JP2001170900A - アクチュエータおよびマニピュレータ - Google Patents

アクチュエータおよびマニピュレータ

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JP2001170900A
JP2001170900A JP36080799A JP36080799A JP2001170900A JP 2001170900 A JP2001170900 A JP 2001170900A JP 36080799 A JP36080799 A JP 36080799A JP 36080799 A JP36080799 A JP 36080799A JP 2001170900 A JP2001170900 A JP 2001170900A
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JP
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shape memory
actuator
memory alloy
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movable portion
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JP36080799A
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English (en)
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Hideaki Nakanishi
秀明 中西
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータの電気配線を低減することに
よって、組み立て等を簡単にするとともに、動作の際の
負荷を低減すること。 【解決手段】 支持体20の内部に導電性のある材料で
形成された可動部10が収容されて構成されており、駆
動機構として支持体20内部に形状記憶合金部材30
a,30bが設けられている。形状記憶合金部材30
a,30bはそれぞれコイルばね状に形成されており、
それぞれの一端側は個別に設けられた電極端子41a,
41bに接続されており、他端側は可動部10の固定部
11a,11bに接続される。また、可動部10の下端
部には電極端子42が設けられており、電極端子42と
各固定部11a,11bとは可動部10によって導通さ
れる。電極端子42に対して1本のリード線を配線する
ことで、各固定部11a,11bは共通電位に保たれ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、可動部を所定方
向に動作させるアクチュエータおよびそれを利用したマ
ニピュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】細胞微小操作等の技術分野においては顕
微鏡下で細胞レベルでの微小な操作を行うために、従来
より様々なマイクロマニピュレータが使用されていた。
そのようなマイクロマニピュレータにおいては、所定の
操作を行うための動作に必要な駆動機構を微小な構成で
製作することが望まれる。
【0003】従来においては、特開昭61−19981
号公報にも開示されているように、形状記憶合金部材を
用いて駆動機構を構成し、形状記憶合金部材に対して通
電を行うことにより、形状記憶合金部材を加熱し、記憶
処理された形状を復元する際に発生する力を利用して駆
動機構を実現するアクチュエータが知られている。
【0004】このようなアクチュエータでは、形状記憶
合金部材に対して通電を行うための電気配線のみを行え
ばよいため、油圧式駆動機構等を設ける場合に比べて複
雑な構造とする必要がない。したがって、コンパクトな
アクチュエータとして実現することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報のような従来のアクチュエータでは、形状記憶合金部
材の両端側に通電を行うための電気配線を行うことが必
要となり、配線の引き回しを行うための配線スペースが
必要になる。すなわち、形状記憶合金部材に対して通電
を行うためには、一端側と他端側との双方に対して端子
が設けられ、それぞれの端子に対して配線を行うことが
必要であり、複数の形状記憶合金部材が設けられる場合
にはそれぞれに対して2本の電気配線を行わなければな
らないのである。
【0006】このため、各端子について1本ずつの電気
配線を行う場合、使用する形状記憶合金部材の数に比例
して配線数が増加するので、配線の引き回しや組み立て
が困難になるという問題を有する。
【0007】さらに、配線自体が駆動の際の負荷となる
ことも考えられ、その負荷が原因となってアクチュエー
タにおける所定の動作を行うことができないという問題
も生じ得る。
【0008】このような問題は、特にアクチュエータを
微小な構成としたマイクロアクチュエータにおいて顕著
なものとなる。つまり、アクチュエータ自体が微小なも
のとなれば、それに応じて配線の引き回しや組み立てが
困難になるとともに、配線自体の負荷により動作不良が
発生しやすくなるのである。
【0009】そこで、この発明は、上記課題に鑑みてな
されたものであって、電気配線を低減することによっ
て、組み立て等を簡単にするとともに、動作の際の負荷
を低減するアクチュエータおよびそれを利用したマニピ
ュレータを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、可動部を所定方向に動作
させるアクチュエータであって、所定形状に記憶処理さ
れ、一端側が支持体に固定され、他端側が前記可動部に
連結された複数の形状記憶部材と、前記複数の形状記憶
部材のそれぞれの前記一端側に設けられ、前記複数の形
状記憶部材のそれぞれに通電を図るための第1の電極群
と、前記複数の形状記憶部材のそれぞれの前記他端側を
共通の電位に保つための第2の電極とを備え、前記第2
の電極が、前記複数の形状記憶部材のそれぞれの前記他
端側とは異なる位置に設けられ、前記複数の形状記憶部
材のそれぞれの前記他端側と前記第2の電極とが前記可
動部を含む部材によって電気的に導通されるように構成
される。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のアクチュエータにおいて、前記第1の電極群が、前記
複数の形状記憶部材のそれぞれの前記一端側を前記支持
体に固定するための固定作用を有することを特徴として
いる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のアクチュエータにおいて、前記複数の
形状記憶部材がコイルばね形状で記憶処理されており、
通電されることによって、前記可動部に対して回転動作
または摺動動作を与えることを特徴としている。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のアクチュエータにおいて、前記複数の
形状記憶部材が直線形状で記憶処理されており、通電さ
れることによって、前記可動部に対して揺動動作を与え
ることを特徴としている。
【0014】請求項5に記載の発明は、可動部を複数方
向に動作させるアクチュエータであって、前記可動部を
第1の方向に駆動するための第1駆動機構が複数の形状
記憶部材によって構成されており、該複数の形状記憶部
材のそれぞれに通電を行うことによって、前記可動部を
第1の方向に駆動させる第1駆動部と、前記可動部を第
2の方向に駆動するための第2駆動機構が複数の形状記
憶部材によって構成されており、該複数の形状記憶部材
のそれぞれに通電を行うことによって、前記可動部を第
2の方向に駆動させる第2駆動部と、前記第1駆動部と
前記第2駆動部とを連結する連結部材とを備え、前記第
1駆動機構を構成する前記複数の形状記憶部材の所定端
側と、前記第2駆動機構を構成する前記複数の形状記憶
部材の所定端側とを、前記連結部材を介して共通の電位
に保つことを特徴としている。
【0015】請求項6に記載の発明は、エンドエフェク
タによって所定の作業を行うマニピュレータであって、
互いに直交させて順次に連結された複数のリニアアクチ
ュエータによって構成された複数の直進自由度を有する
直進手段と、一端側が前記複数のリニアアクチュエータ
のうちの最終段のリニアアクチュエータに結合されると
ともに他端側が前記エンドエフェクタの基部側に結合さ
れた請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のアクチ
ュエータとを備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ説明する。
【0017】<1.第1の実施の形態>まず、この発明
の第1の実施の形態について説明する。図1は、この発
明の第1の実施の形態であるアクチュエータ100を示
す断面図である。
【0018】図1に示すようにアクチュエータ100
は、主として可動部10と支持体20と2つの形状記憶
合金部材30a,30bとを備えている。
【0019】可動部10は、棒状の軸部の中央付近に形
状記憶合金部材30a,30bのそれぞれの一端側を固
定するための固定部11a,11bを備えて構成され
る。可動部10は導電性のある材料を含んで形成され、
固定部11a,11bにおいては可動部10と形状記憶
合金部材30a,30bとの導通が実現されている。ま
た、可動部10の一端側(図1においては下端側)には
電極端子42(第2の電極)が設けられており、電極端
子42と各固定部11a,11bとの間は、導通性のあ
る材料によって導通が図られている。
【0020】支持体20は円筒形状であって、内部空間
が閉塞された構造体であり、円筒形状の上面側および底
面側の中心位置には、軸受21a,21bが設けられて
いる。そして、その軸受21a,21bに対して可動部
10が挿通されており、可動部10と支持体20との中
心軸が一致するように構成されている。軸受21a,2
1bは支持体20に対して固定されている一方、軸受2
1a,21bと可動部10との間は低摩擦であり、可動
部10が軸受21a,21bに対して摺動または回動可
能となっている。また、軸受21a,21bは絶縁材料
で形成されており、可動部10と支持体20とは電気的
に絶縁されている。例えば、軸受21a,21bは、P
TFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の低摩擦の絶
縁体を用いればよい。
【0021】形状記憶合金部材30a,30bは、Ni
−Ti合金等の形状記憶合金材料で形成された線状部材
に対して熱処理によりコイルばね形状に記憶処理されて
いる。そして、形状記憶合金部材30a,30bは、そ
れぞれ支持体20の内部空間に収容されており、可動部
10と同軸に設置されている。形状記憶合金部材30
a,30bのそれぞれの一端側は支持体20に設けられ
たばね保持部22a,22bにて保持され、他端側は可
動部10の固定部11a,11bにて固定される。ばね
保持部22a,22bは、支持体20と各形状記憶合金
部材30a,30bの一端とを回転中心軸(円筒形状の
中心軸)まわりに回転しないように所定位置にて保持す
るとともに、絶縁材料で形成されて支持体20と形状記
憶合金部材30a,30bとを電気的に絶縁し、導通し
ないように構成される。
【0022】また、形状記憶合金部材30a,30bの
一端側は、ばね保持部22a,22bによって保持され
るとともに、その端部がばね保持部22a,22bから
一定量だけ突出するように取り付けられる。そして、そ
の突出した部分には、形状記憶合金部材30a,30b
に通電を行うための電極端子41a,41b(第1の電
極群)がそれぞれ配置される。
【0023】また、コイルばね状の形状記憶合金部材3
0a,30bのうちの少なくとも一方が記憶処理された
状態からばねを巻き絞めるような初期歪みを与えられて
可動部10および支持体20に取り付けられる。可動部
10は支持体20に対して摺動または回動自在に構成さ
れているため、少なくとも一方に対してばねを巻き締め
るような初期歪みを与えれば、その巻き締めによる作用
によって可動部10が回動し、他方の形状記憶合金部材
に対しても初期歪みが与えられることになる。したがっ
て、形状記憶合金部材30a,30bのうちの少なくと
も一方に対して初期歪みを与えれば、他方にも初期歪み
が与えられることになるのである。
【0024】そして、上記構成の外部側には電源部81
a,81bが設けられており、電源部81a,81bの
それぞれは互いに独立して電圧制御を行うことが可能な
ように構成される。
【0025】電源部81aの正電極側にはリード線71
aが接続され、そのリード線71aの他端側は電極端子
41aに接続される。したがって、電源部81aの正電
極側は、リード線71aを介して形状記憶合金部材30
aの一端側と電極端子41aにて電気的に接続されてい
る。同様に、電源部81bの正電極側はリード線71b
を介して形状記憶合金部材30bの一端側と電極端子4
1bにて電気的に接続されている。
【0026】一方、電源部81a,81bの負電極側は
双方とも接地されるとともに、形状記憶合金部材30
a,30bに通電を行った際に一定の電圧降下を生じさ
せるための抵抗器9が接続される。そして、電源部81
a,81bの負電極側はその抵抗器9および1本のリー
ド線71cを介して可動部10に設けられた電極端子4
2に接続されている。したがって、電源部81a,81
bの負電極側は、リード線71cを介して可動部10の
一部に電極端子42にて電気的に接続されている。
【0027】ここで、各電極端子41a,41b,42
と各リード線71a,71b,71cとは、圧着接続等
のような摩擦力の作用によって互いに固定される。なぜ
なら、はんだ付けによって各リード線71a〜71cを
各電極端子41a,41b,42に固定しようとする
と、はんだ付けの際に形状記憶合金部材30a,30b
が加熱されることとなり、記憶した形状を喪失すること
になるからである。したがって、各電極端子と各リード
線とを固定する際にははんだ付け等の加熱を伴う接着方
法ではなく、圧着接続等の摩擦力の作用による接着方法
を採用することが好ましいのである。
【0028】以上のように構成されたアクチュエータ1
00において、電源部81a,81bをそれぞれに独立
に駆動制御して、電極端子41aと電極端子42との
間、または、電極端子41bと電極端子42との間の電
位差を調整することで、形状記憶合金部材30a,30
bのいずれか一方を通電加熱する。
【0029】一例として、形状記憶合金部材30aに対
して通電加熱を行い、形状記憶合金部材30bに対して
通電加熱を行わない場合について説明する。この場合、
形状記憶合金部材30aは電源部81aによって通電さ
れ、それによって加熱されていく。そして、形状記憶合
金部材30aが変態温度以上に加熱されると、初期歪み
の与えられた状態(つまり、記憶形状から巻き絞められ
た状態)から記憶形状(記憶処理によって記憶した形
状)に回復しようとする力が発生する。一般に、形状記
憶合金部材の変態温度以上での形状回復時に発生する力
は、変態温度以下での塑性変形に要する力よりも大き
い。このため、通電加熱によってコイルばね状の形状記
憶合金部材30aが巻き絞められた状態から元の記憶形
状に戻ろうとして巻き戻され、他方の通電されていない
形状記憶合金部材30bはさらに巻き絞められることに
なる。この結果、可動部10は、形状記憶合金部材30
aが巻き戻ろうとする方向に回転動作を行うこととな
り、支持体20の中心に位置する可動部10の棒状部分
が回動することになる。
【0030】次に、上記と逆の場合について説明する。
例えば、電源部81aによる通電を停止し、電源部81
bの通電を開始すると、上記と逆の挙動を示し、コイル
ばね状の形状記憶合金部材30bが巻き戻る方向に力を
発生させるので、形状記憶合金部材30aが巻き絞めら
れ、可動部10が上記と逆方向に回転動作を行う。
【0031】そして、電源部81a,81bのうちのい
ずれか一方の通電状態を停止させると、各形状記憶合金
部材30a,30bは力の釣り合いのとれる位置に戻
り、双方に一定の初期歪みが与えられた状態で静止す
る。
【0032】上記のように電源部81a,81bのうち
のいずれか一方を通電すれば、可動部10を中心軸まわ
りに回転させることができる。そして、電源部81a,
81bにおける発生電圧を制御すれば、各形状記憶合金
部材30a,30bに対する通電量を制御することがで
き、それによって各形状記憶合金部材30a,30bに
て発生する熱量を制御することが可能になる。このた
め、電源部81a,81bを個別に制御することで、可
動部10の回転量を調整することも可能になるのであ
る。
【0033】ただし、上記のように可動部10を動作さ
せる過程のいずれの状態においても、各形状記憶合金部
材30a,30bの両端部以外の部位が他の構造体また
は自らの他の部位と接触しないように構成することが望
ましい。なぜなら、アクチュエータ100は、形状記憶
合金部材30a,30bが直接的な通電によって加熱さ
れることで駆動機構として機能するように実現されてい
るため、通電中に形状記憶合金部材30a,30bの端
部(電極端子41a,41bおよび固定部11a,11
b)以外の部分が他の構造体(可動部10の軸部や支持
体20の内壁等)に接触したり、形状記憶合金部材30
a,30b自体が接触して短絡するようなことになる
と、それによって通電状態や熱分布が変化し、可動部1
0の回転量制御を正常に行うことができなくなるからで
ある。したがって、動作過程において上記のような接触
を避けることができない場合には、他の構造体または形
状記憶合金部材30a,30bの相互に接触する部位に
対し、絶縁膜を塗布したり、絶縁材料を用いる等の絶縁
処理を施しておくことが好ましい。
【0034】以上説明したように、この実施の形態のア
クチュエータ100では、各形状記憶合金部材30a,
30bの一端側に電極端子41a,41bを設け、他端
側は可動部10の固定部11a,11bに固定されると
ともに、可動部10において固定部11a,11bとは
異なる位置に設けられた電極端子42と、各固定部11
a,11bとの間を導電性材料によって形成された可動
部10が導通させるように構成されている。このため、
各形状記憶合金部材30a,30bに対して個別に通電
を行うために必要な配線は、電極端子41aに接続する
ためのリード線71aと、電極端子41bに接続するた
めのリード線71bと、可動部10に設けられた電極端
子42に接続するためのリード線71cとの3本のリー
ド線を配線すればよい。
【0035】したがって、固定部11a,11bに対し
て直接的かつ個別にリード線を接続する場合に比べて、
この実施の形態のアクチュエータ100ではリード線の
配線数を低減することができるとともに、リード線の引
き回し等のために必要な配線スペースを小さくすること
が可能になる。また、配線数が低減されることから、ア
クチュエータ100の組み立て等が簡単になるととも
に、リード線が動作の際の負荷となることを低減するこ
ともできる。特に、この実施の形態のアクチュエータ1
00では、形状記憶合金部材30a,30bに対して通
電を行うための共通の電極端子42が可動部10の回転
中心となる軸部に設けられているので、電極端子42に
接続されるリード線71cが回転動作の際の負荷となる
ことも最小限に抑えられる。
【0036】また、上記構成例では、可動部10の軸部
に直接的に電極端子42を取り付けているため、可動部
10の回転動作に伴ってリード線71cにねじれが生
じ、そのねじれが回転動作の際の若干の負荷となること
が予想され、特に、アクチュエータ100を微小構成の
マイクロアクチュエータとして実現する場合には、その
ような負荷が問題となることも想定される。
【0037】したがって、そのような場合には、電極端
子42を可動部10の軸部に対して固定するのではな
く、滑り接触するように配置して回転動作の際にリード
線71cがねじれを生じないように構成すればよい。
【0038】図2は、リード線71cにねじれを生じな
い電極端子42の一例を示す図である。図2に示すよう
に、電極端子42は、導電性材料で形成された板ばね状
部材42aと、リード線71cと板ばね状部材42aと
を保持して互いに電気的に接続するための端子部42b
とを備えて構成される。板ばね状部材42aは、一定の
押圧によって可動部10の軸部に対して接触するように
構成されており、可動部10が回転動作する過程におい
て、可動部10と板ばね状部材42aとは常に接触状態
となる。
【0039】一方、端子部42bは固定されており、そ
の端子部42bに固定されたリード線71cは可動部1
0の回転動作による影響を受けず、リード線71cにね
じれ等が生じることはない。
【0040】したがって、図2に示すように電極端子4
2を可動部10と滑り接触するように構成すれば、アク
チュエータ100を微小構成で実現してもリード線71
cが回転動作の際の負荷となることを解消することがで
き、より正確な回転制御を行うことが可能になる。
【0041】なお、この実施の形態では、コイルばね状
の形状記憶合金部材30a,30bを記憶形状からさら
に巻き絞めた状態で初期歪みを与えることにより、アク
チュエータ100を構成する場合について説明したが、
これに限定されるものではなく記憶形状から巻き戻した
状態で初期歪みを与えても可動部10を回転動作させる
アクチュエータとして実現することができる。この場合
には、形状記憶合金部材30a(または30b)に通電
加熱を行うと、形状記憶合金部材30a(または30
b)は巻き絞める方向に力を発生させるため、可動部1
0は上述した動作説明とは逆方向に回転することにな
る。
【0042】また、形状記憶合金部材30a,30bに
対し、初期歪みをコイルばねの巻き絞める方向または巻
き戻す方向に与えれば、アクチュエータ100が可動部
10を回転動作させる回転アクチュエータとして実現さ
れるが、コイルばね形状に与える初期歪みを他の形態に
すれば、上記と同様の構成で他の動作を実現することが
できる。
【0043】例えば、図1に示すコイルばね状の形状記
憶合金部材30a,30bに対し、記憶処理された状態
からばねを伸縮させるように初期歪みを与えれば、アク
チュエータ100の可動部10を軸方向に摺動(直動)
させる摺動アクチュエータとして実現することができ
る。この場合、初期歪みがコイルばねを収縮させる方向
に与えられている場合には、通電を行うことによって形
状記憶合金部材30a,30bの一方が元の形状に伸長
しようとするので、他方はさらに収縮し、その結果、可
動部10が軸方向(長手方向)に沿って移動する。逆
に、初期歪みがコイルばねを伸長させる方向に与えられ
ている場合には、通電を行うことによって形状記憶合金
部材30a,30bの一方が元の形状に収縮しようとす
るので、他方はさらに伸長し、その結果、可動部10が
軸方向(長手方向)に沿って移動する。したがって、形
状記憶合金部材30a,30bによるコイルばね形状を
圧縮ばね若しくは引張ばねとし、伸縮させるような初期
歪みを与えることによって可動部10を支持体20に対
して摺動させるようなアクチュエータ100を実現する
ことができるのである。
【0044】さらに、この実施の形態においては、可動
部10は導電性材料を含んで構成されることについて説
明したが、この理由は上記説明より明らかなように固定
部11a,11bと電極端子42とを導通させるためで
ある。したがって、その間の導通が図られていれば、他
の部位については絶縁材料で構成されてもよい。
【0045】<2.第2の実施の形態>次に、この発明
の第2の実施の形態について説明する。図3は、この発
明の第2の実施の形態であるアクチュエータ200を示
す斜視図である。
【0046】このアクチュエータ200は、主として可
動部15と支持体25と4つの形状記憶合金部材35
a,35b,35c,35dとを備えている。
【0047】可動部15は、導電性のある材料で形成さ
れた円盤状の形状であり、その中心から等距離の位置に
等角度間隔で形状記憶合金部材35a〜35dのそれぞ
れの一端側を固定するための固定部16a,16b,1
6c,16dを備えて構成される。また、可動部15の
裏面(下面)側中心位置には支持体25に含まれる軸部
25cの先端部を受ける円錐形状の凹部が形成されてい
る。
【0048】支持体25は、円筒状の外郭部25a、底
部25b、および軸部25cを備えて構成される。
【0049】外郭部25aは円筒形状に形成されてお
り、上面側には形状記憶合金部材35a〜35dを挿通
するための孔が設けられており、その中心部より軸部2
5cが突出するように構成されている。
【0050】また、底部25bは絶縁材料で形成され、
外郭部25aの下部に固定される。底部25bの中心部
には、垂直に軸部25cの一端(下端)側が固定されて
いる。軸部25cは導電性のある材料で形成され、下端
側と上端側とを電気的に導通させることができる。ま
た、軸部25cの他端(上端)側は円錐形状となってお
り、可動部15はその上端(先端)を支点として揺動可
能なように設置される。なお、可動部15の裏面側に形
成された円錐形状の凹部の頂角は、可動部15が軸部2
5cの先端に対して所定の最大角度分傾くことが可能な
ように、軸部25cの先端部の頂角よりも大きく設定さ
れる(図4参照)。
【0051】形状記憶合金部材35a〜35dは、Ni
−Ti合金等の形状記憶合金線で構成されており、熱処
理によって直線形状に記憶処理されている。形状記憶合
金部材35a〜35dは、それぞれ底部25bと可動部
15との間に、軸部25cを囲むように、かつ、軸部2
5cに略平行に張設される。形状記憶合金部材35aと
35c、および、形状記憶合金部材35bと35dは、
それぞれ軸部25cをはさんで等距離に配置され、か
つ、軸部25cの中心と一直線上に配置される。また、
各形状記憶合金部材35a〜35dは、可動部15の揺
動角に拘わらずに常に引張力を受けるように取り付けら
れている。つまり、この引張力により記憶処理された形
状よりも伸長させた状態で初期歪みを与えておくのであ
る。
【0052】形状記憶合金部材35a〜35dは変態温
度以下で弾性域を超えて引張られると変形するが、変態
温度以上に加熱することで母相に逆変態し、元の記憶処
理された形状(長さ)に戻る、という性質を有する。先
述の通り、形状記憶合金は変態温度以上での形状回復時
に発生する力の方が変態温度以下での塑性変形に要する
力より大きいため、形状記憶合金部材35a〜35dの
うちの1本または複数本を選択的に加熱することで力の
釣り合いが変わり、可動部15を所定方向に傾けること
ができるのである。そして、この可動部15の上面側に
外部に対して仕事をするためのエンドエフェクタ等を取
り付ければ、外部に対して仕事をするも可能になるので
ある。
【0053】図4は、アクチュエータ200の断面図で
ある。なお、図4では形状記憶合金部材35a〜35d
のうちの35bと35d、およびこれらに付随する構成
については見えない部分であるため図示していない。
【0054】図4に示すように、可動部15において形
状記憶合金部材35a〜35dを固定するための固定部
16a〜16d(16b,16dは図示省略)は、凹部
状に形成されており、その内側に圧着端子44a〜44
d(44b,44dは図示省略)が設けられる。この圧
着端子44a〜44dが、各形状記憶合金部材35a〜
35dの一端側を摩擦力で可動部15に固定するととも
に、各形状記憶合金部材35a〜35dと可動部15と
の電気的な導通を図っている。すなわち、可動部15
は、圧着端子44a〜44dを介して各形状記憶合金部
材35a〜35dと電気的に接続されるのである。
【0055】また、軸部25cも導電性材料で形成され
るため、可動部15と軸部25cとの接触部において電
気的な接続が行われることとなり、軸部25cの下端部
と可動部15に設けられた各圧着端子44a〜44dと
の導通が実現される。
【0056】しかしながら、可動部15と軸部25cと
の電気的な接続は、円錐形状の頂点である1点のみで行
われることから、可動部15と軸部25cとの導通が十
分でない場合もある。そのような場合には、可動部15
と軸部25cとを適当な部位でリード線等で結ぶように
するか、または、一方に接触子を設け、他方の対応する
箇所に滑り接触するようにすればよい。あるいは、アク
チュエータ200が微小な構成で実現される場合には、
表面張力を利用してもよい。
【0057】図5は、可動部15と軸部25cとを十分
に導通させるための構成例を示す図である。
【0058】まず、図5(a)に示す構成例では、可動
部15の下面側と軸部25cの側面側とに対してリード
線27aを接続するための接続部27bが設けられ、そ
の接続部27bに対してリード線27aを取り付けるこ
とで、可動部15と軸部25cとの導通が図られてい
る。このとき、リード線27aは可動部15の揺動動作
の際に負荷とならないように一定量撓ませた状態で取り
付けることが望ましい。
【0059】次に、図5(b)に示す構成例では、可動
部15の下面側に板ばね状部材28aが取り付けられ、
この板ばね状部材28aが一定の押圧で軸部25cに接
触するように構成される。したがって、板ばね状部材2
8aが接触子となり、軸部25cに滑り接触するように
構成されるので、可動部15が揺動動作する際の負荷を
大きくすることなく可動部15と軸部25cとの導通を
図ることが可能になる。
【0060】さらに、図5(c)に示す構成例では、可
動部15の下面側に設けられた円錐形状の凹部と軸部2
5cの円錐形状との隙間部分にペースト状で不揮発性の
導電性物質29が充填され、それによって可動部15と
軸部25cとの接触面積(導通面積)を大きくすること
ができ、十分な導通を図ることが可能になる。なお、こ
の構成例が適用可能な場合は、アクチュエータ200が
微小なマイクロアクチュエータとして実現される場合で
あり、その場合にはペースト状の導電性物質29に表面
張力が作用し、可動部15と軸部25cとの隙間部分か
ら導電性物質29の流出を防ぐことができる。
【0061】図4に戻り、軸部25cの下端部は底部2
5bの中心位置に設けられた孔に嵌着されており、その
下端面には、電極端子46(第2の電極)が取り付けら
れている。そして、その電極端子46にはリード線72
eが接続される。一方、軸部25cの上端付近において
は、軸部25cと外郭部25aとの間に絶縁部材26が
設けられており、軸部25cと外郭部25aとが導通さ
れることを防止している。ただし、外郭部25a自体が
絶縁材料で形成されている場合には、軸部25cと外郭
部25aとの間に絶縁部材26を介在させる必要はな
い。
【0062】また、形状記憶合金部材35a〜35dの
他端側は、底部25bに設けられた貫通孔に挿通されて
おり、底部25bの下面側にて電極端子45a〜45d
(45b,45dは図示省略)(第1の電極群)が取り
付けられる。電極端子45a〜45dは、各形状記憶合
金部材35a〜35dに対して通電を行うためのリード
線72a〜72d(72b,72dは図示省略)を接続
するための端子であるとともに、形状記憶合金部材35
a〜35dの他端側を支持体25の底部25bに固定す
るための作用を有する端子である。
【0063】なお、底部25bは全体が絶縁材料で形成
されているため、軸部25cと各形状記憶合金部材35
a〜35dとが底部25bを介して電気的に接触しない
ようになっている。ただし、底部25bは、軸部25c
に接する部位と各形状記憶合金部材35a〜35dに接
する部位のみを絶縁材料で構成するようにしてもよい。
【0064】そして、この実施の形態では、各形状記憶
合金部材35a〜35dに対して個別に通電状態を制御
するために、4つの電源部82a〜82d(82b,8
2dは図示省略)が設けられている。各電源部82a〜
82dの正電極側は、それぞれリード線72a〜72d
を介して各形状記憶合金部材35a〜35dに設けられ
た電極端子45a〜45dに接続され、負電極側は全て
接地されるとともに、抵抗器9を介して電極端子46に
接続されている。
【0065】なお、電極端子45a〜45dは各形状記
憶合金部材35a〜35dと各リード線72a〜72d
とを圧着接続等の摩擦力によって固定する。
【0066】上記の構成において、電源部82a〜82
dにより、電極端子45a〜45dと圧着端子46との
間の電位差を個別に制御することで、形状記憶合金部材
35a〜35dは通電加熱される。上述の通り、形状記
憶合金部材35a〜35dのうちの1本または複数本を
選択的に通電加熱することで、通電加熱された形状記憶
合金部材が収縮する方向に力を発生させるため、可動部
15における力の釣り合い状態が変わり、可動部15を
任意の方向に傾斜させることができる。そして、各電源
部82a〜82dにおいて発生させる電位差を制御する
ことで、可動部15の傾斜角と方向を制御することも可
能である。
【0067】ただし、この実施の形態でも、第1の実施
の形態と同様に、可動部15を動作させる過程のいずれ
の状態においても、形状記憶合金部材35a〜35dの
両端部以外の部位が他の構造体と接触しないように構成
することが望ましい。したがって、可動部15を動作さ
せる際に接触が避けられない場合には、他の構造体ある
いは形状記憶合金部材35a〜35d自体の接触箇所に
対して絶縁処理を施しておくことがより好ましい。
【0068】以上説明したように、この実施の形態のア
クチュエータ200では、各形状記憶合金部材35a〜
35dの一端側に電極端子45a〜45dを設け、他端
側は可動部15の固定部16a〜16dに固定されると
ともに、可動部15と軸部25cとの導通が図られてい
る。そして、軸部25cの下端面に取り付けられた電極
端子46と形状記憶合金部材35a〜35dの各電極端
子45a〜45dとの間を個別に通電することができる
構成となっている。このため、各形状記憶合金部材30
a,30bに対して個別に通電を行うために必要な配線
は、電極端子45a〜45dに接続するためのリード線
72a〜72dと、電極端子46に接続するためのリー
ド線72eとの5本のリード線を配線すればよい。
【0069】したがって、各圧着端子44a〜44dに
対して直接的かつ個別にリード線を接続する場合に比べ
て、この実施の形態のアクチュエータ200ではリード
線の配線数を低減することができるとともに、リード線
の引き回し等のために必要な配線スペースを小さくする
ことが可能になる。すなわち、各圧着端子44a〜44
dに対して直接的かつ個別にリード線を接続する場合
は、電源部82a〜82dの数の2倍の数の配線が必要
であるため、8本のリード線を必要とするのであるが、
この実施の形態のアクチュエータ200では、リード線
の本数を電源部の数に1本を加えた数(つまり、5本の
リード線)に低減することができるのである。
【0070】また、配線数が低減されることから、アク
チュエータ200の組み立て等が簡単になるとともに、
リード線が動作の際の負荷となることを低減することも
できる。特に、この実施の形態のアクチュエータ200
では、形状記憶合金部材35a〜35dに対して通電を
行うための共通の電極端子46が可動部15とは異なる
部材である軸部25cに設けられているので、可動部1
5が如何なる方向に揺動したとしてもリード線が動作の
負荷となることはない。さらに、全てのリード線72a
〜72eを底部25bの底面側に集中配置することがで
き、任意の機器への組み込みが容易となる。
【0071】なお、この実施の形態では、線状の形状記
憶合金部材を4本設けた構成例について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、可動部15を揺動させる
方向等に応じて2本以上であれば何本であってもよい。
また、一部の形状記憶合金部材の代わりにバイアスばね
を用いて、軸部25cを挟んだ対称な位置となる一方側
を形状記憶合金部材、他方側をバイアスばねという構成
にしても得られる効果は同様である。
【0072】また、上記の構成では形状記憶合金部材3
5a〜35dを直線形状に記憶処理した形状記憶合金線
としているが、これに限定されるものでなく、必要な発
生力や伸縮率に応じて、ばね形状に記憶処理してもよい
ことは勿論である。
【0073】また、軸部25cと可動部15との接続部
に関しても、円錐形状に代えて球状としてもよい。図6
は、このような形態の軸部25cと可動部15との接続
部を示す図である。図6に示すように可動部15に球状
の凹部を設け、軸部25cの先端部を球状にすること
で、可動部15と軸部25cとの接触面積を大きくする
ことができ、可動部15と軸部25cとの導通を十分な
ものとすることができる。
【0074】また、上記のアクチュエータ200は、可
動部15を任意の方向に揺動させるための構成であった
が、可動部15が揺動可能に支持されていれば他の構成
を採用してもよい。図7は、その一例であるアクチュエ
ータ200aを示す図である。図7に示すアクチュエー
タ200aの構成例では、可動部15aは支持柱24a
と揺動軸24bと底部24cとを備える支持体24に支
持されており、可動部15aが揺動軸24bを中心に揺
動可能となっている。可動部15aは導電性のある材料
で形成され、揺動軸24bを挟んで対称な位置に形状記
憶合金部材35e,35fが張設されている。また、支
持柱24aおよび揺動軸24bも導電性のある材料で形
成され、これによって形状記憶合金部材35e,35f
と支持柱24aとは電気的に接続された状態となってい
る。
【0075】そして、底部24cの底面側より、3本の
リード線73a,73b,73cが配線されるように構
成される。リード線73aは電源部82eの正電極側と
形状記憶合金部材35eとに接続され、リード線73b
は電源部82fの正電極側と形状記憶合金部材35fと
に接続され、リード線73cは支持柱24aの底部と抵
抗器9とに接続される。電源部82e,82fの負電極
側は接地されるとともに、双方ともに抵抗器9を介して
リード線73cに接続される。
【0076】図7に示すような構成を採用することによ
っても、各形状記憶合金部材35e,35fに対して個
別に通電することで、可動部15aを揺動動作させるこ
とができ、リード線73a〜73cの本数を低減するこ
とが可能になるのである。
【0077】なお、この実施の形態においては、可動部
15および軸部25cは導電性材料で形成されることに
ついて説明したが、この理由は上記説明より明らかなよ
うに圧着端子44a〜44dと電極端子46とを導通さ
せるためである。したがって、その間の導通が図られて
いれば、他の部位については絶縁材料で構成されてもよ
い。
【0078】<3.第3の実施の形態>次に、この発明
の第3の実施の形態について説明する。図8は、この発
明の第3の実施の形態であるアクチュエータ300を示
す断面図である。
【0079】アクチュエータ300は、基本的に、第1
の実施の形態で説明したアクチュエータ100と第2の
実施の形態で説明したアクチュエータ200とを組み合
わせた構成となっており、複数方向の動作が実現される
ように構成されている。
【0080】アクチュエータ300は、第1駆動部31
0と第2駆動部320とを有しており、第1駆動部31
0は第1の実施の形態で説明したアクチュエータ100
の動作原理を利用した駆動部であり、第2駆動部320
は第2の実施の形態で説明したアクチュエータ200の
動作原理を利用した駆動部である。したがって、上述し
た部材と同一の作用効果を示す部材については同一の符
号を付しており、ここではそれらについての説明は省略
する。また、図8における第2駆動部320では、形状
記憶合金部材35a〜35dのうちの35bと35d、
およびこれらに付随する構成については見えない部分で
あるため図示していない。
【0081】第1駆動部310と第2駆動部320と
は、連結部材となる中心軸12を介して互いに連結され
ている。この中心軸12は、第1の実施の形態における
アクチュエータ100の可動部10と、第2の実施の形
態におけるアクチュエータ200の軸部25cとの両機
能を兼備するものであり、この中心軸12に対して第2
駆動部320の支持体に含まれる外郭部25aおよび底
部25bが固定されている。したがって、アクチュエー
タ300において第1駆動部310の出力軸に相当する
中心軸12を回転または摺動させることで、第2駆動部
320の全体を中心軸12を中心として回転させたり、
または中心軸12の長手方向に沿って摺動させたりする
ことが可能になる。そしてさらには、第2駆動部320
において可動部15を任意の方向に揺動動作させること
ができるため、このアクチュエータ300においては可
動部15に対して回転3自由度を、または、直動1自由
度と回転2自由度とを持たせることができる。
【0082】ここで中心軸12について説明を加える。
図8に示すように中心軸12は、一端(上端)側が閉じ
た円錐形状、他端(下端)側が開口部12eとなってい
る中空軸である。その中空となっている内部側が絶縁材
料で形成される一方で、表面側は、導電性材料の塗布処
理等によって導電体として形成される。
【0083】図9は、第1駆動部310と第2駆動部3
20との間隙部分の拡大図である。第2駆動部320の
各形状記憶合金部材35a〜35dのそれぞれに通電を
行うための電極端子45a〜45d(45b,45dは
図示省略)に接続されるリード線72a〜72d(72
b,72dは図示省略)は、中心軸12の各電極端子4
5a〜45dの近傍位置に設けられた貫通穴12a〜1
2d(12b,12dは図示省略)より中心軸33の内
部に導かれる。そして各リード線72a〜72dは、中
空状の中心軸12の内部を通って開口部12eから外部
に導かれる(図8参照)。
【0084】また、中心軸12の開口部12e近傍の表
面位置には電極端子42が設けられており、この電極端
子42は、第1駆動部310において形状記憶合金部材
30a,30bの一端側を固定する固定部11a,11
bおよび第2駆動部320における可動部15と、中心
軸12の表面に設けられた導電性材料を介して導通が図
られている。
【0085】可動部15には第2駆動部320における
形状記憶合金部材35a〜35dの一端側が圧着端子4
4a〜44dによって固定されており、中心軸12と各
圧着端子44a〜44dは、可動部15を形成する導電
性材料によって導通が図られる。
【0086】そして、アクチュエータ300は、第1駆
動部310において形状記憶合金部材30a,30bを
それぞれ個別に通電加熱するための電源部81a,81
bと、第2駆動部320において形状記憶合金部材35
a〜35dをそれぞれ個別に通電加熱するための電源部
82a〜82d(82b,82dは図示省略)とを備え
ており、電源部81a,81bおよび電源部82a〜8
2dの負電極側は、全て接地されるとともに、抵抗器9
を介して電極端子42に電気的に接続されている。な
お、抵抗器9と電極端子42との間は1本のリード線7
1cで接続されている。
【0087】また、電源部81a,81bの正電極側
は、それぞれリード線71a,71bを介して第1駆動
部310の電極端子41a,41bに接続されており、
また、電源部82a〜82dの正電極側のそれぞれは中
心軸12の内部に配線されたリード線72a〜72dを
介して各電極端子45a〜45dに接続されている。
【0088】このように、アクチュエータ300におけ
る駆動機構となる形状記憶合金部材30a,30bおよ
び35a〜35dの一端側は、すべて電極端子42に接
続されており、中心軸12および可動部15を介して共
通電位となるように構成されている。
【0089】そして、各電源部81a,81bおよび8
2a〜82dを個別に制御し、各形状記憶合金部材30
a,30bおよび35a〜35dを選択的に通電加熱す
ることにより、アクチュエータ300の先端に設けられ
た可動部15の位置または姿勢を様々な状態に制御する
ことが可能になる。
【0090】以上説明したように、この実施の形態のア
クチュエータ300では、各形状記憶合金部材30a,
30bおよび35a〜35dに対して個別に通電を行う
ために必要な配線は、電極端子41a,41bおよび4
5a〜45dに接続するためのリード線71a,71b
および72a〜72dと、電極端子42に接続するため
のリード線71cとの7本のリード線を配線すればよ
い。
【0091】したがって、各形状記憶合金部材に対して
直接的かつ個別にリード線を接続する場合に比べて、こ
の実施の形態のアクチュエータ300ではリード線の配
線数を低減することができるとともに、リード線の引き
回し等のために必要な配線スペースを小さくすることが
可能になる。具体的には、このアクチュエータ300に
おいても電源部の数に1本を加えた数のリード線で全て
の形状記憶合金部材30a,30bおよび35a〜35
dに対する個別通電が可能になるのである。
【0092】特にアクチュエータ300において、第2
駆動部320に導くリード線72a〜72dは中心軸1
2の内部空間を配線されるように構成されているため、
第1駆動部310が中心軸12まわりに回転動作を行っ
たとしても各リード線72a〜72dが中心軸12と一
体となって回転する。したがって、各リード線72a〜
72dが回転動作の際の動作負荷となることを回避する
ことができる。
【0093】なお、中心軸12の表面側に導電性材料に
よって薄膜を形成し、この薄膜を第2駆動部320から
のリード線72a〜72dと置き換えるような構成して
もよい。
【0094】これについて具体的に説明する。まず、中
心軸12の表面に各電極端子45a〜45d近傍から開
口部12e(すなわち下端)まで、半導体プロセスによ
って周方向に5分割した薄膜を成膜する。5つの薄膜の
うち4つの薄膜は、一端(上端)側がそれぞれ電極端子
45a〜45dとリード線で結ばれ、他端(下端)側が
それぞれ電源部82a〜82dの正電極側にリード線に
て結ばれる。一方、中心軸12の表面に形成される導電
体は、円錐形状(上端)側から電極端子45a〜45d
近傍位置までとしておき、この導電体と残る1つの薄膜
の一端(上端)側とを連結させて一体的に構成する。こ
の一体化される薄膜は当然に他の4つの薄膜とは絶縁さ
れている。そして、一体化される薄膜の他端(下端)側
においては、リード線を介して抵抗器9と接続される。
【0095】このような構成を採用することにより、リ
ード線72a〜72dを中心軸12の内部を通す構成と
同様の効果が得られる。そして、このような構成を採用
することにより、中心軸12を必ずしも中空状に形成す
る必要がなく、複数のリード線72a〜72dを中心軸
12の内部側に通さなくてよいため、組み立てが極めて
容易になるというメリットもある。ただし、この構成例
の場合には、中心軸12と軸受21a,21bとの摺動
摩擦によって段差が生じる等といった問題が発生する可
能性もある。そのような場合には、中心軸12の少なく
とも該当する個所(軸受け21a,21bとの接触箇
所)に対して別途何らかの膜を形成して半径方向の段差
を埋めるようにすればよい。また、膜を絶縁膜とし、軸
受21a,21bを転がり軸受(ベアリング)として構
成すれば、中心軸12と軸受21a,21bとの間の摩
擦の問題は解消される。
【0096】なお、この構成例では、半導体プロセスに
よって薄膜を成膜する例について説明したが、これに限
られるものではなく、金めっきや金クラッド等で同形状
の導電用の帯を設けるようにしてもよい。
【0097】このようにこの実施の形態では配線数が低
減されることから、アクチュエータ300の組み立て等
が簡単になる。また、アクチュエータ300では、形状
記憶合金部材30a,30bおよび35a〜35dに対
して通電を行うための共通の電極端子42が可動部15
とは異なる部材である中心軸12の下端部に設けられて
いるので、可動部15が如何なる方向に揺動したとして
もリード線が動作の負荷となることはない。さらに、全
てのリード線を第1駆動部310に集中配置することが
でき、任意の機器への組み込みが容易となる。
【0098】上述したアクチュエータ300は、第1駆
動部310として第1の実施の形態で説明したアクチュ
エータ100を備え、第2駆動部320として第2の実
施の形態で説明したアクチュエータ200を備え、中心
軸12がこれらのアクチュエータを連結する連結部材と
して用いることで実現されている。しかしながら、第1
駆動部310と第2駆動部320とを相互に入れ換えた
構成も実現可能であることから、そのような構成を採用
してもよい。
【0099】これに対し、例えば、可動部15の上面側
に細胞等を操作するためのエンドエフェクタ等を取り付
けて、アクチュエータ300を微小な構成のマイクロア
クチュエータとして実現する場合には、第2駆動部32
0による揺動動作によってエンドエフェクタが大きく振
れることは望ましくなく、むしろ微小操作を行うことが
できるように微小な角度制御が可能である揺動動作であ
ることが望ましい。したがって、そのような場合には、
図8に示したような連結順序を採用することがより好ま
しい形態となる。
【0100】<4.第4の実施の形態>次に、この発明
の第4の実施の形態について説明する。この実施の形態
では、上述したアクチュエータが組み込まれたマイクロ
マニピュレータの一構成例について説明する。
【0101】図10は、この発明の第4の実施の形態で
あるマイクロマニピュレータ400を示す斜視図であ
る。なお、図10においてX,Y,Zは互いに直交する
3軸を示している。また、図10においては各部を駆動
するための電源部やリード線の配線については図示を省
略している。
【0102】マイクロマニピュレータ400は、第1リ
ニアアクチュエータ450と、第2リニアアクチュエー
タ460と、第3リニアアクチュエータ470と、第3
の実施の形態で説明した揺動アクチュエータ300とエ
ンドエフェクタ90とを備えている。
【0103】第1ないし第3リニアアクチュエータ45
0〜470は互いに直交するように順次に連結されてお
り、エンドエフェクタ90に対して複数の直進自由度を
与える直進手段として実現されている。また、揺動アク
チュエータ300はその先端部分に結合されたエンドエ
フェクタ90の姿勢を任意の角度に変化させることによ
り、そのエンドエフェクタ90で支持される微小な対象
物の姿勢を変化させることができる。
【0104】第1リニアアクチュエータ450は圧電素
子451とスプライン軸452とスライダ453とを備
えており、X軸方向に沿ってスライダ453を移動させ
ることができるように構成されている。
【0105】圧電素子451は積層圧電セラミックス等
によって構成され、外部に設けられる駆動回路からの電
圧の印加によってX軸方向に沿って伸縮動作を行う。そ
して圧電素子451の一端側は図中斜線で示す固定部4
09に固着されており、他端側はスプライン軸452の
端面に固着されている。したがって、スプライン軸45
2は圧電素子451の伸縮動作に伴ってその長手方向で
あるX軸方向に移動する。なお、固定部409は、マイ
クロマニピュレータ400の設置対象となる装置(例え
ば、顕微鏡等)における設置箇所を示す部分である。
【0106】また、スライダ453はスプライン軸45
2に嵌め込まれており、スライダ453の内部に装着さ
れた弾性部材がスライダ453とスプライン軸452と
の間に一定の摩擦を生じさせることにより、通常はスラ
イダ453がスプライン軸452に対して位置固定され
た状態となる。一方、スライダ453にその摩擦力以上
の力が作用することによってスライダ453はスプライ
ン軸452上をX軸に沿って摺動する。リニアアクチュ
エータはこの原理を利用してスライダ453をX軸方向
に沿って移動させるのである。
【0107】具体的に説明すると、X軸方向に沿って、
圧電素子451が停止または緩やかな伸縮動作を行う場
合には、スライダ453に対して弾性部材による摩擦力
以上の力が作用しないため、スプライン軸452に対す
るスライダ453の位置は変化しない。これに対して、
圧電素子451が瞬時に伸縮動作を行う場合には、スラ
イダ453に対して弾性部材による摩擦力以上の慣性力
が作用するのでスプライン軸452に対するスライダ4
53の位置は圧電素子451の伸縮方向と逆方向に慣性
移動するのである。
【0108】なお、スプライン軸452に設けられた凸
部452aとスライダ453の凹部453aとが嵌合す
ることにより、スライダ453のスプライン軸452の
周方向への回転を抑制できることは言うまでもない。ま
た、スプライン軸452の代わりに、角柱のような単な
るガイド軸を用いてもよい。
【0109】第2リニアアクチュエータ460も第1リ
ニアアクチュエータ450と同様に、圧電素子461と
スプライン軸462とスライダ463とを備え、Y軸方
向に沿ってスライダ463を移動させることができるよ
うに構成されている。圧電素子461の一端側は第1リ
ニアアクチュエータ450のスライダ453の側面部に
固着されており、他端側はスプライン軸462の端面に
固着されている。したがって、スプライン軸462は圧
電素子461の伸縮動作に伴ってその長手方向であるY
軸方向に移動する。なお、圧電素子461とスプライン
軸462とスライダ63との連結および構成は第1リニ
アアクチュエータ450と同様である。
【0110】第3リニアアクチュエータ470も上記各
リニアアクチュエータと同様であり、圧電素子471と
スプライン軸472とスライダ473とを備えてZ軸方
向に沿ってスライダ473を移動させることができるよ
うに構成されている。そして圧電素子471の一端側は
第2リニアアクチュエータ460のスライダ463に固
着されており、他端側はスプライン軸472の端面に固
着されている。したがって、スプライン軸472は圧電
素子471の伸縮動作に伴ってZ軸方向に移動する。な
お、圧電素子471とスプライン軸472とスライダ4
73との連結および構成は他のリニアアクチュエータと
同様である。
【0111】そして、第3リニアアクチュエータ470
のスライダ473にはX軸方向に沿って揺動アクチュエ
ータ300が固着されている。このアクチュエータ30
0は、図8に示したように第1駆動部310と第2駆動
部320とが連結された構成として実現されている。
【0112】第1駆動部310は、微小径の円筒状に構
成され、第3リニアアクチュエータ470のスライダ4
73に固定されている。ただし、第1駆動部310をス
ライダ473に固定する際には、図8に示した中心軸1
2を固定するのではなく、支持体20をスライダ473
に対して固定する。なぜなら、中心軸12を固定する
と、揺動アクチュエータ300の可動部15を回転もし
くは摺動させることができなくなるからである。
【0113】なお、この第1駆動部310においては内
部にコイルばね状の形状記憶合金部材が収容されている
が、この実施の形態においては、コイルばね状の形状記
憶合金部材に対して巻き絞め方向または巻き戻し方向の
初期歪みを与えることで、第1駆動部310を回転アク
チュエータとして実現している。
【0114】そして、この第1駆動部310の内部に設
けられた形状記憶合金部材に対して個別に通電制御が行
われることにより、第2駆動部320をX軸に平行な中
心軸周りに回転させることができるように構成されてい
る。
【0115】第1駆動部310の中心軸12(図8参
照)には第2駆動部320が着設されており、第2駆動
部320の内部に設けられた形状記憶合金部材に対して
個別に通電制御が行われることにより、可動部15がY
Z平面に平行な状態から任意の方向および角度に傾斜す
るように構成されている。
【0116】そして第2駆動部320に設けられた可動
部15には、このマイクロマニピュレータ400のエン
ドエフェクタ90の基部側が接続配置されている。エン
ドエフェクタ90は微小な対象物に対して所定の操作を
行うために適した機構のものが採用される。例えば、ハ
ンド機構を備えるマイクログリッパや、ニードル等がエ
ンドエフェクタ90として使用される。
【0117】マイクロマニピュレータ400は上記のよ
うに構成されており、第1から第3リニアアクチュエー
タ450〜470はエンドエフェクタ90の位置をX,
Y,Zの3軸方向に直進移動させることができ、揺動ア
クチュエータ300はエンドエフェクタ90をロール・
ピッチ・ヨーの3方向に回転移動させることができる。
つまり、上記のような構成とすることにより、エンドエ
フェクタ90を直進運動させるための3自由度と回転運
動させるための3自由度との合計6自由度が実現されて
いる。
【0118】したがって、マイクロマニピュレータ40
0を上記のように構成することでエンドエフェクタ90
を任意の位置に移動させることが可能になるとともに、
エンドエフェクタ90を任意の姿勢に変化させることも
可能になる。
【0119】また、マイクロマニピュレータ400に対
して上述した各アクチュエータを組み込むことで、エン
ドエフェクタ90の位置制御を常時適切に行うことが可
能になるとともに、揺動アクチュエータ300における
リード線の配線スペースを低減することができるととも
に、微小動作を行う際に、各リード線が動作の際の負荷
となることを低減することができ、精度の高い微小操作
を行うことが可能になる。つまり、このマイクロマニピ
ュレータ400は顕微鏡下での細胞レベルでの微小操作
や微少部品の組立等に使用されるが、リード線の配線が
そのような微小操作を阻害するような要因となることも
なく、また、エンドエフェクタ90を精度よく動作させ
ることができる。さらに、リード線の本数が低減されて
いるので、マイクロマニピュレータ400を組み立てる
際の組み立て効率を向上させることが可能になる。
【0120】<5.変形例>以上、この発明の実施の形
態について説明したが、この発明は上記説明した内容の
ものに限定されるものでない。
【0121】例えば、上記説明においては、微小構成等
を考慮して駆動機構として形状記憶合金部材を用いる場
合を例示したが、形状記憶合金に限定されるものではな
く、通電加熱によって同様の形状記憶効果を示すもので
あれば他の材料を用いて形状記憶部材を構成してもよ
い。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、複数の形状記憶部材に導通を図るため
に、それぞれの形状記憶部材の一端側に設けられた第1
の電極群と、それぞれの形状記憶部材の他端側を共通電
位に保つための第2の電極とを備え、複数の形状記憶部
材のそれぞれの他端側と第2の電極とが可動部を含む部
材によって電気的に導通されるように構成されているた
め、アクチュエータを駆動するための電気的な配線数を
低減することができ、組み立て等を簡単にすることがで
きるとともに、動作負荷を低減することも可能になる。
【0123】請求項2に記載の発明によれば、第1の電
極群は、複数の形状記憶部材のそれぞれの一端側を支持
体に固定するための固定作用を有するため、複数の形状
記憶部材を固定するために別の部材を設ける必要がな
く、構成を簡略化することができる。
【0124】請求項3に記載の発明によれば、複数の形
状記憶部材はコイルばね形状で記憶処理されており、通
電されることによって、可動部に対して回転動作または
摺動動作を与えるように構成されるため、アクチュエー
タを回転アクチュエータまたは摺動アクチュエータとし
て実現することができる。
【0125】請求項4に記載の発明によれば、複数の形
状記憶部材は直線形状で記憶処理されており、通電され
ることによって、可動部に対して揺動動作を与えるよう
に構成されるため、アクチュエータを揺動アクチュエー
タとして実現することができる。
【0126】請求項5に記載の発明によれば、第1駆動
機構を構成する複数の形状記憶部材の所定端側と、第2
駆動機構を構成する複数の形状記憶部材の所定端側と
を、連結部材を介して共通の電位に保つように構成され
ているため、アクチュエータを駆動するための電気的な
配線数を低減することができ、組み立て等を簡単にする
ことができるとともに、動作負荷を低減することも可能
になる。
【0127】請求項6に記載の発明によれば、マニピュ
レータを構成する際のリード線の配線スペースを低減す
ることができるとともに、エンドエフェクタを動作させ
る際の動作負荷をも低減することができ、精度の高い微
小操作を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態であるアクチュエ
ータを示す断面図である。
【図2】リード線にねじれを生じない電極端子の一例を
示す図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態であるアクチュエ
ータを示す斜視図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態のアクチュエータ
の断面図である。
【図5】可動部と軸部とを十分に導通させるための構成
例を示す図である。
【図6】軸部と可動部との接続部を球状とした形態を示
す図である。
【図7】第2の実施の形態における他の構成例のアクチ
ュエータを示す図である。
【図8】この発明の第3の実施の形態であるアクチュエ
ータを示す断面図である。
【図9】第1駆動部と第2駆動部との間隙部分の拡大図
である。
【図10】この発明の第4の実施の形態であるマイクロ
マニピュレータを示す斜視図である。
【符号の説明】 10,15 可動部 12 中心軸(連結部材) 20,25 支持体 25c 軸部 30a,30b,35a〜35f 形状記憶合金部材
(駆動機構) 41a,41b,45a〜45d 電極端子(第1の電
極群) 42,46 電極端子(第2の電極) 44a〜44d 圧着端子 71a〜71c,72a〜72e リード線 310 第1駆動部 320 第2駆動部 100,200,300 アクチュエータ 400 マイクロマニピュレータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動部を所定方向に動作させるアクチュ
    エータであって、 所定形状に記憶処理され、一端側が支持体に固定され、
    他端側が前記可動部に連結された複数の形状記憶部材
    と、 前記複数の形状記憶部材のそれぞれの前記一端側に設け
    られ、前記複数の形状記憶部材のそれぞれに通電を図る
    ための第1の電極群と、 前記複数の形状記憶部材のそれぞれの前記他端側を共通
    の電位に保つための第2の電極と、を備え、 前記第2の電極は、前記複数の形状記憶部材のそれぞれ
    の前記他端側とは異なる位置に設けられ、前記複数の形
    状記憶部材のそれぞれの前記他端側と前記第2の電極と
    が前記可動部を含む部材によって電気的に導通されるこ
    とを特徴とするアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアクチュエータにおい
    て、 前記第1の電極群は、前記複数の形状記憶部材のそれぞ
    れの前記一端側を前記支持体に固定するための固定作用
    を有することを特徴とするアクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のアクチ
    ュエータにおいて、 前記複数の形状記憶部材はコイルばね形状で記憶処理さ
    れており、通電されることによって、前記可動部に対し
    て回転動作または摺動動作を与えることを特徴とするア
    クチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のアクチ
    ュエータにおいて、 前記複数の形状記憶部材は直線形状で記憶処理されてお
    り、通電されることによって、前記可動部に対して揺動
    動作を与えることを特徴とするアクチュエータ。
  5. 【請求項5】 可動部を複数方向に動作させるアクチュ
    エータであって、 前記可動部を第1の方向に駆動するための第1駆動機構
    が複数の形状記憶部材によって構成されており、該複数
    の形状記憶部材のそれぞれに通電を行うことによって、
    前記可動部を第1の方向に駆動させる第1駆動部と、 前記可動部を第2の方向に駆動するための第2駆動機構
    が複数の形状記憶部材によって構成されており、該複数
    の形状記憶部材のそれぞれに通電を行うことによって、
    前記可動部を第2の方向に駆動させる第2駆動部と、 前記第1駆動部と前記第2駆動部とを連結する連結部材
    と、を備え、 前記第1駆動機構を構成する前記複数の形状記憶部材の
    所定端側と、前記第2駆動機構を構成する前記複数の形
    状記憶部材の所定端側とを、前記連結部材を介して共通
    の電位に保つことを特徴とするアクチュエータ。
  6. 【請求項6】 エンドエフェクタによって所定の作業を
    行うマニピュレータであって、 互いに直交させて順次に連結された複数のリニアアクチ
    ュエータによって構成された複数の直進自由度を有する
    直進手段と、 一端側が前記複数のリニアアクチュエータのうちの最終
    段のリニアアクチュエータに結合されるとともに他端側
    が前記エンドエフェクタの基部側に結合された請求項1
    ないし請求項5のいずれかに記載のアクチュエータと、
    を備えることを特徴とするマニピュレータ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7647806B2 (en) 2004-12-06 2010-01-19 Konica Minolta Holdings, Inc. Drive
US7859370B2 (en) 2004-03-31 2010-12-28 Sharp Kabushiki Kaisha Electrostatic actuator
JP2017096864A (ja) * 2015-11-27 2017-06-01 三菱電機株式会社 検査体押さえ機構
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RU2778525C1 (ru) * 2021-12-13 2022-08-22 Общество с ограниченной ответственностью "Наноактюатор" Система управления устройством с эффектом памяти формы для манипулирования микро- и нанообъектами

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