JP2001149976A - 廃水の浄化材と廃水の浄化方法と廃水処理システム - Google Patents

廃水の浄化材と廃水の浄化方法と廃水処理システム

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JP2001149976A
JP2001149976A JP34191199A JP34191199A JP2001149976A JP 2001149976 A JP2001149976 A JP 2001149976A JP 34191199 A JP34191199 A JP 34191199A JP 34191199 A JP34191199 A JP 34191199A JP 2001149976 A JP2001149976 A JP 2001149976A
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wastewater
solid carrier
reaction tank
waterway
waste water
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Masaharu Nagao
正治 長尾
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境並びに動物や人に対して安全性の高
い廃水の浄化材、廃水の浄化方法及び廃水処理システム
を提供する。 【解決手段】 廃水中に浸漬され該廃水を浄化する浄化
材であって、果実の発酵液と固形担体とを接触させるこ
とによって得られる浄化材である。また、果実の発酵液
を浄化材として用いることを特徴とする廃水の浄化方法
である。そして、該方法に用いられる該発酵液である。
さらに、該浄化材を有する廃水処理システムである。ま
た該システムを備える水路構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃水の浄化材、廃
水の浄化方法及び廃水処理システムに関し、より詳細に
は、廃水を効果的に浄化処理することができると共に環
境や人に優しく安全性の高い廃水の浄化材、廃水の浄化
方法及び廃水処理システムに関する。本発明の廃水の浄
化材(以下、「本浄化材」という。)、廃水の浄化方法
(以下、「本方法」という。)及び廃水処理システム
(以下、「本システム」という。)は、廃水中に含まれ
る物質、特に有機物を除去するために広く適用されるこ
とができ、極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】家庭、工場及び事業所等から発生する廃
水は、沈殿、中和、濾過等といった物理的又は化学的な
処理や、活性汚泥処理のような生物的処理をされて、最
終的に河川や海等に放流される。この生物的処理は、微
生物が廃水中の有機物等を分解することで廃水中のBO
D(生物化学的酸素要求量)等を低下させ、廃水を浄化
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な活性汚泥処理に代表される生物的処理は、それを行う
細菌等の微生物が経口的及び経皮的に人体内に進入した
際の健康障害が懸念されてきた。そこで本発明では、環
境並びに動物や人に対して安全性の高い廃水の浄化材、
廃水の浄化方法及び廃水処理システムを提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、果実の発酵
液に廃水を浄化する作用があることを見いだし、さらに
該発酵液を固体担体に接触させて得られる浄化材によれ
ば廃水浄化をより効果的に行うことができることを見い
だし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、廃
水中に浸漬され該廃水を浄化する浄化材であって、果実
の発酵液と固形担体とを接触させることによって得られ
る浄化材(本浄化材)である。
【0005】本浄化材には次のような態様が含まれる。 (1)前記果実が、ブドウ、柿の実、アケビ、イチゴ、
野イチゴ、すもも、ぎんなんよりなる群より選ばれるも
のである、上記浄化材。 (2)前記固形担体が、前記固形担体の内表面か外表面
かの少なくとも一方に凹凸が形成された筒状形状であ
る、上記浄化材。 (3)前記固形担体が、大径部と小径部とが交互に連な
る蛇腹形状である、上記浄化材。
【0006】また、本発明は、果実の発酵液を浄化材と
して用いることを特徴とする廃水の浄化方法(本方法)
である。
【0007】本方法には次のような態様が含まれる。 (1)前記果実が、ブドウ、柿の実、アケビ、イチゴ、
野イチゴ、すもも、ぎんなんよりなる群より選ばれたも
のである、上記浄化方法。 (2)前記浄化材が、前記発酵液を固形担体に接触させ
て調製されるものである、上記浄化方法。 (3)前記固形担体が、前記固形担体の内表面か外表面
かの少なくとも一方に凹凸が形成された筒状形状であ
る、上記浄化方法。 (4)前記固形担体が、大径部と小径部とが交互に連な
る蛇腹形状である、上記浄化方法。
【0008】そして本発明は、本方法に用いられる前記
発酵液(以下、「本発酵液」という。)である。
【0009】さらに本発明は、本浄化材を有する廃水処
理システム(本システム)である。本システムには次の
ような態様が含まれる。 (1)複数段の反応槽を連なって備える廃水処理システ
ムであって、各反応槽内に本浄化材を1又は複数個含
み、各反応槽で処理された水が後段の反応槽に順次移送
されるように構成されてなる、上記廃水処理システム。 (2)前記各反応槽が曝気手段を備えるものである、上
記廃水処理システム。
【0010】また本発明は、本システムを備える水路構
造(以下、「本構造」という。)である。本構造には次
のような態様が含まれる。前記水路の所定区間が、上方
に位置する上側水路と、該上側水路よりも下方に位置す
る下側水路と、の別個の水路によって構成され、本シス
テムが該下側水路に備えられるものである、上記水路構
造。
【0011】本浄化材、本方法、本システム等はいずれ
も果実の発酵液に廃水浄化作用があるという知見に基づ
いて、果実の発酵液を利用するものである。果実の発酵
液に廃水浄化作用がある理由は定かではなく、また推定
される理由に拘束されないが、おそらく果実の発酵液中
に含まれる微生物が廃水中に含まれる有機物等を分解
し、その結果廃水が浄化されるものと推定される。通
常、果実の発酵液に存在する微生物は、ワイン等におい
て知られているように経口的に摂取しても健康障害を引
き起こさないものがほとんどである。ゆえに、果実の発
酵液を利用した本浄化材、本方法、本システムはいずれ
も環境及び人体に悪影響のない、極めて安全性の高いも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明にいう「廃水」とは、少な
くとも有機物を含有する水をいい、該有機物が水中に溶
解状態で存しているか懸濁状態(スラリー状態を含む)
で存しているかを問わない。本発明が対象とする廃水
は、浄化を必要とする廃水であれば特に制限されない
が、例えば、屎尿廃水、畜産廃水、家庭廃水、農業廃
水、工場や事業所から排出される産業廃水等を挙げるこ
とができる。また、本発明にいう「浄化」とは、廃水中
に含有される前記有機物を減少させることをいい、これ
は例えば廃水中のBODの減少によって確認することが
できる。
【0013】(本発酵液)本発明において用いる「果実
の発酵液」とは、果実の全部又は一部を含む原液を発酵
(即ち、微生物による分解)させて得られる液をいい、
ここにいう発酵は有酸素下か無酸素下かを問わない。そ
してここで用いる果実としては、液果と乾果のいずれで
あってもよく、また1種類の果実のみを使用しても2種
類以上の複数種類の果実を混合して用いてもよい。特
に、果実として、ブドウ、柿の実、アケビ、イチゴ、野
イチゴ、すもも、ぎんなんよりなる群より選ばれる1種
又は2種以上のものを用いると発酵がうまくすすみ、さ
らにそれによって得られた発酵液を用いることで廃水浄
化を効果的に行うことができる。果実は、発酵しやすく
することからは、潰され又は細かく裁断されることで得
られる果肉液や、果実から搾り取られた果汁として原液
に加えられるのが好ましい。これら果肉液や果汁そのも
のを原液としてもよいが、必要に応じて、水分、糖分、
無機物糖を添加して原液としてもよい。発酵は、発酵液
中に十分な微生物を生ぜしめるような温度や時間で行わ
れればよく、特に限定されるものではないが、例えば、
温度は15℃〜40℃程度で、時間は数日〜1年程度行
われてもよい。発酵を行う微生物は、果実の表面等に自
然に付着しているので果実を潰す等することで自然に原
液に移行し、果実の表面等に自然に付着している微生物
によって発酵を行うことができる。もっとも原液に発酵
菌を意図的に接種してよいことはいうまでもない。
【0014】(本浄化材)本浄化材に用いる固形担体
は、様々な材料によって様々な形状に形成されてよい。
例えば、材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン等のプラスチック樹脂、木材、ステンレ
ス鋼やアルミニウム等の金属等のものが用いられてよい
が、製造が容易であることや廃水によって腐食されにく
いこと等からはプラスチック樹脂を用いることが好まし
い。そして固形担体の形状は、例えば、板状(主表面形
状が、多角形、円形、楕円形、半円形、半楕円形等を例
示することができる。)、粒状、塊状、筒状であっても
よい。とりわけ固形担体の形状を、内表面か外表面かの
少なくとも一方に凹凸が形成された筒状形状にすれば、
該筒の外表面に加え内表面が存し、さらに該凹凸によっ
て単位体積当たりの表面積(以下、「比表面積」とい
う。)を大きくすることによって果実の発酵液との接触
面積が大きくなり、前述の推論される微生物を多く担持
することができる。そして、内表面に担持された微生物
や凹部に付着した微生物は、担体同士の摩擦や担体表面
と処理水との摩擦によって剥離・脱落しにくいことか
ら、廃水浄化を行う微生物数を安定して確保することが
できる。さらに凹部や内表面には処理水がよどむことか
ら、凹部に付着した微生物や内表面に担持された微生物
と処理水とが充分に接触することで廃水浄化処理を効果
的に行うことができる。特に、内表面に凹凸が形成され
た場合であれば、担体同士の摩擦や担体表面と処理水と
の摩擦によっても微生物が剥離し脱落しにくいことに加
え、内表面に形成された凹部には処理水がよどみやすい
ので好ましい。なお、前記筒の断面形状(筒の軸に対し
て垂直な面による切断面における形状をいう)はいかな
るものであってもよく、多角形、円形、楕円形、半円
形、半楕円形等を例示することができる。
【0015】前記固形担体が、大径部と小径部とが交互
に連なる蛇腹形状としてもよく、そうすることで内表面
と外表面との両方に凹凸が形成された筒状形状とするこ
とができ、一層、比表面積を大きくすることができる。
そして、蛇腹形状とすることで、固形担体に柔軟性を与
えやすくなり、特に、柔軟性を有するプラスチック樹脂
材料によって固形担体が形成されていれば固形担体に高
い柔軟性を付与することができるので、固形担体の破損
を防止したり移送や充填等の取り扱いを容易にすること
ができる。
【0016】本浄化材を形成するための前記果実の発酵
液と前記固形担体との接触は、発酵液中に含まれている
微生物が固形担体表面に担持されるような条件で行われ
ればよく、例えば、温度は、微生物の活性が一定水準以
上となる温度とされることが好ましく、例えば、15℃
〜40℃程度とされてよい。また、接触時間は、例え
ば、数時間〜10日程度行われてもよい。なお、本発明
にいう「発酵液と固形担体との接触」とは、発酵によっ
て得られた発酵液を含む液を固形担体と接触させれば足
り、従って、発酵によって得られた発酵液そのものを固
形担体に接触させる場合のみならず、発酵によって得ら
れた発酵液にその他のもの(例えば、希釈のための水)
を混合したものを固形担体に接触させる場合をも含む。
そして本浄化材は、浄化する対象の廃水に応じて適宜そ
の使用量(数)を選択調整することができ、本発明の効
果を奏する限度においてその使用量(数)を特に制限す
るものではない。
【0017】(本方法)そして前記果実の発酵液又はそ
の希釈液は、廃水に添加することで廃水を浄化すること
もできる。前記発酵液又はその希釈液の廃水への添加は
回分操作及び連続操作のいずれで行ってもよく、その添
加量は廃水中の有機物濃度、廃水温度、発酵液又はその
希釈液の中の微生物濃度等に応じて適宜定められればよ
い。そして本方法は、上記の本浄化材を用いてもよく、
これによって、より効果的にかつ継続的に廃水の浄化を
行うことができる。
【0018】(本システム)本浄化材を有する廃水処理
システムである本システムは、本浄化材を廃水に接触さ
せるように構成されていればよく、特に限定されるもの
ではない。例えば、本システムが、本浄化材が装入され
た1の反応槽を有し、該反応槽に連続的に廃水が供給さ
れ該反応槽から連続的に被処理水が排出されるようにさ
れたものであってもよい。供給された廃水が該反応槽を
通過する間に本浄化材に接触して浄化される。そして、
本システムは、複数段の反応槽を連なって備える廃水処
理システムであって、各反応槽内に本浄化材を1又は複
数個含み、各反応槽で処理された水が後段の反応槽に順
次移送されるように構成されてなるものであってもよ
い。こうすることで1段のみの反応槽によって浄化され
た廃水に比して、最終的に得られる処理済み廃水中の有
機物濃度を低減させることができる。さらに、前記各反
応槽が曝気手段を備えるものであってもよい。こうする
ことで廃水中の溶存酸素濃度を高め好気性細菌の活動を
高めることにより、一層効果的に廃水中の有機物分解を
行うことができる。曝気手段としては、空気等のような
酸素を含む気体を廃水中に吹き込む装置や、空気と廃水
との界面たる廃水の表面を撹拌する撹拌装置等を例示す
ることができる。
【0019】(本構造)本システムを備える水路構造で
ある本構造は、本浄化材を有する廃水処理システムたる
本システムが水路の途中に備えられ、該水路を流れる水
(廃水)を本システムが浄化する。ここに「水路」と
は、浄化すべき水(廃水)が流れる流路を広く含む概念
であり、例えば、河川、溝、土管、U字溝等を含む。本
システムを水路の途中に備えることで、該水路を流れる
間に廃水が浄化されるので好ましい。なお、本構造は、
本システムを水路の一部に備えていれば足り、水路の全
部にわたって本システムを備える必要はない(水路の全
部に本システムを備えるものであってよいことはいうま
でもない。)。また、前記水路の所定区間が、上方に位
置する上側水路と、該上側水路よりも下方に位置する下
側水路と、の別個の水路によって構成され、本システム
が該下側水路に備えられるものであってもよい。こうす
ることで該水路を流れる水量が所定量以下の場合には、
重力によって該水路を流れる水全てが本システムが備え
られた該下側水路を流れて浄化される一方、該水路を流
れる水量が該所定量を超えると該水路を流れる水の一部
が該上側水路を流れるようになり、該下側水路のみでは
流通できない水量となっても水路全体では流通可能にす
ることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために、実
施例を挙げる。しかしながら、本発明は、かかる実施例
によって何ら制限されるものではない。
【0021】(固形担体)図1は、本実施例で用いた固
形担体を示す一部断面正面図である(図1中、左右にの
びる中心線よりも上方が断面図であり、該中心線よりも
下方が正面図である。)。図1を参照して、固形担体1
1の構造について説明する。固形担体11は、いずれも
断面形状(中心軸に対して垂直な平面による切断面にお
ける形状をいう)が円環状の大径部13と小径部15と
が交互に連なる蛇腹形状の筒状形状をしている。この大
径部13は、固形担体11の内表面17にとって凹部に
なり、外表面19にとって凸部となっている。また小径
部15は、固形担体11の内表面17にとって凸部にな
り、外表面19にとって凹部となっている。このため固
形担体11は、その内表面17と外表面19との両方に
凹凸が形成された筒状形状をしている。なお、ここで用
いた固形担体17は、三菱樹脂株式会社製のヒシパイプ
(登録商標)PBシリーズに用いられる共通付属品「サ
ヤ管」品番164M1(サイズ28、外径D=34.0
mm、最小内径d=26.7mm)を長さ約45mmに
切断して使用した。
【0022】(果実の発酵液の調製)ブドウ(山野に自
生する山ブドウ)の実2kgと、柿(富有柿)の実2k
gと、ぎんなんの胚乳の部分2kgと、いちご(山野に
自生する野いちご)の実2kgと、すももの実2kg
と、を果実として用いた。これら全てを容器に投入し、
充分に潰して果肉液を得た。この果肉液に対して重量割
合で約4%の量の糖蜜を該容器に添加し(最初の糖蜜添
加)、該容器の内容物を充分に撹拌した。なお、ここで
用いた糖蜜は、三井製糖株式会社製の糖蜜(分析値、B
x.(ブリックス)83.6、Pol.(しょ糖分)3
0.8、Pty.(純糖率)36.8、R.S.(還元
糖分)15.4、粘度6581cp)であった。充分に
撹拌された果肉液と糖蜜との混合物は、該容器中で1ヶ
月間貯蔵された。この間、該容器は室温下(約20℃)
に置かれたが、該混合物の発酵によってやや発熱した。
1ヶ月間貯蔵された該混合物に、上記と同量の前記糖蜜
をさらに添加し、充分に撹拌した。その状態で、再び室
温下の該容器中で1ヶ月間貯蔵された。その後、同様に
1ヶ月に1回ごと、該容器内部に上記と同量の前記糖蜜
を添加し撹拌して室温下の該容器中で貯蔵した。最初の
糖蜜添加から1年が経過したところで、該容器の内容物
を果実の発酵液とした。そして該果実の発酵液を重量基
準で約150倍に水で希釈し、希釈発酵液とした。な
お、該果実の発酵液の希釈倍率はここでは約150倍と
したが、通常30〜300倍に希釈すればよい。
【0023】(廃水処理システム)図2は、一実施例の
本システムを示す概略断面図である。図2を参照して、
一実施例の本システムについて説明する。本システム2
1は、第一反応槽23と第二反応槽25との2段(複数
段)の連なった反応槽を備えている。まず、本システム
21に装入される廃水は、廃水装入配管27を経て第一
反応槽23中へと装入される。次いで、第一反応槽23
中で処理された廃水は、廃水中継配管29を経て第二反
応槽25へ移送される。そして第二反応槽25中で処理
された廃水は、廃水排出配管31を経て本システム21
の系外へと排出される。なお、第一反応槽23から第二
反応槽25への廃水移送と第二反応槽25からの廃水排
出とのいずれも、両側の液面高差によって行うようにな
っている。一方、第一反応槽23と第二反応槽25との
各反応槽内には本浄化材41が複数個含まれている。な
お、本浄化材41は、後述のように希釈発酵液(果実の
発酵液)と固形担体11とを接触させることによって得
られる。なお、本浄化材41の数は、図面に示すものに
何ら制限されるものではない。そして、第一反応槽23
と第二反応槽25との各反応槽には、曝気手段たる空気
吹き込み配管33、35が備えられている。空気吹き込
み配管33、35には図示しないエアーコンプレッサー
が接続されており、空気吹き込み配管33、35がその
先端に有する、多数の細孔が形成された吹き出し管33
a、35aから多数の気泡37が形成されている。
【0024】(本システムを用いた本浄化材の調製等)
本システム21の運転を開始する際の手順について説明
する。第一に、いずれも空の状態の第一反応槽23と第
二反応槽25とに水800リットルずつをそれぞれ装入
する。その後、第一反応槽23と第二反応槽25とに前
記希釈発酵液200リットルずつをそれぞれ装入する。
この状態で、第一反応槽23と第二反応槽25との内容
物(いずれも水800リットルと前記希釈発酵液200
リットルとの混合物)それぞれを、図示しないひしゃく
によって十分撹拌する。第二に、図1に図示した前記の
固形担体11を、第一反応槽23と第二反応槽25とに
それぞれ投入する。このとき固形担体11の投入量は、
各反応槽の容積に対する固形担体11の充填体積が第一
反応槽23では略50%となるように、そして第二反応
槽25では略70%となるようにされた。なお、この状
態では、各反応槽に充填された固形担体11の全てが、
各反応槽内の前記内容物(いずれも水800リットルと
前記希釈発酵液200リットルとの混合物)に浸漬され
る。 第三に、曝気手段たる空気吹き込み配管33、3
5によって、第一反応槽23と第二反応槽25とに空気
の吹き込みを開始する。空気を吹き込んだ状態のまま一
昼夜保持する。以上のようにして、果実の発酵液(ここ
ではその希釈液を用いた)と固形担体11とを接触させ
ることによって浄化材41を得ることができる。この
後、廃水装入配管27から第一反応槽23中へと廃水の
装入を開始することで、廃水の浄化処理を始めることが
できる。
【0025】なお、このようにして本システム21を用
いて廃水を処理したところ、臭気もなく十分清浄化され
た被処理水を得ることができた。このため水洗トイレか
らの廃水を本システムによって浄化し、該浄化された水
を該水洗トイレの便器洗浄用水として用いることも可能
であり、ほとんど新しい水を要さない水洗トイレとする
ことができる。かかる水洗トイレは、高地、山地、乾燥
地等のような水の便が悪い場所であっても用いることが
できる。
【0026】(水路構造)図3は、一実施例の本構造
(水路構造)を示す概略断面図である。図3を参照し
て、一実施例の本構造について説明する。なお、図3は
U字溝(断面がU字形のコンクリート土木材料)によっ
て形成される水路構造を示しており、U字溝の長手方向
(U字溝の中で水が流れる方向)に平行な鉛直平面によ
って切断したところを示している。本構造61は、U字
溝51と、U字溝51の一端側を閉鎖する閉鎖板53
と、によって構成されている。U字溝51が形成する水
路65の所定区間63は、上方に位置する上側水路67
と、上側水路67よりも下方に位置する下側水路69
と、の別個の水路によって構成されている。上側水路6
7と下側水路69とは隔壁71によって仕切られてお
り、隔壁71の最上流部分には堰部73が形成されてい
る。
【0027】下側水路69には本システムが備えられて
いる。即ち、下側水路69は、上流側から順に、貯留部
81、第一反応槽83、第二反応槽85、第三反応槽8
7、第四反応槽89、第五反応槽91が連なって形成さ
れている。反応槽は、図3に図示された部分において第
一乃至第五反応槽の5段(複数段)が連なっている。そ
して第一反応槽83、第二反応槽85、第三反応槽8
7、第四反応槽89、第五反応槽91それぞれには、本
浄化材95が複数個含まれている。なお、本浄化材95
は、後述のように希釈発酵液(果実の発酵液)と固形担
体11とを接触させることによって得られる。なお、本
浄化材95の数は、図面に示すものに何ら制限されるも
のではない。
【0028】まず、本構造61に装入される廃水97
は、廃水装入配管96を経て貯留部81へと装入され
る。なお、貯留部81は、U字溝51と閉鎖板53とに
よって形成されている。次いで、貯留部81へ装入され
た廃水97は貯留部81から第一反応槽83へ移送さ
れ、第一反応槽83において本浄化材95に接触する。
第一反応槽83において本浄化材95に接触し有機物等
を分解され浄化された廃水は、第一反応槽83から第二
反応槽85へ移送され、第二反応槽85において本浄化
材95に接触する。廃水は、第二反応槽85において本
浄化材95に接触し有機物等を分解され浄化される。こ
のように廃水は、第一反応槽83、第二反応槽85、第
三反応槽87、第四反応槽89、第五反応槽91を順次
通過する際に、本浄化材95に接触し有機物等を分解さ
れ浄化される。最終的には、廃水は、図示しないU字溝
51の他端側から排出される。
【0029】なお、貯留部81から第五反応槽91への
廃水移送は、堰部73によって高められた貯留部81の
液面高さによって行われている。そして廃水装入配管9
6から装入される廃水97が増加し下側水路69のみで
は流通できなくなると、自然に廃水97が堰部73を越
えて上側水路67に流入し、廃水97の一部は上側水路
67を流通するようになる。このため多量の廃水97が
装入されるようになっても、廃水97があふれ出すこと
等を防止することができる。そして、ここでは本構造の
一例としてU字溝によって形成された水路構造を示した
が、これに限定されるものではなく、例えば、他の水
路、河川、溝、排水管等にかかる構造を適用してもよ
い。
【0030】(本構造を用いた本浄化材の調製等)本構
造61の運転を開始する際の手順について説明する。第
一に、図1に図示した前記の固形担体11を、第一反応
槽83、第二反応槽85、第三反応槽87、第四反応槽
89、第五反応槽91にそれぞれ所定個数装入する。こ
のとき固形担体11の装入量は、各反応槽の容積に対す
る固形担体11の充填体積が全ての反応槽(第一反応槽
83、第二反応槽85、第三反応槽87、第四反応槽8
9、第五反応槽91)において略70%となるようにさ
れた。なお、この時点では、第一反応槽83、第二反応
槽85、第三反応槽87、第四反応槽89、第五反応槽
91には廃水を含めて水は存しない。第二に、別の容器
に、水800リットルと前記希釈発酵液200リットル
とを装入する。この状態で、該容器の内容物(水800
リットルと前記希釈発酵液200リットルとの混合物)
をひしゃくによって十分撹拌する。第三に、該容器の内
容物(水800リットルと前記希釈発酵液200リット
ルとの混合物)を、本構造61の貯留部81に装入す
る。このとき第一反応槽83、第二反応槽85、第三反
応槽87、第四反応槽89、第五反応槽91のそれぞれ
の反応槽に該容器の内容物が十分満たされるようにす
る。こうすることで、固形担体11が該容器の内容物と
十分接触する。この状態のまま一昼夜保持する。以上の
ようにして、果実の発酵液(ここではその希釈液を用い
た)と固形担体11とを接触させることによって、U字
溝51内部で浄化材95を得ることができる。この後、
廃水装入配管96から貯留部81への廃水97の装入を
開始し、廃水の浄化処理を始めることができる。なお、
このようにして本構造61を用いて廃水を処理したとこ
ろ、臭気もなく十分清浄化された被処理水を得ることが
できた。
【0031】そして、本実施例では、果実の発酵液の調
製のための果実として、ブドウ(山野に自生する山ブド
ウ)の実と、柿(富有柿)の実と、ぎんなんの胚乳の部
分と、野いちご(山野に自生するいちご)の実と、すも
もの実と、を混合し果実として用いたが、これらの個々
の果実1種類のみを用いて果実の発酵液を調製しても、
混合して用いた場合とほぼ同様な浄水効果が得られた。
さらに、アケビの実やイチゴの実を用いても、ほぼ同様
な浄水効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で用いた固形担体を示す一部断面正面
図である。
【図2】一実施例の本システムを示す概略断面図であ
る。
【図3】一実施例の本構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
11 固形担体 13 大径部 15 小径部 17 内表面 19 外表面 21 本システム 23 第一反応槽 25 第二反応槽 27 廃水装入配管 29 廃水中継配管 31 廃水排出配管 33、35 空気吹き込み配管 33a、35a 吹き出し管 37 気泡 41 本浄化材 51 U字溝 53 閉鎖板 61 本構造 63 水路の所定区間 65 水路 67 上側水路 69 下側水路 71 隔壁 73 堰部 81 貯留部 83 第一反応槽 85 第二反応槽 87 第三反応槽 89 第四反応槽 91 第五反応槽 95 本浄化材 96 廃水装入配管 97 廃水

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃水中に浸漬され該廃水を浄化する浄化材
    であって、果実の発酵液と固形担体とを接触させること
    によって得られる浄化材。
  2. 【請求項2】前記果実が、ブドウ、柿の実、アケビ、イ
    チゴ、野イチゴ、すもも、ぎんなんよりなる群より選ば
    れるものである、請求項1に記載の浄化材。
  3. 【請求項3】前記固形担体が、前記固形担体の内表面か
    外表面かの少なくとも一方に凹凸が形成された筒状形状
    である、請求項1又は2に記載の浄化材。
  4. 【請求項4】前記固形担体が、大径部と小径部とが交互
    に連なる蛇腹形状である、請求項3に記載の浄化材。
  5. 【請求項5】果実の発酵液を浄化材として用いることを
    特徴とする廃水の浄化方法。
  6. 【請求項6】前記果実が、ブドウ、柿の実、アケビ、イ
    チゴ、野イチゴ、すもも、ぎんなんよりなる群より選ば
    れたものである、請求項5に記載の浄化方法。
  7. 【請求項7】前記浄化材が、前記発酵液を固形担体に接
    触させて調製されるものである、請求項5又は6に記載
    の浄化方法。
  8. 【請求項8】前記固形担体が、前記固形担体の内表面か
    外表面かの少なくとも一方に凹凸が形成された筒状形状
    である、請求項7に記載の浄化方法。
  9. 【請求項9】前記固形担体が、大径部と小径部とが交互
    に連なる蛇腹形状である、請求項8に記載の浄化方法。
  10. 【請求項10】請求項5乃至9のいずれかに記載の浄化
    方法に用いられる前記発酵液。
  11. 【請求項11】請求項1乃至4のいずれかに記載の浄化
    材を有する廃水処理システム。
  12. 【請求項12】複数段の反応槽を連なって備える廃水処
    理システムであって、 各反応槽内に請求項1乃至4のいずれかに記載の浄化材
    を1又は複数個含み、 各反応槽で処理された水が後段の反応槽に順次移送され
    るように構成されてなる、廃水処理システム。
  13. 【請求項13】前記各反応槽が曝気手段を備えるもので
    ある、請求項12に記載の廃水処理システム。
  14. 【請求項14】請求項11乃至13のいずれかに記載の
    廃水処理システムを備える水路構造。
  15. 【請求項15】前記水路の所定区間が、上方に位置する
    上側水路と、該上側水路よりも下方に位置する下側水路
    と、の別個の水路によって構成され、 前記廃水処理システムが該下側水路に備えられるもので
    ある、請求項14に記載の水路構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101744023B1 (ko) * 2016-08-31 2017-06-07 주식회사 한국환경기술 복합효소 미생물 제제를 이용한 오폐수 처리 및 악취 제거 바이오 미생물 공법

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