JP2001171073A - 機上描画平版印刷方法及び機上描画平版印刷装置 - Google Patents

機上描画平版印刷方法及び機上描画平版印刷装置

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JP2001171073A
JP2001171073A JP35935999A JP35935999A JP2001171073A JP 2001171073 A JP2001171073 A JP 2001171073A JP 35935999 A JP35935999 A JP 35935999A JP 35935999 A JP35935999 A JP 35935999A JP 2001171073 A JP2001171073 A JP 2001171073A
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ink
plate
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press
printing
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Yusuke Nakazawa
雄祐 中沢
Sadao Osawa
定男 大澤
Kazuo Ishii
一夫 石井
Eiichi Kato
栄一 加藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 にじみがなく高解像度を有し、信号電圧を低
下させることにより、安定駆動が可能で、しかも安価で
あり、ラインヘッド化が容易で高速なインクジェット方
式を用いて、現像処理が不要なデジタル対応の機上描画
平版印刷方法及び機上描画平版印刷装置を提供する。 【解決手段】 印刷機の版胴に版材を装着し、版材上に
画像データの信号に基づき直接画像を形成して刷版を作
成し、刷版をその状態で用いてひき続き平版印刷を行う
機上描画平版印刷方法において、版胴に装着された版材
に対向して配置された吐出部へ油性インクを供給し、吐
出部の油性インクへ光を照射した状態で、吐出部に画像
データの信号に基づく静電界を形成することで油性イン
クを吐出部から飛翔させるインクジェット方式により版
刷画像の形成を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機上で、デジ
タル製版を行う機上描画平版印刷方法及び機上描画平版
印刷装置に関し、さらに詳細には、非水溶媒中に少なく
とも常温で固体の粒子を分散した絶縁性を有する油性イ
ンクの吐出を、光照射下で静電界を作用させることによ
り制御する新しいインクジェット方式の機上描画平版印
刷方法及び機上描画平版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷においては、印刷版の表面に画
像原稿に対応してインク受容性とインク反発性の領域を
設け、印刷インクをインク受容性の領域に付着させて印
刷を行う。通常は印刷版の表面に、親水性及び親油性
(インク受容性)の領域を画像様に形成し、湿し水を用
いて親水性領域をインク反発性とする。
【0003】印刷原版(版材)への画像の記録(製版)
は、一旦画像原稿をアナログ的またはデジタル的に銀塩
写真フィルムに出力し、これを通してジアゾ樹脂や光重
合性のフォトポリマー感光材料を露光し、非画像部を主
にアルカリ性溶液を用いて溶出除去して行うのが一般的
な方法である。
【0004】近年、平版印刷方法において、最近のデジ
タル描画技術の向上と、プロセスの効率化の要求から、
版材上に、直接デジタル画像情報を描画するシステムが
数多く提案されている。これは、CTP(Computer-to-
plate)、あるいはDDPP(Digital Direct Printing
Plate)と呼ばれる技術である。製版方法としては、例
えばレーザーを用いて、光モードまたは熱モードで画像
を記録するシステムがあり、一部は実用化され始めてい
る。
【0005】しかし、この製版方法は、光モード、熱モ
ードともに、一般には、レーザー記録後にアルカリ性現
像液で処理して非画像部を溶解除去して製版が行われ、
アルカリ性廃液が排出され、環境保全上好ましくない。
【0006】また、印刷プロセスを効率化する手段とし
て、画像描画を印刷機上で行うシステムがある。このよ
うなシステムに上記のレーザーを用いるものもあるが、
高価でかつ大きな装置となってしまう。そこで、安価で
かつコンパクトな描画装置であるインクジェット法を応
用したシステムが試みられている。
【0007】例えば特開平4−97848号公報には、
従来の版胴に替えて、表面部が親水性または親油性であ
る版ドラムを設け、この上に親油性または親水性の画像
をインクジェット法で形成し、印刷終了後画像を除去
し、クリーニングする方法が開示されている。しかしな
がら、この方法では、印刷画像の除去(すなわちクリー
ニングのし易さ)と耐刷性とが両立し難い。また、耐刷
性の高い印刷画像を版胴上に形成しようとすると、比較
的高濃度の樹脂を含むインクを用いる必要があるため、
印刷画像を形成するインクジェット手段において、ノズ
ル部分での溶媒蒸発に伴う、樹脂の固着が起こりやす
く、インク吐出の安定性が低くなる。その結果、良好な
画像が得難くなる。
【0008】また、特開昭64−27953号公報で
は、親水性の版材に親油性のワックスインクを使用して
インクジェット方式で描画を行い、製版を行う方法が開
示されている。この方法では版材は使い捨てとなるた
め、印刷終了後、画像を除去する必要はなく、吐出安定
性も高い。しかし、画像がワックスで形成されるため画
像部の機械的強度が弱く、かつ版材親水性表面との密着
性が不足するために耐刷性は低い。
【0009】上述したインクジェット法は、液状インク
をインク粒と呼ばれる小さな液滴として記録媒体上に飛
翔させて記録ドットを形成し画像を記録するインクジェ
ットプリンタとして実用化されている。インクジェット
プリンタのようなインクジェット記録方式は現在までに
数多くみられ、特に(a)発熱体の熱により発生する蒸
気の圧力でインク滴を飛翔させる方式(例えば、特公昭
56−9429号、特公昭61−59911号など)
や、(b)圧電素子によって発生される機械的な圧力パ
ルスによりインク滴を飛翔させる方式が代表的なもので
ある。
【0010】このようなインクジェット記録方式で使用
される記録ヘッドとしては、キャリッジに搭載されて記
録紙の搬送方向(副走査方向)に対し直交する方向(主
走査方向)に移動しながら記録を行うシリアル走査型ヘ
ッドが実用化されている。このシリアル走査型ヘッド
は、記録スピードを早くすることが難しい。そこで、記
録ヘッドを記録対象物の幅と同じサイズの長尺ヘッドと
して記録スピードを上げることができる、いわゆるライ
ン走査型ヘッドも考えられているが、このようなライン
走査型ヘッドを実現することは簡単ではない。
【0011】即ち、インクジェット記録方式は、本質的
に、溶媒の蒸発や揮発によって局部的なインクの濃縮が
生じやすく、これが解像度に対応した個別の細いノズル
での目詰まりの原因となり、信頼性の点で大きな問題と
なる。また、数十〜百数十程度のノズルを使用するシリ
アル走査型ヘッドよりもさらに多い数千もの多数のノズ
ルを必要とするライン型走査型ヘッドでは、確率的にか
なり高い頻度で目詰まりが発生し、信頼性の点で大きな
問題となる。さらに、インクジェット記録方式は、直径
20μm以下の粒径のインク粒を生成することは難し
く、記録後のにじみの発生により直径50数μm以下の
記録ドットを生成することが困難なため、解像度を向上
させる記録方式としては適していない。
【0012】これらの欠点を克服するために、薄膜の電
極アレイに電圧を印加し、静電力を用いてインク液面か
らインクあるいはその中の色材成分を飛翔させるインク
ジェット記録方式が提案された。具体的には、インクを
静電的引力を使って飛翔させる方式(特開昭49−62
024号、特開昭56−4467号など)や、帯電した
色材粒子を含むインクを用い色材の濃度を高めて飛翔さ
せる方式(WO93/11866:PCT/AU92/
00665)などが提案されている。
【0013】これらの方式では、記録ヘッドの構成が個
別のドット毎のノズルを必要としないスリット状ノズル
構成か、あるいは個別のドット毎のインク流路の隔壁を
必要としないノズルレス構成であるために、ライン走査
型記録ヘッドを実現する上で大きな障害であった目詰ま
りの防止と復旧に対して有効である。また、特に後者は
非常に小さい径のインク粒を安定に生成して飛翔させる
ことができ、さらにインク中の色材粒子が主として飛翔
するためにじみがなく、高解像度化に適している。この
ような静電力で色材を飛翔させる方式を用いた従来のイ
ンクジェット記録装置では、前述のように電極を配列し
た電極アレイを有する記録ヘッドを用い、この電極アレ
イの各電極に数百から数kVの高電圧を印加することに
よりインクを飛翔させている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな電極アレイを用いてライン走査型記録ヘッドのよう
な複数のインク吐出口を有するマルチノズルヘッドを構
成する場合、電極への印加電圧が高いと隣接電極間の電
界干渉が問題となる。また、通常飛翔のための電圧信号
は高圧電源からの出力電圧を駆動用ドライバによりオン
オフ制御して作成するのが一般的であり、印加電圧が高
い場合には耐圧性の高いドライバを使用する必要があ
る。そのため、記録装置が高価なものとなってしまう。
これらの問題を防ぐためには、記録ヘッドと記録対象物
(版材)との間の距離を小さくして印加電圧を下げれば
よいが、その場合には記録対象物(版材)の厚みや、紙
粉・埃の影響が生じやすく、安定して描画することが難
しい。
【0015】本発明は、上記の問題点に着目してなされ
たものであり、その目的は、第一に、にじみがなく高解
像度を有し、信号電圧を低下させることにより、安定駆
動が可能で、しかも安価であり、ラインヘッド化が容易
で高速なインクジェット方式を用いて、現像処理が不要
なデジタル対応の機上描画平版印刷方法及び機上描画平
版印刷装置を提供することである。第二に、安価な装置
及び簡便な方法で、鮮明で高画質な画像の印刷物を多数
枚印刷可能とする機上描画平版印刷方法及び機上描画平
版印刷装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る請求項1記載の平版印刷方法は、印刷
機の版胴に版材を装着し、該版材上に画像データの信号
に基づき直接画像を形成して刷版を作成し、該刷版をそ
の状態で用いてひき続き平版印刷を行う機上描画平版印
刷方法において、前記版胴に装着された版材に対向して
配置された吐出部へ油性インクを供給し、該吐出部の油
性インクへ光を照射した状態で、前記吐出部に前記画像
データの信号に基づく静電界を形成することで油性イン
クを前記吐出部から飛翔させるインクジェット方式によ
り版刷画像の形成を行うことを特徴とする。請求項2記
載の機上描画平版印刷方法は、前記油性インクが、固有
電気抵抗値109Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非
水溶媒中に、少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒
子を分散したものであることを特徴とする。請求項3記
載の機上描画平版印刷方法は、前記光照射が、前記油性
インクに吸収される波長を含む光を照射することを特徴
とする。請求項4記載の機上描画平版印刷装置は、印刷
機の版胴に装着された版材上に画像データの信号に基づ
き直接画像を形成する直接画像形成手段と、該直接画像
形成手段によって画像の形成された刷版で平版印刷を行
う平版印刷手段とを備えた機上描画印刷装置において、
前記直接画像形成手段が、前記版胴に装着された版材に
対向して配置された吐出部と、該吐出部へ油性インクを
供給するインク供給手段と、前記吐出部に静電界を形成
する静電界形成手段と、前記油性インクに光を照射する
光照射手段とを有し、前記光照射手段により前記吐出部
の油性インクへ光を照射した状態で、前記静電界形成手
段により前記吐出部へ前記画像データの信号に基づく静
電界を形成することで、油性インクを前記吐出部から飛
翔させるインクジェット描画装置であることを特徴とす
る。請求項5記載の機上描画平版印刷装置は、前記油性
インクが、固有電気抵抗値109Ωcm以上かつ誘電率
3.5以下の非水溶媒中に、少なくとも常温で固体かつ
疎水性の樹脂粒子を分散したものであることを特徴とす
る。請求項6記載の機上描画平版印刷装置は、前記光照
射手段が、前記油性インクに吸収される波長を含む光を
照射することを特徴とする。請求項7記載の機上描画平
版印刷装置は、前記直接画像形成手段が、前記油性イン
クの定着装置を備えたことを特徴とする。請求項8記載
の機上描画平版印刷装置は、前記直接画像形成手段が、
版材への描画前及び/又は描画中に版材表面に存在する
埃を除去する版材表面埃除去手段を備えたことを特徴と
する。請求項9記載の機上描画平版印刷装置は、前記版
材への描画時に、前記直接画像形成手段が、前記版材の
装着された版胴の回転により主走査を行うことを特徴と
する。請求項10記載の機上描画平版印刷装置は、前記
インクジェット描画装置が、シングルヘッド型又はマル
チヘッド型の記録ヘッドを備え、前記版材への描画時に
該記録ヘッドが前記版胴の軸方向に移動することにより
副走査を行うことを特徴とする。請求項11記載の機上
描画平版印刷装置は、前記インクジェット描画装置が、
版胴の幅と略同じ長さを有するフルラインヘッド型の記
録ヘッドを備えたことを特徴とする。請求項12記載の
機上描画平版印刷装置は、前記インクジェット描画装置
が、前記版材への描画時に前記記録ヘッドを前記版胴へ
接近させ、該版材への描画時以外は該記録ヘッドを該版
胴から離す記録ヘッド離接手段を備えたことを特徴とす
る。請求項13記載の機上描画平版印刷装置は、前記直
接画像形成手段が、少なくとも製版終了後に前記記録ヘ
ッドのクリーニングを行う記録ヘッドクリーニング手段
を備えたことを特徴とする。請求項14記載の機上描画
平版印刷装置は、前記平版印刷手段が、平版印刷時に発
生する紙粉を除去する紙粉除去手段を備えたことを特徴
とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、印刷機の版胴上に設けら
れた版材(印刷原版)に対向して配置された吐出部へ油
性インクを供給し、該吐出部に静電界を形成した状態
で、油性インクへ光照射することにより油性インクを吐
出部から飛翔させるインクジェット方式で刷版を作成
し、この刷版を用いて平版印刷を行うことを特徴とす
る。
【0018】また、本インクジェット方式では、吐出し
たインク滴の大きさは、光照射量(光強度)や吐出位置
及び電極の形状、電界印加条件によって決まり、吐出ノ
ズル径、あるいはスリット幅を小さくすることなく、小
さなインク滴が得られ、電界印加条件を制御することに
より版材上でのドット径をコントロールすることができ
る。したがって、本発明によれば、ヘッドのインク詰ま
りの問題なしに、耐刷性のある微小な画像のコントロー
ルが可能となり、鮮明な画像の印刷物が多数枚印刷可能
となる。
【0019】本発明の平版印刷方法を実施するのに用い
られる機上描画平版印刷装置の一構成例を以下に示す。
図1は、機上描画単色片面平版印刷装置の全体構成図で
ある。図2は本機上描画平版印刷装置の制御部、インク
供給部、ヘッド離接機構を含めた描画部の概略構成例で
ある。また、図3〜図7は、図1及び図8の機上描画平
版印刷装置が具備するインクジェット記録装置を説明す
るためのものである。さらに、図8は、本発明に係る機
上描画4色片面平版印刷装置の全体構成例である。
【0020】まずは図1に示す機上描画単色片面平版印
刷装置の全体構成図を用いて本発明による印刷工程につ
いて説明する。図1に示されるように、機上描画平版印
刷装置1(以下単に「印刷装置」ともいう)は、版胴1
1、ブランケット胴12及び圧胴13を一つずつ有し、
少なくとも平版印刷を行う際には版胴11に対して転写
用のブランケット胴12が圧接するように配置され、ブ
ランケット胴12にはこれに転写された印刷インク画像
を印刷紙Pに転移させるための圧胴13が圧接するよう
に配置されている。
【0021】版胴11は、通常金属製であり、その表面
は耐摩耗性を強化するために例えばクロムメッキが施さ
れているが、後述のようにその表面に断熱材を有しても
よい。一方、版胴11は静電界吐出において、吐出ヘッ
ド電極の対極となるためアースされることが好ましい。
また、版材の基体の絶縁性が高い場合には基体上に導電
層を設けることが好ましく、この場合にはこの導電層か
ら版胴にアースを取る手段を設けることが望ましい。さ
らに前述のように版胴上に断熱材を設ける場合にも、版
材からアースを取る手段を設けることにより描画は容易
になる。この場合には公知の導電性を有するブラシ、板
バネ、ローラ等の手段を使用できる。
【0022】さらに、印刷装置1はインクジェット記録
装置(インクジェット描画装置)2を有し、これによ
り、画像データ演算制御部21より送られてくる画像デ
ータに対応して、版胴11上に装着された版材9上に油
性インクを吐出し画線部を形成する。
【0023】また、印刷装置1には版材9上の親水部
(非画像部)に湿し水を供給する湿し水供給装置3が設
置されている。図1には湿し水供給装置3の代表例とし
てモルトン給水方式の装置を示しているが、湿し水供給
装置3としてはその他にシンフロ給水方式、連続給水方
式等公知の装置が使用できる。さらに、印刷装置1は、
印刷インク供給装置4、及び版材9上に描画された油性
インク画像を強固にするための定着装置5を有する。必
要に応じて版材9表面の親水性強化の目的で版面不感脂
化装置6を設置してもよい。また、印刷装置1は、版材
への描画前及び/又は描画中に版材表面に存在する埃を
除去する版材表面埃除去手段10を有する。これによ
り、製版中にヘッドと版材の間に入った埃を伝ってイン
クが版材上に付着することが有効に防止され、良好な製
版が得られる。埃除去手段としては公知の吸引除去、吹
き飛ばし除去、静電除去等の非接触法の他、ブラシ、ロ
ーラー等による接触法が使用でき、本発明では望ましく
はエアー吸引、またはエアーによる吹き飛ばしのいずれ
か、あるいはそれらを組み合わせて使用される。この場
合には、通常給紙装置に使用されるエアーポンプをこの
用途に流用することもできる。
【0024】さらに、印刷に供する版材9を版胴11上
に自動的に供給する自動給版装置7、及び印刷終了後の
版材9を版胴11上から自動的に取り除く自動排版装置
8を設置してもよい。印刷機の補助装置として公知であ
るこの装置を有する印刷機として、例えばハマダVS3
4A、B452A(ハマダ印刷機械(株))、トーコー
8000PFA(東京航空計器(株))、リョービ32
00ACD、3200PFA(リョービイマジスク
(株))、AMSIS Multi5150FA(日本
エーエム(株))、オリバー266EPZ(桜井グラフ
ィックシステムズ(株))、シノハラ66IV/IVP(篠
原商事(株))等がある。さらにブランケット洗浄装置
14、圧胴洗浄装置14’を設置してもよい。これらの
装置7、8、14、14’を用いることで印刷操作がよ
り簡便となり、また、印刷時間の短縮が図られることか
ら本発明の効果をより一層高められる。さらに、圧胴1
3の近傍に紙粉発生防止装置(紙粉除去手段)15を設
置してもよく、これにより版材上に紙粉が付着すること
を防止できる。紙粉発生防止装置15としては湿度コン
トロール、エアや静電力による吸引等の方法を使用する
ことができる。
【0025】画像データ演算制御部21は、画像スキャ
ナ、磁気ディスク装置、画像データ伝送装置等からの画
像データを受け、色分解を行うと共に、分解されたデー
タに対して適当な画素数、階調数に分割演算する。さら
に、インクジェット記録装置2が有する記録ヘッドとし
てのインクジェット吐出ヘッド22(図2参照。後に詳
述する。)を用いて油性インク画像を網点化して描くた
めに、網点面積率の演算も行う。
【0026】また、後述するように、画像データ演算制
御部21は、インクジェットヘッド22の移動、油性イ
ンクの吐出タイミングとなる光照射手段からの光照射タ
イミング、静電界形成手段のバイアス電圧を制御すると
共に、必要に応じて版胴11、ブランケット胴12、圧
胴13等の動作タイミングを制御も行う。
【0027】図1、及び一部図2を参照して印刷装置1
による刷版の作成工程を以下に説明する。
【0028】まず、版胴11に自動給版装置7を用いて
版材9を装着する。この時、公知の版頭/尻くわえ装
置、エア吸引装置等による機械的方法、あるいは静電的
な方法等により版材は版胴上に密着固定され、これによ
り版尻がばたついて描画時にインクジェット記録装置2
に接触し破損することを防止できる。また、インクジェ
ット記録装置の描画位置周辺のみで版材を版胴に密着さ
せる手段を配し、少なくとも描画を行う時にはこれを作
用させることによって、版材がインクジェット記録装置
に接触することを防止することもできる。具体的には、
例えば版胴描画位置の上流、及び下流に押さえローラを
配する等の方法がある。また、版を固定する過程で、版
尻がインク供給ローラに接触しないようにする手段を設
けることによって、版面の汚れを防止でき損紙を減らす
ことができる。具体的には押さえローラあるいはガイ
ド、静電吸着等が有効である。
【0029】磁気ディスク装置等からの画像データは、
画像データ演算制御部21に与えられ、画像データ演算
制御部21は、入力画像データに応じて油性インクの吐
出位置、その位置における網点面積率の演算を行う。こ
れらの演算データは一旦バッファに格納される。画像デ
ータ演算制御部21は、版胴11を回転させ、吐出ヘッ
ド22をヘッド離接装置(記録ヘッド離接手段)31に
より版胴11と近接された位置に近づける。吐出ヘッド
22と版胴11上の版材9表面との距離は、付き当てロ
ーラのような機械的距離制御、あるいは光学的距離検出
器からの信号によるヘッド離接装置の制御により、描画
中、所定距離に保たれる。この距離制御により、版材の
浮き等によりドット径が不均一になったり、特に印刷機
に振動が加わった際等にもドット径が変化したりせず、
良好な製版を得ることができる。
【0030】吐出ヘッド22としては、シングルヘッド
型、マルチヘッド型、又はフルラインヘッド型の吐出ヘ
ッドを使用することができ、版胴11の回転により主走
査を行う。複数の吐出部を有するマルチヘッド型、又は
フルラインヘッド型の場合には、吐出部の配列方向は軸
方向に設置する。さらにシングルヘッド型又はマルチヘ
ッド型の場合には、画像データ演算制御部21により版
胴11一回転毎にヘッド22を版胴の軸方向に移動し
て、上記演算により得られた吐出位置及び網点面積率で
油性インクを版胴11に装着した版材9に吐出する。こ
れにより、版材9には、印刷原稿の濃淡に応じた網点画
像が油性インクで描画される。この動作は、版材9上に
印刷原稿一色分の油性インク画像が形成され刷版ができ
あがるまで続く。一方、吐出ヘッド22が版胴の幅と略
同じ長さを有するフルラインヘッドである場合には、版
胴が一回転することによって版材9上に印刷原稿一色分
の油性インク画像が形成され刷版ができあがる。このよ
うに版胴回転により主走査を行うことにより、主走査方
向の位置精度を高め、高速描画を行うことができる。
【0031】次いで吐出ヘッド22を保護するために、
吐出ヘッド22は、版胴11と近接された位置から離れ
るように退避させられる。この時、吐出ヘッド22のみ
に離接してもよいが、吐出ヘッド22とヘッド副走査手
段32を一緒に離接、あるいは吐出ヘッド22とインク
供給部24とヘッド副走査手段32全てを一緒に離接す
ることもできる。また、吐出ヘッド22とインク供給部
24とヘッド副走査手段32と共に、定着装置5、埃除
去装置10にもそれぞれ離接手段を設け、退避可能とす
ることにより、通常印刷にも対応できる。
【0032】この離接手段は、描画時以外は記録ヘッド
を版胴に対し少なくとも500μm以上離すように動作
する。離接動作はスライド式にしてもよいし、ある軸に
固定されたアームでヘッドを固定し、軸まわりにアーム
を動かし振り子状に移動してもよい。このように非描画
時にヘッドを退避させることにより、ヘッドを物理的破
損あるいは汚染から保護し、長寿命化を達成することが
できる。
【0033】また、形成された油性インク画像は、定着
装置5で加熱等により強化される。インクの定着手段と
しては、加熱定着、溶媒定着、フラッシュ露光定着等の
公知の手段が使用できる。加熱定着ではハロゲンランプ
照射、あるいはヒーターを利用した熱風定着、ヒートロ
ール定着が一般的である。この場合には定着性を高める
ために、版胴を加熱しておく、版材を予め加熱してお
く、熱風を当てながら描画を行う、版胴を断熱材でコー
トする、定着時のみ版胴から版材を離して版材のみを加
熱する、等の手段を単独、あるいは組み合わせてとるこ
とが有効である。溶媒定着ではメタノール、酢酸エチル
等のインク中の樹脂成分を溶解しうる溶媒を噴霧し、余
分な溶媒蒸気は回収する。また、キセノンランプ等を使
用してのフラッシュ定着は電子写真トナーの定着法とし
て公知であり、定着を短時間に行えるという利点があ
る。なお、少なくとも吐出ヘッド22による油性インク
画像形成から、定着装置5による定着までの行程では、
湿し水供給装置3、印刷インク供給装置4、及びブラン
ケット胴12は版胴上の版材9には接触しないように保
たれることが望ましい。
【0034】刷版形成後の印刷工程は、公知の平版印刷
方法と同様である。すなわち、この油性インク画像が描
画された版材9に、印刷インク及び湿し水を与え印刷画
像を形成し、この印刷インク画像を版胴11と共に回転
しているブランケット胴12上に転写し、次いでブラン
ケット胴12と圧胴13との間を通過する印刷用紙P上
にブランケット胴12上の印刷インク画像を転移させる
ことで一色分の印刷が行われる。印刷終了後の版材9
は、自動排版装置8により版胴11から取り除かれ、ブ
ランケット胴12上のブランケットはブランケット洗浄
装置14により洗浄され、次の印刷可能な状態となる。
【0035】次に、インクジェット記録装置2について
詳細に説明する。図2に示されるように、本平版印刷装
置に使用される描画部は、インクジェット記録装置2、
インク供給部(インク供給手段)24からなる。インク
供給部24は、さらにインクタンク25、インク供給装
置26、インク濃度制御手段29を有し、インクタンク
25内にはインク攪拌手段27、インク温度管理手段
(インク温度制御手段)28が含まれる。インクはヘッ
ド内を循環させてもよく、この場合、インク供給部は回
収循環機能も有する。インク攪拌手段27はインクの固
形成分の沈殿・凝集を抑制し、インクタンクの清掃の必
要性が低減される。インク攪拌手段としては、回転羽、
超音波振動子、循環ポンプが使用でき、これらの中か
ら、あるいは組み合わせて使用される。インク温度管理
手段28は、周りの温度変化によりインクの物性が変化
し、ドット径が変化したりすることなく高画質な画像が
安定して形成できる様に配置される。インク温度管理手
段としては、インクタンク内にヒーター、ペルチェ素子
等の発熱素子あるいは冷却素子を、該タンク内の温度分
布を一定にするように攪拌手段と共に配し、温度セン
サ、例えばサーモスタット等により制御する等の公知の
方法が使用できる。なお、インクタンク内のインク温度
は15℃以上60℃以下が望ましく、より好ましくは2
0℃以上50℃以下である。また、タンク内の温度分布
を一定に保つ攪拌手段は、前記のインクの固形成分の沈
殿・凝集の抑制を目的とするインク攪拌手段と共用して
もよい。
【0036】また、本印刷装置では、高画質な描画を行
うためインク濃度制御手段29を有している。これによ
りインク中の固形分濃度の低下による版上での滲みの発
生や印刷画像の飛びやカスレ、あるいは固形分濃度の上
昇による版上のドット径の変化等を有効に抑制すること
ができる。インク濃度は光学的検出、電導度測定、粘土
測定等の物性測定、あるいは描画枚数による管理等によ
り行う。物性測定による管理を行う場合には、インクタ
ンク内、又はインク流路内に、光学検出器、電導度測定
器、粘土測定器を単独、あるいはそれらを組み合わせて
設け、その出力信号により制御し、また、描画枚数によ
る管理を行う場合には、製版枚数、及び頻度によりイン
クタンクへ図示されない補給用濃縮インクタンク又は希
釈用インクキャリアタンクからの液供給を制御する。
【0037】画像データ演算制御部21は前述のよう
に、入力画像データの演算、また、ヘッド離接装置3
1、あるいはヘッド副走査手段32によりヘッドの移動
を行う他に、版胴に設置したエンコーダー30からのタ
イミングパルスを取り込み、そのタイミングパルスに従
って、ヘッドの駆動を行う。これにより、副走査方向の
位置精度を高められる。また、インクジェット記録装置
による描画を行う際の版胴の駆動は、印刷時の駆動手段
とは異なる高精度な駆動手段を使用することによっても
副走査方向の位置精度を高められる。その際には、ブラ
ンケット胴、圧胴その他から機械的に切り離して、版胴
のみを駆動させることが望ましい。具体的には、例えば
高精度モータからの出力を高精度ギア、あるいはスチー
ルベルト等により減速して版胴のみを駆動させる方法等
がある。高画質描画を行う際にはこの様な手段を単独、
あるいは複数組み合わせて使用する。
【0038】次に、吐出ヘッドについて図3〜図7を使
用して説明する。但し、本発明の内容は以下に示す形態
に限定されるものではない。
【0039】図3、図4はそれぞれ、インクジェット記
録装置に備えられている吐出ヘッドの例であり、インク
吐出部近傍の断面概略図、前面概略図を示すものであ
る。図中22は吐出ヘッドで、この吐出ヘッド22は漸
減形状をした第1の絶縁性基材33を有している。上記
第1の絶縁性基材33には第2の絶縁性基材34が離間
対向して設けられ、この第2の絶縁性基材34の先端部
には斜面部35が形成されている。上記第1、第2の絶
縁性基材は、例えばプラスチック、ガラス、セラミック
ス等で形成されている。上記第2の絶縁性基材34の斜
面部35と鋭角をなす上面部36には、吐出部に静電界
を形成する静電界形成手段として複数の吐出電極22b
が設けられている。これら複数の吐出電極22bの先端
部は上記上面部36の先端近傍まで延長され、かつ、そ
の先端部は上記第1の絶縁性基材33よりも前方に突き
出され吐出部を形成している。上記第1及び第2の絶縁
性基材33、34間には前記吐出部へのインク23の供
給手段としてインク流入路37が形成され、前記第2の
絶縁性基材34の下部側にはインク回収路38が形成さ
れている。上記吐出電極22bは、第2の絶縁性基材3
4上にアルミニウム、ニッケル、クロム、金、白金等の
導電性材料を真空蒸着、スパッタ、あるいは無電界メッ
キを行い、この上にフォトレジストを塗布し、所定の電
極パターンのマスクを介してフォトレジストを露光し、
現像して吐出電極22bのフォトレジストパターンを形
成した後、これをエッチングして形成する方法、又は機
械的に除去する方法、あるいはそれらを組み合わせた方
法等、公知の方法により形成される。
【0040】吐出電極22bの先端が絶縁性基材33の
先端より突き出す量は2mm以下が好ましい。この突き
出し量が上記範囲にて好ましい理由は、突き出し量が大
きすぎるとインクメニスカスが吐出部先端まで届かず、
吐出しにくくなったり、記録周波数が低下するためであ
る。また、上記第1及び第2の絶縁性基材33、34間
のスペースは0.1〜3mmの範囲が好ましい。このス
ペースが上記範囲にて好ましい理由は、スペースが狭す
ぎるとインクの供給がしにくくなり吐出しにくくなった
り、記録周波数が低下したりするためであり、スペース
が広すぎるとメニスカスが安定せず吐出が不安定になる
ためである。
【0041】上記吐出電極22bは画像データ演算制御
部21に接続され、記録を行う際には図中Lのように吐
出電極上のインク23に光照射を行った状態で、画像デ
ータ演算制御部21の画像データに基づき信号電源から
吐出電圧が吐出電極に印加されることによりインクが吐
出し、吐出部と対向配置された図示されない版材上に描
画が行われる。ここでの光照射は、光照射手段18から
の該インクに吸収される波長を含む光によって行われ
る。光照射手段18としては、電子写真、製版の技術分
野で使用されている露光装置が使用でき、例えばレーザ
ーをポリゴンミラー、ガルバノミラー等の走査デバイス
と組み合わせたもの、LEDアレイ、液晶シャッタアレ
イ、プラズマ発光アレイ、さらにハロゲンランプ、キセ
ノンランプ、蛍光灯等の光源からの光を光学変調素子を
介して光ファイバー束により分岐したものなどが使用で
きる。この光照射手段からの光の波長は使用するインク
の吸収を勘案して選ばれる。なお、インクに光照射を行
った状態で静電界を印加することにより、静電界による
インクの吐出が補助されて、必要とする印加吐出電圧を
低減させることができる。以て、省電力化が図れ、静電
界制御によるインクの吐出レスポンスが向上し、より正
確に高速吐出動作が可能となる。
【0042】上記インク流入路37のインク滴吐出方向
と逆方向は、図示しないインク供給装置の送インク手段
に接続されている。上記第2の絶縁性基材34の吐出電
極形成面の反対面にはバッキング39が離間対向して設
けられ、両者間にはインク回収路38が設けられてい
る。前記インク回収路38のスペースは0.1mm以上
が望ましい。このスペースが上記範囲にて好ましい理由
は、スペースが狭すぎるとインクの回収がしにくくな
り、インク漏れを起こしたりするためである。また、前
記インク回収路38は図示しないインク供給装置のイン
ク回収手段に接続されている。
【0043】吐出部上での均一なインクフローを必要と
する場合には吐出部と前記インク回収路の間に溝40を
設けてもよい。図4は吐出ヘッドのインク吐出部近傍の
前面概略図を示しているが、第2の絶縁性基材34の斜
面には吐出電極22bとの境界近傍からインク回収路3
8に向かって複数の溝40が設けられている。この溝4
0は、上記吐出電極22bの配列方向に複数並んでお
り、毛細管力により吐出電極22b側の開口部からイン
クを各溝40に導き、導かれたインクをインク回収路3
8に排出する機能を有する。また、溝40は、その開口
径に応じた毛細管力により一定量の吐出電極先端近傍の
インクを吸引する。このため、吐出電極先端近傍に一定
の液厚を有するインクフローを形成する機能を有してい
る。溝40の形状は毛細管力が働く範囲であればよい
が、特に望ましくは幅は10〜200μm、深さは10
〜300μmの範囲である。また、溝40はヘッド全面
にわたって均一なインクフローを形成できるように必要
数設けられる。
【0044】吐出電極22bの幅は、高画質の画像形
成、例えば印字を行うためにその先端はできるだけ狭い
ことが好ましい。具体的な数値は、条件等によって異な
るが、通常5〜100μmの先端幅の範囲で用いられ
る。
【0045】また、本発明を実施するのに用いられる吐
出ヘッドの他の例を図5、図6に示す。図5は説明のた
めヘッドの一部分のみを示した概略図である。記録ヘッ
ド22は、図5に示すようにプラスチック、セラミッ
ク、ガラス等の絶縁性材料から作成されたヘッド本体4
1とメニスカス規制板42、42′からなる。図中、2
2bは吐出部に静電界を形成するために電圧印加を行う
吐出電極である。さらにヘッドから規制板42、42′
を取り除いた図6を用いて、ヘッド本体について詳述す
る。
【0046】ヘッド本体41にはヘッド本体のエッジに
垂直に、インクを循環させるためのインク溝43が複数
設けてある。このインク溝43の形状は均一なインクフ
ローを形成できるように毛細管力が働く範囲に設定され
ていればよいが、特に望ましい幅は10〜200μm、
深さは10〜300μmである。インク溝43の内部に
は吐出電極22bが設けられている。この吐出電極22
bは、絶縁性材料からなるヘッド本体40上にアルミニ
ウム、ニッケル、クロム、金、白金等の導電性材料を使
って、上述の装置実施例の場合と同様な公知の方法によ
り、インク溝43内全面に配置してもよいし、一部分の
みに形成してもよい。なお、吐出電極間は電気的に隔離
されている。隣り合う2つのインク溝は1つのセルを形
成し、その中心にある隔壁44の先端部には吐出部4
5、45′を設けている。吐出部45、45′では隔壁
は他の隔壁部分44に比べ薄くなっており、尖鋭化され
ている。このようなヘッド本体は絶縁性材料ブロックの
機械加工、エッチング、あるいはモールディング等の公
知の方法により作成される。吐出部での隔壁の厚さは望
ましくは5〜100μmであり、尖鋭化された先端の曲
率半径は5〜50μmの範囲であることが望ましい。な
お、吐出部は45′の様に先端をわずかに面取りされて
いてもよい。図中には2つのセルのみを示しているが、
セルの間は隔壁46で仕切られ、その先端部47は吐出
部45、45′よりも引っ込むように面取りされてい
る。このヘッドに対し、図示されないインク供給装置の
送インク手段によりI方向からインク溝を通してインク
を流し、吐出部にインクを供給する。さらに図示されな
いインク回収手段により余剰なインクはO方向に回収さ
れ、その結果、吐出部には常時、新鮮なインクが供給さ
れる。
【0047】そして、図中Lのように吐出部付近のイン
クに光照射を行った状態で、吐出部に対向する形で設け
られ、その表面に版材を保持した図示されない対向電極
に対して吐出電極に画像データに応じた信号電圧を印加
することにより、吐出部からインクが吐出され版材上に
画像が形成される。なお光照射手段については前述の装
置の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0048】さらに吐出ヘッドの他の実施例について図
7を用いて説明する。図7に示すように、吐出ヘッド2
2は、略矩形板状の一対の支持部材50、50′を有し
ている。これらの支持部材50、50′は、絶縁性を有
する1〜10mmの厚さの板状のプラスチック、ガラ
ス、セラミック等から形成され、それぞれの一方の面に
は、記録解像度に応じて互いに平行に延びた複数の矩形
の溝51、51′(図示せず)が形成されている。各溝
51、51′は、幅10〜200μm、深さ10〜30
0μmの範囲であることが望ましく、その内部全体ある
いは一部に吐出電極22bが形成されている。このよう
に、支持部材50、50′の一面に複数の溝51、5
1′を形成することにより、各溝51の間には、複数の
矩形の隔壁52が必然的に設けられる。各支持部材5
0、50′は、溝51、51′を形成していない面を対
向させるように組合わされる。つまり、吐出ヘッド22
は、その外周面上にインクを流通させるための複数の溝
を有する。各支持部材50、50′に形成された溝5
1、51′は、吐出ヘッド22の矩形部分54を介して
1対1に対応して連結され、各溝が連結された矩形部分
54は、吐出ヘッド22の上端53より所定距離(50
〜500μm)だけ後退している。つまり、各矩形部分
54の両側には、各支持部材50、50′の各隔壁52
の上端55が矩形部分54より突出するように設けられ
ている。そして、各矩形部分54から、前述したような
絶縁性材料からなるガイド突起56が突出されて設けら
れ吐出部を形成している。
【0049】上記のように構成された吐出ヘッド22に
インクを循環させる場合、一方の支持部材50の外周面
に形成された各溝51を介して各矩形部分54にインク
を供給し、反対側の支持部材50′に形成された各溝5
1′を介して排出する。この場合、円滑なインクの流通
を可能とするため、吐出ヘッド22を所定角度で傾斜さ
せている。つまり、インクの供給側(支持部材50)が
上方に位置し、インクの排出側(支持部材50′)が下
方に位置するように吐出ヘッド22が傾斜されている。
このように、吐出ヘッド22にインクを循環させると、
各矩形部分54を通過するインクが各突起56に沿って
濡れ上がり、矩形部分54、突起56の近くにインクメ
ニスカスが形成される。そして、各矩形部分54にてそ
れぞれ独立したインクメニスカスが形成され、図中Lの
ように吐出部付近のインクが光照射された状態で、吐出
部に対向する形で設けられ、その表面に版材を保持した
図示されない対向電極に対して、吐出電極22bに画像
情報に基づき信号電圧を印加することにより、吐出部か
らインクが吐出され版材上に画像が形成される。なお、
各支持部材50、50′の外周面上に溝を覆うカバーを
設けることにより、各支持部材50、50′の外周面に
沿ったパイプ状のインク流路を形成し、このインク流路
によりインクを強制的に循環させてもよい。この場合、
吐出ヘッド22を傾斜させる必要はない。
【0050】上述の図3〜図7に示すヘッド22は必要
に応じて記録ヘッドクリーニング手段等のメンテナンス
装置を含むこともできる。例えば休止状態が続く様な場
合や、画質に問題が発生した場合には、吐出ヘッド先端
を柔軟性を有するハケ、ブラシ、布等で拭う、インク溶
媒のみを循環させる、インク溶媒のみを供給、あるいは
循環させながら吐出部を吸引する、等の手段を単独、あ
るいは組み合わせて行うことにより、良好な描画状態を
維持できる。また、インクの固着防止にはヘッド部を冷
却し、インク溶媒の蒸発を抑えることも有効である。さ
らに汚れがひどい場合には、吐出部から強制的にインク
吸引するか、インク流路から強制的にエア、インク、又
はインク溶媒のジェットを入れる、あるいはインク溶媒
中にヘッドを浸漬した状態で超音波を印加する、等も有
効であり、これらの方法を単独、あるいは組み合わせて
使用できる。
【0051】次に、本発明の具体例として機上描画複色
片面平版印刷装置について説明する。図8は、機上描画
4色片面平版枚葉印刷装置の全体構成例である。図8に
示されるように、該4色片面平版枚葉印刷装置は基本的
に図1に示した単色片面印刷装置の版胴11、ブランケ
ット胴12、圧胴13を印刷用紙Pの同じ面に印刷が行
われるようにそれぞれ4個ずつ有する構造である。な
お、図示はしていないが、図中Kで示す印刷用紙の隣接
圧胴間での受け渡しには、公知の渡し胴方式等を使用す
る。詳細な説明は省くが図8の例から容易にわかるよう
に、その他の複色片面印刷装置も基本的に単色片面印刷
装置の版胴11、ブランケット胴12、圧胴13を印刷
用紙Pの同じ面に印刷が行われるように複数個ずつ有す
るような構造であり、版胴に1色分の版のみを作成する
場合には印刷する色数分だけ版胴、ブランケット胴を有
する。(このような印刷装置をユニット型印刷装置と称
する。)一方、複数色分の版胴、ブランケット胴に対
し、版胴直径の整数倍の直径を有する一つの圧胴を共有
する共通圧胴型印刷装置で本発明を実施する場合は、印
刷する色数分の版胴、ブランケット胴で一つの圧胴を共
有する構造でもよいし、複数色分の版胴、ブランケット
胴で一つの圧胴を共有する構造を複数個有し、版胴、ブ
ランケット胴の総数が印刷する色数分あるような構造で
もよい。この場合の隣接する共通圧胴間の印刷用紙の受
け渡しは、前記公知の渡し胴方式等を使用できる。
【0052】一方、版胴に複数色の版を作成する場合に
は、印刷する色数を一版胴上の版数で割った値だけ版
胴、ブランケット胴が必要となる。例えば版胴上に2色
分の版材を作成した場合には、版胴、ブランケット胴を
2つずつ有する印刷装置により片面4色印刷が可能とな
る。この場合、圧胴直径は1色分の版胴径と同じとし、
圧胴には必要に応じて必要色分の印刷が終わるまで印刷
用紙を保持しておく手段を設置し、圧胴間での印刷用紙
の受け渡しには、公知の渡し胴方式等を使用する。上述
の2色分の版材を作成した版胴とブランケット胴を2つ
ずつ有する印刷機の場合、一方の圧胴が印刷用紙を保持
して2回転すると2色印刷が行われ、次に圧胴間での印
刷用紙の受け渡しが行われ、次に他方の圧胴が印刷用紙
を保持して2回転するとさらに2色印刷が行われ4色印
刷が完成する。また、圧胴は版胴と同数でもよいが、幾
つかの版胴、ブランケット胴で一つの圧胴を共有しても
よい。
【0053】一方、機上描画複色両面平版枚葉印刷装置
として本発明を実施する場合には、上述したユニット型
印刷装置の少なくとも1つの隣接圧胴間に公知の印刷用
紙反転手段を設ける構造か、上述した共通圧胴型印刷装
置を複数個配置し、少なくとも1つの隣接圧胴間に公知
の印刷用紙反転手段を設ける構造か、図1に示した単色
片面印刷装置の版胴11、ブランケット胴12を印刷用
紙Pの両面に印刷が行われるように複数個有するような
構造とする。図1に示される構造では、版胴に1色分の
版のみを作成する場合、印刷用紙の両面に印刷するのに
必要な色数分だけ版胴、ブランケット胴を有する。一
方、上述のように版胴に複数色の版を作成する場合に
は、版胴、ブランケット胴、圧胴の数は減らすことがで
きる。また、幾つかの版胴、ブランケット胴で一つの圧
胴を共有した場合には、圧胴の数をさらに減らすことが
できる。版胴には必要に応じて必要色分の印刷が終わる
まで印刷用紙を保持しておく手段を設置する。詳細につ
いては上述の機上描画複色片面平版印刷機の例により容
易に理解できるため省略する。
【0054】以上、本発明の機上描画複色平版印刷装置
の実施形態として枚葉印刷装置の例を述べた。一方、機
上描画複色WEB(巻取紙)平版印刷装置として本発明
を実施する場合は、上述のユニット型、共通圧胴型が好
適に使用できる。また、機上描画複色WEB両面印刷装
置として本発明を実施する場合には、ユニット型、共通
圧胴型共に、少なくとも1つの隣接する圧胴間に公知の
WEB反転手段を設ける構造、印刷用紙Pの両面に印刷
が行われるように複数個有するような構造で達成でき
る。また、機上描画複色WEB両面印刷装置として最も
好適なものはBB(ブランケット・トゥ・ブランケッ
ト)型である。これはWEBの一方の面を印刷するため
の1色分の版胴、ブランケット胴(圧胴なし)と他方の
面を印刷する1色分の版胴、ブランケット胴(圧胴な
し)のブランケット胴同士が印刷時に圧接する構造を色
数分有し、印刷時に圧接したブランケット間をWEBが
通過することで多色の両面印刷が達成される。
【0055】また、機上描画平版印刷装置の他の例とし
ては、ブランケット胴1つあたり版胴を2つ有し、一方
で印刷を行っている際、もう一方の版胴で描画を行うこ
ともできる。この場合には描画を行っている版胴の駆動
は機械的にブランケットから独立されることが望まし
い。これにより、印刷機を休止させることなく描画を行
うことが可能になる。なお、容易に理解されるように、
この機上描画平版印刷装置は、機上描画複色片面平版印
刷装置、機上描画複色両面平版印刷装置にも適用するこ
とができる。
【0056】次に、本発明に用いられる版材(印刷原
版)について説明する。印刷原版としては、アルミニウ
ム、クロムメッキを施した鋼板等の金属版が挙げられ
る。特に砂目立て、陽極酸化処理により表面の保水性及
び耐摩耗性が優れるアルミニウム版が好ましい。より安
価な版材として、耐水性を付与した紙、プラスチックフ
ィルム、プラスチックをラミネートした紙等の耐水性支
持体上に画像受理層を設けた版材が使用できる。設けら
れる画像受理層の厚さは5〜30μmの範囲が適当であ
る。
【0057】画像受理層としては、無機顔料と結着剤か
らなる親水性層、あるいは不感脂化処理によって親水化
が可能になる層を用いることができる。
【0058】親水性の画像受理層に用いられる無機顔料
は、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化
アルミニウム、硫酸バリウム等を用いることができる。
また、結着剤としてはポリビニルアルコール、澱粉、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カゼイン、ゼラチン、ポリアクリル酸塩、ポリビニ
ルピロリドン、ポリメチルエーテル−無水マレイン酸共
重合体等の親水性結着剤が使用できる。また、必要に応
じて耐水性を付与するメラミンホルマリン樹脂、尿素ホ
ルマリン樹脂、その他架橋剤を添加してもよい。
【0059】一方、不感脂化処理をして用いる画像受理
層としては、例えば酸化亜鉛と疎水性結着剤を用いる層
が挙げられる。
【0060】本発明に供される酸化亜鉛は、例えば日本
顔料技術協会編「新版顔料便覧」319頁、(株)誠文
堂、(1968年刊)に記載のように、酸化亜鉛、亜鉛
華、湿式亜鉛華あるいは活性亜鉛華として市販されてい
るもののいずれでもよい。即ち、酸化亜鉛は、出発原料
及び製造方法により、乾式法としてフランス法(間接
法)、アメリカ法(直接法)及び湿式法と呼ばれるもの
があり、例えば正同化学(株)、堺化学(株)、白水化
学(株)、本荘ケミカル(株)、東邦亜鉛(株)、三井
金属工業(株)等の各社から市販されているものが挙げ
られる。
【0061】また、結着剤として用いる樹脂として、具
体的には、塩化ビニル一酢酸ビニル共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリレート共重
合体、メタクリレート共重合体、アクリレート共重合
体、酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、アル
キド樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これ
らの樹脂は単独で用いてもよいし2種以上を併用しても
よい。画像受理層における樹脂の含有量は、樹脂/酸化
亜鉛の重量比で示して9/91〜20/80とすること
が好ましい。
【0062】酸化亜鉛の不感脂化は、従来よりこの種の
不感脂化処理液として、フェロシアン塩、フェリシアン
塩を主成分とするシアン化合物含有処理液、アンミンコ
バルト錯体、フィチン酸及びその誘導体、グアニジン誘
導体を主成分としたシアンフリー処理液、亜鉛イオンと
キレートを形成する無機酸又は有機酸を主成分とした処
理液、あるいは水溶性ポリマーを含有した処理液等が知
られている。例えば、シアン化合物含有処理液として、
特公平44−9045号、同46−39403号、特開
昭52−76101号、同57−107889号、同5
4−117201号等に記載のものが挙げられる。
【0063】以下に本発明に用いられる油性インクにつ
いて説明する。本発明に供される油性インクは、電気抵
抗109Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中
に、少なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散
してなるものである。
【0064】本発明に用いる電気抵抗109Ωcm以
上、かつ誘電率3.5以下の非水溶媒として、好ましく
は直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化
水素、または芳香族炭化水素、及びこれらの炭化水素の
ハロゲン置換体、シリコーン液体あるいはシリコーンオ
イルが挙げられる。例えば炭化水素溶媒としては、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イ
ソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカ
ン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパ
ーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、ア
イソパーL(アイソパー;エクソン社の商品名)、シェ
ルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール;シェ
ルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ46
0溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)などがあ
る。
【0065】ハロゲン置換の炭化水素系溶媒としてフロ
オロカーボン系溶媒があり、例えばC716、C818
どのCn2n+2で表されるパーフルオロアルカン類(住
友3M社製「フロリナートPF5080」、フロリナー
トPF5070」(商品名)等)、フルオロカーボン類
(デュポンジャパンリミテッド社製「クライトックスG
PLシリーズ」(商品名)等、フロン類(ダイキン工業
株式会社製「FC−141b」等)、「F(CF2)4
2CH2I」、「F(CF2)6I」等のヨウ化フルオロ
カーボン類(ダイキンファインケミカル研究所製「I−
1420」、「I−1600」(商品名)等)等があ
る。
【0066】シリコーン液体、シリコーンオイルのシリ
コン系溶媒としてジアルキルポリシロキサン(例えば、
ヘキシルメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサ
ン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルトリシ
ロキサン、ヘプタメチルトリシロキサン、デカメチルテ
トラシロキサン、トリフロロプロピルヘプタメチルトリ
シロキサン、ジエチルテトラメチルジシロキサン等)、
環状ジアルキルポリシロキサン(例えば、ヘキサメチル
シクロトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキ
サン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメ
チルシクロテトラシロキサン、テトラ(トリフロロプロ
ピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン等)、メチ
ルフェニルシリコンオイル(例えば、KF56、KF5
8(信越シリコーン(株)社の商品名)等)等が挙げら
れる。これらの溶媒は単独あるいは混合して用いる。
【0067】なお、このような非水溶媒の電気抵抗の上
限値は1016Ωcm程度であり、誘電率の下限値は1.
9程度である。用いる非水溶媒の電気抵抗を上記範囲と
するのは、電気抵抗が低くなると、インクの電気抵抗が
適正にならず、電界によるインクの吐出が悪くなるから
であり、誘電率を上記範囲とするのは、誘電率が高くな
るとインク中で電界が緩和されやすくなり、これにより
インクの吐出が悪くなりやすくなるからである。
【0068】上記の非水溶媒中に、分散される樹脂粒子
としては、35℃以下の温度で固体で非水溶媒との親和
性のよい疎水性の樹脂の粒子であればよいが、更にその
ガラス転移点が−5℃〜110℃もしくは軟化点33℃
〜140℃の樹脂(P)が好ましく、より好ましくはガ
ラス転移点10℃〜100℃もしくは軟化点38℃〜1
20℃であり、さらに好ましくはガラス転移点15℃〜
80℃、もしくは軟化点38℃〜100℃である。
【0069】このようなガラス転移点もしくは軟化点の
樹脂を用いることによって、印刷原版の画像受理層表面
と樹脂粒子との親和性が増し、また、印刷原版上での樹
脂粒子同士の結合が強くなるので、画像部と画像受理層
との密着性が向上し、耐刷性が向上する。これに対し、
ガラス転移点もしくは軟化点が低くなっても高くなって
も画像受理層表面と樹脂粒子の親和性が低下したり、樹
脂粒子同士の結合が弱くなってしまう。
【0070】樹脂(P)の重量平均分子量Mwは、1×
103〜1×106であり、好ましくは5×103〜8×
105、より好ましくは1×104〜5×105である。
【0071】このような樹脂(P)として具体的には、
オレフィン重合体及び共重合体(例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、エチ
レン−メタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル
酸共重合体等)、塩化ビニル重合体及び共重合体(例え
ば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
等)、塩化ビニリデン共重合体、アルカン酸ビニル重合
体及び共重合体、アルカン酸アリル重合体及び共重合
体、スチレン及びその誘導体の重合体ならびに共重合体
(例えばブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−
スチレン共重合体、スチレン−メタクリレート共重合
体、スチレン−アクリレート共重合体等)、アクリロニ
トリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、アルキ
ルビニルエーテル共重合体、アクリル酸エステル重合体
及び共重合体、メタクリル酸エステル重合体及び共重合
体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合体、無水マ
レイン酸共重合体、アクリルアミド共重合体、メタクリ
ルアミド共重合体、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル樹脂、
シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカルボキシル基
変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂、ウレタン樹脂、ロジン系樹脂、水素添加
ロジン樹脂、石油樹脂、水素添加石油樹脂、マレイン酸
樹脂、テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、クマロン
−インデン樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エステル共重
合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、窒素原
子を含有しない複素環を含有する共重合体(複素環とし
て例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオフェ
ン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクトン環、
ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジオキ
セタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0072】本発明の油性インクにおける分散された樹
脂粒子の含有量は、インク全体の0.5〜20wt%と
することが好ましい。含有量が少なくなるとインクと印
刷原版の画像受理層との親和性が得られにくくなって良
好な画像が得られなくなったり、耐刷性が低下したりす
る等の問題が生じやすくなり、一方、含有量が多くなる
と均一な分散液が得られにくくなったり、吐出ヘッドで
のインクの目詰まりが生じやすく、安定なインク吐出が
得られにくい等の問題がある。
【0073】本発明に供される油性インク中には、前記
の分散樹脂粒子とともに、製版後の版を検版する等のた
めに着色成分として色材を含有させることが好ましい。
色材としては、従来から油性インク組成物あるいは静電
写真用液体現像剤に用いられている顔料及び染料であれ
ばどれでも使用可能である。
【0074】顔料としては、無機顔料、有機顔料を問わ
ず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用
することができる。具体的には、例えば、カーボンブラ
ック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイ
エロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化ク
ロム、ビリジアン、コバルトグリーン、ウルトラマリン
ブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔
料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソ
インドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔
料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系
顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等の従来公
知の顔料を特に限定することなく用いることができる。
【0075】染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、
ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、
カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染
料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロ
シアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染
料が好ましい。これらの顔料及び染料は、単独で用いて
もよいし、適宜組み合わせて使用することも可能である
が、インク全体に対して0.01〜5重量%の範囲で含
有されることが望ましい。
【0076】これらの色材は、分散樹脂粒子とは別に色
材自身を分散粒子として非水溶媒中に分散させてもよい
し、分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場
合、顔料等は分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被
覆粒子とする方法等が一般的であり、染料等は分散樹脂
粒子の表面部を着色して着色粒子とする方法等が一般的
である。一方、色材自身を分散粒子として非水溶媒中に
分散させる場合には、色材の記録媒体への定着性を考慮
して、インク全体の0.5〜20%の範囲内の分散樹脂
粒子をさらにインク中に含有させることが好ましい。
【0077】本発明の非水溶媒中に、分散された樹脂粒
子、更には着色粒子等を含めて、これらの粒子の平均粒
径は0.05μm〜5μmが好ましい。より好ましくは
0.1μm〜1.0μmであり、更に好ましくは0.1
μm〜0.5μmの範囲である。この粒径はCAPA−
500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたもの
である。
【0078】本発明に用いられる非水系分散樹脂粒子
は、従来公知の機械的粉砕方法または重合造粒方法によ
って製造することができる。機械的粉砕方法としては、
必要に応じて、樹脂粒子とする材料を混合し、溶融、混
練を経て従来公知の粉砕機で直接粉砕して、微粒子と
し、分散ポリマーを併用して、更に湿式分散機(例えば
ボールミル・ペイントシェーカー、ケデイミル、ダイノ
ミル等)で分散する方法、樹脂粒子成分となる材料と、
分散補助ポリマー(または被覆ポリマー)を予め混練し
て混練物とした後粉砕し、次に分散ポリマーを共存させ
て分散する方法等が挙げられる。具体的には、塗料また
は静電写真用液体現像剤の製造方法を利用することがで
き、これらについては、例えば、植木憲二監訳「塗料の
流動と顔料分散」共立出版(1971年)、「ソロモ
ン、塗料の科学」、「Paint and Surface Coating Theo
ry and Practice」、原崎勇次「コーティング工学」朝
倉書店(1971年)、原崎勇次「コーティングの基礎
科学」槇書店(1977年)等の成書に記載されてい
る。
【0079】また、重合造粒法としては、従来公知の非
水系分散重合方法が挙げられ、具体的には、室井宗一監
修「超微粒子ポリマーの最新技術」第2章、CMC出版
(1991年)、中村孝一編「最近の電子写真現像シス
テムとトナー材料の開発・実用化」第3章、(日本科学
情報(株)1985年刊)、K. E. J. Barrett「Disper
sion Polymerization in Organic Media」 John Wiley
(1975年)等の成書に記載されている。
【0080】通常、分散粒子を非水溶媒中で分散安定化
するために、分散ポリマーを併用する。分散ポリマーは
非水溶媒に可溶性の繰り返し単位を主成分として含有
し、かつ平均分子量が、重量平均分子量Mwで1×10
3 〜1×106 が好ましく、より好ましくは5×103
〜5×105の範囲である。
【0081】本発明に供される分散ポリマーの好ましい
可溶性の繰り返し単位として、下記一般式(1)で示さ
れる重合成分が挙げられる。
【0082】
【化1】
【0083】一般式(I)において、X1は−COO
−、−OCO−または−O−を表す。Rは、炭素数10
〜32のアルキル基またはアルケニル基を表し、好まし
くは炭素数10〜22のアルキル基またはアルケニル基
を表し、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、無置換の
ものが好ましいが、置換基を有していてもよい。具体的
には、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデ
シル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサニ
ル基、ドコサニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリ
デセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リ
ノレニル基等が挙げられる。
【0084】a1 及びa2 は、互いに同じでも異なって
いてもよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜3
のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基等)、−COO−Z1 または−CH2 COO−Z1
〔Z1 は、水素原子または置換されていてもよい炭素数
22以下の炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニ
ル基、アラルキル基、脂環式基、アリール基等)を表
す〕を表す。
【0085】ここでZ1 は、具体的には、水素原子の
他、炭化水素基を表し、好ましい炭化水素基としては、
炭素数1〜22の置換されてもよいアルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプ
チル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキ
サデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基、ドコサ
ニル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2
−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、
2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭
素数4〜18の置換されてもよいアルケニル基(例え
ば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、
2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1
−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル
基、4−メチル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデ
セニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタ
デセニル基、リノレニル基等)、炭素数7〜12の置換
されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェ
ネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル
基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモ
ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メ
トキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベ
ンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式
基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエ
チル基、2−シクロペンチルエチル基等)、及び炭素数
6〜12の置換されてもよい芳香族基(例えば、フェニ
ル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフ
ェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ド
デシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェ
ニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル
基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフ
ェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メ
トキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェ
ニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミド
フェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイル
アミドフェニル基等)が挙げられる。
【0086】分散ポリマーにおいて一般式(I)で示さ
れる繰り返し単位とともに、他の繰り返し単位を共重合
成分として含有してもよい。他の共重合成分としては、
一般式(I)の繰り返し単位に相当する単量体と共重合
可能な単量体よりなるものであればいずれの化合物でも
よい。
【0087】分散ポリマーにおける一般式(I)で示さ
れる重合体成分の存在割合は、好ましくは50重量%以
上であり、より好ましくは60重量%以上である。これ
らの分散ポリマーの具体例としては、実施例で使用され
ている分散安定用樹脂(Q−1)等が挙げられ、また、
市販品(ソルプレン1205、旭化成(株)製)を用い
ることもできる。これらの分散ポリマーは、前記の樹脂
(P)粒子を乳化物(ラテックス)等として製造すると
きには重合に際し予め添加しておくことが好ましい。分
散ポリマーを用いるときの添加量はインク全体に対し
0.05〜4重量%程度とする。
【0088】本発明の油性インク中の分散樹脂粒子及び
着色粒子(あるいは色材粒子)は、好ましくは正荷電ま
たは負荷電の検電性粒子である。これら粒子に検電性を
付与するには、湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用
することで達成可能である。具体的には、前記の「最近
の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」
139〜148頁、電子写真学会編「電子写真技術の基
礎と応用」497〜505頁(コロナ社、1988年
刊)、原崎勇次「電子写真」16(No.2)、44頁
(1977年)等に記載の検電材料及び他の添加剤を用
いることで行なわれる。
【0089】具体的には、例えば、英国特許第8934
29号、同第934038号、同第1122397号、
米国特許第3900412号、同第4606989号、
特開昭60−179751号、同60−185963
号、特開平2−13965号等に記載されている。上述
のような荷電調節剤は、担体液体である分散媒1000
重量部に対して0.001〜1.0重量部が好ましい。
更に所望により各種添加剤を加えてもよく、それら添加
物の総量は、油性インクの電気抵抗によってその上限が
規制される。即ち、分散粒子を除去した状態のインクの
電気抵抗が109 Ωcmより低くなると良質の連続階調
像が得られ難くなるので、各添加物の添加量を、この限
度内でコントロールすることが必要である。
【0090】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではな
い。まず、インク用樹脂粒子(PL)の製造例について
示す。 樹脂粒子(PL−1)の製造例 下記構造の分散安定用樹脂(Q−1)10g、酢酸ビニ
ル100g及びアイソパーH384gの混合溶液を窒素
気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重合開始剤
として2,2′−アゾビス(イソバレロニトリル)(略
称A.I.V.N.)0.8gを加え、3時間反応し
た。開始剤を添加して20分後に白濁を生じ、反応温度
は88℃まで上昇した。更に、この開始剤0.5gを加
え、2時間反応した後、温度を100℃に上げ2時間攪
拌し未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メッ
シュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合率
90%で平均粒径0.23μmの単分散性良好なラテッ
クスであった。粒径はCAPA−500(堀場製作所
(株)製)で測定した。
【0091】
【化2】
【0092】上記白色分散物の一部を、遠心分離機(回
転数1×104 rpm、回転時間60分)にかけて、沈
降した樹脂粒子分を、捕集・乾燥した。樹脂粒子分の重
量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算GPC値)は2
×105 、ガラス転移点(Tg)は38℃であった。
【0093】実施例1 まず、油性インクを作成した。 油性インク(IK−1)の調液 ドデシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合
比;95/5重量比)を10g、ニグロシン10g及び
シェルゾール71の30gをガラスビーズとともにペイ
ントシェーカー(東洋精機(株)製)に入れ、4時間分
散し、ニグロシンの微小な分散物を得た。
【0094】インク用樹脂粒子の製造例で製造した樹脂
粒子(PL−1)60g(固体分量として)、上記ニグ
ロシン分散物を2.5g、FOC−1400(日産化学
(株)製、テトラデシルアルコール)15g、及びオク
タデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体
0.08gをアイソパーGの1リットルに希釈すること
により黒色油性インクを作成した。
【0095】次に、機上描画平版印刷装置(図1〜図2
参照)のインクジェット記録装置に上記のように作成し
た油性インク(IK−1)2リットルをインクタンクに
充填した。ここでは吐出ヘッドとして図3に示す900
dpi、64チャンネルマルチヘッドを使用した。イン
ク温度管理手段として投げ込みヒータと攪拌羽をインク
タンク内に設け、インク温度は30℃に設定し、攪拌羽
を30rpmで回転しながらサーモスタットで温度コン
トロールした。ここで攪拌羽は沈降・凝集防止用の攪拌
手段としても使用した。また、インク流路を一部透明と
し、それを挟んでLED発光素子と光検知素子を配置
し、その出力シグナルによりインクの希釈液(アイソパ
ーG)あるいは濃縮インク(上記IK−1インクの固形
分濃度を2倍に調整したもの)投入による濃度管理を行
った。
【0096】版材として、砂目立て及び陽極酸化処理を
施した0.12mm厚みのアルミニウム版を、版胴に設
けた機械的装置により版尻もくわえて装着した。湿し水
供給装置、印刷インク供給装置、ブランケット胴を版材
に接触しないように離し、エアーポンプ吸引により版材
表面の埃除去を行った後、吐出ヘッドを描画位置まで版
材に近づけ、印刷すべき画像データを画像データ演算制
御部に伝送し、版胴を回転させながら64チャンネル吐
出ヘッドを移動させることにより、アルミニウム版上に
油性インクを吐出して画像を形成した。この際、インク
ジェットヘッドの吐出電極の先端幅は10μmとし、光
学的ギャップ検出装置からの出力に応じて、ヘッドと版
材の距離が常に1mmになるように制御を行った。
【0097】また、吐出の際には、電極間に2〜3kV
の直流バイアス電圧を印加した状態で、100W白色光
源(Cold Light HLS2100R;HOYA社製)の出力光を
吐出電極上のインクを露光するようにした。描画の際に
は600dpiピッチでヘッドを移動しインターレース
描画を行った。そして、画像データに基づき375V、
100μsec幅の吐出パルス電圧を印加することによ
り、吐出部からインク飛翔が起こり、特別な乾燥なしで
対向電極上に配置した版材上に、にじみのない高画質な
フルカラー画像が形成された。このとき記録されたドッ
トは直径40μmで各色画像濃度1.2以上であった。
また、埃による描画不良等は全く見られず、外気温の変
化、製版数の増加によってもドット径変化等による画像
劣化も全く見られず、良好な製版が可能であった。な
お、この範囲のパルス電圧は安価なFETにより十分制
御しうる電圧範囲であり、ドライバの低コスト化が可能
である。
【0098】さらに、キセノンフラッシュ定着装置(ウ
シオ電機(株)製、発光強度200J/パルス)による
加熱により画像を強固にし、刷版を作成した。インクジ
ェットヘッドを保護するためにインクジェット記録装置
を副走査手段ごと版胴と近接した位置から50mm退避
させ、その後、前述のようにして、通常の平版印刷方法
により印刷用紙への印刷を行った。すなわち、印刷イン
ク及び湿し水を与え印刷画像を形成し、この印刷インク
画像を版胴と共に回転しているブランケット胴上に転写
し、次いでブランケット胴と圧胴との間を通過する印刷
用コート紙上にブランケット胴上の印刷インク画像を転
移させた。
【0099】得られた印刷物は通し枚数一万枚後でも印
刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であっ
た。また、製版終了後10分間、ヘッドにアイソパーG
を供給し、ヘッド開口部からアイソパーGを滴らせてク
リーニングした後、アイソパーGの蒸気を充満させたカ
バーにヘッドを格納しておくことにより、3ヶ月の間、
保守作業の必要なしに、良好な印刷物を作製できた。
【0100】比較例1 光照射を行わない他には実施例1と同様に描画を行っ
た。その結果、吐出電圧を900Vに上げないとインク
の吐出は起こらず、版材上に描画されなかった。また吐
出電圧を375Vに固定し、吐出部と版材間のギャップ
を狭めていった場合、ギャップが250μmでインクの
吐出が観測された。しかし描画を行う途中、ギャップに
埃が入り込み画像が乱れ、安定な描画はできなかった。
【0101】実施例2 攪拌手段として循環ポンプを用い、図3、図5及び図7
に示すタイプの600dpiフルラインインクジェット
ヘッドを配置した。ここではポンプを使用し、このポン
プと吐出ヘッドのインク流入路、そして吐出ヘッドのイ
ンク回収路とインクタンクの間にそれぞれインク溜を設
け、それらの静水圧差によりインク循環を行い、インク
温度管理手段としてはヒータと上述のポンプを使用し、
インク温度を35℃に設定し、サーモスタットでコント
ロールした。ここで循環ポンプは沈殿・凝集防止用の攪
拌手段としても使用した。また、インク流路に電導度測
定装置を配置し、その出力シグナルによりインクの希釈
あるいは濃縮インク投入による濃度管理を行った。版材
として、上述のアルミニウム版を、平版印刷装置の版胴
に同様に装着した。ナイロン製回転ブラシにより版材表
面の埃除去を行った後、印刷すべき画像データを画像デ
ータ演算制御部に伝送し、版胴を回転させながらフルラ
インヘッドで描画させることにより、アルミニウム版上
に油性インクを吐出して画像を形成した。その結果、埃
による描画不良等は全く見られず、また、外気温の変
化、製版数の増加によってもドット径変化等による画像
劣化は全く見られず、良好な製版が可能であった。続い
てヒートロール定着(日立金属(株)社製 消費電力
1.2kW)により画像を強固にし、刷版とした。
【0102】製版した版で印刷を行ったところ、通し枚
数一万枚後でも印刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮
明な画像であった。また、製版終了後にヘッドにアイソ
パーGの循環を行うことによりクリーニングした後、ア
イソパーGを含ませた不織布をヘッド先端に接触させク
リーニングを行ったところ、3ヶ月の間、保守作業の必
要なしに、良好な印刷物を作製できた。
【0103】実施例3 機上描画4色片面平版印刷装置(図8参照)のインクジ
ェット記録装置に、吐出ヘッドとして図5に示すフルラ
インヘッドを使用し、テフロン製の付き当てローラによ
るギャップ調整(ギャップ0.8mm)を行った。その
他、インク濃度制御手段として描画枚数によるインクタ
ンクへの濃縮インク補給を行った以外は実施例1と同様
の操作を行い、5000枚の製版を行った。その結果、
埃による描画不良、外気温の変化による影響は全く見ら
れなかった。製版数の増加によって、ドット径に多少の
変化が見られたが、影響はない範囲内だった。また、製
版した版は、前述と同様のフラッシュ定着の他、ハロゲ
ンランプ照射(ウシオ電機(株)製QIR、消費電力
1.5kW)、酢酸エチル噴霧による定着も行った。
【0104】ハロゲンランプ照射の際には版面温度95
℃で20秒間加熱が行われるようにし、酢酸エチル噴霧
の場合には噴霧量が1g/m2程度になるようにした。
結果、通し枚数1万枚後でも印刷画像に飛びやカスレが
なく極めて鮮明なフルカラー印刷物が得られた。特にヒ
ートロール、あるいはハロゲンランプによる定着では版
胴のまわりに断熱材(PETフィルム)を巻いておくこ
とで定着時間を大幅に短くできた。なお、その場合には
導電性ブラシ(槌屋製サンダーロン、抵抗約10-1Ωc
m)接触によりアルミニウム基体の接地を行った。
【0105】実施例4 実施例1のアルミニウム版に替わりに、以下に示す表面
に親水性の画像受理層を設けた紙版材を用いた以外は実
施例1と同じ操作を行った。基体として坪量100g/
2 の上質紙を用い、基体の両面にカオリンと、ポリビ
ニルアルコール、SBRラテックス及びメラミン樹脂の
樹脂成分とを主成分とする耐水性層を設けた紙支持体上
に下記組成で下記のようにして調製した分散液Aを乾燥
後塗布量として6g/m2となるように画像受理層を設
けて紙版材とした。
【0106】 分散液A ゼラチン(和光純薬一級品) 3g コロイダルシリカ(日産化学製;スノーテックスR−503、20%水溶液) 20g シリカゲル(富士シリシア化学製;サイリシア#310) 7g 硬膜剤 0.4g 蒸留水 100g をガラスビーズとともにペイントシェーカーで10分間
分散した。
【0107】インクジェットヘッドの吐出電極は電極密
度150dpi、電極数256、吐出部先端幅は10μ
m、曲率半径10μmとし、吐出電極と対向電極の間隔
は1.0mmとした。この電極間に2kVの直流バイア
ス電圧を印加し、吐出部近傍に配置した10mWのLE
Dアレイ(波長680nm)を全面発光させインクを光
照射した状態で、色分解を行った画像データに応じて3
50Vの電圧を吐出電極に印加した。なお、ここでは吐
出電圧のパルス幅を50〜150μsecの範囲で25
6階調に変化させ、600dpiで1ドット当たり25
6階調で画像描画した。その結果、版材上にパルス幅に
応じて15〜60μmのドット径からなる、にじみのな
い高画質画像が形成された。SEMによる観察ではドッ
ト膜厚は約1.4μmであった。この刷版を用いて得ら
れた印刷物は、通し枚数三千枚後でも飛びやカスレがな
く極めて鮮明な画像であった。
【0108】実施例5 実施例1のアルミニウム版の替わりに、以下に示す表面
に不感脂化処理により親水化が可能になる画像受理層を
設けた版材を用い、刷版作成後に版面不感脂化処理装置
を用いて非画像部を親水化し、描画の際に導電性板バネ
(燐青銅製)接触により版材導電層の接地をとり、版材
に熱風を当てることにより定着を行った以外は実施例1
と同じ操作を行った。
【0109】基体として坪量100g/m2の上質紙を
用い、基体の両面にポリエチレンフィルムを20μmの
厚みにラミネートし耐水性とした紙支持体上に下記組成
で下記のようにして調製した導電層用塗料を片面に塗布
し、乾燥後塗布量として10g/m2となるようにし、
さらにその上に分散液Bを乾燥後塗布量として15g/
2となるように画像受理層を設けて版材とした。
【0110】・導電層用塗料;カーボンブラック(30
%水溶液)5.4部、クレー(50%水溶液)54.6
部、SBRラテックス(固形分50%、Tg25℃)3
6部、メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツレジン
SR−613)4部を混合し、全体の固形分が25%と
なるように水を加えて塗料とした。
【0111】・分散液B;乾式酸化亜鉛100g、下記
構造の結着樹脂(B−1)3g、結着樹脂(B−2)1
7g、安息香酸0.15g及びトルエン155gの混合
物を湿式分散機ホモジナイザー(日本精機(株)製)を
用いて回転数6,000rpmで8分間分散した。
【0112】
【化3】
【0113】得られた印刷物は、通し枚数五千枚でも印
刷画像に飛びやカスレがなく極めて鮮明な画像であっ
た。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、にじみがなく高解像度
を有し、信号電圧が低下させることにより、安定駆動が
可能で、しかも安価であり、ラインヘッド化が容易で高
速なインクジェット方式を用いて、現像処理を不要とし
たデジタル対応の機上描画平版印刷が行える。また、安
価な装置及び簡便な方法で、鮮明で高画質な画像の印刷
物を多数枚印刷可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる機上描画平版印刷装置の一例を
模式的に示す全体構成図である。
【図2】本発明に用いる機上描画平版印刷装置の描画部
の一例を模式的に示す構成図である。
【図3】本発明に用いるインクジェット記録装置に備え
られる吐出ヘッドの一例におけるインク吐出部近傍の断
面概略図である。
【図4】図3のインク吐出部近傍の前面概略図である。
【図5】本発明に用いるインクジェット記録装置に備え
られる他のヘッドの一例の要部を示す概略構成図であ
る。
【図6】図5のヘッドから規制板を取り除いたヘッドの
概略構成図である。
【図7】本発明に用いるインクジェット記録装置に備え
られる他のヘッドの一例の要部を示す概略構成図であ
る。
【図8】本発明に用いる複色機の一例として、機上描画
4色片面平版印刷機を模式的に示す全体構成図である。
【符号の説明】
1 機上描画平版印刷装置 2 インクジェット記録装置 3 湿し水供給装置 4 印刷インク供給装置 5 定着装置 6 版面不感脂化装置 7 版材自動給版装置 8 版材自動排版装置 9 版材(印刷原版) 10 埃除去装置 11 版胴 12 ブランケット胴 13 圧胴 14 ブランケット洗浄装置 14’ 圧胴洗浄装置 15 紙粉発生防止装置 18 光照射手段 21 画像データ演算制御部 22 吐出ヘッド 221 上部ユニット 222 下部ユニット 22a 吐出スリット 22b 吐出電極 23 油性インク 24 インク供給部 25 インクタンク 26 インク供給装置 27 攪拌装置 28 インク温度管理手段 29 インク濃度制御手段 30 エンコーダー 31 ヘッド離接装置 32 ヘッド副走査手段 33 第1の絶縁性基材 34 第2の絶縁性基材 35 第2の絶縁性基材の斜面図 36 第2の絶縁性基材の上面図 37 インク流路 38 インク回収路 39 バッキング 40 溝 41 ヘッド本体 42、42′メニスカス規制版 43 インク溝 44 隔壁 45、45′吐出部 46 隔壁 47 隔壁先端部 50、50′支持部材 51、51′溝 52 隔壁 53 上端部 54 矩形部分 55 隔壁の上端 56 ガイド突起 P 印刷紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 一夫 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 加藤 栄一 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C034 AA12 AA43 2C250 FA03 FB17 FB23 2H084 AA38 AA40 AE04 AE05 AE06 CC18

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷機の版胴に版材を装着し、該版材上
    に画像データの信号に基づき直接画像を形成して刷版を
    作成し、該刷版をその状態で用いてひき続き平版印刷を
    行う機上描画平版印刷方法において、 前記版胴に装着された版材に対向して配置された吐出部
    へ油性インクを供給し、該吐出部の油性インクへ光を照
    射した状態で、前記吐出部に前記画像データの信号に基
    づく静電界を形成することで油性インクを前記吐出部か
    ら飛翔させるインクジェット方式により版刷画像の形成
    を行うことを特徴とする機上描画平版印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記油性インクが、固有電気抵抗値10
    9Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少
    なくとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したも
    のであることを特徴とする請求項1記載の機上描画平版
    印刷方法。
  3. 【請求項3】 前記光照射は、前記油性インクに吸収さ
    れる波長を含む光を照射することを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の機上描画平版印刷方法。
  4. 【請求項4】 印刷機の版胴に装着された版材上に画像
    データの信号に基づき直接画像を形成する直接画像形成
    手段と、該直接画像形成手段によって画像の形成された
    刷版で平版印刷を行う平版印刷手段とを備えた機上描画
    印刷装置において、 前記直接画像形成手段が、前記版胴に装着された版材に
    対向して配置された吐出部と、該吐出部へ油性インクを
    供給するインク供給手段と、前記吐出部に静電界を形成
    する静電界形成手段と、前記油性インクに光を照射する
    光照射手段とを有し、前記光照射手段により前記吐出部
    の油性インクへ光を照射した状態で、前記静電界形成手
    段により前記吐出部へ前記画像データの信号に基づく静
    電界を形成することで、油性インクを前記吐出部から飛
    翔させるインクジェット描画装置であることを特徴とす
    る機上描画平版印刷装置。
  5. 【請求項5】前記油性インクが、固有電気抵抗値109
    Ωcm以上かつ誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少な
    くとも常温で固体かつ疎水性の樹脂粒子を分散したもの
    であることを特徴とする請求項4記載の機上描画平版印
    刷装置。
  6. 【請求項6】 前記光照射手段は、前記油性インクに吸
    収される波長を含む光を照射することを特徴とする請求
    項4又は請求項5記載の機上描画平版印刷装置。
  7. 【請求項7】 前記直接画像形成手段は、前記油性イン
    クの定着装置を備えたことを特徴とする請求項4〜請求
    項6のいずれか1項記載の機上描画平版印刷装置。
  8. 【請求項8】 前記直接画像形成手段は、版材への描画
    前及び/又は描画中に版材表面に存在する埃を除去する
    版材表面埃除去手段を備えたことを特徴とする請求項4
    〜請求項7のいずれか1項記載の機上描画平版印刷装
    置。
  9. 【請求項9】 前記版材への描画時に、前記直接画像形
    成手段が、前記版材の装着された版胴の回転により主走
    査を行うことを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれ
    か1項記載の機上描画平版印刷装置。
  10. 【請求項10】 前記インクジェット描画装置は、シン
    グルヘッド型又はマルチヘッド型の記録ヘッドを備え、
    前記版材への描画時に該記録ヘッドが前記版胴の軸方向
    に移動することにより副走査を行うことを特徴とする請
    求項9記載の機上描画平版印刷装置。
  11. 【請求項11】 前記インクジェット描画装置は、版胴
    の幅と略同じ長さを有するフルラインヘッド型の記録ヘ
    ッドを備えたことを特徴とする請求項9記載の機上描画
    平版印刷装置。
  12. 【請求項12】 前記インクジェット描画装置は、前記
    版材への描画時に前記記録ヘッドを前記版胴へ接近さ
    せ、該版材への描画時以外は該記録ヘッドを該版胴から
    離す記録ヘッド離接手段を備えたことを特徴とする請求
    項4〜請求項11のいずれか1項記載の機上描画平版印
    刷装置。
  13. 【請求項13】 前記直接画像形成手段は、少なくとも
    製版終了後に前記記録ヘッドのクリーニングを行う記録
    ヘッドクリーニング手段を備えたことを特徴とする請求
    項4〜請求項12のいずれか1項記載の機上描画平版印
    刷装置。
  14. 【請求項14】 前記平版印刷手段は、平版印刷時に発
    生する紙粉を除去する紙粉除去手段を備えたことを特徴
    とする請求項4〜請求項13のいずれか1項記載の機上
    描画平版印刷装置。
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