JP2001154688A - 車両用音声入力装置 - Google Patents
車両用音声入力装置Info
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- JP2001154688A JP2001154688A JP34152199A JP34152199A JP2001154688A JP 2001154688 A JP2001154688 A JP 2001154688A JP 34152199 A JP34152199 A JP 34152199A JP 34152199 A JP34152199 A JP 34152199A JP 2001154688 A JP2001154688 A JP 2001154688A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】音声強調と雑音低減を行う車輌用音声入力装置
を提供する。 【解決手段】適応フィルタをマイクロホンアレーの指向
性制御に用いた車輌用音声入力システムである。自車輌
1にレーザーレーダー装置5を搭載し、近接した他車輌
2を検出する。そして、その方向を不要音到来方向とす
る。フィルタ係数決定部15は、その不要音到来方向に
指向性がないように、又運転者方向に指向性を持たせる
ようにフィルタの係数を決定する。音声抽出部30は、
それらの係数をフィルタ31の係数に設定し、入力され
た雑音を含む音声を処理する。これにより、マイクロホ
ンアレー20によって集音された他車輌2からの雑音が
常時抑圧され、運転者の音声が強調される。
を提供する。 【解決手段】適応フィルタをマイクロホンアレーの指向
性制御に用いた車輌用音声入力システムである。自車輌
1にレーザーレーダー装置5を搭載し、近接した他車輌
2を検出する。そして、その方向を不要音到来方向とす
る。フィルタ係数決定部15は、その不要音到来方向に
指向性がないように、又運転者方向に指向性を持たせる
ようにフィルタの係数を決定する。音声抽出部30は、
それらの係数をフィルタ31の係数に設定し、入力され
た雑音を含む音声を処理する。これにより、マイクロホ
ンアレー20によって集音された他車輌2からの雑音が
常時抑圧され、運転者の音声が強調される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声で機器を制御
するための音声入力装置に関する。特に、フィルタ制御
によって指向性を持たせて目的音と不要音を弁別し、人
の音声を抽出する音声入力装置に関する。本発明は、例
えばレーダ装置によって近接車の位置を検出し、その方
向からの到来音を低減させて乗員音声の認識を高める車
両用音声入力装置に適用できる。
するための音声入力装置に関する。特に、フィルタ制御
によって指向性を持たせて目的音と不要音を弁別し、人
の音声を抽出する音声入力装置に関する。本発明は、例
えばレーダ装置によって近接車の位置を検出し、その方
向からの到来音を低減させて乗員音声の認識を高める車
両用音声入力装置に適用できる。
【0002】
【従来の技術】音声認識装置は雑音の少ない正確な音声
入力を必要とする。そのため、従来より雑音混入の少な
い指向性マイクロホンやマイクロホンアレーを使った雑
音抑圧技術が提案されている。それは、音声の指向性又
は周囲から混入する雑音の指向性を利用してそれらを増
減させ、目的とする音声を明確に検出する技術である。
例えば、特開平5−227531号公報に開示のカメラ
監視システムがある。これは監視カメラによって人又は
移動体の位置情報を得、その位置情報に基づいて複数の
マイクロホンに接続された各遅延フィルタを調整し、互
いの位相を合わせて強調し、目的の音声が効果的に集音
できるようにした技術である。即ち、遅延フィルタによ
る目的音強調技術である。
入力を必要とする。そのため、従来より雑音混入の少な
い指向性マイクロホンやマイクロホンアレーを使った雑
音抑圧技術が提案されている。それは、音声の指向性又
は周囲から混入する雑音の指向性を利用してそれらを増
減させ、目的とする音声を明確に検出する技術である。
例えば、特開平5−227531号公報に開示のカメラ
監視システムがある。これは監視カメラによって人又は
移動体の位置情報を得、その位置情報に基づいて複数の
マイクロホンに接続された各遅延フィルタを調整し、互
いの位相を合わせて強調し、目的の音声が効果的に集音
できるようにした技術である。即ち、遅延フィルタによ
る目的音強調技術である。
【0003】又、他には例えば文献(ICASSP’95「Know
ing Who to Listen in Special Recongnition Visually
Guided Beamforming 」pp848 −851 )がある。これ
は、画像処理技術と適応マイクロホンアレー技術を用い
たものである。適応マイクロホンアレー技術とは、適応
フィルタをマイクロホンアレーの指向性制御に用いた技
術であり、周囲のランダムな雑音を低減させると共に目
的方向からの音声を効果的に集音する技術である。この
例では、周囲の雑音を低減させて、画像処理技術で対象
物の方向を認識させて、目的音声をより効果的に集音し
ている。又、単に、指向性の鋭いマイクロホンを運手席
前方のサンバイザに配置し、運転者のみの音声を集音す
ることでS/N比を向上させた例もある。これは、カー
ナビゲーションシステム等の音声入力装置に使用されて
いる。
ing Who to Listen in Special Recongnition Visually
Guided Beamforming 」pp848 −851 )がある。これ
は、画像処理技術と適応マイクロホンアレー技術を用い
たものである。適応マイクロホンアレー技術とは、適応
フィルタをマイクロホンアレーの指向性制御に用いた技
術であり、周囲のランダムな雑音を低減させると共に目
的方向からの音声を効果的に集音する技術である。この
例では、周囲の雑音を低減させて、画像処理技術で対象
物の方向を認識させて、目的音声をより効果的に集音し
ている。又、単に、指向性の鋭いマイクロホンを運手席
前方のサンバイザに配置し、運転者のみの音声を集音す
ることでS/N比を向上させた例もある。これは、カー
ナビゲーションシステム等の音声入力装置に使用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようする課題】しかしながら、上記3例
を車輌用音声入力装置に適用した場合、走行車輌では雑
音レベルが非常に高いため、その音声認識性能が低下す
るという問題がある。特に、他車輌が自車の近くを通過
する場合又はトンネル内を通過する場合は、それが著し
い。即ち、目的音声の方向を十分考慮しても、周囲の雑
音レベルによっては音声抽出性能が低下するという問題
がある。例えば、上記適応マイクロホンアレー技術を用
いた場合において、運転者方向に指向性を持たせても雑
音レベルが大きい場合には、正確な音声認識ができず車
載機器の制御が困難になるという問題があった。
を車輌用音声入力装置に適用した場合、走行車輌では雑
音レベルが非常に高いため、その音声認識性能が低下す
るという問題がある。特に、他車輌が自車の近くを通過
する場合又はトンネル内を通過する場合は、それが著し
い。即ち、目的音声の方向を十分考慮しても、周囲の雑
音レベルによっては音声抽出性能が低下するという問題
がある。例えば、上記適応マイクロホンアレー技術を用
いた場合において、運転者方向に指向性を持たせても雑
音レベルが大きい場合には、正確な音声認識ができず車
載機器の制御が困難になるという問題があった。
【0005】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、その目的は、車輌に搭載された
レーザーレーダー装置や画像処理装置により他車輌を認
識し、その方向を不要音到来方向としてその抑圧処理を
行い、相対的に運転者の音声を強調して抽出することで
ある。又、同時に運転者方向の強調処理を行って、更に
強調して運転者の音声を明瞭に抽出することである。
になされたものであり、その目的は、車輌に搭載された
レーザーレーダー装置や画像処理装置により他車輌を認
識し、その方向を不要音到来方向としてその抑圧処理を
行い、相対的に運転者の音声を強調して抽出することで
ある。又、同時に運転者方向の強調処理を行って、更に
強調して運転者の音声を明瞭に抽出することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の車両用
音声入力装置は、音声を認識し車載機器を制御する車両
用音声入力装置であって、到来する不要音の方向を検出
する不要音方向検出手段と、複数のチャンネルを介して
個々に音声を入力する音声入力手段と、指向性を制御す
るためのフィルタ係数を決定するフィルタ係数決定手段
と、そのフィルタ係数決定手段によって決定されたフィ
ルタを用い、音声入力手段によって入力された雑音を含
む音声から乗員の音声を抽出する音声抽出手段とを備え
たことを特徴とする。
音声入力装置は、音声を認識し車載機器を制御する車両
用音声入力装置であって、到来する不要音の方向を検出
する不要音方向検出手段と、複数のチャンネルを介して
個々に音声を入力する音声入力手段と、指向性を制御す
るためのフィルタ係数を決定するフィルタ係数決定手段
と、そのフィルタ係数決定手段によって決定されたフィ
ルタを用い、音声入力手段によって入力された雑音を含
む音声から乗員の音声を抽出する音声抽出手段とを備え
たことを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の車両用音声入力装置は、
フィルタ係数決定手段によって決定されたフィルタが不
要音方向からの到来音を低減し、乗員方向からの音声を
強調する適応フィルタであることを特徴とする。
フィルタ係数決定手段によって決定されたフィルタが不
要音方向からの到来音を低減し、乗員方向からの音声を
強調する適応フィルタであることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の車両用音声入力装置は、
音声入力手段は、複数のマイクロホンが所定間隔で配列
されたマイクロホンアレーであり、複数のチャネルには
少なくとも1つのフィルタが接続されていることを特徴
とする。
音声入力手段は、複数のマイクロホンが所定間隔で配列
されたマイクロホンアレーであり、複数のチャネルには
少なくとも1つのフィルタが接続されていることを特徴
とする。
【0009】請求項4に記載の車両用音声入力装置は、
不要音方向は不要音方向検出手段によって検出された自
車輌に最も近接した他車輌の方向であることを特徴とす
る。
不要音方向は不要音方向検出手段によって検出された自
車輌に最も近接した他車輌の方向であることを特徴とす
る。
【0010】
【作用および効果】請求項1に記載の車両用音声入力装
置によれば、不要音方向検出手段は周囲より到来する不
要音の方向を検出する。この不要音方向検出手段は、例
えば近接車を検出するレーザーレーダー装置、画像処理
装置又はマイクロホンアレーである。これにより、例え
ば他車輌等の音源を認識してその方向を不要音到来方向
とする。音声入力手段は、乗員音声を複数のチャンネル
を介してそれぞれ入力する。音声入力手段とは、例えば
所定位置に配置された複数のマイクロホン等の集音手段
と、その集音手段によって変換された音声信号が流れる
複数のチャンネルである。
置によれば、不要音方向検出手段は周囲より到来する不
要音の方向を検出する。この不要音方向検出手段は、例
えば近接車を検出するレーザーレーダー装置、画像処理
装置又はマイクロホンアレーである。これにより、例え
ば他車輌等の音源を認識してその方向を不要音到来方向
とする。音声入力手段は、乗員音声を複数のチャンネル
を介してそれぞれ入力する。音声入力手段とは、例えば
所定位置に配置された複数のマイクロホン等の集音手段
と、その集音手段によって変換された音声信号が流れる
複数のチャンネルである。
【0011】音声入力手段で集音されたそれぞれの音声
(信号)は、次いでフィルタを有する音声抽出手段に入
力される。このフィルタは信号の大きさ又は遅延時間を
制御するフィルタの意味であり、それぞれその係数を設
定することができる。そして、例えば遅延時間を変化さ
せる係数を変化させれば、それにより受信の指向性(感
度)を変化させることができる。フィルタ係数決定手段
は、上記不要音到来方向に基づいてそのフィルタ係数を
決定し、不要音方向への指向性を低減させる。これによ
り、音声抽出手段は、例えば他車両の通過による雑音が
あってもそれを低減させ、効果的に乗員音声を抽出する
ことができる。例えば、トンネル内では左右のトンネル
壁が検出され、その方向からの反射音が抑圧される。こ
のような場合、特に有効である。
(信号)は、次いでフィルタを有する音声抽出手段に入
力される。このフィルタは信号の大きさ又は遅延時間を
制御するフィルタの意味であり、それぞれその係数を設
定することができる。そして、例えば遅延時間を変化さ
せる係数を変化させれば、それにより受信の指向性(感
度)を変化させることができる。フィルタ係数決定手段
は、上記不要音到来方向に基づいてそのフィルタ係数を
決定し、不要音方向への指向性を低減させる。これによ
り、音声抽出手段は、例えば他車両の通過による雑音が
あってもそれを低減させ、効果的に乗員音声を抽出する
ことができる。例えば、トンネル内では左右のトンネル
壁が検出され、その方向からの反射音が抑圧される。こ
のような場合、特に有効である。
【0012】請求項2に記載の車両用音声入力装置によ
れば、フィルタ係数決定手段によって決定されたフィル
タは適応フィルタである。適応フィルタは、乗員方向か
らの感度を維持しながら、周囲の環境に応じて、常に不
要音が低減するようフィルタ係数を変化させることがで
きる。これにより、上記遅延フィルタに比較してよりS
/Nを向上させることができる。よって、より効果的に
乗員音声を強調することができる。
れば、フィルタ係数決定手段によって決定されたフィル
タは適応フィルタである。適応フィルタは、乗員方向か
らの感度を維持しながら、周囲の環境に応じて、常に不
要音が低減するようフィルタ係数を変化させることがで
きる。これにより、上記遅延フィルタに比較してよりS
/Nを向上させることができる。よって、より効果的に
乗員音声を強調することができる。
【0013】請求項3に記載の車両用音声入力装置によ
れば、音声入力手段は複数のマイクロホンが所定間隔で
配列されたマイクロホンアレーである。複数のマイクロ
ホンと上記フィルタで音声強調する場合、その強度(振
幅)はマイクロホン個数とその整列度に比例する。マイ
クロホンアレーは複数のマイクロホンが一定間隔で整列
されているので、その信号強度は最大に強調される。そ
して、その複数のチャネルには少なくとも1つのフィル
タが接続されている。このフィルタにより、位相が調整
されて合波される。よって、音声が精度よく強調されて
抽出される車輌用音声入力装置となる。又、マイクロホ
ンアレーと上記フィルタで雑音を低減させる場合、その
消音レベル(振幅)もマイクロホン個数とその整列度に
比例する。マイクロホンアレーであるので、その消音レ
ベルも低減される。そして、複数のチャネルには少なく
とも1つのフィルタが接続されている。このフィルタに
より、位相が調整されて互いに打ち消し合うように合波
される。これにより、雑音が最小レベルに低減される。
この両者の効果により、音声強調は更に顕著となる。
れば、音声入力手段は複数のマイクロホンが所定間隔で
配列されたマイクロホンアレーである。複数のマイクロ
ホンと上記フィルタで音声強調する場合、その強度(振
幅)はマイクロホン個数とその整列度に比例する。マイ
クロホンアレーは複数のマイクロホンが一定間隔で整列
されているので、その信号強度は最大に強調される。そ
して、その複数のチャネルには少なくとも1つのフィル
タが接続されている。このフィルタにより、位相が調整
されて合波される。よって、音声が精度よく強調されて
抽出される車輌用音声入力装置となる。又、マイクロホ
ンアレーと上記フィルタで雑音を低減させる場合、その
消音レベル(振幅)もマイクロホン個数とその整列度に
比例する。マイクロホンアレーであるので、その消音レ
ベルも低減される。そして、複数のチャネルには少なく
とも1つのフィルタが接続されている。このフィルタに
より、位相が調整されて互いに打ち消し合うように合波
される。これにより、雑音が最小レベルに低減される。
この両者の効果により、音声強調は更に顕著となる。
【0014】請求項4に記載の車両用音声入力装置によ
れば、不要音方向検出手段が、例えばレーザーレーダー
装置によって他車輌との距離を測定する。そして複数の
他車輌を検出した場合は、自車輌に最も近接した他車輌
の方向を不要音方向とする。最も近接した他車輌からの
不要音が最も大きいと想定されるので、より効果的に不
要音を抑圧することができる。これにより、より効果的
に乗員音声を認識する車両用音声入力装置となる。
れば、不要音方向検出手段が、例えばレーザーレーダー
装置によって他車輌との距離を測定する。そして複数の
他車輌を検出した場合は、自車輌に最も近接した他車輌
の方向を不要音方向とする。最も近接した他車輌からの
不要音が最も大きいと想定されるので、より効果的に不
要音を抑圧することができる。これにより、より効果的
に乗員音声を認識する車両用音声入力装置となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1に本発明の車両用音声
入力装置の1実施例を示す。図は、システムブロック図
である。本実施例の車両用音声入力装置は、レーザーレ
ーダー装置5、そのレーザーレーダー装置5に基づいて
不要音方向を決定する不要音決定手段である不要音方向
決定部10、フィルタ係数を制御し集音の指向性を制御
するフィルタ係数決定手段であるフィルタ係数決定部1
5、乗員音声を集音するマイクロホンアレー20、そし
てフィルタ係数決定部15によって決定されたフィルタ
31によって乗員音声を効果的に抽出する音声抽出手段
である音声抽出部30から構成される。尚、本実施例の
車両用音声入力装置は図示しないデジタルシグナルプロ
セッサ(DSP)装置を備え、上記不要音方向決定部1
0、フィルタ係数決定部15、フィルタ31、音声抽出
部30はDSPに搭載される図示しないプログラムで構
成される。
て図面を参照して説明する。図1に本発明の車両用音声
入力装置の1実施例を示す。図は、システムブロック図
である。本実施例の車両用音声入力装置は、レーザーレ
ーダー装置5、そのレーザーレーダー装置5に基づいて
不要音方向を決定する不要音決定手段である不要音方向
決定部10、フィルタ係数を制御し集音の指向性を制御
するフィルタ係数決定手段であるフィルタ係数決定部1
5、乗員音声を集音するマイクロホンアレー20、そし
てフィルタ係数決定部15によって決定されたフィルタ
31によって乗員音声を効果的に抽出する音声抽出手段
である音声抽出部30から構成される。尚、本実施例の
車両用音声入力装置は図示しないデジタルシグナルプロ
セッサ(DSP)装置を備え、上記不要音方向決定部1
0、フィルタ係数決定部15、フィルタ31、音声抽出
部30はDSPに搭載される図示しないプログラムで構
成される。
【0016】図2にマイクロホンアレー20の構成を示
す。マイクロホンアレー20は複数のマイクロホンによ
って構成され、例えばマイクロホン22を中心にマイク
ロホン21が同心円上に配列されている。その半径は、
例えば8.5cmである。
す。マイクロホンアレー20は複数のマイクロホンによ
って構成され、例えばマイクロホン22を中心にマイク
ロホン21が同心円上に配列されている。その半径は、
例えば8.5cmである。
【0017】信号の流れに従って、各構成要素の機能を
説明する。先ず、レーザーレーダー装置5は、図3に示
す様に例えば自車輌1の先頭部に取り付けられ、赤外線
レーザー等をスキャンして周囲の他車輌2との距離及び
その方向を検知する。そして、検知した情報を不要音方
向決定部10に送出する。不要音方向決定部10は、送
出された距離情報から最も近距離にある他車輌2を決定
し、その方向を不要音方向に決定する。次いで、その不
要音方向をフィルタ係数決定部15に送出する。
説明する。先ず、レーザーレーダー装置5は、図3に示
す様に例えば自車輌1の先頭部に取り付けられ、赤外線
レーザー等をスキャンして周囲の他車輌2との距離及び
その方向を検知する。そして、検知した情報を不要音方
向決定部10に送出する。不要音方向決定部10は、送
出された距離情報から最も近距離にある他車輌2を決定
し、その方向を不要音方向に決定する。次いで、その不
要音方向をフィルタ係数決定部15に送出する。
【0018】フィルタ係数決定部15は、予め登録され
た運転者方向と入力された不要音方向に従ってフィルタ
係数を決定する。フィルタによる音声の強調と雑音の低
減方法の原理を図4に示す。図4(a)が音声を強調す
る場合であり、図4(b)が雑音を低減させる場合であ
る。例えば、2個のマイクロホン21,22を距離Lで
配置し、運転者方向の角度αとする。その場合、2個の
マイクロホンで集音される音声信号には位相差が生じ
る。その位相差φは、例えば音の波長をλとすれば次式
で与えられる。
た運転者方向と入力された不要音方向に従ってフィルタ
係数を決定する。フィルタによる音声の強調と雑音の低
減方法の原理を図4に示す。図4(a)が音声を強調す
る場合であり、図4(b)が雑音を低減させる場合であ
る。例えば、2個のマイクロホン21,22を距離Lで
配置し、運転者方向の角度αとする。その場合、2個の
マイクロホンで集音される音声信号には位相差が生じ
る。その位相差φは、例えば音の波長をλとすれば次式
で与えられる。
【0019】
【数1】 φ=2π・d(α)/λ=2π・Lsinα/λ (1) 但し、d(α)<λとした。音声は、この位相差φを持
ってマイクロホン21、22に到達する。従って、フィ
ルタ(遅延フィルタ)31によって、マイクロホン22
から出力された音声信号に同じ位相φだけ信号伝達が遅
延するよう制御すれば、可算器40では同相で可算され
る。その結果、振幅で2倍、即ちそのパワーで4倍に強
調される。特に、この場合、運転者とマイクロホン2
1,22との角度、及びマイクロホン21、22間の距
離は既知であるので、正確に運転者の音声を強調するこ
とができる。
ってマイクロホン21、22に到達する。従って、フィ
ルタ(遅延フィルタ)31によって、マイクロホン22
から出力された音声信号に同じ位相φだけ信号伝達が遅
延するよう制御すれば、可算器40では同相で可算され
る。その結果、振幅で2倍、即ちそのパワーで4倍に強
調される。特に、この場合、運転者とマイクロホン2
1,22との角度、及びマイクロホン21、22間の距
離は既知であるので、正確に運転者の音声を強調するこ
とができる。
【0020】雑音の場合は、一般にはその到来方向は不
定である。しかしながら、本実施例では不要音方向決定
部10が雑音到来方向βを検出するので、上記の同様の
議論が成立する。即ち、上記角度αに代えて雑音到来方
向βを代入すればよい。但し、この場合はフィルタ31
によって、マイクロホン21、22からの雑音信号の位
相がほぼ逆相になるように設定する。これにより、可算
器40では雑音が相殺されて低減される。但し、雑音は
広帯域ノイズであるので、完全には除去することはでき
ない。このような原理で、音声の強調と雑音の低減がお
こなわれる。
定である。しかしながら、本実施例では不要音方向決定
部10が雑音到来方向βを検出するので、上記の同様の
議論が成立する。即ち、上記角度αに代えて雑音到来方
向βを代入すればよい。但し、この場合はフィルタ31
によって、マイクロホン21、22からの雑音信号の位
相がほぼ逆相になるように設定する。これにより、可算
器40では雑音が相殺されて低減される。但し、雑音は
広帯域ノイズであるので、完全には除去することはでき
ない。このような原理で、音声の強調と雑音の低減がお
こなわれる。
【0021】実際には、両者を満足する係数、即ち音声
を強調する係数と雑音が低減される係数が足し合わされ
てフィルタ31に設定される。音声抽出部30は、その
係数を有するフィルタ31を用い、上記原理に従ってマ
イクロホン21、22から入力された音声と雑音を処理
する。これにより、出力端子OUTからは音声が強調さ
れて出力される。
を強調する係数と雑音が低減される係数が足し合わされ
てフィルタ31に設定される。音声抽出部30は、その
係数を有するフィルタ31を用い、上記原理に従ってマ
イクロホン21、22から入力された音声と雑音を処理
する。これにより、出力端子OUTからは音声が強調さ
れて出力される。
【0022】尚、上記フィルタ31は簡単のため、位相
遅延のフィルタとして説明したが、一般的には時間を遅
延させる遅延フィルタである。その場合は、位相差φを
遅延時間τに置き換え、音速cを用いて(1)式を次式
に変更すればよい。
遅延のフィルタとして説明したが、一般的には時間を遅
延させる遅延フィルタである。その場合は、位相差φを
遅延時間τに置き換え、音速cを用いて(1)式を次式
に変更すればよい。
【数2】 τ=d(α)/c=Lsinα/c (2) このように、遅延時間τを設定すれば、2π以上の位相
差でも容易に調整することができる。
差でも容易に調整することができる。
【0023】又、現実的には他車輌は移動しており、そ
の到来音方向の測定には誤差が伴う。それにより、図4
(b)の雑音の出力は0とはならずに変動する。更に、
精密にしてより効果的に音声強調するには、フィルタを
適応フィルタとすればよい。即ち、図5に示すように、
比較器50を用いてその出力が基準値以下になるように
フィードバック制御して、常時フィルタ係数を変化させ
ればよい。この構成により、常時、不要音が低減され、
よりS/Nを向上できる。これにより、常時、効果的に
音声強調がなされる。図6に本実施例の車両用音声入力
装置による音声と雑音の弁別性能を示す。図は音声と雑
音の相対比較であり、横軸が周波数、縦軸が相対感度で
ある。ほぼ、全帯域で不要音が15dB以上抑圧されて
いる。
の到来音方向の測定には誤差が伴う。それにより、図4
(b)の雑音の出力は0とはならずに変動する。更に、
精密にしてより効果的に音声強調するには、フィルタを
適応フィルタとすればよい。即ち、図5に示すように、
比較器50を用いてその出力が基準値以下になるように
フィードバック制御して、常時フィルタ係数を変化させ
ればよい。この構成により、常時、不要音が低減され、
よりS/Nを向上できる。これにより、常時、効果的に
音声強調がなされる。図6に本実施例の車両用音声入力
装置による音声と雑音の弁別性能を示す。図は音声と雑
音の相対比較であり、横軸が周波数、縦軸が相対感度で
ある。ほぼ、全帯域で不要音が15dB以上抑圧されて
いる。
【0024】このように、不要音検出部によってリアル
タイムで不要音方向を確定し、その角度で到来音が低減
されるように適応フィルタの係数を制御すれば、他車輌
が発生する雑音でも効果的に抑圧することができる。そ
の結果、音声を強調して音声認識装置の認識精度を向上
させることができ、正確に車載機器を制御することがで
きる。
タイムで不要音方向を確定し、その角度で到来音が低減
されるように適応フィルタの係数を制御すれば、他車輌
が発生する雑音でも効果的に抑圧することができる。そ
の結果、音声を強調して音声認識装置の認識精度を向上
させることができ、正確に車載機器を制御することがで
きる。
【0025】(変形例)上記実施例は1例であり、他に
様々な変形が考えられる。例えば、上記実施例では、不
要音方向検出手段にレーザーレーダー装置を用いたが、
接近車を検出するならば画像処理装置や超音波レーダー
装置でも良い。又、到来音の方向を捉える他のマイクロ
ホンアレー装置でもよい。
様々な変形が考えられる。例えば、上記実施例では、不
要音方向検出手段にレーザーレーダー装置を用いたが、
接近車を検出するならば画像処理装置や超音波レーダー
装置でも良い。又、到来音の方向を捉える他のマイクロ
ホンアレー装置でもよい。
【0026】又、上記実施例では中心とその同心円上に
配置されたマイクロホンアレーを用いたが、マイクロホ
ンが横方向に1列に配置されたマイクロホンアレーを使
用することもできる。
配置されたマイクロホンアレーを用いたが、マイクロホ
ンが横方向に1列に配置されたマイクロホンアレーを使
用することもできる。
【0027】又、上記実施例では運転者方向は、既知と
したが厳密には車輌の大きさ等で誤差が生じる場合があ
る。その場合は、運転者からの音声が最大になるように
フィルタ係数を適宜変化させてもよい。それにより、よ
り柔軟に音声強調を行う車輌用音声入力装置となる。
したが厳密には車輌の大きさ等で誤差が生じる場合があ
る。その場合は、運転者からの音声が最大になるように
フィルタ係数を適宜変化させてもよい。それにより、よ
り柔軟に音声強調を行う車輌用音声入力装置となる。
【0028】又、上記実施例のマイクロホンアレーの個
々のマイクロホンの指向性には言及しなかったが、その
指向性が高いマイクロホンが望ましい。指向性が高いマ
イクロホンを選べばより雑音が低減されるので、更に優
れた音声強調をする車輌用音声入力装置となる。
々のマイクロホンの指向性には言及しなかったが、その
指向性が高いマイクロホンが望ましい。指向性が高いマ
イクロホンを選べばより雑音が低減されるので、更に優
れた音声強調をする車輌用音声入力装置となる。
【図1】本発明の実施例に係る車両用音声入力装置の構
成ブロック図。
成ブロック図。
【図2】本発明の実施例に係るマイクロホンアレーの構
成図。
成図。
【図3】不要音検出部による不要音方向決定説明図。
【図4】フィルタによる音声強調と雑音低減の説明図。
【図5】フィルタを適応フィルタとした場合の雑音低減
の説明図。
の説明図。
【図6】実施例に係る車両用音声入力装置の音声・雑音
弁別性能説明図。
弁別性能説明図。
1 自車輌 2 他車輌 5 レーザーレーダー装置 10 不要音方向決定部 15 フィルタ係数決定部 20 マイクロホンアレー 21,22 マイクロホン 30 音声抽出部 31 フィルタ 40 加算器 50 比較器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G10L 15/00 H04R 3/00 320 H03H 17/00 601 G10L 3/02 301E 17/02 635 3/00 511 21/00 551J H04R 3/00 320 3/02 301F 9/00 F (72)発明者 寺嶌 立太 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 清水 司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 寺澤 位好 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5D015 DD02 EE05 KK01 5D020 BB09 5J023 DA05 DB03 DC08 DD03 9A001 BB06 HH15 JJ77 KK16 KK31
Claims (4)
- 【請求項1】音声を認識し、車載機器を制御する車両用
音声入力装置において、 到来する不要音の方向を検出する不要音方向検出手段
と、 複数のチャンネルを介して個々に音声を入力する音声入
力手段と、 指向性を制御するためのフィルタ係数を決定するフィル
タ係数決定手段と、 該フィルタ係数決定手段によって決定されたフィルタを
用い、前記音声入力手段によって入力された雑音を含む
音声から乗員音声を抽出する音声抽出手段とを備えたこ
とを特徴とする車両用音声入力装置。 - 【請求項2】前記フィルタは、不要音方向からの到来音
を低減し、乗員方向からの音声を強調する適応フィルタ
であることを特徴とする請求項1に記載の車両用音声入
力装置。 - 【請求項3】前記音声入力手段は、複数のマイクロホン
が所定間隔で配列されたマイクロホンアレーであり、前
記複数のチャネルには少なくとも1つの前記フィルタが
接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2
に記載の車両用音声入力装置。 - 【請求項4】前記不要音方向は、前記不要音方向検出手
段によって検出された自車輌に最も近接した他車輌の方
向であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
の車両用音声入力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34152199A JP2001154688A (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 車両用音声入力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34152199A JP2001154688A (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 車両用音声入力装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001154688A true JP2001154688A (ja) | 2001-06-08 |
Family
ID=18346718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34152199A Pending JP2001154688A (ja) | 1999-12-01 | 1999-12-01 | 車両用音声入力装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001154688A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005008910A1 (ja) * | 2003-07-17 | 2005-01-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 通話装置 |
JP2006039447A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-09 | Nissan Motor Co Ltd | 音声入力装置 |
JP2006047447A (ja) * | 2004-08-02 | 2006-02-16 | Nissan Motor Co Ltd | 音声入力装置 |
US20220291328A1 (en) * | 2015-07-17 | 2022-09-15 | Muhammed Zahid Ozturk | Method, apparatus, and system for speech enhancement and separation based on audio and radio signals |
-
1999
- 1999-12-01 JP JP34152199A patent/JP2001154688A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005008910A1 (ja) * | 2003-07-17 | 2005-01-27 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 通話装置 |
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JP4561222B2 (ja) * | 2004-07-30 | 2010-10-13 | 日産自動車株式会社 | 音声入力装置 |
JP2006047447A (ja) * | 2004-08-02 | 2006-02-16 | Nissan Motor Co Ltd | 音声入力装置 |
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US20220291328A1 (en) * | 2015-07-17 | 2022-09-15 | Muhammed Zahid Ozturk | Method, apparatus, and system for speech enhancement and separation based on audio and radio signals |
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