JP2001163212A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JP2001163212A
JP2001163212A JP34933299A JP34933299A JP2001163212A JP 2001163212 A JP2001163212 A JP 2001163212A JP 34933299 A JP34933299 A JP 34933299A JP 34933299 A JP34933299 A JP 34933299A JP 2001163212 A JP2001163212 A JP 2001163212A
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Yuji Oishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを増加することがなく、精度よく
ブレーキ液温を推定でき、ブレーキ液温に基づいて液圧
を制御可能なブレーキ液圧制御装置の提供。 【解決手段】 ブレーキ液圧を制御するための電磁弁を
設け、この電磁弁を駆動制御する電磁弁制御装置41を
設ける。前記電磁弁制御装置41に、電磁弁の電流値を
検出することによって、電磁弁に駆動電流が供給されて
からこの電磁弁が作動を完了するまでの作動完了時間を
検出する電磁弁電流検出手段42を設ける。また、前記
電磁弁電流検出手段42による電磁弁の作動完了時間に
基づいてブレーキ液温を推定するブレーキ液温推定手段
43を設ける。また、前記ブレーキ液温推定手段43に
よる推定値に基づいて電磁弁の作動時間の補正量を決定
する補正量決定手段44を設ける。前記電磁弁への通電
時間を補正量決定手段44の補正量によって補正するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等のアンチロ
ック制御やトラクション制御などを行うために好適な、
ブレーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のブレーキ液圧制御装置は、ホイ
ールシリンダのブレーキ液圧を制御するための電磁弁を
備え、この電磁弁が電磁弁制御装置によって駆動制御さ
れるようになっている。
【0003】例えば、マスタシリンダの液圧をホイール
シリンダに導く主通路の途中に増圧電磁弁を設け、ホイ
ールシリンダとリザーバとを連通するリターン通路の途
中に減圧電磁弁が設けられており、通常ブレーキ時には
減圧電磁弁を閉じると共に増圧電磁弁を開いて、ブレー
キペダルに加えられる踏力に応じてブレーキ液圧を発生
させるマスターシリンダの液圧が増圧電磁弁を介してホ
イールシリンダに供給されることによって所定の制動力
を得る一方、ブレーキペダルの踏み込みによる制動動作
時において、車輪がロックする虞がある場合は、増圧電
磁弁を閉じると共に減圧電磁弁を開いて、ホイールシリ
ンダ内の液圧をリターン通路を介してリザーバに流入さ
せ、ホイールシリンダ内の液圧を減圧制御して車輪のロ
ックを回避するようになっている。この場合に、前記増
圧電磁弁及び減圧電磁弁が電磁弁制御装置によって駆動
制御される。
【0004】ところで、圧力媒体であるブレーキ液は、
車両等の走行時の環境によって温度の影響を受け、動粘
度が変化するところから、ブレーキ液温の変化によって
電磁弁によるブレーキ液圧の制御特性が変化することに
なる。例えば、低温時にはブレーキ液の粘性が増すた
め、増圧制御する場合に、常温時と同じ時間だけ増圧制
御しても所定のブレーキ液圧が得られなくなる。
【0005】これを解決するために、例えば特開平8−
58553号公報には、温度センサーとしての格別のブ
レーキ液温検出手段を設けて、この温度検出手段が検出
したブレーキ液温に基づいて電磁弁の作動時間を補正す
るか、エンジン冷却水温度検出手段によって検出した冷
却水の温度に基づいてブレーキ液温を推定し、電磁弁の
作動時間を補正するようにしたブレーキ液圧制御装置が
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例にあっては、格別のブレーキ液温検出手段を設ける
場合は、この液温検出手段を設けることによってブレー
キ液圧制御装置の製造コストが増加する虞があり、ま
た、エンジン冷却水温度検出手段が検出した温度データ
を利用する場合はブレーキ液温を推定する精度が悪くな
る虞がある。
【0007】本発明は前記従来の実情に鑑みて案出され
たもので、製造コストを増加させることがなく、精度よ
くブレーキ液温を推定することが可能なブレーキ液圧制
御装置を得ることを目的とする。また、前記推定された
ブレーキ液温に基づいて液圧を制御可能なブレーキ液圧
制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御するた
めの電磁弁を備え、この電磁弁が電磁弁制御装置によっ
て駆動制御されるブレーキ液圧制御装置において、前記
電磁弁制御装置が、電磁弁の電流値を検出することによ
って、電磁弁に駆動電流が供給されてからこの電磁弁が
作動を完了するまでの作動完了時間を検出する電磁弁電
流検出手段と、この電磁弁電流検出手段による作動完了
時間に基づいてブレーキ液温を推定するブレーキ液温推
定手段と、を備えてなる構成にしてある。
【0009】また、請求項2記載の発明は、ホイールシ
リンダのブレーキ液圧を制御するための電磁弁を備え、
この電磁弁が電磁弁制御装置によって駆動制御されるブ
レーキ液圧制御装置において、前記電磁弁制御装置が、
電磁弁の電流値を検出することによって、電磁弁に駆動
電流が供給されてからこの電磁弁が作動を完了するまで
の作動完了時間を検出する電磁弁電流検出手段と、この
電磁弁電流検出手段による作動完了時間に基づいてブレ
ーキ液温を推定するブレーキ液温推定手段と、このブレ
ーキ液温推定手段による推定値に基づいて電磁弁の作動
時間の補正量を決定する補正量決定手段とを備え、前記
電磁弁への通電時間が補正量決定手段の補正量によって
補正される構成にしてある。
【0010】請求項1記載の発明にあっては、先ず、前
記電磁弁電流検出手段によって、電磁弁の電流値を検出
して、電磁弁に駆動電流が供給されてからこの電磁弁が
作動を完了するまでの作動完了時間を検出する。
【0011】具体的には、前記電磁弁の電流値の変化を
検出することによって作動完了時間を検出する。即ち、
前記電磁弁の電磁コイルに励磁電流を供給することによ
ってアーマチュア(可動鉄心)が駆動され、このアーマ
チュアに繋がる弁体が弁孔を開くかまたは閉じ、アーマ
チュアが機械的にその移動を停止される。前記電磁弁の
アーマチュアがその移動を停止することによって、磁気
抵抗(リラクタンス)の逆数であるパーミアンスの変化
率は一挙に零となるから、電磁弁の電流値の変化に特異
点が現れる。これによって、前記電磁弁の作動が完了す
るまでの作動完了時間が検出される。
【0012】次に、前記ブレーキ液温推定手段によっ
て、電磁弁電流検出手段による電磁弁の作動完了時間に
基づいて、ブレーキ液温を推定する。
【0013】具体的には、ブレーキ液の動粘度はブレー
キ液の温度によって変化し、温度の低下に伴って粘性を
増すから、電磁弁の作動完了時間は、ブレーキ液の温度
が常温状態から低下するに連れて長くなり、上昇するに
連れて短くなる。このため、予めブレーキ液温と作動完
了時間との関係を記憶させておき、そのデータ等を参照
して、電磁弁の作動完了時間に基づいてブレーキ液温が
推定される。
【0014】ここに、前記ブレーキ液温は電磁弁の電流
値に基づいて推定されるから、格別の検出手段を設ける
必要がないと共に、精度よく推定される。
【0015】したがって、製造コストを増加させること
がなく、精度よくブレーキ液温を推定することが可能な
ブレーキ液圧制御装置が得られる。
【0016】次に、請求項2記載の発明にあっては、先
ず、前記電磁弁電流検出手段によって、電磁弁の電流値
を検出して、電磁弁に駆動電流が供給されてからこの電
磁弁が作動を完了するまでの作動完了時間を検出する。
【0017】具体的には、前記電磁弁の電流値の変化を
検出することによって作動時間を検出する。即ち、前記
電磁弁の電磁コイルに励磁電流を供給することによって
アーマチュア(可動鉄心)が駆動され、このアーマチュ
アに繋がる弁体が弁孔を開くかまたは閉じ、アーマチュ
アが機械的にその移動を停止される。前記電磁弁のアー
マチュアがその移動を停止することによって、磁気抵抗
(リラクタンス)の逆数であるパーミアンスの変化率は
一挙に零となるから、電磁弁の電流値の変化に特異点が
現れる。これによって、前記電磁弁の作動が完了するま
での作動完了時間が検出される。
【0018】次に、前記ブレーキ液温推定手段によっ
て、電磁弁電流検出手段による電磁弁の作動完了時間に
基づいて、ブレーキ液温を推定する。
【0019】具体的には、ブレーキ液の動粘度はブレー
キ液の温度によって変化し、温度の低下に伴って粘性を
増すから、電磁弁の作動完了時間は、ブレーキ液の温度
が常温状態から低下するに連れて長くなり、上昇するに
連れて短くなる。このため、予めブレーキ液温と作動完
了時間との関係を記憶させておき、そのデータ等を参照
して、電磁弁の作動完了時間に基づいてブレーキ液温が
推定される。
【0020】次に、前記補正量決定手段によって、ブレ
ーキ液温推定手段によるブレーキ液温の推定値に基づい
て、電磁弁の作動時間の補正量を決定する。
【0021】この場合に、ブレーキ液温とブレーキ圧力
の増圧及び減圧特性との関係を予めマップ等の形式で記
憶させておき、このマップ等を参照して、ブレーキ圧力
の増圧及び減圧時における電磁弁の作動時間の補正量を
決定することができる。
【0022】これによって、前記電磁弁の作動時間が補
正され、ブレーキ液温が変化しても、所定のブレーキ液
圧に制御されることになる。
【0023】ここに、前記ブレーキ液温は電磁弁の電流
値に基づいて推定されるから、格別の検出手段を設ける
必要がないと共に、精度よく推定される。
【0024】したがって、製造コストを増加させること
がなく、精度よくブレーキ液温を推定することが可能で
あると共に、この推定されたブレーキ液温に基づいて液
圧を制御可能なブレーキ液圧制御装置が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をアン
チロックブレーキ装置に適用した態様として、図面に基
づいて詳述する。
【0026】図1は本発明の実施の形態を示す、ブレー
キ液圧制御装置の全体構成を示す説明図、図2は図1に
おける増圧電磁弁の断面図、図3は図1における減圧電
磁弁の断面図、図4は本発明の基本構成を示すブロック
図、図5は図4に示す電磁弁電流検出手段の回路図、図
6は電磁弁の電流特性を示す線図、図7はブレーキ液温
と作動完了時間との関係を示す線図、図8は増圧制御さ
れるときに電磁弁制御装置の内部で実行される処理の概
要を示すフローチャート、図9は減圧制御されるときに
電磁弁制御装置の内部で実行される処理の概要を示すフ
ローチャート、図10は図8及び図9における補正処理
の概要を示すフローチャートである。
【0027】図において、1はブレーキペダル、2はブ
レーキペダル1に加えられる踏力に応じてブレーキ液圧
を発生させるマスタシリンダである。前記マスタシリン
ダ2は供給通路3を介してホイールシリンダ4に連通に
連通している。前記供給通路3の途中には増圧電磁弁5
が設けられており、この増圧電磁弁5は常態において開
状態を維持するノーマル・オープン型の弁となってい
る。
【0028】また、前記供給通路3には、チェック弁6
が増圧電磁弁5に対して並列に設けられており、このチ
ェック弁6はマスタシリンダ2からホイールシリンダ4
への作動液の流通を阻止し、逆方向の流通を許容するよ
うになっている。
【0029】7はブレーキ液のリザーバである。前記リ
ザーバ7はリターン通路8を介してホイールシリンダ4
に連通しており、このリターン通路8は増圧電磁弁5よ
りも下流側の供給通路3から分岐して形成してある。前
記リターン通路8の途中には減圧電磁弁9が設けられて
おり、この減圧電磁弁9は常態において閉状態を維持す
るノーマル・クローズ型の弁となっている。
【0030】10は前記リザーバ7内のブレーキ液をマ
スタシリンダ2側に汲み出すポンプ装置で、このポンプ
装置10の吸入通路11はリザーバ7に連通し、吐出通
路12はダンパ13を介してマスタシリンダ2に連通し
ている。
【0031】前記増圧電磁弁5は、図2に示すように、
バルブボディ16に形成した供給通路3の途中に、弁孔
17及び弁座18を備えた中空状の弁座部材19を設
け、この弁座部材19の弁座18に弁体20を適合させ
た構成とされている。前記弁体20はバルブボディ16
に形成した軸方向孔21を摺動自在に貫通して延び、シ
リンダ22内に摺動自在に収容されたアーマチュア(可
動鉄心)23に接触されている。前記シリンダ22は非
磁性材料から一端封止の円筒状に形成されてなり、開放
端がバルブボディ16に固定されている。前記弁体20
及びアーマチュア23の外周側には電磁コイル24が配
置されており、この電磁コイル24に励磁電流を供給す
ることによってアーマチュア23と共に弁体20が駆動
されるようになっている。また、前記弁体20はばね部
材25によって付勢されて、常態において弁孔17を開
いており、電磁コイル24による駆動によって弁座18
に着座して弁孔17を閉じ、供給通路3を閉塞すること
が可能となっている。
【0032】また、前記バルブボディ16の先端側に
は、チェック弁6としてのカップシール26が設けられ
ている。
【0033】前記減圧弁9は、図3に示すように、バル
ブボディ29に形成したリターン通路8の途中に、弁孔
30及び弁座31を備えた中空状の弁座部材32を設
け、この弁座部材32の弁座31に弁体33を適合させ
た構成とされている。前記弁体33は球体からなり、シ
リンダ34内に摺動自在に収容されたアーマチュア(可
動鉄心)35に一体的に取付けてある。前記シリンダ3
4は非磁性材料から円筒状に形成されてなり、一端側が
バルブボディ16に固定され、他端側がキャップ36に
よって封止されている。前記弁体33が取付けられたア
ーマチュア35の外周側には電磁コイル37が配置され
ており、この電磁コイル37に励磁電流を供給すること
によってアーマチュア35と共に弁体33が駆動される
ようになっている。また、前記弁体33はアーマチュア
35を介してばね部材38によって付勢されて、常態に
おいて弁孔30を閉じており、電磁コイル37による駆
動によって弁座31から離れて弁孔30を開き、リター
ン通路8を開通することが可能となっている。
【0034】41は電磁弁制御装置で、この電磁弁制御
装置41は、車両の走行状態や路面状態等の信号が入力
され、これらの信号に基づいて増圧電磁弁5及び減圧電
磁弁9を駆動制御するようになっている。
【0035】前記電磁弁制御装置41は、図4に示すよ
うに、電磁弁電流検出手段42と、ブレーキ液温推定手
段43と、補正量決定手段44とを備えている。
【0036】前記電磁弁電流検出手段42は、増圧電磁
弁5または減圧電磁弁9の電流値を検出することによっ
て、増圧電磁弁5または減圧電磁弁9に駆動電流が供給
されてからこの増圧電磁弁5または減圧電磁弁9が作動
を完了するまでの作動完了時間を検出するようになって
いる。
【0037】具体的には、図5に示すように、ドレイン
側が接地されたスイッチングトランジスタ46と電磁コ
イル24,37との間に設けた負荷抵抗47の前後の電
圧を演算増幅器48に入力して、この演算増幅器48の
出力をAD変換器49でデジタル変換したデータとして
検出することが可能となっている。尚、図5において5
0はバッテリ、51は演算増幅器48の(−)端子側に
設けた抵抗、52は演算増幅器48の(+)端子側に設
けた抵抗、53は演算増幅器48の出力端子から(−)
端子にフィードバックする抵抗である。また、前記演算
増幅器48の(+)端子は抵抗54を介して接地してあ
る。
【0038】この場合に、前記増圧電磁弁5または減圧
電磁弁9の電磁コイル24,37に励磁電流を供給する
ことによってアーマチュア23,35が駆動され、この
アーマチュア23に繋がる弁体20が弁孔17を閉じる
か、またはアーマチュア35に繋がる弁体33が弁孔3
0を開き、アーマチュア23,35が機械的にその移動
を停止されることになる。即ち、前記増圧電磁弁5にあ
っては、弁体20が弁座18に着座して弁孔17を閉じ
ることによって、アーマチュア23の移動が停止され
る。また、前記減圧電磁弁9にあっては、弁体33が弁
孔30を開き、まー間中あ35がキャップ362等瀬接
することで、このアーマチュア35の移動が停止され
る。
【0039】前記増圧電磁弁5のアーマチュア23また
は減圧電磁弁9のアーマチュア35がその移動を停止す
ることによって、磁気抵抗(リラクタンス)の逆数であ
るパーミアンスの変化率は一挙に零となるから、増圧電
磁弁5または減圧電磁弁9の電流値の変化に特異点が現
れる(図6参照)。これによって、前記増圧電磁弁5ま
たは減圧電磁弁9の作動が完了するまでの作動完了時間
が検出されるようになっている。
【0040】前記ブレーキ液温推定手段43は、電磁弁
電流検出手段42による作動完了時間に基づいてブレー
キ液温を推定するようになっている。
【0041】具体的には、ブレーキ液の動粘度はブレー
キ液の温度によって変化し、温度の低下に伴って粘性を
増すから、増圧電磁弁5または減圧電磁弁9の作動完了
時間は、ブレーキ液の温度が常温状態から低下するに連
れて長くなり、上昇するに連れて短くなる。このため、
予めブレーキ液温と作動完了時間との関係(図7参照)
を記憶させておき、そのデータ等を参照して、電磁弁の
作動完了時間に基づいて、ブレーキ液温が推定されるよ
うになっている。
【0042】前記補正量決定手段44は、ブレーキ液温
推定手段43による推定値に基づいて、増圧電磁弁5ま
たは減圧電磁弁9の作動時間の補正量を決定するように
なっている。
【0043】この場合に、ブレーキ液温とブレーキ圧力
の増圧及び減圧特性との関係を予めマップ等の形式で記
憶させておき、このマップ等を参照して、ブレーキ圧力
の増圧及び減圧制御時における増圧電磁弁5または減圧
電磁弁9の作動時間の補正量を決定することができる。
【0044】斯かる構成において、通常ブレーキ時には
前記供給通路3の増圧電磁弁5を開いて、ブレーキペダ
ル1に加えられる踏力に応じてブレーキ液圧を発生させ
るマスタシリンダ2からの液圧が、増圧電磁弁5を介し
てホイールシリンダ4に供給され、ホイールシリンダ4
の液圧が増圧制御される。尚、この場合に、前記リター
ン通路8の減圧電磁弁9は閉じている。
【0045】前記ホイールシリンダ4のブレーキ液圧が
増圧制御されている状態で、供給通路3の増圧電磁弁5
を閉じることによって、ホイールシリンダ4の液圧は所
定の圧力に保持制御される。
【0046】制動動作時において、車輪がロックする虞
がある場合には、前記供給通路3の増圧電磁弁5を閉じ
る一方、リターン通路8の減圧電磁弁9を開いて、ホイ
ールシリンダ4の液圧を、減圧電磁弁9を介してリザー
バ7に流入させ、ホイールシリンダ4の液圧を減圧制御
して車輪のロックを回避する。
【0047】尚、前記リザーバ7内のブレーキ液は、適
宜ポンプ装置10によってマスタシリンダ2側に汲み出
される。また、このとき、前記ポンプ装置10で生じる
脈動は、吐出通路12に設けたダンパ13によって低減
される。
【0048】前記ホイールシリンダ4のブレーキ液圧が
増圧制御、保持制御及び減圧制御されるとき、電磁弁制
御装置41が増圧電磁弁5及び減圧電磁弁9を駆動制御
する。即ち、前記電磁弁制御装置41は、車両の走行状
態や路面状態等の信号が入力され、これらの信号に基づ
いて増圧電磁弁5及び減圧電磁弁9を駆動制御し、これ
によってホイールシリンダ4の液圧が制御される。
【0049】前記電磁弁制御装置41は、電磁弁電流検
出手段42と、ブレーキ液温推定手段43と、補正量決
定手段44とを備えており、次のように作動する。
【0050】先ず、前記電磁弁電流検出手段42によっ
て、電磁弁の電流値を検出して、電磁弁に駆動電流が供
給されてからこの電磁弁が作動を完了するまでの作動完
了時間を検出する。
【0051】具体的には、前記電磁弁の電流値の変化を
検出することによって作動完了時間を検出する。即ち、
前記増圧電磁弁5または減圧電磁弁9の電磁コイル2
4,37に励磁電流を供給することによってアーマチュ
ア23,35が駆動され、このアーマチュア23に繋が
る弁体20が弁孔17を閉じるか、またはアーマチュア
35に繋がる弁体33が弁孔30を開き、アーマチュア
23,35が機械的にその移動を停止されることにな
る。即ち、前記増圧電磁弁5にあっては、弁体20が弁
座18に着座して弁孔17を閉じることによって、アー
マチュア23の移動が停止される。また、前記減圧電磁
弁9にあっては、弁体33が弁孔30を開き、アーマチ
ュア35がキャップ36に当接することで、このアーマ
チュア35の移動が停止される。
【0052】前記増圧電磁弁5のアーマチュア23また
は減圧電磁弁9のアーマチュア35がその移動を停止す
ることによって、磁気抵抗(リラクタンス)の逆数であ
るパーミアンスの変化率は一挙に零となるから、増圧電
磁弁5または減圧電磁弁9の電流値の変化に特異点が現
れる(図6参照)。これによって、前記増圧電磁弁5ま
たは減圧電磁弁9の作動が完了するまでの作動完了時間
が検出される。
【0053】次に、前記ブレーキ液温推定手段43によ
って、電磁弁電流検出手段42による電磁弁の作動完了
時間に基づいて、ブレーキ液温を推定する。
【0054】具体的には、ブレーキ液の動粘度はブレー
キ液の温度によって変化し、温度の低下に伴って粘性を
増すから、増圧電磁弁5または減圧電磁弁9の作動完了
時間は、ブレーキ液の温度が常温状態から低下するに連
れて長くなり、上昇するに連れて短くなる。このため、
予めブレーキ液温と作動完了時間との関係(図7参照)
を記憶させておき、そのデータ等を参照して、電磁弁の
作動完了時間に基づいて、ブレーキ液温が推定される。
【0055】次に、前記補正量決定手段44によって、
ブレーキ液温推定手段43によるブレーキ液温の推定値
に基づいて、増圧電磁弁5または減圧電磁弁9の作動時
間の補正量を決定する。
【0056】この場合に、ブレーキ液温とブレーキ圧力
の増圧及び減圧特性との関係を予めマップ等の形式で記
憶させておき、このマップ等を参照して、ブレーキ圧力
の増圧制御及び減圧制御時における増圧電磁弁5または
減圧電磁弁9の作動時間の補正量が決定される。
【0057】これによって、前記増圧電磁弁5または減
圧電磁弁9の作動時間が補正され、ブレーキ液温が変化
しても、所定のブレーキ液圧に制御されることになる。
【0058】図8乃至図10は前記ホイールシリンダ4
のブレーキ液圧が増圧制御及び減圧制御されるときに、
電磁弁制御装置41の内部で実行される処理の概要を示
すフローチャートである。
【0059】前記ホイールシリンダ4のブレーキ液圧が
増圧制御される場合には、図8に示すように、先ず、ス
テップ101で増圧時間(ZT)が求められる。次に、
ステップ102で補正処理(後に詳述する)が行われ、
ブレーキ液温に応じて補正時間が求められ、次いで、ス
テップ103で増圧時間(ZT)に補正時間を加算して
新しい増圧時間(ZT)が求められる。
【0060】次に、ステップ104で電磁弁ONカウン
タ(i)が入力されているか否かを判定し、電磁弁ON
カウンタ(i)が増圧時間(ZT)未満であると判断し
た場合にはステップ105で電磁弁ONカウンタ(i)
をインクリメントした後に、ステップ101に戻って上
述した処理を繰り返し実行する。一方、ステップ104
で電磁弁ONカウンタ(i)が増圧時間(ZT)以上で
あると判断した場合にはステップ106に移行して電磁
弁の作動を停止させる。
【0061】一方、前記ホイールシリンダ4のブレーキ
液圧が減圧制御される場合には、図9に示すように、先
ず、ステップ111で減圧時間(GT)が求められる。
次に、ステップ112で補正処理(後に詳述する)が行
われ、ブレーキ液温に応じて補正時間が求められ、次い
で、ステップ113で減圧時間(GT)に補正時間を加
算して新しい減圧時間(GT)が求められる。
【0062】次に、ステップ114で電磁弁ONカウン
タ(j)が入力されているか否かを判定し、電磁弁ON
カウンタ(j)が減圧時間(GT)未満であると判断し
た場合にはステップ115で電磁弁ONカウンタ(j)
をインクリメントした後に、ステップ111に戻って上
述した処理を繰り返し実行する。一方、ステップ114
で電磁弁ONカウンタ(j)が減圧時間(GT)以上で
あると判断した場合にはステップ116に移行して電磁
弁の作動を停止させる。
【0063】前記ステップ102及びステップ112で
の補正処理は、図10に示すように、先ず、ステップ1
21で電磁弁ONを検出し、次いで、ステップ122で
電磁弁の電流値を検出することによって、電磁弁に駆動
電流が供給されてからこの電磁弁が作動を完了するまで
の作動完了時間を検出する。次に、ステップ123に移
行し、電磁弁の作動完了時間に基づいてブレーキ液温を
推定する。次に、ステップ124で、ブレーキ液温の推
定値に基づいて電磁弁の作動時間の補正量を決定する。
【0064】ここに、前記ブレーキ液温は電磁弁の電流
値に基づいて推定されるから、格別の検出手段を設ける
必要がないと共に、精度よく推定される。
【0065】したがって、製造コストを増加させること
がなく、精度よくブレーキ液温を推定することが可能な
ブレーキ液圧制御装置が得られると共に、この推定され
たブレーキ液温に基づいて液圧を制御可能なブレーキ液
圧制御装置が得られる。
【0066】以上、実施の形態を図面に基づいて説明し
たが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0067】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、製造コストを増加させることがなく、精度よく
ブレーキ液温を推定することが可能であると共に、この
推定されたブレーキ液温に基づいて液圧を制御可能なブ
レーキ液圧制御装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す、ブレーキ液圧制御
装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】図1における増圧電磁弁の断面図である。
【図3】図1における減圧電磁弁の断面図である。
【図4】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す電磁弁電流検出手段の回路図であ
る。
【図6】電磁弁の電流特性を示す線図である。
【図7】ブレーキ液温と作動完了時間との関係を示す線
図である。
【図8】増圧制御されるときに電磁弁制御装置の内部で
実行される処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】減圧制御されるときに電磁弁制御装置の内部で
実行される処理の概要を示すフローチャートである。
【図10】図8及び図9における補正処理の概要を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
4 ホイールシリンダ 5 増圧電磁弁 9 減圧電磁弁 41 電磁弁制御装置 42 電磁弁電流検出手段 43 ブレーキ液温推定手段 44 補正量決定手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御
    するための電磁弁を備え、この電磁弁が電磁弁制御装置
    によって駆動制御されるブレーキ液圧制御装置におい
    て、前記電磁弁制御装置が、電磁弁の電流値を検出する
    ことによって、電磁弁に駆動電流が供給されてからこの
    電磁弁が作動を完了するまでの作動完了時間を検出する
    電磁弁電流検出手段と、この電磁弁電流検出手段による
    電磁弁の作動完了時間に基づいてブレーキ液温を推定す
    るブレーキ液温推定手段と、を備えてなることを特徴と
    する、ブレーキ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御
    するための電磁弁を備え、この電磁弁が電磁弁制御装置
    によって駆動制御されるブレーキ液圧制御装置におい
    て、前記電磁弁制御装置が、電磁弁の電流値を検出する
    ことによって、電磁弁に駆動電流が供給されてからこの
    電磁弁が作動を完了するまでの作動完了時間を検出する
    電磁弁電流検出手段と、この電磁弁電流検出手段による
    電磁弁の作動完了時間に基づいてブレーキ液温を推定す
    るブレーキ液温推定手段と、このブレーキ液温推定手段
    による推定値に基づいて電磁弁の作動時間の補正量を決
    定する補正量決定手段と、を備え、前記電磁弁への通電
    時間が補正量決定手段の補正量によって補正されること
    を特徴とする、ブレーキ液圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8240781B2 (en) * 2005-09-29 2012-08-14 Robert Bosch Gmbh Method for operating a brake system for motor vehicles

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