JP2001138413A - 開封機構を備えた合成樹脂製の重袋の製造法 - Google Patents

開封機構を備えた合成樹脂製の重袋の製造法

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JP2001138413A
JP2001138413A JP32538399A JP32538399A JP2001138413A JP 2001138413 A JP2001138413 A JP 2001138413A JP 32538399 A JP32538399 A JP 32538399A JP 32538399 A JP32538399 A JP 32538399A JP 2001138413 A JP2001138413 A JP 2001138413A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開封時に誤ってシール線まで破断してしまう
ことが少ない開封機構を備えた重袋の製造法を提供す
る。 【解決手段】 扁平に折り重ねた筒状のシート(原反)
11における重袋の端縁となるべき部位12の近辺に、
端縁側が開いたV字状にミシン目線13を穿孔し、つい
で、端縁となるべき部位に沿って破断し、ついでミシン
目線13の開放側を閉じるように、シート11の幅全体
に端縁となるべき線12と平行な所定幅のシール線2を
ヒートシールにより形成して、開封機構を備えた合成樹
脂製の重袋1を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は開封機構を備えた合
成樹脂製の重袋の製造法に関する。ここにいう重袋と
は、穀類、肥料、培養土、合成樹脂、工業薬品などの粉
体ないし粒体を包装するために用いる比較的強度が高い
袋である。
【0002】
【従来の技術】このような合成樹脂製の重袋は、筒状に
形成した合成樹脂シートの一端をヒートシールにより閉
じて底部とすることにより形成される。ヒートシールは
通常は連続する筒状の合成樹脂シートを切断した後、あ
るいは切断と同時に行われる。他端の開口部は、内容物
を充填した後に、ヒートシールで閉じて包装体とされ
る。一般的には包装体は、1袋当たりの充填量が数キロ
グラムから15〜30kg程度と、比較的重量がある。そ
のため重袋の厚さは100〜200μmと、通常のゴミ
袋などに比してかなり厚い。そのため手で引きちぎるこ
とができず、シール部をナイフ、鋏、鎌などの刃物を利
用して切り裂くことにより開封している。
【0003】他方、実開平2−49815号公報には、
ヒートシールまたは縫着により閉じた一端に、散布用穴
を形成するための逆V字状の切り取り線を印刷またはミ
シン目で形成した肥料袋が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】重袋を取り扱う作業で
は、両手で積み上げたり積み降ろしたりする。そのため
開封のたびごとに刃物を手に取り、開封し、つぎに内容
物を重袋から排出するために刃物をしまうなど、取り扱
い作業が繁雑である。また、刃物の取り扱いにはかなり
気を使う。なお、紙などの他の開封素材を用いて開封機
構を構成することも考えられるが、その場合は材質が異
なるので、リサイクルしにくい。また実開平2−498
15号公報の肥料袋は、散布用穴を形成するためのもの
であって、シール全体を開封するものではなく、しかも
刃物を必要とする。
【0005】そこで本出願人は、先に合成樹脂製の重袋
のシール線と、そのシール線の近辺に、そのシール線を
一辺とする所定の領域を区画するように設けたミシン目
線とからなる合成樹脂製の重袋の開封機構を提案してい
る(特願平11−70959号参照)。このような開封
機構を採用した重袋では、ミシン目線に沿ってシール線
に達する開口部を形成し、その開口部から指を入れて両
面のシートを前後に開くと、シール線に沿った「境界切
れ」が生じる。それにより刃物などの道具を用いなくて
も、簡単に直線状に開封することができる。
【0006】そのようなミシン目線は、「境界切れ」に
スムーズに移行させるためにできるだけシール線に近接
して設ける。そのためミシン目線とシール線とが交差し
たり重なったりすることがある。その場合、ミシン目の
孔がシール線を飛び越えるときはよいが、シール線にミ
シン目の孔が重なることが多い。そのような重袋では、
開封するためにミシン目に沿って開口部を形成すると
き、たまにシール線まで破断してしまうことがある。シ
ール線を破断してしまうと、その後のシール線に沿った
境界切れにスムーズに移行できず、開封作業が困難にな
る。
【0007】本発明は、シール線とミシン目の孔が干渉
している場合でも、開封時にシール線が破れにくく、そ
れによりスムーズに境界切れに移行させうる開封機構を
備えた重袋の製造法を提供することを技術課題としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の開封機構を備え
た合成樹脂製の重袋の製造法は、端部に設けたシール線
と、そのシール線の一部を一辺とする所定の領域を区画
するミシン目線とからなる開封機構を備えた合成樹脂製
の重袋の製造法であって、扁平に折り重ねた筒状のシー
トにおける重袋の端縁となるべき部位の近辺に、端縁側
が開いた曲線状にミシン目線を穿孔し、ついで、ミシン
目線の開放側を閉じるように、端縁となるべき線と平行
な所定幅のシール線をヒートシールにより形成すること
を特徴としている(請求項1)。
【0009】そのような製造法においては、連続する筒
状のシートの途中に前記ミシン目線を穿孔し、ついで前
記シール線を形成するとき、またはその前に、端縁とな
るべき線を切断するのが好ましい(請求項2)。また前
記ミシン目の孔は、円形の小孔とすることもできるが、
破断方向に細長い切れ目とするのが一層好ましい(請求
項3)。
【0010】前記ミシン目線は、シール線の一部を底辺
とする三角形状に形成するのが好ましい。その場合、三
角形状のミシン目線の頂点部を親指よりいくらか大きい
円弧状とするのが好ましく、さらに三角形状の頂角を5
0〜70度とするのが好ましい。さらにミシン目を穿孔
した後、そのミシン目を破断容易な塗膜で覆うようにし
てもよい。
【0011】
【作用および発明の効果】本発明の製造法(請求項1)
は、ミシン目線を穿孔した後にヒートシールでシール線
を形成するので、仮にミシン目の孔の上にシール線が形
成される場合でも、その孔の周囲を含めてシール線全体
が硬化して伸びにくくなり、しかも孔が溶着により他の
部分と一体化し、破断作用を奏しなくなる。そのため、
重袋の内部に粉体や粒状体を充填している状態で、所定
の領域を区画するミシン目線の内側を指などで押圧し、
さらにミシン目線に沿って押し破っていくとき、シール
線に突き当たると破断の進行が停止し、シール線内のミ
シン目の孔まで破断が進まない。それによりシール線を
一辺とするシール線の内側の領域、すなわちシール線に
関して端縁とは反対側の所定の領域のみが開口し、シー
ル線は破断しない。
【0012】ついでその開いた開口部から指を入れて重
袋の前後のシートを両手で摘み、前後に引っ張ることに
より、破断線とシール線の交点部分から、いわゆる「境
線切れ」の原理により、シール線に沿って破っていくこ
とができる。したがって刃物などの道具を使用しなくて
も簡単に開封することができる。なお、前記領域が中央
部にある場合は、一般的には中央部から左右に開いてい
くので全開状態になる。しかし中央部から片側だけを開
くこともできる。
【0013】本発明の製造法で製造した重袋は、ミシン
目線の孔が通気性を有するので、別個に通気孔を形成し
なくても、充填後に袋内の空気が脱気される。そのため
積み上げ安定性が増す。また発酵物を充填した場合で
も、発酵過程で生ずるガスによる膨張を回避することが
できる。さらに高地などにおいて発生する残留空気の膨
張を回避することができる。
【0014】連続する筒状のシートの途中に前記ミシン
目線を穿孔し、ついで前記シール線を形成するとき、ま
たはその前に、端縁となるべき線を切断する場合(請求
項2)は、連続する筒状のシートを一方向に流しながら
ミシン目を形成し、順に切断するので、効率よく重袋を
量産することができる。
【0015】前記ミシン目線の孔を、切断方向に長い切
れ目として形成する場合(請求項3)、すなわち抜きカ
スがないように切れ目を入れる場合は、溶着によりほと
んど孔がなくなるので、一層シール線が破断しにくくな
る。
【0016】また前記領域をシール線の一部を底辺とす
る略三角形状とする場合は、ミシン目線の頂点部を指で
押圧することにより、集中的に力を加えることができ
る。そのため最初の破断がしやすい。またミシン目線と
シール線の交線が鋭角状になるので、シール線に沿って
境界切れを生じさせ始めるとき、容易に破れる。三角形
状の頂点部が親指よりいくらか大きい円弧状に形成する
場合は、頂点部を親指などを押しつけるとき、一層簡単
にその部分を押し破ることができる。また三角形状の頂
角を40〜90度とする場合は、頂点部に力を集中しや
すい。しかも三角形状に開いた後、開口部の縁部とシー
ル線とが45〜70度となるので、そのままシール線に
沿って一層容易に両側に開いていくことができる。ミシ
ン目を耐水性を有する破断容易な塗膜で覆う場合は、通
気性はなくなるが、ミシン目から水や湿気が侵入しにく
くなり、充填物を湿気から保護することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
の製造法の実施形態を説明する。図1は本発明の製造法
の一実施形態を示す斜視図、図2は本発明の製造法に用
いる製造装置の一実施形態を示すレイアウト図、図3は
図2のIII-III 線断面図、図4は本発明の製造法により
得られる重袋の一実施形態を示す平面図、図5はその重
袋の要部拡大図、図6はその重袋への充填作業を示す工
程図、図7は図6の包装体の開封手順を示す工程図であ
る。
【0018】始めに図4および図5を参照して本発明の
製造法で製造する重袋の実施形態を説明する。図4およ
び図5は製造された重袋1を上下逆にして示しており、
重袋1の下側にくるべき端縁10の中央に、開封機構A
を設けている。その開封機構Aは、重袋の端縁10の近
辺に、その端縁10と平行に設けたシール線2と、その
シール線2の一部を底辺とする三角形を構成するように
設けた2本の直線状のミシン目線3、4と、それらのミ
シン目線3、4の頂点部に設けられる円弧状のミシン目
線5とから構成されている。3本のミシン目線3、4、
5は連続して端縁側が開放された略V字状に形成され、
その開放側がシール線2によって閉じられている。ミシ
ン目線3、4、5とシール線2によって囲まれる三角形
状の領域7は、開封時に指を入れる開口となる。
【0019】このような重袋1は、図1に示すように、
扁平に折り重ねた継ぎ目のない筒状のシート(原反)1
1における、重袋の下端縁となるべき線12の近辺に、
略V字状のミシン目線13を穿孔し(穿孔工程S1)、
ついで下端縁となるべき線12を切断して1枚の筒状片
14とし(切断工程S2)、ついでシール線2となるべ
き線15に沿ってヒートシール加工を行ってシール線2
を形成する(ヒートシール工程S3)ことにより、連続
的に製造することができる。シール線2は下端縁となる
べき線12とほぼ平行であり、ミシン目線13の開放側
(図1では下側)を閉じて三角形状の領域(図5の符号
7)を区画するように形成する。切断工程S2で切断さ
れた切断端は、重袋の下側の端縁10となり、反対側の
切断端16は重袋1の上端になる。
【0020】上記の製造法のうち、ヒートシール工程S
3は、切断工程S2と同時に行うこともできる。さらに
ヒートシール工程S3の後に切断工程S2を行ってもよ
い。さらにあらかじめ所定の長さに切断した筒状片の端
部にミシン目線を穿孔し、その後、シール線を形成して
もよい。本発明の方法では、穿孔工程S1の後にヒート
シール工程S3を行うことが重要であり、切断工程S2
をいつ行うかについては、とくに限定されない。前記継
ぎ目のない筒状のシート(原反11)は、たとえばあら
かじめインフレーション法により製造し、両面に印刷を
行い、ロール状に巻き取ったものを利用しうる。なお印
刷工程は図2の製造装置20に組み込むこともできる。
上記の製造法は、たとえば図2および図3に示す製造装
置20により効率的に行うことができる。
【0021】図2および図3に示す製造装置20は、原
反ロール21を回転自在に支持する供給部22と、原反
11を繰り出すダンサー部23と、ミシン目線を入れる
穿孔部24と、所定の長さに切断する切断部25と、ヒ
ートシールを行うヒートシール部26とを備えている。
なお図2の符号27は製品を整列するスタッカーであ
り、符号28はコンベアである。また符号29は検査台
であり、符号30は所定枚数の重袋を重ねて梱包するた
めの梱包台であり、符号31はその梱包を搬出するため
のパレットである。図2では製造ラインをコ字状に構成
しているが、直線状に構成してもよい。
【0022】図3に示すように、原反ロール21は軸3
4に原反11を巻き取ったものであり、軸34は支持台
35により着脱自在、かつ回転自在に支持されている。
支持台35は軸34を回転駆動すると共に、必要に応じ
てブレーキをかけることができる。ダンサー部23は、
つぎに穿孔部24や切断部25で原反11を停止させな
がら加工するため、数本のロール36で原反11を1袋
の長さ分ずつ間欠的に送り出すための機構を備えてい
る。
【0023】穿孔部24では、駆動部および下型を備え
た受け台37と、上下に往復運動する型保持部38とを
備えており、その型保持部38にミシン目線を穿孔する
ための多数のピン状のパンチを備えた型39が取り付け
られている。受け台37は、原反11を重袋の長さ分ず
つ送ると一時的に停止し、型保持部38を上下に往復駆
動する。また通常は、原反11に位置決め用のマークを
印刷しておき、そのマークをセンサで検出し、重袋の下
端縁になるべき部位が型39に対して正しい位置関係と
なるようにして原反11を停止させる。それにより送り
方向の位置決めが行われる。
【0024】前記切断部25では、たとえば切断すべき
線のすぐ下側をホールド(ホルダー)41で掴み、切断
すべき線に沿ってカッター42を走らせることにより原
反11を切断するように構成している。その場合も、位
置決め用のマークをセンサで検出し、適切な位置で原反
を停止させて切断する。なお、穿孔部24と切断部25
の間には、両者の間の原反の長さを調節するための調節
ロール群43が設けられている。カッター42で切断さ
れた原反11は、そのままホールド41で挟んで図2の
ヒートシール部26に搬送され、ヒートシール加工が施
され、重袋の形態にされる。ヒートシール加工はバンド
シーラーなど、従来公知の装置および方法で行うことが
できる。またインパルスシール機でヒートシールしても
よい。
【0025】重袋1を構成する合成樹脂シートは、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン共重合体等のポリ
オレフィン系樹脂が好ましく、とくにポリエチレンが好
ましい。そのようなシートの厚さは用途や充填量によっ
ても異なるが、ポリエチレン製で、充填量25kgの重袋
の場合では、厚さ50〜200μm程度である。このも
のは前述のように公知の二軸延伸のインフレーション成
形により継ぎ目のない筒状に成形し、扁平に折り畳み、
ロール状に巻き取ることにより製造される。なお、1枚
のシートの側縁を中央に向かって折り重ね、側縁同士を
溶着した、継ぎ目のある筒状シートや、2枚のシートの
両側縁同士を溶着したものを用いることもできる。
【0026】前記穿孔工程S1により、図5に示すよう
なミシン目線3、4、5が得られるが、2本の直線状の
ミシン目線3、4の間の角度(頂角)θは、30〜90
度、とくに50〜70度程度とするのが好ましい。30
度未満では、頂点部が破りにくい。また三角形が縦長に
なり、破断線とシール線の角度が大きくなるため、破断
線からシール線への破断の進行がスムーズでない。逆に
頂角が90度を超えると、頂点部を指で押したとき、破
れ目の進行がミシン目線3、4から外れてシール線2に
対して直角に近い角度で破れることがある。また直線状
のミシン目線3、4の端部はできるだけシール線2とな
るべき線(図1の符号15)に近づけるのが好ましく、
そのためにシール線2とミシン目線13とが交差したと
してもかまわない。もしシール線2から離れれば、ミシ
ン目線に沿って指で押し破るとき、シール線2まで破断
せず、途中で止まり、それ以後は強引に破る必要が出て
来るためである。
【0027】図5において、頂点部の円弧状のミシン目
線5の半径Rは、5〜20mm程度が好ましく、とくに1
0〜15mm程度が好ましい。5mm未満では親指の半
径よりもかなり小さくなるため、親指で押したときに先
端部まで力が加わりにくくなり、初期開封がしにくくな
る。逆に半径Rが20mmを超える場合は、先端部の応
力集中が弱くなり、その場合も破りにくくなる。円弧状
のミシン目線13の内側には、親指で押すべきマーク、
たとえば図5に示す円形マークMや、矢印などのマーク
を設けるのが好ましく、さらに「指押し部」あるいは
「開封部」などの表示と共に設けてもよい。図面上はミ
シン目線を破線状に表現しているが、実際の製品ではミ
シン目線はかなり見にくく、また開封方法を直接示すこ
とができるからである。
【0028】またミシン目は切断方向に長い切れ目46
を間隔を開けながら設けるのが好ましい。切れ目46の
長さは0.5〜1.5mm程度が好ましく、1mm程度
がさらに好ましい。0.5mm未満では加工が難しく、
しかも破断しにくくなる。1.5mmを超えると粒状の内
容物がこぼれやすくなり、しかも強度が弱くなりがちで
ある。
【0029】切れ目46同士の間隔は、通常は3〜5m
m程度、とくに4mm程度がもっとも好ましい。3mm未
満では強度が弱くなりがちであり、とくにシール線2と
2ヶ所以上で重なるので、シール線2の強度が弱くな
る。また、5mmを超えるとミシン目線に沿って連続的
に破るのが困難になるからである。
【0030】ミシン目線13は、たとえば扁平に折り畳
んだ筒状のシートの状態で、図3に示すように、通常は
一面側から上型39で押圧することにより一度に設け
る。そのため、袋の両面のシートにそれぞれミシン目線
が形成される。したがっていずれの側からも開封するこ
とができる。ただしヒートシール工程でシール線を形成
するとき、ヒートシール用の型との関係で上下面に強弱
ができる場合は、強度が高い面から開封するのが好まし
い。その場合は前述のマークMはその面にのみ設ける。
【0031】ヒートシール工程では、開口部の上下2枚
のシート(図5の符号1a、1b)をヒートシールする
ことにより、閉じて袋状に構成する。シール線2は他の
部分に比して硬く、破れにくくなっている。
【0032】シール線2の幅は従来の重袋のシール線と
同程度でよく、たとえば2〜8mm程度、好ましくは4〜
6mm程度とする。開封機構Aの三角形7の底辺の長さ
Lは、シール線2でいわゆる境界切れを生じさせるきっ
かけになる部分であるので、重袋の大きさに関わらず、
たとえば30〜100mm程度、好ましくは60mm程度と
する。
【0033】上記のように穿孔工程S1の後にヒートシ
ール工程S3を行うと、穿孔工程で穿孔したミシン目線
13とシール線2とが重なった場合でも、ミシン目線の
切れ目46がヒートシール時に溶着され、シール線2の
強度が維持される。そのため、指でミシン目線13を破
断するとき、シール線2のところで破断が停止し、スム
ーズに境界切れに移行する。なお、切れ目46の間隔が
シール線2の幅よりも大きく、シール線2が都合よく2
個の切れ目46、46の間を通る場合は、もちろんミシ
ン目線13に沿った破断がシール線2に突き当たって停
止する。
【0034】上記のごとく構成される開封機構Aを備え
た重袋1は、図6に示すように、シール線2のある底部
を下にして、上部の開口部50から内容物51を充填
し、ついでヒートシールなどの封止手段で閉じることに
より包装体52となる。このように内容物を充填した場
合、内容物の重量がシートを内側から押圧するが、三角
形53の部分の面積が小さいので、勝手に破れることは
ない。また、内容物を充填してシールした場合、脱気の
孔を設けていない重袋(いわゆるノーピン仕様)では、
内部に空気が封じ込まれるので、積み上げると不安定に
なることがある。さらに内容物の充填し、シールした重
袋を、気圧が低い高地あるいは気温が高い地方に搬送す
ると、袋内の残留空気が膨張して、一層積み上げが不安
定になる。たとえば一般的見知では20度の温度差で1
5%の膨張が認められる。前述のミシン目線13を形成
した重袋の場合は、袋内の空気がミシン目から自由に脱
気されるので、上記の問題を回避することができる。
【0035】この包装体52を開封するには、図7に示
すように、シール線2を上側になるように縦置きし、あ
るいは開封機構Aが上面になるように水平置きにした上
で、三角形の頂点部、すなわち円弧状のミシン目線5の
内側(図5の場合は「○」のマークM)を親指で押す。
そうすると内容物によってシートが張っているので、円
弧状のミシン目線5が破断し、さらに両側の直線状のミ
シン目線3、4にも破断が及んでいく。
【0036】そして破断がシール線2に達すると、そこ
で一旦破断が止まり、三角形状の開口54が形成され
る。そこで開口54に指を入れて袋の前後のシート1
a、1bを摘み、前後(矢印P、P方向)に引っ張る
と、シール線2の内側の線に沿って境界切れを生じ、両
側に開いていく。このとき、ミシン目線3、4がシール
線2に対して鋭角で傾斜しているので、交差部に力が集
中し、スムーズに境界切れに移行する。なお、三角形状
の開口54から片側だけ開くこともできる。シール線2
に沿った開封は、シール線2の硬度とその隣接部の硬度
とが異なることに基づく、いわゆる「境界切れ」の原理
による。そのため、曲がったりせず、直線状に開いてい
くことができる。開封後は重袋1を斜めにして、あるい
は逆さまにして内容物を取り出す。
【0037】上記のように開封機構Aを備えた重袋1
は、開封するときにナイフ、鋏、鎌などの刃物が不要で
あり、簡単に、しかもまっすぐな線で開封することがで
きる。そのため開封作業を効率的に行うことができる。
また、重量物を充填している場合でも、ミシン目線が勝
手に破れることはない。
【0038】重袋1を構成する片面のシートをシール線
に沿って破断すれば、重袋1を開けることができるが、
さらに反対側のシートもシール線に沿って破断すれば、
シール線から外側の部分が比較的丈夫な紐状片になって
分離される。そのため、充填物の一部だけを取り出し
て、残りを重袋1内に保管しておく場合は、開口部分を
絞り、紐などで結ぶことがあるが、分離した紐状片を用
いると便利である。
【0039】前述の実施形態ではミシン目線13として
所定の間隔で穿孔した切れ目46を採用しているが、丸
い孔など、抜きカスが生ずるような形状に穿孔すること
もできる。その場合はミシン目線に沿った破断がしにく
くなる半面、強度が向上する利点がある。しかしヒート
シールでシール線2を形成するときに溶着しやすいこ
と、およびミシン目に沿った破断容易であることから、
細長い切れ目46でミシン目線を形成するのがもっとも
好ましい。
【0040】なお、重袋にミシン目線を穿孔する場合、
そのミシン目線から内部の空気を脱気できる利点がある
半面、ミシン目線から水や湿気が袋内に入ってくること
がある。そのため、充填物が湿気によって固まったりす
る粉体または粒状体の場合は、ミシン目線を形成した後
に、そのミシン目線を、耐水性を有し、しかも破断が容
易な塗膜で覆うのが好ましい。そのような塗膜を形成す
るには、たとえばゴムやポリオレフィン系共重合体など
の膜形成樹脂を揮発性の溶媒で溶かしたもの、あるいは
ワニスなどを噴霧、塗布あるいは印刷し、乾燥させれば
よい。
【0041】また前記実施形態では2本の直線状のミシ
ン目線3、4と円弧状のミシン目線5とから、ミシン目
線13全体を三角形状に設けているが、半円状、台形状
あるいは四角形状など、他の形状とすることもできる。
ただしその場合でも、指の形状よりいくらか大きい程度
の円弧状のミシン目線を初期開封部として設けるのが好
ましい。また、シール線に接続する部分は、シール線に
対して45〜75度、とくに55〜65度程度の角度で
接続させるのが好ましい。
【0042】前述の実施形態では、開封機構を両面のシ
ートにそれぞれ設けているので、製造が容易であり、い
ずれの側からも開封できる。しかし片側のシートのみに
設けるようにしてもよい。開封機構はシール線の中央部
に形成するのが好ましく、それにより前後のシートを充
分に開いていくことができる(図7参照)。しかし本発
明の開封機構はそれに限定するものではなく、片側に寄
っていてもよい。また一方または両方のコーナー部近辺
に設けるようにしてもよい。さらにミシン目線を重袋1
の上下端にそれぞれ設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の重袋の製造法の一実施形態をを示す
概略平面図である。
【図2】 本発明の製造法に用いる製造装置の一実施形
態を示すレイアウト図である。
【図3】 図2のIII-III 線断面図である。
【図4】 図1の製造法で製造した重袋の一実施形態を
示す平面図である。
【図5】 図4の重袋の要部拡大図である。
【図6】 図4の重袋への充填作業を示す工程図であ
る。
【図7】 図6で充填した包装体の開封手順を示す工程
図である。
【符号の説明】
A 開封機構 1 重袋 2 シール線 3 ミシン目線 4 ミシン目線 5 ミシン目線 7 領域 10 端縁 11 原反 12 下端縁となるべき線 13 ミシン目線 14 筒状片 15 シール線となるべき線 16 切断端 S1 穿孔工程 S2 切断工程 S3 ヒートシール工程 20 製造装置 21 原反ロール 22 供給部 23 ダンサー部 24 穿孔部 25 切断部 26 ヒートシール部 27 スタッカー 28 コンベア 29 検査台 30 梱包台 31 パレット 34 軸 35 支持台 36 ロール 37 受け台 38 型保持部 39 型 41 ホールド 42 カッター 43 調節ロール群 46 切れ目 50 開口部 51 内容物 52 包装体 54 開口 1a、1b シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部に設けたシール線と、そのシール線
    の一部を一辺とする所定の領域を区画するミシン目線と
    からなる開封機構を備えた合成樹脂製の重袋の製造法で
    あって、扁平に折り重ねた筒状のシートにおける重袋の
    端縁となるべき部位の近辺に、端縁側が開いた曲線状に
    ミシン目線を穿孔し、ついで、ミシン目線の開放側を閉
    じるように、端縁となるべき線と平行な所定幅のシール
    線をヒートシールにより形成する、開封機構を備えた合
    成樹脂製の重袋の製造法。
  2. 【請求項2】 連続する筒状のシートの途中に前記ミシ
    ン目線を穿孔し、ついで前記シール線を形成するとき、
    またはその前に、端縁となるべき線を切断する請求項1
    記載の製造法。
  3. 【請求項3】 前記ミシン目線の孔を、破断方向に長い
    切れ目とする請求項1記載の製造法。
JP32538399A 1999-11-16 1999-11-16 開封機構を備えた合成樹脂製の重袋の製造法 Pending JP2001138413A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502878A (ja) * 2002-07-25 2006-01-26 アツィオナリア コストルツィオーニ マッキーネ アウトマティケ ア.チ.エンメ.ア.ソチエタ ペル アツィオニ 特に食品製品を保存するための、容器を製造するシステム及び装置
JP2006240712A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Dainippon Printing Co Ltd トレー状複合紙容器

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