JP2001167898A - プラズマ加熱用トーチ - Google Patents
プラズマ加熱用トーチInfo
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- JP2001167898A JP2001167898A JP34972099A JP34972099A JP2001167898A JP 2001167898 A JP2001167898 A JP 2001167898A JP 34972099 A JP34972099 A JP 34972099A JP 34972099 A JP34972099 A JP 34972099A JP 2001167898 A JP2001167898 A JP 2001167898A
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- Japan
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- electrode
- torch
- cooling water
- plasma
- copper
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- Plasma Technology (AREA)
- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラズマ加熱用トーチの電極において、電極
の冷却水通路内面に電極母材(銅)の酸化物が付着する
ことによる冷却水と電極の熱伝達悪化を防止して、トー
チの長寿命化を図る。 【解決手段】 電極先端を冷却水によって冷却するプラ
ズマ加熱用トーチであって、前記冷却水が通る冷却水通
路内面にメッキを施したこと。また、好ましくは電極の
メッキの材質が、ニッケルまたはニッケルを主体とした
合金であること。
の冷却水通路内面に電極母材(銅)の酸化物が付着する
ことによる冷却水と電極の熱伝達悪化を防止して、トー
チの長寿命化を図る。 【解決手段】 電極先端を冷却水によって冷却するプラ
ズマ加熱用トーチであって、前記冷却水が通る冷却水通
路内面にメッキを施したこと。また、好ましくは電極の
メッキの材質が、ニッケルまたはニッケルを主体とした
合金であること。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アーク放電により
気体をプラズマ化して得られた高温のプラズマにより、
固体、液体あるいは気体を加熱するプラズマ加熱装置に
係り、さらに詳しくは、プラズマを発生させるプラズマ
アトーチの寿命延長技術に関するものである。
気体をプラズマ化して得られた高温のプラズマにより、
固体、液体あるいは気体を加熱するプラズマ加熱装置に
係り、さらに詳しくは、プラズマを発生させるプラズマ
アトーチの寿命延長技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、溶融金属、例えば溶融した鉄に対
して、プラズマ加熱装置による加熱が行われている。そ
のプラズマ加熱用トーチの内、特にアノードトーチの先
端にはプラズマを発生させる非消耗性の電極が設置され
ている。しかし、電極先端は、常に高温に晒されてお
り、ややもすると、電極が溶損し、短寿命のため、操業
あるいは溶融金属の品質などに支障を来しており、電極
の寿命延長が操業安定などのための大きな課題となって
いた。
して、プラズマ加熱装置による加熱が行われている。そ
のプラズマ加熱用トーチの内、特にアノードトーチの先
端にはプラズマを発生させる非消耗性の電極が設置され
ている。しかし、電極先端は、常に高温に晒されてお
り、ややもすると、電極が溶損し、短寿命のため、操業
あるいは溶融金属の品質などに支障を来しており、電極
の寿命延長が操業安定などのための大きな課題となって
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにプラズ
マ加熱装置用トーチの電極においては、電極自体が高温
になるため、その内面に水を通して冷却しているのが一
般的である。しかし、長時間使用していると、電極先端
が溶損し、寿命が短く、設備を休止し、トーチを交換す
る作業が発生し、設備稼働率の低下、ひいては溶鋼加熱
機能休止による溶鋼品質の低下、操業トラブルなどの原
因となっていた。
マ加熱装置用トーチの電極においては、電極自体が高温
になるため、その内面に水を通して冷却しているのが一
般的である。しかし、長時間使用していると、電極先端
が溶損し、寿命が短く、設備を休止し、トーチを交換す
る作業が発生し、設備稼働率の低下、ひいては溶鋼加熱
機能休止による溶鋼品質の低下、操業トラブルなどの原
因となっていた。
【0004】本発明者らが、電極溶損の原因を解明する
ため、使用した電極を詳細に調査した結果、冷却水通路
内面に酸化銅の被膜が認められた。これは、水中の酸素
と電極の銅とが反応し、電極の冷却面に酸化銅が形成さ
れたものと考えられ、冷却面に形成された酸化銅により
電極と冷却水の熱伝達が減少し、電極表面の温度が上昇
することが判明した。電極表面の温度が上昇すると、例
えば、電極先端が平坦なトーチだと、熱によって表面が
変形し、図2のように電極外側に凸型に膨らむ。電極1
の平坦部中央部がこのように膨らむと、プラズマアーク
はこの凸部に集中する特性があるため、電極1の表面平
坦部の膨らんだ箇所にプラズマアーク8が集中し、アー
クが集中した箇所の温度がさらに上昇するという悪循環
によって、ついには溶損、破孔し、電極が短寿命となっ
ていることを究明した。
ため、使用した電極を詳細に調査した結果、冷却水通路
内面に酸化銅の被膜が認められた。これは、水中の酸素
と電極の銅とが反応し、電極の冷却面に酸化銅が形成さ
れたものと考えられ、冷却面に形成された酸化銅により
電極と冷却水の熱伝達が減少し、電極表面の温度が上昇
することが判明した。電極表面の温度が上昇すると、例
えば、電極先端が平坦なトーチだと、熱によって表面が
変形し、図2のように電極外側に凸型に膨らむ。電極1
の平坦部中央部がこのように膨らむと、プラズマアーク
はこの凸部に集中する特性があるため、電極1の表面平
坦部の膨らんだ箇所にプラズマアーク8が集中し、アー
クが集中した箇所の温度がさらに上昇するという悪循環
によって、ついには溶損、破孔し、電極が短寿命となっ
ていることを究明した。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の熱伝導の減少に着
目し、その課題を解決するために本発明者らが検討を重
ねた結果、電極の冷却水通路内面にメッキを施し、電極
冷却面に酸化銅の発生を防ぐことが可能な本発明を完成
するに至った。なお、電極先端の材質は銅或いは銅を主
体とした合金であることが好ましい。また特に、ニッケ
ルまたはニッケルを主体とした合金をメッキすることで
電極内面の銅が酸化することを防止でき、それにより電
極と冷却水の熱伝達率の減少を回避することができた。
また、メッキ材質に電極の母材と同じ、または極めて近
い熱膨張係数の金属をメッキすることにより、電極の母
材からメッキが剥離することを抑制することができる。
目し、その課題を解決するために本発明者らが検討を重
ねた結果、電極の冷却水通路内面にメッキを施し、電極
冷却面に酸化銅の発生を防ぐことが可能な本発明を完成
するに至った。なお、電極先端の材質は銅或いは銅を主
体とした合金であることが好ましい。また特に、ニッケ
ルまたはニッケルを主体とした合金をメッキすることで
電極内面の銅が酸化することを防止でき、それにより電
極と冷却水の熱伝達率の減少を回避することができた。
また、メッキ材質に電極の母材と同じ、または極めて近
い熱膨張係数の金属をメッキすることにより、電極の母
材からメッキが剥離することを抑制することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実際に適用した例
によって更に説明する。図1は、アノードトーチを拡大
して示したものである。アノードトーチ先端が平坦な端
部形状の電極1を有しており、この電極1は、その中に
形成された同心のクーリングチューブ3を備えている。
クーリングチューブ3の内側を冷却水が図1の矢印6の
如く上から下へと流れて電極先端内面に当たってこれを
冷却し、その後、クーリングチューブ3の外側から図の
下から上に流れてトーチ外に排出される。なお、図1に
おいて、2は電極1を保持する電極アセンブリー、4は
ノズル、5はトーチアセンブリー、7は電極1とノズル
4間を流れるプラズマガス流れ方向、8はプラズマアー
クを示す。
によって更に説明する。図1は、アノードトーチを拡大
して示したものである。アノードトーチ先端が平坦な端
部形状の電極1を有しており、この電極1は、その中に
形成された同心のクーリングチューブ3を備えている。
クーリングチューブ3の内側を冷却水が図1の矢印6の
如く上から下へと流れて電極先端内面に当たってこれを
冷却し、その後、クーリングチューブ3の外側から図の
下から上に流れてトーチ外に排出される。なお、図1に
おいて、2は電極1を保持する電極アセンブリー、4は
ノズル、5はトーチアセンブリー、7は電極1とノズル
4間を流れるプラズマガス流れ方向、8はプラズマアー
クを示す。
【0007】本実施例として、電極1の内面、例えば図
3(a)に示すように、電極1の先端側の一つ内面を、
もしくは図3(b)に示すように、電極1の先端側の内
面と側面の二つ面に対し、0.2〜0.3mm厚のニッケ
ルメッキ(熱膨張係数1.3×10-5/deg)9、10を
施したところ、メッキなしの従来トーチの寿命に比較し
てほぼ1.5倍まで伸びたことが確認された。
3(a)に示すように、電極1の先端側の一つ内面を、
もしくは図3(b)に示すように、電極1の先端側の内
面と側面の二つ面に対し、0.2〜0.3mm厚のニッケ
ルメッキ(熱膨張係数1.3×10-5/deg)9、10を
施したところ、メッキなしの従来トーチの寿命に比較し
てほぼ1.5倍まで伸びたことが確認された。
【0008】尚、本発明は、特に電極先端形状が平坦な
電極に効果が顕著であるが、冷却水によってトーチを冷
却している他のタイプのプラズマトーチでも、もちろん
本発明の適用は可能であり、十分効果を享受することが
できる。
電極に効果が顕著であるが、冷却水によってトーチを冷
却している他のタイプのプラズマトーチでも、もちろん
本発明の適用は可能であり、十分効果を享受することが
できる。
【0009】
【発明の効果】以上のように本発明によると、トーチの
寿命が伸び、トーチ交換の頻度が減少し、例えば、タン
ディッシュの溶鋼加熱装置の稼働率が上昇し、連続鋳造
操業の安定化や品質悪化防止に大きく貢献することがで
きる。
寿命が伸び、トーチ交換の頻度が減少し、例えば、タン
ディッシュの溶鋼加熱装置の稼働率が上昇し、連続鋳造
操業の安定化や品質悪化防止に大きく貢献することがで
きる。
【図1】通常のプラズマトーチの拡大図。
【図2】電極先端が軟化し、膨らんだ状況を示す図。
【図3】本発明を適用したトーチの実施例を示す図で、
(a)は1面メッキ、(b)は2面メッキの場合を示
す。
(a)は1面メッキ、(b)は2面メッキの場合を示
す。
【符号の説明】 1 電極 2 電極アセンブリー 3 クーリングチューブ 4 ノズル 5 ノズルアセンブリー 6 冷却水流れ方向 7 プラズマガス流れ方向 8 プラズマアーク 9 1面メッキ 10 2面メッキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 欣晃 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 土岐 正弘 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 三武 裕幸 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 山村 和人 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 河内 毅 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4E014 AA01
Claims (4)
- 【請求項1】 電極先端を冷却水によって冷却するプラ
ズマ加熱用トーチであって、前記冷却水が通る冷却水通
路内面にメッキを施したことを特徴とするプラズマ加熱
用トーチ。 - 【請求項2】 プラズマ加熱用トーチであって、且つ、
電極先端の材質が銅、または銅を主体とした合金であ
り、当該電極を冷却水によって冷却する構造のプラズマ
トーチであって、電極の冷却水通路内面にメッキを施し
たしたことを特徴とするプラズマ加熱用トーチ。 - 【請求項3】 前記電極のメッキの材質が、ニッケル、
またはニッケルを主体とした合金であることを特徴とす
る請求項1又は2記載のプラズマ加熱用トーチ。 - 【請求項4】 前記電極のメッキ材質が、電極の母材で
ある銅、または銅を主体とした合金と熱膨張係数が同
じ、または極めて近い金属あるいは合金であることを特
徴とする請求項1又は2記載のプラズマ加熱用トーチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34972099A JP2001167898A (ja) | 1999-12-09 | 1999-12-09 | プラズマ加熱用トーチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34972099A JP2001167898A (ja) | 1999-12-09 | 1999-12-09 | プラズマ加熱用トーチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001167898A true JP2001167898A (ja) | 2001-06-22 |
Family
ID=18405654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34972099A Withdrawn JP2001167898A (ja) | 1999-12-09 | 1999-12-09 | プラズマ加熱用トーチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001167898A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012523651A (ja) * | 2009-04-08 | 2012-10-04 | シェルベリ フィンスターヴァルデ プラスマ ウント マシーネン ゲーエムベーハー | アークプラズマトーチのための冷却管、電極保持具および電極、並びにその構成およびそれらを備えたアークプラズマトーチ |
-
1999
- 1999-12-09 JP JP34972099A patent/JP2001167898A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012523651A (ja) * | 2009-04-08 | 2012-10-04 | シェルベリ フィンスターヴァルデ プラスマ ウント マシーネン ゲーエムベーハー | アークプラズマトーチのための冷却管、電極保持具および電極、並びにその構成およびそれらを備えたアークプラズマトーチ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070306 |