JP2001143309A - 光ヘッド装置 - Google Patents

光ヘッド装置

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JP2001143309A JP32877199A JP32877199A JP2001143309A JP 2001143309 A JP2001143309 A JP 2001143309A JP 32877199 A JP32877199 A JP 32877199A JP 32877199 A JP32877199 A JP 32877199A JP 2001143309 A JP2001143309 A JP 2001143309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】位相補正素子をアクチュエータに搭載せずと
も、光ディスクチルトおよび対物レンズシフトによる波
面収差補正を効率よく行える光ヘッド装置。 【解決手段】液晶挟持の2枚の基板上に形成された電極
が、複数の部分電極に分割され、さらに波面収差が極値
をとる領域の部分電極を3つ以上の微小電極に分割して
異なる電圧が印加できるようにした位相補正素子4を、
光ヘッド装置のコリメートレンズ3と1/4波長板5の
間に設置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクなど光
記録媒体の光学的情報の記録・再生を行う光ヘッド装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクであるDVDは同じく光ディ
スクであるCDに比べ、ディジタル情報が高密度で記録
されており、DVDを再生するための光ヘッド装置は、
光源(半導体レーザ)の波長をCDの780nmよりも
短い650nmまたは635nmとしたり、対物レンズ
の開口数(NA)をCDの0.45よりも大きい0.6
にするなどしてレーザ光のビームスポット径をCDの半
分程度まで小さくしている。
【0003】さらに、次世代の光記録においては、光源
の波長を400nm程度、NAを0.6以上にすること
で、より高い記録密度を得ることができる。しかし、光
源の短波長化および対物レンズの高NA化を行った場
合、光ディスク面が光軸に対して直角より傾く光ディス
クチルトの発生によって、波面収差(主としてコマ収
差)量が大きくなるため集光特性が劣化して、光ディス
ク面上の信号の読み取りが困難になる。
【0004】高密度記録においては、光ディスクチルト
対する光ヘッド装置の許容量を拡げるためにいくつかの
方法が提案されている。一つは、通常2軸駆動の対物レ
ンズアクチュエータに対し、検出されたチルト角に応じ
て対物レンズを傾けるよう可動軸を追加する方式であ
る。しかし、この追加方式ではアクチュエータの構造が
複雑になる問題がある。
【0005】他の一つは、対物レンズと光源との間に位
相補正素子を備える方式である。この補正方式では、ア
クチュエータに大幅な改造を施すことなく光ヘッド装置
に素子を組み入れるだけでチルトできる許容量であるチ
ルトマージンを広げることができる。この補正方式の例
として、光ディスクチルトを補正する特開平10−20
263がある。これは、位相補正素子の電極を分割して
形成された部分電極に光ディスクチルト角に応じて電圧
を印加して、位相補正素子内部の液晶のような複屈折材
料の実効屈折率を変化させ、発生した位相シフト分布に
より光ディスクチルトに起因したコマ収差を補正するも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来提案されている位
相補正素子では、対物レンズの中心軸が光軸に一致して
いるときに、最適な収差補正ができるよう電極パターン
(部分電極のそれぞれの形状と、全体としての形状)が
設計されている。したがって、光ディスクのトラッキン
グサーボにより対物レンズがラジアル方向(光ディスク
の半径方向)に移動するズレが生じると、補正を必要と
する収差分布と位相補正素子に形成された電極パターン
との間に位置ズレが生じ、収差補正の機能が劣化する。
【0007】この対物レンズシフトに基く収差補正の機
能劣化を改善するためには位相補正素子をアクチュエー
タに搭載し、対物レンズと一体に駆動させる方法があ
る。しかしこの方法では、搭載する位相補正素子に合わ
せてアクチュエータを設計変更する必要があり、また一
方ではアクチュエータに搭載できる位相補正素子の大き
さ、重量に制限があるなどの困難があった。さらに位相
補正素子について、小型化の方法、信号引出線の配線方
法などに問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するためになされたものであり、光源と、光源から
の出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズ
と、光源と対物レンズとの間の光路中に設置されて出射
光の波面の位相分布を変化させて光記録媒体上における
波面収差を補正する位相補正素子と、位相補正素子に前
記位相分布を変化させるための電圧を供給する制御電圧
発生器とを備えた光ヘッド装置であって、前記位相補正
素子は波面収差が補正できるように、それぞれ電極が形
成された一対の透明な基板と前記基板間に挟持された液
晶層とを備えており、前記電極は、前記位相補正素子の
光軸と前記対物レンズの光軸とのズレ量に応じて、電圧
が部分ごとに印加できるように構成されていることを特
徴とする光ヘッド装置を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の光ヘッド装置に搭載され
る、位相補正素子は波面収差が補正できるように、それ
ぞれ電極が形成された一対の透明な基板と前記基板間に
挟持された液晶とを備えており、位相補正素子の光軸と
対物レンズの光軸とのズレ量に応じて電圧が部分ごとに
印加できるように構成されている。ここで、部分ごとに
印加できる構成とは、電極を複数個の部分電極などに分
割したり、シート抵抗の大きい膜状の電極に所望の電圧
分布が得られるように電圧供給用の端子を適切に配置す
るなどである。上記の構成によって、本発明の光ヘッド
装置では、位相補正素子をアクチュエータに搭載する必
要がなく、大きさ、重量などの制約を受けることなく波
面収差を補正できる。
【0010】図1に示した本発明の光ヘッド装置は、C
DまたはDVDなどの光ディスクである光記録媒体8に
記録された情報を再生するためのものである。光源であ
る半導体レーザ1から出射した光は例えばホログラムの
偏光ビームスプリッタ2を透過した後、コリメートレン
ズ3により平行光束となり、位相補正素子4、1/4波
長板5を透過した後、アクチュエータ7に設置された対
物レンズ6により光記録媒体8上に集光される。なお、
本発明における位相補正素子4については、後述する。
【0011】集光された光は、光記録媒体8により反射
され対物レンズ6、1/4波長板5、位相補正素子4、
コリメートレンズ3を順次先程とは逆に透過した後、偏
光ビームスプリッタ2により回折され光検出器9に入射
する。前述の半導体レーザ1から出た光が光記録媒体8
により反射される際、記録媒体上に形成されたピットに
より振幅変調され、この光は光検出器9により光強度信
号としてその記録情報を読み取ることができる。
【0012】また、光検出器9を構成している分割フォ
トディテクタからは、光記録媒体8上に集光された光ス
ポット位置のピット列からのズレに対応したトラッキン
グ誤差信号を得ることができる。トラッキング制御回路
12によりアクチュエータ7を制御することで、対物レ
ンズ6を光ディスクの光スポット位置を含む半径方向
(ラジアル方向)に調整して、光が常にトラック上で集
光するようになっている。
【0013】偏光ビームスプリッタ2は例えば偏光ホロ
グラムを備えており、偏光ホログラムの光学的異方性
(屈折率差)の極大の方向に偏光成分を有する光を強く
回折する。位相補正素子4は、位相補正素子制御回路1
1によりチルトセンサ10で検出された光ディスクのチ
ルト信号に応じて制御される。
【0014】次に本発明における位相補正素子の構成を
図2を用いて説明する。厚さ0.5mmの無アルカリガ
ラスを用いた透明な下部基板21aと上部基板21bと
が、エポキシ化合物を主成分とするシール材22により
接着されセルを形成しており、シール材22には例えば
ガラス製のスペーサと樹脂の表面に金を被膜した導電性
スペーサが含有されている。
【0015】下部基板21aのセル内側表面には、透明
電極24a、例えばシリカを主成分とする絶縁層25a
および配向膜26aがこの順に基板側から形成されてい
る。また、同様に下部基板21bのセル内側表面には、
透明電極24b、絶縁層25bおよび配向膜26bが形
成されている。
【0016】本発明における位相補正素子では透明電極
としてITOを用いる。しかし、光透過性と導電性があ
ればITOに限らず金属薄膜などでもよい。透明電極2
4aは複数の部分電極にパターニング(分割)されてお
り、さらに電極引出部27で制御電圧発生器である電源
からの配線と接続できるようパターン配線されている。
また、透明電極24bは前述の導電性スペーサにより下
部基板21a上に形成されたグランド電極(図示せず)
と電気的に接触しており、透明電極24aの部分電極同
様、電極引出部27で電源の配線と接続できる。
【0017】セル内部には液晶23が充填されており、
例えば、屈折率異方性(常光屈折率と異常光屈折率の
差)0.15のツイストしていないネマチック液晶を用
いる。また、下部基板21aと上部基板21bの間隔
(セル間隔)は例えば3μmとする。所望の位相シフト
量を得る手段として液晶の複屈折性を利用しており、液
晶材料の屈折率異方性を大きくしてセル間隔を小さくし
た方が応答性を高めることができて望ましい。しかし、
セル間隔が小さくなるほどセルの作製が困難になるた
め、液晶の屈折率異方性は0.1〜0.2、セル間隔は
2μm〜5μm程度にすることが望ましい。
【0018】また、ポリイミドを透明の基板上にスピン
コートし、焼成によってポリイミド膜とした後、ラビン
グ法により配向力を付与して配向膜とした。しかし、配
向膜は上記のようにポリイミドなどの有機薄膜を布など
でラビングする方法以外に、シリカの斜方蒸着などによ
っても製作される。本発明における位相補正素子では、
液晶分子28は図2に示すように図中左右方向に配向し
ている。
【0019】以下に、本発明における位相補正素子を従
来素子と比較して詳細に説明する。図3は、対物レンズ
のNAが0.6の場合における有効瞳径内の波面収差分
布を示しており、光ディスクチルトにより生ずる波面収
差のほとんどがコマ収差成分である。図中の数字、例え
ば−150nm〜150nmは、波面収差の大きさを表
わしており、正符号は波面(位相)が進んだ状態、負符
号は遅れた状態を表わす。そこで、光ディスクに集光す
る光が、位相補正素子により図3の波面収差量と逆相の
収差分布をあらかじめ形成できれば、光ディスクチルト
により生ずる波面収差を打ち消すことができる。本位相
補正素子は以下に示す原理により波面収差を打ち消して
いる。
【0020】図4中の位相差は、Δn・dで表され、Δ
nは3V印加した場合を基準にした透過光が感ずる液晶
23の屈折率であり、dはセル間隔である。印加する電
圧が0Vのときは、図2のように液晶分子28はほぼ基
板面に平行であり、nは液晶の異常光屈折率neにほぼ
等しくなる。印加する電圧を増加すると液晶分子は垂直
方向に配向していくが、6V程度までは完全に垂直な配
向とならず電圧により液晶分子の傾きが変わる状態にな
っている。
【0021】したがって、位相補正素子に印加する電圧
を制御すれば、液晶分子の配向方向に応じて式1に示す
位相差ΔPを与えることができる。 ΔP=Δn・d(2π/λ) ・・・式1 ここでλは光源の波長である。光ディスクチルトにより
発生する波面収差の分布は図3のようになっており、位
相補正素子の透明電極を例えば図5のようにパターニン
グして、発生する収差量に応じて各部分電極に対して電
圧を印加することで波面収差の分布と同様な位相シフト
分布を形成できれば、波面収差を相殺できる。
【0022】ここで、本発明における位相補正素子と比
較するために、従来の位相補正素子の電極パターンにつ
いて図5により説明する。図3の波面収差分布では、図
5の部分電極33に対して部分電極51、54が正の位
相量、部分電極52、55が負の位相量を有する。この
ことから、部分電極53に3Vを印加して、部分電極5
1、54には3V以上の電圧を印加し、部分電極52、
55には3V以下の適切な電圧を印加すれば、波面収差
の分布に対応した位相差分布を形成できる。
【0023】ここで、図5ような従来の電極パターンを
有する位相補正素子の場合、トラッキング制御などによ
り対物レンズの光軸と位相補正素子の光軸とでΔSの位
置ズレが生じることは、図3に示した波面収差の分布を
位相補正素子に対してΔSだけ平行移動することに等し
い。ΔSが±0.1mmにも満たない場合、電極パター
ンの大きさ(直径4mm)と比較して小さいため影響は
少ないが、ΔSが大きくなるとともに位相補正素子によ
る収差改善効果が小さくなる。
【0024】そこで、本発明における位相補正素子で
は、前記対物レンズシフトが生じた場合においても、さ
らに有効に位相補正機能が発揮されるような電極パター
ンを形成する。
【0025】この方法は、光ディスクチルトにより生ず
る波面収差の値が極値すなわち極大と極小をとる、電極
の少なくとも2つの部分にそれぞれ対応して部分電極が
配置されている。ここで、極値はある領域(部分電極の
大きさ)の中にあるとしている。そして、位相補正素子
の光軸と対物レンズの光軸とのズレを補正するように、
それぞれの極値に対応された部分電極は、さらに3つ以
上の微小電極に分割されているものである。この微小電
極は、極値と極値を結ぶ方向とは略直交する方向に分割
されていることが、ズレを補正するために好ましい。
【0026】ここでは、例えば極値を与える2個所の部
分電極がそれぞれ例えば5個の微小電極に分割されてい
る場合について説明する。図6は対物レンズシフトがな
い場合の位相補正素子に形成された部分電極、微小電極
に印加される電圧分布であり、図7は図6の右方向にレ
ンズシフトが生じた場合の電圧分布、図8は図6の左方
向にレンズシフトが生じた場合の電圧分布を示す。図6
の電極パターンは、3個の部分電極(62a、62b、
62c)と10個の微小電極(60a、60b、60
c、60d、60e、61a、61b、61c、61
d、61e)より構成されており,これらの電極はそれ
ぞれ独立に電圧が印加できるように制御電圧発生器であ
る位相補正素子制御回路の配線と接続されている。この
例において3個の部分電極と10個の微小電極のすべて
が形成する領域の円の直径は4mmである。
【0027】まず、対物レンズシフトがない場合につい
て位相補正素子の動作を図6を用いて説明する。この場
合は、微小電極60b、60c、60dおよび部分電極
62cに電圧V1を印加し、微小電極60a、60e、
61a、61eおよび部分電極62bに電圧V2を印加
し、微小電極61b、61c、61dおよび部分電極6
2aに電圧V3を印加する。
【0028】微小電極60b、60c、60dで形成さ
れる電圧V1領域の輪郭、および微小電極61b、61
c、61dで形成される電圧V3領域の輪郭は、従来例
である電極パターン(図5)の部分電極52、54の外
形とほぼ一致している。したがって、上述のように
1、V2、V3を光ディスクチルト角に応じて、V1>V
2>V3またはV1<V2<V3のように印加すれば、従来
例と同じく、波面収差を補正できる。
【0029】次に対物レンズシフトがある場合について
位相補正素子の動作を説明する。図6の右方向に対物レ
ンズシフトが生じた場合、波面収差の分布は位相補正素
子に対して右側にズレる。したがって、位相シフトを行
う機能の領域である前述の微小電極60b、60c、6
0d領域と微小電極61b、61c、61d領域が、対
物レンズシフトによる波面収差の分布のズレに追随して
移動できれば、対物レンズシフトが発生した場合でも適
切に波面収差を補正できるはずである。
【0030】ここでは、例えば図6の対物レンズシフト
がない場合に微小電極60b、60c、60dで形成さ
れる領域に印加した電圧V1を、図7の横線のハッチン
グ部分70c、70d、70eで形成される領域(図6
の微小電極60c、60d、60eに対応する領域)に
印加する。また、図6の対物レンズシフトがない場合に
微小電極61b、61c、61dで形成される領域に印
加した電圧V3を、図7の交差線のハッチング部分71
c、71d、71eで形成される領域(図6の微小電極
61c、61d、61eに対応する領域)に印加する。
【0031】部分電極72a、72cは対物レンズシフ
トによらず電圧V3、V1をそれぞれ印加して、残った7
2b、70a、70b、71a、71bにV2を印加す
る。微小電極70c、70d、70eで形成される領域
は、微小電極70b、70c、70dで形成される領域
とほぼ等しい輪郭形状を有しており、重心位置が0.3
mmの対物レンズシフトにより生ずる位相分布の移動量
に等しくなるように設計されている。この例の光ヘッド
装置における対物レンズシフト量は最大0.4mmであ
り、ここで重心位置を0.3mmずらした設計にするこ
とでどのレンズシフト位置でも適切に波面収差補正がで
きる。
【0032】したがって、トラッキング制御部より、所
定量以上の対物レンズシフトを行う場合に図6と図7の
状態を切りかえることで、大きな対物レンズシフトが発
生しても、ほぼ適切な波面収差補正を行うことができ
る。一方、図6の左方向にレンズシフトが生じた場合に
おいても、図8に示すように微小電極80a、80b、
82cに電圧V1、微小電極81a、81b、82aに
電圧V3、微小電極80c、80d、80e、81c、
81d、81eおよび部分電極82bに電圧V2を印加
すれば、同様にしてほぼ適切な収差補正を行うことがで
きる。
【0033】したがって、微小電極からなる部分電極
は、波面収差の極値部分形状に対応する形状を有してお
り、微小電極からなる部分電極の重心位置が位相補正素
子の光軸と対物レンズの光軸とのズレ量に応じて変化す
るように、微小電極が形成されていることが好ましい。
【0034】図9には、対物レンズNA0.6、光ディ
スク厚み0.6mmで光ディスクが1゜傾いた場合にお
ける波面収差の対物レンズシフト特性を、従来の位相補
正素子と本発明における位相補正素子とを比較して示し
た。上述したように、0.3mmの対物レンズシフト量
に対応した電極パターンを設計して0.2mm以上の対
物レンズシフトが生じたときに、電圧を印加する部分電
極および微小電極を切りかえる。この結果、上記の対物
レンズシフト範囲内で、従来例に比べ波面収差が低下し
信号の読み取り精度が向上した。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の光ヘッド装置に
おいては、位相補正素子により光ディスクチルトによる
波面収差を補正でき、さらに対物レンズシフトが生じた
場合にも、位相補正素子をアクチュエータに搭載しなく
ても良好な波面収差の補正特性を得ることができる。ま
た、位相補正素子をアクチュエータに搭載する必要がな
いため、位相補正素子とアクチュエータとをそれぞれ独
立に設計できるので、これらの光学部品の設計自由度を
大幅に向上させることができる。
【0036】また、これまで光ディスクチルトにより発
生する波面収差を補正することを説明したが、同じ補正
原理により光ヘッド装置の光学部品の位置ズレ、傾きな
どにより発生ずる波面収差も補正できる。例えば、組み
立て時に発生した対物レンズの傾きにより生ずる波面収
差(光ディスクチルト時に発生する波面収差と同等な成
分)を補正するように、位相補正素子の電極を構成し適
切な電圧を印加することにより、対物レンズが傾いて取
付けられた光ヘッド装置でも、適切に情報の記録・再生
ができる。そのために、本発明の光ヘッド装置では、位
相補正素子を組み入れることにより、対物レンズの傾き
調整など煩雑な光学部品の機械的調整を不要とし、組み
立て工程を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ヘッド装置の一例を示す原理構成
図。
【図2】本発明における位相補正素子の概略断面図。
【図3】光ディスクのラディアル方向のチルトにより発
生した波面収差分布を示す図。
【図4】本発明における位相補正素子が発生する位相差
の電圧依存性を示すグラフ。
【図5】従来例の位相補正素子の電極パターンの一例を
示す模式図。
【図6】対物レンズシフトがない場合の本発明における
位相補正素子に形成された電極(部分電極、微小電極)
の一例に印加される電圧分布を示す模式図。
【図7】図6の電極において、右方向に対物レンズシフ
トが生じた場合に印加される電圧分布を示す模式図。
【図8】図6の電極において、左方向に対物レンズシフ
トが生じた場合に印加される電圧分布を示す模式図。
【図9】従来例と本発明における位相補正素子のそれぞ
れの波面収差に対する対物レンズシフトの依存性を示す
グラフ。
【符号の説明】
1:半導体レーザ 3:コリメートレンズ 4:位相補正素子 5:1/4波長板 6:対物レンズ 8:光記録媒体 10:チルトセンサ 23:液晶 24a、24b:透明電極 27:電極引出部 51〜55、62a、62b、62c:部分電極 60a、60b、60c、60d、60e、61a、6
1b、61c、61d、61e:微小電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、光源からの出射光を光記録媒体上
    に集光させるための対物レンズと、光源と対物レンズと
    の間の光路中に設置されて出射光の波面の位相分布を変
    化させて光記録媒体上における波面収差を補正する位相
    補正素子と、位相補正素子に前記位相分布を変化させる
    ための電圧を供給する制御電圧発生器とを備えた光ヘッ
    ド装置であって、 前記位相補正素子は波面収差が補正できるように、それ
    ぞれ電極が形成された一対の透明な基板と前記基板間に
    挟持された液晶層とを備えており、 前記電極は、前記位相補正素子の光軸と前記対物レンズ
    の光軸とのズレ量に応じて、電圧が部分ごとに印加でき
    るように構成されていることを特徴とする光ヘッド装
    置。
  2. 【請求項2】前記電極の1つ以上はそれぞれ異なる電圧
    を印加できるように、複数個に分割されて部分電極とさ
    れ、前記光記録媒体のチルトにより生ずる波面収差の値
    が極値をとる、前記電極の少なくとも2つの部分にそれ
    ぞれ対応して部分電極が配置されており、それぞれの極
    値に対応された部分電極はさらに3つ以上の微小電極に
    分割されて構成されている請求項1に記載の光ヘッド装
    置。
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