JP2001163782A - 皮膚疾患治療用外用剤 - Google Patents

皮膚疾患治療用外用剤

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JP2001163782A JP2000206176A JP2000206176A JP2001163782A JP 2001163782 A JP2001163782 A JP 2001163782A JP 2000206176 A JP2000206176 A JP 2000206176A JP 2000206176 A JP2000206176 A JP 2000206176A JP 2001163782 A JP2001163782 A JP 2001163782A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ニトロイミダゾール系化合物のう
ちスルフォン基をもつチニダゾールで代表される薬剤の
新規な適用特にアトピー性皮膚疾患に対する外用剤を提
供することを目的とし、その組成、配合量、製剤等を選
択することにより、アトピー性皮膚疾患に対して、治療
効果がより良きものであり更に副作用がない治療、予防
および改善用の外用剤を提供することを目的とする。 【解決手段】本発明は、式(1)に示す化合物の外用剤
がアトピー性皮膚炎の皮膚疾患に対し副腎皮質ホルモン
剤と何ら変わりない治療効果を見いだした。さらに本発
明は、式(1)に示す化合物と副腎皮質ホルモン剤、抗
真菌剤等の他の既知皮膚疾患用薬剤を配合した複合剤と
することにより、既知の皮膚疾患用薬剤の単剤としての
有効量より微量(例えば10〜20分の1)であっても
有効な治療効果を有し、更に複合剤による副作用もみら
れないということを見出し、本発明を完成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、次式
【化2】 (式中、R及びRは炭素原子数1〜6の直鎖又は分
枝鎖の置換していてもよい低級アルキル基を、nは1〜
4の整数を表す)で示されるニトロイミダゾール誘導体
若しくはその薬理学的に許容される塩を主成分として含
有する単剤、又はこの主成分に加えて既知の皮膚疾患用
治療物質を補助成分として含有する複合剤である皮膚疾
患特にアトピー性皮膚疾患の治療・予防のための外用剤
に関する。
【0002】
【従来技術】現在、医療機関等では皮膚疾患の治療には
主にステロイド剤を投与している。このステロイド剤は
優れた薬物であるがその反面、副作用も多々発生してい
る。副作用の少ない非ステロイド剤である外用剤もある
が、ステロイド剤と比べてその効果は非常に見劣りして
いる(例えば、ベンダザック、ブフェキサマクなど)。
特に、アトピー性皮膚炎に関しては新聞、雑誌などでも
社会問題として取り上げられ、本等出版物においてステ
ロイド剤の使用が問題視されている。ステロイド剤の副
作用に悩み医療機関等で治癒しない皮膚疾患を患ってい
る患者は、ワセリン、保湿剤等で皮膚を保護し長い年月
を掛けて自己治癒により症状を改善するしかなく、ま
た、民間療法や宗教等において数々の問題も発生してい
る。そのためにステロイド剤を使用するに当たりその使
用方法についてのガイドライン「アトピー性皮膚炎治療
ガイドライン」(平成8年度厚生省長期慢性疾患総合研
究事業アレルギー総合研究及び平成9・10年度厚生省
科学研究:分担研究「アトピー性皮膚炎治療ガイドライ
ンの作成」より(1999年発行))が一部の医療機関
に配布されているように研究班まで存在している。
【0003】近年、温泉治療というものが、本、雑誌、
テレビ等で脚光を溶びているが治療に要する期間は1〜
2年(軽い疾患では約半年)という長期にわたってい
る。温泉治療に行くために長期にわたって会社、学校等
を休める方ではそれでも良いが、また、治療にかかる金
銭も大変な負担となっている。また、長期間治療を受け
ても完治しない場合もある。
【0004】特にアトピー性皮膚炎、化膿性、潰瘍性皮
膚疾患などの難治性の皮膚疾患は複数の菌やウイルス等
によっても起こることが知られているが、疾病の出現、
症状などは、ヒトにより、また個所等によりそれぞれ違
っている(同じ人物であっても)。ニキビなども手で触
れたことにより細菌が入り悪化することもある。症状が
悪化した皮膚には例えば、代表的なものではMRSA、
MSSA、CNS、M.Furfur(Pityros
porum)などの菌やウイルス等の存在が認められ
る。医療機関等ではそれら皮膚疾患の症状にあわせて多
種多様な副腎皮質ホルモン剤を使用してきたが現在のと
ころその治療効果が現れても根治的なものではなくむし
ろ複雑な副作用等に悩まされているのが現状である。
【0005】メトロニダゾールが一部選択された皮膚疾
患に外用剤として使用されうることは公知である(特表
平10−500700、2−503004、1−503
061)。また、チニダゾールが湿疹(eczema)、座瘡(a
cne)、酒さ(rosacea)、脂漏性湿疹(seborhoeic tupe ec
zema)のような皮膚症状、かび状腫瘍(fungating tumou
rs)、皮膚潰瘍(benign cutaneous ulcers)等に外用適
用できることも公知である(WO98/27960, WO93/2081
7)。
【0006】チニダゾールは、経口的に使用されていた
化学療法剤であるメトロニダゾールよりもさらに強力な
作用を有し、しかも毒性が低い化合物として、1966
年にアメリカのフアイザー社により合成されたものであ
り、主として抗トリコモナス作用を有する。したがって
これまで、膣トリコモナスによる感染症のみならず、外
陰部、子宮頸管内、尿路系、直腸などに感染しているT
richomonasvaginalisに対して優れ
た効果を有するばかりでなく、嫌気性菌に対しても抗菌
力を有する化合物として、臨床的に使用されてきたもの
である。その作用機序は、チニダゾールのニトロ基が微
生物により還元されて、この還元体が微生物のDNAの
二重鎖切断などの機能障害を起こし、微生物の分裂増殖
を制御するためであると考えられている。したがって、
チニダゾールは毒性の弱い化合物であり、その一方で強
力な殺菌作用を有している。
【0007】しかし、皮膚疾患、特にアトピー性皮膚疾
患は複合的な原因にもとづくものがほとんどであり、上
記のような有用性が示唆されたからといって、同一薬剤
であっても他の皮膚疾患に有効かどうかは不明であり、
ましてや化学構造の主用部位において差異を有する化合
物間(例えばメトロニダゾールとチニダゾール)では、
その有用性、投与量、配合割合は全く異なる様相であ
り、個別に究明していかなくてはその有用性は不明であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ニトロイミ
ダゾール系化合物のうちスルフォン基をもつチニダゾー
ルで代表される薬剤の新規な適用特にアトピー性皮膚疾
患に対する外用剤を提供することを目的とし、その組
成、配合量、製剤等を選択することにより、アトピー性
皮膚疾患に対して、治療効果がより良きものであり更に
副作用がない治療、予防および改善用の外用剤を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(1)に示
す化合物の外用剤がアトピー性皮膚炎の皮膚疾患に対し
副腎皮質ホルモン剤と何ら変わりない治療効果を見いだ
した。さらに本発明は、式(1)に示す化合物と副腎皮
質ホルモン剤、抗真菌剤等の他の既知皮膚疾患用薬剤を
配合した複合剤とすることにより、既知の皮膚疾患用薬
剤の単剤としての有効量より微量(例えば10〜20分
の1)であっても有効な治療効果を有し、更に複合剤に
よる副作用もみられないということを見出し、本発明を
完成した。
【0010】つまり、本発明は次式
【化3】 (式中、R及びRは炭素原子数1〜6の直鎖又は分
枝鎖の置換していてもよい低級アルキル基を、nは1〜
4の整数を表す)で示される化合物またはその薬理学的
に許容される塩を主成分として含有する単剤、又はこの
主成分に加えて既知の皮膚疾患用薬剤を補助成分として
含有する複合剤であるアトピー性皮膚疾患用外用剤を提
供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の主成分は、式(1)で示
されるイミダゾール誘導体またはその薬理学的に許容さ
れる塩である。式中、Rは炭素原子数1〜6の置換し
ていてもよい直鎖または分枝鎖の低級アルキル基を、R
は炭素原子数1〜6の直鎖または分枝鎖の低級アルキ
ル基を、nは1〜4の整数を意味する。
【0012】本発明において、RおよびRで示され
る炭素原子数1〜6の置換していてもよい直鎖または分
枝鎖の低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチ
ル、n−へキシル、イソへキシル等の低級アルキル基を
挙げることができる。そのなかでも、本発明の主成分と
しては、Rがエチル基であり、Rがメチル基であ
り、nが2の整数を有する化合物(チニダゾール)が、
特に好ましいものである。又、置換基は、ハロゲン原
子、シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、
保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていて
もよいアミノ基、保護されていてもよいアルキルアミノ
基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル
基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基及び
ハロゲン原子で置換されたアルキル基が挙げられる。保
護基は、各カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ
基、アルキルアミノ基の保護基として使用し得る全ての
基を含む。
【0013】上式(1)で示される化合物の薬理学的に
許容される塩としては、無機酸塩、有機酸塩が例示で
き、水酸基に他の保護基を有する場合も本発明に含まれ
る。例えば、ハロゲン化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、リ
ン酸等の無機酸、酢酸、プロパン酸、安息香酸、クエン
酸、乳酸、酪酸などの有機酸等またはそれらの塩を挙げ
ることができる。
【0014】(主成分の単剤外用剤)本発明の態様の一
は、式(1)の化合物またはその薬理学的に許容される
塩を主成分として配合した単剤外用剤であり、その主成
分の配合量は、外用製剤の重量に対して、0.01〜2
0重量%、好ましくは0.1〜20重量%、より好まし
くは1.5〜10重量%、特に好ましくは1.5〜5重
量%配合するのがよい。この配合量は、チニダゾールが
有する治療効果に基づき、ヒトのアトピー性皮膚炎の治
療を目的とし、それぞれの製剤からの薬剤の放出性など
を考慮し、外用剤全重量に対して上記の量を配合するこ
とで、十分にその目的とする薬理効果が認められること
により決定される。
【0015】(製剤のpH)本発明の外用剤にあって
は、皮膚への適用ならびに上記の量で配合される式
(1)の化合物等が、外用剤中に融解、溶解、分散、配
合されるために、その製剤のpHが2.0〜9.0、よ
り好ましくは4.0〜7.5の範囲内であることが必要
である。このpH調整剤としては、塩酸、クエン酸、乳
酸などの酸、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、トリエタノールアミンなどのアルカリを適宜配合す
るのがよい。
【0016】製剤のpHが2.0より低い場合には、外
用製剤自体が不安定化し、また、皮膚に対し、皮膚細胞
を損傷するおそれがあり好ましいものではない。また、
製剤のpHが9.0より高い場合には、皮膚に対し損傷
のおそれや刺激作用等が発生し好ましいものではない。
【0017】(補助成分を含む複合外用剤)本発明の別
の態様は前記主成分に加えて補助成分を含む複合外用剤
である。複合剤として用いる場合の、主薬剤である式
(1)の化合物、その薬理学的に許容される塩の配合量
は、単剤の場合と略同等でよいが、例えば製剤重量を基
準として0.1〜20重量%、好ましくは1〜5重量%
を含有し、より好ましくは1.5〜3重量%である。
【0018】(補助成分の種類)本発明の補助成分は、
抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤、またはサルフ
ァ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、抗
生物質、局所麻酔剤、抗ウイルス剤、代謝拮抗剤、毛髪
用剤、組織修復促進剤等の既知皮膚疾患用治療剤であ
り、これらの少なくとも1種類似上の薬剤成分を含有さ
せることが可能である。
【0019】(補助成分の配合量)補助成分の配合量
は、種類、薬剤等により、またそれらの副作用や薬理学
的な薬理効果の所見に基づいて変わるが、既存または市
販の薬剤に含有される量より少ない量である各々以下の
配合量から選択し、個々配合される。抗真菌剤の配合量
は製剤重量を基準として0.0005〜2重量%、好ま
しくは0.01〜0.5重量%、また副腎皮質ホルモン
剤の配合量は製剤重量を基準として0.001〜1重量
%、好ましくは0.001〜0.1重量%、また抗菌剤
の配合量は製剤重量に対して0.001〜5重量%、好
ましくは0.01〜0.5重量%、サルファ剤の配合量
は製剤重量の、0.001〜5重量%、好ましくは0.
01〜0.5重量%、また抗ヒスタミン剤の配合量は製
剤重量の0.001〜10重量%、好ましくは0.01
〜5重量%、また抗アレルギー剤の配合量は製剤重量
の、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜0.
5重量%、また抗炎症剤の配合量は製剤重量の0.00
1〜5重量%、好ましくは0.005〜0.5重量%、
また抗生物質の配合量は製剤重量の0.0001〜5重
量%、好ましくは0.001〜0.1重量%、また局所
麻酔剤の配合量は製剤重量の0.001〜5重量%、好
ましくは0.01〜1重量%、抗ウイルス剤の配合量は
製剤重量の0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1
重量%、代謝拮抗剤の配合量は製剤重量の0.01〜5
重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%、毛髪用剤
の配合量は製剤重量の0.01〜10重量%、好ましく
は0.1〜2重量%、組織修復促進剤の配合量は0.1
〜20重量%、好ましく0.1〜5重量%である。免疫
抑制剤は0.001〜0.1重量%、好ましくは0.0
1〜0.1重量%である。ビタミンD3群類は、0.0
0001〜0.01重量%、好ましくは0.0001〜
0.01重量%である。
【0020】(複合剤のpH)本発明の複合外用剤は、
pHが3〜9、好ましくは4〜8の範囲であることが必
要である。ヒトにより皮膚刺激の発現はまちまちである
が、pHが4以下またはpHが8以上であると一般に皮
膚疾患を患っている患者は皮膚組織の破損、皮膚組織の
機能の低下等が推測されるので皮膚刺激等が発現する可
能性があるので好ましくない。
【0021】(抗真菌剤)抗真菌剤は例えば塩酸クロコ
ナゾール、塩酸ネチコナゾール、クロトリマゾール、ケ
トコナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸エコナゾー
ル、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸
ミコナゾール、チオコナゾール、ビホナゾール、ラノコ
ナゾール等を含むイミダゾール系化合物や塩酸アモロル
フィン、塩酸テルビナフィン、塩酸ブテナフィン、シク
ロピロクスオラミン、トルシクラート、トルナフタート
等、またはそれらの誘導体など抗菌剤であればよい。
【0022】(副腎皮質ホルモン剤)副腎皮質ホルモン
剤は例えばアムシノニド、オキシメトロン、カンレノ酸
カリウム、吉草酸酢酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコ
ルトロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾ
ン、コハク酸ヒドロコルチゾン、コハク酸プレドニゾロ
ン、酢酸クロルマジノン、酢酸コルチゾン、酢酸ジフロ
ラゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、酢
酸フルドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、酢酸メテ
ノロン、ジフルプレドナート、ジプロピオン酸ベタメタ
ゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシ
ノロンアセトニド、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、
ピバル酸フルメタゾン、ファルネシル酸プレドニゾロン
ゲル、ブデソニド、フランカルボン酸モメタゾン、フル
オシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルオロメト
ロン、フルドロキシコルチド、プレドニゾロン、プロピ
オン酸アルクロメタゾン、プロピオン酸クロベタゾー
ル、プロピオン酸デキサメタゾン、プロピオン酸デプロ
ドン、プロピオン酸べクロメタゾン、ベタメタゾン、メ
チルプレドニゾロン、酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコ
ルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、酪酸プ
ロピオン酸ベタメタゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナト
リウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム等、またはそれ
らの誘導体などの副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)
であればよい。
【0023】(抗菌剤)抗菌剤は例えばエノキサシン、
塩化メチルロザニリン、塩酸シプロフロキサシン、塩酸
ロメフロキサシン、オフロキサシン、シノキサシン、ス
パルフロキサシン、トシル酸トスフロキサシン、ナリジ
クス酸、ノルフロキサシン、ピペミド酸三水和物、ピロ
ミド酸、フレロキサシン、レボフロキサシン等、または
それらの誘導体などの抗菌剤であればよい。
【0024】(サルファ剤)サルファ剤はアセチルスル
ファメトキサゾール、サラゾスルファピリジン、スルフ
ァジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシ
ン、スルファチアゾール、スルファフェナゾール、スル
ファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、ス
ルファメトピラジン、スルファメトミジン、スルファメ
チゾール、スルファメラジン、スルファモノメトキシ
ン、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、スルフ
イソミジンナトリウム、ホモスルファミン等、またはそ
れらの誘導体などのサルファ剤化合物であればよい。
【0025】(抗ヒスタミン剤)抗ヒスタミン剤は例え
ば塩酸シプロへプタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩
酸トリプロリジン、塩酸ヒドロキシジン、塩酸プロメタ
ジン、塩酸ホモクロルシクリジン、シメチジン、酒石酸
アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオク
ル酸ジフェニルピラリン、パモ酸ヒドロキシジン、ファ
モチジン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸ク
レマスチン、メキタジン等、またはそれらの誘導体など
の抗ヒスタミン剤であればよい。
【0026】(抗アレルギー剤)抗アレルギー剤は例え
ばアステミゾール、アンレキサノクス、イブジラスト、
エバスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸エビナスチン、塩
酸オザグレル、塩酸セチリジン、オキサトミド、クロモ
グリク酸ナトリウム、セラトロダスト、タザノラスト、
テルフェナジン、トシル酸スプラタスト、トラニラス
ト、フマル酸エメダスチン、フマル酸ケトチフェン、プ
ランルカスト水和物、ペミロラストカリウム、レピリナ
スト等、またはそれらの誘導体などの抗アレルギー剤で
あればよい。
【0027】(抗炎症剤)抗炎症剤は例えばアクタリッ
ト、アズレン、アセメタシン、アスピリン、アルクロフ
ェナク、アルミノプロフェン、アンフェナクナトリウ
ム、アンピロキシカム、イブプロフェン、イブプロフェ
ンピコノール、インドメタシン、インドメタシンファル
ネシル、ウフェナマート、エトドラク、エピリゾール、
エモルファゾン、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、塩
酸ブプレノルフィン、塩酸ペンタゾシン、エンフェナ
ム、オキサプロジン、グリチルレチン酸、クロタミト
ン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ジフルニサ
ル、ジクロフェナクナトリウム、スプロフェン、スリン
ダク、チアプロフェン、テノキシカム、トリメチンナト
リウム、ナブメトン、ナプロキセン、ニフルム酸、ピロ
キシカム、フェナセチン、フェニルブタゾン、フェノプ
ロフェンカルシウム、フェルビナク、フェンブフェン、
ブコローム、ブフェキサマク、プラノプロフェン、フル
ルビプロフェン、フロクタフェニン、メシル酸ジメトチ
アジン、メチアジン、ベンダザック、ヘパリン類似物
質、マレイン酸プログルメタシン、メクロフェナム、メ
フェナム酸、ロキソプロフェンナトリウム、ロベンザリ
ット二ナトリウム、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮
膚抽出物等、またはそれらの誘導体などの抗炎症剤であ
ればよい。
【0028】(抗生物質)抗生物質は例えばアセチルキ
タサマイシン、アセチルスピラマイシン、アムホチリシ
ンB、アモキシシリン、アンピシリン、一硫酸カナマイ
シン、エチルコハク酸エリスロマイシン、エリスロマイ
シン、エリスロマイシンエストレート、塩酸アクラルビ
シン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイ
シン、塩酸セフェタメトピボキシル、塩酸セフォチアム
へキセチル、塩酸セフカペンピボキシル、塩酸セフメノ
キシム、塩酸タランピシリン、塩酸テトラサイクリン、
塩酸デメチルクロルテトラサイクリン、塩酸テトラサイ
クリン、塩酸ドキシサイクリン、塩酸ドキソルビシン、
塩酸バカンピシリン、塩酸パルミチン酸クリンダマイシ
ン、塩酸バンコマイシン、塩酸ピブメシリナム、塩酸プ
レオマイシン、塩酸ミノサイクリン、塩酸リンコマイシ
ン、塩酸レナンピシリン、カルベニシリンナトリウム、
キタサマイシン、クラブラン酸カリウム、クラリスロマ
イシン、グリセオフルビン、クロキサシンナトリウム、
クロラムフェニコール、コリスチンメタンスルホン酸ナ
トリウム、サイクロセリン、酢酸ミデカマイシン、シク
ラシリン、ジクロキサシリンナトリウム、シッカニン、
ジョサマイシン、ステアリン酸エリスロマイシン、スル
ベニシリンナトリウム、セファクロル、セファゾリン、
セファトリジンプロピレングリコール、セファドロキシ
ル、セファピリン、セファマンドールナトリウム、セフ
ァレキシン、セファロチンナトリウム、セファロリジ
ン、セフィキシム、セフォキシチンナトリウム、セフォ
タキシムナトリウム、セフォテタン、セフォペラゾンナ
トリウム、セフジトレンピボキシル、セフジニル、セフ
スロジンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、セフ
チブテン、セフテラムピボキシル、セフビラミドナトリ
ウム、セフブペラゾンナトリウム、セフポドキシムプロ
キセチル、セフメタゾールナトリウム、セフラジン、セ
フロキサジン、セフロキシムアキセチル、セフロキシム
ナトリウム、チカルシリンナトリウム、テトラサイクリ
ン、トシル酸スルタミシリン、トブラマイシン、トリコ
マイシン、ナイスタチン、バリオチン、パルミチン酸ク
ロラムフェニコール、ピペラシリンナトリウム、ピマリ
シン、ファロペネムナトリウム、プロピオン酸ジョサマ
イシン、フェネチシリンカリウム、フェノキシメチルペ
ニシリンカリウム、ベンジルペニシリンカリウム、ベン
ジルペニシリンベンザチン、ホスホマイシンカルシウ
ム、マイトマイシンC、ミデカマイシン、メタリン酸テ
トラサイクリン、ラタモキセフナトリウム、リファンピ
シン、硫酸アストロマイシン、硫酸アミカシン、硫酸カ
ナマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、
硫酸ジべカシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸ネチル
マイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸ブレオマイシ
ン、硫酸べカナマイシン、硫酸ペプロマイシン、硫酸ポ
リミキシンB、硫酸ミクロノマイシン、硫酸リボスタマ
イシン、リン酸クリンダマイシン、ロキシスロマイシ
ン、ロキタマイシン等、またはそれらの誘導体などの抗
生物質化合物であればよい。
【0029】(局所麻酔剤)局所麻酔剤は例えばアミノ
安息香酸エチル、塩酸オキシブプロカイン、塩酸ジブカ
イン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香
酸ジエチルアミノエチル、塩酸プロカイン、塩酸メピバ
カイン、塩酸リドカイン、オキセサゼイン、リドカイン
等、またはそれらの誘導体などの局所麻酔剤化合物であ
ればよい。
【0030】(抗ウイルス剤)抗ウイルス剤は例えば、
アシクロビル、ガンシクロビル、サニルブジン、ザルシ
タビン、ジダノシン、ジドブジン、ネビラピン、メシル
酸サキナビル、メシル酸ネルフィナビル、ラミブジン、
リトナビル、硫酸インジナビル等、またはそれらの塩の
付加および置換物などの抗ウイルス剤であればよい。
【0031】(代謝拮抗剤)代謝拮抗剤は例えば、アク
チノマイシンD、L−アスパラギナーゼ、アセグラト
ン、ウべニメクス、ウラシル、エトポシド、エノシタビ
ン、塩酸アクラルビシン、塩酸イダルビシン、塩酸イリ
ノテカン、塩酸エピルビシン、塩酸ドウノルビシン、塩
酸ドキソルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸ファドロゾ
ール水和物、塩酸ブレオマイシン、塩酸プロカルバジ
ン、塩酸ミトキサントロン、カルボプラチン、カルモフ
ール、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェ
ン、シクロホスファミド、シスプラチン、シゾフイラ
ン、シタラビン、シタラビンオクホスファート、ジノス
タチンスチマラマー、酒石酸ビノレルビン、ソブゾキサ
ン、チオテパ、テガフール、ドキシフルリジン、ドセタ
キセル水和物、トレチノイン、ネオカルチノスタチン、
ネダプラチン、パクリタキセル、ビカルタミド、ヒドロ
キシカルバミド、ホスフェストロール、ブスルファン、
フルオロウラシル、フルタミド、プロピルチオウラシ
ル、ペントスタチン、ポルフィマーナトリウム、メチル
テストステロン、メピチオスタン、G−メルカプトプリ
ンリポシド、メルカプトプリン、メトトレキサート、メ
ルファラン、溶連菌抽出物、硫酸ペプロマイシン、硫酸
ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、レンチナン等、
またはそれらの誘導体などの代謝拮抗剤であればよい。
【0032】(毛髪用剤)毛髪用剤は例えば、アスナロ
ン、塩化カルプロニウム、ミノキシジル等、またはそれ
らの誘導体などの毛髪用剤であればよい。
【0033】(組織修復促進剤)組織修復促進剤は例え
ば、幼牛血液抽出物等であればよい。
【0034】(免疫抑制剤)免疫抑制剤は、サイクロス
ポリン、タクロリムス、塩酸グリペリムス、ミゾリビン
等、又はそれらの誘導体などがある。
【0035】(ビタミンD3群類)ビタミンD3群類
は、タカルシトール等、又はそれらの誘導体などがあ
る。
【0036】(単剤及び複合剤の剤型)本発明の外用剤
の剤型は、公知・周知の軟膏剤・クリーム剤・ジェル剤
・パスタ剤・ゲル剤・シェービングクリーム・ファンデ
ーション・パック剤・乳液などの半固形物、ローション
剤・リンス剤・シャンプー剤・化粧水・コロンなどの液
剤、貼付剤・石鹸剤等の固形物などの皮膚科学的に考え
得ることができる全ての外用剤の形態である。剤型は、
使用皮膚疾患の部位・症状に応じて随時最適のものが選
択される。例えば頭部のアトピー性皮膚炎を患っている
患者の皮膚疾患の治療には、従来または公知のクリーム
や軟膏などは使用しえないため、シャンプー、ジェル、
リンスなどの外用剤は極めて有用である。
【0037】(基剤)本発明の外用剤の基剤としては、
式(1)の化合物またはその薬理学的に許容される塩
が、又はこれら主薬剤と選択された補助成分が基剤中に
均一に融解・配合・分散されうるものであれば格別に限
定されない。かかる基剤としては、製剤学的に汎用され
ている外用基剤を用いることができる。なお以下のもの
に限定されないが、例を挙げれば油脂、例えばオリーブ
油、ヒマシ油など;ロウ類、例えば、ミツロウ、ラノリ
ン、ホホバ油など;炭化水素、例えば、流動パラフィ
ン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリン ワッ
クス、スクワランなど;高級脂肪酸、例えば、ラウリン
酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸など;エ
ステル類、例えば、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロ
ピル、ミリスチン酸オクチルドデシルなど;高級アルコ
ール、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、ラウリルアルコールなど;界面活性剤、例えば、非
イオン性であれば、モノステアリン酸グリセリン、モノ
オレイン酸グリセリン、プロピレングリコールモノステ
アリン酸エステル、ポリオキシエチレンセチルアルコー
ルエーテルなど;陰イオン性であれば、セチル硫酸ナト
リウム、ステアリン酸ナトリウム、N−アシルグルタミ
ン酸ナトリウムなど;低級アルコール、例えば、エタノ
ール、イソプロパノールなど;精製水、蒸留水、水など
従来、もしくは公知の皮膚科学的に使用でき得る基剤等
が挙げられる。
【0038】(補足的添加物)この発明の外用剤におい
ては、必要に応じて酸化防止剤、例えば、アスコルビン
酸、トコフェロール、クエン酸、ジブチルヒドロキシト
ルエンなど;防腐剤、例えば、デヒドロ酢酸、サリチル
酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プ
ロピル、チモールなど;保湿剤、例えば、グリセリン、
ラノリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレング
リコール、尿素、ヒアルロン酸ナトリウムなど;増粘
剤、例えば、ポリエチレングリコール、キサンタンゴ
ム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキ
シプロピルセルロースなど;緩衝剤・pH調整剤、例え
ば、クエン酸、乳酸、塩酸、ホウ酸などの酸、また、リ
ン酸二水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミンなど
のアルカリ;賦形剤、例えば、カオリン、ベントナイト
などの、従来の外用剤において使用されている公知の製
剤成分を添加することができる。
【0039】(基剤その他の配合量)基剤及びその他の
成分の外用剤中における配合量は例えば、0〜90重量
%の炭化水素、0〜90重量%の保湿剤、0〜90重量
%の界面活性剤、0〜50重量%の増粘剤、0〜80重
量%の蒸留水、精製水などの水、0〜2重量%の防腐
剤、0〜5重量%の緩衝剤またはpH調整剤、0.5〜
20重量%の高級脂肪酸、0〜50重量%の低級アルコ
ール、0〜30重量%の高級アルコール、また目的に応
じて微量の香料、着色剤等が例示される。これらはその
目的に応じた外用製剤により変化することができるの
で、これに限定する物ではない。
【0040】(製剤の調剤法)本発明の外用製剤の製造
に際しては、従来の製剤学的に公知の製法に準じて製造
することができる。
【0041】(補足的添加薬剤)なお加えるに、本発明
の外用剤は、本発明のアトピー性皮膚疾患外用剤として
の効果を損なわない限り、所望により他の薬効成分を含
んでもよい。これらの薬効成分としては、公知の清涼成
分、ビタミン剤、角質剥離剤、皮質抑制剤、抗脂漏剤、
消炎剤、殺菌剤、鎮痒剤等、また、皮膚疾患に用いるこ
とのできる薬剤を例示することができ、具体的には、メ
ントール、ビタミンA,B群,C,D,E剤等、サリチ
ル酸、エストラジオール、グリチルリチン酸、塩化ベン
ザルコニウム、フェノール、カンフル等が挙げられる。
また、上記以外の薬剤、例えば、麻薬および覚醒剤類例
えば、塩酸エチルモルヒネ、塩酸オキシコドン、塩酸コ
カイン、塩酸ペチジン、塩酸メタンフェタミン、dl−
塩酸メチルエフェドリン、塩酸モルヒネ、クエン酸フェ
ンタニル、酒石酸レバロルファン等;局所殺菌剤例え
ば、ポビドンヨード、ヨードホルム等;酵素製剤例え
ば、塩化リゾチーム、ストレプトキナーゼ、ストレプト
ドルナーゼトリプシン、デオキシリボヌクレアーゼ等;
生薬類例えば、シコンエキス、ロートエキス等;大腸菌
死菌、エピジヒドロコレステリン、トリベノシド等の痔
用薬;止血剤例えば、トロンビン、酸化セルロース、ア
ルギン酸ナトリウムなどをも組み合わせた皮膚科学的に
応用できる複合外用剤もこの発明に属するものである。
【0042】(本発明製剤の使用の形態)以上のように
して供給される本発明のアトピー性皮膚疾患治療用外用
剤は、アトピー性皮膚疾患に対し、例えば、1日2回な
いし3回程度皮膚に適用する。式(1)の化合物又はそ
の薬理学的に許容される塩を主成分とする単剤からなる
外用剤は、アトピー性皮膚疾患における効果において塗
布後、治癒までの期間や治癒率はステロイド外用剤と変
わらず、また、ステロイド外用剤の治療後における色素
沈着、瘢痕、角質の硬化等の副作用やリバウンドのよう
な副作用はみられない。
【0043】本発明は、式(1)の化合物又はその薬理
学的に許容される塩を主成分とする単剤外用剤よりも速
効性及び効果の向上を望む場合、他の補助成分を配合し
た複合剤からなるアトピー性皮膚疾患用外用剤として適
用される。この複合剤は、式(1)の化合物又はその薬
理学的に許容される塩の単剤外用剤と同じく副作用の発
現が認められないアトピー性皮膚疾患用外用剤である。
【0044】本発明の単剤と複合剤の使い分けは、チニ
ダゾールで代表される化合物のアトピー性皮膚治療効果
を基礎として、チニダゾール等が覆いきれない菌やウイ
ルス等の殺菌作用、抗炎症作用、皮膚改善効果等を補
助、増強させるために、抗真菌剤、副腎皮質ホルモン
剤、抗菌剤、サルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギ
ー剤、抗炎症剤、抗生物質、局所麻酔剤、抗ウイルス
剤、代謝拮抗剤、毛髪用剤、組織修復促進剤のいずれか
1種類似上の薬剤を選択して配合使用する。例えば、同
じアトピー性皮膚炎に罹患している同一人物でも罹患場
所により化膿している部位がある場合にはチニダゾール
と抗生物質との組み合わせた複合剤である外用剤を、化
膿していない部位にはチニダゾール単剤の外用剤を投与
する。
【0045】本発明で使用する補助成分である各抗真菌
剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤、サルファ剤、抗ヒス
タミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤、抗生物質、局所
麻酔剤、抗ウイルス剤、代謝拮抗剤、毛髪用剤、組織修
復促進剤は、現在市販されている製剤または薬理学的に
考えられる量より少ない量においては副作用はほとんど
認められないが、皮膚疾患に対して効果的な治療も望め
ない。
【0046】本発明のチニダゾール等を主成分とし、さ
らに補助成分を含有した複合剤である外用剤中の補助成
分の含有量は、各薬剤の製剤である市販または薬理学的
な治療効果の所見に基づいた成分の含有量に比べて通常
考えられない程度の微量である。例えば、抗真菌剤、副
腎皮質ホルモン剤の量は、市販のものに比べて10〜2
0分の1程度であるがその効果は各種選択された皮膚疾
患に対して優れた薬理効果が現れ、しかも副作用もみら
れなかった。よって本発明は各種の皮膚疾患治療に対し
て効果のある、また副作用のないチニダゾール等を主成
分とし、上記の補助成分である化学物質の微量を配合す
ることで、相互の相乗効果により、ステロイド剤に変わ
るアトピー性皮膚疾患の治療に、副作用のないより良き
最適な複合剤の外用剤を提供することに成功した。
【0047】特に重症又は難治性のアトピー性皮膚疾患
の治療にはチニダゾール単剤の外用剤より、チニダゾー
ルと抗真菌剤および微量の副腎皮質ホルモン剤の三剤、
チニダゾールと抗生物質の二剤の組み合わせの複合剤が
その治療にもっとも適していることを見出した。
【0048】なお、本発明の外用剤は、医薬品に限定さ
れず、医薬部外品、化粧料等も含む。
【0049】
【実施例】以下に試験例、ならびに実施例により、本発
明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
により限定されるものではない。Aは単剤の調製とその
臨床効果、Bは複合剤の調製とその臨床効果、以下の実
施例においては、本発明の成分である式(1)のイミダ
ゾール誘導体として、チニダゾールを例として説明する
が、他の化合物であっても同様である。
【0050】A. 単剤の調製とその臨床効果
【実施例1】:外用軟膏剤 a)処方:チニダゾール2g、プロピレングリコール2
8g、オクタン酸セチル5g、白色ワセリン65g。
【0051】b)製造方法:白色ワセリンを加温、攪拌
しながらプロピレングリコールを添加させ、それにチニ
ダゾール、オクタン酸セチルを混合した物を添加し、連
続攪拌しながら加温し分散させる。次いで、ゆっくりと
約25℃の温度に冷却させたのち、適当な容器に入れ、
外用軟膏剤を得た。
【0052】
【実施例2】:外用軟膏剤 a)処方:チニダゾール2g、プロピレングリコール1
0g、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール
5g、流動パラフィン20g、白色ワセリン60g、蒸
留水を全量が100gとなる量。
【0053】b)製造方法:蒸留水、プロピレングリコ
ールの70℃の温度に混合調整したものを攪拌しなが
ら、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール、
チニダゾール、流動パラフィン、白色ワセリンの70℃
の温度に混合調整したものを添加する。連続的に攪拌し
ながらゆっくりと約25℃の温度に冷却させた後、適当
な容器に入れ、外用軟膏剤を得た。
【0054】
【実施例3】:外用クリーム剤 a)処方:チニダゾール1.8g、ステアリン酸5g、
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(12E.
O.)0.5g、ポリオキシエチレンセトステアリルエ
ーテル(20E.O.)0.5g、セタノール5g、オ
クタン酸セチル5g、流動パラフィン5g、ミツロウ1
g、グリセリン5g、l,3−ブチレングリコール5
g、トリエタノールアミン5g、塩酸2.7g、蒸留水
を全量が100gとなる量。
【0055】b)製造方法:油相であるステアリン酸、
ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(12E.
O.)、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル
(20E.O.)、セタノール、オクタン酸セチル、流
動パラフィン、ミツロウを、約70〜75℃の温度に融
解し、攪拌する。この混合物中に、さらに蒸留水、グリ
セリン、1,3−ブチレングリコールおよびトリエタノ
ールアミンの溶解した溶液を約70℃の温度に保ちゆっ
くり添加する。次いで蒸留水、チニダゾールおよび塩酸
の溶解した溶液を約70℃の温度に加温しゆっくり添加
する。生じた乳化液を連続攪拌しながら約25℃の温度
に冷却した後、適当な容器に採取し、クリーム剤を得
た。
【0056】
【実施例4】:外用クリーム剤 a)処方:チニダゾール1.8g、ステアリン酸3g、
モノステアリン酸グリコール4g、モノステアリン酸ポ
リオキシエチレングリコール1g、ポリオキシエチレン
セトステアリルエーテル(12E.O.)0.5g、ポ
リオキシエチレンセトステアリルエーテル(20E.
O.)0.5g、セタノール5g、流動パラフィン10
g、オクタン酸セチル5g、パラオキシ安息香酸エステ
ル0.3g、シリコン1g、ミツロウ1.5g、l,3
−ブチレングリコール7g、グリセリン5g、水酸化ナ
トリウムを適量、塩酸を適量、蒸留水を全量が100g
となる量。
【0057】b)製造方法:蒸留水、1,3−ブチレン
グリコールおよびグリセリンの溶解物に、チニダゾール
を添加し、塩酸をチニダゾールが完全に溶解するまで添
加する。この液を約70℃の温度に加温し、水酸化ナト
リウムでpH6.9にする。これを油相であるステアリ
ン酸、モノステアリン酸グリコール、モノステアリン酸
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンセ
トステアリルエーテル(12E.O.)、ポリオキシエ
チレンセトステアリルエーテル(20E.O.)、セタ
ノール、流動パラフィン、オクタン酸セチル、パラオキ
シ安息香酸エステル、シリコン、ミツロウの約70〜7
5℃の温度に調整、融解した液に攪拌しながらゆっくり
添加する。生じた乳化液を連続攪拌しながら約25℃の
温度に冷却した後、適当な容器に採取し、クリーム剤を
得た。
【0058】
【実施例5】:外用クリーム剤 a)処方:チニダゾール2g、n−オクタデシルアルコ
ール5g、ステアリン酸5g、トリエタノールアミン5
g、流動パラフィン8g、エデト酸二ナトリウム0.2
g、グリセリン10g、チモール0.2g、塩酸を適
量、蒸留水を全量が100gとなる量。
【0059】b)製造方法:n−オクタデシルアルコー
ル、ステアリン酸、流動パラフィンの混合物を撹拌しな
がら加温融解し、約70℃の温度に調整し、次にチニダ
ゾールを添加し、蒸留水、グリセリン、トリエタノール
アミンの溶解物を約70℃の温度に調整したものを攪拌
しながらゆっくり添加する。塩酸でpH6.8に調整し
た後、連続的に攪拌しながらエデト酸二ナトリウム、チ
モールを添加し、約25℃の温度まで冷却したのち、適
当な容器に採取し、外用クリーム剤を得た。
【0060】
【実施例6】:外用ローション剤 a)処方:チニダゾール2g、ステアリン酸3g、セタ
ノール1g、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテ
ル(20E.O.)0.5g、トリエタノールアミン
0.2g、グリセリン5g、イソプロパノール10g、
蒸留水を全量が100gとなる量。
【0061】b)製造方法:セタノール、ポリオキシエ
チレンセトステアリルエーテル(20E.O.)、ステ
アリン酸、チニダゾールを攪拌しながら加温融解し、さ
らにトリエタノールアミン、蒸留水、グリセリンの混合
融解物を添加する。次に40℃の温度に冷却したのち、
イソプロパノールを添加し、連続的に攪拌しながら約2
5℃の温度まで急冷する。冷却後、適当な容器に採取
し、外用ローション剤を得た。
【0062】
【実施例7】:外用ローション剤 a)処方:チニダゾール1.8g、イソプロパノール1
0g、n−オクタデシルアルコール10g、セタノール
5g、Tween 80は2g、1,3−ブチレングリ
コール10g、カルボキシメチルセルロースナトリウム
3g、蒸留水を全量が100gとなる量。
【0063】b)製造方法:n−オクタデシルアルコー
ル、セタノールを加温融解し、これを蒸留水、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム、Tween 80、
1,3−ブチレングリコール、チニダゾールの加温混合
物にゆっくり添加させる。次いで約40℃の温度に冷却
し、イソプロパノールを添加し、連続的に攪拌しながら
約25℃に冷却したのち、適当な容器に採取し、外用ロ
ーション剤を得た。
【0064】
【実施例8】:含水性貼付剤 a)処方:チニダゾール2g、カオリン5g、流動パラ
フィン10g、グリセリン15g、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム5g、クロタミトン1.5g、酸化
亜鉛2g、Tween 80は2g、ゼラチン5g、ポ
リアクリル酸ナトリウム5g、蒸留水を全量が100g
となる量。
【0065】b)製造方法:蒸留水に、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウムとゼラチンの加温融解したもの
を添加しカオリンを加え分散し、これを酸化亜鉛、ポリ
アクリル酸ナトリウム、流動パラフィンを攪拌、分散さ
せたものに攪拌しながら添加する。また、さらにこれに
チニダゾール、クロタミトン、グリセリン、Tween
80を攪拌、加温し、約60℃の温度に調整したもの
を攪拌加温しながら添加する。この得られた膏体を不織
布に1m当たり1000gで展延し、10cm x 1
4cmの大きさ(膏体14gあたりチニダゾール280
mgを含有する)に裁断し、貼付剤を得た。
【0066】
【実施例9】:含水性貼付剤 a)処方:チニダゾール2g、モノオレイン酸ソルビタ
ン0.5g、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビ
タン0.5g、ヒマシ油1g、クロタミトン1g、ゼラ
チン1g、カオリン12g、メタリン酸ナトリウム0.
15g、l,3−ブチレングリコール5g、アクリル酸
デンプン300は2g、ポリアクリル酸ナトリウム5
g、メタアクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー
4g、D−ソルビトール液(70%)50g、酒石酸
1.7g、酸化チタン1g、水酸化アルミナマグネシウ
ム0.25g、ジブチルヒドロキシトルエン0.2g、
蒸留水を全量が100gとなる量。
【0067】b)製造方法:蒸留水適量、D−ソルビト
ール液適量を混合融解し、酸化チタンを添加し、次いで
カオリン、D−ソルビトール液適量を攪拌しながら添加
する。これにゼラチン、次いでメタアクリル酸・アクリ
ル酸n−ブチルコポリマーを添加し、さらにこれに、ポ
リアクリル酸ナトリウム、アクリル酸デンプン300、
水酸化アルミナマグネシウム、1,3−ブチレングリコ
ール、ヒマシ油の混合溶解物とチニダゾール、クロタミ
トン、ジブチルヒドロキシトルエンの加温分散物とモノ
オレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチ
レンソルビタンの混合物を撹拌混合したものを撹拌しな
がら添加する。次いで、メタリン酸ナトリウムを蒸留水
適量に溶解したものを加え、最後に残ったD−ソルビト
ール液と酒石酸の約60℃の温度に調整した混合物を攪
拌しながら添加する。この得られた膏体を不織布に1m
あたり1000gで展延し、10cm x 14cmの
大きさ(膏体14gあたりチニダゾール280mgを含
有する)に裁断し、貼付剤を得た。
【0068】
【実施例10】:水を含まない貼付剤(プラスター剤) a)処方:チニダゾール2g、流動パラフィン8g、ジ
ブチルヒドロキシトルエン0.2g、クロタミトン1
g、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコール2
g、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20
E.O.)1.8g、メタアクリル酸・アクリル酸n−
コポリマー5g、ミリスチルアルコール8g、天然ゴム
ラテックス(固形物として)20g、合成ゴムSBRラ
テックス(固形物として)37g、ポリブデン15g。
【0069】b)製造方法:チニダゾール、ジブチルヒ
ドロキシトルエン、クロタミトンを攪拌しながら加温分
散させ、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル(20
E.O.)、ミリスチルアルコールを加えて加温混合す
る。これをメタアクリル酸・アクリル酸n−コポリマ
ー、天然ゴムラテックス、SBR合成ラテックスの加温
融解した混合物に連続的に攪拌しながら添加する。ま
た、さらにこれに流動パラフィンおよびポリブデンを連
続的に攪拌しながら添加する。この得られた膏体を不織
布または織布に1mあたり100gで展延し、乾燥さ
せた後、10cm x 14cmの大きさ(膏体1.4g
あたりチニダゾール28mgを含有する)に裁断し、プ
ラスター剤を得た。
【0070】
【試験例】
【試験例1】:安定性試験 上記実施例1で製造した外用軟膏剤と実施例4で製造し
た外用クリーム剤を、それぞれ室温および40℃に保存
し、その外観、pH、含有量ならびに粘度の変化を6ケ
月にわたり観察した。その結果を下記表1に表す。
【0071】
【表1】
【0072】その結果、本発明の外用剤は、外観、pH
に変化はなく、含有量および粘度にも大きな変化は認め
られなかった。したがって、本発明が提供する外用剤
は、薬剤学的に安定なものであることが判明した。
【0073】
【試験例2】:臨床試験例 上記実施例1で製造された軟膏剤を、実際のアトピー性
皮膚炎症患者に適用して、その治療効果を検討した。
【0074】対象患者として、以下の患者に適用した。 対象患者A:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢1歳
の小児(男児) 対象患者B:アトピー性皮膚炎に躍思している年齢2歳
の小児(男児) 対象患者C:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢35
歳の女性 対象患者D:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢54
歳の女性 対象患者E:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢27
歳の男性
【0075】a)方法:対象患者A、B、C、Dに対し
ては、アトピー性皮膚炎症の激しい顔面に、1日2回実
施例1で製造した外用軟膏を、連続4週間にわたり塗布
し、その炎症の状態を観察した。また、対象患者Eに対
しては、アトピー性皮膚炎症の激しい下腿部から踝部ま
での患部に、1日2回実施例1で製造した外用軟膏を、
連続4週間にわたり塗布し、その炎症の状態を観察し
た。
【0076】治療効果は、治療開始時の赤疹、湿疹等の
皮膚炎症状と、その後の経時的治癒状況を、3日後、1
週間後、2週間後、3週間後、4週間後にスコア化して
評価した。また、4週間後における皮膚表面の掻痒感の
有無、皮膚状態を評価した。
【0077】なお、評価スコアは以下の通りである。 5:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しく、掻痒感が非常
にあり、無意識のうちに皮膚表面を掻いてしまい、それ
による傷の存在も見られる。 4:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しく、掻痒感がある
が、評価5ほどのことはない。 3:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が確認でき、掻痒感が気
になる程度。 2:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状はわずかに確認できる
が、それほど一般の正常な皮膚と変わらない程度。 1:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状がなく、掻痒感もなく、
正常な皮膚状態である。
【0078】b)結果:その結果を下記表2にまとめ
た。
【0079】
【表2】
【0080】以上の結果からも明らかなように、本発明
の外用軟膏剤は、アトピー性皮膚炎の治療に際し、塗布
開始後3〜7日で皮膚炎症状の改善が見られ、3〜4週
間後には完全に正常皮膚と変わりない状態になった。な
お、塗布に際しても製剤的な刺激性は全くなかった。ま
た、投与中止後もステロイド系の外用剤に見られるよう
なリバウンド等は認められなかった。
【0081】
【試験例3】:臨床試験例 上記実施例4で製造されたクリーム剤を実際のアトピー
性皮膚炎症患者に適用して、その治療効果を検討した。
【0082】対象患者として、以下の患者に適用した。 対象患者F:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢2歳
の小児(男児) 対象患者G:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢6歳
の小児(男児) 対象患者H:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢53
歳の女性 対象患者I:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢58
歳の女性 対象患者J:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢35
歳の男性
【0083】a)方法:対象患者F、G、H、I、Jに
対して、アトピー性皮膚炎症の激しい顔面に、1日2回
実施例4で製造した外用クリームを、連続4週間にわた
り塗布し、その炎症の状態を観察した。
【0084】治療効果は、上記試験例2と同様に、治療
開始時の赤疹、湿疹等の皮膚炎症状、その後の経時的治
癒状況を、3日後、1週間後、2週間後、3週間後、4
週間後にスコア化し評価した。また、4週間後における
皮膚表面の掻痒感の有無、皮膚状態を評価した。なお、
評価スコアは、上記試験例3における評価スコアを用い
た。
【0085】b)結果:その結果を下記表3にまとめ
た。
【0086】
【表3】
【0087】以上の結果から明らかなように、本発明の
外用クリーム剤は、アトピー性皮膚炎の治療に際し、塗
布開始後3〜7日で皮膚炎症状の改善が見られ、3〜4
週間後には完全に正常皮膚と変わらない状態になった。
なお、塗布に際しても製剤的な刺激は全くなかった。ま
た、投与中止後もステロイド系の外用剤に見られるよう
な副作用などのリバウンド等は認められなかった。
【0088】
【発明の効果】単剤 本発明の単剤からなる外用剤は、ステロイド系外用剤に
代わるアトピー性皮膚炎またはその関連する皮膚疾患の
治療に極めて有意な外用剤であり、ステロイド系外用剤
に見られるような副作用(リバウンド等)の懸念もな
く、治療効果もステロイド剤と何等隔たりなく、製剤学
的に極めて良好なものであり、その医学的な貢献は多大
なものである。
【0089】B.複合剤の調製とその臨床効果
【実施例I】:外用クリーム剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール2g、クロトリマ
ゾール0.1g、プロピオン酸クロベタゾール0.00
2g、(b)油相、モノステアリン酸グリコール10
g、セタノール7g、流動パラフィン9g、白色ワセリ
ン3.5g、(c)水相、プロピレングリコール6.5
g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、精製水を全量で10
0gとなる量。
【0090】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約85℃の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、約2
5℃の温度に冷却する。生じたクリームを適当な容器に
採取する。
【0091】
【実施例II】:外用クリーム剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール1g、吉草酸酢酸
プレドニゾロン0.005g、(b)油相モノステアリ
ン酸グリコール8g、セタノール7g、流動パラフィン
10g、白色ワセリン3.5g、(c)水相、プロピレ
ングリコール6.5g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、
精製水を全量で100gとなる量。
【0092】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約85℃の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、約2
5℃の温度に冷却する。生じたクリームを適当な容器に
採取する。
【0093】
【実施例III】:外用クリーム剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール2g、クロラムフ
ェニコール0.001g、酢酸ヒドロコルチゾン0.0
01g、(b)油相、モノステアリン酸グリコール8
g、セタノール7g、流動パラフィン10g、白色ワセ
リン3.5g、(c)水相、プロピレングリコール6.
5g、ラウリル硫酸ナトリウム0.8g、精製水を全量
で100gとなる量。
【0094】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約85℃の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、約2
5℃の温度に冷却する。生じたクリームを適当な容器に
採取する。
【0095】
【実施例IV】:外用クリーム剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール2.5g、塩酸ア
ゼラスチン0.02g、酢酸プレドニゾロン0.001
g、(b)油相、モノステアリン酸グリコール5g、ポ
リオキシエチレン(23)セチルエーテル2g、セタノ
ール5g、白色ワセリン3・5g、流動パラフィン5
g、ミリスチン酸イソプロピル5g、ミリスチン酸オク
チルドデシル3g、パラオキシ安息香酸プロピル0.1
5g、(c)水相、プロピレングリコール7g、パラオ
キシ安息香酸メチル0.15g、蒸留水を全量で100
gとなる量。
【0096】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約85℃の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、約2
5℃の温度に冷却する。生じたクリームを適当な容器に
採取する。
【0097】
【実施例V】:クリーム基剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール2.0g、トルナ
フタート0.05g、(b)油相、ステアリン酸5g、
ステアリルアルコール5g、流動パラフィン5g、ミリ
スチン酸イソプロピル1g、スパン60は1.2g、チ
モール0.2g、(c)水相、ツイーン60は0.7
g、プロピレングリコール6g、トリエタノールアミン
0.4g、精製水を全量が100gとなる量。
【0098】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約85℃の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、約2
5℃の温度に冷却する。生じたクリームを適当な容器に
採取する。
【0099】
【実施例VI】:クリーム基剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール2.Og、アシク
ロビル0.2g、(b)油相、ステアリン酸5g、ステ
アリルアルコール5g、流動パラフィン5g、ミリスチ
ン酸イソプロピル1g、スパン60は1.2g、チモー
ル0.2g、(c):水相、ツィーン60は0.7g、
プロピレングリコール6g、トリエタノールアミン0.
4g、精製水を全量が100gとなる量。
【0100】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約85℃の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、約2
5℃の温度に冷却する。生じたクリームを適当な容器に
採取する。
【0101】
【実施例VII】:外用軟膏剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール2g、ジクロフェ
ナクナトリウム0.05g、クロタミトン1g、フルオ
シノロンアセトニド0.001g、(b)油相、白色ワ
セリン45g、セタノール20g、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油5g、ツイーン80は2g、流動パラフィ
ン5g、バラオキシ安息香酸プロピル0.1g、(c)
水相、パラオキシ安息香酸メチル0.1g、蒸留水を全
量が100gになる量。
【0102】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約85℃の温度に保ち、(c)水相を(b)油相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、約2
5℃の温度に冷却する。生じた軟膏を適当な容器に採取
する。
【0103】
【実施例VIII】:外用軟膏剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール2g、幼牛血液抽
出物1g、塩酸ジフェンヒドラミン0.2g、リドカイ
ン0.1g、(b)油相、ステアリルアルコール7g、
セタノール3g、白色ワセリン30g、モノステアリン
酸グリコール10g、スパン80は1.5g、流動パラ
フィン5g、(c)水相、プロピレングリコール5g、
Tween80は1g、蒸留水全量で100gとなる
量。
【0104】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約85℃の温度に保ち、(b)油相を(c)水相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、約2
5℃の温度に冷却する。生じた軟膏を適当な容器に採取
する。
【0105】
【実施例IX】:外用軟膏剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール2g、硫酸ゲンタ
マイシン0.005g、(b)油相、モノステアリン酸
グリコール15g、モノステアリン酸ポリオキシエチレ
ングリコール3g、ポリオキシエチレンセトステアリル
エーテル2g、セタノール5g、ミツロウ5g、白色ワ
セリン20g、(c)水相、蒸留水を全量で100gと
なる量。
【0106】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約85℃の温度に保ち、(b)油相を(c)水相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、約2
5℃の温度に冷却する。生じた軟膏を適当な容器に採取
する。
【0107】
【実施例X】:ローション剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール2g、ノフロキサ
シン0.005g、クロトリマゾール0.05g、
(b)油相、ステアリン酸2g、セタノール1.5g、
白色ワセリン4g、スクワラン5g、トリ(カプリル酸
・カプリン酸)グリセリン2g、モノオレイン酸ソルビ
タン2g、ポリエチレングリコール5g、(c)水相、
ジプロピレングリコール5g、トリエタノールアミン
0.7g、精製水60g、(d)水相、イソプロパノー
ル10g、精製水を全量で100gとなる量。
【0108】製造方法:(b)油相、(c)水相をそれ
ぞれ約70℃の温度に保ち、(b)油相を(c)水相に
加え攪拌しながら(a)成分を添加する。その後、連続
的に攪拌しながら約40℃の温度に冷却後、(d)水相
を添加し攪拌しながら約25℃の温度に冷却する。生じ
たローション剤を適当な気密容器に採取する。
【0109】
【実施例XI】:貼付剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール3g、クロタミト
ン1g、プレドニゾロン0.05g、(b)基剤、D−
ソルビトール(70%)30g、精製水9g、カオリン
13g、酸化チタン1g、(c)基剤、ゼラチン1g、
精製水4g、(d)基剤、メタリン酸ナトリウム0.1
g、精製水1g、(e)基剤、ポリアクリル酸ナトリウ
ム5g、アクリル酸デンプン300は1g、プロピレン
グリコール5g、ヒマシ油1g、水酸化アルミナマグネ
シウム0.25g、モノオレイン酸ソルビタン0.5
g、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン0.
5g、(f)基剤、D−ソルビトール(70%)14
g、ジブチルヒドロキシトルエン0.2g、(g)基
剤、メタアクリル酸・アクリル酸n−プチルコポリマー
3g、(h)基剤、D−ソルビトール(70%)4.9
g、酒石酸1.5g。
【0110】製造方法:(b)基剤を約40℃の温度に
調整し攪拌しながら(d)基剤を約60℃の温度に調整
したものを添加し、(c)基剤を添加し攪拌しながら、
(g)基剤を添加する。これに(a)成分および(e)
基剤の良く混合したものを添加し、(f)基剤を加え、
攪拌しながら(h)基剤を添加する。生じた膏体のうち
14gを量り、10cmx14cm不織布に均一に塗布
し貼付剤を得た。
【0111】
【実施例XII】:貼付剤(プラスター剤) 処方:(a)有効成分、チニダゾール3g、インドメタ
シン1g、(b)基剤、流動パラフィン7g、ミリスチ
ン酸イソプロピル3g、ポリブデン15g、1,3ペン
タジエン共重合樹脂26g、(c)基剤、モノステアリ
ン酸ポリオキシエチレンソルビタン1.5g、酸化亜鉛
3g、酸化チタン2g、ジブチルヒドロキシトルエン
0.2g、クロタミトン1g、(d)基剤、カオリン6
g、(e)基剤、天然ゴムラテックス(固形分として)
15g、合成ゴムSBR(固形分として)17g、
(f)基剤、グリセリン0.25g、精製水1g、ポリ
アクリル酸ナトリウム0.05g。
【0112】製造方法:(b)基剤の約110℃の温度
で混合融解したものを約90℃の温度に調整し、(a)
成分を添加し、約70℃の温度に調整後、これに(c)
基剤と(d)基剤を混合したものを添加する。これに
(f)基剤を添加し約70℃の温度で(e)基剤を添加
する。生じた膏体を不織布または織布等に1平方メート
ル当たり100gで展延し、10cmX14cmの大き
さに切断する。
【0113】
【実施例XIII】:ジェル剤 処方:(a)有効成分、チニダゾール3g、塩酸ジフェ
ンヒドラミン0.2g、ベタメサゾン0.01g、塩化
カルプロニウム0.2g(b)油相、ポリオキシエチレ
ンオレイルアルコールエーテル1g、(c)水相、ポリ
エチレングリコール1500は6g、ポリオキシエチレ
ングリコール400は2g、EDTA二ナトリウム0.
2g、(d)水相、ジプロピレングリコール8g、
(e)水相、水酸化カリウム0.1g、(f)水相、カ
ルボキシビニルポリマー0.5g、メチルセルロース
0.2g、精製水を全量で100gとなる量。
【0114】製造方法:(f)水相を均一に溶解させた
後、(c)水相を添加し、(a)成分を加え加温し、溶
解、分散させる。これに(d)水相に(b)油相を加え
約60℃の温度に加温融解したものを添加する。これを
攪拌しながら(e)水相を加え中和させ、約25℃の温
度に冷却する。生じたジェル剤を適当な容器に採取す
る。
【0115】
【実施例XIV】:外用クリーム剤 実施例IIの外用クリーム剤にフルオロウラシル0.0
2gを含有しその分精製水を減らした外用クリーム剤。
【0116】
【試験例】上記で調製した複合剤からなる皮膚疾患外用
剤を使って以下臨床試験を実施した。試験例は本発明の
最良の態様の一を示すものであり、これらに限定される
ものではない。
【0117】
【試験例I】:臨床試験例 実際のアトピー性皮膚炎症患者に本発明の外用剤を適用
してその治療効果を検討した。
【0118】対象患者として、以下の患者に適用した。 対象患者A:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢30
歳の女性 対象患者B:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢28
歳の女性 対象患者C:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢26
歳の女性
【0119】方法:対象患者Aへ、アトピー性皮膚炎症
の激しい顔面に、1日2回チニダゾール単剤の外用クリ
ーム剤を、連続3〜4週間にわたり塗布し、その炎症の
状態を観察した。また、対象患者B及びCへは、アトピ
ー性皮膚炎症の顔面に、1日2回実施例Iで製造した外
用クリーム剤を、連続4週間にわたり塗布し、その炎症
の状態を観察した。治療効果は、治療開始時の赤疹、湿
疹等の皮膚炎症状、その後の経時的治癒状況を、3日
後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後にスコア
化し評価を行つた。また、4週間後における皮膚表面の
掻痒感の有無、皮膚状態を評価した。
【0120】なお、評価のスコアと皮膚の状態は以下の
とおりである。 5:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しく、疼痛さえも患
っている。 4:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しいが、評価5ほど
のことはない。 3:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が確認できるが評価4ほ
どのことはない。 2:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状はわずかに確認できる
が、それほど一般の正常な皮膚と変わらない程度。 1:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状がなく、正常な皮膚状態
である。
【0121】評価のスコアと皮膚の掻痒感は以下のとお
りである。 3:激しい掻痒感があり、無意識に皮膚を掻く状態。 2:少々掻痒感があるが、皮膚を掻くのを留めおくこと
ができる状態。 1:全く掻痒感を感じない状態。
【0122】その結果を下記表4にまとめた。
【0123】
【表4】
【0124】以上のように、4週後には患者A、B、C
ともに健康な人と変わらない皮膚状態になったが、チニ
ダゾール単独の外用剤を塗布した患者Aより本発明の複
合剤である実施例Iの外用クリーム剤を塗布した患者B
及びCの患者が早めに掻痒感がなくなり、また、皮膚の
改善も早かった。なお、患者Cは第2週の時点でアトピ
ー性皮膚炎の症状が確認できなかったため、本人の希望
により第2週の時点で塗布を終了した。
【0125】また、臨床試験の結果、患者Aより患者B
およびCの方がステロイド剤などの副腎質ホルモンを使
用していた患者の皮膚状態にみられる肝斑、雀卵斑など
の色素沈着、瘢痕などが本発明による外用剤を使用した
ことにより、より減少または消失したことを確認でき
た。
【0126】なお、塗布に際しても製剤的な刺激性は全
くなかった。また、投与中止後もステロイド系の外用剤
に見られるようなリバウンド等は認められなかった。
【0127】
【試験例II】:臨床試験例 アトピー性皮膚炎症患者に本発明の外用剤を適用してそ
の治療効果を検討した。
【0128】対象患者として、以下の患者に適用した。 対象患者D:アトピー性皮膚炎に罹患している年齢40
歳の男性
【0129】方法:対象患者Dのアトピー性皮膚炎症を
罹患している左腕へ、1日2回チニダゾール外用クリー
ム剤を、連続4週間にわたり塗布し、その炎症の状態を
観察した。また、同一対象患者Dのアトピー性皮膚炎症
を罹患している右腕へ、1日2回実施例IIIで製造し
た外用クリーム剤を、連続4週間にわたり塗布し、その
炎症の状態を観察した。
【0130】治療効果は、治療開始時の赤疹、湿疹等の
皮膚炎症状、その後の経時的治癒状況を、3日後、1週
間後、2週間後、3週間後、4週間後にスコア化し評価
を行つた。また、4週間後における皮膚表面の掻痒感の
有無、皮膚状態を評価した。
【0131】なお、評価のスコアと皮膚の状態は以下の
とおりである。 5:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しく、疼痛さえも患
っている。 4:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が激しいが、評価5ほど
のことはない。 3:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状が確認できるが評価4ほ
どのことはない。 2:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状はわずかに確認できる
が、それほど一般の正常な皮膚と変わらない程度。 1:赤疹、湿疹等の皮膚炎症状がなく、正常な皮膚状態
である。
【0132】評価のスコアと皮膚の掻痒感は以下のとお
りである。 3:激しい掻痒感があり、無意識に皮膚を掻く状態。 2:少々掻痒感があるが、皮膚を掻くのを留めおくこと
ができる状態。 1:全く掻痒感を感じない状態。
【0133】その結果を下記表5にまとめた。
【0134】
【表5】
【0135】以上のように、同人物である患者Dの同症
状において左・右腕の皮膚状態は4週後には改善された
が、チニダゾール単独の外用剤を塗布した左腕より本発
明の複合剤である実施例IIIの外用クリーム剤を塗布
した右腕の方が早めに掻痒感がなくなり、また、皮膚の
改善も早かった。この対象者Dの方は約30年ぐらい罹
患し、全身にアトピー性皮膚炎を患っていて大学病院、
総合病院、開業医などを十数件めぐって治療を行ってい
たが治癒しないままであった。
【0136】また、臨床試験の結果、ステロイド剤など
の副腎質ホルモンを使用していた患者の皮膚状態にみら
れる肝斑、雀卵斑などの色素沈着、瘢痕などが本発明に
よる外用剤を使用したことにより、より健康人に近い皮
膚状態になったことを確認し、さらに塗布に際しても製
剤的な刺激性は全くなかった。また、投与中止後もステ
ロイド系の外用剤に見られるようなリバウンド等は認め
られなかった。
【0137】
【発明の効果】複合剤 以上記載のとおり、本発明の複合剤からなる外用剤であ
る、チニダゾールを代表とする式(1)の化合物等と補
助成分である抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤ま
たはサルファ剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗
炎症剤、抗生物質、局所麻酔剤、抗ウイルス剤、代謝拮
抗剤、毛髪用剤、組織修復促進剤のうち1種類似上を含
有する外用剤、特にチニダゾールを代表とする式(1)
の化合物等と抗真菌剤および/又は副腎皮質ホルモン剤
の複合剤は式(1)の化合物等の単剤の外用剤を塗布し
たものより治療効果がより良きものであった。
【0138】複合剤とすることの理由は、それぞれ市販
されている皮膚疾患外用剤とチニダゾール等の単剤の外
用剤とを混合させても上記の試験結果の様な効果は得ら
れなかったので、本発明においては製剤化をチニダゾー
ル等の主成分と補助成分を同時に混合し基剤を統一する
ことにより上記の様な試験結果を得ることができた。現
在市販されている抗真菌剤、副腎皮質ホルモン剤、抗生
物質等含有されている外用剤は治療効果もそれなりにあ
るが、副作用が発現する場合もある。本発明のチニダゾ
ール等を主成分とする複合剤は、他の薬剤の含有量が市
販されているものより微量な量でそれら複合剤の相互作
用により、治療効果が顕著に現れるばかりでなく、副作
用も確認できなかった。
【0139】よって、ステロイド系外用剤に代わる皮膚
疾患の治療にチニダゾール等を含む外用剤は極めて有用
なアトピー性皮膚疾患外用剤であるが、チニダゾール等
を主成分とし更に補助成分を配合した複合剤はさらに有
用なアトピー性皮膚疾患外用剤であり、その医学的、皮
膚科学的な貢献は多大なもので、現時点ではアトピー性
皮膚疾患における治療上に最も利用価値があるものと思
える。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月7日(2000.7.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、R及びRは炭素原子数1〜6の直鎖又は分
枝鎖の置換していてもよい低級アルキル基を、nは1〜
4の整数を表す)で示されるニトロイミダゾール誘導体
若しくはその薬理学的に許容される塩を主成分とする皮
膚疾患の治療・予防・改善剤であって、アトピー性皮膚
症状に対して外用により有効量を投与することを特徴と
する外用剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/15 A61K 7/15 A61P 17/04 A61P 17/04 // C07D 233/94 C07D 233/94 Fターム(参考) 4C083 AA082 AA122 AB032 AB212 AB242 AB282 AB432 AB442 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC132 AC182 AC242 AC302 AC352 AC402 AC442 AC482 AC542 AC552 AC851 AC852 AD092 AD152 AD242 AD412 AD651 CC02 CC03 CC04 CC05 CC07 CC12 CC21 CC39 DD12 DD22 DD23 DD27 DD28 DD31 DD41 EE07 EE13 FF05 4C086 AA01 AA02 BC38 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 MA16 MA28 NA14 ZA89

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 (式中、R及びRは炭素原子数1〜6の直鎖又は分
    枝鎖の置換していてもよい低級アルキル基を、nは1〜
    4の整数を表す)で示されるニトロイミダゾール誘導体
    若しくはその薬理学的に許容される塩を主成分とする皮
    膚疾患の治療・予防・改善剤であって、アトピー性皮膚
    症状に対して外用により有効量を投与することを特徴と
    する外用剤。
  2. 【請求項2】主成分がチニダゾール(R=エチル、R
    =メチル、n=2)である請求項1の外用剤。
  3. 【請求項3】主成分含有量が製剤に対し0.1〜20重
    量%である請求項1〜2の何れか一に記載の外用剤。
  4. 【請求項4】主成分含有量が製剤に対し1.5〜10重
    量%である請求項3に記載の外用剤。
  5. 【請求項5】主成分に加えて既知の皮膚疾患用治療物質
    を補助薬剤として含有する複合剤であって、補助成分が
    次の化合物の少なくとも一から選択される請求項1〜4
    の何れか一に記載の外用剤。 1) 抗真菌剤 2) 副腎皮質ホルモン剤 3) 抗菌剤 4) サルファ剤 5) 抗ヒスタミン剤 6) 抗アレルギー剤 7) 抗炎症剤 8) 抗生物質 9) 局所麻酔剤 10)抗ウイルス剤 11)代謝拮抗剤 12)毛髪用剤 13)組織修復促進剤 14)免疫抑制剤 15)ビタミンD3群類
  6. 【請求項6】補助成分の含有量が次の少なくとも一から
    選択される請求項5に記載の外用剤。 1) 抗真菌剤0.0005〜2重量% 2) 副腎皮質ホルモン剤0.0001〜1重量% 3) 抗菌剤0.001〜5重量% 4) サルファ剤0.001〜5重量% 5) 抗ヒスタミン剤0.001〜10重量% 6) 抗アレルギー剤0.001〜5重量% 7) 抗炎症剤0.001〜5重量% 8) 抗生物質0.0001〜5重量% 9) 局所麻酔剤0.001〜5重量% 10)抗ウイルス剤0.01〜5重量% 11)代謝拮抗剤0.01〜5重量% 12)毛髪用剤0.01〜10重量% 13)組織修復促進剤0.1〜20重量% 14)免疫抑制剤0.001〜0.1重量% 15)ビタミンD3群類0.00001〜0.01重量
  7. 【請求項7】製剤のpHが2.0〜9.0の範囲である
    請求項1〜6の何れか一に記載の外用剤。
  8. 【請求項8】製剤のpHが3.0〜9.0の範囲である
    請求項7の外用剤。
  9. 【請求項9】製剤のpHが4.0〜9.0の範囲である
    請求項9の外用剤。
  10. 【請求項10】製剤が次の一から選択される請求項7〜
    9の何れか一に記載の外用剤。 1) 軟膏剤 2) クリーム剤 3) ローション剤 4) 貼付剤 5) シャンプー剤 6) ジェル剤 7) リンス剤 8) 液剤 9) 石鹸 10)化粧水 11)乳液 12)パスタ 13)シェービングクリーム 14)ファンデーション 15)コロン 16)パック剤
  11. 【請求項11】顔面のアトピー性皮膚炎の治療・予防・
    改善剤である請求請求項1〜10の何れか一に記載の外
    用剤。
  12. 【請求項12】前記請求項1〜11に記載の何れか一に
    記載の外用剤の製造方法。
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