JP2001165029A - 負圧利用型揚水構造物、及び負圧を利用した揚水方法 - Google Patents

負圧利用型揚水構造物、及び負圧を利用した揚水方法

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JP2001165029A JP34974799A JP34974799A JP2001165029A JP 2001165029 A JP2001165029 A JP 2001165029A JP 34974799 A JP34974799 A JP 34974799A JP 34974799 A JP34974799 A JP 34974799A JP 2001165029 A JP2001165029 A JP 2001165029A
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/30Energy from the sea, e.g. using wave energy or salinity gradient

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水域上層の水平水流を利用して底層水を揚水
し海水交換が可能な負圧利用型揚水構造物、及びその方
法を提供する。 【解決手段】 上層部に水平潮流F1等が流れる海域の
海底B上に構築されるマウンド1と、マウンド1の基部
から頂部にかけて配置される揚水管2と、鉛直方向に向
くようにマウンド1の頂部に設置され揚水管2と連通す
る揚水ヘッド3を備え、排水口3a付近を流れる潮流F
1により揚水ヘッド3の上部に負圧を発生させ、集水口
2aから底層部海水W1を吸入して揚水し、排水口3a
から排水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水流による負圧を
利用して揚水する負圧利用型揚水構造物、及びその方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防波堤等により海域を区画した港
においては、港の内外の海水の交流(以下、「海水交
換」という。)が少なくなることが多かった。このた
め、特に夏季においては、表層の海水は温度がつねに高
くなるため単位体積重量(比重)が軽くなってつねに上
層に位置し、一方、海底付近の底層の海水は温度が相対
的に低くなるため単位体積重量(比重)が重くなってつ
ねに下層に位置することとなり、海水がいわゆる「成層
状態」となる。このような状態では、上層と下層の海水
が対流しなくなり、特に海底付近の底層水には、海面か
らの酸素が供給されず、溶存酸素量の少ない「貧酸素海
水」となるため、生物の棲息が極めて困難となり、環境
が悪化する。このことから、港内側の海水環境の維持が
課題となっていた。
【0003】このため、堤体を介して海水交換が可能な
形式の構造物(以下、「海水交換構造物」という。)と
して、各種の構成のものが提案されている。
【0004】このような海水交換構造物の一つとして、
潮汐による海水位の差(以下、「潮位差」という。)を
利用して海水交換を行うもの(以下、「潮位差式海水交
換構造物」という。)がある。これは、設置海域付近
に、海水を貯留可能な池(以下、「貯留池」という。)
として利用し得る地形が存在する、等の自然地勢的条件
に恵まれていれば、実現は可能である。しかし、このよ
うな地勢的条件が満たされない場合には、防波堤等の背
後に貯留池を人工的に建設する必要がある。特に、水深
が大きい場合や面積が大きな場合には、多額の工事費が
かかり、効果に対し経済的に見合わない、という問題が
あった。
【0005】他の方式として、電動モーター等を駆動源
とするポンプを防波堤等の堤体に設け、外海側の海水を
汲み上げて内海側に流入させるとともに、内海側の表層
と底層を撹拌するもの(以下、「ポンプ式海水交換構造
物」という。)も提案されているが、電力の費用の面
で、経済的ではない、という問題があった。
【0006】このため、海水交換構造物としては、海波
の力を利用して海水交換を行うもの(以下、「波力式海
水交換構造物」という。)が一般的である。これは、外
海側から防波堤に到来し打ち寄せる海波(以下、「入射
波」という。)の上下動のエネルギーを利用し、海水を
防波堤の港内側へ一方向流として流入させるようにした
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の波力式海水交換構造物では、利用する海波が港
外側から港内側へ向かって到来するため、海水は港外側
から港内側への一方向に流入することとなり、港内側の
海水を港外側へ流すことはできないか、あるいはできた
としても、港内海水の表面付近のわずかな海水のみであ
った。したがって、従来の波力式海水交換構造物では、
港内側の海底付近の底層に発生する貧酸素海水を取り出
して港外側へ流すことはできず、海水交換効率も限られ
る、という問題があった。
【0008】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、水
域上層の水平水流を利用して底層水を揚水し海水交換が
可能な負圧利用型揚水構造物、及びその方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る負圧利用型揚水構造物は、上層部に水
平水流が流れる水域の水底上に構築される堤構造物と、
管状に形成され、前記堤構造物の基部から頂部にかけて
配置される揚水管と、筒状に形成され、中心軸線方向が
鉛直方向となるように前記堤構造物の頂部に設置される
揚水ヘッドであって、前記揚水ヘッドの上部開口である
排水口が前記水域の上層部付近に配置されるとともに、
前記揚水ヘッドの側部又は下部が前記揚水管の上部開口
である連通口と連通するように構成された揚水ヘッドを
備え、前記揚水ヘッドの排水口付近を流れる水平水流に
より前記揚水ヘッドの上部に負圧を発生させ、前記揚水
管の下部開口である集水口から底層部の水を吸入し、前
記吸入された底層部の水を前記揚水管内を上昇させて揚
水し、前記排水口から排水することを特徴とする。
【0010】上記した負圧利用型揚水構造物において、
好ましくは、前記堤構造物の頂部に設置される潜堤であ
って、前記潜堤の上端位置が前記揚水ヘッドの排水口の
位置よりも低い位置に設定される潜堤を備える。
【0011】また、上記した負圧利用型揚水構造物にお
いて、好ましくは、前記揚水ヘッドは、前記排水口付近
が鉛直上方に向かうにつれ断面が拡大する。
【0012】また、本発明に係る負圧を利用した揚水方
法は、上層部に水平水流が流れる水域の水底上に堤構造
物を構築し、管状に形成された揚水管を、前記堤構造物
の基部から頂部にかけて配置し、筒状に形成された揚水
ヘッドを、中心軸線方向が鉛直方向となるように前記堤
構造物の頂部に設置し、前記揚水ヘッドの上部開口であ
る排水口を前記水域の上層部付近に配置するとともに、
前記揚水ヘッドの側部又は下部を前記揚水管の上部開口
である連通口と連通させ、前記揚水ヘッドの排水口付近
を流れる水平水流により前記揚水ヘッドの上部に負圧を
発生させ、前記揚水管の下部開口である集水口から底層
部の水を吸入し、前記吸入された底層部の水を前記揚水
管内を上昇させて揚水し、前記排水口から排水すること
を特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0014】図1は、本発明に係る負圧利用型揚水構造
物の一実施形態である負圧利用型海水交換構造物の構成
を示す図であり、図1(A)は側面図を、図1(B)は
上面図を、それぞれ示している。
【0015】図1に示すように、この負圧利用型海水交
換構造物100は、海底B上に構築された傾斜堤状の堤
構造物であるマウンド1と、マウンド1上に設けられた
揚水管2と揚水ヘッド3を備えて構成されている。図に
おいて、Sは海面を示している。
【0016】マウンド1は、海底B上に石が台形断面形
状に積み上げて形成され、水平な頂部と斜面を有してい
る。マウンド1が構築される箇所は、海域であり、港外
側(図1(A)における右側)と港内側(図1(A)に
おける左側)の境界付近となっている。また、マウンド
1は、この海域の海底B上において、港外側と港内側の
境界線にほぼ平行となるように、あるいは港外側と港内
側の境界線に沿うように構築されている。
【0017】図1(A)に示すように、この海域の上層
部には、下げ潮(干潮)時においては、港内側から港外
側に向かって第1潮流F1が流れる。また、上げ潮(満
潮)時には、この海域の上層部に、港外側から港内側に
向かって第2潮流F2が流れる。
【0018】揚水管2は、鋼等からなり、管状に形成さ
れた部材である。揚水管2は、水平管部2cと、第1斜
管部2dと、第2斜管部2eを有している。
【0019】水平管部2cは、マウンド1の斜面が海底
Bに接する部分(以下、「基部」という。)に配置され
ている。また、第1斜管部2dは、第1斜管部2dの始
端開口が水平管部2cの終端開口と連通し、マウンド1
の斜面の基部から上方に延びるように配置されている。
また、第2斜管部2eは、第2斜管部2eの始端開口が
第1斜管部2dの終端開口と連通し、マウンド1の斜面
の上方に延びるように配置されている。
【0020】また、水平管部2cの始端開口2a(以
下、「集水口」という。)は、マウンド1の基部の海底
B付近に開口している。また、第2斜管部2eの終端開
口2b(以下、「連通口」という。)は、マウンド1の
頂部に達している。
【0021】揚水ヘッド3は、鋼等からなり、筒状に形
成された部材である。揚水ヘッド3は、中心軸線方向が
鉛直方向となるように、マウンド1の頂部に設置されて
いる。揚水ヘッド3は、揚水ヘッド3の上部開口3a
(以下、「排水口」という。)が、この海域の上層部付
近となるように配置されている。また、揚水ヘッド3の
側部には、開口が形成され、揚水管2の上部開口である
連通口2bと連通するように構成されている。
【0022】なお、揚水ヘッド3の筒体の下端は、板状
部材等により閉塞されてもよいし、あるいは、マウンド
1の頂部との間に間隙が生じないようにコンクリート等
により閉塞されるように構成してもよい。
【0023】次に、図2を参照しつつ、上記の負圧利用
型海水交換構造物100の作用について説明を行う。
【0024】図2に示すように、揚水ヘッドの上部開口
付近に水平方向の水流があると、揚水ヘッドの筒の上部
端縁に達した水流に次々と剥離渦が発生する。この剥離
渦は、下流側に向かうにつれて発達する。この剥離渦に
より、揚水ヘッドの上部の圧力は低下し、揚水ヘッドの
上部が負圧状態となる。
【0025】このため、揚水ヘッド内の水は、下から上
に向かってbのように流れ、揚水ヘッドの上端で、水平
水流の方向に曲げられ、c、dのようにして揚水ヘッド
の外部へ排出される。揚水ヘッド内に水がaのように補
給されれば、水は、上記と同様にして、b、c、dの順
に、揚水ヘッド内を揚水され、揚水ヘッド外部へ排出さ
れる。
【0026】したがって、揚水ヘッドの上端開口付近に
水平水流が流れる場合には、この揚水ヘッドは、揚水ヘ
ッド内の下部の水を上昇させ、揚水ヘッドの上端開口か
ら外部へ排出する、という「ポンプ」としての機能を果
たす。
【0027】図3は、各種の揚水ヘッドの構成を示す図
である。また、図4は、図3に示す揚水ヘッドの揚水性
能の実験結果を示す特性グラフである。
【0028】図3において、図3(1−1)及び図3
(1−2)は、タイプ1の揚水ヘッドを示しており、図
3(1−1)は上面図を、図3(1−2)は側方から見
た断面図を、それぞれ示している。図3(1−1)及び
図3(1−2)に示すように、タイプ1の揚水ヘッド
は、鉛直方向に延びる円形断面の直筒(基本形)であ
る。
【0029】また、図3において、図3(2−1)及び
図3(2−2)は、タイプ2の揚水ヘッドを示してお
り、図3(2−1)は上面図を、図3(2−2)は側方
から見た断面図を、それぞれ示している。図3(2−
1)及び図3(2−2)に示すように、タイプ2の揚水
ヘッドは、鉛直方向に延びる円形断面の直筒の上部が水
平に屈曲した筒状部材である。
【0030】また、図3において、図3(3−1)及び
図3(3−2)は、タイプ3の揚水ヘッドを示してお
り、図3(3−1)は上面図を、図3(3−2)は側方
から見た断面図を、それぞれ示している。図3(3−
1)及び図3(3−2)に示すように、タイプ3の揚水
ヘッドは、鉛直方向に延びる円形断面の直筒の上部の断
面が、上方に向かうにつれて円錐台状に拡大した筒状部
材である。
【0031】また、図3において、図3(4−1)及び
図3(4−2)は、タイプ4の揚水ヘッドを示してお
り、図3(4−1)は上面図を、図3(4−2)は側方
から見た断面図を、それぞれ示している。図3(4−
1)及び図3(4−2)に示すように、タイプ4の揚水
ヘッドは、鉛直方向に延びる円形断面の直筒の上部が斜
めに切除された筒状部材である。
【0032】また、図3において、図3(5−1)及び
図3(5−2)は、タイプ5の揚水ヘッドを示してお
り、図3(5−1)は上面図を、図3(5−2)は側方
から見た断面図を、それぞれ示している。図3(5−
1)及び図3(5−2)に示すように、タイプ5の揚水
ヘッドは、鉛直方向に延びる円形断面の直筒の上部に、
円形断面の水平筒がT字状に取り付けられた筒状部材で
ある。
【0033】また、図4のグラフの横軸は、揚水ヘッド
の上端開口付近に接近して流れる水平水流の流速(単
位:センチメートル/秒)を示している。また、図4の
グラフの縦軸は、揚水ヘッドの内部を垂直に上昇する水
の流速(単位:センチメートル/秒)を示している。
【0034】図4のグラフにおいて、白四角点の実線
は、図3(1−1)及び図3(1−2)に示すタイプ1
の場合であり、水平水流が、図3(1−1)における矢
印の方向に流れる場合の実験結果を示している。
【0035】また、図4のグラフにおいて、白丸点の実
線は、図3(2−1)及び図3(2−2)に示すタイプ
2の場合であり、水平水流が、図3(2−1)で0°と
図示された矢印の方向に流れる場合の実験結果を示して
いる。すなわち、図4のグラフにおける白丸点の実線
は、タイプ2の揚水ヘッドの上部の水平に屈曲した筒状
部分の開口部が、水平水流に対して下流側を向く場合の
実験結果を示している。
【0036】また、図4のグラフにおいて、白丸点の破
線は、図3(2−1)及び図3(2−2)に示すタイプ
2の場合であり、水平水流が、図3(2−1)で90°
と図示された矢印の方向に流れる場合の実験結果を示し
ている。すなわち、図4のグラフにおける白丸点の破線
は、タイプ2の揚水ヘッドの上部の水平に屈曲した筒状
部分の開口部が、水平水流に対して垂直な方向に向けら
れる場合の実験結果を示している。
【0037】また、図4のグラフにおいて、白丸点の1
点鎖線は、図3(2−1)及び図3(2−2)に示すタ
イプ2の場合であり、水平水流が、図3(2−1)で1
80°と図示された矢印の方向に流れる場合の実験結果
を示している。すなわち、図4のグラフにおける白丸点
の1点鎖線は、タイプ2の揚水ヘッドの上部の水平に屈
曲した筒状部分の開口部が、水平水流に対して上流側を
向く場合の実験結果を示している。
【0038】また、図4のグラフにおいて、黒丸点の実
線は、図3(3−1)及び図3(3−2)に示すタイプ
3の場合であり、水平水流が、図3(3−1)における
矢印の方向に流れる場合の実験結果を示している。
【0039】また、図4のグラフにおいて、×点の実線
は、図3(4−1)及び図3(4−2)に示すタイプ4
の場合であり、水平水流が、図3(4−1)で0°と図
示された矢印の方向に流れる場合の実験結果を示してい
る。すなわち、図4のグラフにおける×点の実線は、タ
イプ4の揚水ヘッドの上部の傾斜した端縁部分が、水平
水流に対して下流側を向く場合の実験結果を示してい
る。
【0040】また、図4のグラフにおいて、×点の破線
は、図3(4−1)及び図3(4−2)に示すタイプ4
の場合であり、水平水流が、図3(4−1)で90°と
図示された矢印の方向に流れる場合の実験結果を示して
いる。すなわち、図4のグラフにおける×点の破線は、
タイプ4の揚水ヘッドの上部の傾斜した端縁部分が、水
平水流に対して垂直な方向に向けられる場合の実験結果
を示している。
【0041】また、図4のグラフにおいて、×点の1点
鎖線は、図3(4−1)及び図3(4−2)に示すタイ
プ4の場合であり、水平水流が、図3(4−1)で18
0°と図示された矢印の方向に流れる場合の実験結果を
示している。すなわち、図4のグラフにおける×点の1
点鎖線は、タイプ4の揚水ヘッドの上部の傾斜した端縁
部分が、水平水流に対して上流側を向く場合の実験結果
を示している。
【0042】また、図4のグラフにおいて、白三角点の
実線は、図3(5−1)及び図3(5−2)に示すタイ
プ5の場合であり、水平水流が、図3(5−1)で0°
と図示された矢印の方向に流れる場合の実験結果を示し
ている。すなわち、図4のグラフにおける白三角点の実
線は、タイプ5の揚水ヘッドの上部の水平筒部分に対し
て平行に水平水流が流れる場合の実験結果を示してい
る。
【0043】また、図4のグラフにおいて、白三角点の
破線は、図3(5−1)及び図3(5−2)に示すタイ
プ5の場合であり、水平水流が、図3(5−1)で90
°と図示された矢印の方向に流れる場合の実験結果を示
している。すなわち、図4のグラフにおける白三角点の
破線は、タイプ5の揚水ヘッドの上部の水平筒部分の開
口部が、水平水流に対して垂直な方向に向けられる場合
の実験結果を示している。
【0044】図4において、縦軸の揚水流速が零よりも
大きい場合には、揚水されていることを示す。したがっ
て、図4から、タイプ2−180°(白丸点の1点鎖
線)の場合(図3(2−1)及び図3(2−2)に示す
揚水ヘッドの上部の屈曲した筒状部分の開口部が水平水
流の上流側を向く場合)と、タイプ4−180°(×点
の1点鎖線)の場合(図3(4−1)及び図3(4−
2)に示す揚水ヘッドの上部の傾斜した端縁部分が水平
水流の上流側を向く場合)と、タイプ5−0°(白三角
点の実線)の場合(図3(5−1)及び図3(5−2)
に示す揚水ヘッドの上部の水平筒部分に平行に水平水流
が流れる場合)以外のタイプは、揚水効果があることが
わかる。
【0045】特に、タイプ3(黒丸点の実線)の場合
(図3(3−1)及び図3(3−2)に示すような円形
断面の直筒の上部の断面が上方に向かうにつれて円錐台
状に拡大する揚水ヘッド)は、揚水効果が最も大きいこ
とがわかる。また、タイプ5−90°(白三角点の破
線)の場合(図3(5−1)及び図3(5−2)に示す
揚水ヘッドの上部の水平筒部分の開口部が水平水流の方
向に対して垂直な方向に向けられる場合)と、タイプ4
−0°(×点の実線)の場合(図3(4−1)及び図3
(4−2)に示す揚水ヘッドの上部の傾斜した端縁部分
が水平水流の下流側を向く場合)がそれに次ぐ揚水効果
を有していることがわかる。また、タイプ5−0°(白
三角点の実線)の場合(図3(5−1)及び図3(5−
2)に示す揚水ヘッドの上部の水平筒部分に平行に水平
水流が流れる場合)であっても、揚水ヘッド上端部付近
を流れる水平水流の流速が速ければ、弱い揚水能力はあ
ることがわかる。
【0046】上記の実験結果を踏まえ、他の構成の揚水
ヘッドについても実験を行った。図5は、図3に示した
もの以外の各種の揚水ヘッドの構成を示す図である。ま
た、図6は、図5に示す揚水ヘッドの揚水性能の実験結
果を示す特性グラフである。なお、図6には、図3に示
す揚水ヘッドの揚水性能の実験結果の一部も併せて図示
している。
【0047】図5において、図5(A−1)及び図5
(A−2)は、タイプAの揚水ヘッドを示しており、図
5(A−1)は上面図を、図5(A−2)は側方から見
た断面図を、それぞれ示している。図5(A−1)及び
図5(A−2)に示すように、タイプAの揚水ヘッド
は、鉛直方向に延びる円形断面の直筒の上部の断面が、
上方に向かうにつれて円錐台状に拡大した筒状部材であ
る。図3に示すタイプ3の揚水ヘッドに比べ、タイプA
の揚水ヘッドは、上部の円錐台状部分の断面拡大の程度
が緩やかになっている。また、タイプAの揚水ヘッドの
下部の直筒部分の直径は、タイプ1〜5の下部の直筒部
分の直径(3メートル)と等しくなっている。
【0048】図5において、図5(B−1)及び図5
(B−2)は、タイプBの揚水ヘッドを示しており、図
5(B−1)は上面図を、図5(B−2)は側方から見
た断面図を、それぞれ示している。図5(B−1)及び
図5(B−2)に示すように、タイプBの揚水ヘッド
は、鉛直方向に延びる円形断面の直筒の上部の断面が、
上方に向かうにつれて円錐台状に拡大し、上縁の4箇所
に切込みが形成された筒状部材である。図3に示すタイ
プ3の揚水ヘッドに比べ、タイプBの揚水ヘッドは、上
部の円錐台状部分の断面拡大の程度は同一となってい
る。また、タイプBの揚水ヘッドの下部の直筒部分の直
径は、タイプ1〜5の下部の直筒部分の直径(3メート
ル)と等しくなっている。
【0049】図5において、図5(C−1)及び図5
(C−2)は、タイプCの揚水ヘッドを示しており、図
5(C−1)は上面図を、図5(C−2)は側方から見
た断面図を、それぞれ示している。図5(C−1)及び
図5(C−2)に示すように、タイプCの揚水ヘッド
は、鉛直方向に延びる正方形断面の直筒の上部の断面
が、上方に向かうにつれて四角錐台状に拡大した角筒状
部材である。図3に示すタイプ3の揚水ヘッドに比べ、
タイプCの揚水ヘッドは、上部の四角錐台状部分の断面
拡大の程度は、ほぼ同程度となっており、タイプCの四
角錐台状部分の上部の辺の長さ(6メートル)は、タイ
プ3の円錐台状部分の上部の直径(6メートル)と等し
く、タイプCの四角錐台状部分の下部の辺の長さ(3メ
ートル)は、タイプ3の円錐台状部分の下部の直径(3
メートル)と等しくなっている。また、タイプCの揚水
ヘッドの下部の直筒部分の断面の正方形の1辺の長さ
(3メートル)は、タイプ1〜5の下部の直筒部分(円
筒状)の直径(3メートル)と等しくなっている。
【0050】図5において、図5(D−1)及び図5
(D−2)は、タイプDの揚水ヘッドを示しており、図
5(D−1)は上面図を、図5(D−2)は側方から見
た断面図を、それぞれ示している。図5(D−1)及び
図5(D−2)に示すように、タイプDの揚水ヘッド
は、鉛直方向に延びる正方形断面の直筒の上部の断面の
4つの隅角部分が、上方に向かうにつれて略十字状に突
出するように拡大した筒状部材である。また、タイプD
の揚水ヘッドの下部の直筒部分(角筒状)の断面の正方
形の1辺の長さ(3メートル)は、タイプ1〜5の下部
の直筒部分(円筒状)の直径(3メートル)と等しくな
っている。
【0051】図5において、図5(E−1)及び図5
(E−2)は、タイプEの揚水ヘッドを示しており、図
5(E−1)は上面図を、図5(E−2)は側方から見
た断面図を、それぞれ示している。図5(E−1)及び
図5(E−2)に示すように、タイプEの揚水ヘッド
は、鉛直方向に延びる正方形断面の直筒(角筒)であ
る。タイプEの揚水ヘッドの直筒部分(角筒状)の断面
の正方形の1辺の長さ(3メートル)は、タイプ1〜5
の下部の直筒部分(円筒状)の直径(3メートル)と等
しくなっている。
【0052】また、図6のグラフの横軸は、揚水ヘッド
の上端開口付近に接近して流れる水平水流の流速(単
位:センチメートル/秒)を示している。また、図6の
グラフの縦軸は、揚水ヘッドの内部を垂直に上昇する水
の流速(単位:センチメートル/秒)を示している。
【0053】図6のグラフにおいて、黒丸点の実線は、
図5(A−1)及び図5(A−2)に示すタイプAの場
合であり、水平水流が、図5(A−1)における矢印の
方向に流れる場合の実験結果を示している。
【0054】また、図6のグラフにおいて、黒四角点の
実線は、図5(B−1)及び図5(B−2)に示すタイ
プBの場合であり、水平水流が、図5(B−1)におけ
る矢印の方向に流れる場合の実験結果を示している。
【0055】また、図6のグラフにおいて、黒三角点の
実線は、図5(C−1)及び図5(C−2)に示すタイ
プCの場合であり、水平水流が、図5(C−1)におけ
る矢印の方向に流れる場合の実験結果を示している。
【0056】また、図6のグラフにおいて、×点の実線
は、図5(D−1)及び図5(D−2)に示すタイプD
の場合であり、水平水流が、図5(D−1)における矢
印の方向に流れる場合の実験結果を示している。
【0057】また、図6のグラフにおいて、*点の実線
は、図5(E−1)及び図5(E−2)に示すタイプE
の場合であり、水平水流が、図5(E−1)における矢
印の方向に流れる場合の実験結果を示している。
【0058】また、図6のグラフにおいて、白い菱形点
の破線は、図3(1−1)及び図3(1−2)に示すタ
イプ1の場合の実験結果を示している。
【0059】また、図6のグラフにおいて、白四角点の
1点鎖線は、図3(3−1)及び図3(3−2)に示す
タイプ3の場合の実験結果を示している。
【0060】図6から以下のことがわかる。まず、図6
のグラフにおいて、*点の実線は、白い菱形点の破線よ
りも揚水性能が大きい。したがって、揚水ヘッドの断面
が一様な場合は、タイプ1(円形断面)の場合よりもタ
イプE(正方形断面)の場合の方が揚水性能が大きいこ
とがわかる。
【0061】また、図6においては、揚水ヘッドの排水
口付近が鉛直上方に向かうにつれ断面が拡大する形状で
あるタイプA、タイプB、タイプC、タイプDは、いず
れの場合も、断面が一様なタイプ1(円形断面)、タイ
プE(正方形断面)よりも揚水性能が大きいことがわか
る。
【0062】また、図6においては、揚水ヘッド上端部
付近を流れる水平水流の流速が15センチメートル/秒
以上で20センチメートル/秒以下の場合には、タイプ
C(黒三角点の実線。図5(C−1)及び図5(C−
2)に示すような正方形断面の直筒の上部の断面が上方
に向かうにつれて四角錐台状に拡大する揚水ヘッド)の
揚水効果が最も大きいことがわかる。また、揚水ヘッド
上端部付近を流れる水平水流の流速が10センチメート
ル/秒と、25センチメートル/秒の場合には、タイプ
3(白四角点の1点鎖線。図3(3−1)及び図3(3
−2)に示すような円形断面の直筒の上部の断面が上方
に向かうにつれて円錐台状に拡大する揚水ヘッド)の揚
水効果が最も大きいことがわかる。
【0063】また、図6においては、タイプA(上部の
円錐台状部分の断面拡大の程度が緩やかな場合)とタイ
プ3(上部の円錐台状部分の断面拡大の程度が急な場
合)の揚水ヘッドを比べると、揚水ヘッド上端部付近を
流れる水平水流の流速が5センチメートル/秒程度と比
較的遅い場合には、断面拡大の程度が緩やかなタイプA
(黒丸点の実線)の揚水ヘッドの方が揚水効果が大きい
ことがわかる。また、揚水ヘッド上端部付近を流れる水
平水流の流速が10センチメートル/秒以上と速い場合
には、断面拡大の程度が急なタイプ3(白四角点の1点
鎖線)の揚水ヘッドの方が揚水効果が大きいことがわか
る。
【0064】また、図6においては、タイプ3(上部が
円錐台状の場合)とタイプB(タイプ3の上縁の4箇所
に切込みが形成された場合)の揚水ヘッドを比べると、
揚水ヘッド上端部付近を流れる水平水流の流速が10セ
ンチメートル/秒以上の場合には、切込みの無いタイプ
3(白四角点の1点鎖線)の方が切込みの有るタイプB
(黒四角点の実線)より揚水効果が大きいことがわか
る。したがって、上縁の切込みは、揚水性能への効果が
少ないことがわかる。
【0065】次に、図7を参照しつつ、負圧利用型海水
交換構造物100の海水交換作用を説明する。
【0066】図7(A)に示すように、この海域には、
下げ潮時においては、港内側から港外側に向かって第1
潮流F1が流れる。この第1潮流F1は、揚水ヘッド3
の上部の開口である排水口3aの付近を水平に流れる。
このため、図2に示した原理により、揚水ヘッド3の上
部が負圧状態となる。
【0067】これにより、揚水ヘッド3の内部の海水
は、下から上に向かって揚水される。この揚水ヘッド3
の揚水力により、揚水管2の中の海水は、揚水管2の中
を図における右斜め上方に流れる。この揚水管2の揚水
力により、揚水管2の始端の集水口2a付近の港内下層
海水(貧酸素海水)W1は集水口2aから揚水管2の内
部へ吸入され、揚水ヘッド3の排水口3aから外部の海
域上層へ排水される。この場合、第1潮流F1は、港内
側から港外側へ向かって流れているから、港内底層部の
貧酸素海水は、第1潮流F1に伴ってW2のように港外
側へ排出される。
【0068】一方、図7(B)に示すように、この海域
には、上げ潮時においては、港外側から港内側に向かっ
て第2潮流F2が流れる。この第2潮流F2は、揚水ヘ
ッド3の上部の開口である排水口3aの付近を水平に流
れる。このため、図2に示した原理により、揚水ヘッド
3の上部が負圧状態となる。
【0069】これにより、揚水ヘッド3の内部の海水
は、下から上に向かって揚水される。この揚水ヘッド3
の揚水力により、揚水管2の中の海水は、揚水管2の中
を図における右斜め上方に流れる。この揚水管2の揚水
力により、揚水管2の始端の集水口2a付近の港内下層
海水(貧酸素海水)W1は集水口2aから揚水管2の内
部へ吸入され、揚水ヘッド3の排水口3aから外部の海
域上層へ排水される。この場合、第2潮流F2は、港外
側から港内側へ向かって流れているから、港内底層部の
貧酸素海水は、W3のように第2潮流F2に伴って港内
側の上層へ導かれ、港内側の上層の酸素を多く含む海水
と混合される。
【0070】この港内側上層の貧酸素海水W3と混合さ
れた海水は、上記の下げ潮時に港外側へ排出される。こ
のように、港内底層の貧酸素海水は、潮の干満の動きに
より酸素を多く含む海水と混合されるとともに最終的に
は港外側へ排出される。この排出された海水は、結局、
酸素を多く含んだ新鮮な港内側の上層海水と置き換わ
る。これにより、港内底層海水の海水交換が実現され
る。
【0071】上記した負圧利用型海水交換構造物100
は、さらに海水交換機能を向上させることが可能であ
る。例えば、図1、図7に示すように、マウンド1の頂
部に潜堤4を設置するようにしてもよい。この潜堤4
は、その上端位置が、揚水ヘッド3の排水口3aの位置
よりもやや低い位置となっている。また、潜堤4は、マ
ウンド1の頂部の方向に沿って(図1、7における手前
から奥に延びる方向に)設置されている。
【0072】このような構成の潜堤4を設けることによ
り、図7(A)において、揚水ヘッド3から排出された
底層海水W2は、潜堤4の頂部の面により誘導されるの
で、第1潮流F1に乗りやすくなり、港外側のより遠方
の箇所へ運ばれやすくなる。
【0073】以上のことから、上記した負圧利用型海水
交換構造物100は、以下のような利点を有している。
【0074】(1)港内側の底層の貧酸素海水を確実に
揚水して港外側へ排出することができるので、確実に海
水交換を行うことができる。
【0075】(2)構造物としては、貯留池等に比べ小
さく、構造が簡易であるので、工事費が低廉である。既
存又は新設の防波堤開口部のマウンドを利用することが
可能であり、その場合でも、追加費用は少なくて済む。
【0076】(3)電動モーター等の駆動源は全く不要
であり、海域の干潮時、満潮時等の潮流を利用すること
ができるため、駆動エネルギーのための運転費用がかか
らない。また、可動する部分がないため、故障が起こる
ことが少なく、メンテナンスも容易である。
【0077】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0078】例えば、上記実施形態においては、海域に
おいて海水交換に用いられる構造物を例に挙げて説明し
たが、本発明はこれには限定されず、河川や湖沼におい
ても応用可能であり、港湾以外に用いられる防波機能等
を有する堤構造物にも応用可能である。
【0079】また、上記実施形態においては、潜堤(例
えば4)が、堤構造物の頂部に設置され潜堤の上端位置
が揚水ヘッドの排水口の位置よりも低い位置に設定され
る例について説明したが、本発明はこれには限定され
ず、他の構成、例えば、揚水ヘッドを潜堤と一体化させ
るように構成してもよい。
【0080】また、上記実施形態においては、揚水ヘッ
ド(例えば3)において、揚水ヘッドの側部が揚水管
(例えば2)の上部開口である連通口(2b)と連通す
るように構成された例について説明したが、本発明はこ
れには限定されず、他の構成、例えば、揚水ヘッドの下
部が揚水管(例えば2)の上部開口である連通口(2
b)と連通するように構成してもよい。
【0081】また、上記実施形態においては、堤構造物
(例えばマウンド1)において、斜面に屈折部がある場
合を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定され
ず、他の構成の堤構造物、例えば、屈折部のない単純な
斜面を有する堤構造物であってもよい。あるいは、斜面
ではなく、直壁を有する堤構造物であってもよい。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る負圧
利用型揚水構造物、負圧を利用した揚水方法によれば、
水平水流による負圧により揚水を行うように構成したの
で、港内外の海水交換に利用する場合、港内側の底層の
貧酸素海水を確実に揚水して港外側へ排出することがで
き、工事費が低廉であり、メンテナンスが容易で、故障
のおそれも少ない、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である負圧利用型海水交換
構造物の構成を示す図であり、図1(A)は側面図を、
図1(B)は上面図を、それぞれ示している。
【図2】本発明の一実施形態である負圧利用型海水交換
構造物の揚水原理を説明する概念図である。
【図3】各種の揚水ヘッドの構成を示す図(1)であ
る。
【図4】図3に示す揚水ヘッドの揚水性能の実験結果を
示す特性グラフである。
【図5】各種の揚水ヘッドの構成を示す図(2)であ
る。
【図6】図5に示す揚水ヘッドの揚水性能の実験結果を
示す特性グラフである。
【図7】本発明の一実施形態である負圧利用型海水交換
構造物の海水交換作用を説明する図である。
【符号の説明】
1 マウンド 2 揚水管 2a 集水口 2b 連通口 2c 水平管部 2d 第1斜管部 2e 第2斜管部 3 揚水ヘッド 3a 排水口 4 潜堤 100 負圧利用型海水交換構造物 B 海底 F1 第1潮流 F2 第2潮流 S 海面 W1 貧酸素海水 W2、W3 排出水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 弘樹 神奈川県横浜市中区北仲通5−57 運輸省 第二港湾建設局横浜調査設計事務所内 (72)発明者 古川 恵太 神奈川県横須賀市長瀬3−1−1 運輸省 港湾技術研究所海洋環境部内 Fターム(参考) 3H074 AA06 AA10 AA20 BB30 CC50 3H079 AA15 AA24 BB04 CC23 DD02 DD23 DD24

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上層部に水平水流が流れる水域の水底上
    に構築される堤構造物と、管状に形成され、前記堤構造
    物の基部から頂部にかけて配置される揚水管と、筒状に
    形成され、中心軸線方向が鉛直方向となるように前記堤
    構造物の頂部に設置される揚水ヘッドであって、前記揚
    水ヘッドの上部開口である排水口が前記水域の上層部付
    近に配置されるとともに、前記揚水ヘッドの側部又は下
    部が前記揚水管の上部開口である連通口と連通するよう
    に構成された揚水ヘッドを備え、前記揚水ヘッドの排水
    口付近を流れる水平水流により前記揚水ヘッドの上部に
    負圧を発生させ、前記揚水管の下部開口である集水口か
    ら底層部の水を吸入し、前記吸入された底層部の水を前
    記揚水管内を上昇させて揚水し、前記排水口から排水す
    ることを特徴とする負圧利用型揚水構造物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の負圧利用型揚水構造物に
    おいて、 前記堤構造物の頂部に設置される潜堤であって、前記潜
    堤の上端位置が前記揚水ヘッドの排水口の位置よりも低
    い位置に設定される潜堤を備えることを特徴とする負圧
    利用型揚水構造物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の負圧利用型揚水構造物に
    おいて、 前記揚水ヘッドは、前記排水口付近が鉛直上方に向かう
    につれ断面が拡大することを特徴とする負圧利用型揚水
    構造物。
  4. 【請求項4】 上層部に水平水流が流れる水域の水底上
    に堤構造物を構築し、管状に形成された揚水管を、前記
    堤構造物の基部から頂部にかけて配置し、筒状に形成さ
    れた揚水ヘッドを、中心軸線方向が鉛直方向となるよう
    に前記堤構造物の頂部に設置し、前記揚水ヘッドの上部
    開口である排水口を前記水域の上層部付近に配置すると
    ともに、前記揚水ヘッドの側部又は下部を前記揚水管の
    上部開口である連通口と連通させ、前記揚水ヘッドの排
    水口付近を流れる水平水流により前記揚水ヘッドの上部
    に負圧を発生させ、前記揚水管の下部開口である集水口
    から底層部の水を吸入し、前記吸入された底層部の水を
    前記揚水管内を上昇させて揚水し、前記排水口から排水
    することを特徴とする負圧を利用した揚水方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006205059A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Hakatawan Kankyo Seibi Kk 海水浄化方法及び海水浄化装置
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