JP2001149225A - 高熱効率アウトドア用ケトル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来技術のアウトドア用ケトルでは、ケトル底
面からのみの伝熱であるために伝熱面積が非常に小さ
く、ケトル側面からの熱損失もとても大きく、熱効率が
大変悪いという欠点がある。 【解決手段】フィンをアウトドア用ケトル側面と底面の
内部と外部に配列して伝熱面積を増加させる一方、高温
の燃焼ガスと長い時間接触させて伝熱量を増大させ、さ
らに器具側面にはカバーを取り付けることによって熱損
失を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術分野】この発明は、アウトドアで湯
沸しをするときに用いるケトルに関する。

【従来の技術】従来のアウトドア用ケトルは、比較的凹
凸の少ない底面からのみ熱の授受が行われており、屋外
ということもあって貴重な燃料からの熱のほとんどが大
気中に棄てられている。また、底面と同等の材質で成形
された側面からの熱損失に対しては全く対策が取られて
いないこともあって、せっかく暖められたケトル内部の
熱も外気に放出されてしまう。

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
従来技術によれば、ケトル底面からのみの伝熱であるた
めに伝熱面積が非常に小さく、熱効率が大変悪いという
欠点がある。加えて、ケトル側面からの熱損失が極めて
大きく、アウトドアという厳しい条件のもとでは熱の大
部分を大気中に棄てていることになり、トータルの熱効
率はかなり悪くなってしまう。そこで、この発明は、内
部液体および火炎と接する容器の伝熱面積を大きくし、
側面からの熱損失を低減することによって、熱効率を大
幅に向上させることが可能なアウトドア用ケトルを提供
することを課題とする。

【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、伝熱面積を増大させる目的で
ケトルの外側と内側にフィンを配列し、ケトル容器を介
して内部液体および火炎との伝熱性能を向上させること
を特徴とするアウトドア用ケトルである。請求項２の発
明は、ケトル側面にカバーをつけることによってアウト
ドアにおける防風の役割と、加えて火炎からの熱をすべ
て取り込んで空気層を形成することによって側面からの
熱損失を大幅に低減するという特徴を有する請求項1記
載のアウトドア用ケトルである。

【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を、図１、
図2および図3に示す。アウトドア用湯沸し器具の代表で
あるケトル１の側面には、内側と外側にフィン2が配列
され、伝熱面積を増大させている。特に外側のフィン
は、図2に示すように傾斜を付けて取り付けられてお
り、できるだけ長い時間高温の燃焼ガスと接触するよう
にしてある。底面フィン３についても、図3に示すよう
に同心円状のフィンを内側と外側に多数設けることによ
って、伝熱面積を増加するばかりではなく、高温の燃焼
ガスを停滞させる効果を持たせている。さらに、ケトル
１はカバー４で覆われており、側面からの熱損失を低減
するようになっている。ケトル１とカバー４で挟まれた
空隙の最上部には金属メッシュ５が取り付けてあり、空
気層をすり抜ける高温の燃焼ガスに燃焼を妨害しない程
度の抵抗を与えて、できるだけ長い時間高温のガスと接
触するようにしている。「 実施形態の効果」 この実施形態によれば、側面フィン２および底面フィン
３によって伝熱面積を大きくすることが可能となり、加
えて高温の燃焼ガスと長い時間接触させることが可能と
なるため、伝熱量を大きくすることができる。また、カ
バー４の効果によってケトル側面からの熱損失を大きく
低減することができ、結果的に総合的な熱効率の向上に
つながる。「 他の実施形態」 図１、図2および図3の実施形態では、ケトルの底面フィ
ン３に同心円状のフィンを使用し、側面フィン２には矩
形のフィンを取り付けているが、器具の用途に応じて、
底面に放射状や渦巻き状のフィンを配置したり、側面底
面ともにピンフィンを配列する。側面の傾斜フィンには
垂直に多数枚配列したフィンも含む。また、使用条件の
厳しいアウトドアにおいて効果が期待できることから、
図4に示すように一般家庭における湯沸し用のやかんに
応用することによって、なお一層の省エネルギー効果を
持った湯沸し器具となる。さらに、伝熱面積を増大させ
るという目的からすると、多数本配列された水管の周り
を高温の燃焼ガスが通過する図5に示すような究極的な
湯沸し器具も他の実施形態として含まれる。

【発明の効果】この発明による形態を具備したケトルを
用いた場合、同じ水温に到達するまでの時間は従来のケ
トルと比較して約半分で済むことを実験で確認した。こ
のときの熱効率は、従来の器具では約４０％、本実施形
態を施したケトルでは７４％となり、この発明によって
約８割の熱効率の増加が期待できる。以上説明したよう
に、この発明によれば、総合的な熱効率の向上によっ
て、従来のアウトドア用ケトルよりも本発明によるケト
ルのほうが圧倒的に優れた省エネルギー効果を有してい
る。アウトドアにおいては燃料が大変貴重であり、使用
器具の高熱効率化が非常に重要であることから、この発
明は大きな意義がある。また、器具の軽量化という点に
ついても、チタンなどの軽量な金属がアウトドア用に使
用されるようになったことなどからも、この発明は実現
可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態を示した高熱効率ケトル
の概略図である。

【図２】この発明の一実施形態を示した高熱効率ケトル
の側面フィン形状の図である。

【図３】この発明の一実施形態を示した高熱効率ケトル
の底面フィン形状の図である。

【図４】この発明の他の実施形態を示した高熱効率やか
んAの概略図である。

【図５】この発明の他の実施形態を示した高熱効率やか
んBの概略図である。

【符号の説明】

１ ケトル ２ 側面フィン ３ 底面フィン ４ カバー ５ 金属メッシュ ６ やかん ７ 水管

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】伝熱面積を増大させる目的でケトルの外側
   と内側にフィンを配列し、ケトル容器を介して内部液体
   および火炎との伝熱性能を向上させることを特徴とする
   アウトドア用ケトル。
2. 【請求項２】ケトル側面にカバーをつけることによって
   アウトドアにおける防風の役割と、加えて火炎からの熱
   をすべて取り込んで空気層を形成することによって側面
   からの熱損失を大幅に低減するという特徴を有する請求
   項1記載のアウトドア用ケトル。