JP2001165052A - マイクロポンプおよび化学分析装置 - Google Patents

マイクロポンプおよび化学分析装置

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JP2001165052A
JP2001165052A JP34827899A JP34827899A JP2001165052A JP 2001165052 A JP2001165052 A JP 2001165052A JP 34827899 A JP34827899 A JP 34827899A JP 34827899 A JP34827899 A JP 34827899A JP 2001165052 A JP2001165052 A JP 2001165052A
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liquid
reagent
micropump
discharge
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Yasuhiro Yoshimura
保▼広▲ 吉村
Akira Koide
晃 小出
Yasuhiko Sasaki
康彦 佐々木
Takao Terayama
孝男 寺山
Akira Miyake
亮 三宅
Kiju Endo
喜重 遠藤
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出性がよく、吐出後に残液滴がなく、かつ
吐出液を微量にした場合でも高い吐出精度を有するマイ
クロポンプを提供する。 【解決手段】 マイクロポンプ53はノズルホルダ20
2上に載置され、また試薬容器201を保持するボトル
ジョイント203がマイクロポンプ53の上に載置され
ている。ノズルホルダ202には貫通孔202Aが形成
され、この貫通孔202Aの一側にマイクロポンプ53
の出口ポート100Aが、他側に筒状のノズル200が
嵌合されている。このノズル200を設けることによ
り、試薬容器201内の試薬をマイクロポンプ53でノ
ズル200の吐出口200Aから吐出するときの吐出性
をよくすることができ、液の吐出後に残液滴がなく、吐
出液を微量にした場合にも高い吐出精度を維持すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を毎秒数マイ
クロリットルから数百マイクロリットルと微量ずつ吐出
するマイクロポンプ、および該マイクロポンプを用いて
液体中に溶存する物質の濃度を定量することのできる化
学分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロポンプとしては、例えば
特開平6−173856号公報に記載されたものがあ
る。このマイクロポンプは、シリコンのマイクロマシニ
ングにより作製されたポンプ構造体をガラス基板でサン
ドイッチし、この構造体をポンプケースに組み込んだ構
造をしている。ポンプケースにはポンプへの液の供給口
であるポンプケース入力用貫通孔、およびポンプからの
液の吐出口であるポンプケース出力用貫通孔が設けられ
ており、前記両貫通孔の周囲には突出部が形成されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液体の吐出
を行う定量吐出装置や吐出液と検体との化学反応により
検査・分析する検査装置および分析装置などに、マイク
ロポンプを使用する目的としては、吐出液の微量化や吐
出精度の向上がある。上記公報においても、精密流体制
御デバイスとして医療用、分析用、液体の定量吐出への
実用を目的にしている。一方、吐出精度に影響を与える
主な因子としては、ポンプ駆動体の駆動精度、ポンプ室
の容積、吐出後の液の残留の有無があるが、このうち残
留液滴は、吐出後に液を吸引可能な場合には影響が小さ
くなる。
【0004】しかし、上記公報に記載されたマイクロポ
ンプでは吸引動作ができないため、ポンプ駆動体の駆動
制御や吐出口の構造により残液滴をなくす必要がある。
なお、上記マイクロポンプにはポンプケース出力用貫通
孔の周りに突出部が設けられているが、この構造では、
吐出性が悪く、吐出条件によっては吐出できず、さらに
吐出停止後に液滴が残留する可能性が高い。そして、液
滴が残留した場合、次の吐出液滴とともに吐出され定量
性が低下する恐れがある。
【0005】また、医療用の生化学分析装置などに使わ
れる試薬には、分散性を向上させるために、界面活性剤
を混合した試薬がある。このような界面活性剤入り試薬
を反応容器に注入する場合、試薬の注入速度が早くなり
過ぎると、注入中に泡が発生する。この泡は検体と試薬
との反応を阻害するとともに、反応性を検査するための
光学測定が困難となる。
【0006】本発明の目的は、吐出性がよく、吐出後に
残液滴がなく、かつ吐出液を微量にした場合にも高い吐
出精度を有するマイクロポンプ、および該マイクロポン
プを搭載した化学分析装置を提供することである。
【0007】
【発明を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、マイクロポンプ本体の出口ポートに連通
し、かつ前記出口ポートからの液体を整流し吐出する筒
状のノズルが設けられていることを特徴としている。
【0008】上記構成によれば、マイクロポンプによっ
てノズルから出る液体の吐出または滴下状態、すなわち
液体の液切れや泡立ちに影響する吐出または滴下の速度
を制御することが可能となり、その結果、吐出可能で吐
出後に残液滴がなくかつ高い吐出精度を実現できる。
【0009】また、本発明のマイクロポンプには、貫通
孔を有するノズルホルダが設けられ、前記貫通孔の一側
には前記出口ポートが接続され、前記貫通孔の他側には
前記ノズルが固定されていることを特徴としている。こ
のように構成すれば、マイクロポンプ本体の構造を変更
することなく、ノズルの形状を調節するだけで簡単に実
施することができる。
【0010】さらに、前記ノズルは、その少なくとも先
端部にフッ素樹脂層またはフッ素を含む化合物層が形成
されていることを特徴としている。このように構成すれ
ば、吐出または滴下する液体のノズルに対する濡れ性が
小さくなるため、吐出開始時および吐出終了時の最後の
液体がノズルから離れ易くなり、同じ吐出速度に対する
液切れ性が向上する。
【0011】マイクロポンプから吐出または滴下する液
体のノズルからの脱離をスムーズにし液切れを向上させ
るためには、液体の吐出速度を高める方がよく、マイク
ロポンプの吐出量が一定ならば、ノズルの内径を小さく
する方がよい。一方、マイクロポンプから吐出または滴
下された液体が、分析装置などの反応容器に注入された
ときの泡立ちを防止するためには、液体が容器またはセ
ルに注入された液面に接触する速度を遅くする方がよ
く、マイクロポンプの吐出量が一定ならばノズルの内径
を大きくする方がよい。
【0012】上記2つの条件を満足させるために、本発
明では、液体の表面張力をσ〔mN/m〕、液体の密度
をρ〔g/cm3〕、吐出流量をQ〔μリットル/s〕
としたとき、前記ノズル先端の吐出口の内径Dを、 √(0.00335Q)≦ D ≦ 3√(0.00636ρ
2/σ) となるように設定する。
【0013】また、本発明は、サンプルが入れられた複
数の反応容器と、前記反応容器中のサンプルに添加すべ
き各種試薬がそれぞれ入れられた複数の試薬容器と、前
記試薬容器の下部に取り付けられ、所定量の試薬を吸収
し前記反応容器に吐出するマイクロポンプと、前記試薬
が添加された後に前記サンプルの物性を計測する計測装
置とを備えた化学分析装置において、前記マイクロポン
プとして、上記マイクロポンプが搭載されていることを
特徴としている。
【0014】上記構成の化学分析装置によれば、吐出性
がよく、液切れ性もよく、液の吐出後に残液滴がなく、
吐出液を微量にした場合にも高い吐出精度を有する。ま
た、マイクロポンプから試薬を反応容器に注入したとき
に気泡が発生して、検体と試薬との反応や、反応性を評
価するための光学計測への阻害を防止することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。まず、本発明に係る化学分析装置を
図1を用いて説明する。図1(a)は化学分析装置10の
平面図、図1(b)はその正面図である。化学分析装置1
0の上部にはサンプルホルダ20が設置され、このサン
プルホルダ20には試料21の入った複数の試験管22
が円環状に配列されている。サンプルホルダ20は回転
自在であり、下方に設けられたサンプルホルダ回転駆動
機構23によって回転駆動される。
【0016】サンプルホルダ20の横方には反応ディス
ク30が設置され、この反応ディスク30には複数の反
応容器31が円環状に配列されている。反応ディスク3
0には恒温槽32が設けられており、各反応容器31の
下半分は恒温槽32内を流れる恒温水に浸っている。反
応ディスク30の下方には反応ディスク回転駆動機構3
3が設けられ、反応ディスク回転駆動機構33によって
反応ディスク30は回転駆動される。
【0017】サンプルホルダ20と反応ディスク30の
ほぼ中間部にサンプルピペッタ40が設置されている。
サンプルピペッタ40には、ノズル41、ノズル41を
昇降・旋回移動させる3次元駆動機構42、およびノズ
ル41内に試料を吸引・吐出するポンプ(図示省略)と
が設けられている。サンプルピペッタ40は、サンプル
ホルダ回転駆動機構23の回転駆動によりノズル41の
直下に順次送られてくるサンプルホルダ20上の試験管
22内から試料21を吸引するとともに、3次元駆動機
構42によってノズル41の位置がサンプルホルダ20
側から反応ディスク30側に移動したとき、反応ディス
ク回転駆動機構33の回転駆動によりノズル41の直下
に順次送られてくる反応ディスク30上の反応容器31
内に試料21を吐出する。
【0018】また、反応ディスク30の周囲には、試薬
供給部50,60、反応容器洗浄機構70、分光計測部
80が設けられ、ノズル41から試料21を吐出された
反応容器31は、反応ディスク30の回転に伴って、試
薬供給部50,60、反応容器洗浄機構70、分光計測
部80の位置を順に搬送される。
【0019】次に、上記試薬供給部50,60の構成に
ついて説明する。試薬供給部50,60は同じ構成であ
り、ここでは試薬供給部50について説明する。試薬供
給部50は、大別して、複数の試薬容器51、試薬容器
51を保持する試薬ホルダ52、試薬ホルダ52底部の
マイクロポンプ53、および試薬ホルダ52を回転駆動
する試薬ホルダ回転駆動機構54の4つの部分から構成
されている。試薬容器51は試薬ホルダ52内にその中
心軸周りに複数個保持され、この保持された試薬容器5
1の数と同数のマイクロポンプ53が設けられている。
試薬容器51の底面には接続孔があり、試薬ホルダ52
の底部に向かって強く押しつけることで、マイクロポン
プ53の吸入孔と接続できるようになっている。またマ
イクロポンプ53にはノズルが取り付けられており、こ
のノズルに形成された口が鉛直下方に向かって設けられ
ている。なお、ここでノズルは、後述するいくつかのノ
ズルを総称したものである。
【0020】図2は、マイクロポンプ53の概略断面図
である。マイクロポンプ53は、出口基板100、出口
弁基板101、送液室基板102、ダイヤフラム基板1
03がこの順で積層され、それぞれの基板は積層面で互
いに固着されている。ただし、出口弁基板101の出口
弁101A、送液室基板102の入口弁102Aおよび
ダイヤフラム基板103のダイヤフラム103Aは、送
液により稼動させる部分であるため固着されていない。
ダイヤフラム103Aにはアクチュエータ(図示省略)
が接続されており、送液はこのアクチュエータでダイヤ
フラム103Aを駆動させることにより行われる。アク
チュエータとしては、例えば、ピエゾ素子や電磁アクチ
ュエータ、形状記憶合金アクチュエータなどがある。本
実施の形態ではピエゾ素子アクチュエータを使用してい
る。また、ダイヤフラム基板103には入口ポート10
3Bが、出口基板100には出口ポート100Aがそれ
ぞれ形成されている。
【0021】次に、図3は本実施の形態のマイクロポン
プの特徴を示しており、ノズル200を備えたマイクロ
ポンプ54を試薬容器201に装着したときの断面図で
ある。ノズル200は、ノズルホルダ202の貫通孔2
02Aに圧入されている。圧入の方法としては、常温の
他に焼き嵌め、冷やし嵌めの方法がある。ノズル200
をノズルホルダ202に固定するその他の方法として
は、接着等もある。このノズル200の先端部の吐出口
200Aは内径が基部よりも小さく絞られた形状をして
いる。またノズル200の先端部表面には、フッ素樹脂
またはフッ素を含む化合物層が形成されている。フッ素
を含む化合物層としては、二フッ化カーボン(CF2
や三フッ化カーボン(CF3)がある。
【0022】マイクロポンプ53はノズルホルダ202
上に載置され、また、試薬容器201を保持するための
ボトルジョイント203がマイクロポンプ53の上に載
置されている。そして、ノズルホルダ202はボトルジ
ョイント203との間にマイクロポンプ53を挟持した
状態で、ボルト204,205によりボトルジョイント
203に固定されている。
【0023】ノズルホルダ202の貫通孔202Aとマ
イクロポンプ53の出口ポート100Aとは位置合せさ
れている。また、マイクロポンプ53の入口ポート10
3Bとボトルジョイント203の試薬出口203Aとは
位置合せされている。位置合せの精度は、開口部の位置
ずれによって吐出液体の流れに悪影響を及さない程度な
ら良い。その理由は、液体は実際にはノズル200を通
過する際に整流されるからである。
【0024】ボトルジョイント203の上部には凹部2
03Bが形成され、この凹部203Bに試薬容器201
底部の凸部201Aが嵌合し、ボトルジョイント203
の試薬入口203Cと試薬容器201の試薬出口201
Bとは位置合せされている。そして、ボトルジョイント
203と試薬容器201間にはスナップ206が設けら
れ、このスナップ206によって、ボトルジョイント2
03と試薬容器201とは強固に固定されている。ま
た、ボトルジョイント203の試薬入口203Cと試薬
出口203Aとは、試薬流路203Dでつながってい
る。
【0025】マイクロポンプ53の上面には、該マイク
ロポンプ53を駆動するための圧電ディスク207が接
着または接合されている。接合は、陽極酸化法、はんだ
付け法、拡散接合法などがある。
【0026】ノズルホルダ202とマイクロポンプ53
との間、およびマイクロポンプ53とボトルジョイント
203との間の接続部における液漏れ防止のために、O
リング208,209が設けられている。また、試薬容
器201とボトルジョイント203との間でも液漏れ防
止のためにシール板210が設けられている。本実施の
形態では、シール210板としてシリコン樹脂を用いた
が、その他の耐薬品性のある材質ならばフッ素樹脂やそ
の他の素材でも良い。また本実施の形態では、ノズルホ
ルダ202およびボトルジョイント203として硬質塩
化ビニルを用いたが、これに限定することはなく、耐薬
品性があり、また液体の吐出操作時の弾性変形量が吐出
に影響しない剛性があればよく、例えばテトラフルオロ
エチレンやポリプロピレンなどがある。
【0027】次に、ノズルホルダ202へのノズル20
0の固定の仕方はいろいろあり、そのうちの幾つかにつ
いて説明する。まず、図4においては、ノズルホルダ2
02の貫通孔202Aの開口部に筒状のノズル取付突起
202Bが設けられている。このノズル取付突起202
Bの外径はノズル200の内径にほぼ等しく形成され、
ノズル200はノズル取付突起202Bの外側に圧入さ
れ固定されている。図中、202CはOリング208が
嵌合されるOリング溝である。
【0028】図5においては、図4と同様に、ノズルホ
ルダ202の貫通孔202Aの開口部に筒状のノズル取
付突起202Dが設けられているが、このノズル取付突
起202Dの内径はノズル200の外径にほぼ等しく形
成されている。そして、ノズル200はノズル取付突起
202Dの内側に圧入され固定されている。
【0029】また、図6においては、ノズルホルダ20
2にノズル200が接着剤で接着されて固定されてい
る。図中、202Eは接着剤層を示している。
【0030】また、図7は、ノズル202Fがノズルホ
ルダ202に一体成形された例である。
【0031】次に、ノズル形状の他の例について説明す
る。図8〜図10は、ノズルの断面形状を示している。
まず、図8におけるノズル200Bはテーパ状に形成さ
れており、外径および内径とも図の上部から下部に亘っ
て連続的に小さくなっている。ノズル200Bの肉厚は
どこでも同一である。内径の小さい方が液体の出口であ
る。
【0032】図9におけるノズル200Cは、内径はど
こも同一であるが、外径は図の上部では大きく、下部で
は小さくなっている。すなわち、ノズル200Cの肉厚
は上部では厚く、下部では薄くなっている。
【0033】図10におけるノズル200Dは、外径、
内径および肉厚も変化しないストレート管である。
【0034】ノズルの出口の肉厚は薄い方が良く、これ
は、吐出停止直後に液滴がノズルに残留するような吐出
条件でも、液体の運動エネルギが液体のノズルへの付着
力よりも大きくなるために、付着せずに慣性で飛び出す
ためである。ノズルの長さは、1mm以上あれば、通過
液体の整流作用があるために良いが、本実施の形態では
8mmまたは10mmのノズルを使用した。
【0035】図3〜図10に示した各ノズルには、フッ
素樹脂またはフッ素を含む化合物で表面がコーティング
されている。これにより、吐出または滴下する液体のノ
ズルに対する濡れ性が小さくなり、すなわち液体を弾き
易くなるため、吐出を停止したときの液体の切れが良く
なり、吐出精度の低下や、汚れの付着防止の効果は大き
くなる。
【0036】フッ素樹脂またはフッ素を含む化合物のコ
ーティング方法としては、処理液に浸漬した後に引き上
げ、90℃乃至230℃で加熱した炉中で5分以上乾燥
する方法がある。また、浸漬の代わりにスプレ塗布や刷
毛塗りでもよい。ただし、膜厚制御に関しては、浸漬法
が最も良く10〜50ナノメータの誤差範囲で制御可能
であった。スプレ塗布の場合の膜厚誤差は、50〜20
0ナノメータと大きかった。刷毛塗りの場合、膜厚誤差
は400〜600ナノメータであった。
【0037】図11はノズル付きマイクロポンプの吐出
試験をした結果であり、吐出可能な吐出条件を示す図で
ある。ノズルにはフッ素樹脂をコーティングした。マイ
クロポンプの駆動は、圧電素子を用い、駆動周波数は、
100〜500Hz、振幅は50〜300Vで駆動波形
は正弦波とした。吐出液には、界面活性剤入りの試薬、
水および水に界面活性剤をいれた液を使用した。吐出液
に界面活性剤が入ると、濡れ性が高まり、ノズルからの
吐出性が低下するため、多数ある試薬のうち液切れ困難
なもので最適条件を求めれば良い。液の吐出量は天秤で
計り、また吐出の状況は、高速度カメラで撮影した。
【0038】図11の横軸は、吐出される液の慣性力と
液の表面張力との比である。慣性力はノズルから離れて
吐出しようとする力で、表面張力がノズルに付着しよう
とする力であるため、この値が大きいほど吐出性が良
い。一方、縦軸は、天秤で計った吐出量をノズル内径の
面積で割って求めた平均流速V1と高速度カメラで撮影
された吐出液滴から求めた実際の吐出液滴速度V2との
比である。平均流速V1と吐出液滴速度V2は、それぞれ
液体の入力と出力に相当しているため、V2 /V1の値
がゼロになった場合は、吐出が不可能となり、ノズル先
端に液体が溜まる状態、または滴り落ちる状態となる。
図11によると、記号AおよびBの範囲の斜線部が吐出
可能と不可能の遷移領域である。この遷移領域も含めて
考えると、吐出可能な吐出条件は、式Aで示される。
【0039】図12はノズル付きマイクロポンプの吐出
試験をした結果であり、セルの泡立ち防止範囲を示す図
である。マイクロポンプの駆動は、圧電素子を用い、駆
動周波数は100〜500Hz、振幅は50〜300V
で駆動波形は正弦波とした。吐出液には、界面活性剤入
りの試薬を使用した。界面活性剤入りの試薬は、セルに
注入されたときに泡が発生し易いため、このときの条件
を決定できれば、界面活性剤が入っていない試薬または
液体は泡が発生しない。液の吐出量は天秤で計り、また
試薬がセルに注入される状態は、高速度カメラで撮影し
た。泡の発生は高速度カメラの映像から目視判定した。
【0040】図12の横軸は、吐出流量をノズル内径の
断面積で割った平均流量である。縦軸は、泡の発生があ
る場合を上方、泡の発生が無い場合を下方に印した。記
号CおよびDの間の範囲は、泡の発生の有無の遷移領域
である。遷移領域を含めて泡の発生を防止する条件は、
式Bに示される。
【0041】上記の式Aおよび式Bから、ノズルの液体
吐出口の内径の最適範囲を求めると式Cに表すことがで
きる。
【0042】吐出実験で使用した界面活性剤入りの試薬
の表面張力は、約30dyn/cmであった。水に界面
活性剤を入れた液の表面張力は、記号HT0.1Tのも
のが約45dyn/cm、記号HT0.02Tのもの
が、約61dyn/cmであった。水の表面張力は72
dyn/cmとして計算した。また、それぞれの液体の
密度はほぼ1.0g/cm3であった。
【0043】次に、上記の式Aおよび式Bから式Cの求
め方について説明する。ノズルの吐出口から吐出される
液滴の慣性力PIは、次の(1)式で求められる。 PI=ρD22 ………(1) ここで、D:ノズル吐出口の内径〔mm〕 V:液滴の吐出速度〔m/s〕 ρ:液体の密度〔g/cm3〕 である。
【0044】一方、吐出時に液滴がその表面張力により
ノズル吐出口に付着しようとする力WLは、次の(2)
式で求められる。 WL=πDσ ………(2) ここで、πD:ノズル吐出口の内周長さ〔mm〕 σ:液体の表面張力〔mN/m〕 である。
【0045】上記慣性力PIと付着力WLとの比(ウェー
バ数)We求めると、(3)式のようになる。なお、簡
単のために定数πを1に置き換えている。 We=PI/WL=ρDV2/σ ………(3) また、平均流速V1〔m/s〕は次の(4)式で求めら
れる。 V1=Q/S=4Q/(1000・πD2) ………(4) ここで、Q:吐出された液滴の流量〔μリットル/s=
mm3/s〕 S:ノズル吐出口の断面積〔mm2〕 である。
【0046】そして、実験の結果、式AのようにWe=
ρDV2/σ≧2.5であるから、これに(4)式を代入
し、単位を〔m〕に統一して整理すると、次の(5)式
のようになる。 D≦3√(0.00636ρQ2)/σ ………(5) また、式BのV1≦0.38に(4)式を代入し、単位を
〔m〕に統一して整理すると、次の(6)式のようにな
る。 D≧√(0.00335Q) ………(6) (5)式および(6)式より、 √(0.00335Q)≦D≦3√(0.00636ρQ2/σ) ……(7) が求められる。
【0047】なお、上記実施の形態ではダイヤフラム式
のマイクロポンプについて説明してきたが、本発明はギ
ヤ式のマイクロポンプにも適用可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸引制御が困難であるマイクロポンプにおいても吐出性
がよくなるため、液の吐出後に残液滴がなく、吐出液を
微量にした場合にも高い吐出精度を確保することができ
る。
【0049】また、本発明のマイクロポンプを化学分析
装置に搭載すれば、反応容器に試薬を注入した場合に泡
立ちがないため、検体と試薬との反応や光学測定を阻害
しない化学分析装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化学分析装置の構成を示しており、
(a)はその正面図、(b)は平面図である。
【図2】マイクロポンプの概略断面図である。
【図3】本発明のマイクロポンプを試薬容器に装着した
場合の断面図である。
【図4】ノズルホルダへのノズルを取り付ける際の他の
例を示した図である。
【図5】ノズルホルダへのノズルを取り付ける際の他の
例を示した図である。
【図6】ノズルホルダへのノズルを取り付ける際の他の
例を示した図である。
【図7】ノズルホルダへのノズルを取り付ける際の他の
例を示した図である。
【図8】ノズルの他の例を示した図である。
【図9】ノズルの他の例を示した図である。
【図10】ノズルの他の例を示した図である。
【図11】ノズル付きマイクロポンプの吐出試験をした
結果であり、吐出可能な吐出条件範囲を示した図であ
る。
【図12】ノズル付きマイクロポンプの吐出試験をした
結果であり、セルの泡立ち防止範囲を示した図である。
【符号の説明】
10 化学分析装置 20 サンプルホルダ 22 試験管 23 サンプルホルダ回転駆動機構 30 反応ディスク 31 反応容器 32 恒温槽 33 反応ディスク回転駆動機構 40 サンプルピペッタ 41 ノズル 42 3次元駆動機構 50,60 試薬供給部 51 試薬容器 52 試薬ホルダ 53 マイクロポンプ 54 試薬ホルダ回転駆動機構 70 反応容器洗浄機構 80 分光計測部 100 ノズル基板 100A 吐出ポート 200 ノズル 201 試薬容器 202 ノズルホルダ 202A 貫通孔 202B,202C ノズル取付突起 202E 接着剤層 203 ボトルジョイント 202F ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 康彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 寺山 孝男 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 (72)発明者 三宅 亮 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 遠藤 喜重 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 2G058 BB15 CB04 CD04 EA11 EB00 ED03 ED35 GA03 3H077 AA01 BB03 BB10 CC02 CC09 DD05 DD06 DD08 EE05 FF14 FF60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロポンプ本体の出口ポートに連通
    し、かつ前記出口ポートからの液体を整流し吐出する筒
    状のノズルが設けられていることを特徴とするマイクロ
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のマイクロポンプにおい
    て、 貫通孔を有するノズルホルダが設けられ、前記貫通孔の
    一側には前記出口ポートが接続され、前記貫通孔の他側
    には前記ノズルが固定されていることを特徴とするマイ
    クロポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のマイクロポンプにおい
    て、 前記ノズルは、その少なくとも先端部にフッ素樹脂層ま
    たはフッ素を含む化合物層が形成されていることを特徴
    とするマイクロポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のマイクロポンプにおい
    て、 液体の表面張力をσ〔mN/m〕、液体の密度をρ〔g
    /cm3〕、吐出流量をQ〔μリットル/s〕としたと
    き、前記ノズル先端の吐出口の内径Dは、 √(0.00335Q)≦ D ≦ 3√(0.00636ρ
    2/σ) を満たすことを特徴とするマイクロポンプ。
  5. 【請求項5】 サンプルが入れられた複数の反応容器
    と、前記反応容器中のサンプルに添加すべき各種試薬が
    それぞれ入れられた複数の試薬容器と、前記試薬容器の
    下部に取り付けられ、所定量の試薬を吸収し前記反応容
    器に吐出するマイクロポンプと、前記試薬が添加された
    後に前記サンプルの物性を計測する計測装置とを備えた
    化学分析装置において、 前記マイクロポンプとして、請求項1〜4のいずれかに
    記載のマイクロポンプが搭載されていることを特徴とす
    る化学分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008065759A1 (fr) * 2006-11-30 2008-06-05 A & T Corporation Embout de buse et distributeur
JP2017198687A (ja) * 2011-09-21 2017-11-02 サクラ ファインテック ユー.エス.エー., インコーポレイテッド 自動染色システムおよび反応チャンバ

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