JP2001165778A - 極低温黒体炉 - Google Patents
極低温黒体炉Info
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- JP2001165778A JP2001165778A JP34941899A JP34941899A JP2001165778A JP 2001165778 A JP2001165778 A JP 2001165778A JP 34941899 A JP34941899 A JP 34941899A JP 34941899 A JP34941899 A JP 34941899A JP 2001165778 A JP2001165778 A JP 2001165778A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 放射温度計の校正評価に用いる極低温黒体炉
においては、これを大気中に放置すると黒体部分に水分
が付着し氷結する。真空環境にすると大型化し、携帯で
きない。乾燥気体雰囲気にすると大型化し、作業環境も
悪化する。 【解決手段】 一端部が測定用の開口部2となり、他端
が閉鎖されている黒体空洞部8を備えた黒体空洞部材4
は、液体窒素19の入った容器14に収納している支持
筒体5の上端部に固定され、連通部7により内部を連通
している。支持筒体5の外周には螺旋状の気体窒素供給
管11が巻かれ、気体窒素供給口12から気体窒素を支
持筒体5内に供給するとき、供給口12からの気体窒素
は黒体空洞部8に入り、内部を冷却し、開口部2から出
る。それにより黒体空洞部8内極低温を維持しながら、
外気が入らないので氷結することがない。また、小型の
ため計測現場に携帯することができる。
においては、これを大気中に放置すると黒体部分に水分
が付着し氷結する。真空環境にすると大型化し、携帯で
きない。乾燥気体雰囲気にすると大型化し、作業環境も
悪化する。 【解決手段】 一端部が測定用の開口部2となり、他端
が閉鎖されている黒体空洞部8を備えた黒体空洞部材4
は、液体窒素19の入った容器14に収納している支持
筒体5の上端部に固定され、連通部7により内部を連通
している。支持筒体5の外周には螺旋状の気体窒素供給
管11が巻かれ、気体窒素供給口12から気体窒素を支
持筒体5内に供給するとき、供給口12からの気体窒素
は黒体空洞部8に入り、内部を冷却し、開口部2から出
る。それにより黒体空洞部8内極低温を維持しながら、
外気が入らないので氷結することがない。また、小型の
ため計測現場に携帯することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温付近にある測
定対象の表面温度を、赤外域の熱放射輝度の大きさによ
り非接触且つ高速に測定する、放射温度計の校正・評価
に必要な極低温黒体炉に関する。
定対象の表面温度を、赤外域の熱放射輝度の大きさによ
り非接触且つ高速に測定する、放射温度計の校正・評価
に必要な極低温黒体炉に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外域の放射輝度の精密測定装置におい
ては、測定対象となる物体の熱放射である信号放射のみ
でなく、測定装置自身から生じる背景放射としての熱放
射も同時に検出してしまうこととなる。そのため、測定
装置のもつ背景放射レベルの正確な評価を行うことが精
密計測の精度向上に不可欠である。
ては、測定対象となる物体の熱放射である信号放射のみ
でなく、測定装置自身から生じる背景放射としての熱放
射も同時に検出してしまうこととなる。そのため、測定
装置のもつ背景放射レベルの正確な評価を行うことが精
密計測の精度向上に不可欠である。
【0003】このような背景放射レベルの評価に際して
は、熱放射が限りなくゼロに近い対象を測定することが
必要であり、そのためには、液体窒素の沸点(絶対温度
77K)程度の極低温の黒体炉装置を利用することが現
実的な手段であり、有効な方法ということができる。
は、熱放射が限りなくゼロに近い対象を測定することが
必要であり、そのためには、液体窒素の沸点(絶対温度
77K)程度の極低温の黒体炉装置を利用することが現
実的な手段であり、有効な方法ということができる。
【0004】更に、赤外域の放射測定装置の背景放射レ
ベルは、測定装置の設置されている温度、湿度などの環
境条件によって大きく変動するため、測定精度の向上に
は、実際の測定作業現場において、必要に応じて背景放
射レベルを適宜評価することができるように、可能な限
り小型で堅牢な黒体炉が必要である。
ベルは、測定装置の設置されている温度、湿度などの環
境条件によって大きく変動するため、測定精度の向上に
は、実際の測定作業現場において、必要に応じて背景放
射レベルを適宜評価することができるように、可能な限
り小型で堅牢な黒体炉が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような目的のた
め、氷点以下の低温域の開放型黒体炉を製作して、常温
常圧の大気雰囲気中で使用した場合、大気中に含まれる
水分が黒体空洞内部に進入し、空洞表面で結露し、氷結
などを生じるため、空洞内面温度の変化、空洞放射率の
変化などを生じてしまい、精密な低温黒体放射を実現す
ることが不可能である。そのため、実際に測定を行うた
めには、真空環境や、ヘリウム、アルゴン、窒素などの
乾燥気体雰囲気環境のもとで黒体炉を動作させなくては
ならない。
め、氷点以下の低温域の開放型黒体炉を製作して、常温
常圧の大気雰囲気中で使用した場合、大気中に含まれる
水分が黒体空洞内部に進入し、空洞表面で結露し、氷結
などを生じるため、空洞内面温度の変化、空洞放射率の
変化などを生じてしまい、精密な低温黒体放射を実現す
ることが不可能である。そのため、実際に測定を行うた
めには、真空環境や、ヘリウム、アルゴン、窒素などの
乾燥気体雰囲気環境のもとで黒体炉を動作させなくては
ならない。
【0006】一方、真空環境のもとで黒体炉を動作させ
るには、大型の真空装置が必要になると共に黒体炉と放
射測定器との間の光路中に真空装置の窓材等が必要とな
り、測定結果が窓材表面の反射、吸収、放射の影響を強
く受けてしまい校正・評価の精度が大きく劣化してしま
う。
るには、大型の真空装置が必要になると共に黒体炉と放
射測定器との間の光路中に真空装置の窓材等が必要とな
り、測定結果が窓材表面の反射、吸収、放射の影響を強
く受けてしまい校正・評価の精度が大きく劣化してしま
う。
【0007】また、乾燥気体雰囲気で使用するものにお
いても、黒体炉装置全体を気密性の高い容器で覆い、大
量の乾燥気体を連続的に供給することが必要であり、装
置が大型化してしまうため、放射測定装置の実際の利用
現場での校正・評価を行うことが困難であると共に、大
量の乾燥気体による作業環境の汚染も問題となる。
いても、黒体炉装置全体を気密性の高い容器で覆い、大
量の乾燥気体を連続的に供給することが必要であり、装
置が大型化してしまうため、放射測定装置の実際の利用
現場での校正・評価を行うことが困難であると共に、大
量の乾燥気体による作業環境の汚染も問題となる。
【0008】したがって本発明は、氷点以下の低温域の
黒体炉を常温常圧の大気雰囲気中で使用する際、真空環
境や乾燥気体雰囲気環境にすることがなくても黒体の空
洞表面に氷結などを生じることのない極低温黒体炉を提
供することを目的とする。
黒体炉を常温常圧の大気雰囲気中で使用する際、真空環
境や乾燥気体雰囲気環境にすることがなくても黒体の空
洞表面に氷結などを生じることのない極低温黒体炉を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、請求項1に係る発明は、一端に測定用開口
部を備え内部に黒体空洞部を形成した黒体空洞部材と、
上端部に前記黒体空洞部材を固定し、内部が連通部によ
り前記黒体空洞部と連通する支持筒体と、少なくとも支
持筒体の内部に気体窒素を供給する気体窒素供給手段と
を備え、支持筒体内部の気体窒素を前記連通部を介して
黒体空洞部に供給し、開口部から排出するように構成し
たことを特徴とする極低温黒体炉としたものである。
決するため、請求項1に係る発明は、一端に測定用開口
部を備え内部に黒体空洞部を形成した黒体空洞部材と、
上端部に前記黒体空洞部材を固定し、内部が連通部によ
り前記黒体空洞部と連通する支持筒体と、少なくとも支
持筒体の内部に気体窒素を供給する気体窒素供給手段と
を備え、支持筒体内部の気体窒素を前記連通部を介して
黒体空洞部に供給し、開口部から排出するように構成し
たことを特徴とする極低温黒体炉としたものである。
【0010】また、請求項2に係る発明は、前記支持筒
体を、液体窒素を貯溜する容器内に収納してなる請求項
1記載の極低温黒体炉としたものである。
体を、液体窒素を貯溜する容器内に収納してなる請求項
1記載の極低温黒体炉としたものである。
【0011】また、請求項3に係る発明は、前記支持筒
体の下部に設けた開口から、気体窒素供給部を支持筒体
内部に挿入してなる請求項1記載の極低温黒体炉とした
ものである。
体の下部に設けた開口から、気体窒素供給部を支持筒体
内部に挿入してなる請求項1記載の極低温黒体炉とした
ものである。
【0012】また、請求項4に係る発明は、前記支持筒
体内の下部に加熱器を配置してなる請求項2記載の極低
温黒体炉としたものである。
体内の下部に加熱器を配置してなる請求項2記載の極低
温黒体炉としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例を図1に沿っ
て説明する。一端部が測定用の開口部2となり、他端部
が傾斜面3で閉鎖され、内部が黒化している筒状の黒体
空洞部材4は、その略中心下部において固定している支
持筒体5によって支持され、全体として本体部1を構成
している。支持筒体5は下端に開口6を有し、上端部分
は先細状となって、連通部7によって黒体空洞部材4の
内部空間である黒体空洞部8と連通している。この黒体
炉1は銅等の熱伝導性の良好な材質で形成されている。
て説明する。一端部が測定用の開口部2となり、他端部
が傾斜面3で閉鎖され、内部が黒化している筒状の黒体
空洞部材4は、その略中心下部において固定している支
持筒体5によって支持され、全体として本体部1を構成
している。支持筒体5は下端に開口6を有し、上端部分
は先細状となって、連通部7によって黒体空洞部材4の
内部空間である黒体空洞部8と連通している。この黒体
炉1は銅等の熱伝導性の良好な材質で形成されている。
【0014】図1の実施例においては、支持筒体5の外
周面10には気体窒素供給管11の螺旋管部9が巻回し
ている。気体窒素供給管11の下端は開口して気体窒素
供給口12を形成しており、この気体窒素供給口12は
支持筒体5の下端の開口6から支持筒体5内に入り、そ
の略中央に配置している。気体窒素供給管11の上端部
の気体窒素導入口13は図示されない窒素ガス供給装置
と接続されており、通常の方法で圧力調節した気体窒素
を気体窒素供給管11に供給している。このように気体
窒素供給管11が巻回され固定された支持筒体5は、容
器14内に載置され、必要に応じて適宜の手段で容器1
4に固定され、全体として極低温黒体炉20を構成して
いる。
周面10には気体窒素供給管11の螺旋管部9が巻回し
ている。気体窒素供給管11の下端は開口して気体窒素
供給口12を形成しており、この気体窒素供給口12は
支持筒体5の下端の開口6から支持筒体5内に入り、そ
の略中央に配置している。気体窒素供給管11の上端部
の気体窒素導入口13は図示されない窒素ガス供給装置
と接続されており、通常の方法で圧力調節した気体窒素
を気体窒素供給管11に供給している。このように気体
窒素供給管11が巻回され固定された支持筒体5は、容
器14内に載置され、必要に応じて適宜の手段で容器1
4に固定され、全体として極低温黒体炉20を構成して
いる。
【0015】容器14内には液体窒素19が所定液面ま
で予め流し込まれており、この液体窒素19は支持筒体
下部の開口6から支持筒体5内部に入り、支持筒体の内
外共に、図示するような均一の液面を保持している。上
記のようにして気体窒素供給管11に供給された気体窒
素は、螺旋管部9を流通する際に周囲の液体窒素19に
より冷却され、気体窒素供給口12から支持筒体5の内
部に供給される。
で予め流し込まれており、この液体窒素19は支持筒体
下部の開口6から支持筒体5内部に入り、支持筒体の内
外共に、図示するような均一の液面を保持している。上
記のようにして気体窒素供給管11に供給された気体窒
素は、螺旋管部9を流通する際に周囲の液体窒素19に
より冷却され、気体窒素供給口12から支持筒体5の内
部に供給される。
【0016】この極低温黒体炉20を常温常圧の室内に
置いた際には、支持筒体5の内部を含めて容器14内の
液体窒素は、その表面から大気中に直接気化する。一
方、支持筒体5の内部においては、その中心下部に配置
した気体窒素供給口12から気体窒素が噴出し、その気
体窒素は液体窒素19の内部を通り液面に至り、支持筒
体5の上端部分における先細状の部分を通り、連通部7
から黒体空洞部8に流入し、開口部2から流出する。黒
体空洞部8に供給される気体窒素は、液体窒素の沸点で
ある絶対温度77K付近の極低温状態にあり、支持筒体
5も同様に冷却されているのでここからの伝熱もあり、
空洞内部をこれらの熱で直接冷却することとなる。その
ため、室温環境に放置している状態であるにもかかわら
ず、極低温状態を長時間にわたり安定に維持することが
できる。また、ここから供給される気体窒素の量を調節
することにより、黒体空洞部8の温度を調節することも
できる。
置いた際には、支持筒体5の内部を含めて容器14内の
液体窒素は、その表面から大気中に直接気化する。一
方、支持筒体5の内部においては、その中心下部に配置
した気体窒素供給口12から気体窒素が噴出し、その気
体窒素は液体窒素19の内部を通り液面に至り、支持筒
体5の上端部分における先細状の部分を通り、連通部7
から黒体空洞部8に流入し、開口部2から流出する。黒
体空洞部8に供給される気体窒素は、液体窒素の沸点で
ある絶対温度77K付近の極低温状態にあり、支持筒体
5も同様に冷却されているのでここからの伝熱もあり、
空洞内部をこれらの熱で直接冷却することとなる。その
ため、室温環境に放置している状態であるにもかかわら
ず、極低温状態を長時間にわたり安定に維持することが
できる。また、ここから供給される気体窒素の量を調節
することにより、黒体空洞部8の温度を調節することも
できる。
【0017】上記のような極低温黒体炉20において
は、内部に供給される気体窒素は、水分を全く含んでい
ないため、黒体空洞内部に結露などを進行させることが
ない。更に、空洞内部には連続的に窒素ガスが供給され
ているため、周囲から空洞内部への大気ガスの流入が阻
止されており、大気中の水分による空洞内部の結露が進
行しない。
は、内部に供給される気体窒素は、水分を全く含んでい
ないため、黒体空洞内部に結露などを進行させることが
ない。更に、空洞内部には連続的に窒素ガスが供給され
ているため、周囲から空洞内部への大気ガスの流入が阻
止されており、大気中の水分による空洞内部の結露が進
行しない。
【0018】また、従来の装置のように真空環境に置く
必要が無く、更に、装置全体を気密性の高い容器で覆い
水分を含まない乾燥気体で置換する必要がないので装置
を小型化することができ、装置を携帯して測定現場に持
ち込み、赤外放射測定機器が使用環境に応じて変化する
条件を加味した、精密な測定が可能となる。更に、黒体
炉装置と放射測定器との間の光路中に真空装置の窓材等
を設ける必要が無くなり、測定結果が窓材表面の反射、
吸収、放射の影響を受けることが無くなるので、より正
確な測定が可能となる。
必要が無く、更に、装置全体を気密性の高い容器で覆い
水分を含まない乾燥気体で置換する必要がないので装置
を小型化することができ、装置を携帯して測定現場に持
ち込み、赤外放射測定機器が使用環境に応じて変化する
条件を加味した、精密な測定が可能となる。更に、黒体
炉装置と放射測定器との間の光路中に真空装置の窓材等
を設ける必要が無くなり、測定結果が窓材表面の反射、
吸収、放射の影響を受けることが無くなるので、より正
確な測定が可能となる。
【0019】また、空洞内部に供給される冷却気体は、
気化した低温窒素ガスであり、放射測定機器の観測する
赤外波長域に強い吸収帯をもたない同種核二原子分子気
体を用いるため、放射測定機器の観測に影響を与えるこ
とがない。
気化した低温窒素ガスであり、放射測定機器の観測する
赤外波長域に強い吸収帯をもたない同種核二原子分子気
体を用いるため、放射測定機器の観測に影響を与えるこ
とがない。
【0020】本発明の他の実施例を図2に基づいて説明
する。この極低温黒体炉30においては、前記図1に示
す極低温黒体炉20とほぼ同様の構成からなり、一端部
が開口部32となり、他端部が傾斜面33で閉鎖され、
内部が黒化している筒状の黒体空洞部材34は、支持筒
体35によって支持され、全体として本体部31を構成
している。支持筒体35は下端に開口36を有し、上端
部分は連通部37によって黒体空洞部材34の内部空間
である黒体空洞部38と連通している。この黒体炉31
は銅等の熱伝導性の良好な材質で形成している点、及び
上記本体部31が容器44に載置し、容器44内に液体
窒素を入れている点も同様である。
する。この極低温黒体炉30においては、前記図1に示
す極低温黒体炉20とほぼ同様の構成からなり、一端部
が開口部32となり、他端部が傾斜面33で閉鎖され、
内部が黒化している筒状の黒体空洞部材34は、支持筒
体35によって支持され、全体として本体部31を構成
している。支持筒体35は下端に開口36を有し、上端
部分は連通部37によって黒体空洞部材34の内部空間
である黒体空洞部38と連通している。この黒体炉31
は銅等の熱伝導性の良好な材質で形成している点、及び
上記本体部31が容器44に載置し、容器44内に液体
窒素を入れている点も同様である。
【0021】図1に示す極低温黒体炉30と大きく異な
る点は、支持筒体35の内部下端に加熱器40を配置し
ており、導線41から電流を供給することによりこの加
熱器40を加熱し、特に支持筒体32の内部の液体窒素
を加熱することによりこの部分の液体窒素を強制的に気
化させている点である。
る点は、支持筒体35の内部下端に加熱器40を配置し
ており、導線41から電流を供給することによりこの加
熱器40を加熱し、特に支持筒体32の内部の液体窒素
を加熱することによりこの部分の液体窒素を強制的に気
化させている点である。
【0022】このように構成することにより、黒体空洞
部34内に安定して充分な量の気化した液体窒素を供給
することができ、必要に応じて黒体空洞部34の温度を
測定しつつ加熱器に供給する電流を調整する等により、
より正確に黒体空洞部34内の温度を所定の値に維持す
ることができる。また、開口部32から流出する窒素ガ
スの量を多くし、開口部32から大気が空洞内部に進入
することを確実に防止することもできる。更に、前記図
1に示す極低温黒体炉と同様の種々の作用効果を奏する
こともできる。
部34内に安定して充分な量の気化した液体窒素を供給
することができ、必要に応じて黒体空洞部34の温度を
測定しつつ加熱器に供給する電流を調整する等により、
より正確に黒体空洞部34内の温度を所定の値に維持す
ることができる。また、開口部32から流出する窒素ガ
スの量を多くし、開口部32から大気が空洞内部に進入
することを確実に防止することもできる。更に、前記図
1に示す極低温黒体炉と同様の種々の作用効果を奏する
こともできる。
【0023】なお、本発明による黒体空洞部8、38の
形状は、円筒形のほか、円錐形、円筒円錐形、二重円錐
形等、種々の形状に設定することができる。
形状は、円筒形のほか、円錐形、円筒円錐形、二重円錐
形等、種々の形状に設定することができる。
【0024】
【発明の効果】本願の請求項1に係る発明は、黒体空洞
部に供給される気体窒素は、水分を全く含んでいないた
め、黒体空洞内部に結露などを進行させることがなく、
また、空洞内部より連続的に窒素ガスが供給されている
ため、周囲から空洞内部への大気ガスの流入が阻止され
ており、大気中の水分による空洞内部の結露が進行しな
い。そのため、常温常圧の大気中において長時間にわた
り、液体窒素沸点付近の極低温の黒体放射を安定して維
持することができる。
部に供給される気体窒素は、水分を全く含んでいないた
め、黒体空洞内部に結露などを進行させることがなく、
また、空洞内部より連続的に窒素ガスが供給されている
ため、周囲から空洞内部への大気ガスの流入が阻止され
ており、大気中の水分による空洞内部の結露が進行しな
い。そのため、常温常圧の大気中において長時間にわた
り、液体窒素沸点付近の極低温の黒体放射を安定して維
持することができる。
【0025】また、従来の装置のように真空環境に置く
必要が無く、更に、装置全体を気密性の高い容器で覆い
水分を含まない乾燥気体で置換する必要がないので装置
を小型化することができ、装置を携帯して測定現場に持
ち込み、赤外放射測定機器が使用環境に応じて変化する
条件を加味した、精密な測定が可能となる。更に、黒体
炉装置と放射測定器との間の光路中に真空装置の窓材等
を設ける必要が無くなり、測定結果が窓材表面の反射、
放射の影響を受けることが無くなるので、より正確な測
定が可能となる。
必要が無く、更に、装置全体を気密性の高い容器で覆い
水分を含まない乾燥気体で置換する必要がないので装置
を小型化することができ、装置を携帯して測定現場に持
ち込み、赤外放射測定機器が使用環境に応じて変化する
条件を加味した、精密な測定が可能となる。更に、黒体
炉装置と放射測定器との間の光路中に真空装置の窓材等
を設ける必要が無くなり、測定結果が窓材表面の反射、
放射の影響を受けることが無くなるので、より正確な測
定が可能となる。
【0026】また、空洞内部に供給される冷却気体は、
低温の気体窒素であり、放射測定機器の観測する赤外波
長域に強い吸収帯をもたない同種核二原子分子気体を用
いるため、放射測定機器の観測に影響を与えることがな
い。
低温の気体窒素であり、放射測定機器の観測する赤外波
長域に強い吸収帯をもたない同種核二原子分子気体を用
いるため、放射測定機器の観測に影響を与えることがな
い。
【0027】請求項2に係る発明は、支持筒体を、液体
窒素を貯溜する容器内に収納したので、支持筒体も液体
窒素で冷却することとができ、黒体空洞部を確実に冷却
することができる。
窒素を貯溜する容器内に収納したので、支持筒体も液体
窒素で冷却することとができ、黒体空洞部を確実に冷却
することができる。
【0028】また、請求項3に係る発明は、前記支持筒
体の下部に設けた開口から、気体窒素供給部を支持筒体
内部に挿入したので、支持筒体の内部に気体窒素を直接
導入することができ、黒体空洞部をより確実に冷却する
ことができる。
体の下部に設けた開口から、気体窒素供給部を支持筒体
内部に挿入したので、支持筒体の内部に気体窒素を直接
導入することができ、黒体空洞部をより確実に冷却する
ことができる。
【0029】また、請求項4に係る発明は、前記支持筒
体内の下部に加熱器を配置したので、支持筒体内部の液
体窒素が気体となって黒体空洞部に供給され、外部から
気体窒素を供給することなしに気体窒素を黒体空洞部に
確実に供給することができ、また、加熱調節により液体
窒素を所望の量だけ確実に気化させることができる。
体内の下部に加熱器を配置したので、支持筒体内部の液
体窒素が気体となって黒体空洞部に供給され、外部から
気体窒素を供給することなしに気体窒素を黒体空洞部に
確実に供給することができ、また、加熱調節により液体
窒素を所望の量だけ確実に気化させることができる。
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す断面図である。
1 黒体炉 2 開口部 3 傾斜面 4 黒体空洞部材 5 支持筒体 6 開口 7 連通部 8 黒体空洞部 9 螺旋管部 10 外周面 11 気体窒素供給管 12 気体窒素供給口 13 気体窒素導入口 14 容器 19 液体窒素
Claims (4)
- 【請求項1】 一端に測定用開口部を備え内部に黒体空
洞部を形成した黒体空洞部材と、上端部に前記黒体空洞
部材を固定し、内部が連通部により前記黒体空洞部と連
通する支持筒体と、少なくとも支持筒体の内部に気体窒
素を供給する気体窒素供給手段とを備え、支持筒体内部
の気体窒素を前記連通部を介して黒体空洞部に供給し、
開口部から排出するように構成したことを特徴とする極
低温黒体炉。 - 【請求項2】 前記支持筒体を、液体窒素を貯溜する容
器内に収納してなる請求項1記載の極低温黒体炉。 - 【請求項3】 前記支持筒体の下部に設けた開口から、
気体窒素供給部を支持筒体内部に挿入してなる請求項1
記載の極低温黒体炉。 - 【請求項4】 前記支持筒体内の下部に加熱器を配置し
てなる請求項2記載の極低温黒体炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34941899A JP3295727B2 (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | 極低温黒体炉 |
Applications Claiming Priority (1)
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EP3415884A4 (en) * | 2016-02-09 | 2019-10-23 | Inter-University Research Institute Corporation High Energy Accelerator Research Organization | RADIATION MEASURING DEVICE |
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1999
- 1999-12-08 JP JP34941899A patent/JP3295727B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN102809435A (zh) * | 2012-08-23 | 2012-12-05 | 哈尔滨工业大学 | 基于脉管制冷机的面源黑体辐射源 |
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