JP2001151279A - 食品用容器 - Google Patents
食品用容器Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】耐汚れ性能を有する食品用容器を提供するこ
と。 【解決手段】容器内に調湿材を備え、該調湿材は、調湿
材本体の表面に保護層が形成されていることを特徴とす
る。また、調湿性能を高く維持した上で、保護層を形成
するためには、保護層の面積や保護層の厚さを制御する
為に湿材本体のうち被調湿空間との接触面において、
保護層が占有する割合が90%以下。保護層の最大厚
みが300μm以下。の少なくとも一方の条件を満たす
ように行う。
と。 【解決手段】容器内に調湿材を備え、該調湿材は、調湿
材本体の表面に保護層が形成されていることを特徴とす
る。また、調湿性能を高く維持した上で、保護層を形成
するためには、保護層の面積や保護層の厚さを制御する
為に湿材本体のうち被調湿空間との接触面において、
保護層が占有する割合が90%以下。保護層の最大厚
みが300μm以下。の少なくとも一方の条件を満たす
ように行う。
Description
【発明の属する技術分野】本発明は食品用容器に係り、
特に湿度を調節可能な食品用容器に関する。
特に湿度を調節可能な食品用容器に関する。
【従来の技術】例えば、食品用容器において、湿度を調
節するために、多孔質のシートに湿潤剤を含浸させた調
湿材を容器内に備えた技術が提案されている(特開昭6
1−60474号)。
節するために、多孔質のシートに湿潤剤を含浸させた調
湿材を容器内に備えた技術が提案されている(特開昭6
1−60474号)。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
調湿材を備えた食品用容器では、シートが多孔質である
ため、シートが汚れやすく、また、いったん汚れがシー
ト内部に入り込んでしまうと、汚れが取れにくくなると
いう問題があった。本発明は上記従来の問題点を解決
し、耐汚れ性能を有する食品用容器を提供することを目
的とする。
調湿材を備えた食品用容器では、シートが多孔質である
ため、シートが汚れやすく、また、いったん汚れがシー
ト内部に入り込んでしまうと、汚れが取れにくくなると
いう問題があった。本発明は上記従来の問題点を解決
し、耐汚れ性能を有する食品用容器を提供することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】本発明の食品用容器は、
容器内に調湿材を備え、該調湿材は、調湿材本体の表面
に保護層が形成されていることを特徴とする。調湿材本
体とは、それ自身で周りの空間を調湿作用を有するもの
であり、保護層とは吸水性を有しないものである。容器
内に調湿材が存在することで野菜などの生鮮食料品をは
じめ乾物などの食材、また、ワインなど湿度の影響を受
けやすい食品の保管に最適である。また、調湿材に保護
層が形成されることで、調湿材に食材などからの水分が
付着したとしても拭き取ることができ、表面を清浄に保
つことができる。この保護層に加飾成分を添加すれば、
意匠の幅を広げることもできる。なお、調湿材本体の表
面に保護層が形成されることにより吸放湿速度は若干遅
くなるが、吸放湿容量には殆ど変わりはなく、調湿材と
しての機能が大きく損なわれることはない。また、耐汚
れ性能の向上だけではなく、調湿性能を高く維持した上
で、保護層を形成するためには、保護層の面積や保護層
の厚さを制御することが重要である。その為には、調湿
材本体表面への形成は、下記及びの少なくとも一方
の条件を満たすように行うことが好ましい。 調湿材本体のうち被調湿空間との接触面(以下、「保
護層形成領域」と称す。)において、保護層が占有する
割合が90%以下。 保護層の最大厚み(以下、単に「最大厚み」と称
す。)が300μm以下。 保護層が上記保護層形成領域を占有する割合(以下、
「保護層面積割合」と称す。)が90%を超えると調湿
性能の低下が著しく、調湿材としての調湿性能が損なわ
れる。しかし、保護層面積割合が10%より少なくなる
と、保護層形成面が少なすぎて耐汚れ性の向上効果が十
分に得られない。従って、保護層面積割合は90%以
下、特に10〜90%、更には30〜85%とするのが
好ましい。なお、この保護層面積割合は、後述の実施例
の項で述べる如く、インクの拭き取りテスト等で調べる
ことができる。このように、保護層面積割合を90%以
下とした場合は、最大厚みには特に制約はないが、好ま
しくは500μm以下とするのが望ましい。また、最大
厚みが300μmを超えると、保護層面積割合が90%
を超える場合、調湿性能の低下が大きくなるため、最大
厚みは300μm以下とするのが好ましい。しかし、こ
の最大厚みが過度に薄いと保護層による耐汚れ性の向上
効果が十分に得られない。この最大厚みは、保護層面積
割合が95〜l00%の場合には10〜l00μm、9
0〜95%の場合には20〜200μmとするのが好ま
しい。本発明の食品用容器に備わる調湿材は、調湿材本
体の調湿性能の80%以上を維持できるように保護層が
形成されていることが好ましい。本発明の食品用容器に
備わる調湿材は、8時間サイクルの吸放湿性能が80g
/m2以上であることが好ましい。即ち、食品用容器
は、外部からの湿度発生や日レベルの温度変動に基づく
湿度変動など、短時間の変動に対応する必要がある。こ
のためには吸放湿量の速度が大きいことが必要である。
8時間サイクルの吸放湿性能を80g/m2以上(24
時間サイクルの吸放湿性能としては140g/m2以
上)とすることにより、この要件が満たされる。なお、
この8時間サイクルの吸放湿性能は次のようにして求め
られる。相対湿度50%に保持した恒温恒湿槽中で重量
を恒量化(変動0.1%以下)させた試験体をすばやく
相対湿度90%に保持した別の恒温恒湿槽中に入れ、8
時間後の重量増(吸湿量(g))を単位面積(1m2)
あたりに換算した値を8時間吸湿量とする。また、相対
湿度90%に保持した恒温恒湿槽中で重量を恒量化(変
動0.1%以下)させた試験体をすばやく相対湿度50
%に保持した別の恒温恒湿槽中に入れ、8時間後の重量
減(放湿量(2g))を単位面積(1m2)あたりに換
算した値を8時間放湿量とする。そして、下記式で求め
る。8時間サイクルの吸放湿性能=(8時間吸湿量+8
時間放湿量)/2また、保護層は、釉薬、塗料などによ
って形成することが出来る。スプレー法、幕掛け、プリ
ントなど、形成方法にも特に限定はない。
容器内に調湿材を備え、該調湿材は、調湿材本体の表面
に保護層が形成されていることを特徴とする。調湿材本
体とは、それ自身で周りの空間を調湿作用を有するもの
であり、保護層とは吸水性を有しないものである。容器
内に調湿材が存在することで野菜などの生鮮食料品をは
じめ乾物などの食材、また、ワインなど湿度の影響を受
けやすい食品の保管に最適である。また、調湿材に保護
層が形成されることで、調湿材に食材などからの水分が
付着したとしても拭き取ることができ、表面を清浄に保
つことができる。この保護層に加飾成分を添加すれば、
意匠の幅を広げることもできる。なお、調湿材本体の表
面に保護層が形成されることにより吸放湿速度は若干遅
くなるが、吸放湿容量には殆ど変わりはなく、調湿材と
しての機能が大きく損なわれることはない。また、耐汚
れ性能の向上だけではなく、調湿性能を高く維持した上
で、保護層を形成するためには、保護層の面積や保護層
の厚さを制御することが重要である。その為には、調湿
材本体表面への形成は、下記及びの少なくとも一方
の条件を満たすように行うことが好ましい。 調湿材本体のうち被調湿空間との接触面(以下、「保
護層形成領域」と称す。)において、保護層が占有する
割合が90%以下。 保護層の最大厚み(以下、単に「最大厚み」と称
す。)が300μm以下。 保護層が上記保護層形成領域を占有する割合(以下、
「保護層面積割合」と称す。)が90%を超えると調湿
性能の低下が著しく、調湿材としての調湿性能が損なわ
れる。しかし、保護層面積割合が10%より少なくなる
と、保護層形成面が少なすぎて耐汚れ性の向上効果が十
分に得られない。従って、保護層面積割合は90%以
下、特に10〜90%、更には30〜85%とするのが
好ましい。なお、この保護層面積割合は、後述の実施例
の項で述べる如く、インクの拭き取りテスト等で調べる
ことができる。このように、保護層面積割合を90%以
下とした場合は、最大厚みには特に制約はないが、好ま
しくは500μm以下とするのが望ましい。また、最大
厚みが300μmを超えると、保護層面積割合が90%
を超える場合、調湿性能の低下が大きくなるため、最大
厚みは300μm以下とするのが好ましい。しかし、こ
の最大厚みが過度に薄いと保護層による耐汚れ性の向上
効果が十分に得られない。この最大厚みは、保護層面積
割合が95〜l00%の場合には10〜l00μm、9
0〜95%の場合には20〜200μmとするのが好ま
しい。本発明の食品用容器に備わる調湿材は、調湿材本
体の調湿性能の80%以上を維持できるように保護層が
形成されていることが好ましい。本発明の食品用容器に
備わる調湿材は、8時間サイクルの吸放湿性能が80g
/m2以上であることが好ましい。即ち、食品用容器
は、外部からの湿度発生や日レベルの温度変動に基づく
湿度変動など、短時間の変動に対応する必要がある。こ
のためには吸放湿量の速度が大きいことが必要である。
8時間サイクルの吸放湿性能を80g/m2以上(24
時間サイクルの吸放湿性能としては140g/m2以
上)とすることにより、この要件が満たされる。なお、
この8時間サイクルの吸放湿性能は次のようにして求め
られる。相対湿度50%に保持した恒温恒湿槽中で重量
を恒量化(変動0.1%以下)させた試験体をすばやく
相対湿度90%に保持した別の恒温恒湿槽中に入れ、8
時間後の重量増(吸湿量(g))を単位面積(1m2)
あたりに換算した値を8時間吸湿量とする。また、相対
湿度90%に保持した恒温恒湿槽中で重量を恒量化(変
動0.1%以下)させた試験体をすばやく相対湿度50
%に保持した別の恒温恒湿槽中に入れ、8時間後の重量
減(放湿量(2g))を単位面積(1m2)あたりに換
算した値を8時間放湿量とする。そして、下記式で求め
る。8時間サイクルの吸放湿性能=(8時間吸湿量+8
時間放湿量)/2また、保護層は、釉薬、塗料などによ
って形成することが出来る。スプレー法、幕掛け、プリ
ントなど、形成方法にも特に限定はない。
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。図1は実施の形態に係る台所の床下に収納
された食品用容器の縦断面図である。食品を収納する容
器10は容器本体1と蓋2とから構成されている。この
容器10は蓋2の上面と床20の上面とが面一となるよ
うに台所の床20内に設置される。容器本体1の内壁に
は、調湿材本体3Bの表面に保護層3Aが形成された調
湿材3が貼り付けられている。この調湿材3により容器
10内の湿度が調整され、収納された食品の品質を長く
保持することが出来る。また、容器10内の結露が確実
に防止される。即ち、容器10内の湿度が過度に高くな
ることが防止されると共に、内壁の調湿材3表面近傍の
大気中の湿度が過飽和になることが防止され、結露が確
実に防止される。また、保護層3Aが存在することで、
食材中の水分が仮に調湿材3に付着したとしても簡単に
その水分を拭き取ることが出来る。この調湿材3は一辺
が10〜50cm程度の方形のプレート状のものであ
り、隣接する調湿材3同士は隙間なく突き合わされてい
る。図示はしないが、蓋2の容器内部側にも同様の調湿
材3を設けても良い。本発明で用いる調湿材本体3Bと
しては、焼成により製造される多孔質セラミックスを採
用することができる。多孔質セラミックスからなる調湿
材本体3Bは、例えば、鹿沼土、大沢土及び膠質土、水
土、味噌土と呼ばれる各地の火山軽石層や珪藻土、酸性
白土、活性白土、ゼオライト、ハロイサイト、セピオラ
イトなどの調湿性原料に木節粘土、蛙目粘土等の粘土や
珪石、陶石、蝋石、長石その他のガラス質成分等を例え
ば下記の配合割合及び化学組成で混含し、押し出し成形
又はプレス成形し、得られた成形体を焼成することによ
り製造され得る。 <配合割合(重量部)> 鹿沼土等の調湿性原料:100 粘土:100〜1000 ガラス質成分:0〜500 本発明で用いる調湿材3は、このようにして得られる成
形体に施釉した後焼成することにより、或いは、成形体
を素焼きした後施釉し、その後更に焼成することによ
り、保護層3Aを形成して製造することができる。この
保護層3Aは、被調湿空間との接触面のみに形成するこ
とが好ましい。例えば、図1のように、調湿材3が容器
10の内壁に貼り付けされている場合には、調湿材3の
容器10側には保護層3Aを形成する必要性は小さく、
調湿材3の収納空間側にのみ保護層3Aを形成すれば良
い。この際、保護層面積割合は90%以下であることが
好ましい。また、最大厚みは300μmであることが好
ましい。本発明で用いる調湿材3は、このような調湿材
本体3Bの表面に施釉した後も、調湿材本体3B本来の
調湿性能を高く維持していることが特に好ましく、施釉
後の調湿材3は、施釉前の調湿材本体3Bの80%以上
の調湿性能を有することが望まれる。また、本発明の調
湿材3は、8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2
以上であることが好ましい。保護層面積割合及び/又は
最大厚みで施釉するには、施釉方法や、施釉に用いる釉
薬量、或いは、釉薬の比重等を適宜調整すれば良い。例
えば、通常のスプレー法等による施釉に際し、単位面積
当りの施釉量を少なくすることにより施釉面積割合を9
0%以下に抑えることができる。また、幕掛け法等にお
いても、単位面積当りの施釉量を少なくすることにより
最大厚みを小さくすることができる。本発明で用いる調
湿材3は、焼成された調湿材本体3Bに限らず、もちろ
ん他の市販されている調湿材本体3Bを使用することが
できる。例えば、鹿沼土などの前記調湿性原料にセメン
トを加え成形し、オートクレーブ処理し、その後、無機
塗料を保護層として塗布して製造されたものを使用する
ことが出来る。なお、以上の調湿材3はその裏面に溝
(裏足)が形成されても良い。
に説明する。図1は実施の形態に係る台所の床下に収納
された食品用容器の縦断面図である。食品を収納する容
器10は容器本体1と蓋2とから構成されている。この
容器10は蓋2の上面と床20の上面とが面一となるよ
うに台所の床20内に設置される。容器本体1の内壁に
は、調湿材本体3Bの表面に保護層3Aが形成された調
湿材3が貼り付けられている。この調湿材3により容器
10内の湿度が調整され、収納された食品の品質を長く
保持することが出来る。また、容器10内の結露が確実
に防止される。即ち、容器10内の湿度が過度に高くな
ることが防止されると共に、内壁の調湿材3表面近傍の
大気中の湿度が過飽和になることが防止され、結露が確
実に防止される。また、保護層3Aが存在することで、
食材中の水分が仮に調湿材3に付着したとしても簡単に
その水分を拭き取ることが出来る。この調湿材3は一辺
が10〜50cm程度の方形のプレート状のものであ
り、隣接する調湿材3同士は隙間なく突き合わされてい
る。図示はしないが、蓋2の容器内部側にも同様の調湿
材3を設けても良い。本発明で用いる調湿材本体3Bと
しては、焼成により製造される多孔質セラミックスを採
用することができる。多孔質セラミックスからなる調湿
材本体3Bは、例えば、鹿沼土、大沢土及び膠質土、水
土、味噌土と呼ばれる各地の火山軽石層や珪藻土、酸性
白土、活性白土、ゼオライト、ハロイサイト、セピオラ
イトなどの調湿性原料に木節粘土、蛙目粘土等の粘土や
珪石、陶石、蝋石、長石その他のガラス質成分等を例え
ば下記の配合割合及び化学組成で混含し、押し出し成形
又はプレス成形し、得られた成形体を焼成することによ
り製造され得る。 <配合割合(重量部)> 鹿沼土等の調湿性原料:100 粘土:100〜1000 ガラス質成分:0〜500 本発明で用いる調湿材3は、このようにして得られる成
形体に施釉した後焼成することにより、或いは、成形体
を素焼きした後施釉し、その後更に焼成することによ
り、保護層3Aを形成して製造することができる。この
保護層3Aは、被調湿空間との接触面のみに形成するこ
とが好ましい。例えば、図1のように、調湿材3が容器
10の内壁に貼り付けされている場合には、調湿材3の
容器10側には保護層3Aを形成する必要性は小さく、
調湿材3の収納空間側にのみ保護層3Aを形成すれば良
い。この際、保護層面積割合は90%以下であることが
好ましい。また、最大厚みは300μmであることが好
ましい。本発明で用いる調湿材3は、このような調湿材
本体3Bの表面に施釉した後も、調湿材本体3B本来の
調湿性能を高く維持していることが特に好ましく、施釉
後の調湿材3は、施釉前の調湿材本体3Bの80%以上
の調湿性能を有することが望まれる。また、本発明の調
湿材3は、8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2
以上であることが好ましい。保護層面積割合及び/又は
最大厚みで施釉するには、施釉方法や、施釉に用いる釉
薬量、或いは、釉薬の比重等を適宜調整すれば良い。例
えば、通常のスプレー法等による施釉に際し、単位面積
当りの施釉量を少なくすることにより施釉面積割合を9
0%以下に抑えることができる。また、幕掛け法等にお
いても、単位面積当りの施釉量を少なくすることにより
最大厚みを小さくすることができる。本発明で用いる調
湿材3は、焼成された調湿材本体3Bに限らず、もちろ
ん他の市販されている調湿材本体3Bを使用することが
できる。例えば、鹿沼土などの前記調湿性原料にセメン
トを加え成形し、オートクレーブ処理し、その後、無機
塗料を保護層として塗布して製造されたものを使用する
ことが出来る。なお、以上の調湿材3はその裏面に溝
(裏足)が形成されても良い。
【実施例】以下に実施例1〜3を挙げて本発明をより具
体的に説明する。下記配合の成形原料をミルで細磨し
て、スプレー造粒した後、プレス成形型を用いてプレス
成形して100mm×100mm×6mmの大きさの成
形体を製造した。 <成形原料配合(重量部)> 鹿沼土:20 粘土:60 ガラス質:20 得られた成形体の片側面に、アルカリアルミノホウケイ
酸系のフリット(軟化点約570℃)と水を混合した泥
漿(比重1.20g/cm3)をスプレーガンにより、
表1に示す単位面積(lm2)あたりの施釉量で施釉
し、ローラーハースキルンにて800℃で焼成した。得
られた焼成体よりなる調湿材3を容器本体1の内壁にア
クリル系接着剤で接着することにより図1の食品用容器
10を構成した。この容器10には1〜6月の6ケ月間
にわたり結露は全く見られなかった。なお、この調湿材
3について、保護層面積割合、最大厚み、調湿性能及び
8時間サイクルの吸放湿性能を下記の方法で調べ、結果
を表1に示した。 <保護層面積割合>表面に水性インクを塗布し、水を含
ませた布等でさっと拭くことによりインクが取れた面積
の割合を、顕微鏡観察、画像処理などにより求めた。 <最大厚み>破断面の顕微鏡観察で求めた。 <調湿性能>相対湿度50%に保持した恒温恒湿槽中で
重量を恒量化(変動0.1%以下)させた試験体を、す
ばやく相対湿度90%に保持した別の恒温恒湿槽中に入
れ、8時間後の重量増(吸湿量)を単位面積(lm2)
あたりで求め、無釉の成形体を同様に焼成して得られた
焼成体について同様にして求めた値に対する百分率で示
した。 <8時間サイクルの吸放湿性能>前記の通り、相対湿度
50%と90%との間における8時間当りの吸放湿量を
単位面積(1m2)に換算して求める。表1の通り、各
調湿材3は調湿性能が無釉のものの80%以上であり、
また8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2以上で
ある。即ち、施釉量が増えると保護層面積割合は増大
し、保護層面積割合が80%では調湿性能の低下はない
が80%を超えると調湿性能及び吸放湿性能が低下して
くる。しかし、保護層面積割合が90%であれば調湿性
能を無釉のものに比べて80%以上に維持することがで
き、また8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2以
上となる。これに対して、保護層面積割合を95%とし
た実施例3では、調湿性能は著しく低下していると共
に、8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2よりも
低くなっている。
体的に説明する。下記配合の成形原料をミルで細磨し
て、スプレー造粒した後、プレス成形型を用いてプレス
成形して100mm×100mm×6mmの大きさの成
形体を製造した。 <成形原料配合(重量部)> 鹿沼土:20 粘土:60 ガラス質:20 得られた成形体の片側面に、アルカリアルミノホウケイ
酸系のフリット(軟化点約570℃)と水を混合した泥
漿(比重1.20g/cm3)をスプレーガンにより、
表1に示す単位面積(lm2)あたりの施釉量で施釉
し、ローラーハースキルンにて800℃で焼成した。得
られた焼成体よりなる調湿材3を容器本体1の内壁にア
クリル系接着剤で接着することにより図1の食品用容器
10を構成した。この容器10には1〜6月の6ケ月間
にわたり結露は全く見られなかった。なお、この調湿材
3について、保護層面積割合、最大厚み、調湿性能及び
8時間サイクルの吸放湿性能を下記の方法で調べ、結果
を表1に示した。 <保護層面積割合>表面に水性インクを塗布し、水を含
ませた布等でさっと拭くことによりインクが取れた面積
の割合を、顕微鏡観察、画像処理などにより求めた。 <最大厚み>破断面の顕微鏡観察で求めた。 <調湿性能>相対湿度50%に保持した恒温恒湿槽中で
重量を恒量化(変動0.1%以下)させた試験体を、す
ばやく相対湿度90%に保持した別の恒温恒湿槽中に入
れ、8時間後の重量増(吸湿量)を単位面積(lm2)
あたりで求め、無釉の成形体を同様に焼成して得られた
焼成体について同様にして求めた値に対する百分率で示
した。 <8時間サイクルの吸放湿性能>前記の通り、相対湿度
50%と90%との間における8時間当りの吸放湿量を
単位面積(1m2)に換算して求める。表1の通り、各
調湿材3は調湿性能が無釉のものの80%以上であり、
また8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2以上で
ある。即ち、施釉量が増えると保護層面積割合は増大
し、保護層面積割合が80%では調湿性能の低下はない
が80%を超えると調湿性能及び吸放湿性能が低下して
くる。しかし、保護層面積割合が90%であれば調湿性
能を無釉のものに比べて80%以上に維持することがで
き、また8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2以
上となる。これに対して、保護層面積割合を95%とし
た実施例3では、調湿性能は著しく低下していると共
に、8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2よりも
低くなっている。
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の食品用容器
によると、耐汚れ性を改善することができる。また、こ
れでは容器内壁面の結露を確実に防止することができ
る。
によると、耐汚れ性を改善することができる。また、こ
れでは容器内壁面の結露を確実に防止することができ
る。
【図1】実施の形態に係る台所の床下に収納された食品
用容器の縦断面図である。
用容器の縦断面図である。
l 容器本体 2 蓋 3 湿材 3A 保護層 3B 調湿材本体 10 容器 20 床
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月31日(2001.1.3
1)
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】食品用容器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品用容器に係り、
特に湿度を調節可能な食品用容器に関する。
特に湿度を調節可能な食品用容器に関する。
【0001】
【従来の技術】例えば、食品用容器において、湿度を調
節するために、多孔質のシートに湿潤剤を含浸させた調
湿材を容器内に備えた技術が提案されている(特開昭6
1−60474号)。
節するために、多孔質のシートに湿潤剤を含浸させた調
湿材を容器内に備えた技術が提案されている(特開昭6
1−60474号)。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
調湿材を備えた食品用容器では、シートが多孔質である
ため、シートが汚れやすく、また、いったん汚れがシー
ト内部に入り込んでしまうと、汚れが取れにくくなると
いう問題があった。本発明は上記従来の問題点を解決
し、耐汚れ性能を有する食品用容器を提供することを目
的とする。
調湿材を備えた食品用容器では、シートが多孔質である
ため、シートが汚れやすく、また、いったん汚れがシー
ト内部に入り込んでしまうと、汚れが取れにくくなると
いう問題があった。本発明は上記従来の問題点を解決
し、耐汚れ性能を有する食品用容器を提供することを目
的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の食品用容器は、
容器内に調湿材を備え、該調湿材は、調湿材本体の表面
に保護層が形成されていることを特徴とする。調湿材本
体とは、それ自身で周りの空間を調湿作用を有するもの
であり、保護層とは吸水性を有しないものである。容器
内に調湿材が存在することで野菜などの生鮮食料品をは
じめ乾物などの食材、また、ワインなど湿度の影響を受
けやすい食品の保管に最適である。また、調湿材に保護
層が形成されることで、調湿材に食材などからの水分が
付着したとしても拭き取ることができ、表面を清浄に保
つことができる。この保護層に加飾成分を添加すれば、
意匠の幅を広げることもできる。なお、調湿材本体の表
面に保護層が形成されることにより吸放湿速度は若干遅
くなるが、吸放湿容量には殆ど変わりはなく、調湿材と
しての機能が大きく損なわれることはない。また、耐汚
れ性能の向上だけではなく、調湿性能を高く維持した上
で、保護層を形成するためには、保護層の面積や保護層
の厚さを制御することが重要である。その為には、調湿
材本体表面への形成は、下記及びの少なくとも一方
の条件を満たすように行うことが好ましい。 調湿材本体のうち被調湿空間との接触面(以下、「保
護層形成領域」と称す。)において、保護層が占有する
割合が90%以下。 保護層の最大厚み(以下、単に「最大厚み」と称
す。)が300μm以下。 保護層が上記保護層形成領域を占有する割合(以下、
「保護層面積割合」と称す。)が90%を超えると調湿
性能の低下が著しく、調湿材としての調湿性能が損なわ
れる。しかし、保護層面積割合が10%より少なくなる
と、保護層形成面が少なすぎて耐汚れ性の向上効果が十
分に得られない。従って、保護層面積割合は90%以
下、特に10〜90%、更には30〜85%とするのが
好ましい。なお、この保護層面積割合は、後述の実施例
の項で述べる如く、インクの拭き取りテスト等で調べる
ことができる。このように、保護層面積割合を90%以
下とした場合は、最大厚みには特に制約はないが、好ま
しくは500μm以下とするのが望ましい。また、最大
厚みが300μmを超えると、保護層面積割合が90%
を超える場合、調湿性能の低下が大きくなるため、最大
厚みは300μm以下とするのが好ましい。しかし、こ
の最大厚みが過度に薄いと保護層による耐汚れ性の向上
効果が十分に得られない。この最大厚みは、保護層面積
割合が95〜l00%の場合には10〜l00μm、9
0〜95%の場合には20〜200μmとするのが好ま
しい。
容器内に調湿材を備え、該調湿材は、調湿材本体の表面
に保護層が形成されていることを特徴とする。調湿材本
体とは、それ自身で周りの空間を調湿作用を有するもの
であり、保護層とは吸水性を有しないものである。容器
内に調湿材が存在することで野菜などの生鮮食料品をは
じめ乾物などの食材、また、ワインなど湿度の影響を受
けやすい食品の保管に最適である。また、調湿材に保護
層が形成されることで、調湿材に食材などからの水分が
付着したとしても拭き取ることができ、表面を清浄に保
つことができる。この保護層に加飾成分を添加すれば、
意匠の幅を広げることもできる。なお、調湿材本体の表
面に保護層が形成されることにより吸放湿速度は若干遅
くなるが、吸放湿容量には殆ど変わりはなく、調湿材と
しての機能が大きく損なわれることはない。また、耐汚
れ性能の向上だけではなく、調湿性能を高く維持した上
で、保護層を形成するためには、保護層の面積や保護層
の厚さを制御することが重要である。その為には、調湿
材本体表面への形成は、下記及びの少なくとも一方
の条件を満たすように行うことが好ましい。 調湿材本体のうち被調湿空間との接触面(以下、「保
護層形成領域」と称す。)において、保護層が占有する
割合が90%以下。 保護層の最大厚み(以下、単に「最大厚み」と称
す。)が300μm以下。 保護層が上記保護層形成領域を占有する割合(以下、
「保護層面積割合」と称す。)が90%を超えると調湿
性能の低下が著しく、調湿材としての調湿性能が損なわ
れる。しかし、保護層面積割合が10%より少なくなる
と、保護層形成面が少なすぎて耐汚れ性の向上効果が十
分に得られない。従って、保護層面積割合は90%以
下、特に10〜90%、更には30〜85%とするのが
好ましい。なお、この保護層面積割合は、後述の実施例
の項で述べる如く、インクの拭き取りテスト等で調べる
ことができる。このように、保護層面積割合を90%以
下とした場合は、最大厚みには特に制約はないが、好ま
しくは500μm以下とするのが望ましい。また、最大
厚みが300μmを超えると、保護層面積割合が90%
を超える場合、調湿性能の低下が大きくなるため、最大
厚みは300μm以下とするのが好ましい。しかし、こ
の最大厚みが過度に薄いと保護層による耐汚れ性の向上
効果が十分に得られない。この最大厚みは、保護層面積
割合が95〜l00%の場合には10〜l00μm、9
0〜95%の場合には20〜200μmとするのが好ま
しい。
【0004】本発明の食品用容器に備わる調湿材は、調
湿材本体の調湿性能の80%以上を維持できるように保
護層が形成されていることが好ましい。本発明の食品用
容器に備わる調湿材は、8時間サイクルの吸放湿性能が
80g/m2以上であることが好ましい。即ち、食品用
容器は、外部からの湿度発生や日レベルの温度変動に基
づく湿度変動など、短時間の変動に対応する必要があ
る。このためには吸放湿量の速度が大きいことが必要で
ある。8時間サイクルの吸放湿性能を80g/m2以上
(24時間サイクルの吸放湿性能としては140g/m
2以上)とすることにより、この要件が満たされる。な
お、この8時間サイクルの吸放湿性能は次のようにして
求められる。相対湿度50%に保持した恒温恒湿槽中で
重量を恒量化(変動0.1%以下)させた試験体をすば
やく相対湿度90%に保持した別の恒温恒湿槽中に入
れ、8時間後の重量増(吸湿量(g))を単位面積(1
m2)あたりに換算した値を8時間吸湿量とする。ま
た、相対湿度90%に保持した恒温恒湿槽中で重量を恒
量化(変動0.1%以下)させた試験体をすばやく相対
湿度50%に保持した別の恒温恒湿槽中に入れ、8時間
後の重量減(放湿量(2g))を単位面積(1m2)あ
たりに換算した値を8時間放湿量とする。そして、下記
式で求める。8時間サイクルの吸放湿性能=(8時間吸
湿量+8時間放湿量)/2また、保護層は、釉薬、塗料
などによって形成することが出来る。スプレー法、幕掛
け、プリントなど、形成方法にも特に限定はない。
湿材本体の調湿性能の80%以上を維持できるように保
護層が形成されていることが好ましい。本発明の食品用
容器に備わる調湿材は、8時間サイクルの吸放湿性能が
80g/m2以上であることが好ましい。即ち、食品用
容器は、外部からの湿度発生や日レベルの温度変動に基
づく湿度変動など、短時間の変動に対応する必要があ
る。このためには吸放湿量の速度が大きいことが必要で
ある。8時間サイクルの吸放湿性能を80g/m2以上
(24時間サイクルの吸放湿性能としては140g/m
2以上)とすることにより、この要件が満たされる。な
お、この8時間サイクルの吸放湿性能は次のようにして
求められる。相対湿度50%に保持した恒温恒湿槽中で
重量を恒量化(変動0.1%以下)させた試験体をすば
やく相対湿度90%に保持した別の恒温恒湿槽中に入
れ、8時間後の重量増(吸湿量(g))を単位面積(1
m2)あたりに換算した値を8時間吸湿量とする。ま
た、相対湿度90%に保持した恒温恒湿槽中で重量を恒
量化(変動0.1%以下)させた試験体をすばやく相対
湿度50%に保持した別の恒温恒湿槽中に入れ、8時間
後の重量減(放湿量(2g))を単位面積(1m2)あ
たりに換算した値を8時間放湿量とする。そして、下記
式で求める。8時間サイクルの吸放湿性能=(8時間吸
湿量+8時間放湿量)/2また、保護層は、釉薬、塗料
などによって形成することが出来る。スプレー法、幕掛
け、プリントなど、形成方法にも特に限定はない。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。図1は実施の形態に係る台所の床下に収納
された食品用容器の縦断面図である。食品を収納する容
器10は容器本体1と蓋2とから構成されている。この
容器10は蓋2の上面と床20の上面とが面一となるよ
うに台所の床20内に設置される。容器本体1の内壁に
は、調湿材本体3Bの表面に保護層3Aが形成された調
湿材3が貼り付けられている。この調湿材3により容器
10内の湿度が調整され、収納された食品の品質を長く
保持することが出来る。また、容器10内の結露が確実
に防止される。即ち、容器10内の湿度が過度に高くな
ることが防止されると共に、内壁の調湿材3表面近傍の
大気中の湿度が過飽和になることが防止され、結露が確
実に防止される。また、保護層3Aが存在することで、
食材中の水分が仮に調湿材3に付着したとしても簡単に
その水分を拭き取ることが出来る。
に説明する。図1は実施の形態に係る台所の床下に収納
された食品用容器の縦断面図である。食品を収納する容
器10は容器本体1と蓋2とから構成されている。この
容器10は蓋2の上面と床20の上面とが面一となるよ
うに台所の床20内に設置される。容器本体1の内壁に
は、調湿材本体3Bの表面に保護層3Aが形成された調
湿材3が貼り付けられている。この調湿材3により容器
10内の湿度が調整され、収納された食品の品質を長く
保持することが出来る。また、容器10内の結露が確実
に防止される。即ち、容器10内の湿度が過度に高くな
ることが防止されると共に、内壁の調湿材3表面近傍の
大気中の湿度が過飽和になることが防止され、結露が確
実に防止される。また、保護層3Aが存在することで、
食材中の水分が仮に調湿材3に付着したとしても簡単に
その水分を拭き取ることが出来る。
【0006】この調湿材3は一辺が10〜50cm程度
の方形のプレート状のものであり、隣接する調湿材3同
士は隙間なく突き合わされている。図示はしないが、蓋
2の容器内部側にも同様の調湿材3を設けても良い。本
発明で用いる調湿材本体3Bとしては、焼成により製造
される多孔質セラミックスを採用することができる。多
孔質セラミックスからなる調湿材本体3Bは、例えば、
鹿沼土、大沢土及び膠質土、水土、味噌土と呼ばれる各
地の火山軽石層や珪藻土、酸性白土、活性白土、ゼオラ
イト、ハロイサイト、セピオライトなどの調湿性原料に
木節粘土、蛙目粘土等の粘土や珪石、陶石、蝋石、長石
その他のガラス質成分等を例えば下記の配合割合及び化
学組成で混含し、押し出し成形又はプレス成形し、得ら
れた成形体を焼成することにより製造され得る。 <配合割合(重量部)> 鹿沼土等の調湿性原料:100 粘土:100〜1000 ガラス質成分:0〜500
の方形のプレート状のものであり、隣接する調湿材3同
士は隙間なく突き合わされている。図示はしないが、蓋
2の容器内部側にも同様の調湿材3を設けても良い。本
発明で用いる調湿材本体3Bとしては、焼成により製造
される多孔質セラミックスを採用することができる。多
孔質セラミックスからなる調湿材本体3Bは、例えば、
鹿沼土、大沢土及び膠質土、水土、味噌土と呼ばれる各
地の火山軽石層や珪藻土、酸性白土、活性白土、ゼオラ
イト、ハロイサイト、セピオライトなどの調湿性原料に
木節粘土、蛙目粘土等の粘土や珪石、陶石、蝋石、長石
その他のガラス質成分等を例えば下記の配合割合及び化
学組成で混含し、押し出し成形又はプレス成形し、得ら
れた成形体を焼成することにより製造され得る。 <配合割合(重量部)> 鹿沼土等の調湿性原料:100 粘土:100〜1000 ガラス質成分:0〜500
【0007】本発明で用いる調湿材3は、このようにし
て得られる成形体に施釉した後焼成することにより、或
いは、成形体を素焼きした後施釉し、その後更に焼成す
ることにより、保護層3Aを形成して製造することがで
きる。この保護層3Aは、被調湿空間との接触面のみに
形成することが好ましい。例えば、図1のように、調湿
材3が容器10の内壁に貼り付けされている場合には、
調湿材3の容器10側には保護層3Aを形成する必要性
は小さく、調湿材3の収納空間側にのみ保護層3Aを形
成すれば良い。この際、保護層面積割合は90%以下で
あることが好ましい。また、最大厚みは300μmであ
ることが好ましい。本発明で用いる調湿材3は、このよ
うな調湿材本体3Bの表面に施釉した後も、調湿材本体
3B本来の調湿性能を高く維持していることが特に好ま
しく、施釉後の調湿材3は、施釉前の調湿材本体3Bの
80%以上の調湿性能を有することが望まれる。また、
本発明の調湿材3は、8時間サイクルの吸放湿性能が8
0g/m2以上であることが好ましい。
て得られる成形体に施釉した後焼成することにより、或
いは、成形体を素焼きした後施釉し、その後更に焼成す
ることにより、保護層3Aを形成して製造することがで
きる。この保護層3Aは、被調湿空間との接触面のみに
形成することが好ましい。例えば、図1のように、調湿
材3が容器10の内壁に貼り付けされている場合には、
調湿材3の容器10側には保護層3Aを形成する必要性
は小さく、調湿材3の収納空間側にのみ保護層3Aを形
成すれば良い。この際、保護層面積割合は90%以下で
あることが好ましい。また、最大厚みは300μmであ
ることが好ましい。本発明で用いる調湿材3は、このよ
うな調湿材本体3Bの表面に施釉した後も、調湿材本体
3B本来の調湿性能を高く維持していることが特に好ま
しく、施釉後の調湿材3は、施釉前の調湿材本体3Bの
80%以上の調湿性能を有することが望まれる。また、
本発明の調湿材3は、8時間サイクルの吸放湿性能が8
0g/m2以上であることが好ましい。
【0008】保護層面積割合及び/又は最大厚みで施釉
するには、施釉方法や、施釉に用いる釉薬量、或いは、
釉薬の比重等を適宜調整すれば良い。例えば、通常のス
プレー法等による施釉に際し、単位面積当りの施釉量を
少なくすることにより施釉面積割合を90%以下に抑え
ることができる。また、幕掛け法等においても、単位面
積当りの施釉量を少なくすることにより最大厚みを小さ
くすることができる。本発明で用いる調湿材3は、焼成
された調湿材本体3Bに限らず、もちろん他の市販され
ている調湿材本体3Bを使用することができる。例え
ば、鹿沼土などの前記調湿性原料にセメントを加え成形
し、オートクレーブ処理し、その後、無機塗料を保護層
として塗布して製造されたものを使用することが出来
る。なお、以上の調湿材3はその裏面に溝(裏足)が形
成されても良い。
するには、施釉方法や、施釉に用いる釉薬量、或いは、
釉薬の比重等を適宜調整すれば良い。例えば、通常のス
プレー法等による施釉に際し、単位面積当りの施釉量を
少なくすることにより施釉面積割合を90%以下に抑え
ることができる。また、幕掛け法等においても、単位面
積当りの施釉量を少なくすることにより最大厚みを小さ
くすることができる。本発明で用いる調湿材3は、焼成
された調湿材本体3Bに限らず、もちろん他の市販され
ている調湿材本体3Bを使用することができる。例え
ば、鹿沼土などの前記調湿性原料にセメントを加え成形
し、オートクレーブ処理し、その後、無機塗料を保護層
として塗布して製造されたものを使用することが出来
る。なお、以上の調湿材3はその裏面に溝(裏足)が形
成されても良い。
【0009】
【実施例】以下に実施例1〜3を挙げて本発明をより具
体的に説明する。下記配合の成形原料をミルで細磨し
て、スプレー造粒した後、プレス成形型を用いてプレス
成形して100mm×100mm×6mmの大きさの成
形体を製造した。 <成形原料配合(重量部)> 鹿沼土:20 粘土:60 ガラス質:20 得られた成形体の片側面に、アルカリアルミノホウケイ
酸系のフリット(軟化点約570℃)と水を混合した泥
漿(比重1.20g/cm3)をスプレーガンにより、
表1に示す単位面積(lm2)あたりの施釉量で施釉
し、ローラーハースキルンにて800℃で焼成した。得
られた焼成体よりなる調湿材3を容器本体1の内壁にア
クリル系接着剤で接着することにより図1の食品用容器
10を構成した。この容器10には1〜6月の6ケ月間
にわたり結露は全く見られなかった。なお、この調湿材
3について、保護層面積割合、最大厚み、調湿性能及び
8時間サイクルの吸放湿性能を下記の方法で調べ、結果
を表1に示した。
体的に説明する。下記配合の成形原料をミルで細磨し
て、スプレー造粒した後、プレス成形型を用いてプレス
成形して100mm×100mm×6mmの大きさの成
形体を製造した。 <成形原料配合(重量部)> 鹿沼土:20 粘土:60 ガラス質:20 得られた成形体の片側面に、アルカリアルミノホウケイ
酸系のフリット(軟化点約570℃)と水を混合した泥
漿(比重1.20g/cm3)をスプレーガンにより、
表1に示す単位面積(lm2)あたりの施釉量で施釉
し、ローラーハースキルンにて800℃で焼成した。得
られた焼成体よりなる調湿材3を容器本体1の内壁にア
クリル系接着剤で接着することにより図1の食品用容器
10を構成した。この容器10には1〜6月の6ケ月間
にわたり結露は全く見られなかった。なお、この調湿材
3について、保護層面積割合、最大厚み、調湿性能及び
8時間サイクルの吸放湿性能を下記の方法で調べ、結果
を表1に示した。
【0010】
【表1】
【0011】<保護層面積割合> 表面に水性インクを塗布し、水を含ませた布等でさっと
拭くことによりインクが取れた面積の割合を、顕微鏡観
察、画像処理などにより求めた。 <最大厚み>破断面の顕微鏡観察で求めた。 <調湿性能>相対湿度50%に保持した恒温恒湿槽中で
重量を恒量化(変動0.1%以下)させた試験体を、す
ばやく相対湿度90%に保持した別の恒温恒湿槽中に入
れ、8時間後の重量増(吸湿量)を単位面積(lm2)
あたりで求め、無釉の成形体を同様に焼成して得られた
焼成体について同様にして求めた値に対する百分率で示
した。 <8時間サイクルの吸放湿性能>前記の通り、相対湿度
50%と90%との間における8時間当りの吸放湿量を
単位面積(1m2)に換算して求める。表1の通り、各
調湿材3は調湿性能が無釉のものの80%以上であり、
また8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2以上で
ある。即ち、施釉量が増えると保護層面積割合は増大
し、保護層面積割合が80%では調湿性能の低下はない
が80%を超えると調湿性能及び吸放湿性能が低下して
くる。しかし、保護層面積割合が90%であれば調湿性
能を無釉のものに比べて80%以上に維持することがで
き、また8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2以
上となる。これに対して、保護層面積割合を95%とし
た実施例3では、調湿性能は著しく低下していると共
に、8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2よりも
低くなっている。
拭くことによりインクが取れた面積の割合を、顕微鏡観
察、画像処理などにより求めた。 <最大厚み>破断面の顕微鏡観察で求めた。 <調湿性能>相対湿度50%に保持した恒温恒湿槽中で
重量を恒量化(変動0.1%以下)させた試験体を、す
ばやく相対湿度90%に保持した別の恒温恒湿槽中に入
れ、8時間後の重量増(吸湿量)を単位面積(lm2)
あたりで求め、無釉の成形体を同様に焼成して得られた
焼成体について同様にして求めた値に対する百分率で示
した。 <8時間サイクルの吸放湿性能>前記の通り、相対湿度
50%と90%との間における8時間当りの吸放湿量を
単位面積(1m2)に換算して求める。表1の通り、各
調湿材3は調湿性能が無釉のものの80%以上であり、
また8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2以上で
ある。即ち、施釉量が増えると保護層面積割合は増大
し、保護層面積割合が80%では調湿性能の低下はない
が80%を超えると調湿性能及び吸放湿性能が低下して
くる。しかし、保護層面積割合が90%であれば調湿性
能を無釉のものに比べて80%以上に維持することがで
き、また8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2以
上となる。これに対して、保護層面積割合を95%とし
た実施例3では、調湿性能は著しく低下していると共
に、8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2よりも
低くなっている。
【0012】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の食品用容器
によると、耐汚れ性を改善することができる。また、こ
れでは容器内壁面の結露を確実に防止することができ
る。
によると、耐汚れ性を改善することができる。また、こ
れでは容器内壁面の結露を確実に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る台所の床下に収納された食品
用容器の縦断面図である。
用容器の縦断面図である。
【符号の説明】 l 容器本体 2 蓋 3 湿材 3A 保護層 3B 調湿材本体 10 容器 20 床
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森下 正彦 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 羽柴 義典 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 織田 武志 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB01 AC03 BA01A BB09A BB25A CA09 EC31 FC01 GA21 GD01
Claims (5)
- 【請求項1】容器内に調湿材を備えた食品用容器であっ
て、該調湿材は、調湿材本体の表面に保護層が形成され
たものからなることを特徴とする食品用容器。 - 【請求項2】容器内に調湿材を備えた食品用容器であっ
て、該調湿材は、調湿材本体のうち被調湿空間との接触
面の90%以下の表面領域に保護層が形成されたものか
らなることを特徴とする食品用容器。 - 【請求項3】容器内に調湿材を備えた食品用容器であっ
て、該調湿材は、調湿材本体の表面に形成された保護層
の最大厚みが300μm以下であることを特徴とする食
品用容器。 - 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、前記調湿材の調湿性能が前記調湿材本体の調湿性能
に対して80%以上に維持されるように前記保護層が形
成されていることを特徴とする食品用容器。 - 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか1項におい
て、8時間サイクルの吸放湿性能が80g/m2以上で
あることを特徴とする食品用容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25605499A JP2001151279A (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | 食品用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25605499A JP2001151279A (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | 食品用容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001151279A true JP2001151279A (ja) | 2001-06-05 |
Family
ID=17287272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25605499A Pending JP2001151279A (ja) | 1999-09-09 | 1999-09-09 | 食品用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001151279A (ja) |
-
1999
- 1999-09-09 JP JP25605499A patent/JP2001151279A/ja active Pending
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