができる多角形断面部材の液圧成形方法、およびこの
ような成形に用いる液圧成形型を提供する。 【解決手段】 素材管Tとの接触面に突起部2aを備え
た雄型2によって、多角形断面を構成する各辺のうちの
少なくとも2辺を成形すると共に、この雄型2により成
形される部分の断面周長を雄型2に接触する直前の素材
長さよりも短くなるように成形する。このとき、望まし
くは雌型キャビティ3aの雄型2との摺接面3bと突起
部2aの成形面2bとのなす角度θを135〜165°
の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用部
材として用いられる、とくに四角以上の多角形断面を備
えた中空部材の液圧成形方法および液圧成形型、さらに
はこのような成形方法や成形型によって成形される自動
車用の多角形断面部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような液圧成形方法としては、例
えば、第48回塑性加工連合講演会講演論文集、第37
3頁に発表された方法が知られている。
【0003】すなわち、前記論文集に記載された成形方
法は、成形型内にセットした素材管に軸力を加えて軸方
向に圧縮変形させつつ、素材管の内部に液体の圧力を作
用させることによって目的とする型の形状に管材がなじ
むまで拡管成形する方法である。すなわち、素材の初期
管径に対して成形すべき目的の断面寸法が大きい場合、
液圧による拡管成形だけでは、材料の伸びが大きくなる
ために板厚減少が顕著になって割れが発生しやすくなる
ことから、素材管に軸力を加えて軸方向に材料の移動を
発生させ、板厚減少を抑制することによって割れの発生
を防止し、成形性を確保して、所望形状の部品の成形を
行おうとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の液圧成形においては、拡管成形が前提となっ
ていたため、多角形断面部材の各辺の板厚は素材管の初
期板厚に比して減少する。特に部材の中心から離れた部
位の板厚減少が著しく、割れが発生しやすくなる。つま
り、液圧成形における軸押しは、部材全体の板厚を増す
のには有効であっても、多角形断面部材の断面内の特定
の辺の板厚を増加する手段にはなり得ず、部材に与えら
れる板厚分布は拡管による材料の伸びの発生にまかせた
成形のままの板厚分布となり、断面内の各辺の板厚を制
御して所望の板厚分布を得ることは困難であり、このよ
うな問題点を解消することが従来の液圧成形における課
題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、従来の液圧成形における上記
課題に着目してなされたものであって、多角形断面を備
えた中空部材を液圧成形するに際して、多角形のうちの
特定の辺の板厚を素材の初期板厚よりも厚くすることが
でき、板厚増加と成形による加工硬化とによって成形品
の機械的強度を向上させることができる多角形断面部材
の液圧成形方法、およびこのような成形に用いる液圧成
形型、さらにはこのような成形方法や成形型によって得
られる自動車用多角形断面部材を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る液圧成形方法は、雌型キャビティ内に保持された管状
の金属素材に該素材が自由バルジしない程度の初期液圧
を負荷させた状態において、雌型キャビティ内を相対移
動する雄型を作動させて前記素材を四角形以上の多角形
断面を備えた部材に成形する液圧成形方法であって、多
角形断面を構成する各辺のうちの少なくとも2辺を前記
雄型により成形すると共に、当該雄型により成形される
部分の断面周長を雄型に接触する直前の長さよりも短く
成形して、雄型により成形される辺のうちの少なくとも
1辺の板厚を増加させる構成とし、請求項2に係わる液
圧成形方法においては、多角形断面のうちの少なくとも
1辺の板厚を素材の初期板厚に対して3%以上増加させ
る構成とし、請求項3に係わる液圧成形方法において
は、雌型キャビティ内に保持された素材に対して相対向
する位置に配した雄型を同時に移動させて成形する構成
としたことを特徴としており、液圧成形方法におけるこ
のような構成を前述した従来の課題を解決するための手
段としている。
【0007】本発明の請求項4に係わる液圧成形型は、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液圧成形に
用いる成形型であって、管状の金属素材を収容するキャ
ビティを備えた雌型と、雌型のキャビティ内に収容され
た前記素材に対して雌型キャビティ内を相対的に移動し
て多角形断面のうちの少なくとも2辺を成形する雄型を
備え、該雄型が雌型キャビティの雄型との摺接面に対し
て135〜165°の範囲の角度をなす成形面を有する
突起を備えている構成とし、請求項5に係わる液圧成形
型においては、雄型の横断面における前記突起の成形面
の長さLと素材の初期板厚tとの比D(L/t
が4〜7.5の範囲であると共に、前記成形面と雌型キ
ャビティの雄型との摺接面のなす角度θが(10D+6
8)°以上である構成とし、液圧成形型におけるこのよ
うな構成を前述した従来の課題を解決するための手段と
したことを特徴としている。
【0008】本発明の請求項6に係わる自動車用多角形
断面部材は、管状の金属素材から液圧成形によって成形
された多角形部材であって、多角形断面を構成する各辺
のうちの少なくとも1辺の板厚が隣接する辺の板厚より
も厚く、かつ素材の初期板厚に対して3%以上増加させ
てある構成としたことを特徴としている。
【0009】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる多角形断面部
材の液圧成形方法は、液圧成形により管状の金属素材を
四角形以上の多角形断面を備えた部材に成形するに際し
て、多角形断面を構成する各辺のうちの少なくとも2辺
を雌型キャビティ内を相対移動する雄型により成形し、
しかもこの雄型により成形される部分の断面周長を雄型
に接触する直前の素材長さよりも短くなるように成形す
るものであるから、雄型の押し込みによって、雄型に当
接する素材の一部、すなわち雄型によって成形される部
分の材料面内に圧縮力が作用するため、当該部分の板厚
が増加し、雄型により成形される辺のうちの少なくとも
1辺の板厚が増加することになり、板厚増加と加工硬化
とによる耐力の向上によって、多角形断面部材の機械的
特性が改善されることになる。このとき、当該液圧成形
方法においては、雄型の押し込みに伴って素材管の内部
容積が減少するため、素材管内の液圧が初期液圧に比し
て上昇することから押し込み成形に起因する素材の座屈
が抑制され、板厚増加の限界が向上することになる。
【0010】本発明に係わる液圧成形方法の一実施形態
として、請求項2に係わる成形方法においては、成形さ
れる多角形断面部材の各辺のうちの少なくとも1辺の板
厚を素材の初期板厚に対して3%以上増加させるように
しているので、板厚増加と加工硬化による多角形断面部
材の機械的特性の向上幅が十分なものとなる。また、請
求項3に係わる液圧成形方法においては、複数の雄型を
相対向させて配置し、キャビティ内の素材に対して同時
に移動させて成形するようにしているので、断面形状や
板厚制御への対応幅がさらに広範囲なものとなる。
【0011】本発明の請求項4に係わる液圧成形型は、
上記請求項1ないし請求項3に記載された多角形断面部
材の液圧成形方法に好適なものであって、雌型と雄型を
備え、多角形断面のうちの少なくとも2辺を成形する雄
型が、管状素材を収容する雌型キャビティの雄型との摺
接面に対して135〜165°の範囲の角度をなす成形
面を有する突起を備えた構造のものであるから、当該突
起の成形面に当接する部分の板厚が確実に増加し、機械
的特性の優れた多角形断面部材が容易に成形されること
になる。また、本発明に係わる液圧成形型の一実施形態
として、請求項5に係わる液圧成形型においては、雄型
の横断面における前記突起の成形面の長さLと素材の初
期板厚tとの比D(L/t )が4〜7.5の範
囲、前記成形面と雌型キャビティの雄型との摺接面のな
す角度θが(10D+68)°以上となるようにしてあ
るので、しわや座屈が生じたり、目的以外の部分の板厚
を増加させたりすることなく、雄型の突起に押されて成
形される部分の板厚がより確実に増加することになる。
【0012】さらに、本発明の請求項6に係わる自動車
用多角形断面部材は、多角形断面のうちの少なくとも1
辺の板厚が隣接する辺の板厚よりも厚く、かつ素材の初
期板厚に対して3%以上増加させたものであるから、板
厚増加と加工硬化とによって耐力が向上し、熱処理を施
すことなく、自動車部材としての強度が上昇することに
なる。
【0013】なお、本発明に係わる液圧成形方法の応用
として、雄型の押し込みによる成形前に、液圧によって
素材管にわずかな自由バルジを生じさせたのち、拡管が
進行しない液圧に保持したうえで、雄型を雌型キャビテ
ィ内で移動させて素材管を多角形断面に成形することに
よって、板厚を増加させようとする辺以外の辺の板厚を
わずかに減少させた多角形断面部材の成形も可能にな
る。
【0014】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる多角形断面部
材の液圧成形方法においては、上記構成としたことによ
り、雄型によって成形される部分の材料面内に圧縮力が
作用すると共に、雄型の押し込みによって素材管内の液
圧が上昇することから、素材に座屈を生じさせることな
く当該部分の板厚を増加させることができ、板厚増加と
このときの加工硬化によって耐力が向上するため、機械
的特性に優れた多角形断面部材を成形することができる
という極めて優れた効果がもたらされる。
【0015】本発明の請求項2に係わる液圧成形方法に
おいては、成形される多角形断面部材の各辺のうちの少
なくとも1辺の板厚を素材の初期板厚に対して3%以上
増加させるようにしているので、板厚増加と加工硬化に
基づく多角形断面部材の機械的特性の向上効果を確実か
つ十分なものとすることができ、請求項3に係わる液圧
成形方法においては、複数の雄型を相対向させて作動さ
せてるようにしているので、種々の断面形状や、各辺に
対するより複雑な板厚制御に対応することができるよう
になる。
【0016】本発明の請求項4に係わる液圧成形型は、
キャビティを有する雌型と雄型を備え、該雄型が多角形
断面のうちの少なくとも2辺を成形すると共に、雌型の
雄型との摺接面に対して135〜165°の範囲の角度
をなす成形面を有する突起を備えているので、本発明に
係わる多角形断面部材の液圧成形方法に適用することに
よって、雄型に備えた突起の成形面に当接する部分の素
材板厚を確実に増加させることができ、成形品の強度を
向上させることができ、請求項5に係わる液圧成形型に
おいては、前記突起の成形面の長さと素材の初期板厚と
の比を所定の範囲に特定すると共に、成形面と雌型キャ
ビティの雄型との摺接面のなす角度θを前記比との関係
で定めたものであるから、しわや座屈を発生させること
なく所望部分の板厚をより確実に増加させることができ
るという効果がもたらされる。
【0017】そして、本発明の請求項6に係わる自動車
用多角形断面部材は、多角形断面のうちの少なくとも1
辺の板厚が隣接する辺の板厚よりも厚く、しかも素材管
の初期板厚の3%以上増加させたものであるから、例え
ば請求項4または請求項5記載の液圧成形型を用いて、
請求項1ないし請求項3記載の方法で成形することがで
き、板厚増加とこのときの加工硬化とによって耐力が向
上し、特別な熱処理を施すことなく、部材強度を増すこ
とができるという優れた効果をもたらすものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。
【0019】実施例1 図1は、この実施例に用いた液圧成形型の形状を示す断
面図であって、図に示す液圧成形型1は、主に雄型2と
雌型3からなり、雌型3は、略U字状断面を有し、成形
に際して素材管Tを収容するキャビティ3aを備えてい
る。
【0020】一方、雄型2は、図示しない液圧プレスの
ラムに取り付けられ、雌型キャビティ3a内で図中の上
下方向にストロークするようになっており、雄型2の雌
型キャビティ3aに臨む面の両端部には、キャビティ3
a側に突出する三角形断面の突起部(突起)2a,2a
が設けてある。なお、当該突起部2a,2aの先端は、
素材管Tの初期板厚の2分の1程度(この実施例では、
約1mm)の曲率半径に丸めてある。
【0021】そして、雄型2の突起部2a,2aの形状
・寸法、すなわち突起部2aの成形面2bの長さ寸法
L、および雌型キャビティ3aの雄型2との摺接面3b
に対する前記成形面2bの角度θを段階的に変化させた
4種類の雄型2を用いて、素材管Tを八角形断面の部材
M1 に液圧成形し、前記突起部2aによって成形された
部分(辺)M1aの板厚変化について調査した。
【0022】すなわち、素材管Tとして、直径101.
6mm、板厚2.0mm(t )の370MPa級鋼
管を雌型キャビティ3a内にセットし、素材管Tの内部
を加工液で満たしながらシールを施し、内部の液圧を2
0MPaに保持したのち、図外の液圧プレスを作動させ
て、雄型2を図中の矢印方向に移動させることによって
素材管Tを押し込み、八角形断面部材M1 に成形した。
なお、潤滑は通常の方法を用いた。
【0023】その結果は、表1に示すとおりで、突起部
2aによって加工された辺M1aの板厚は、θ=141
°,D(L/t )=5.0の場合には、初期板厚
(t=2.0mm)に対して3%、θ=153°,D
=5.6の場合には15%、θ=153°,D=6.7
の場合には10%それぞれ増加しており、雄型による押
し込みが進行するに従って素材管Tの周長が短くなり、
しわが発生することなく、素材の板厚を上昇させること
ができることが確認された。一方、θ=124°,D=
9.0の場合には、雄型による押し込みの進行に従って
しわが発生し、八角形断面部材M1 の辺M1aの板厚増加
は得られなかった。
【0024】
【表1】 図2は、θ=153°,D=5.6の場合の雄型の押し
込み量に対する素材の板厚変化を示すものであって、雄
型の押し込みが進行するにしたがって、雄型2の突起部
2aによって成形される辺M1aと共に、雌型キャビティ
3aによって成型される縦壁部分M1bの板厚が上昇する
が、縦壁部分M1bの板厚増加に比べて、辺M1aの板厚増
加が速やかに進行しており、雄型突起部2aにより成形
される多角形断面部材の辺の板厚を他の辺よりも優先的
に上昇させることが可能となることが確認された。
【0025】実施例2 図3は、本発明に係わる液圧成形方法の第2の実施例に
用いた成形型の形状を示す断面図であって、図に示す液
圧成形型11は、相対向させて配置した1対の雄型1
2,13と雌型14から主に構成され、雄型12および
13は、図示しない液圧プレスのラムにそれぞれ取り付
けられ、雌型キャビティ14a内で図中の上下方向にス
トロークするようになっている。
【0026】また、図中上方側の雄型12は、雌型キャ
ビティ14aに臨む面の両端部に三角形断面をなす突起
部12a,12aが設けてあり、これら突起部12a,
12aの寸法形状については、成形面12bの長さL1
を11.2mm、雌型の摺接面14bと前記成形面12
bのなす角度θ1 を153°とした。
【0027】他方の雄型13にも、雌型キャビティ14
aに臨む面の両端部に同じく三角形断面をなす突起部1
3a,13aが設けてあり、これらの寸法形状について
は、成形面13bの長さL2 を同じく11.2mm、雌
型摺接面14bと前記成形面13bのなす角度θ2 を1
17°とした。
【0028】そして、雌型キャビティ14a内に、上記
実施例と同じ素材管Tをセットしたのち、素材の自由バ
ルジが大きく進行しない程度の液圧を管内にかけなが
ら、図外の液圧プレスを作動させて、両雄型12,13
を同時に押し込み、八角形断面部材M2 に成形し、部材
M2 の板厚変化、とくに両雄型12,13の突起部12
a,13aによって成型された辺M2a,M2bの板厚増加
について調査した。この結果を表2に示す。
【0029】
【表2】 これにより、雄型12の突起部12aによって成形され
る面の板厚を他の面よりも優先的に上昇させることがで
き、同時に雄型12,13の押し込みに基づく圧縮応力
によって雌型キャビティ14aによって成形される八角
形断面部材M2の縦壁M2cの板厚をも上昇させることが
できた。このような方法によって成形される八角形断面
部材M2 の調質を行わない場合には、特定の辺の板厚を
上昇させた多角形断面の辺は、板厚増加に伴って材料の
加工硬化が生じ、板厚増加と加工硬化による耐力の向上
が可能になるため、成形品の機械的強度を向上させるこ
とができる。
【0030】なお、成形後の部材M2 に対して、雄型1
2,13のストローク方向に対して垂直な方向に同様の
成形をさらに施すことによって正方形に近い断面の部材
を得ることもでき、隣接する面の板厚が互いに相違する
ように板厚分布させることもできる。
【0031】実施例3 図4は、本発明に係わる液圧成形方法の第3の実施例に
用いた成形型の形状を示す断面図であって、図に示す液
圧成形型21は、実施例1に用いた成形型1と同様の構
造を有し、片側のみに突起部22aを備えた雄型2と、
キャビティ23aを備えた略U字状断面の雌型23を備
えている。
【0032】雄型の片側に備えた突起部22aの寸法形
状については、成形面22bの長さLを11.2mmと
し、雌型の摺接面23bと前記成形面22bのなす角度
θを153°とした。
【0033】そして、雌型キャビティ23a内に、上記
各実施例と同じ素材管Tをセットした後、素材の自由バ
ルジが大きく進行しない程度の液圧を管内に加え、図外
の液圧プレスを作動させて、雄型22をキャビティ23
a内で移動させ、七角形断面の部材M3 に成形し、雄型
22の突起部22aによって成型された辺M3aにおける
板厚変化について調査した。この結果は、表3に示すと
おりで、上記実施例2の場合と同様に、辺M3aの板厚を
素材管Tの初期板厚に対して大幅に増加させることがで
きると共に、雌型キャビティ23aによって成型される
部材M2 の縦壁M3bの板厚をも上昇させることができ
た。
【0034】
【表3】 実施例4 図5は、本発明の第4の実施例に用いた成形型の形状を
示す断面図であって、図に示す液圧成形型31は、実施
例2に用いた成形型11とほぼ同様の構造を有し、片側
のみに突起部32aおよび33aをそれぞれ備えた雄型
32および33と、キャビティ34aを備えた雌型34
を備えている。
【0035】図中上方側の雄型32に備えた突起部32
aについては、成形面32bの長さL1 を11.2m
m、雌型の摺接面34bと当該成形面32bのなす角度
θ1 を153°とする一方、下方側の雄型33の突起部
33aの寸法形状については、成形面33bの長さL2
を同じく11.2mm、摺接面34bと成形面33bの
なす角度θ2 を117°とした。
【0036】そして、雌型キャビティ34a内に、上記
各実施例と同じ素材管Tをセットしたのち、素材の自由
バルジが大きく進行しない程度の液圧を管内に作用させ
ながら、図外の液圧プレスを作動させて、両雄型32,
33を同時に移動させることにより、六角形断面部材M
4 に成形した。この結果は、表4に示すとおりで、六角
形断面のうち、雄型32の突起部32aにより成形され
た辺M4aの板厚を優先的に増加すると共に、雌型キャビ
ティ34aにより成形される縦壁M4bの板厚も素材管T
の初期板厚に比べて上昇させることができた。
【0037】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に用いた液圧成形型の構
造を示す断面図である。
【図2】図1に示した成形型によって素材管を液圧成形
した場合の雄型押し込み量に対する素材の板厚変化を示
すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施例に用いた液圧成形型の構
造を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例に用いた液圧成形型の構
造を示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例に用いた液圧成形型の構
造を示す断面図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 液圧成形型 2,12,13,22,32,33 雄型 2a,12a,13a,22a,32a,33a 突起
部(突起) 2b,12b,13b,22b,32b,33b 成形
面 3,14,23,34 雌型 3a,14a,23a,34a キャビティ 3b,14b,23b,34b 摺接面 T 素材管(管状の金属素材) M1 ,M2 ,M3 ,M4 多角形断面部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌型キャビティ内に保持された管状の金
    属素材に該素材が自由バルジしない程度の初期液圧を負
    荷させた状態において、雌型キャビティ内を相対移動す
    る雄型を作動させて前記素材を四角形以上の多角形断面
    を備えた部材に成形する液圧成形方法であって、 多角形断面を構成する各辺のうちの少なくとも2辺を前
    記雄型により成形すると共に、当該雄型により成形され
    る部分の断面周長を雄型に接触する直前の長さよりも短
    く成形して、雄型により成形される辺のうちの少なくと
    も1辺の板厚を増加させることを特徴とする多角形断面
    部材の液圧成形方法。
  2. 【請求項2】 多角形断面のうちの少なくとも1辺の板
    厚を素材の初期板厚に対して3%以上増加させることを
    特徴とする請求項1記載の多角形断面部材の液圧成形方
    法。
  3. 【請求項3】 雌型キャビティ内に保持された素材に対
    して相対向する位置に配した雄型を同時に移動させて成
    形することを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    多角形断面部材の液圧成形方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の液圧成形に用いる成形型であって、管状の金属素材
    を収容するキャビティを備えた雌型と、雌型のキャビテ
    ィ内に収容された前記素材に対して雌型キャビティ内を
    相対的に移動して多角形断面のうちの少なくとも2辺を
    成形する雄型を備え、該雄型が雌型キャビティの雄型と
    の摺接面に対して135〜165°の範囲の角度をなす
    成形面を有する突起を備えていることを特徴とする液圧
    成形型。
  5. 【請求項5】 雄型の横断面における前記突起の成形面
    の長さLと素材の初期板厚tとの比D(L/t
    が4〜7.5の範囲であると共に、前記成形面と雌型キ
    ャビティの雄型との摺接面のなす角度θが(10D+6
    8)°以上であることを特徴とする請求項4記載の液圧
    成形型。
  6. 【請求項6】 管状の金属素材から液圧成形によって成
    形された多角形部材であって、多角形断面を構成する各
    辺のうちの少なくとも1辺の板厚が隣接する辺の板厚よ
    りも厚く、かつ素材の初期板厚に対して3%以上増加さ
    せてあることを特徴とする自動車用多角形断面部材。
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