JP2001161200A - 飼育動物への薬剤噴霧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】飼育動物の鼻孔付近に確実に自動的にかつ間欠
的に薬剤を噴霧する。 【構成】飼育動物が水飲み場に近づいたことを検出する
機構と連動しまたは水飲み装置を操作したことに連動し
て薬液噴霧装置を作動させる。例えば水飲み装置を押し
たとき同時に薬液を噴霧する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動的に飼育動物の鼻
孔付近に薬剤を噴霧する機構を備えた薬剤噴霧装置に関
するものである。特に養豚をはじめとする畜産に有効で
ある。

【０００２】

【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来より
家畜、ペット、実験動物等の飼育動物の鼻孔付近に間欠
的に薬剤を噴霧する事により、飼育動物の病気を予防
し、死亡率を減少せしめる事が可能であることが知られ
ており、このため手作業により飼育動物の鼻孔付近に向
け薬剤の噴霧を行っていた。

【０００３】しかし、飼育動物は一定の方向を向いてと
どまっている訳ではなく、飼育小屋または屋外で自由に
動き回る事が可能なため鼻孔付近に的確に噴霧する事が
困難で、いたずらに薬剤を消費し、また手作業による労
力も大きいという問題があった。

【０００４】本発明はかかる問題点に鑑みなされたもの
で、的確に又自動的に飼育動物の鼻孔付近に薬剤を噴霧
する事を可能にする装置を提供することを目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
検討するうちに、飼育動物は必ず水を飲むので、水飲み
装置と薬剤噴霧装置を連動させる例えば動物が水飲み装
置を押す動作に連動して薬剤を噴霧すること等により上
記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させ
た。

【０００６】本発明の飼育動物への薬剤噴霧装置は、飼
育動物が水飲み装置に近づいたことを検出する機構と連
動しまたは水飲み装置を操作したことに連動して飼育動
物の鼻孔付近に薬剤を噴霧する機構を備えることを特徴
とする。

【０００７】本発明の薬剤噴霧装置の好ましい形態は噴
霧ノズル、弁及びこれらに連通しうる薬液導入管及び圧
縮空気導入管を備えることを特徴とする。

【０００８】さらに本発明の薬剤噴霧装置の好ましい形
態は飼育動物が水飲み場に近づいた際に、その荷重によ
って作動する機構を備えることを特徴とする。

【０００９】本発明の薬剤噴霧装置の他の好ましい形態
は飼育動物が水飲み装置を押した際に作動する機構を備
えることを特徴とする。さらにその好ましい形態は水飲
み装置は変位可能に備えられ、変位に伴って噴霧ノズ
ル、薬液導入管及び圧縮空気導入管が連通する機構を備
えることを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の対象となる飼育動物は
豚、牛、馬、羊、鶏等の家畜及び犬、猫、鳥等のペット
及びラット、マウス等の実験動物が含まれる。

【００１１】本発明における薬剤噴霧装置は特に限定さ
れるものではなく、シャワーの様に細かいノズルから薬
剤を押し出してもよいし、霧吹きのように噴霧ノズルが
空気導入管及び薬剤導入管に連通する構造でも良い。

【００１２】例えば、上記薬剤噴霧装置としては弁をス
ライドさせることによって空気導入管と薬剤導入管を連
通させ、圧縮空気により薬剤を細かい粒に変化せしめ、
これを霧状にして排出することが可能な機構を備えた薬
剤噴霧装置を例示することができる。

【００１３】この他にも、電磁弁を開くことによって噴
霧ノズルが空気導入管及び薬剤導入管と連通する機構を
備えることにより、電気信号に反応して薬剤を霧状にし
て排出する噴霧装置を例示することもできる。

【００１４】本発明に関する水飲み装置は動物に水を供
給できる道具、装置、機器等なら特に限定されるもので
はなく、吸い口だけが動物舎に配置されており、動物が
吸い口を操作することによって弁が開いて水が供給され
るものでもよいし、水貯槽が動物舎内又は近傍に配置さ
れていてもよい。

【００１５】

【実施例】図１に、本発明の実施例である水飲み装置に
連動する薬剤噴霧装置の断面図を示す。

【００１６】外枠１は図示しない飼育小屋等に固定され
ている。外枠１内の、飼育動物を向いた面２に近接して
水飲み具４を固定した可動板３が配置され、ヒンジ５を
介して外枠に固定されている。

【００１７】一方外枠１に固定された中板６にはスライ
ドバルブ７のハウジング８が固定されている。ハウジン
グ８内にはスライド部９及び、これを押し出すスプリン
グ１０が収納されている。スライド部９には溝１１及び
１２がその外周に掘られていて、これらはスプレーノズ
ル１３に連通している。スライド部９はつば１４を有し
ており、つば１４が可動板３に押されると溝１１及び１
２がそれぞれ圧縮空気供給ノズル１５及び薬液ノズル１
６に連通する。圧縮空気供給ノズル及び薬液供給ノズル
はそれぞれ図示しない圧縮空気及び薬液ボトルに連通し
ている。

【００１８】なお、水飲み具４は一般的に利用されてい
る構造の例を示し、ハウジング２０には水供給ノズル２
１が固定されている。中心棒２２に固定されているつば
２３はハウジング内の内つば２４にオーリング２５をは
さんでスプリング２６によって押されて、常時は密封を
保っているが、飼育動物が中心棒２２を動かすとオーリ
ング２５による密封が解除され、水が供給される。

【００１９】

【実施例の実施の形態】次に実施例の実施の形態につき
説明する。飼育動物が中心棒２２をハウジング２０と共
にかむと水が供給されるが、同時に可動板３が押され、
可動板３がスライド部９をハウジング８内に押し込んで
溝１１及び１２はそれぞれ圧縮空気ノズル１５及び薬液
ノズル１６に連通し圧縮空気と薬液が同時にスプレーノ
ズル１３から霧状に放出される。動物の鼻は口より上に
あるので噴霧ノズルは水飲み装置より上に配置してあ
る。

【００２０】

【その他の実施例】また、この他にも水場に近づいた動
物の荷重によって弁を開き薬剤を噴霧する機構を備えた
薬剤噴霧装置や、赤外線によって飼育動物が近づいたこ
とを探知して電気信号を出し、これによって弁を開いて
薬剤を噴霧する機構を備えた薬剤噴霧装置等があげられ
る。

【００２１】これらの装置を用いれば、飼育動物が薬剤
噴霧装置に近づいた際や水飲み装置を操作した際に必要
十分の量の薬剤を確実に、自動的に飼育動物に向けて噴
霧する事ができる。この装置を餌場や水場など飼育動物
が必ず近づく場所に取り付けることによって、飼育動物
に自動的に薬剤の噴霧が行える。

【００２２】本発明の薬剤噴霧装置は餌の供給装置と連
動することによっても同様に薬剤噴霧は可能ではある
が、餌が薬剤によって濡れるため、腐敗等の品質劣化の
原因となる可能性があるので、本発明に示すように水飲
み装置と連動させることが望ましい。

【００２３】

【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば飼
育動物の接近を感知する装置若しくは水飲み装置と薬剤
噴霧装置が有機的に結合しているため、飼育動物が水飲
み場に近づいたとき又は水飲み装置を操作した際に薬剤
を自動的に噴霧させる事が可能となり、しかも確実に飼
育動物に向かって薬剤が噴霧されるので、薬剤の使用量
を必要十分な量におさえることができ、人が薬剤を噴霧
するという労力も軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の実施例の断面図を示す。

【符号の説明】

１ 外枠 ２ 外枠の内の飼育動物を向いた面 ３ 可動板４ 水飲み具 ５ ヒンジ ６ 中板７ スライドバルブ ８ ハウジング ９ スライド部 １０ スプリング １１ 溝 １２ 溝 １３ スプレーノズル １４ つば １５ 圧縮空気供給ノズル １６ 薬液ノズル ２０ ハウジング ２１ 水供給ノズル ２２ 中心棒 ２３ つば ２４ 内つば ２５ オーリング ２６ スプリング

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】飼育動物が水飲み場に近づいたことを検出
   する機構と連動しまたは水飲み装置を操作したことに連
   動して飼育動物の鼻孔付近に薬剤を噴霧する機構を備え
   ることを特徴とする飼育動物への薬剤噴霧装置
2. 【請求項２】前記薬剤噴霧装置は噴霧ノズル、弁及びこ
   れらに連通しうる薬液導入管及び圧縮空気導入管を備え
   ることを特徴とする請求項１に記載の薬剤噴霧装置
3. 【請求項３】飼育動物が水飲み場に近づいた際に、その
   荷重によって作動する機構を備えることを特徴とする請
   求項１または２に記載の薬剤噴霧装置
4. 【請求項４】飼育動物が水飲み装置を押した際に作動す
   る機構を備えることを特徴とする請求項１または２に記
   載の薬剤噴霧装置
5. 【請求項５】水飲み装置は変位可能に備えられ、変位に
   伴って噴霧ノズル、薬液導入管及び圧縮空気導入管が連
   通する機構を備えることを特徴とする請求項１、２また
   は４に記載の薬剤噴霧装置