JP2001170089A - 光照射による中枢神経伝達抑制法 - Google Patents

光照射による中枢神経伝達抑制法

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JP2001170089A
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nerve
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Yosuke Kataoka
洋祐 片岡
Yasuyoshi Watanabe
恭良 渡辺
Yasuyo Maekawa
恭代 前川
Toshiyuki Ito
俊之 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組織侵襲の少ない可逆的な脳内神経伝達抑制
法を提供する。 【解決手段】 0.1〜5.0W/cm2の光照射エネ
ルギーを動物の脳に適用することにより、該動物の中枢
神経伝達を可逆的に抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定のエネルギー
範囲の光を動物の脳に照射することからなる、該動物の
中枢神経伝達を可逆的に抑制する方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】動物の中枢神経(脳・
脊髄)は複雑に統合された神経連絡により機能してい
る。神経連絡は、細胞体・樹上突起・軸索からなる一つ
一つの神経細胞(ニューロン)がシナプスを介して機能
的に連結しあって構成されており、詳しくは、活動電位
の軸索上の伝搬と軸索終末からの神経伝達物質の遊離お
よび、シナプスを介して連結した隣の神経細胞樹上突起
上の神経伝達物質受容体の活性化といった一連の連続し
た機能から成り立っている。したがって実験動物を用い
た中枢神経機能の解明や、さまざまな家畜の内分泌環境
のコントロールには、これら一連の中枢神経伝達機能を
制御する技術がきわめて有効である。事実、これまでに
中枢神経研究の分野において、脳局所の神経細胞群や神
経線維を破壊・切断する方法、さらに活動電位の軸索伝
搬を抑制したり、シナプスでの神経伝達物質受容体の活
性化を抑制する薬物等が開発され、中枢神経系の研究が
飛躍的に進んできた。しかし、神経線維や組織の破壊実
験では神経機能の回復を観ることができず、また局所へ
の薬物注入の場合はその作用開始時間や作用領域を限定
できず、実験結果に不明瞭な点が多く残るという欠点が
あった。また、家畜の内分泌環境をコントロールするた
めに、ホルモン剤の全身投与が試みられているが、この
家畜を食した場合の人体への影響が昨今懸念されてい
る。このように、組織侵襲の少ない可逆的な神経伝達制
御法の開発は未だ十分なされておらず、その開発は、中
枢神経を研究対象とする生物・医学研究者にとっての悲
願であった。また、この様な非侵襲性の神経伝達制御法
が開発されれば、外部からの薬物投与に頼らない家畜の
ホルモン環境制御が可能となり、畜産業への貢献度は計
りしれないものがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、組織侵襲
の少ない可逆的な神経伝達制御法について検討を重ねる
内、動物の脳から切り出した海馬スライス標本に光エネ
ルギーを照射すると、低い照射エネルギー領域で神経伝
達が効率よく抑制される事実を見い出した。この神経伝
達の抑制は、主に神経軸索上の活動電位の伝搬への抑制
効果およびシナプスでの化学伝達への抑制効果からなる
ことが判明した。この神経伝達の抑制は、光エネルギー
による組織温度の変化や組織酸化によるものであるかも
知れず、この点を確認するための実験を行った結果、神
経伝達を抑制した光エネルギーは、有意な組織温度の変
化および組織酸化をもたらさないことが確認できた。こ
のことから神経伝達の抑制は、光エネルギーによるこれ
らの二次的な組織変化によるものでないことがわかっ
た。
【0004】更に、上記の海馬スライス標本に替えて、
完全な動物の脳表面から光エネルギーを照射するインビ
ボ実験を行い、インビトロ実験の場合と同じ結果を得
た。上に述べた光エネルギーによる神経伝達の抑制は可
逆的であり、照射を止めると短時間にもとの状態に回復
する。従って、この神経伝達抑制法は、動物の脳に損傷
を与えることなく、種々の目的に利用することができ
る。本発明に係る神経伝達抑制法で使用する光エネルギ
ーは0.8〜4.8W/cm2であることが望ましい
が、この範囲、特に下限は絶対的なものではなく、照射
時間を長くすれば0.1W/cm2以下のエネルギーで
も神経伝達を緩慢に抑制することができる。また、後述
する様に、脳組織のスライス標本を対象とする場合と実
際の動物を対象とする場合では、好適な照射エネルギー
がかなり異なっている。従って、神経伝達を抑制する目
的に応じて、さらに照射対象に応じて、照射時間と照射
エネルギーを適当に組合わせて本発明を実施すべきであ
る。尚、照射エネルギーが5.0W/cm2を超えると
組織温度の上昇が起こり易いので、一般には、0.1〜
5.0W/cm2が照射エネルギーの臨界領域と考える
のが望ましい。
【0005】光照射は、近赤外域低出力レーザー光(波
長830nm)を用いて行うのが好ましい。照射は、組
織内のみならず、体外または組織外からも行うことがで
きるので、本発明に係る神経伝達抑制法は、中枢神経組
織を対象にした神経科学研究全般に役立つのみならず、
家畜に於ける、中枢神経系の関与する種々の変更、例え
ば内分泌環境の制御、体重の調節、排卵周期の調節、乳
生産量の調節、などに使用することができる。注目すべ
きことに、実際の動物を照射対象とした場合は、組織の
スライス標本の場合より低いエネルギー範囲の光を用い
るのが好ましい。以下に、本発明方法の神経科学研究へ
の応用例および実際の動物への応用例について記載す
る。
【0006】実験動物へのレーザー照射による神経伝達
抑制法の応用例 中枢神経では様々な領域で情報が同時に平行して処理さ
れている。このことが中枢神経機能の解明を困難にして
いる。例えば疲労感を感じる中枢神経システムについて
も、大脳皮質内のいずれかの領域に存在すると予想され
てはいるものの、その他多くの領域と神経連絡があり、
例えば、疲労感として認識する・行動量を減少させる・
意欲を低下させる・逆に疲労感を抑制する等の関連した
情報を、他の領域と神経連絡しながら同時に情報処理し
ていると考えられる。そのため、動物がどの脳内領域で
疲労感を覚え、どのようなシステムで行動を抑制してい
るのかといった複雑な命題について、未だ全く解決でき
ていない。本発明に係るレーザー照射による神経伝達抑
制法を用いれば、これら同時に並行して行なわれる各領
域での情報処理を一つ一つ脳表面から抑制し、その詳細
な機能を動物の行動や反応を通して解析することが可能
である。また、複数の領域での神経活動を様々な組み合
わせで同時に抑制することも容易であり、従って本発明
方法は上記命題を解決するのに極めて有効な手段とな
る。
【0007】家畜、特に乳牛等へのレーザー照射による
神経伝達抑制法の応用例 乳牛をはじめ、すべての動物の乳汁分泌はその個体のホ
ルモン環境に依存している。例えば乳汁産生量は脳下垂
体前葉から分泌されるホルモン、プロラクチンによりコ
ントロールされており、その下垂体前葉からのプロラク
チン分泌は、そのさらに上位の視床下部弓状核に分布す
るドーパミン神経細胞によって抑制的に制御されてい
る。したがって、光ファイバーを用いて、このドーパミ
ン神経線維をレーザー照射し、その活動を抑制すれば、
プロラクチン分泌量が上昇し、その結果、乳汁分泌量を
増加させることができる。例えば、ドーパミン神経に対
する24時間にわたる断続的レーザー照射により、1.
5〜2倍の乳汁産生量が期待できる。また、レーザー照
射時間のコントロールをとおして、乳汁産生時間や周期
等も制御・調節することもできる。また、下垂体におけ
る他のホルモン分泌において、例えば乳汁分泌を促すオ
キシトシンや性周期を制御する性腺刺激ホルモン等の分
泌制御もレーザー照射による神経伝達抑制技術によって
可能となろう。本発明方法を用いたこれらの操作は、今
日見られる遺伝子改変や薬物投与による操作と異なり、
家畜ならびに家畜から産出された食物を摂取した人体へ
の影響や、操作対象とした家畜個体から世代を越えてそ
の影響を残す心配がきわめて少ないことが特徴である。
本発明の神経伝達抑制法は、照射領域あるいはその目的
に応じて光ファイバー径を適当に選択したり、多光源
化、集光操作、あるいはスリットを用いた照射形状の調
節を行うことができる。さらに、照射出力により、神経
伝達の抑制程度および抑制持続時間を調整することがで
きる。光照射のこれらの技術はよく知られており、例え
ば、大槻義彦著、物理学I(学術図書出版社)、198
4年を参照することができる。以下に実施例を挙げ、本
発明を更に詳細に説明する。
【0008】
【実施例】実施例1 光エネルギーを利用して動物の中枢神経機能を体外もし
くは組織外から制御することが可能かどうかを調べるた
めに、まず、齧歯類(ラット)の脳から切り出した海馬
スライス標本内の興奮性神経線維を二極性タングステン
電極で刺激し、さらにガラス管微小電極を用いて興奮性
シナプス後電位を近傍から細胞外記録しながら(図
1)、組織外から対象神経組織を目標にさまざまな出力
の近赤外波長レーザー(波長830 nm)の照射を行った。
そして、組織温度の上昇が起こらないような低い照射エ
ネルギー領域の中に、スライス内の興奮性神経伝達を、
数分から十数分の照射で効率よく抑制するエネルギー
(0.8〜4.8W/cm2)が含まれていることを発見した
(図2A-D)。さらに、抑制された神経伝達機能はレ
ーザー照射終了後数分から数時間で完全に回復すること
がわかった。神経伝達の抑制は、主に神経軸索上の活動
電位の伝搬への抑制効果およびシナプスでの化学伝達へ
の抑制効果からなることがわかった。また、比較的高い
出力で短時間レーザー照射すると、抑制効果が速やかに
現れ、回復も早く、また低い出力での長時間照射はゆっ
くりとした抑制効果の出現と照射終了後のゆっくりした
回復過程を見ることができた。上記のエネルギー範囲で
は、レーザー照射出力の調節によって、活動電位の軸索
伝搬を制御し易いことがわかった(図2E)。
【0009】上記の神経伝達抑制のメカニズム検討の一
環として、近赤外域波長のレーザー照射時の組織温度の
変化および組織酸化効果について検討した。照射領域が
微小なため、組織温度変化は照射領域内の神経伝達速度
(シナプス遅延時間)により検討した(図2F)。その
結果、照射によるシナプス遅延時間の短縮は10%以内
であり、組織温度とシナプス遅延時間の相関関係(図2
G)から、レーザー照射による組織温度上昇は1℃以内
であることが判明した。この実験は30℃の組織外液中
で行っており、実験に使用している脳海馬スライス標本
内の神経伝達は40℃を越えないと抑制効果が現れない
ことから(図2H)、レーザー照射による神経伝達抑制
は組織温度の上昇によるものではないことが確認でき
た。
【0010】さらにレーザー照射による組織酸化効果に
ついての検討はシッフ試薬を用いた組織化学的方法で行
った。すなわち、光増感色素の投与と光照射を組み合わ
せた光酸化法を用い、神経伝達が抑制される程度の酸化
を組織に与えたとき、シッフ試薬により組織の酸化領域
が染色されることを確認した後(図3A−C)、レーザ
ー光を長時間照射し、同様にシッフ試薬により酸化程度
の検討を行った。その結果、神経伝達をほぼ完全に抑制
する十分な量のレーザー照射を行っても、組織は酸化さ
れていないことが判明した(図3D)。したがって、レ
ーザー照射による神経伝達抑制効果は組織酸化によるも
のではないことが確認された。
【0011】実施例2 次にスライス標本で確認できた上の事実を実際の動物の
脳で証明した。すなわちハロセン麻酔下のラット大脳皮
質から、スライス実験同様、電気刺激により誘発された
興奮性シナプス後電位を記録しながら、脳表面(硬膜
外)から目的領域に向けて上記と同じ波長のレーザー照
射を行った。そして、スライス実験と同じ出力範囲のレ
ーザー照射が神経伝達を効率よく抑制することを確認す
ることができた(図4A−D)。スライス標本を用いた
実験同様、レーザー照射は神経伝達速度にほとんど影響
を与えなかったことから、レーザー照射による神経伝達
抑制は脳内においても組織温度の上昇によるものではな
いと考えられる(図4E,F)。また上記のような電気
刺激による神経応答だけでなく、実際の動物への音刺激
に対する、大脳皮質一次聴覚野での神経応答も、約10
分のレーザー照射により完全に抑制することが確認でき
た(図5)。なお、これらレーザー照射による神経伝達
抑制効果はスライス実験同様、可逆的であり、レーザー
照射による組織の破壊や神経細胞の損傷は認められなか
った。より具体的に述べると、5〜8週齢の雄ラットを
ハロセンで麻酔し、頭頂葉上の頭蓋骨(ブレグマより前
方2mm、外側2mm)に直径3mmの穴をあけた。二極性タ
ングステン電極を大脳皮質下の白質へ挿入して電気刺激
し、大脳皮質層(深さ1mm)から電気刺激に対する誘発
電位変化をガラス管微小電極を用いて細胞外記録した。
レーザー照射用光ファイバーの出力口(直径1mm)を脳表
面2mmまで近づけ、波長830nmのレーザー光を硬膜外
から細胞外記録領域へ向けて照射した。このとき、脳表
面(硬膜)での照射エネルギーが1.6および0.8W/
cm2になるよう出力を調節した。結果、数分のレーザー
照射により誘発電位変化は減弱し、照射終了後再び回復
した。つまり、当エネルギーのレーザー照射が神経伝達
を可逆的に抑制することを確認できた。特に比較的高い
出力(1.6W/cm2)で短時間のレーザー照射を行う
と、抑制効果が速やかに現れ、回復も早かった。また低
い出力(0.8W/cm2)での長時間照射はゆっくりとし
た抑制効果の出現と照射終了後の1時間から数時間にお
よぶゆっくりした回復過程を見ることができた。これら
のエネルギー範囲のレーザー照射は神経伝達速度にほと
んど影響を与えなかったことから、レーザー照射による
神経伝達抑制効果は組織温度の上昇によるものではない
と考えられた。
【0012】また、さらに4〜5週齢のスナネズミを用
いて、聴覚刺激に対する一次聴覚野での神経反応を対象
に同レーザー照射の効果を観察した。同動物をウレタン
で麻酔し、一次聴覚野上の頭蓋骨に直径4mmの穴をあけ
た。そして、一次聴覚野大脳皮質層(深さ1mm)から細胞
外記録を行い、1420Hzの純音を聞かせた時に対応
する神経活動を観察した。レーザー照射用光ファイバー
の出力口(直径1mm)を脳表面2mmまで近づけ、波長83
0nmのレーザー光を硬膜外から細胞外記録領域へ向けて
照射した。このとき、脳表面(硬膜)での照射エネルギ
ーが0.8〜1.6W/cm2になるよう出力を調節した。
音刺激に対する大脳皮質一次聴覚野での神経応答は、レ
ーザー照射開始から数分して徐々に抑制されはじめ、約
10分の照射にて完全に消失した、。その後、照射を終
了したところ徐々に神経反応が回復し、照射終了後40
分で完全に回復した。以上のインビトロおよびインビボ
実験によって、脳内の神経伝達を効率よく、しかも可逆
的に抑制するための光照射エネルギーが存在することが
確認された。この光エネルギーを利用した神経伝達抑制
法では、さまざまな径の光ファイバーの使用や集光技術
をとおして、より正確に神経伝達抑制領域を設定でき、
さらに、照射出力を調節することにより、神経伝達抑制
程度や抑制持続時間をコントロールすることができる。
【0013】
【発明の効果】本発明の光照射による中枢神経抑制法
は、神経科学研究全般に広く用いられ得る。また、家畜
の内分泌環境を制御し、その体重や排卵周期、乳産生量
等を調節するための中枢神経活動の制御にも使用可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ラット海馬スライス標本から記録した興奮性
シナプス後電位(細胞外記録)を示すグラフ。興奮性シ
ナプス後電位はdの値、シナプス前神経活動(主に活動
電位の軸索伝搬を表す)は(a+c)/2-b の値として評価し
た。スケールは0.2 mV、4 ms。
【図2】 レーザー照射による海馬スライス標本内神経
伝達の可逆的抑制を示すグラフ。(A,B)照射前
(1)、照射直後(2)、回復後(3)の細胞外記録の
例。スケールは0.2 mV、4 ms。A、Bはそれぞれ下の
C、Dに対応する。(C,D)高い照射出力(4.8W/c
2)での神経伝達抑制(C)および低い照射出力(2.4
W/cm2)での神経伝達抑制(D)。横線は照射時間
を示す。数字(1−3)はAおよびBに示したデータの記
録ポイント。(E)興奮性シナプス後電位とシナプス前
神経活動との関係。(黒丸)4.8W/cm2、(白四角)
2.4W/cm2、(黒三角)0.8W/cm2。それぞれのデ
ータをフィットし、直線関係で表した。照射エネルギー
が高いほど、シナプス前神経活動の抑制率が大きい。
(F)シナプス遅延時間。横線は照射時間を示す。
(G)組織温度とシナプス遅延時間との関係。(H)組
織温度と興奮性シナプス伝達との関係。
【図3】 海馬スライス標本内酸化領域の組織化学的検
出を示す写真。スライス標本に10分間光増感色素を投
与し、その後ハロゲン光照射を0.5分間(A)、2分
間(B)、4分間(C)照射し、シッフ試薬にて染色
後、青色の疑似カラーにて酸化部位を示した(矢印)。
一方、レーザー照射は120分間という強力な照射(D
の丸内)においても組織酸化を引き起こさなかった。
尚、図中、PDTOは光酸化を意味し、Laserはレ
ーザー照射を意味する。
【図4】 実際の動物における、レーザ照射による可逆
的脳内(大脳皮質頭頂葉)神経伝達抑制を示すグラフ。
照射は脳外(硬膜外)から行われた。(A,B)照射前
(1)、照射直後(2)、回復後(3)の細胞外記録の
例。スケールは0.2 mV、4 ms。(C,D)高い照射出力
(1.6W/cm2)での神経伝達抑制(C)および低い照
射出力(0.8W/cm2)での神経伝達抑制(D)。横線
は照射時間を示す。数字(1−3)はAおよびBに示し
たデータの記録ポイント。(E,F)レーザー照射(横
線)による神経伝達速度への影響。
【図5】 レーザー照射によるスナネズミ一次聴覚野に
おける音反応の可逆的抑制を示すグラフ。照射は脳外
(硬膜外)から行われた。(A)1420Hzの純音刺激
のタイミング。(B)照射前の一次聴覚野からの細胞外
記録。照射開始から2分後(C)、8分後(D)、10
分後(E)の細胞外記録。(F,G)照射終了後30分
(F)および40分(G)の細胞外記録。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 俊之 京都府京都市左京区高野西開町1−1 第 二久米マンション412号 Fターム(参考) 4C026 AA10 BB01 BB06 4C082 RA10 RC01 RC06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.1〜5.0W/cm2の光照射エネ
    ルギーを動物の脳に適用することからなる、該動物の中
    枢神経伝達を可逆的に抑制する方法。
  2. 【請求項2】 光照射エネルギーが0.8〜4.8W/
    cm2である請求項1の方法。
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