JP2001160657A - Iii族窒化物系化合物半導体レーザの製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物系化合物半導体レーザの製造方法

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JP2001160657A
JP2001160657A JP34218699A JP34218699A JP2001160657A JP 2001160657 A JP2001160657 A JP 2001160657A JP 34218699 A JP34218699 A JP 34218699A JP 34218699 A JP34218699 A JP 34218699A JP 2001160657 A JP2001160657 A JP 2001160657A
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iii nitride
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Yuuta Tezeni
雄太 手銭
Masayoshi Koike
正好 小池
Shiro Yamazaki
史郎 山崎
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路接続が容易、安定、かつ確実で、負電極
の接続不良や高抵抗化等の不具合が発生する恐れが無い
半導体レーザを効率よく製造(量産)する。 【解決手段】 マスクa、又はマスクbに覆われていな
い最上面Σより、n型半導体層103の一部までをRI
BE処理した。本エッチング処理は、真空度0.04Tor
r、高周波電力0.44W/cm2 成る条件下で、ArガスとCl2
ガスを供給することにより実施した。その後、このエッ
チングによる露出面を更に、Arガスを用いてドライエッ
チングした。これらのドライエッチング工程で、n型半
導体層103に対する負電極107の蒸着面が露出され
た。後のArによるエッチングは、上記の塩素系ガスに
よるRIBEの後処理として行ったものである。その
後、マスクa、及びマスクbを溶剤により除去した。以
上の工程により、略垂直に立脚した共振器と傾斜角φが
約60°のテーパ部を同時に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フリップチップ型
の III族窒化物系化合物半導体レーザの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】公開特許公報「特開平10−23354
9:窒化物半導体レーザ」、「特開平10−20021
3:窒化ガリウム系半導体レーザ」等に記載されている
半導体レーザでは、電流狭窄を効率よく発生させるため
に、発光部(共振器)が略垂直に立脚している。
【0003】また、これらの半導体レーザでは、正電極
のヒートシンクに対する接着面と、負電極のヒートシン
クに対する接着面とを略同じ高さにすることにより、半
導体素子をヒートシンクに制御性や再現性が良く容易
に、安定した状態で確実に融着できる様な工夫がなされ
ている。
【0004】これらの従来の半導体レーザとしては、共
振器(発光部)や負電極積層部(侵食残骸部)が垂直に
立脚している構造のものが多く見られる。しかし、上記
の様な両電極が略同じ高さの半導体レーザを製造する場
合、図1に示す様に負電極107を積層する面(図1の
Σ,Φ等の露出面)の一部(側壁)を傾斜させることに
より、更に、以下の利点が得られることが判ってきてい
る。
【0005】(利点1)負電極107を積層する面の垂
直方向の落差が、形成される負電極(金属層)の膜厚に
対して比較的大きい場合にも、この面(側壁)に負電極
(金属層)をムラなく一定の厚さに形成することができ
る。 (利点2)このため、露出された半導体層の側壁(傾斜
面Φ)にも負電極を真空蒸着等により比較的短時間で形
成することが容易となり、負電極の断線による接続不良
や負電極の高抵抗化等の不具合が発生する恐れが無くな
る。 (利点3)更に、側壁(傾斜面Φ)に形成される金属層
(負電極)の面積が広くなると共に、発光部(共振器)
と侵食残骸部との間の空間が大きくなるため、放熱効果
が向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1に
示す様な傾斜面Φを有する構造の半導体素子を形成する
場合、共振器側の傾斜角(略90°)と侵食残骸部(負
電極を形成するテーパ部)側の傾斜角φとを大きく異な
らせる必要が生じるため、発光部(共振器)と侵食残骸
部とを同じ工程で同時に形成することは困難であった。
【0007】このため、従来技術では、図1に示す様な
傾斜面Φを有する構造の半導体素子を形成する場合、共
振器と侵食残骸部とをそれぞれ別工程で形成する必要が
有った。しかし、これらをそれぞれ別工程で形成する場
合、レジストマスクの形成工程やエッチング工程等の類
似又は同等の工程を何度も繰り返さなくてはならず、生
産性が低かった。また、上記の傾斜角φを所望の値に製
造(制御)することが難しく、この傾斜角φの値は、個
々の製品に渡りバラツキが生じ易かった。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、負電極の断線による接
続不良や負電極の高抵抗化等の不具合が発生する恐れが
無い半導体レーザを効率よく製造(量産)する方法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、以下の手段が有効である。即ち、第1の手段
は、基板の上に III族窒化物系化合物半導体から成る複
数の半導体層を積層し、周辺部分をエッチングにより除
去することにより形成された垂直で平頂な共振器と、エ
ッチングの対象とされずに残された、傾斜角φ(0<φ
<90°)の傾斜面Φを有する侵食残骸部とを備えたフ
リップチップ型の半導体レーザの製造過程において、上
記の半導体層の最上面に、傾斜角θ(0<θ<90°)
の傾斜面Θより構成されたテーパ状の周辺部を有するマ
スクaを形成する工程Aと、最上面、及び/又は、マス
クaの上面に、マスクbを形成する工程Bと、マスク
a、及びマスクbを用いて半導体層をエッチングする工
程Cとを順次実行することにより、共振器と侵食残骸部
とを同じエッチング工程で同時に成形することである。
【0010】ただし、上記の工程Bにおいては、必ずし
もマスクaの上面には、マスクbを形成し無くとも良
い。マスクaの上面に形成するマスクbは、侵食残骸部
の平頂部の平坦度を維持することにより、半導体層と負
電極との接触抵抗、又はこの負電極のオーミック特性を
良好に保つためのものである。従って、マスクaの深さ
方向の侵食進行速度Rがマスクaの全面に渡り略均一な
場合、或いは、図1の傾斜面Φやn型 III族窒化物系化
合物半導体層103と蒸着等により結合される負電極1
07との接触抵抗、又はこの負電極のオーミック特性が
良好に確保できる場合には、必ずしもマスクbをマスク
aの上面に形成しなくとも良い。この様な場合において
も、後から詳述する本発明の作用・効果を得ることがで
きる。
【0011】また、上記のマスクa、及びマスクbの材
料としては、例えば、ノボラック系樹脂、ゴム系樹脂、
或いは、ポリイミド等が挙げられる。
【0012】また、第2の手段は、上記の第1の手段に
おいて、共振器の最上面の高さと、侵食残骸部の最上面
の高さとを略同じ高さに維持することである。これによ
り、半導体素子を安定した状態でヒートシンク等の回路
基板に接着することが可能となる。
【0013】また、第3の手段は、上記の第1又は第2
の手段において、傾斜角φの正接に対する傾斜角θの正
接の比βと、工程Cでのエッチングにおける、半導体層
の侵食進行速度rに対するマスクaの侵食進行速度Rの
比γとを略一致させることにより、傾斜角φを所望の角
度に制御することである。
【0014】尚、この傾斜角φ(0<φ<90°)は、
概ね20°〜85°程度で十分に効果的であるが、望ま
しくは40°〜70°程度が良い。また、更により望ま
しい値としては、60°前後が理想的である。この傾斜
角φが小さ過ぎると、負電極が必要以上に広くなり、半
導体の歩留りが劣化する。また、この傾斜角φが大き過
ぎると、半導体レーザが従来の構造(φ≒90°)と略
同じとなり、前記の利点1〜3が得られなくなる。即
ち、上記の第3の手段の「所望の角度」とは、半導体レ
ーザを量産する上でこれらの条件を鑑みた効果的、好
適、又は最適な角度のことである。
【0015】また、第4の手段は、上記の第1乃至第3
の何れか1つの手段において、 III族窒化物系化合物半
導体をIny Gax Al1-x-y N(0≦x,0≦y,x
+y≦1)より形成することである。
【0016】また、第5の手段は、上記の第1乃至第4
の何れか1つの手段において、上記の共振器を端面発光
するメサ型のレーザのメサ部として構成することであ
る。
【0017】また、第6の手段は、上記の第1乃至第5
の何れか1つの手段の工程Aにおいて、マスクaの傾斜
角θを熱変成作用により、所望の角度に調整する熱変成
工程(工程A1)を設けることである。
【0018】また、第7の手段は、上記の第6の手段の
熱変成工程(工程A1)において、半導体層の最上面の
一部に形成された膜厚約300nm〜3000nmのレ
ジスト層a0を約170℃〜230℃の温度下で、約1
0分間〜100分間熱処理することにより、第1ハード
ベークレジスト層(マスクa)を形成することである。
【0019】ただし、上記の第7の手段における熱処理
実施条件は、「レジスト層a0の膜厚が約100nm〜
10000nm、熱処理温度が150℃〜280℃、熱
処理時間が約3分間〜120分間」成る範囲内において
適用可能である。また、例えば、ノボラック系樹脂より
マスクa、及び、マスクbを成膜する場合には、「レジ
スト層a0の膜厚が約800nm、熱処理温度が200
℃、熱処理時間が約30分間」とすれば好適な熱処理条
件下で上記の熱変成工程(工程A1)を実施することが
できる。
【0020】また、第8の手段は、上記の第1乃至第7
の何れか1つの手段の工程Bにおいて、第2ハードベー
クレジスト層、金属層、及びソフトベークレジスト層を
有する多層レジストを半導体層の最上面、及びマスクa
の上面に積層する多層レジスト積層工程(工程B1)を
設けることである。
【0021】また、第9の手段は、上記の第1乃至第8
の何れか1つの手段の工程Bにおいて、酸素プラズマを
含むプラズマガスを用いたドライエッチングにより、マ
スクbを成形する工程(工程B2)を設けることであ
る。ドライエッチング用のプラズマガスに酸素プラズマ
ガスを含めることにより、更に、エッチング時間を短縮
することが可能となる。
【0022】更に、第10の手段は、上記の第1乃至第
9の何れか1つの手段の工程Cにおいて、塩素系ガス、
又は不活性ガス等による反応性イオンビームエッチング
(RIBE)を行う工程(工程C1)を設けることであ
る。反応性イオンビームエッチングの塩素系ガスに不活
性ガスを含めることにより、更に、エッチング時間を短
縮することが可能となる。以上の手段により、前記の課
題を解決することができる。
【0023】
【作用及び発明の効果】図2は、本発明の工程Cの作用
を示す幾何学的な説明図である。図1の半導体層102
〜105に対応する半導体層σの最上面Σには、傾斜角
θ(0<θ<90°)の傾斜面Θより構成されたテーパ
状の周辺部を有する膜厚Hのマスクaが形成されてい
る。また、マスクaの上面には、マスクaよりも耐蝕性
の強いマスクbが形成されている。
【0024】これらのマスクa,bを用いて共振器(発
光部)と侵食残骸部とを成形するためのエッチング(工
程C)を実施する際の、半導体層σの単位時間当りの侵
食進行速度をr、マスクaの侵食進行速度をRとする。
本エッチング(工程C)を開始してから、時間τ/2=
H/2R後の半導体層σの断面図を図2(b)に、τ=
H/R(=h/r)後の半導体層σの断面図を図2
(c)にそれぞれ示す。
【0025】本図2から判る様に、これらの侵食進行速
度r,Rと、侵食残骸部の傾斜角φとの間には、次式
(1)に示す関係が成り立つ。
【数1】 β≡tanθ/tanφ, γ≡R/r, β=H/h=γ …(1)
【0026】従って、侵食残骸部の傾斜面Φの傾斜角φ
は、次式(2)に示す様に、マスクaの周辺部の傾斜面
Θの傾斜角θと、半導体層σの侵食進行速度rと、マス
クaの侵食進行速度Rにより決定することができる。
【数2】 φ=tan-1{r(tanθ)/R} …(2) この様な方法により、侵食残骸部の傾斜面Φの傾斜角φ
を制御することが可能である。
【0027】また、共振器(発光部)を形成すべき位置
の半導体層σの最上面Σに直接、周辺部の傾きが垂直な
マスクbを上記のマスクbとは別個に積層すれば、上記
の工程Cにおいて、同一のエッチング工程により、更
に、図1に示す様な略垂直に立脚する共振器(発光部)
を同時に形成することが可能となる。
【0028】この様に、傾斜面Θを有するマスクaを侵
食残骸部の方だけに設けることにより、図1に示す様な
略垂直に立脚する共振器(発光部)と、傾斜角φ(0<
φ<90°)の傾斜面Φを有する侵食残骸部とを同じエ
ッチング工程で同時に成形することが可能となり、これ
により、半導体レーザの生産性を向上することができ
る。
【0029】尚、侵食残骸部の傾斜面Φの傾斜角φを6
0°前後の所望の値に設定するためには、工程Aの熱変
成工程A1において、半導体層の最上面Σの一部に形成
された膜厚約300nm〜3000nmのレジスト層a
0を約170℃〜230℃の温度下で、約10分間〜1
00分間熱処理することにより、マスクa(第1ハード
ベークレジスト層)を形成すればよい。
【0030】例えば、γ=1/3の時、h=3μm,φ
=60°なる侵食残骸部を形成するためには、(1)よ
り、H=1μm,θ=30°とすれば良いことが判る。
この様なマスクaを形成するためには、工程Aで、膜厚
約1μmのレジスト層a0を成膜後、レジスト層a0の
必要部分だけを残し、更に、熱変成工程A1における熱
処理温度Tを約200℃、熱処理時間tを約30分とす
れば良いことが実験的に確認されている。
【0031】また、上記の実施条件(H=1μm,θ=
30°)の近傍においては、傾斜角θの値は、熱処理温
度T〔℃〕が高くなる程、また、熱処理時間t〔分〕が
長くなる程大きくなる傾向にあることが実験的に確認さ
れている。
【0032】尚、これらの作用・効果は、少なくともA
x Gay In1-x-y N(0≦x,0≦y,x+y≦
1)にて表される2元系、3元系若しくは4元系の半導
体から成る半導体層が積層された III族窒化物系化合物
半導体レーザ一般に対して得ることができる。また、 I
II族元素の一部は、ボロン(B)、タリウム(Tl)で置
き換えても良く、また、窒素(N)の一部をリン
(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(B
i)で置き換えても良い。
【0033】また、これらの半導体層を結晶成長させる
方法としては、分子線気相成長法(MBE)、有機金属
気相成長法(MOCVD)、ハライド気相成長法(HV
PE)、液相成長法等が有効である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。 (第1実施例)図1は、本第1実施例の III族窒化物系
化合物半導体レーザ100の模式的な斜視図である。本
図において記号Πは、端面発光型の共振器の平頂部を表
し、記号Σは、侵食残骸部(負電極積層部)の半導体の
最上層の上面を表しており、記号Φは、エッチングによ
り傾けて露出された侵食残骸部の側面、即ち、傾斜角φ
の傾斜面(テーパ部)を示している。本共振器は、端面
発光するメサ型のレーザ(半導体レーザ100)のメサ
部として構成されている。
【0035】サファイヤ基板101の上には、窒化アル
ミニウム(AlN)から成るバッファ層102が積層され
ている。更にその上には、シリコン(Si)ドープのGaN か
ら成る高キャリア濃度n+ 層、ノンドープのIn0.03Ga
0.97N から成る中間層、及びGaN から成るn型クラッド
層の順に積層された、これら計3層の半導体層より成る
n型層103が形成されている。
【0036】更にその上には、公知の端面発光型レーザ
に見られる端面発光型の活性層104が形成されてい
る。
【0037】この活性層104の上には、GaN から成る
キャップ層、マグネシウム(Mg)ドープのp型Al0.12Ga
0.88N から成るp型クラッド層、及びMgドープのp型
Al0.05Ga0.95N から成るp型コンタクト層の順に積層さ
れた、これら計3層の半導体層より成るp型層105が
形成されている。
【0038】後で詳述するエッチング工程により、n型
層103は、上方(p型層105側)からの侵食作用で
その一部が露出されており、これにより、平頂な共振器
部分(発光部)と侵食残骸部(テーパ部)とが形成され
ている。
【0039】共振器の平頂部(p型層105)の上に
は、ニッケル(Ni)より成る正電極106が、蒸着に
より成膜されている。ただし、正電極106は、ニッケ
ル(Ni)以外にも、例えば、ロジウム(Rh)等から
形成しても良い。露出したn型層103の露出部から傾
斜した半導体層の側壁(上記のテーパ部)を経て、侵食
残骸部の半導体の最上層の上面にかけては、ニッケル
(Ni)より成る負電極107が、蒸着により成膜され
ている。
【0040】このテーパ部の傾斜は垂直に切り立ってい
る他の側壁に比べ、十分になだらかなため、このテーパ
部にはムラなく十分に膜厚のある負電極107が形成さ
れている。このため、上記の正電極106と負電極10
7の両者は略同じ膜厚に形成されている。
【0041】本実施例における端面発光型半導体レーザ
100の構成は、以上の通りである。以下、上記の端面
発光型半導体レーザ100の製造方法を、本発明の手段
を用いたエッチング工程を中心に説明する。
【0042】上記の半導体レーザ100の半導体結晶
(多層構造のウエハ)は、有機金属化合物気相成長法
(MOVPE)による気相成長により結晶成長されたも
のである。ここで用いられたガスは、NH3 と、キャリア
ガスH2、又はN2と、トリメチルガリウム(Ga(CH3)3)と、
トリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)と、トリメチルイン
ジウム(In(CH3)3)と、シラン(SiH4)と、シクロペンタジ
エニルマグネシウム(Mg(C5H5)2) である。
【0043】ただし、これらの半導体層を結晶成長させ
る方法としては、上記の有機金属化合物気相成長法(M
OVPE)の他にも、分子線気相成長法(MBE)、ハ
ライド気相成長法(HVPE)等が有効である。
【0044】この様な半導体の結晶成長により得られた
多層構造のウエハに対して、次に、電子線照射装置を用
いて、そのp型半導体層の低抵抗化処理を実施した。即
ち、p型 III族窒化物系化合物半導体層105に一様に
電子線を照射した。電子線の照射条件は、加速電圧約1
0kV、試料電流1μA、ビームの移動速度0.2mm
/sec、ビーム径60μmφ、真空度5.0×10-5
Torrである。ただし、この様な低抵抗化処理は、熱
アニーリング、N2プラズマガス中での熱処理、レーザ照
射等によって行ってもよい。
【0045】以上の様にして、p型層低抵抗化処理済み
の多層構造のウエハ( III族窒化物系化合物半導体結
晶)を得た。以下、本発明の特徴であるエッチング工
程、即ち、前記の工程A、工程B、及び工程Cを順次実
行することにより、発光部(共振器)と侵食残骸部(負
電極積層部)とを同じエッチング工程で同時に成形する
方法について、具体的に説明する。
【0046】(工程A)図3に、本実施例における工程
Aの説明図を示す。図3(a)のサファイア基板101
の上には、 III族窒化物系化合物半導体(Iny Gax
Al1-x-y N(0≦x,0≦y,x+y≦1))より成
る半導体層σが積層されている。ただし、この半導体層
σは、図1の複数の半導体層(バッファ層102,n型
III族窒化物系化合物半導体層103,活性層104,
p型III族窒化物系化合物半導体層105)が順次積層
されることにより形成されたものである。以下、図1の
半導体レーザ等に見られるこれらの半導体層102〜1
05を総括的に「半導体層σ」と言う場合がある。ま
た、この半導体層σの最上面のことを単に「最上面Σ」
と言う場合がある。
【0047】前記の低抵抗化処理後に得られた多層構造
のウエハ( III族窒化物系化合物半導体結晶)の断面図
を図3(a)に示す。本工程Aでは、まず最初に、図3
(a)の半導体層σの最上面Σの全面に一様にフォトレ
ジストを塗布し、フォトリソグラフ工程により、図3
(b)に示す様に、膜厚約1μmのレジスト層a0を半
導体層σの侵食残骸部に対応する最上面Σに残した(図
3(a)→(b))。
【0048】(工程A1):熱変成工程(図3(b)→
(c)) 次に、上記のレジスト層a0を熱処理温度約200℃で
約30分間熱処理(ハードベーク処理)した。本熱処理
により、レジスト層a0は熱変成され、この熱変成作用
により、図3(c)に示す様に、傾斜角約30°の傾斜
面Θをその周辺部として有するマスクa(第1ハードベ
ークレジスト層)が形成された。
【0049】(工程B)図4に、本実施例における工程
Bの説明図を示す。 (工程B1):多層レジスト積層工程(図4(a)→
(b)) 工程A1終了後、マスクaの上面と傾斜面Θ、及び半導
体層σの露出面(最上面Σ)に、一様にフォトレジスト
を塗布し、所定の熱処理を実施することにより、膜厚約
1.3μmの第2ハードベークレジスト層b0を形成し
た。これによりRIBE(後述の工程C1)における耐
蝕性が高いレジスト層が形成された。
【0050】更に、第2ハードベークレジスト層b0の
上面に、チタン(Ti)を蒸着することにより、膜厚約
50nmの金属層cを積層した。その後、更に、金属層
cの上面に一様にフォトレジストを塗布し、所定のフォ
トリソグラフ工程、熱処理工程を経て、図4(b)に示
す位置、即ち、メサ部(共振器)及び侵食残骸部(テー
パ部)を形成すべき位置に、膜厚約1.3μmのソフト
ベークレジスト層dを形成した。
【0051】(工程B2):プラズマガスによるエッチ
ング工程(図4(b)→(c)) その後、プラズマエッチング装置により、以下のドライ
エッチングを実施した。即ち、まず最初に、図4(b)
のウエハをプラズマエッチング装置の反応室の所定の位
置(電極間の台座)に配置し、反応室内を真空度が 1×
10-5Torr以下になるまで排気しする。次に、Cl2ガスを
流速7.5cc/分に、また、Arガスを流速21cc/分
に、それぞれ制御して反応室に導入する。ただし、この
時、反応室の真空度は正確に0.02Torrに調整する。
【0052】そして、電極間に0.2 W/cm2 (400W)の高
周波電力を供給することにより、電極間でのグロー放電
を開始する。これにより、導入されたCl2ガス、Arガ
スはプラズマ状態となり、このプラズマガスによりエッ
チングが進行する。次にO2 ガスを導入し、ハードベー
クレジストをエッチングする。
【0053】約30分間、エッチングを行った結果、図
4(b)のウエハは、ソフトベークレジスト層dに覆わ
れた部分では、第2ハードベークレジスト層b0(マス
クb)の上面が露出するまでエッチングが進行し、ソフ
トベークレジスト層dに覆われていない部分では、半導
体層σの最上面Σが露出するまでエッチングが進行し
た。以上の工程B2により、図4(b)のウエハは、図
4(c)の形状になるまでドライエッチングされた。
【0054】(工程C)図5に、本実施例における工程
Cの説明図を示す。 (工程C1):RIBE工程(図5(a)→(b)) 次に、マスクa、又はマスクbに覆われていない最上面
Σより、p型 III族窒化物系化合物半導体層105、活
性層104、及び、n型 III族窒化物系化合物半導体層
103の一部をドライエッチング(RIBE)した。
【0055】本エッチング処理は、真空度0.04Torr、
高周波電力0.44W/cm2 成る条件下で、Arガス及
びCl2ガスを供給することにより実施した。この時の半
導体層σの侵食進行速度rは、約0.03μm/分、マスク
aの侵食進行速度Rは、約0.01μm/分、両者の比γ
(=R/r)は約1/3であった。その後、このエッチ
ングによる露出面を更に、Arガスを用いてドライエッ
チングした。
【0056】これらのドライエッチング工程で、n型 I
II族窒化物系化合物半導体層(高キャリア濃度n+ 層)
103に対する負電極107の蒸着面が露出された。上
記のArによるエッチングは、この蒸着面の接触抵抗と
オーミック特性を良好にするため、上記の塩素系ガスに
よるドライエッチング(RIBE)の後処理として行っ
たものである。その後、マスクa、及びマスクbを溶剤
により除去した。
【0057】以上の工程C1により、図5(b)(及び
図1)に示す様に、略垂直に立脚した共振器(メサ部)
と、傾斜角φが約60°の傾斜面Φを有する侵食残骸部
(テーパ部)とを同時に形成した。
【0058】次に、ウエハの上全面に一様にNiを蒸着す
ることにより、膜厚約1.5μmの金属層を成膜し、フ
ォトレジストの塗布、フォトリソグラフィ工程、エッチ
ング工程を経て、図1に示す様に、共振器の平頂部Π
(p型 III族窒化物系化合物半導体層105)に正電極
106を形成し、同時に、n型半導体層(高キャリア濃
度n+ 層)103の露出面の一部、傾斜面Φ、及び半導
体最上層の上面Σに負電極107を形成した。
【0059】その後、上記の如く処理されたウエハをレ
ーザの共振器の長さ方向(y軸方向)に沿ってスクライ
ビングしてスクライブ溝を形成し、共振器の端面に平行
なx軸方向にダイシンクして、短冊片を得た。
【0060】尚、上記の実施例の製造方法においても、
端面間の平行度、基板101に対する垂直度、及び端面
の平坦度の良い共振器端面が得られるが、以下に示す様
に、共振器端面形成後に、更に、共振器端面を整形する
ためのドライエッチングを行っても良い。
【0061】(a)まず、ウエハの上部に露出している
全上面に一様にフォトレジストを塗布し、次に、フォト
リソグラフィにより、共振器の各端面近傍の以下に説明
する図略の領域Sのフォトレジストを除去する。即ち、
この領域Sとは、図1のx軸方向を長手方向とし、y軸
方向にストライプ幅を有するストライプ状の矩形領域で
あり、共振器とy座標が重ならない領域、及び、共振器
の両端面とy座標が略一致する領域である。このフォト
リソグラフィ工程により、整形後の共振器部分をx軸に
沿って覆い隠すレジストマスクが残される。
【0062】(b)次に、真空度1mTorr、高周波電力30
0WでCl2 ガスを5 ml/ 分の割合で供給し、レジストマス
クで覆われていないストライプ状の上記の領域Sをサフ
ァイア基板101が露出するまで、反応性イオンビーム
エッチング(RIBE)によりドライエッチングする。
【0063】この様に、反応性イオンビームエッチング
(RIBE)を実施することで、共振器端面の鏡面精度をさら
に向上させることができる。この様な共振器端面を形成
するためのエンチング(RIBE)工程のマスクには、フォト
レジストの他、 SiO2 等のドライエッチングに対する耐
エッチング性があり、下層の電極に対して、選択的にエ
ッチング又は剥離できるもの等を採用することができ
る。
【0064】又、RIBEの反応性ガスにはCl2の他、BC
l3,SiCl4,CCl4等の塩素系ガスを用いることもできる。
さらに、ドライエッチングにはRIBEの他、反応性イオン
エッチング(RIE) 、イオンビームアシストエッチング(I
BAE)でも良い。
【0065】或いは、更に、これらの端面の仕上げ加工
として、アルゴン(Ar) 等を用いて行われるガスクラ
スタイオンビームエッチング等を行っても良い。また、
本ドライエッチング工程に用いるガスとしては、ヘリウ
ム(He), ネオン(Ne), クリプトン(Kr), キセノン(Xe),
ラドン(Rn), 窒素(H2)等の不活性ガス、或いは、CO2
ス等を用いても良い。この様なガスクラスタイオンビー
ムエッチングは、例えば、素子を形成したウエハを端面
に並行に短冊状に切断して、その短冊状の片を立てて、
この端面を上に向けて水平にした状態で実行することが
できる。
【0066】次に、共振器端面を保護するために、共振
器端面にSiO2をスパッタリングにより蒸着した。そし
て、各短冊片をローラで押圧して、既に、y軸方向に沿
って形成されているスクライブ溝を利用して、各素子チ
ップに分離した。
【0067】ただし、共振器の端面には、SiO2等の酸化
珪素、Si3N4 等の窒化珪素、又は、その他のTiO2等の誘
電体等による多重層を形成しても良い。この様な多重層
の各層の厚さを最適に設計することで、共振器端面での
反射率をさらに向上させることができる。
【0068】以上の様に、侵食残骸部(負電極積層部)
がテーパ形状の III族窒化物系化合物半導体レーザ10
0を構成し、ヒートシンク等の回路基板に接続すれば、
本レーザ100は傾かず、安定して確実にヒートシンク
上に固定することができる。また、負電極107は広面
積を持ち、幅広くヒートシンクと接合することができ
る。この構成により、本レーザ100においては、高い
放熱効果を得ることが可能である。
【0069】また、本レーザ100においては、エッチ
ング等により露出された半導体層の側壁が斜めに形成さ
れており、この側壁に負電極をムラなく一定の厚さに形
成することが容易なため、接続不良や負電極の高抵抗化
等の不具合が発生せず、量産される全製品に渡って駆動
電圧が安定する。
【0070】以上の手順により、前記の利点1〜3を有
する半導体レーザ100を従来よりも効率よく量産する
ことができる。
【0071】(第2実施例)図6は、本第2実施例(応
用事例)を示す III族窒化物系化合物半導体レーザ30
0の模式的な斜視図である。本レーザ300は、面発光
型の共振器を2つ備えており、n型層303、活性層3
04、p型層305の計3層は、それぞれ公知の面発光
型レーザに見られる面発光に好適な半導体層が形成され
ている。
【0072】本レーザ300のその他の構成要素には、
特に、前記のレーザ100との大きな差異がないものに
ついては、各々同一の記号を付している。
【0073】図6から判る様に、本レーザ300の正電
極106と負電極107との間には、レーザ100と同
様に、十分な間隔が確保されており、半田で接続する際
に短絡の恐れが無い。ただし、本レーザ300は、面発
光型であるため、図1のn型層103、活性層104、
p型層105は、各々面発光型のn型層303、活性層
304、p型層305と読み替えるものとする。
【0074】この様に、 III族窒化物系化合物半導体レ
ーザ300を構成し、接続することにより、本レーザ3
00においても、第1実施例の III族窒化物系化合物半
導体レーザ100と同様に、本発明の作用・効果を得る
ことができる。
【0075】尚、上記の各実施例におけるエッチング工
程のマスクには、SiO2の他、金属、レジスト等、ドライ
エッチングに対する耐エッチング性があり、下層のGaN
系の半導体に対して選択的にエッチング又は剥離できる
ものなら採用できる。
【0076】また、p型半導体層105を電子線照射に
より低抵抗化したが、このような低抵抗化処理は、熱ア
ニーリング、N2プラズマガス中での熱処理、レーザ照射
によって行ってもよい。
【0077】また、上記の各実施例においては、n型層
103/303およびp型層105/305は、それぞ
れ複数の層で構成してもよく、或いは、単数の層構成と
しても良い。また、活性層、及びその他の層は、一般式
「Alx Gay In1-x-y N (0≦x,0≦y,x+y≦
1)」より成る任意の混晶比の4元、3元、2元系の I
II族窒化物系化合物半導体として良い。
【0078】また、アクセプタ不純物元素には、亜鉛の
他、II族元素又は、IV族元素を使用でき、ドナー不純物
元素には、シリコンの他、IV族元素、VI族元素を用いる
ことができる。
【0079】また、上記の実施例における活性層104
の構造は、多重量子井戸(MQW)構造であったが、活
性層104の構造は、単一量子井戸(SQW)構造であ
っても良い。
【0080】また、本発明の各手段は、前記の第2実施
例でも示した様に、面発光型の半導体レーザに対して適
用した場合にも有効であり、或いは、テーパ部(傾斜面
Φ)を有する任意の形状の半導体発光素子を製造する場
合においても、第1実施例の端面発光型の半導体レーザ
100の場合と同様に、本発明の作用・効果を得ること
ができる。
【0081】尚、バッファ層は、AlNの他、GaN,
InN,Alx Ga1-x N(0<x<1),Inx Ga
1-x N(0<x<1),Alx In1-x N(0<x<
1),Alx Gay In1-x-y N(0<x<1,0<y
<1,0<x+y<1)、その他、一般式Alx Gay
In1-x-y N(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦
1)において、III 族元素のうちの一部をボロン
(B)、タリウム(Ti)で置換しても良く、窒素の一
部をリン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、
ビスマス(Bi)等で置換しても良い。さらに、Si等
のn型ドーパント、Mg等のp型ドーパントが添加され
ていても良い。
【0082】また、バッファ層は、400℃〜800℃
の低温で形成するものの他、1000℃〜1180℃の
範囲で、MOCVD法で形成しても良い。この温度範囲
は、1050℃〜1170℃が望ましく、さらに、望ま
しくは、1100℃〜1150℃である。サファイア基
板上に厚さ2.3μmのAlNから成るバッファ層を、
成長温度1050℃、1110℃、1130℃、115
0℃、1170℃、1200℃の各温度で成長させ、そ
の上に厚さ2μmのGaNを同一成長温度で形成して、
そのGaNの表面モホロジィーを光学顕微鏡で観察し
た。
【0083】その結果、1130℃でバッファ層を成長
させた場合が、最も、GaNの表面モホロジィーが良
く、次に、1110℃、1150℃で成長したものが良
く、次に1050℃、1170℃で形成したものが良か
った。1200℃で形成すると表面モホロジィーが良く
なかった。この表面モホロジィーの結果から、バッファ
層の成長温度は上記範囲が望ましい。
【0084】また、バッファ層は、MOCVD法の他、
MBE法が使用できる。又、スパッタリングを使用する
ことも可能である。DCマグネトロンスパッタ装置を用
いて、高純度金属アルミニウムと窒素ガスを原材料とし
て、リアクティブスパッタ法によりAlNから成るバッ
ファ層を形成することもできる。
【0085】その他、金属アルミニウム、金属ガリウ
ム、金属インジウム、窒素ガス又はアンモニアガスを用
いて、上記(1)と同様に、一般に、「Alx Gay
1-x- y N(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦
1、組成比は任意)」成る2元、3元、或いは、4元の
任意の組成のバッファ層を形成することが可能である。
スパッタリングの他、蒸着法、イオンプレーティング
法、レーザアブレーション法、ECR法を用いることが
できる。これらの物理蒸着法によるバッファ層は、20
0〜600℃で行うのが望ましい。さらに望ましくは3
00〜500℃であり、さらに望ましくは400〜50
0℃である。
【0086】これらのスパッタリング法等の物理蒸着法
を用いた場合には、バッファ層の厚さは、100〜30
00Åが望ましい。さらに望ましくは、100〜200
0Åが望ましく、最も望ましくは、100〜300Åで
ある。このように形成されたバッファ層は、水素ガスと
アンモニアガスとの混合ガス雰囲気中で1000℃で5
分間加熱処理して、バッファ層のRHEEDパターンを
測定した。この結果、熱処理をしたバッファ層は、熱処
理をしないバッファ層に比べて結晶性が改善される。
【0087】この熱処理の時の水素ガスとアンモニアガ
スの流量比は、1:0.1〜1が望ましい。さらに望ま
しくは、1:0.1〜0.5である。加熱温度は、10
00〜1250℃が望ましく、さらに望ましくは、10
50〜1200℃であり、最も望ましくは、1100〜
1150℃である。これらの加熱条件やガス比条件を各
種変化させて、バッファ層のRHEEDパターンを測定
した。この結果、上記の範囲の時に結晶性が良いことが
分かった。これは、バッファ層の再結晶化により単結晶
性が強くなったものと思われる。
【0088】又、このように形成されたバッファ層上に
厚さ4μmのGaNをMOCVD法で成長させ、そのG
aNのロッキングカーブをX線回折装置を用いて測定し
た。その結果、この結果、このように熱処理されたバッ
ファ層を用いた場合には、その上の結晶の単結晶性が、
MOCVD法で基板上にバッファ層とGaNとを成長さ
せた場合と比べて、同等以上であった。このGaNの単
結晶性が良くなったのは、物理蒸着でバッファ層を形成
した後、高温で熱処理したために、単結晶化がすすみ、
単結晶化したバッファ層の上に形成されたGaNの単結
晶性も向上するものと思われる。
【0089】又、基板には、サファイア、スピネル、シ
リコン、炭化シリコン、酸化亜鉛、リン化ガリウム、砒
化ガリウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ガ
リウムチチウム(LiGaO2 )、硫化モリブデン(M
oS)等の材料を用いることができる。
【0090】又、活性層において、井戸層と障壁層との
成長条件は、830℃〜930℃の範囲で、障壁層と井
戸層との成長温度差ΔTを、ΔT≦50℃とすること
で、より活性層の結晶性を向上させ得ることも分かっ
た。障壁層の成長温度が井戸層の成長温度よりも高い方
がより望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】共振器と傾斜面Φを有する侵食残骸部とを備え
た III族窒化物系化合物半導体レーザの斜視図。
【図2】本発明の工程Cの作用を示す幾何学的な説明
図。
【図3】本発明の実施例における工程A1等から成る工
程Aの説明図。
【図4】本発明の実施例における工程B1,B2等から
成る工程Bの説明図。
【図5】本発明の実施例における工程C1等から成る工
程Cの説明図。
【図6】本発明の第2実施例(応用事例)を示す III族
窒化物系化合物半導体レーザの斜視図。
【符号の説明】
100,300… III族窒化物系化合物半導体レーザ Π … 共振器(発光部)の平頂部 σ … 半導体層(102〜105の総称) Σ … 半導体層σの最上面 Φ … 侵食残骸部の傾斜面(テーパ部) φ … 傾斜面Φの傾斜角 a … マスク(第1ハードベークレジスト層) b … マスク(第2ハードベークレジスト層) Θ … マスクaの周辺部の傾斜面 θ … 傾斜面Θの傾斜角 H … マスクaの膜厚 h … 半導体層σのエッチング長(深さ) R … マスクaの侵食進行速度 r … 半導体層σの侵食進行速度 A … マスクaを形成する工程(工程A1等から成
る) B … マスクbを形成する工程(工程B1,B2等か
ら成る) C … 半導体層σをエッチングする工程(工程C1等
から成る) 101 … サファイア基板 102 … バッファ層 103,303… n型 III族窒化物系化合物半導体層 104,304… 活性層 105,305… p型 III族窒化物系化合物半導体層 106 … 正電極 107 … 負電極 210 … 絶縁膜
フロントページの続き (72)発明者 山崎 史郎 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 5F004 AA04 AA05 BA04 BA11 BB13 CA01 CA04 DA00 DA04 DA22 DA23 DA26 DB19 DB25 EA02 EA06 EB02 5F045 AA04 AB09 AB14 AB17 AB18 AC01 AC08 AC12 AC19 AF02 AF03 AF04 AF09 BB12 CA12 DA53 DA55 HA02 HA13 HA16 HA18 HA19 5F073 AA74 CA17 CB05 CB07 DA05 DA25 FA11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の上に III族窒化物系化合物半導体
    から成る複数の半導体層を積層し、周辺部分をエッチン
    グにより除去することにより形成された垂直で平頂な共
    振器と、前記エッチングの対象とされずに残された、傾
    斜角φ(0<φ<90°)の傾斜面Φを有する侵食残骸
    部とを備えたフリップチップ型の半導体レーザの製造方
    法であって、 前記半導体層の最上面に、傾斜角θ(0<θ<90°)
    の傾斜面Θより構成されたテーパ状の周辺部を有するマ
    スクaを形成する工程Aと、 前記最上面、及び/又は、前記マスクaの上面に、マス
    クbを形成する工程Bと、 前記マスクa及び前記マスクbを用いて前記半導体層を
    エッチングする工程Cとを順次実行することにより、 前記共振器と前記侵食残骸部とを同じエッチング工程で
    同時に成形することを特徴とする III族窒化物系化合物
    半導体レーザの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記共振器の最上面の高さと、前記侵食
    残骸部の最上面の高さとを略同じ高さに維持することを
    特徴とする請求項1に記載の III族窒化物系化合物半導
    体レーザの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記傾斜角φの正接に対する前記傾斜角
    θの正接の比βと、 前記工程Cでの前記エッチングにおける、前記半導体層
    の侵食進行速度rに対する前記マスクaの侵食進行速度
    Rの比γとを略一致させることにより、 前記傾斜角φを所望の角度に制御することを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の III族窒化物系化合物半
    導体レーザの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記 III族窒化物系化合物半導体は、 Iny Gax Al1-x-y N(0≦x,0≦y,x+y≦
    1)より成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    何れか1項に記載の III族窒化物系化合物半導体レーザ
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記共振器は、 端面発光するメサ型のレーザのメサ部であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の III
    族窒化物系化合物半導体レーザの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記工程Aは、 前記マスクaの前記傾斜角θを熱変成作用により、所望
    の角度に調整する熱変成工程(工程A1)を有すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載
    の III族窒化物系化合物半導体レーザの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記熱変成工程(工程A1)は、前記最
    上面の一部に形成された膜厚約300nm〜3000n
    mのレジスト層a0を約170℃〜230℃の温度下
    で、 約10分間〜100分間 熱処理することにより、第1ハードベークレジスト層
    (前記マスクa)を形成することを特徴とする請求項6
    に記載の III族窒化物系化合物半導体レーザの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記工程Bは、 第2ハードベークレジスト層、金属層、及びソフトベー
    クレジスト層を有する多層レジストを前記最上面、及び
    前記マスクaの上面に積層する多層レジスト積層工程
    (工程B1)を有することを特徴とする請求項1乃至請
    求項7の何れか1項に記載の III族窒化物系化合物半導
    体レーザの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記工程Bは、 酸素プラズマを含むプラズマガスを用いたドライエッチ
    ングにより、前記マスクbを成形する工程(工程B2)
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れ
    か1項に記載の III族窒化物系化合物半導体レーザの製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記工程Cは、 塩素系ガス、又は不活性ガス等による反応性イオンビー
    ムエッチング(RIBE)を行う工程(工程C1)を有
    することを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1
    項に記載の III族窒化物系化合物半導体レーザの製造方
    法。
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