JP2001143983A - 電子線照射処理方法 - Google Patents

電子線照射処理方法

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JP2001143983A
JP2001143983A JP32287599A JP32287599A JP2001143983A JP 2001143983 A JP2001143983 A JP 2001143983A JP 32287599 A JP32287599 A JP 32287599A JP 32287599 A JP32287599 A JP 32287599A JP 2001143983 A JP2001143983 A JP 2001143983A
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tube
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helium
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空管型の電子線管と被処理物との距離が長
くなっても、大きなエネルギーの電子線を被照射物に照
射できるようにし、ワークが厚かったり、大きなワーク
であっても処理できるようにすること。 【解決手段】 電子線管3(EB管)から放射される電
子線は、窓4を介して処理室5内に放射され、ワーク1
上に塗布されたレジストやインキ等の被照射物2に照射
される。処理室5内は、空気(窒素)よりも低い密度の
気体(ヘリウム、窒素とヘリウムの混合ガス、ネオン
等)の雰囲気とする。処理室5内を、空気(窒素)より
も密度の低い気体の雰囲気としたので、電子線管から照
射される電子線が到達する距離を長く、また、到達する
範囲を広くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等に
塗布されたレジストの硬化や、各種印刷物に塗布された
インキの乾燥など、電子線を被照射物に照射して被照射
物を化学変化させて処理する電子線照射処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ等のに塗布されたレジスト
の硬化、基板等に塗布された塗料、インキ、接着剤、保
護用樹脂の乾燥や硬化のために、電子線照射を利用する
ことが提案されてきている。電子線管には、電界放出型
と熱電子放出型の2種類がある。いずれの方式において
も、チャンバの中に、カソードとアノードとを備えた電
子線源を備え、該チャンバ内に被照射物を配置するもの
である。電界放出型の電子線管としては、例えば、特表
平11−505670号公報の図1に示すものが知られ
ている。電界放出型の電子線管は、被照射物を配置する
チャンバ内を高真空にする必要がある。
【0003】一方、近年、窓を有する真空管型の電子線
管が市販されるようになった(例えば、特表平10−5
12092号公報参照)。上記電子線管は、電子線を透
過させる窓を有する真空容器内に熱電子放射部と電子線
加速部を設け、上記熱電子放射部から放出される熱電子
を上記電子線加速部で加速して上記窓から放射させるよ
うにしたものである。このような電子線管を用いると、
電子線管の窓から常圧空気中に電子線を取出すことがで
きる。このため、被照射物が配置される雰囲気を減圧す
る必要がなく、減圧のための真空ポンプや真空チャンバ
が不要となり、電子線照射処理装置の構成が簡単で取扱
いも容易になる。
【0004】図6に、上記窓を有する真空管型の電子線
管(以下EB管と呼ぶ)を用いて被照射物に電子線を照
射する電子線照射処理装置の概略構成を示す。同図にお
いて、1は被照射物が塗布されたウエハや基板等(以下
では、被照射物が塗布された基板等のことをワークと呼
ぶ)、2はワーク1上に塗布されたレジストやインキ等
の被照射物、3は前記した真空管型の電子線管(EB
管)、4は電子線が放射される窓である。ワーク1は常
圧、窒素雰囲気中の処理室5内に置かれている。なお、
窒素の密度は1.25g/l 、空気の密度は1.28g/l
であり両者の密度に大きな違いがないので、ここでは窒
素雰囲気を空気雰囲気と同等であるとして説明する。電
子線はEB管3内で作られ、窓4から外部に出射され
る。EB管3を、実際に被照射物に電子線を照射する装
置として適用する場合、図6に示すように、窓4の近辺
に、窓冷却手段7を設ける必要がある。
【0005】電子線の通過によりEB管3の窓4が昇温
するので、窓冷却手段7により窓4を冷却する。具体的
には、例えば窓近辺に設けた配管から冷却風を窓4に向
かって吹きつけることにより冷却する。従来の電子線照
射処理装置は、上記のように窓冷却手段7を設ける必要
があるため、EB管3と被照射物2との間に15mm〜
30mm程度の空間が必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の電子線照射処理装置は窓冷却手段7を設ける必要があ
るため、EB管3と被照射物2との間に15mm〜30
mm程度の空間が必要となる。さらに、ワーク1の電子
線照射処理室への搬送のしやすさ、立体物や厚いワ一ク
を処理可能とすること等を考慮すると、EB管3の窓4
とワ一ク1との距離が大きくても電子線照射処理ができ
ることが好ましい。すなわち、電子線照射処理として
は、以下の条件を満たすことが望まれる。 窓からの距離が大きくなっても、被照射物に電子線
が照射されること。 窓からの距離が大きくなっても、被照射物の広い面
積に電子線が照射されること。 窓からの距離が大きくなっても、被照射物の上部と
下部とで同じ面積に電子線照射がされること(被処理物
の厚さ方向における電子線照射範囲が均一であるこ
と)。 本発明は上記した事情に鑑みなされたものであって、本
発明の目的は、EB管と被処理物との距離が長くなって
も、大きなエネルギーの電子線を被照射物に照射できる
ようにし、ワークが厚かったり、大きなワークであって
も処理をすることが可能な電子線照射処理方法を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明においては、窓を備えた真空管型の電子線管
により被照射物に電子線を照射して被照射物を処理する
に際し、被照射物が置かれる雰囲気を、空気(窒素)よ
りも低い密度の気体の雰囲気とした。これにより、電子
線管から照射される電子線が到達する距離を長く、ま
た、到達する範囲を広くすることができる。このため、
被照射物との距離を十分に大きく取ることができ、ワー
クが厚かったり、立体物である場合であっても処理が可
能となる。また、厚い被照射物であっても厚さ方向に均
一な処理が可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施例で使用した
電子線照射処理装置の構成を示す。同図において、1は
被照射物が塗布されたウエハや基板等のワーク、2はワ
ーク1上に塗布されたレジストやインキ等の被照射物、
3は前記したEB管、4は電子線が放射される窓であ
る。また、5は処理室であり、処理室5には、ガス導入
口5a、ガス導出口5bが設けられており、該ガス導入
口5aから処理室5内に空気(窒素)よりも低い密度の
気体(ヘリウム、ネオン等、あるいはそれらの混合気
体)を導入し、ガス導出口5bから処理室5内のガスを
排出する。これにより、処理室5内は上記気体に置換さ
れる。なお、図1には図示されていないが、前記図6に
示したように、窓4の近辺には窓冷却手段が設けられて
いる。
【0009】図1に示す装置を用い、ガス導入口5aか
ら処理室5内に、窒素、ヘリウム、ヘリウムと窒素がそ
れぞれ50%の混合気体(以下ヘリウム50%と略記す
る)、ネオンを導入し、以下の実験を行った。 (1)実験条件 5mm角の何も塗布されていないアルミ板をワーク1と
し、EB管3から電子線を照射しつつ、窓4から距離h
の位置に置いたアルミ板を水平方向(図1における左右
方向)に移動させながら該アルミ板に流れる電流値を測
定した。図1に示すように、ワーク1であるアルミ板に
は電線が取り付けられ、電線は処理室5外の電流検出器
に接続される。アルミ板には電子線が照射されると電流
が発生し、発生した電流は電流検出器によって検出され
る。この電流の積算値は電子線照射量に対応すると考え
られる。
【0010】図2に、例として、常圧窒素雰囲気、距離
h=20mm及び50mmにおける上記アルミ板の水平
方向の位置に対するアルミ板に流れる電流値〔μA〕
(同図の縦軸)の変化を示す。横軸はアルミ板の水平方
向の距離であり、水平距離0は、EB管3の窓の中心直
下の位置を意味する。また、同図のは距離h=20m
m、はh=50mmのときの電流値を示す。なお、図
2は1本のEB管を使用して、該EB管3に50kVの
電圧を印加し(電流200μA)、5mm角のアルミ板
に流れる電流を測定した結果を示したものである。
【0011】 実験では、前記した各気体を処理室5
内に導入し、いくつかの距離hに対して、図2のような
電流の変化曲線を測定し、電流値を積分した積分電流値
を求めた。この積分電流値の大小をもって距離hにおけ
る電子線照射量と定義した。距離hが大きくなっても、
積分電流値が変化しない(一定の値)であることが理想
的である。電流の変化曲線より半値幅(変化曲線のピー
ク値をPとしたときP/2のときの変化曲線の幅)を求
め、この半値幅を持って電子線が照射される面積と定義
した。半値幅が同一の場合、電流の変化曲線の形状は一
致すると仮定している。距離hが大きくなるほど、半値
幅が大きくなることが理想的である。 被処理物の厚さ方向における電子線照射範囲の均一
性を調べるため、7.5μmのポリイミド箔によりアル
ミ板を覆ったワークと、ポリイミド箔のないワークを使
用し上記電流値の半値幅を調べた。すなわち、ポリイミ
ド箔をワークに塗布された被処理物と仮定し、上記電流
値の半値幅を求めてポリイミド箔のないワークの半値幅
と比較し、このポリイミド箔の有無における半値幅の差
をもって、被処理物の厚さ方向における電子線照射範囲
の均一性と定義した。
【0012】ポリイミド箔の有無において、半値幅がほ
ぼ一致していれば、被処理物の上面と下面とにおいて、
電子線が照射される範囲は一致し、したがって、被処理
物の厚さ方向に均一に処理できることを意味する。しか
し、ポリイミド箔有りの場合の半値幅が、ポリイミド箔
なしの場合の半値幅よりも小さい場合は、被処理物の下
面において電子線が照射される範囲が、上面のそれより
も狭いということになり、被照射物の厚さ方向における
処理が不均一になることを意味する。これは処理不良の
原因となる。距離が大きくなってもポリイミド箔の有無
において、半値幅がほぼ一致することが理想的である。
電子線が該ポリイミド箔を通過するためには、20kV
以上のエネルギーを有する必要があることがわかってい
る。したがって、ポリイミド箔を通過すると半値幅が狭
くなるということは、被照射物に照射される電子線のエ
ネルギーが小さいということを示す。
【0013】以上の前提の基に、処理室5内の気体を変
えて、上記距離hに対する積算電流値、距離hに対する
電流値曲線の半値幅および距離hに対するポリイミド箔
の有無における電流値曲線の半値幅を測定した。なお圧
力は常圧である。 (2)実験結果1:距離hに対する積算電流値 まず、ポリイミド箔のないアルミ板を用い、前記距離h
に対する積算電流値を調べた。その結果を図3に示す。
図3において、横軸は、EB管3の窓からアルミ板まで
の距離h〔mm〕、縦軸は、前記した積算電流値〔μ
A〕である。なお、図3は図2と同様、1本のEB管3
を使用して、該EB管3に50kVの電圧を印加し(電
流200μA)、5mm角のアルミ板を使用した場合を
示したものである。
【0014】図3において、は常圧窒素雰囲気の場合
である。常圧窒素雰囲気の場合には、距離hが大きくな
るにつれて積算電流値は徐々に低下し、距離h=60m
mでほぼ0になる。はヘリウム雰囲気の場合である。
ヘリウム雰囲気の場合には、距離hの範囲が100mm
内であれば、積算電流値は、変動があるもののほとんど
低下せず、距離hが100mm以上であっても電流値が
検出される。即ち、距離hを大きくしても、充分に大き
な電子線の照射量が得られることがわかる。は、ヘリ
ウム50%雰囲気の場合である。ヘリウム50%雰囲気
の場合には、距離hが大きくなるにつれて積算電流値は
減少するが、電流値が0になるのは距離h=90mm
で、窒素雰囲気下よりも30mm長くなった。は、ネ
オン雰囲気の場合である。ネオン雰囲気の場合には、ヘ
リウムの場合に比べて効果は小さいが、電流値が0にな
るのは、距離h=70mmで、窒素雰囲気下よりも10
mm長くなった。
【0015】(3)実験結果2:距離hに対する半値幅 上記(2)と同様にポリイミド箔のないアルミ板を用
い、前記距離hに対する半値幅を調べた。その結果を図
4に示す。図4において、横軸は、前記距離h〔m
m〕、縦軸は、前記した半値幅〔mm〕であり、前記と
同様、1本のEB管3を使用して、該EB管3に50k
Vの電圧を印加し(電流200μA)、5mm角のアル
ミ板を使用した場合を示したものである。図4におい
て、が窒素雰囲気の場合である。窒素雰囲気の場合、
電流値の半値幅は距離h=30mmをピークに徐々に狭
くなる。は、ヘリウム雰囲気の場合である。ヘリウム
雰囲気の場合、距離hが大きくなるにつれて、半値幅は
増加した。即ち、距離hを大きくしても、広い範囲に電
子線が照射されることになる。は、へリウム50%雰
囲気の場合である。へリウム50%雰囲気の場合、距離
h=70mmまで半値幅は大きくなり、その後減少す
る。しかし、距離h=90mmになっても、窒素雰囲気
下における最大の半値幅に近い半値幅を有している。
は、ネオン雰囲気の場合である。ネオン雰囲気の場合、
ヘリウムの場合に比べて効果は小さいが、距離hが大き
くしても、窒素雰囲気下における半値幅よりも大きい。
【0016】ここで、広い面積のワークを全面にわたっ
て処理する場合、電子線を均一に照射するためには、複
数のEB管を並べて配置することになる。EB管同士を
配置する間隔は、経験的には、上記の半値幅と同じか、
やや狭い間隔にするのが適切である。即ち、半値幅が狭
いと、同じ面積を照射するのに対し、より多くのEB管
が必要になる。また、EB管は、使用時間(電子線照射
時間)に対して保証寿命が決められている。複数のEB
管を使用する場合、それらのEB管が常に保証寿命内に
有るように保全しておく必要がある。したがって、半値
幅が狭ければそれに応じて多くのEB管を使用する必要
があり、ランニングコストが高くなる。これに対し、半
値幅が広いと、EB管の配置間隔を広くする、すなわ
ち、所定の面積に対するEB管の本数を少なくすること
ができ、ランニングコストを下げることができる。
【0017】(4)実験結果3:被処理物の厚さ方向に
おける電子線照射範囲の均一度 ポリイミド箔のないアルミ板と、ポリイミド箔で覆った
アルミ板を使用して、前記距離hに対する半値幅を調べ
た。その結果を図5に示す。図5において、横軸は、前
記距離h〔mm〕、縦軸は、前記した半値幅〔mm〕で
あり、前記と同様、1本のEB管3を使用して、該EB
管3に50kVの電圧を印加し(電流200μA)、5
mm角のアルミ板を使用した場合を示したものである。
また、ポリイミド箔の厚さは7.5μmtである。図5
において、は窒素雰囲気下・ポリイミド箔なしの時の
半値幅、が窒素雰囲気下・ポリイミド箔ありの時の半
値幅である。、を比較すると、距離h=20mmま
では、ポリイミド箔の有無において半値幅は一致する。
しかし、距離h=20mm以上になると、はより小
さくなり、はh=40mmで半値幅がほぼ0となる。
すなわち、窒素雰囲気においては、被照射物の上面と下
面とで電子線が照射される範囲が異なることになる。特
に距離h=40mmになると、被照射物の上面には電子
線が照射され処理されるが、下面には電子線が到達せず
処理ができないことになる。
【0018】また、はへリウム雰囲気下でポリイミド
箔なしの時の半値幅、はヘリウム雰囲気下でポリイミ
ド箔ありの時の半値幅である。とを比較すると、距
離h=40mmまでは、ポリイミド箔の有無にかかわら
ず半値幅が一致する。すなわち、窒素雰囲気の場合と比
べ、距離hが大きくなっても被照射物の厚さ方向に関し
て均一な電子線照射範囲を得られることとなる。また、
図5から明らかなように、へリウム雰囲気下であれば、
ポリイミド箔有りの場合、距離hを大きくしても半値幅
が0になることがない。このことは、ヘリウム雰囲気下
であれは、被照射物の下面が処理されない(電子線が到
達しない)ということがないということを意味してい
る。ポリイミド箔の有る場合と無い場合とで、半値幅が
一致する距離hが長い方が、EB管と被照射物の照射面
との距離を長く取ることができる。したがって、ワーク
を配置するスペースが確保でき有利となる。また、同じ
距離hにおいては、より厚い(より高い電子エネルギー
に相当する)被照射物を厚さ方向に均一に処理すること
ができる。
【0019】(5)まとめ 以上の実験から、処理室5の雰囲気を、窒素(=空気)
にかえて、ヘリウム、ヘリウムと窒素の50%の混合気
体、ネオンとすることにより、EB管から照射される電
子線が到達する距離が長く、また、照射範囲が広くなる
ことが確認された。これは、空気の密度が約1.28g/
l 、窒素の密度が1.25g/l であるのに対し、ヘリウ
ムは密度=0.179g/l 、ヘリウムと窒素の50%の
混合気体は密度=約0.71g/l 、ネオンは密度=0.
90g/l であり、電子線が通過する雰囲気(気体)の密
度が低くなるため、電子線が雰囲気分子と衝突する確率
が小さくなり、電子線が到達する距離及び範囲が大きく
なるものと考えられる。また、電子線が雰囲気分子と衝
突する確率が小さくなるので、EB管と被処理物との距
離が長くなっても、電子線のエネルギーが大きい状態で
保持される。したがって、ポリイミド箔のようなエネル
ギー障壁があっても、通過できる電子線が多くなる、と
考えられる。
【0020】なお、以上では、処理室5内の気体を窒素
とした場合、ヘリウム、ヘリウムと窒素を50%の割合
で混合した混合気体、ネオンとした場合について示した
が、ネオンと窒素等を混合した混合気体や、その他、空
気より低い密度の気体である水素、メタン、あるいは、
これらと窒素等の混合気体であっても同様の効果が得ら
れるものと考えられる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
以下の効果を得ることができる。 (1)電子線を被照射物に照射する際の処理室を、空気
(もしくは窒素)よりも密度の低い、ヘリウムやネオン
等の気体の雰囲気とすることにより、EB管から照射さ
れる電子線が到達する距離を長く、また、到達する範囲
(=半値幅)を広くすることができる。したがって、E
B管の窓を冷却する手段を、EB管と被照射物との間に
設けても、被照射物との距離を十分に大きく取ることが
でき、ワークが厚かったり、立体物である場合であって
も処理ができる。 (2)電子線が到達する範囲を広くできる。このため、
広い面積に均一な電子線を照射するために複数のEB管
を配置する場合、EB管の個数を減らすことができる。
したがって、EB管が常に保証寿命内にあるように保全
しておく手間が減り、ランニングコストを低減化するこ
とができる。 (3)ある被処理物に対して、EB管と被処理物との距
離が長くなっても、被照射物の上面において電子線が照
射される範囲と、下面において電子線が照射される範囲
とが等しくすることができる。このため、EB管と被処
理物とのスペースを十分に取れるとともに、同じ距離で
あれば、厚い被照射物であっても厚さ方向に均一な処理
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で使用した電子線照射処理装置
の構成を示す図である。
【図2】窒素雰囲気におけるEB管の照射分布特性を示
す図である。
【図3】ヘリウム、ヘリウム混合気体、ネオン、窒素雰
囲気における距離hに対する積算電流値を示す図であ
る。
【図4】ヘリウム、ヘリウム混合気体、ネオン、窒素雰
囲気における距離hに対する半値幅を示す図である。
【図5】ヘリウム、窒素雰囲気においてポリイミド箔の
有/無の場合における距離hに対する半値幅を示す図で
ある。
【図6】真空管型の電子線管を用いて被照射物に電子線
を照射する電子線照射処理装置の概略構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ワーク 2 被照射物 3 電子線管(EB管) 4 窓 5 処理室 5a ガス導入口 5b ガス導出口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窓を備えた真空管型の電子線管により、
    被照射物に電子線を照射し、被照射物を処理する電子線
    照射方法であって、 空気よりも低い密度の気体の雰囲気において被照射物に
    電子線を照射することを特徴とする電子線照射処理方
    法。
JP32287599A 1999-11-12 1999-11-12 電子線照射処理方法 Pending JP2001143983A (ja)

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JP32287599A JP2001143983A (ja) 1999-11-12 1999-11-12 電子線照射処理方法
TW089118981A TW498422B (en) 1999-11-12 2000-09-15 Electron beam irradiation processing method
EP00124525A EP1100109A1 (en) 1999-11-12 2000-11-09 Electron beam irradiation processing method
KR1020000066986A KR20010051635A (ko) 1999-11-12 2000-11-11 전자선 조사 처리방법

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