JP2001163603A - 金属水素化物及びその製造方法 - Google Patents
金属水素化物及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属水素化物、特に、Li、Na、K、M
g、Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の金属水
素化物を、低い温度で簡単かつ効率よく製造できるよう
にする。 【解決手段】 sp2 混成軌道を有する炭素系材料間に
金属を挿入した層間化合物を形成した後、この層間化合
物を水素下において加圧し、炭素系材料間における金属
に水素を結合させて金属水素化物を得るようにした。
g、Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の金属水
素化物を、低い温度で簡単かつ効率よく製造できるよう
にする。 【解決手段】 sp2 混成軌道を有する炭素系材料間に
金属を挿入した層間化合物を形成した後、この層間化合
物を水素下において加圧し、炭素系材料間における金属
に水素を結合させて金属水素化物を得るようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属水素化物及
びその製造方法に係り、特に、アルカリ金属やアルカリ
土類金属の金属水素化物を、低い温度で簡単かつ効率よ
く製造できるようにした点に特徴を有するものである。
びその製造方法に係り、特に、アルカリ金属やアルカリ
土類金属の金属水素化物を、低い温度で簡単かつ効率よ
く製造できるようにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属水素化物は様々な用途に
用いられており、例えば、水素を貯蔵する材料として用
いられたり、高速中性子や熱中性子や放射線等の減速材
や反射材や遮断材として高温原子炉等に用いられたり、
またLi、Na、K、Mg、Ca等のアルカリ金属やア
ルカリ土類金属の金属水素化物の場合には、強力な還元
剤として有機化合物の還元反応に用いられたり、縮合剤
やアルキル化剤等として用いられている。
用いられており、例えば、水素を貯蔵する材料として用
いられたり、高速中性子や熱中性子や放射線等の減速材
や反射材や遮断材として高温原子炉等に用いられたり、
またLi、Na、K、Mg、Ca等のアルカリ金属やア
ルカリ土類金属の金属水素化物の場合には、強力な還元
剤として有機化合物の還元反応に用いられたり、縮合剤
やアルキル化剤等として用いられている。
【0003】ここで、上記のような金属水素化物を製造
するにあたっては、金属と水素とを反応させて得るよう
にしている。
するにあたっては、金属と水素とを反応させて得るよう
にしている。
【0004】ここで、アルカリ金属やアルカリ土類金属
の場合、一般にその表面に酸化物や窒化物の被膜が形成
されており、これらの金属と水素との反応を促進させる
ためには、これらの金属の表面における被膜を取り除く
ように、高温下において水素と反応させることが必要で
あり、例えば、「水素吸蔵合金データブック」(大角泰
章著、与野書房、昭和62年発行、44頁〜48頁)に
示されているように、リチウムやナトリウムの水素化物
を製造する場合、磁製又は鉄製のボートにこれらの金属
をいれ、これをSUS316製の反応管に収容させ、こ
れらの金属を溶融させ、このように溶融された金属に水
素を反応させて、これらの金属水素化物を製造すること
が示されている。
の場合、一般にその表面に酸化物や窒化物の被膜が形成
されており、これらの金属と水素との反応を促進させる
ためには、これらの金属の表面における被膜を取り除く
ように、高温下において水素と反応させることが必要で
あり、例えば、「水素吸蔵合金データブック」(大角泰
章著、与野書房、昭和62年発行、44頁〜48頁)に
示されているように、リチウムやナトリウムの水素化物
を製造する場合、磁製又は鉄製のボートにこれらの金属
をいれ、これをSUS316製の反応管に収容させ、こ
れらの金属を溶融させ、このように溶融された金属に水
素を反応させて、これらの金属水素化物を製造すること
が示されている。
【0005】このように、従来においては、アルカリ金
属やアルカリ土類金属の金属水素化物を製造する場合、
高温下においてアルカリ金属やアルカリ土類金属と水素
とを反応させることが必要で、その製造が困難で、コス
トも高く付くという問題があった。
属やアルカリ土類金属の金属水素化物を製造する場合、
高温下においてアルカリ金属やアルカリ土類金属と水素
とを反応させることが必要で、その製造が困難で、コス
トも高く付くという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、金属水素
化物を製造する場合における上記のような問題を解決す
ることを課題とするものであり、特に、Li、Na、
K、Mg、Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の
金属水素化物を、低い温度で簡単かつ効率よく製造でき
るようにすることを課題とするものである。
化物を製造する場合における上記のような問題を解決す
ることを課題とするものであり、特に、Li、Na、
K、Mg、Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の
金属水素化物を、低い温度で簡単かつ効率よく製造でき
るようにすることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明における金属水
素化物においては、sp2 混成軌道を有する炭素系材料
間に金属を挿入させた層間化合物を水素下において加圧
させ、上記の炭素系材料間における金属に水素を結合さ
せて得たのである。
素化物においては、sp2 混成軌道を有する炭素系材料
間に金属を挿入させた層間化合物を水素下において加圧
させ、上記の炭素系材料間における金属に水素を結合さ
せて得たのである。
【0008】また、この発明における金属水素化物の製
造方法においては、sp2 混成軌道を有する炭素系材料
間に金属を挿入した層間化合物を形成した後、この層間
化合物を水素下において加圧して炭素系材料間における
金属に水素を結合させて金属水素化物を得るようにした
のである。
造方法においては、sp2 混成軌道を有する炭素系材料
間に金属を挿入した層間化合物を形成した後、この層間
化合物を水素下において加圧して炭素系材料間における
金属に水素を結合させて金属水素化物を得るようにした
のである。
【0009】そして、この発明のように、sp2 混成軌
道を有するグラファイト等の炭素系材料間に金属を挿入
させて層間化合物を形成すると、金属の表面における被
膜が除去された状態で金属が炭素系材料間に挿入される
ようになり、従来のように金属の表面における被膜を除
去するために高温にする必要がなく、炭素系材料間に挿
入された金属が水素と容易に反応して金属水素化物が得
られるようになる。
道を有するグラファイト等の炭素系材料間に金属を挿入
させて層間化合物を形成すると、金属の表面における被
膜が除去された状態で金属が炭素系材料間に挿入される
ようになり、従来のように金属の表面における被膜を除
去するために高温にする必要がなく、炭素系材料間に挿
入された金属が水素と容易に反応して金属水素化物が得
られるようになる。
【0010】また、この発明において金属水素化物を得
るのに使用する金属元素については特に限定されない
が、前記のように金属水素化物の製造が困難なLi、N
a、K、Mg、Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金
属を用いた場合に、特に有効である。
るのに使用する金属元素については特に限定されない
が、前記のように金属水素化物の製造が困難なLi、N
a、K、Mg、Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金
属を用いた場合に、特に有効である。
【0011】ここで、sp2 混成軌道を有するグラファ
イト等の炭素系材料間に金属が挿入された層間化合物を
得るにあたっては、上記の炭素系材料と金属とをそれぞ
れ別の管内に収容させ、この2つの管を接続させた後、
真空排気を行いながらヒーターにより金属を加熱し、こ
の金属の気体を炭素系材料に接触させて、炭素系材料間
に金属を挿入させる気相反応法や、陰極に金属を、陽極
に上記の炭素系材料をセットすると共に適当な電解液を
用い、この電解液中に上記の金属を溶解させ、この金属
を炭素系材料間に挿入させる電気化学的方法を用いるこ
とができる。なお、上記の気相反応法においては、ヒー
ターにより金属を加熱させることが必要になるが、上記
の電気化学的方法によると加熱を行う必要がなく、簡単
に層間化合物を得ることができるようになる。
イト等の炭素系材料間に金属が挿入された層間化合物を
得るにあたっては、上記の炭素系材料と金属とをそれぞ
れ別の管内に収容させ、この2つの管を接続させた後、
真空排気を行いながらヒーターにより金属を加熱し、こ
の金属の気体を炭素系材料に接触させて、炭素系材料間
に金属を挿入させる気相反応法や、陰極に金属を、陽極
に上記の炭素系材料をセットすると共に適当な電解液を
用い、この電解液中に上記の金属を溶解させ、この金属
を炭素系材料間に挿入させる電気化学的方法を用いるこ
とができる。なお、上記の気相反応法においては、ヒー
ターにより金属を加熱させることが必要になるが、上記
の電気化学的方法によると加熱を行う必要がなく、簡単
に層間化合物を得ることができるようになる。
【0012】また、上記のようにして製造した層間化合
物を水素下において加圧して炭素系材料間における金属
に水素を結合させるにあたっては、上記の層間化合物の
表面に水分等の不純物が存在しているため、上記のよう
にして製造した層間化合物を減圧させて、層間化合物の
表面における水分等の不純物を除去した後、この層間化
合物を水素下において加圧させるようにすることが好ま
しい。
物を水素下において加圧して炭素系材料間における金属
に水素を結合させるにあたっては、上記の層間化合物の
表面に水分等の不純物が存在しているため、上記のよう
にして製造した層間化合物を減圧させて、層間化合物の
表面における水分等の不純物を除去した後、この層間化
合物を水素下において加圧させるようにすることが好ま
しい。
【0013】そして、上記のように層間化合物を水素下
において加圧して炭素系材料間における金属に水素を結
合させた後、炭素系材料間から金属水素化物を取り出す
にあたっては、この層間化合物を減圧させて、炭素系材
料間における金属水素化物を取り出すことができる。
において加圧して炭素系材料間における金属に水素を結
合させた後、炭素系材料間から金属水素化物を取り出す
にあたっては、この層間化合物を減圧させて、炭素系材
料間における金属水素化物を取り出すことができる。
【0014】ここで、このように層間化合物を減圧させ
て、炭素系材料間における金属水素化物を取り出すにあ
たっては、金属水素化物の取り出しが容易に行えるよう
にするため、加熱下において層間化合物を減圧させるこ
とが好ましく、通常は80℃以上、好ましくは120℃
以上の温度下において行うようにする。
て、炭素系材料間における金属水素化物を取り出すにあ
たっては、金属水素化物の取り出しが容易に行えるよう
にするため、加熱下において層間化合物を減圧させるこ
とが好ましく、通常は80℃以上、好ましくは120℃
以上の温度下において行うようにする。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例に係る金属水素化物
の製造方法について具体的に説明すると共に、比較例を
挙げ、この発明の実施例によると低い温度で金属水素化
物を製造することができることを明らかにする。なお、
この発明に係る金属水素化物及びその製造方法は、下記
の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更し
ない範囲において適宜変更して実施できるものである。
の製造方法について具体的に説明すると共に、比較例を
挙げ、この発明の実施例によると低い温度で金属水素化
物を製造することができることを明らかにする。なお、
この発明に係る金属水素化物及びその製造方法は、下記
の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更し
ない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0016】(実施例1)この実施例1においては、金
属水素化物を合成する金属元素として、アルカリ金属の
リチウムを用いる一方、sp2 混成軌道を有する炭素系
材料として、グラファイトを用いるようにした。
属水素化物を合成する金属元素として、アルカリ金属の
リチウムを用いる一方、sp2 混成軌道を有する炭素系
材料として、グラファイトを用いるようにした。
【0017】ここで、リチウムをグラファイトの層間に
挿入させるにあたっては、陰極に7gの金属リチウムを
使用する一方、正極には12gのグラファイトに対して
結着剤であるポリテトロフルオロエチレンを1gの割合
で混合させてコイン状に成形したものを使用し、また電
解液としてはLiClO4 をテトラヒドロフランに1m
ol/lの濃度で溶解させたものを用いるようにした。
挿入させるにあたっては、陰極に7gの金属リチウムを
使用する一方、正極には12gのグラファイトに対して
結着剤であるポリテトロフルオロエチレンを1gの割合
で混合させてコイン状に成形したものを使用し、また電
解液としてはLiClO4 をテトラヒドロフランに1m
ol/lの濃度で溶解させたものを用いるようにした。
【0018】そして、上記の陰極と陽極との間に多孔質
の隔壁を介するようにして、これらを容器内に収容させ
て密封し、上記の陰極と陽極との間に抵抗を接続させ、
電気化学的方法により、リチウムを上記のグラファイト
の層間に挿入させて層間化合物を得た。ここで、このよ
うにして得た層間化合物を粉末X線回析測定法によって
調べたところ、その組成はC6 Liであり、グラファイ
トの層間にリチウムが挿入されていることを確認した。
の隔壁を介するようにして、これらを容器内に収容させ
て密封し、上記の陰極と陽極との間に抵抗を接続させ、
電気化学的方法により、リチウムを上記のグラファイト
の層間に挿入させて層間化合物を得た。ここで、このよ
うにして得た層間化合物を粉末X線回析測定法によって
調べたところ、その組成はC6 Liであり、グラファイ
トの層間にリチウムが挿入されていることを確認した。
【0019】次に、上記のようにして生成した層間化合
物のC6 Liをグローブボックス内で1.5g採取し、
これを試料温度が測定可能なSUS製の耐圧容器内に充
填させた。
物のC6 Liをグローブボックス内で1.5g採取し、
これを試料温度が測定可能なSUS製の耐圧容器内に充
填させた。
【0020】そして、この耐圧容器を恒温槽に設置し
て、この耐圧容器内におけるC6 Liの温度を80℃に
保持し、この状態で、ロータリーポンプにより耐圧容器
内の気体を1時間かけて排気させて減圧させた。なお、
このように1時間かけて排気させた後における耐圧容器
内の圧力は0.1Torr以下であった。
て、この耐圧容器内におけるC6 Liの温度を80℃に
保持し、この状態で、ロータリーポンプにより耐圧容器
内の気体を1時間かけて排気させて減圧させた。なお、
このように1時間かけて排気させた後における耐圧容器
内の圧力は0.1Torr以下であった。
【0021】次いで、上記のように減圧させた耐圧容器
内に純度が99.99999%の水素ガスを供給し、耐
圧容器内におけるC6 Liを水素ガス下において40a
tmに加圧した。このように水素ガス下において加圧す
ると、耐圧容器内における圧力が低下した。これは、層
間化合物であるC6 Liにおいて、グラファイトの層間
に挿入されたリチウムに水素が結合されて、リチウムの
水素化物が形成されたためであると考えられる。
内に純度が99.99999%の水素ガスを供給し、耐
圧容器内におけるC6 Liを水素ガス下において40a
tmに加圧した。このように水素ガス下において加圧す
ると、耐圧容器内における圧力が低下した。これは、層
間化合物であるC6 Liにおいて、グラファイトの層間
に挿入されたリチウムに水素が結合されて、リチウムの
水素化物が形成されたためであると考えられる。
【0022】そして、このように耐圧容器内における圧
力が低下した状態で12時間保持させた。ここで、層間
化合物であるC6 Liに対して反応した水素の量を算出
した結果、グラファイトの層間に挿入されたリチウムに
水素が結合されて、リチウムの水素化物が形成されてい
ることを確認した。
力が低下した状態で12時間保持させた。ここで、層間
化合物であるC6 Liに対して反応した水素の量を算出
した結果、グラファイトの層間に挿入されたリチウムに
水素が結合されて、リチウムの水素化物が形成されてい
ることを確認した。
【0023】次に、上記の耐圧容器内における気体をロ
ータリーポンプにより排気しながら、この耐圧容器内に
おける試料温度を80℃から徐々に昇温させた。
ータリーポンプにより排気しながら、この耐圧容器内に
おける試料温度を80℃から徐々に昇温させた。
【0024】この結果、耐圧容器内の試料温度が120
℃に達した時点で、この試料温度が急激に上昇したた
め、この時点でロータリーポンプによる排気を停止し、
グローブボックス内において、耐圧容器内の状態を調べ
たところ、グラファイトの層間からリチウム水素化物が
取り出されて、グラファイトの粉末と薄片状のリチウム
水素化物とに分離していた。
℃に達した時点で、この試料温度が急激に上昇したた
め、この時点でロータリーポンプによる排気を停止し、
グローブボックス内において、耐圧容器内の状態を調べ
たところ、グラファイトの層間からリチウム水素化物が
取り出されて、グラファイトの粉末と薄片状のリチウム
水素化物とに分離していた。
【0025】(比較例1)この比較例1においては、グ
ローブボックス内で金属リチウムを1g採取し、これを
上記の実施例1の場合と同じSUS製の耐圧容器内に充
填させるようにした。
ローブボックス内で金属リチウムを1g採取し、これを
上記の実施例1の場合と同じSUS製の耐圧容器内に充
填させるようにした。
【0026】そして、このように金属リチウムだけを耐
圧容器内に充填させる以外は、上記の実施例1の場合と
同様にし、この耐圧容器内における金属リチウムの温度
を80℃に保持し、この状態で、ロータリーポンプによ
り耐圧容器内の気体を1時間かけて排気させて0.1T
orr以下に減圧し、このように減圧させた耐圧容器内
に純度が99.99999%の水素ガスを供給し、耐圧
容器内における金属リチウムを水素ガス下において40
atmに加圧した。
圧容器内に充填させる以外は、上記の実施例1の場合と
同様にし、この耐圧容器内における金属リチウムの温度
を80℃に保持し、この状態で、ロータリーポンプによ
り耐圧容器内の気体を1時間かけて排気させて0.1T
orr以下に減圧し、このように減圧させた耐圧容器内
に純度が99.99999%の水素ガスを供給し、耐圧
容器内における金属リチウムを水素ガス下において40
atmに加圧した。
【0027】しかし、このように水素ガス下において加
圧しても、耐圧容器内における圧力が低下することがな
く、リチウム水素化物は得られなかった。
圧しても、耐圧容器内における圧力が低下することがな
く、リチウム水素化物は得られなかった。
【0028】なお、上記の実施例1では、金属元素にリ
チウムを用いた場合を示したが、他の金属元素でも同様
の方法によって金属水素化物を製造することができ、特
に、他のアルカリ金属やアルカリ土類金属であるNa、
K、Mg、Caについても、Liと同様に低い温度で効
率よく金属水素化物を製造することができる。
チウムを用いた場合を示したが、他の金属元素でも同様
の方法によって金属水素化物を製造することができ、特
に、他のアルカリ金属やアルカリ土類金属であるNa、
K、Mg、Caについても、Liと同様に低い温度で効
率よく金属水素化物を製造することができる。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明において
は、sp2 混成軌道を有するグラファイト等の炭素系材
料間に金属を挿入させて層間化合物を形成するようにし
たため、この金属の表面における被膜が除去された状態
で金属が炭素系材料間に挿入されるようになり、従来の
ように金属の表面における被膜を除去するために高温に
する必要がなく、ある程度の温度でこの層間化合物を水
素下において加圧するだけで、炭素系材料間に挿入され
た金属が水素と容易に反応して金属水素化物が得られる
ようになった。
は、sp2 混成軌道を有するグラファイト等の炭素系材
料間に金属を挿入させて層間化合物を形成するようにし
たため、この金属の表面における被膜が除去された状態
で金属が炭素系材料間に挿入されるようになり、従来の
ように金属の表面における被膜を除去するために高温に
する必要がなく、ある程度の温度でこの層間化合物を水
素下において加圧するだけで、炭素系材料間に挿入され
た金属が水素と容易に反応して金属水素化物が得られる
ようになった。
【0030】この結果、この発明によると、金属水素化
物を低い温度で簡単かつ効率よく製造できるようにな
り、特に、表面に酸化物や窒化物の被膜が形成されるL
i、Na、K、Mg、Ca等のアルカリ金属やアルカリ
土類金属においても、これらの金属水素化物を低い温度
で簡単かつ効率よく製造できるようになった。
物を低い温度で簡単かつ効率よく製造できるようにな
り、特に、表面に酸化物や窒化物の被膜が形成されるL
i、Na、K、Mg、Ca等のアルカリ金属やアルカリ
土類金属においても、これらの金属水素化物を低い温度
で簡単かつ効率よく製造できるようになった。
Claims (7)
- 【請求項1】 sp2 混成軌道を有する炭素系材料間に
金属を挿入させた層間化合物を水素下において加圧さ
せ、上記の炭素系材料間における金属に水素を結合させ
て得たことを特徴とする金属水素化物。 - 【請求項2】 sp2 混成軌道を有する炭素系材料間に
金属を挿入した層間化合物を形成した後、この層間化合
物を水素下において加圧して炭素系材料間における金属
に水素を結合させて金属水素化物を得ることを特徴とす
る金属水素化物の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載した金属水素化物の製造
方法において、上記の層間化合物を減圧させた後、この
層間化合物を水素下において加圧して炭素系材料間にお
ける金属に水素を結合させて金属水素化物を得ることを
特徴とする金属水素化物の製造方法。 - 【請求項4】 請求項2又は3に記載した金属水素化物
の製造方法において、上記の金属元素がアルカリ金属、
アルカリ土類金属から選択される少なくとも1種以上で
あることを特徴とする金属水素化物の製造方法。 - 【請求項5】 請求項2〜4の何れか1項に記載した金
属水素化物の製造方法において、上記の層間化合物を水
素下において加圧して炭素系材料間における金属に水素
を結合させて金属水素化物を得た後、この層間化合物を
減圧させて、炭素系材料間における金属水素化物を取り
出すことを特徴とする金属水素化物の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載した金属水素化物の製造
方法において、上記の層間化合物を減圧下させて炭素系
材料間における金属水素化物を取り出す操作を加熱下に
おいて行うことを特徴とする金属水素化物の製造方法。 - 【請求項7】 請求項2〜6の何れか1項に記載した金
属水素化物の製造方法において、sp2 混成軌道を有す
る炭素系材料間に金属が挿入された上記の層間化合物を
電気化学的方法によって製造することを特徴とする金属
水素化物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34875499A JP2001163603A (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | 金属水素化物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34875499A JP2001163603A (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | 金属水素化物及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001163603A true JP2001163603A (ja) | 2001-06-19 |
Family
ID=18399150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34875499A Pending JP2001163603A (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | 金属水素化物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001163603A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100639889B1 (ko) | 2004-12-30 | 2006-10-31 | 주식회사 소디프신소재 | 비탄소재료 함유 소구체 탄소분말 및 그 제조방법 |
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