JP2001157832A - 攪拌装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】セメントと骨材の攪拌および供給を簡単な作業
で行うことのできるコンパクトな攪拌装置を提供する。 【解決手段】上部に投入口を備えた円筒状の容器本体
に、攪拌部材２を備えた攪拌手段を設けてなる攪拌装置
において、容器本体の少なくとも下部内周壁面を逆円錐
状に形成するとともに、容器本体の底部中央に排出口７
と前記排出口を開閉するゲ−トとを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、セメント
と骨材とを攪拌し供給する攪拌装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の攪拌装置Ｘは、図５に示すよう
に、上部に投入口Ａを設け、底面にレバ−Ｂの操作によ
り開閉可能な排出口Ｃを設けた円筒状の容器本体Ｄと、
この容器本体Ｄを支持する支持脚Ｅとを備えており、容
器本体Ｄ下部に設けた電動モ−タＦにより回転駆動する
回転軸Ｇと攪拌翼Ｈからなる攪拌機Ｉを、容器本体Ｄ内
部に設けてなるものである。

【０００３】以上の攪拌装置は、まず、投入口Ａからセ
メント、水、骨材（砂と砂利の混合物）等を投入し、攪
拌機Ｉにより攪拌してコンクリ−トスラリ−を生成し、
次に、レバ−Ｂを操作して排出口Ｃを開口して容器本体
Ｄ内のコンクリ−トスラリ−を取り出すのであるが、排
出口Ｃが底面の一部に設けられているので、コンクリ−
トスラリ−を残さず取り出すことは困難である。そこ
で、上記の攪拌装置では、排出を促すように攪拌機Ｉで
攪拌しながらコンクリ−トスラリ−を取り出さざるを得
ないが、周りにこぼれやすい上に、排出に時間を要す
る。そのため、従来では、前記攪拌装置Ｘで生成された
コンクリ−トスラリ−を、図６に示すような供給装置Ｙ
に一旦移しかえるようにしている。この供給装置Ｙは、
上部に投入口Ｊを設けた円筒状の容器の下部内周壁面を
逆円錐状に形成した容器本体Ｋと、底部中央に設けたレ
バ−Ｌにより開閉する排出口Ｍと、この容器本体Ｋを支
持する支持脚Ｎとから構成されるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような方法では、コンクリ−トスラリ−を生成し供給す
るには攪拌装置Ｘの他に、供給装置Ｙを必要とするた
め、施工現場において各装置の置き場所に広いスペ−ス
を必要とするという不具合がある。また、攪拌し供給す
るために必要な工数が多く、作業効率が悪いため作業コ
ストがかかるという不具合もある。

【０００５】本発明は上記問題点に鑑みて提案されたも
のであって、セメントと骨材の攪拌および供給を簡単な
作業で行うことのできるコンパクトな攪拌装置を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明の攪拌装置は、上部に投入口を備えた円筒
状の容器本体内に、攪拌部材を備えた攪拌手段を設けて
なる攪拌装置において、容器本体の少なくとも下部内周
壁面を逆円錐状に形成するとともに、容器本体の底部中
央に排出口と前記排出口を開閉するゲ−トとを設けてな
るものである。また、攪拌手段を、容器本体に対し着脱
可能に設けてもよい。なお、逆円錐状とは、円錐を上下
方向に反転させ、周壁面を下方に向かって絞るように傾
斜させた形状をいうが、本発明の攪拌装置においては、
最下部に底部を設けるため、逆円錐台状も含んだものと
する。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。

【０００８】まず、本実施の形態の攪拌装置は、基本的
には図１に示すように、上部に投入口１０１を開口させ
た円筒状の容器本体１と、この容器本体１内に設ける攪
拌部材２および容器本体１上方に設ける駆動装置３から
なる攪拌手段としての攪拌機４と、容器本体１を支持す
る支持脚５と、投入口１０１を覆うように設ける保護カ
バ−６とから構成されており、この容器本体１の下部内
周壁面を、下方に向かって絞るように傾斜させて逆円錐
状に形成するとともに、容器本体１の底部中央に、排出
口７と、排出口７をレバ−８により開閉するゲ−ト９と
を設けたものである。

【０００９】排出口７を開閉するゲ−ト９は、図３，図
４に示すように、容器本体１底部に固設される平面視コ
の字型の囲い部材９１と支持板９２と、この支持板９２
の端部に回動可能に取り付けられるシャッタ−部材９３
とから構成されている。シャッタ−部材９３は、上に凸
の曲面形状をなす湾曲板９３１と、この湾曲板９３１の
幅方向両端部に固着される扇形状板９３２と、湾曲板９
３１の内側に設けられた補強板９３３とから構成されて
おり、扇形状板９３２が支持軸９２１を介して支持板９
２の端部に回動可能に枢支されている。また、容器本体
１下部には、湾曲板９３１とほぼ同様の曲率に曲げ加工
した板材の中央部に排出口７を設けたガイド部材１０が
設けられている。

【００１０】一方、攪拌部材２は、図２に示すように、
回転軸２１と、回転軸２１に固着された攪拌翼２２〜２
４と、回転軸の下端に着脱可能に取り付けられる攪拌翼
２５とから構成されている。回転軸２１は、その両端部
をそれぞれ軸受け１１，１２により支持された状態で容
器本体１の中心に立設している。軸受け１１は、容器本
体１の上部の開口端縁に架設されている上部支持ア−ム
１３に支持されている。この上部支持ア−ム１３は、そ
の両端を容器本体１の上部の開口端縁にボルト１４ａお
よびナット１４ｂにより着脱可能に取り付けられてい
る。また、軸受け１２は、容器本体１の下方内周壁面に
架設されている下部支持ア−ム１５により支持されてい
る。

【００１１】攪拌翼２２〜２４は、上部支持ア−ム１３
と下部支持ア−ム１５の間に位置するように設けられて
おり、攪拌翼２５は、下部支持ア−ム１５の下方に位置
するように設けられている。しかも、攪拌翼２２〜２４
の先端部は下方に曲げ加工されており、また、側面に傾
斜板２２１，２３１，２４１が延設されている。さら
に、攪拌翼２３の先端部には、Ｌ字型の掻き取り板２３
２が付設されている。

【００１２】駆動装置３は、上部支持ア−ム１３の上部
に設けられた受け板１６上に固定されており、駆動装置
３の駆動軸（図示せず）が回転軸２１と着脱可能に連結
されている。なお、駆動装置３は、家庭用電源で使用可
能な電圧１００Ｖ仕様のギア−ドモ−タからなり、操作
スイッチ３１により運転操作される。

【００１３】支持脚５は、図１に示すように、攪拌装置
が移動可能なように、下部にキャスタ−５１を備えてい
る。保護カバ−６は、複数本の線材を縦横に所定間隔あ
けて並設し、その周囲を同じく線材で囲んで形成される
もので、任意の線材の先端部を曲げて形成した爪部６１
を容器本体１と上部支持ア−ム１３に係止させて、容器
本体１の開口端縁に着脱可能に取り付けられる。

【００１４】なお、攪拌翼の数は、４つに限定されるも
のではなく、３つ以下でも、５つ以上であってもよい。
また、攪拌翼の形状も上記したものに限定されるもので
はなく、被攪拌物を効果的に攪拌できるものであればよ
い。

【００１５】以上のように構成された攪拌装置を使用す
る場合を説明する。まず、電源にプラグ（図示せず）を
接続して電気を供給する。次に、投入口１０１から容器
本体１内にセメント、水、骨材（砂と砂利の混合物）を
投入する。操作スイッチ３１をいれて、駆動装置３を駆
動させると、駆動装置３の駆動軸（図示せず）と連動す
る回転軸２１が回転し、攪拌翼２２〜２５が、容器本体
１内のセメント、水、骨材を攪拌して、コンクリ−トス
ラリ−を生成する。コンクリ−トスラリ−生成後、攪拌
装置を施工現場までキャスタ−５１により移動する。施
工現場において、レバ−８を操作してゲ−ト９を開き、
所要量のコンクリ−トスラリ−を排出口７から排出させ
る。

【００１６】上記した攪拌装置では、容器本体１の下部
内周壁面の形状を逆円錐形状とし、底部に開閉可能なゲ
−ト９を設けたので、投入口１０１からセメント、水、
骨材を投入し、攪拌機４により攪拌してコンクリ−トス
ラリ−を生成した後、攪拌機４で攪拌しなくても、ゲ−
ト９を開くだけで、排出口７から即座にコンクリ−トス
ラリ−が排出され始め、容器本体１内に残ることなく最
後まで連続して排出されるので、所要量を効率よく供給
できる。また、支持脚５にキャスタ−５１を設けたの
で、施工現場まで容易に移動できる。したがって、攪
拌、移動、供給の一連の作業を一台の装置で行うことが
できるため、作業コストの削減と、作業スペ−スの縮減
を図ることができる。

【００１７】なお、本実施の形態においては、セメン
ト、水、骨材を攪拌したが、これに限定されるものでは
なく、攪拌を必要とするものであればよい。

【００１８】また、以上の攪拌装置では、上部支持ア−
ム１３が容器本体１に着脱可能に架設されているので、
攪拌翼２５を回転軸２１下端から取り外し、上部支持ア
−ム１３を容器本体１から取り外せば、攪拌機４を容器
本体１から取り外すことができる。さらに、駆動装置３
の駆動軸（図示せず）が回転軸２１と着脱可能に連結さ
れているので、駆動装置３が故障した場合には、駆動装
置３と攪拌部材２とを分離して、駆動装置３のみを簡単
に取り替えることができる。また、被攪拌物の種類が異
なる場合には、被攪拌物の粘性に応じた攪拌翼を備えた
攪拌部材と簡単に取り替えることができる。

【００１９】また、以上の攪拌装置では、攪拌翼２２〜
２４の先端部を容器本体１の下部内周壁面の傾斜に沿っ
て曲げるとともに、その側面に傾斜板２２１，２３１，
２４１を延設して形成したので、効果的に攪拌できる。
なお、攪拌翼２３の先端部に掻き取り板２３２を設けた
ので、内周壁面付近のコンクリ−トスラリ−も残さず攪
拌できる。また、下部支持ア−ム１５の下方に設けた攪
拌翼２５により、攪拌翼２２〜２４では攪拌することの
できない排出口７付近のコンクリ−トスラリ−を攪拌で
きるので、均一な攪拌効果が得られる。さらに、排出口
７付近を、ガイド部材１０と湾曲板９３１により、上に
凸の曲面形状にしたので、排出口７付近の攪拌されにく
いデッドスペ−スが縮減されるとともに、ガイド部材１
０と湾曲板９３１の起伏により排出口７付近のコンクリ
−トスラリ−の連れ回りが促進され、より均一な攪拌を
することができる。

【００２０】シャッタ−部材９３は、湾曲板９３１の裏
面に補強板９３３を設けたので、湾曲板９３１の窪みに
コンクリ−トスラリ−が残存することがない。また、ゲ
−ト１０は、平面視コの字型の囲い部材９１とシャッタ
−部材９３とから構成されており、排出口７からコンク
リ−トスラリ−を排出する際に、平面視コの字型の囲い
部材９１と補強板９３３により通路が形成されるので、
コンクリ−トスラリ−を排出口７の真下に排出すること
ができ、周りにこぼれにくい。

【００２１】駆動装置３は、家庭用電源で使用できるの
で、別個に動力用電源が不要であり、設備の簡素化を図
ることができる。また、以上の攪拌装置では、投入口１
０１を覆うように保護カバ−６を設けたので、攪拌中に
誤って攪拌装置内に手を入れたり異物が混入する事故を
未然に防ぐことができ、安全性を向上させることができ
る。また、保護カバ−６は柵状なので、常に攪拌状態を
確認することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、上部に投
入口を備えた円筒状の容器本体内に、攪拌部材を備えた
攪拌手段を設けてなる攪拌装置において、容器本体の少
なくとも下部内周壁面を逆円錐状に形成するとともに、
容器本体底部中央に排出口と前記排出口を開閉するゲ−
トを設けたので、被攪拌物の供給時には、ゲ−トを開く
だけで、被攪拌物は自動的に逆円錐状に傾斜した下部内
周壁面に沿って即座に降下し、容器本体内に残存するこ
となく、連続して排出口から排出される。したがって、
攪拌と供給の作業を一台の装置で行うことができるた
め、作業コストの削減と、作業スペ−スの縮減を図るこ
とができる。また、攪拌手段を、容器本体に対して着脱
可能に設けたので、攪拌手段を構成する各部材の取り替
え作業が容易となる。例えば、モ−タが故障した場合に
は、モ−タのみ取り替えることが可能であるので利便性
に富む。また、被攪拌物の種類が異なる場合には、被攪
拌物の粘性に適した攪拌を行える攪拌翼に取り替えるこ
とができるので、汎用性に富む。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明にかかる実施形態の攪拌装置の外観
図。

【図２】 本実施形態の攪拌装置の部分断面図。

【図３】 本実施形態の攪拌装置の部分拡大断面図。

【図４】 本実施形態の攪拌装置のゲ−トの部分拡大斜
視図。

【図５】 従来の攪拌装置の外観図。

【図６】 従来の供給装置の外観図。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 攪拌部材 ２１ 回転軸 ２２〜２５ 攪拌翼 ２３２ 掻き取り板 ３ 駆動手段 ４ 攪拌機 ７ 排出口 ９ ゲ−ト ９１ 囲い部材 ９２ 支持板 ９３ シャッタ−部材 ９３１ 湾曲板 ９３２ 扇形状板 ９３３ 補強板 １０ ガイド部材 １１ 軸受け １２ 軸受け １３ 上部支持ア−ム １５ 下部支持ア−ム

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上部に投入口を備えた円筒状の容器本体
   に、攪拌部材を備えた攪拌手段を設けてなる攪拌装置に
   おいて、 容器本体の少なくとも下部内周壁面を逆円錐状に形成す
   るとともに、容器本体の底部中央に排出口と前記排出口
   を開閉するゲ−トとを設けてなる攪拌装置。
2. 【請求項２】攪拌手段を、容器本体に対し着脱可能に設
   けてなる請求項１記載の攪拌装置。