JP2001159055A - くつ下などの編機のためのニードル作動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に短いループでの編みを形成する間に機械
の作動速度を増大することを許容すると共に、より長い
ループで編みを形成する時に問題を伴わないような、く
つ下などの編機のためのニードル作動装置を提供するこ
と。 【解決手段】 カム支持面２は、ニードル支持部材３に
面すると共に、少なくとも１つの目止めカム４を支持す
る。目止めカム４は、ニードル支持部材３がカム支持面
２に対して移動する方向６に対してある角度に配置され
た外形５を有している。目止めカム４は、カム支持面２
によって、それが各場合にカム支持面２に面するニード
ル支持部材３の一部の表面に略垂直な第１軸９回りに回
転可能であって、かつ、運動の方向６に対する外形５の
傾斜を変更すべく、コマンドにより第１軸９回りに回転
可能なように、支持されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特にくつ下などの
ための編み機械のためのニードル作動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】くつ下などを編むための編機は、一般
に、その機械が直線モデルか環状モデルのいずれを有す
るかに依存して、略平坦または略円筒状のニードル支持
部材によって構成されることが知られている。ニードル
支持部材は、機械の動作中にニードルを作動するための
複数のカムを支持するカム支持面によって対向されてい
る。特に、カム支持面に対向するニードル支持部材の面
上に、相互に平行な複数のスロットが設けられている。
このスロットの各々は、ニードルと、選択的にニードル
プッシャ部材と、を収容している。このニードルとニー
ドルプッシャ部材とは、ニードル支持部材からカム支持
面に向かって突出すると共にカムによって形成された経
路内で（それと）係合可能なヒール部を有している。機
械の動作中、ニードル支持部材は、カム支持面に対して
一方向に作動されて、ニードルまたはニードルプッシャ
部材のヒール部が前記経路内に係合する。それは、ニー
ドル支持部材の対応するスロットに沿ってのニードルの
交互の運動を引起こすために、運動の方向に対して適切
に傾斜した部分を有している。この交互の運動は、ニー
ドルに機械の送り（feed）により送られる編み糸をとら
せて、編みループを形成させる。 機械の送り時に、前
記ニードルが編み糸をとった後の当該ニードルの運動を
決定するカムは、目止めのカム（casting-off cam）と
呼ばれている。なぜならそれは、先に形成された編みル
ープを目止めすることによって新しい編みループを形成
するニードルの運動をもたらすからである。

【０００３】目止めカムの外形は、ニードルまたはニー
ドルプッシャ部材のヒール部によって係合され得るよう
になっており、ニードルのこのような運動を実施するた
めに、ニードル支持部材のカム支持面に対する運動の方
向に対して傾斜している。

【０００４】単一シリンダ環状くつ下編機においては、
ニードル支持部材がニードルシリンダによって構成さ
れ、機械のフィード（feed）またはドロップ（drop）の
後に直接配置された目止めカムが、前記ニードルがフィ
ードまたはドロップで編み糸を取った後に、ニードルシ
リンダの側方面に形成されたスロット内のニードルの下
降を引起こす。

【０００５】多くのくつ下編機においては、目止めカム
は、カム支持面に対して、ニードルを収容するスロット
の延長方向と平行な方向にコマンドにより移動可能なス
ライダの上に取付けられている。これにより、新しい編
みループの形成の間のニードルの運動の範囲を変更し
て、編みループの長さを変更することが可能である。

【０００６】他の機械では、目止めカムがカム支持面に
固定されて、編みループの長さの変化は、カム支持面に
対してニードルを収容するスロットの延びる方向と平行
にニードル支持部材を移動することによって達成され
る。

【０００７】現在くつ下編機において用いられている目
止めカムの外形は、カム支持面に対するニードル支持部
材の運動の方向に対して、かなり高程度な傾斜を有して
いる。この高程度の傾斜は必要である。なぜなら、新し
いループの形成の間に編み糸の滑りを引立たせる摩擦を
低減するために、ニードル支持部材の低減された数のシ
ンカー（sinker）または領域上に、長い編みループの形
成の間、編み糸が載っていなければならないからであ
る。もしこの摩擦が大き過ぎる場合、それは編み糸の破
損や、同じ編み列で先に形成されたループの伸びにつな
がり得る。長い編みループの形成において要求されるこ
の高程度の傾斜は、機械の作動速度を増大することを許
容しない。なぜなら、それは、目止めカム及びヒール部
の急速な摩耗を引起こし、ニードルまたはニードルプッ
シャ部材のヒール部を破損させ得るからである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
短いループでの編みを形成する間に機械の作動速度を増
大することを許容すると共に、より長いループで編みを
形成する時に問題を伴わないような、くつ下などの編機
のためのニードル作動装置を提供することによって、前
述の問題を解決することである。

【０００９】本目的の範囲の中で、本発明の小目的は、
くつ下編機の生産性を向上すると共に、ニードルまたは
ニードルプッシャ部材のヒール部及び目止めカムの摩耗
を低減することを許容する装置を提供することである。

【００１０】本発明の他の小目的は、くつ下編機などの
広い範囲に設置され得る装置を提供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この目的、これらの小目
的、さらに以下から明らかな他の目的は、くつ下などの
編機のためのニードル作動装置であって、ニードル支持
部材に面すると共に少なくとも１つの目止めカムを支持
するカム支持面を備え、前記目止めカムは前記ニードル
支持部材が前記カム支持面に対して移動する方向に対し
てある角度に配置された外形を有しており、目止めカム
の前記外形は、前記ニードル支持部材から前記カム支持
面に向かって突出するニードルまたはニードルプッシャ
部材のヒール部によって係合可能であり、前記ニードル
支持部材は、前記カム支持面に向かって向けられた面上
に、互いに平行かつ前記運動の方向と略直角に延びる複
数のスロットを有しており、各スロットは対応するスロ
ットに沿って摺動可能なニードルを収容しており、目止
めカムの前記外形は、新しい編みループを形成して先に
形成された編みループを目止めするために、編み糸が機
械の送りで取られた後で、ニードルがニードル支持部材
の対応するスロットに沿って移動することをもたらすの
に好適であって、前記目止めカムは前記カム支持面によ
って、それが各場合に前記カム支持面に面する前記ニー
ドル支持部材の一部の表面に略垂直な第１軸回りに回転
可能であってかつ前記運動（移動）の方向に対する前記
外形の傾斜を変更すべくコマンドにより前記第１軸回り
に回転可能なように、支持されている。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明のさらなる特徴及び利点
が、添付の図面に非制限的な例として図示された本発明
の装置の好適であるが非制限的な実施の形態の、以下の
詳細な記述から明らかである。

【００１３】図１は、くつ下編機のニードルシリンダの
横方向に隣接して配置された、本発明による装置の、部
分的に断面の上方平面図である。簡単のため、一部のみ
が示されている。

【００１４】図２は、機械のニードルシリンダに向かっ
て方向付けられることが意図された側方からの図１の装
置の部分図である。

【００１５】図３は、図２のIII−III線による断面図で
ある。

【００１６】図４は、第１位置における目止めカム（ca
sting-off cam）と共に、ニードルシリンダに向かって
方向付けられることが意図された側方からの、カム支持
面の一部を示す概略図である。

【００１７】図５は、図４と同様の、第２位置における
目止めカムと共に、カム支持面の一部を示す概略図であ
る。

【００１８】以上の各図に示すように、本発明による装
置は、全体を参照符号１によって示され、ニードル支持
部材３に面すると共に、少なくとも１つの目止めカム４
を支持するカム支持面２を備えている。目止めカム４
は、カム支持面２に対するニードル支持部材３の運動
（移動）の方向６に対して、傾斜した外形５を有してい
る。

【００１９】ニードル支持部材３は、本発明による装置
が設置されることが意図される機械に依存して、直線く
つ下編機の場合、実質的に平坦であり得るし、あるい
は、円筒状であり得て、添付の図面に示すように環状く
つ下編機のニードルシリンダによって構成され得る。あ
るいは、シリンダダイアルタイプの環状くつ下編機のダ
イアルによっても構成され得る。

【００２０】複数のスロット７が、カム支持面２に向け
られたニードル支持部材３の面に形成されており、互い
に平行かつ運動の方向６に対して直角に延びている。図
示の例の場合、環状編機に関しており、スロット７はニ
ードルシリンダの横方向面に形成されて、ニードルシリ
ンダの軸３ａに平行に延びている。

【００２１】ニードル８が、各スロット７内に収容され
ており、当該スロット７に沿って摺動可能であり、スロ
ット７から突出して目止めカム４の外形５と係合可能な
ヒール部８ａを有している。

【００２２】ニードル８の対応するスロット７に沿って
の運動は、そのヒール部８ａと、カム支持面２と連携す
る目止めカム４及び他のカムとの係合によってもたらさ
れる代わりに、ニードル８と共に対応するスロット７内
に収容されると共にカム支持面２に取付けられた目止め
カム４及び他のカムの外形５と係合可能なヒール部を有
するニードルプッシャ部材によっても実現され得る。

【００２３】また、例えば本発明による装置を備えた機
械が二重シリンダ環状くつ下編機である場合には、ニー
ドルプッシャ部材は、スライダや移動シンカーによって
構成される。それらは、カム支持面に設けられたカムを
それらのヒール部と係合することにより、ニードルシリ
ンダの同じスロット内に配置されたニードルの運動をも
たらす。

【００２４】本発明によれば、目止めカム４が、カム支
持面２によって、各々の場合にカム支持面２に面するニ
ードル支持部材３の一部の表面に略垂直な第１軸９回り
に回転することができるように支持されている。目止め
カム４は、運動の方向６に対する外形５の傾斜を変える
ために、第１軸９回りにコマンドにより回転することが
できる。

【００２５】第１軸９回りの、あらかじめセットされた
角度にわたってのカム４の回転は、例えばカム支持面２
上に設置されてその出力軸で目止めカム４に接続され
た、例えばステッピングモータなどの一般のアクチュエ
ータによってもたらされ得る。

【００２６】有利には、目止めカム４は、カム支持面２
によってスロット７の延長上に平行に摺動可能に支持さ
れたスライダ１０に対して、ピボット３０によって第１
軸９回りに旋回される。

【００２７】さらに詳しくは、特に図１に示すように、
台座１１がカム支持面２内に形成され、それ（スライダ
１０）がスロット７の延長上に平行に摺動可能なよう
に、スライダ１０を収容している。スライダ１０上に、
目止めカム４が設けられている。

【００２８】スライダ１０は、編みループの長さを変え
るために、それ自体は公知の態様で、スロット７の延長
上に平行に、図示の例ではニードルシリンダ３の軸３ａ
に平行にコマンドにより移動可能である。

【００２９】有利には、目止めカム４は、第１軸９回り
にスライダ１０に対して回動されることに加えて、第１
軸９から離れたその一部と共に、第１軸９に略平行な第
２軸１２回りにカム支持面２の一部１３に対して旋回さ
れる。

【００３０】目止めカム４のカム支持面２の一部１３に
対する旋回（回動）は、その一部１３内に形成された台
座１５内を摺動可能なピボット１４によって与えられ
る。前記台座１５は、運動の方向６に平行な方向に延び
ており、これにより、スライダ１０の位置がスロット７
の延長上に平行な方向に変化する度毎に、すなわち、編
みループの長さが変えられる度毎に、第１軸９回りの目
止めカム４の回転を実現する。

【００３１】実際に、目止めカム４とスライダ１０との
間の接続及び目止めカム４とカム支持面２の一部１３と
の間の接続のおかけで、簡単に、編みループの長さを変
えることによって、目止めカム４の外形５の運動の方向
６に対する角度が、対応して変えられる。特に、スライ
ダ１０が編みループの長さを増大する方向に移動される
時、目止めカム４の外形５の傾斜が増大される。

【００３２】このような態様では、外形５の運動の方向
６に対するより高程度の傾斜が、長い編みループが形成
される時に自動的に達成され、低程度の傾斜が、短い編
みループが形成される時に達成される。

【００３３】説明の完全のために、対応カム１６がスラ
イダ１０に取付けられていることが言及される。前記対
応カムの外形１７は、目止めカム４の外形５に対向して
いる。

【００３４】本発明による装置では、前記目止めカム４
に対するニードル支持部材３の運動方向に対しての目止
めカム４の外形５の傾斜を変更する可能性のおかげで、
くつ下編み機などで実施され得る様々な編みに対して前
記傾斜を適合することが可能である。

【００３５】特に、大変長いループの形成中には、より
高い傾斜が必要とされ、カム４は図４に示される位置を
とる。これにより、シンカー上での、あるいはニードル
の横方向で編み糸が載っている点上での、新しいループ
を形成するために用いられる編み糸の摩擦を低減する。
一方、短い編みループでの編みの間には、そのような傾
斜は図５に示すように低減され得て、ニードルまたはニ
ードルプッシャ部材のヒール部及び前記目止めカムの過
度の摩耗を引起こすことなく機械のより高速な作動を許
容する。

【００３６】

【発明の効果】実際、本発明による装置は、生産上の要
求に応じて、ニードル支持部材のカム支持面に対する運
動の方向に対しての目止めカムの外形の傾斜を変えるこ
とを許容することによって、それが取付けられる機械の
生産性を増大させ、ニードル、ニードルプッシャ部材及
び目止めカム自身の摩耗を低減することを許容するた
め、意図された目的を完全に達成することが観察され
た。

【００３７】別の利点は、編みループの形成中に、編み
糸の張力の程度を低減することが可能なことである。

【００３８】本発明は、単一シリンダ環状くつ下編機に
ついて本出願において説明されたが、説明されたよう
に、くつ下などの他の編機においても有利に用いられ得
る。

【００３９】従って、創造された装置は、多くの修正や
変形が可能であり、それらの全てが本発明の概念の範囲
内である。全ての詳部はさらに、他の技術的に等価な部
材に置換され得る。

【００４０】実際、用いられる材料や寸法は、種々の要
求や技術の状態に応じて決められ得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】くつ下編機のニードルシリンダの横方向に隣接
して配置された、本発明による装置の、部分的に断面の
上方平面図。

【図２】機械のニードルシリンダに向かって方向付けら
れることが意図された側方からの図１の装置の部分図。

【図３】図２のIII−III線による断面図。

【図４】第１位置における目止めカム（casting-off ca
m）と共に、ニードルシリンダに向かって方向付けられ
ることが意図された側方からの、カム支持面の一部を示
す概略図。

【図５】図４と同様の、第２位置における目止めカムと
共に、カム支持面の一部を示す概略図。

【符号の説明】

１ シリンダ作動装置 ２ カム支持面 ３ ニードル支持部材 ３ａ 軸 ４ 目止めカム ５ 外形 ６ 運動の方向 ７ スロット ８ ニードル ８ａ ヒール部 ９ 第１軸 １０ スライダ １１ 台座 １２ 第２軸 １３ カム支持面の一部 １４ ピボット １５ 台座 １６ 対応カム １７ 外形 ３０ ピボット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エットーレ、ロナーティ イタリー国ブレッシア、ピアッツァ、パガ ノーラ、５ (72)発明者 ファウスト、ロナーティ イタリー国ブレッシア、ビア、メディアー ナ、15 Ｆターム(参考） 4L054 AA01 AB04 BB03 BD02 DA06 KA23 NA04 NA05

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】くつ下などの編機のためのニードル作動装
   置であって、 ニードル支持部材（３）に面すると共に少なくとも１つ
   の目止めカム（４）を支持するカム支持面（２）を備
   え、 前記目止めカム（４）は、前記ニードル支持部材（３）
   が前記カム支持面（２）に対して移動する方向（６）に
   対してある角度に配置された外形（５）を有しており、 目止めカムの前記外形（５）は、前記ニードル支持部材
   （３）から前記カム支持面（２）に向かって突出するニ
   ードルまたはニードルプッシャ部材のヒール部（８ａ）
   によって係合可能であり、 前記ニードル支持部材（３）は、前記カム支持面（２）
   に向かって向けられた面上に、互いに平行かつ前記運動
   の方向（６）と略直角に延びる複数のスロット（７）を
   有しており、 各スロット（７）は、対応するスロット（７）に沿って
   摺動可能なニードル（８）を収容しており、 目止めカム（４）の前記外形（５）は、新しい編みルー
   プを形成して先に形成された編みループを目止めするた
   めに、編み糸が機械の送りで取られた後で、ニードルが
   ニードル支持部材（３）の対応するスロット（７）に沿
   って移動することをもたらすのに好適であって、 前記目止めカム（４）は、前記カム支持面（２）によっ
   て、それが各場合に前記カム支持面（２）に面する前記
   ニードル支持部材（３）の一部の表面に略垂直な第１軸
   （９）回りに回転可能であってかつ前記運動の方向
   （６）に対する前記外形（５）の傾斜を変更すべくコマ
   ンドにより前記第１軸（９）回りに回転可能なように、
   支持されていることを特徴とするニードル作動装置。
2. 【請求項２】前記目止めカム（４）は、前記第１軸
   （９）回りに、それが前記スロット（７）の延長上に略
   平行な方向に摺動可能なように前記カム支持面（２）に
   よって支持されたスライダ（１０）に対して回動され、 前記スライダ（１０）は、編みループの長さを変えるた
   めに、前記摺動方向に、前記カム支持面（２）に対して
   コマンドにより移動可能であることを特徴とする装置。
3. 【請求項３】前記目止めカム（４）は、前記第１軸
   （９）から離れた一部で、前記カム支持面（２）に対す
   る前記摺動方向に沿っての前記スライダ（１０）の運動
   の結果として、前記目止めカム（４）の回転のために前
   記第１軸（９）と平行な第２軸（１２）回りに前記カム
   支持面（２）に対して間接結合されていることを特徴と
   する請求項１または２に記載の装置。
4. 【請求項４】前記ニードル支持部材（３）は、くつ下な
   どの環状編機のニードルシリンダによって構成されるこ
   とを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の装
   置。
5. 【請求項５】前記ニードル支持部材（３）は、シリンダ
   ダイアルタイプのくつ下などの環状編機のダイアルによ
   って構成されることを特徴とする請求項１乃至４のいず
   れかに記載の装置。
6. 【請求項６】前記ニードルプッシャ部材は、くつ下など
   の二重シリンダ環状編機のスライダによって構成される
   ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の装
   置。