JP2001151750A - ペルオキシド組成物及びそれよりなる重合開始剤 - Google Patents
ペルオキシド組成物及びそれよりなる重合開始剤Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 着色を抑制することができるとともに、貯蔵
安定性を充分改善でき、しかもビニル系単量体の重合特
性を維持することができるペルオキシド組成物及びそれ
よりなるビニル系単量体の重合開始剤を提供する。 【解決手段】 ペルオキシド組成物は、ジ−イソブチリ
ルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド又はジ-2−
エチルヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペルオ
キシジカーボネートからなる低温分解性の有機過酸化物
と、過酢酸とよりなる。過酢酸の含有量は、低温分解性
有機過酸化物に対し0.01〜10当量%であることが
望ましい。有機過酸化物のうち、ジアシルペルオキシド
は、カルボニル基に隣接する炭素に1個の水素を有する
ものが好ましい。このペルオキシド組成物は、塩化ビニ
ルなどのビニル系単量体の重合開始剤として好適に使用
される。
安定性を充分改善でき、しかもビニル系単量体の重合特
性を維持することができるペルオキシド組成物及びそれ
よりなるビニル系単量体の重合開始剤を提供する。 【解決手段】 ペルオキシド組成物は、ジ−イソブチリ
ルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド又はジ-2−
エチルヘキシルペルオキシジカーボネートなどのペルオ
キシジカーボネートからなる低温分解性の有機過酸化物
と、過酢酸とよりなる。過酢酸の含有量は、低温分解性
有機過酸化物に対し0.01〜10当量%であることが
望ましい。有機過酸化物のうち、ジアシルペルオキシド
は、カルボニル基に隣接する炭素に1個の水素を有する
ものが好ましい。このペルオキシド組成物は、塩化ビニ
ルなどのビニル系単量体の重合開始剤として好適に使用
される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビニル系単
量体の重合を開始させるための重合開始剤として使用さ
れるペルオキシド組成物及びそれよりなる重合開始剤に
関するものである。更に詳しくは、長期間保存しても着
色せず、かつペルオキシド純分が低下しないペルオキシ
ド組成物及びそれよりなる重合開始剤に関するものであ
る。
量体の重合を開始させるための重合開始剤として使用さ
れるペルオキシド組成物及びそれよりなる重合開始剤に
関するものである。更に詳しくは、長期間保存しても着
色せず、かつペルオキシド純分が低下しないペルオキシ
ド組成物及びそれよりなる重合開始剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、ペルオキシドは加熱等によりラ
ジカルを発生し、重合開始剤としては非常に有用な化合
物ではあるが、一方貯蔵中或いは輸送中に分解反応が起
こる可能性もある。特に、ジアシルペルオキシドやペル
オキシジカーボネートは、その殆どが常温では不安定で
あるため、保冷をするなどの温度管理をしなければその
安定性を長期間保つことはできない。
ジカルを発生し、重合開始剤としては非常に有用な化合
物ではあるが、一方貯蔵中或いは輸送中に分解反応が起
こる可能性もある。特に、ジアシルペルオキシドやペル
オキシジカーボネートは、その殆どが常温では不安定で
あるため、保冷をするなどの温度管理をしなければその
安定性を長期間保つことはできない。
【0003】従来、そのようなペルオキシドの貯蔵安定
性を改善するための安定剤がいくつか提案されている。
例えば、Journal of the American Chemical Soci
ety、72巻、1254頁(1950)には、ジイソプロピルペル
オキシジカーボネートの安定剤として、フェノール系誘
導体、アセトアニリド、トリニトロベンゼン等のニトロ
化合物或いはヨウ素等が開示されている。
性を改善するための安定剤がいくつか提案されている。
例えば、Journal of the American Chemical Soci
ety、72巻、1254頁(1950)には、ジイソプロピルペル
オキシジカーボネートの安定剤として、フェノール系誘
導体、アセトアニリド、トリニトロベンゼン等のニトロ
化合物或いはヨウ素等が開示されている。
【0004】また、特公平6−89052号公報では、
パーオキシジカーボネートの安定剤として2-ヒドロペル
オキシ-2,4,4- トリメチルペンタン、クメンヒドロペル
オキシド等の有機ヒドロペルオキシドが開示されてい
る。特開平3−294263号公報には、側鎖に第3級
水素を有するカルボン酸基からなる有機過酸化物の安定
剤としてトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等
のハロゲン化エチレンが開示されている。
パーオキシジカーボネートの安定剤として2-ヒドロペル
オキシ-2,4,4- トリメチルペンタン、クメンヒドロペル
オキシド等の有機ヒドロペルオキシドが開示されてい
る。特開平3−294263号公報には、側鎖に第3級
水素を有するカルボン酸基からなる有機過酸化物の安定
剤としてトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等
のハロゲン化エチレンが開示されている。
【0005】また、最近では米国特許第5,548,0
46号(1996)及び5,541,151号(1996)公報
に、ジアルキルペルオキシジカーボネートの安定剤とし
てメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル又は不飽和ア
セチレン性化合物が開示されている。
46号(1996)及び5,541,151号(1996)公報
に、ジアルキルペルオキシジカーボネートの安定剤とし
てメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル又は不飽和ア
セチレン性化合物が開示されている。
【0006】特開平10−59932号公報には、ペル
オキシジカーボネートの安定剤としてホスホモリブデン
酸が開示されている。また、特開平10−59933号
公報には、ペルオキシジカーボネートの安定剤としてア
セト酢酸エチル等のβ−カルボニル化合物又は環状α−
ジケトンが開示されている。さらに、特開平10−19
5047号公報には、ペルオキシジカーボネートの安定
剤としてアセトアルドキシム等のオキシムが開示されて
いる。
オキシジカーボネートの安定剤としてホスホモリブデン
酸が開示されている。また、特開平10−59933号
公報には、ペルオキシジカーボネートの安定剤としてア
セト酢酸エチル等のβ−カルボニル化合物又は環状α−
ジケトンが開示されている。さらに、特開平10−19
5047号公報には、ペルオキシジカーボネートの安定
剤としてアセトアルドキシム等のオキシムが開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のフェノール系誘導体又はニトロ化合物は、主にその
構造中に芳香環を有していることから、ペルオキシド組
成物を着色させるという問題があった。
来のフェノール系誘導体又はニトロ化合物は、主にその
構造中に芳香環を有していることから、ペルオキシド組
成物を着色させるという問題があった。
【0008】また、有機ヒドロペルオキシドは、殆どの
ものが油溶性が高いため、添加量を多くするとペルオキ
シド組成物の重合特性或いは生成する重合体に弊害のお
それがある。しかも、塩化ビニル系単量体の懸濁重合に
おける重合開始剤として用いた場合、重合異常を引き起
こし、重合完了時間を延長させる場合がある。
ものが油溶性が高いため、添加量を多くするとペルオキ
シド組成物の重合特性或いは生成する重合体に弊害のお
それがある。しかも、塩化ビニル系単量体の懸濁重合に
おける重合開始剤として用いた場合、重合異常を引き起
こし、重合完了時間を延長させる場合がある。
【0009】さらに、ハロゲン化エチレンは、ハロゲン
が環境に排出された場合に望ましくない。また、アクリ
ロニトリル等の不飽和ニトリル、ホスホモリブデン酸、
β−カルボニル化合物又はオキシムは、ペルオキシド組
成物の安定剤としてその効果が充分でなかったり、ペル
オキシド組成物を着色させたりするという問題があっ
た。従って、これら従来の安定剤に代わる安定剤が強く
要望されていた。
が環境に排出された場合に望ましくない。また、アクリ
ロニトリル等の不飽和ニトリル、ホスホモリブデン酸、
β−カルボニル化合物又はオキシムは、ペルオキシド組
成物の安定剤としてその効果が充分でなかったり、ペル
オキシド組成物を着色させたりするという問題があっ
た。従って、これら従来の安定剤に代わる安定剤が強く
要望されていた。
【0010】本発明は、以上のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、着色を抑制することができるとともに、貯
蔵安定性を充分改善でき、しかもビニル系単量体の重合
特性を維持することができるペルオキシド組成物及びそ
れよりなるビニル系単量体の重合開始剤を提供すること
にある。
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、着色を抑制することができるとともに、貯
蔵安定性を充分改善でき、しかもビニル系単量体の重合
特性を維持することができるペルオキシド組成物及びそ
れよりなるビニル系単量体の重合開始剤を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の要望
に応じて、特定のジアシルペルオキシド又はペルオキシ
カーボネートの貯蔵安定性を改良すべく鋭意研究を重ね
た結果、特定の構造の過酸を当該有機過酸化物に添加さ
せることにより、着色もなくまた当該ペルオキシドの貯
蔵安定性が著しく改良されるという知見を得て本発明を
完成した。
に応じて、特定のジアシルペルオキシド又はペルオキシ
カーボネートの貯蔵安定性を改良すべく鋭意研究を重ね
た結果、特定の構造の過酸を当該有機過酸化物に添加さ
せることにより、着色もなくまた当該ペルオキシドの貯
蔵安定性が著しく改良されるという知見を得て本発明を
完成した。
【0012】即ち、第1の発明のペルオキシド組成物
は、ジアシルペルオキシド又はペルオキシジカーボネー
トからなる有機過酸化物と、過酢酸とよりなるものであ
る。第2の発明のペルオキシド組成物は、第1の発明に
おいて、前記過酢酸の含有量は、有機過酸化物に対し
0.01〜10当量%であるものである。
は、ジアシルペルオキシド又はペルオキシジカーボネー
トからなる有機過酸化物と、過酢酸とよりなるものであ
る。第2の発明のペルオキシド組成物は、第1の発明に
おいて、前記過酢酸の含有量は、有機過酸化物に対し
0.01〜10当量%であるものである。
【0013】第3の発明のペルオキシド組成物は、第1
又は第2の発明において、前記ジアシルペルオキシド
は、カルボニル基に隣接する炭素に1個の水素を有する
ものである。
又は第2の発明において、前記ジアシルペルオキシド
は、カルボニル基に隣接する炭素に1個の水素を有する
ものである。
【0014】第4の発明の重合開始剤は、第1から第3
のいずれかの発明のペルオキシド組成物よりなるビニル
系単量体の重合を開始させるためのものである。
のいずれかの発明のペルオキシド組成物よりなるビニル
系単量体の重合を開始させるためのものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。本発明のペルオキシド組成物は、ジア
シルペルオキシド又はペルオキシジカーボネートからな
る有機過酸化物と、過酢酸とよりなるものである。これ
らのジアシルペルオキシドとペルオキシジカーボネート
とは、10時間半減期温度が20〜80℃の低温分解性
の有機過酸化物である。ここで云う10時間半減期温度
とは、10時間で半減期を得る分解温度を意味してい
る。
詳細に説明する。本発明のペルオキシド組成物は、ジア
シルペルオキシド又はペルオキシジカーボネートからな
る有機過酸化物と、過酢酸とよりなるものである。これ
らのジアシルペルオキシドとペルオキシジカーボネート
とは、10時間半減期温度が20〜80℃の低温分解性
の有機過酸化物である。ここで云う10時間半減期温度
とは、10時間で半減期を得る分解温度を意味してい
る。
【0016】前記ジアシルペルオキシドとしては、例え
ば、ジイソブチリルペルオキシド、ジ-2−エチルヘキシ
ルペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキシド、ジイ
ソノナノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシ
ド、ジステアロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオ
キシド、ジトルイルペルオキシド等が挙げられる。
ば、ジイソブチリルペルオキシド、ジ-2−エチルヘキシ
ルペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキシド、ジイ
ソノナノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシ
ド、ジステアロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオ
キシド、ジトルイルペルオキシド等が挙げられる。
【0017】これらのうち、好ましくは、カルボニル基
に隣接した炭素に1個の水素を有するジアシルペルオキ
シドであり、例えばジイソブチリルペルオキシド、ジ-2
−エチルヘキシルペルオキシド、ジシクロヘキシルペル
オキシド等が挙げられる。その理由は、カルボニル基に
隣接した炭素に1個の水素を有するいわゆる2級の脂肪
酸から誘導されるジアシルペルオキシドは、構造上熱的
に不安定であり、またその水素はラジカル的に引き抜か
れやすくラジカル誘発分解を受けやすいからである。そ
して、そのような構造に起因して貯蔵安定性が悪いが、
後述する過酢酸による改善効果が大きくなるからであ
る。
に隣接した炭素に1個の水素を有するジアシルペルオキ
シドであり、例えばジイソブチリルペルオキシド、ジ-2
−エチルヘキシルペルオキシド、ジシクロヘキシルペル
オキシド等が挙げられる。その理由は、カルボニル基に
隣接した炭素に1個の水素を有するいわゆる2級の脂肪
酸から誘導されるジアシルペルオキシドは、構造上熱的
に不安定であり、またその水素はラジカル的に引き抜か
れやすくラジカル誘発分解を受けやすいからである。そ
して、そのような構造に起因して貯蔵安定性が悪いが、
後述する過酢酸による改善効果が大きくなるからであ
る。
【0018】次に、前記ペルオキシジカーボネートとし
ては、例えばジイソプロピルペルオキシジカーボネー
ト、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジ-s
ec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチル
ペルオキシジカーボネート、ジ-2−エチルヘキシルペル
オキシジカーボネート、ジ-1−メチルヘプチルペルオキ
シジカーボネート、ジ-2−エトキシエチルペルオキシジ
カーボネート、ジ-2−ブトキシエチルペルオキシジカー
ボネート、ジ-3−メトキシブチルペルオキシジカーボネ
ート、ジ(3-メチル-3−メトキシブチル)ペルオキシジ
カーボネート、ビス(4-t−ブチルシクロヘキシル)ペ
ルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシ
ジカーボネート、ジセチルペルオキシジカーボネート、
ジミリスチルペルオキシジカーボネート等のペルオキシ
ジカーボネートが挙げられる。
ては、例えばジイソプロピルペルオキシジカーボネー
ト、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジ-s
ec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチル
ペルオキシジカーボネート、ジ-2−エチルヘキシルペル
オキシジカーボネート、ジ-1−メチルヘプチルペルオキ
シジカーボネート、ジ-2−エトキシエチルペルオキシジ
カーボネート、ジ-2−ブトキシエチルペルオキシジカー
ボネート、ジ-3−メトキシブチルペルオキシジカーボネ
ート、ジ(3-メチル-3−メトキシブチル)ペルオキシジ
カーボネート、ビス(4-t−ブチルシクロヘキシル)ペ
ルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシ
ジカーボネート、ジセチルペルオキシジカーボネート、
ジミリスチルペルオキシジカーボネート等のペルオキシ
ジカーボネートが挙げられる。
【0019】また、これらの有機過酸化物はイソパラフ
ィン、トルエン、キシレン等の炭化水素、ケトン類、エ
ステル類又は可塑剤等の工業的に使用されている有機溶
剤に希釈されていてもよく、また水と界面活性剤又は保
護コロイド剤等の乳化安定剤によって乳化されていても
よい。
ィン、トルエン、キシレン等の炭化水素、ケトン類、エ
ステル類又は可塑剤等の工業的に使用されている有機溶
剤に希釈されていてもよく、また水と界面活性剤又は保
護コロイド剤等の乳化安定剤によって乳化されていても
よい。
【0020】さらに、前記有機過酸化物は、当該有機過
酸化物同士の混合物でもよく、また他の有機過酸化物例
えばペルオキシエステル類、ペルオキシケタール類、ジ
アルキルペルオキシド類、ヒドロペルオキシド類との混
合物でもよい。
酸化物同士の混合物でもよく、また他の有機過酸化物例
えばペルオキシエステル類、ペルオキシケタール類、ジ
アルキルペルオキシド類、ヒドロペルオキシド類との混
合物でもよい。
【0021】次に、前記過酢酸(CH3 COOOH)
は、ペルオキシド組成物の着色の抑制と貯蔵安定性の改
善、さらにはビニル系単量体の重合特性の維持を図るた
めに最も有効な化合物である。ちなみに、過ギ酸(HC
OOOH)は、それ自体の熱安定性が悪く、また過プロ
ピオン酸(CH3 CH2 COOOH)は水溶性の点で問
題があり、ビニル系単量体の重合特性に影響を与える場
合がある。この過酢酸は、製造法にもよるがアセトン等
の水溶性の高い有機溶剤により希釈された溶液状態でも
かまわず、また酢酸及び過酸化水素との混合物でもかま
わない。一般に市販されている過酢酸は、過酢酸43%
以下、酢酸38%以上、過酸化水素6%以下、水13%
以上の他少量の安定剤からなる混合物である。
は、ペルオキシド組成物の着色の抑制と貯蔵安定性の改
善、さらにはビニル系単量体の重合特性の維持を図るた
めに最も有効な化合物である。ちなみに、過ギ酸(HC
OOOH)は、それ自体の熱安定性が悪く、また過プロ
ピオン酸(CH3 CH2 COOOH)は水溶性の点で問
題があり、ビニル系単量体の重合特性に影響を与える場
合がある。この過酢酸は、製造法にもよるがアセトン等
の水溶性の高い有機溶剤により希釈された溶液状態でも
かまわず、また酢酸及び過酸化水素との混合物でもかま
わない。一般に市販されている過酢酸は、過酢酸43%
以下、酢酸38%以上、過酸化水素6%以下、水13%
以上の他少量の安定剤からなる混合物である。
【0022】ペルオキシド組成物中の過酢酸の含有量
は、前記有機過酸化物に対して好ましくは0.01〜1
0当量%であり、さらに好ましくは0.1〜5当量%で
あり、特に好ましくは0.1〜3当量%である。過酢酸
の含有量が0.01当量%より少ないと貯蔵安定性の改
善効果は充分ではなく、10当量%を超えると例えばビ
ニル系単量体の重合反応に使用する場合、反応に悪影響
を及ぼす傾向がある。
は、前記有機過酸化物に対して好ましくは0.01〜1
0当量%であり、さらに好ましくは0.1〜5当量%で
あり、特に好ましくは0.1〜3当量%である。過酢酸
の含有量が0.01当量%より少ないと貯蔵安定性の改
善効果は充分ではなく、10当量%を超えると例えばビ
ニル系単量体の重合反応に使用する場合、反応に悪影響
を及ぼす傾向がある。
【0023】過酢酸は従来のフェノール系誘導体やニト
ロ化合物のような芳香環を有していないことから、ペル
オキシド組成物の着色が抑制される。また過酢酸は、連
鎖移動効果によりラジカル的に水素が引き抜かれる。し
かし、それにより生成したペルオキシラジカルは安定な
ラジカルであるため、一般にラジカル誘発分解といわれ
る生成したラジカルがジアシルペルオキシドやペルオキ
シジカーボネートを攻撃することを抑制できる。そのこ
とが結果的にペルオキシド組成物の貯蔵安定性を改善し
ていると考えられる。この過酢酸の添加による安定化効
果は、当該ペルオキシドがそれ自体液状である場合、又
は有機溶剤等による希釈によって均一液体となる場合に
おいて、特に効果的である。なぜなら、当該有機過酸化
物が液体状である場合、当該有機過酸化物分子同士の相
互作用が多くなるため分解しやすいからである。
ロ化合物のような芳香環を有していないことから、ペル
オキシド組成物の着色が抑制される。また過酢酸は、連
鎖移動効果によりラジカル的に水素が引き抜かれる。し
かし、それにより生成したペルオキシラジカルは安定な
ラジカルであるため、一般にラジカル誘発分解といわれ
る生成したラジカルがジアシルペルオキシドやペルオキ
シジカーボネートを攻撃することを抑制できる。そのこ
とが結果的にペルオキシド組成物の貯蔵安定性を改善し
ていると考えられる。この過酢酸の添加による安定化効
果は、当該ペルオキシドがそれ自体液状である場合、又
は有機溶剤等による希釈によって均一液体となる場合に
おいて、特に効果的である。なぜなら、当該有機過酸化
物が液体状である場合、当該有機過酸化物分子同士の相
互作用が多くなるため分解しやすいからである。
【0024】さらに、過酢酸は水溶性を有することか
ら、ビニル系単量体の水系重合時には重合系外へ出るこ
とにより、連鎖移動効果が消失され、重合系に支障を来
すのが防止される。
ら、ビニル系単量体の水系重合時には重合系外へ出るこ
とにより、連鎖移動効果が消失され、重合系に支障を来
すのが防止される。
【0025】以上のようなペルオキシド組成物は、前述
したようにビニル系単量体を重合又は共重合するための
重合開始剤として有用である。その場合の重合又は共重
合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法
又は乳化重合法が挙げられるが、特に水を媒体にする懸
濁重合法又は乳化重合法において有用である。
したようにビニル系単量体を重合又は共重合するための
重合開始剤として有用である。その場合の重合又は共重
合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法
又は乳化重合法が挙げられるが、特に水を媒体にする懸
濁重合法又は乳化重合法において有用である。
【0026】上記のビニル系単量体としては、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、エチレン、ス
チレン、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等を挙げるこ
とができる。これらのうち、特に二級のカルボン酸誘導
体であるジアシルペルオキシド又はペルオキシジカーボ
ネートの熱的特性を発揮でき、重合を効率良く行わせる
ことができる塩化ビニル、塩化ビニリデン及びフッ化ビ
ニリデンが好ましい。
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、エチレン、ス
チレン、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等を挙げるこ
とができる。これらのうち、特に二級のカルボン酸誘導
体であるジアシルペルオキシド又はペルオキシジカーボ
ネートの熱的特性を発揮でき、重合を効率良く行わせる
ことができる塩化ビニル、塩化ビニリデン及びフッ化ビ
ニリデンが好ましい。
【0027】また、ビニル系単量体に対するペルオキシ
ド組成物の添加量は、ビニル系単量体に対し通常0.0
1〜3重量%である。この添加量が0.01重量%未満
では重合開始剤としての機能を十分に発揮することがで
きず、3重量%を越える量を添加しても重合開始剤とし
ての機能は向上せず、かえってコストが上昇する。
ド組成物の添加量は、ビニル系単量体に対し通常0.0
1〜3重量%である。この添加量が0.01重量%未満
では重合開始剤としての機能を十分に発揮することがで
きず、3重量%を越える量を添加しても重合開始剤とし
ての機能は向上せず、かえってコストが上昇する。
【0028】以上のような実施形態により発揮される効
果について次にまとめて記載する。 ・ 本発明のペルオキシド組成物によれば、過酢酸が芳
香環を有していないことから、着色を抑制することがで
きる。従って、ペルオキシド組成物の製品価値を落とす
おそれがない。
果について次にまとめて記載する。 ・ 本発明のペルオキシド組成物によれば、過酢酸が芳
香環を有していないことから、着色を抑制することがで
きる。従って、ペルオキシド組成物の製品価値を落とす
おそれがない。
【0029】・ また、過酢酸は生成ラジカルが安定
で、生成したラジカルがジアシルペルオキシドやペルオ
キシジカーボネートを攻撃するのが抑制されることか
ら、ペルオキシド組成物の貯蔵安定性を充分に改善する
ことができる。
で、生成したラジカルがジアシルペルオキシドやペルオ
キシジカーボネートを攻撃するのが抑制されることか
ら、ペルオキシド組成物の貯蔵安定性を充分に改善する
ことができる。
【0030】・ さらに、過酢酸は一般のメルカプタン
系の連鎖移動剤と比べて弱い連鎖移動効果を有し、かつ
過酢酸は水溶性を有することから、ビニル系単量体の水
系重合時には重合系外へ出るため、ペルオキシド組成物
をビニル系単量体の重合開始剤として使用した場合に重
合特性を良好に維持することができるとともに、生成す
るビニル系重合体の物性を良好に保持することができ
る。従って、この発明のペルオキシド組成物は、ビニル
系単量体の重合において有用な重合開始剤として工業的
に広く使用することができる。
系の連鎖移動剤と比べて弱い連鎖移動効果を有し、かつ
過酢酸は水溶性を有することから、ビニル系単量体の水
系重合時には重合系外へ出るため、ペルオキシド組成物
をビニル系単量体の重合開始剤として使用した場合に重
合特性を良好に維持することができるとともに、生成す
るビニル系重合体の物性を良好に保持することができ
る。従って、この発明のペルオキシド組成物は、ビニル
系単量体の重合において有用な重合開始剤として工業的
に広く使用することができる。
【0031】・ ジアシルペルオキシドは、カルボニル
基に隣接する炭素に1個の水素を有するものであること
により、ペルオキシド組成物の貯蔵安定性の改善効果を
向上させることができる。
基に隣接する炭素に1個の水素を有するものであること
により、ペルオキシド組成物の貯蔵安定性の改善効果を
向上させることができる。
【0032】
【実施例】次に、実施例、比較例及び参考例を挙げて前
記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、例中の%
は重量%を表し、また貯蔵安定性試験は、下記の方法で
行った。
記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、例中の%
は重量%を表し、また貯蔵安定性試験は、下記の方法で
行った。
【0033】(貯蔵安定性試験)試料を所定温度に保っ
たガラス容器に入れて貯蔵し、ヨード滴定法により測定
した活性酸素量の変化により保持率を計算し、判定し
た。
たガラス容器に入れて貯蔵し、ヨード滴定法により測定
した活性酸素量の変化により保持率を計算し、判定し
た。
【0034】(実施例1)有機過酸化物としてパーロイ
ルOPP 〔日本油脂(株)製: ジ-2−エチルヘキシルペ
ルオキシジカーボネート 70%/シェルゾール71(飽
和炭化水素系溶剤) 30%〕100gからなる混合物
に対して、過酢酸(アルドリッチ社製:純度32%)を
0.3当量%攪拌しながら添加し、本発明のペルオキシ
ド組成物を作製した。次に、この組成物について、目視
による外観判定と、10℃における貯蔵安定性試験を行
い、その結果を表2に示した。
ルOPP 〔日本油脂(株)製: ジ-2−エチルヘキシルペ
ルオキシジカーボネート 70%/シェルゾール71(飽
和炭化水素系溶剤) 30%〕100gからなる混合物
に対して、過酢酸(アルドリッチ社製:純度32%)を
0.3当量%攪拌しながら添加し、本発明のペルオキシ
ド組成物を作製した。次に、この組成物について、目視
による外観判定と、10℃における貯蔵安定性試験を行
い、その結果を表2に示した。
【0035】(実施例2及び3)表1に示される量の過
酢酸を実施例1と同様にして有機過酸化物に添加し、本
発明のペルオキシド組成物を作製した。次に、これらの
ペルオキシド組成物について、実施例1と同様に目視に
よる外観判定と、10℃での貯蔵安定性試験を行った。
それらの結果を表2に示した。
酢酸を実施例1と同様にして有機過酸化物に添加し、本
発明のペルオキシド組成物を作製した。次に、これらの
ペルオキシド組成物について、実施例1と同様に目視に
よる外観判定と、10℃での貯蔵安定性試験を行った。
それらの結果を表2に示した。
【0036】(比較例1〜8)過酢酸を表1に示す安定
剤及び量にかえた以外は実施例1と同様にしてペルオキ
シド組成物を作製した。次に、これらの組成物につい
て、実施例1と同様に目視による外観判定と、10℃で
の貯蔵安定性試験を行った。それらの結果を表2に示し
た。
剤及び量にかえた以外は実施例1と同様にしてペルオキ
シド組成物を作製した。次に、これらの組成物につい
て、実施例1と同様に目視による外観判定と、10℃で
の貯蔵安定性試験を行った。それらの結果を表2に示し
た。
【0037】(実施例4)有機過酸化物としてパーロイ
ルIB〔日本油脂(株)製: ジ−イソブチリルペルオ
キシド 25%/シェルゾール71(飽和炭化水素系溶
剤)75%〕100gからなる混合物に対して、表1に
示される量の過酢酸を攪拌しながら添加し、本発明のペ
ルオキシド組成物を作製した。次に、このペルオキシド
組成物について、実施例1と同様にして目視による外観
判定と、−10℃での貯蔵安定性試験を行った。それら
の結果を表2に示した。
ルIB〔日本油脂(株)製: ジ−イソブチリルペルオ
キシド 25%/シェルゾール71(飽和炭化水素系溶
剤)75%〕100gからなる混合物に対して、表1に
示される量の過酢酸を攪拌しながら添加し、本発明のペ
ルオキシド組成物を作製した。次に、このペルオキシド
組成物について、実施例1と同様にして目視による外観
判定と、−10℃での貯蔵安定性試験を行った。それら
の結果を表2に示した。
【0038】(比較例9〜11)過酢酸を表1に示す安
定剤及び量にかえた以外は実施例3と同様にしてペルオ
キシド組成物を作製した。次に、これらのペルオキシド
組成物について、実施例1と同様にして目視による外観
判定と、−10℃での貯蔵安定性試験を行った。それら
の結果を表2に示した。
定剤及び量にかえた以外は実施例3と同様にしてペルオ
キシド組成物を作製した。次に、これらのペルオキシド
組成物について、実施例1と同様にして目視による外観
判定と、−10℃での貯蔵安定性試験を行った。それら
の結果を表2に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、ペルオキシジカ
ーボネートであるパーロイルOPP (実施例1〜3)及び
ジアシルペルオキシドであるパーロイルIB(実施例4)
は、共に安定剤として過酢酸を添加した場合、無添加
(比較例1、4)の場合に比べ、明らかに経日安定性が
優れていることがわかる。一方、他の安定剤(比較例
2、3及び5)を添加した場合と比較しても、着色の点
を考慮して経日安定性を見てみると過酢酸は最も優れて
いることがわかる。
ーボネートであるパーロイルOPP (実施例1〜3)及び
ジアシルペルオキシドであるパーロイルIB(実施例4)
は、共に安定剤として過酢酸を添加した場合、無添加
(比較例1、4)の場合に比べ、明らかに経日安定性が
優れていることがわかる。一方、他の安定剤(比較例
2、3及び5)を添加した場合と比較しても、着色の点
を考慮して経日安定性を見てみると過酢酸は最も優れて
いることがわかる。
【0042】(実施例5、塩化ビニルの重合)容積3L
のステンレス製のオートクレーブに、蒸留水1400
g、部分鹸化ポリ酢酸ビニル2.1g及び実施例2のペ
ルオキシド組成物を0.80g入れた。次いで、オート
クレーブ内の空気を脱気して窒素置換し、更に脱気した
後、塩化ビニル単量体700gを加えて10分間攪拌し
た。次いで、反応温度を57℃に設定し、重合反応を開
始し、内部の圧力が706kPa(7.2 kgf/cm2 )
に低下するまで反応を続けた。この圧力にて圧力降下が
終了したことを確認後、未反応単量体を除去し、重合体
スラリーを排出し、脱水後乾燥して塩化ビニル重合体を
得た。重合開始から圧力降下までの時間(反応時間)
は、3時間55分であった。また、転化率は84%であ
り、塩化ビニル重合体の数平均分子量は1015であっ
た。
のステンレス製のオートクレーブに、蒸留水1400
g、部分鹸化ポリ酢酸ビニル2.1g及び実施例2のペ
ルオキシド組成物を0.80g入れた。次いで、オート
クレーブ内の空気を脱気して窒素置換し、更に脱気した
後、塩化ビニル単量体700gを加えて10分間攪拌し
た。次いで、反応温度を57℃に設定し、重合反応を開
始し、内部の圧力が706kPa(7.2 kgf/cm2 )
に低下するまで反応を続けた。この圧力にて圧力降下が
終了したことを確認後、未反応単量体を除去し、重合体
スラリーを排出し、脱水後乾燥して塩化ビニル重合体を
得た。重合開始から圧力降下までの時間(反応時間)
は、3時間55分であった。また、転化率は84%であ
り、塩化ビニル重合体の数平均分子量は1015であっ
た。
【0043】それに対し、ペルオキシド組成物を実施例
1の代わりに比較例1、或いは比較例3を用いたとこ
ろ、反応時間はそれぞれ3時間45分、4時間55分と
なり、比較例3を用いた場合のみ、反応時間が約1時間
延びた。また、転化率はそれぞれ83%、84%であ
り、塩化ビニル重合体の数平均分子量はそれぞれ101
5、1010と実施例2を用いた場合と殆ど変わりなか
った。
1の代わりに比較例1、或いは比較例3を用いたとこ
ろ、反応時間はそれぞれ3時間45分、4時間55分と
なり、比較例3を用いた場合のみ、反応時間が約1時間
延びた。また、転化率はそれぞれ83%、84%であ
り、塩化ビニル重合体の数平均分子量はそれぞれ101
5、1010と実施例2を用いた場合と殆ど変わりなか
った。
【0044】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記ジアシルペルオキシド又はペルオキシジカーボ
ネートからなる有機過酸化物は、10時間半減期温度が
20〜80℃の低温分解性のものである請求項1から請
求項3のいずれかに記載のペルオキシド組成物。
思想について以下に記載する。 ・ 前記ジアシルペルオキシド又はペルオキシジカーボ
ネートからなる有機過酸化物は、10時間半減期温度が
20〜80℃の低温分解性のものである請求項1から請
求項3のいずれかに記載のペルオキシド組成物。
【0045】このように構成した場合、特にペルオキシ
ド組成物の貯蔵安定性の改善に有効である。 ・ 前記ビニル系単量体の重合は、懸濁重合法又は乳化
重合法による重合である請求項4に記載の重合開始剤。
ド組成物の貯蔵安定性の改善に有効である。 ・ 前記ビニル系単量体の重合は、懸濁重合法又は乳化
重合法による重合である請求項4に記載の重合開始剤。
【0046】このように構成した場合、ビニル系単量体
の水系重合時に水溶性の過酢酸が重合系外へ出ることに
より、連鎖移動効果が消失され、重合系に支障を来すの
を防止することができる。
の水系重合時に水溶性の過酢酸が重合系外へ出ることに
より、連鎖移動効果が消失され、重合系に支障を来すの
を防止することができる。
【0047】・ 前記ビニル系単量体は、塩化ビニル、
塩化ビニリデン又はフッ化ビニリデンである請求項4に
記載の重合開始剤。このように構成した場合、特に二級
のカルボン酸誘導体であるジアシルペルオキシド又はペ
ルオキシジカーボネートの熱的特性を発揮することがで
き、重合を効率良く行うことができる。
塩化ビニリデン又はフッ化ビニリデンである請求項4に
記載の重合開始剤。このように構成した場合、特に二級
のカルボン酸誘導体であるジアシルペルオキシド又はペ
ルオキシジカーボネートの熱的特性を発揮することがで
き、重合を効率良く行うことができる。
【0048】
【発明の効果】この発明は、前記のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。第1の発明のペルオ
キシド組成物によれば、着色を抑制することができると
ともに、貯蔵安定性を充分に改善でき、しかもビニル系
単量体の重合開始剤として使用した場合に重合特性を良
好に維持することができる。
るため、次のような効果を奏する。第1の発明のペルオ
キシド組成物によれば、着色を抑制することができると
ともに、貯蔵安定性を充分に改善でき、しかもビニル系
単量体の重合開始剤として使用した場合に重合特性を良
好に維持することができる。
【0049】第2の発明のペルオキシド組成物によれ
ば、第1の発明の効果を有効に発揮させることができ
る。第3の発明のペルオキシド組成物によれば、第1又
は第2の発明の効果に加え、貯蔵安定性の改善効果を向
上させることができる。
ば、第1の発明の効果を有効に発揮させることができ
る。第3の発明のペルオキシド組成物によれば、第1又
は第2の発明の効果に加え、貯蔵安定性の改善効果を向
上させることができる。
【0050】第4の発明の重合開始剤によれば、ビニル
系単量体の重合特性を良好に維持し、生成するビニル系
重合体の物性を良好に保持することができる。
系単量体の重合特性を良好に維持し、生成するビニル系
重合体の物性を良好に保持することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ジアシルペルオキシド又はペルオキシジ
カーボネートからなる有機過酸化物と、過酢酸とよりな
るペルオキシド組成物。 - 【請求項2】 前記過酢酸の含有量は、有機過酸化物に
対し0.01〜10当量%である請求項1に記載のペル
オキシド組成物。 - 【請求項3】 前記ジアシルペルオキシドは、カルボニ
ル基に隣接する炭素に1個の水素を有するものである請
求項1又は請求項2に記載のペルオキシド組成物。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
のペルオキシド組成物よりなるビニル系単量体の重合を
開始させるための重合開始剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33289199A JP2001151750A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | ペルオキシド組成物及びそれよりなる重合開始剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33289199A JP2001151750A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | ペルオキシド組成物及びそれよりなる重合開始剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001151750A true JP2001151750A (ja) | 2001-06-05 |
Family
ID=18259966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33289199A Pending JP2001151750A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | ペルオキシド組成物及びそれよりなる重合開始剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001151750A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007538109A (ja) * | 2003-06-27 | 2007-12-27 | アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ | (コ)ポリマーを製造するための重合法 |
-
1999
- 1999-11-24 JP JP33289199A patent/JP2001151750A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007538109A (ja) * | 2003-06-27 | 2007-12-27 | アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ | (コ)ポリマーを製造するための重合法 |
JP4861170B2 (ja) * | 2003-06-27 | 2012-01-25 | アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ | (コ)ポリマーを製造するための重合法 |
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