JP2001135940A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JP2001135940A
JP2001135940A JP2000244987A JP2000244987A JP2001135940A JP 2001135940 A JP2001135940 A JP 2001135940A JP 2000244987 A JP2000244987 A JP 2000244987A JP 2000244987 A JP2000244987 A JP 2000244987A JP 2001135940 A JP2001135940 A JP 2001135940A
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copper foil
laser beam
wiring board
printed wiring
resin layer
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JP2000244987A
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Teruo Nakagawa
照雄 中川
Hiroaki Fujiwara
弘明 藤原
Takeshi Koizumi
健 小泉
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅箔を貫通してレーザ光でバイアホールを加
工することが可能になって生産性を高めることができ、
また回路の信頼性が高くなるプリント配線板の製造方法
を提供する。 【解決手段】 回路2を設けた基板1の表面に接着樹脂
層3を介して銅箔4を積層する。この銅箔4の表面を粗
面化処理した後、レーザ光Lを照射して銅箔4及び接着
樹脂層3に穴明け加工をして基板1の回路2が底面に位
置するバイアホール5を形成する。銅箔4は表面が粗面
化されていてレーザ光Lが銅箔4の表面で反射されるの
を低減することができ、レーザ光Lの照射で銅箔4を貫
通して接着樹脂層3にバイアホール5を加工することが
できる。また銅箔4は接着樹脂層3に密着強度高く接着
されており、この銅箔4から作製される回路の信頼性を
高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層回路のプリン
ト配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の照射によってバイアホールを
加工することによって多層のプリント配線板を製造する
方法が従来から特開平10−209644号公報などで
提供されている。
【0003】図2はその方法の一例を示すものであり、
基板1の表面には内層用の回路2と基準マーク6が設け
てある。この基板1の表面には図2(a)のように接着
樹脂層3によって銅箔4が積層接着してある。そしてま
ず、基板1の表面の基準マーク6を銅箔4及び接着樹脂
層3を透してX線で視認し、図2(b)のように基準マ
ーク6の中心に貫通孔7を設ける。次に、この貫通孔7
をCCDカメラなどで認識し、この認識された貫通孔7
を基準にして図2(c)のように銅箔4に開口11を加
工する。この銅箔4の開口11は貫通孔7を基準にして
位置補正することによって、正確な位置に形成すること
ができる。この後に、レーザ光Lを照射して接着樹脂層
3に穴明け加工をし、図2(d)のように底面に基板1
の回路2が位置するバイアホール5を設ける。レーザ光
Lは銅箔4の光沢のある表面で反射され易く、厚みのあ
る銅箔4を透過することができないので、銅箔4がコン
フォーマルマスクとなって、銅箔4に設けた開口11の
位置において接着樹脂層3に開口11と同じ径のバイア
ホール5を形成することができるものである。
【0004】そして銅箔4にエッチング加工等を行なっ
て回路形成をすると共にバイアホール5の内周にめっき
加工をすることによって、多層のプリント配線板を得る
ことができるものであり、基板1の回路2と銅箔4の加
工で形成された回路とをバイアホール5で導通接続する
ことができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記の図2の方
法では、レーザ光Lを照射してバイアホール5を加工す
るにあたって、銅箔4にレーザ光Lで孔を明けるのは困
難であるので、銅箔4に開口11を設ける必要がある
が、この開口11を設けるには、銅箔4の表面へのフォ
トレジストの塗布、露光、現像、エッチングなどの多く
の工数が必要であり、生産性に問題を有するものであっ
た。
【0006】そこで、銅箔4を除去して接着樹脂層3を
露出させた後に、接着樹脂層3にレーザ光Lを照射して
バイアホール5を加工し、接着樹脂層3の表面に銅メッ
キによって回路を形成するということが行なわれてい
る。しかしこの場合には、メッキによって形成される回
路は接着樹脂層3との密着強度が弱く、接着樹脂層3か
ら回路が剥離し易いものであって、回路の信頼性が低く
なるという問題があった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、銅箔を貫通してレーザ光でバイアホールを加工す
ることが可能になって生産性を高めることができ、また
回路の信頼性が高くなるプリント配線板の製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プリント配線板の製造方法は、回路2を設けた基板1の
表面に接着樹脂層3を介して銅箔4を積層し、この表層
の銅箔4の表面を粗面化処理した後、レーザ光Lを照射
して銅箔4及び接着樹脂層3に穴明け加工をして基板1
の回路2が底面に位置するバイアホール5を形成するこ
とを特徴とするものである。
【0009】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、過酸化水素と硫酸、あるいは蟻酸を主成分とする溶
液を用いた化学処理で銅箔4表面を粗面化処理すること
によって、照射されるレーザ光Lに対する銅箔4表面で
の反射率を調整するようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0010】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、照射されるレーザ光Lに対する銅箔4表面での
反射率が、銅箔4表面に銅酸化膜を形成した場合の銅酸
化膜表面でのレーザ光Lの反射率よりも小さくなるよう
に、銅箔4の表面を粗面化処理することを特徴とするも
のである。
【0011】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、照射されるレーザ光Lに対する銅箔
4表面での反射率が30%以下になるように、銅箔4の
表面を粗面化処理することを特徴とするものである。
【0012】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、銅箔4の表面を粗面化処理し、次い
で黒色又は茶褐色の顔料又は染料で着色された材料で銅
箔4の表面を被覆し、この後にレーザ光Lを照射して穴
明け加工をすることを特徴とするものである。
【0013】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、銅箔4の表面を粗面化処理し、次い
で有機膜で銅箔4の表面を被覆し、この後にレーザ光L
を照射して穴明け加工をすることを特徴とするものであ
る。
【0014】また請求項7の発明は、請求項1乃至6の
いずれかにおいて、銅箔4の表面を粗面化処理し、次い
で無機物が充填された有機物を含有する塗料又はシート
を塗布又は貼着して銅箔4の表面を被覆し、この後にレ
ーザ光Lを照射して穴明け加工をすることを特徴とする
ものである。
【0015】また請求項8の発明は、請求項1乃至7の
いずれかにおいて、銅箔4の表面を粗面化処理し、次い
で、無機物が充填された有機物を含有すると共に黒色又
は茶褐色の顔料又は染料で着色された塗料又はシートを
塗布又は貼着して銅箔4の表面を被覆し、この後にレー
ザ光Lを照射して穴明け加工をすることを特徴とするも
のである。
【0016】また請求項9の発明は、請求項1乃至8の
いずれかにおいて、銅箔4の表面を粗面化処理し、次い
で、融点及び蒸発点が銅箔4と同じ若しくは銅箔4より
大きい無機物の薄膜で銅箔4の表面を被覆し、この後に
レーザ光Lを照射して穴明け加工をすることを特徴とす
るものである。
【0017】本発明の請求項10に係るプリント配線板
の製造方法は、回路2を設けた基板1の表面に接着樹脂
層3を介して銅箔4を積層し、この表層の銅箔4の表面
に融点及び蒸発点が銅箔4と同じ若しくは銅箔4より大
きい無機物の薄膜で銅箔4の表面を被覆した後、レーザ
光Lを照射して銅箔4及び接着樹脂層3に穴明け加工を
して基板1の回路2が底面に位置するバイアホール5を
形成することを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0019】図1は本発明の実施の形態の一例を示すも
のである。基板1は樹脂積層板やセラミック板などで形
成されるものであり、その表面には内層用の回路2が設
けてある。回路2は基板1に積層接着した銅箔のエッチ
ング加工によって形成することができる。また基板1の
表面には基準マーク6が設けてある。この基準マーク6
も回路2と同様に、基板1に積層接着した銅箔のエッチ
ング加工によって形成することができる。そして基板1
の表面には図1(a)のように、接着樹脂層3によって
銅箔4が積層接着してある。基板1の表面に樹脂を塗布
してこの上に銅箔4を重ね、あるいは樹脂付きの銅箔4
を樹脂の側で基板1の表面に重ね、これを加熱加圧成形
することによって、基板1の表面に接着樹脂層3を介し
て銅箔4を積層接着することができる。この銅箔4とし
ては厚みの薄いものが望ましいが、例えば、一般的な銅
箔4の厚み18μmあるいは12μmのものを用いるこ
とができる。
【0020】そしてまず、銅箔4の表面を粗面化処理す
る。粗面化処理は酸などを主成分とするエッチング液を
用いた化学的処理の方法で行なうことができるものであ
り、エッチング液を銅箔4の表面にスプレー等すること
によって、銅箔4の表面を粗面化処理することができ
る。
【0021】このように銅箔4の表面を粗面化処理した
後、CO2レーザなどのレーザ光Lを照射してバイアホ
ール5を加工する。レーザ光Lの照射は、基板1の表面
に設けられた基準マーク6を銅箔4及び接着樹脂層3を
透してX線で視認し、この視認された基準マーク6を基
準にして位置補正することによって、正確な位置に行な
うことができる。そして上記のように銅箔4は表面が粗
面化されていてレーザ光Lが銅箔4の表面で反射される
のを低減することができるので、レーザ光Lを銅箔4に
照射することによってそのエネルギーが銅箔4に効率良
く吸収され、照射部分の銅箔4を除去することができる
ものであり、銅箔4を貫通してさらに接着樹脂層3にバ
イアホール5を図1(b)のように加工することができ
るものである。このように加工されるバイアホール5は
基準マーク6を基準にして高精度で正確な位置に形成さ
れるものであり、バイアホール5の底面には基板1の回
路2が位置している。
【0022】上記のようにしてバイアホール5を加工し
た後、銅箔4にエッチング加工等を行なって外層の回路
を形成すると共にバイアホール5の内周にめっき加工を
することによって、多層のプリント配線板を得ることが
できるものであり、基板1の回路2と銅箔4の加工で形
成された回路とをバイアホール5で導通接続することが
できるものである。ここで、外層の回路は銅箔4によっ
て形成されており、銅箔4は接着樹脂層3に密着強度高
く接着されているものであり、外層の回路が剥離するよ
うなことはないものであって、信頼性の高い回路とする
ことができるものである。
【0023】ここで、銅箔4の表面を粗面化処理するに
あたって、エッチング液としては、過酸化水素と硫酸を
主成分とする過酸化水素−硫酸系エッチング液や、蟻酸
を主成分とする蟻酸系エッチング液を用いるのが好まし
い。過酸化水素−硫酸系エッチング液としては、過酸化
水素水溶液と硫酸水溶液の混合物を用いることができ、
蟻酸系エッチング液としては蟻酸水溶液を用いることが
できる。そして過酸化水素−硫酸系エッチング液は、過
酸化水素や硫酸の濃度や、両者の混合比率、液の温度、
さらには、液を噴霧するスプレーの時間を調整すること
によって、また蟻酸系エッチング液は、蟻酸の濃度や液
を噴霧するスプレーの時間を調整することによって、銅
箔4のエッチング深さを容易に制御することができるも
のであり、エッチング深さの制御によって粗面化処理の
程度を調整することで、CO2レーザなどレーザ光Lの
反射率の調整が容易になり、レーザ光Lの反射率を低く
してレーザ光Lによる穴あけ加工の加工信頼性を高める
ことができるものである。
【0024】そして銅箔4にレーザ光Lで穴あけ加工す
るにあたって、レーザ光Lが銅箔4の表面で反射するの
を防ぐために、特開昭61-99596号公報では、銅
箔4の表面を黒化処理して酸化膜を形成し、レーザ光L
のエネルギーが吸収され易くなるようにしているが、銅
酸化膜に対する波長λ=9.3μmのCO2レーザの反
射率は60%程度であり(ニコレー社製「NEXUS4
70」による実測)、反射を防止する効果は不十分であ
る。これに対して、過酸化水素−硫酸系エッチング液
や、蟻酸系エッチング液を用いた化学的処理で銅箔4を
粗面化すると、その粗面化の調整によって、銅箔4の表
面でのレーザ光L(波長λ=9.3μmのCO2レー
ザ)の反射率を30%以下にすることができるものであ
り、レーザ光Lの反射を低減してレーザ光Lによる穴あ
け加工の信頼性を高く得ることができるものである。
【0025】本発明において、レーザ光Lによる穴あけ
加工の信頼性を高く得るために、銅箔4の表面でのレー
ザ光Lの反射率が30%以下になるように、銅箔4の表
面を粗面化処理するのが好ましい。反射率は低いほうが
望ましく、銅箔4にレーザ光Lのエネルギーが掛かり安
くなり、同じ穴あけ加工をするにもレーザ光Lのエネル
ギーを低減することができる。理想的には反射率を0%
にすることが望ましいが、実際には反射率を0にするの
は難しく、実用的には反射率5%程度が下限である。ま
た、反射率が30%より大きくなるとレーザ光Lのエネ
ルギーを高くする必要があり、また銅箔4の下側の接着
樹脂層3がえぐれるようにバイアホール5が形成された
り、内層の回路2が破損されたりするおそれがある。こ
のために銅箔4の表面でのレーザ光Lの反射率が30%
以下になるように、銅箔4の表面を粗面化処理するのが
好ましい。
【0026】また、レーザ光Lの照射エネルギーの吸収
効率を高く得るために、銅箔4の表面を上記のように粗
面化処理した後、さらにこの表面に各種の処理を行うよ
うにすることもできる。例えば、黒色や茶褐色などの暗
色は熱エネルギーを吸収し易いので、銅箔4の表面に粗
面化処理を施した後、その表面を黒色や茶褐色などの暗
色を呈する顔料や染料などで着色された材料で被覆する
ことによって、銅箔4に照射されたレーザ光Lのエネル
ギーの吸収率を高めることができ、信頼性の高いバイア
ホール5を加工することができるものである。ここで、
黒色や茶褐色などの暗色材料による被覆の厚みは50μ
m以下が好ましい。50μmを超えるとレーザ光Lのエ
ネルギーが被覆材料で消費されて銅箔4の穿孔が困難に
なるおそれがある。また顔料としてはカーボンなどを用
いることができ、染料としてはコンゴーレッド、メチル
バイオレットなどを用いることができる。さらにこれら
の顔料や染料などで着色された材料としては、特に限定
されるものではないが、水溶性樹脂やアルカリ可溶樹脂
などを用いることができ、これらを用いれば除去作業が
容易となるものである。
【0027】また、銅箔4の表面に粗面化処理を施した
後、その表面にポリエチレンオキシドやポリプロピレン
オキシド等のアルキルオキサイド系の有機膜を形成して
被覆するようにすることもできる。このように銅箔4の
表面に有機膜を被覆すると、銅箔4の表面に照射された
レーザ光Lのエネルギー吸収率を高めることができ、信
頼性の高いバイアホール5を加工することができるもの
である。
【0028】あるいは、銅箔4の表面に粗面化処理を施
した後、その表面に無機物が充填された有機物を含有す
る塗料を塗布したり、あるいは無機物が充填された有機
物を含有するシートを貼着したりするようにして銅箔4
の表面を被覆するようにしてもよい。これら塗料やシー
トで銅箔4の表面を被覆すると、銅箔4へのレーザ光L
のエネルギーの吸収率を増加させることができるもので
ある。ここで、被覆の厚みは50μm以下が好ましく、
50μmを超えるとレーザ光Lのエネルギーが被覆材料
で消費されて銅箔4の穿孔が困難になるおそれがある。
また無機物としてはアルミナなどを用いることができ、
有機物としてはエポキシ系樹脂を用いることができる。
【0029】さらに、銅箔4の表面に粗面化処理を施し
た後、その表面に、無機物が充填された有機物を含有す
ると共に黒色や茶褐色などの顔料や染料で着色された塗
料を塗布したり、あるいは無機物が充填された有機物を
含有すると共に黒色や茶褐色などの顔料や染料で着色さ
れたシートを貼着したりして、銅箔4の表面を被覆する
ようにすることもできる。これらのもので銅箔4の表面
を被覆すると、銅箔4に照射されたレーザ光Lのエネル
ギーの吸収率を高めることができるものである。ここ
で、被覆の厚みは50μm以下が好ましく、50μmを
超えるとレーザ光Lのエネルギーが被覆材料で消費され
て銅箔4の穿孔が困難になるおそれがある。また無機物
としてはアルミナなどを、有機物としてはエポキシ系樹
脂などを、顔料としてはカーボンなどを、染料としては
コンゴーレッド、メチルバイオレットなどを用いること
ができる。
【0030】また、銅箔4の表面を粗面化処理し、次い
で、銅箔4と融点及び蒸発点が同じであるか若しくは大
きい無機物の薄膜で銅箔4の表面を被覆し、この後にレ
ーザ光Lを照射して穴明け加工をするようにすることも
できる。この無機物としては、レーザ光Lの反射率が低
く、融点が銅箔4の融点と同じか若しくは高く、且つ蒸
発点が銅箔4の蒸発点と同じか若しくは高いものであれ
ばよく、銅箔4は融点が1083℃、蒸発点が2852
℃であるので、融点が1083℃以上で且つ蒸発点が2
852℃以上のものであればよい。このような無機物と
しては例えば、融点が1765℃、蒸発点が3150℃
のコバルトを用いることができるものであり、銅箔4を
粗面化処理した後に、その表面にコバルトを電解メッキ
して被覆することができるものである。また無機物の薄
膜は、0.1〜3μmの範囲の厚みで、銅箔4の表面に
形成するのが好ましい。
【0031】このように、銅箔4の表面に銅箔4と融点
及び蒸発点が同じであるか若しくは大きい無機物の薄膜
を被覆した状態で、銅箔4の表面にレーザ光Lを照射す
ると、無機物薄膜はレーザ光Lのエネルギーによって加
熱されて、融点に到達して溶融し、次いで蒸発点に到達
して蒸発するが、銅箔4は融点及び蒸発点が無機物薄膜
より低いので、銅箔4のほうが無機物薄膜よりも先に融
点に到達して溶融し、また無機物薄膜よりも先に蒸発点
に到達して蒸発するものであり、無機物薄膜と銅箔4の
界面でレーザ光Lのエネルギーが効率良く熱エネルギー
に変換されて、レーザ光Lによる銅箔4の穴加工の効率
が向上し、信頼性の高いバイアホール5を加工すること
ができるものである。
【0032】ここで、例えば厚み12μmの銅箔4の表
面に無機物薄膜として厚み1μmのコバルト膜を形成し
た場合、CO2レーザで銅箔4に直径100μmの穴を
あけるのに必要なエネルギーは5.05mJ×12μm
=60.6mJであるが、コバルト膜に同様に直径10
0μmの穴をあけるのに必要なエネルギーは0.45m
J×1μm=0.45mJであり、コバルト膜に消費さ
れるエネルギーはわずかであって、レーザ光Lのエネル
ギーロスは非常に小さい。
【0033】そして、上記の実施の形態では、銅箔4の
表面を粗面化処理し、次いで、銅箔4と融点及び蒸発点
が同じであるか若しくは大きい無機物の薄膜で銅箔4の
表面を被覆し、この後にレーザ光Lを照射して穴明け加
工をするようにしたが、銅箔4の表面を粗面化処理せず
に、銅箔4の表面に直接、銅箔4と融点及び蒸発点が同
じであるか若しくは大きい無機物の薄膜を被覆し、この
後にレーザ光Lを照射して穴明け加工をするようにして
もよい。このように、銅箔4と融点及び蒸発点が同じで
あるか若しくは大きい無機物の薄膜で銅箔4の表面を被
覆した状態でレーザ光Lを照射することによって、銅箔
4の表面を粗面化しなくても、レーザ光の照射で銅箔4
を貫通して接着樹脂層3にバイアホール5を加工するこ
とが可能になるものである。
【0034】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係るプ
リント配線板の製造方法は、回路を設けた基板の表面に
接着樹脂層を介して銅箔を積層し、この表層の銅箔の表
面を粗面化処理した後、レーザ光を照射して銅箔及び接
着樹脂層に穴明け加工をして基板の回路が底面に位置す
るバイアホールを形成するようにしたので、銅箔は表面
が粗面化されていてレーザ光が銅箔の表面で反射される
のを低減することができ、レーザ光の照射で銅箔を貫通
して接着樹脂層にバイアホールを加工することができる
ものであり、生産性を高めることができるものである。
また銅箔は接着樹脂層に密着強度高く接着されており、
この銅箔から作製される回路の信頼性を高めることがで
きるものである。
【0035】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、過酸化水素と硫酸、あるいは蟻酸を主成分とする溶
液を用いた化学処理で銅箔表面を粗面化処理することに
よって、照射されるレーザ光に対する銅箔表面での反射
率を調整するようにしたので、これらの化学処理による
銅箔のエッチング深さの制御によって粗面化処理の程度
を調整すると共にレーザ光の反射率を調整することがで
き、レーザ光による穴あけ加工の加工信頼性を高めるこ
とができるものである。
【0036】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、照射されるレーザ光に対する銅箔表面での反射
率が、銅箔表面に銅酸化膜を形成した場合の銅酸化膜表
面でのレーザ光の反射率よりも小さくなるように、銅箔
の表面を粗面化処理するようにしたので、銅箔の表面に
銅酸化膜を形成する場合よりもレーザ光の反射を低減す
ることができ、レーザ光による穴あけ加工の信頼性を高
く得ることができるものである。
【0037】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、照射されるレーザ光に対する銅箔表
面での反射率が30%以下になるように、銅箔の表面を
粗面化処理するようにしたので、レーザ光による穴あけ
加工の信頼性を高く得ることができるものである。
【0038】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、銅箔の表面を粗面化処理し、次いで
黒色又は茶褐色の顔料又は染料で着色された材料で銅箔
の表面を被覆し、この後にレーザ光を照射して穴明け加
工をするようにしたので、銅箔に照射されたレーザ光の
エネルギーの吸収率を高めることができ、信頼性の高い
バイアホールを加工することができるものである。
【0039】また請求項6の発明は、請求項1乃至5の
いずれかにおいて、銅箔の表面を粗面化処理し、次いで
有機膜で銅箔の表面を被覆し、この後にレーザ光を照射
して穴明け加工をするようにしたので、銅箔に照射され
たレーザ光のエネルギーの吸収率を高めることができ、
信頼性の高いバイアホールを加工することができるもの
である。
【0040】また請求項7の発明は、請求項1乃至6の
いずれかにおいて、銅箔の表面を粗面化処理し、次いで
無機物が充填された有機物を含有する塗料又はシートを
塗布又は貼着して銅箔の表面を被覆し、この後にレーザ
光を照射して穴明け加工をするようにしたので、銅箔に
照射されたレーザ光のエネルギーの吸収率を高めること
ができ、信頼性の高いバイアホールを加工することがで
きるものである。
【0041】また請求項8の発明は、請求項1乃至7の
いずれかにおいて、銅箔の表面を粗面化処理し、次い
で、無機物が充填された有機物を含有すると共に黒色又
は茶褐色の顔料又は染料で着色された塗料又はシートを
塗布又は貼着して銅箔の表面を被覆し、この後にレーザ
光を照射して穴明け加工をするようにしたので、銅箔に
照射されたレーザ光のエネルギーの吸収率を高めること
ができ、信頼性の高いバイアホールを加工することがで
きるものである。
【0042】また請求項9の発明は、請求項1乃至8の
いずれかにおいて、銅箔の表面を粗面化処理し、次い
で、融点及び蒸発点が銅箔と同じ若しくは銅箔より大き
い無機物の薄膜で銅箔の表面を被覆し、この後にレーザ
光を照射して穴明け加工をするようにしたので、レーザ
光による銅箔の穴加工の効率が向上し、信頼性の高いバ
イアホールを加工することができるものである。
【0043】本発明の請求項10に係るプリント配線板
の製造方法は、回路を設けた基板の表面に接着樹脂層を
介して銅箔を積層し、この表層の銅箔の表面に融点及び
蒸発点が銅箔と同じ若しくは銅箔より大きい無機物の薄
膜で銅箔の表面を被覆した後、レーザ光を照射して銅箔
及び接着樹脂層に穴明け加工をして基板の回路が底面に
位置するバイアホールを形成するようにしたので、レー
ザ光による銅箔の穴加工の効率が向上し、信頼性の高い
バイアホールを加工することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a),(b)は各工程の断面図である。
【図2】従来例を示すものであり、(a),(b),
(c),(d)は各工程の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 回路 3 接着樹脂層 4 銅箔 5 バイアホール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路を設けた基板の表面に接着樹脂層を
    介して銅箔を積層し、この表層の銅箔の表面を粗面化処
    理した後、レーザ光を照射して銅箔及び接着樹脂層に穴
    明け加工をして基板の回路が底面に位置するバイアホー
    ルを形成することを特徴とするプリント配線板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 過酸化水素と硫酸、あるいは蟻酸を主成
    分とする溶液を用いた化学処理で銅箔表面を粗面化処理
    することによって、照射されるレーザ光に対する銅箔表
    面での反射率を調整するようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 照射されるレーザ光に対する銅箔表面で
    の反射率が、銅箔表面に銅酸化膜を形成した場合の銅酸
    化膜表面でのレーザ光の反射率よりも小さくなるよう
    に、銅箔の表面を粗面化処理することを特徴とする請求
    項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 照射されるレーザ光に対する銅箔表面で
    の反射率が30%以下になるように、銅箔の表面を粗面
    化処理することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 銅箔の表面を粗面化処理し、次いで黒色
    又は茶褐色の顔料又は染料で着色された材料で銅箔の表
    面を被覆し、この後にレーザ光を照射して穴明け加工を
    することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    のプリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 銅箔の表面を粗面化処理し、次いで有機
    膜で銅箔の表面を被覆し、この後にレーザ光を照射して
    穴明け加工をすることを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 銅箔の表面を粗面化処理し、次いで無機
    物が充填された有機物を含有する塗料又はシートを塗布
    又は貼着して銅箔の表面を被覆し、この後にレーザ光を
    照射して穴明け加工をすることを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 銅箔の表面を粗面化処理し、次いで、無
    機物が充填された有機物を含有すると共に黒色又は茶褐
    色の顔料又は染料で着色された塗料又はシートを塗布又
    は貼着して銅箔の表面を被覆し、この後にレーザ光を照
    射して穴明け加工をすることを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  9. 【請求項9】 銅箔の表面を粗面化処理し、次いで、融
    点及び蒸発点が銅箔と同じ若しくは銅箔より大きい無機
    物の薄膜で銅箔の表面を被覆し、この後にレーザ光を照
    射して穴明け加工をすることを特徴とする請求項1乃至
    8のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  10. 【請求項10】 回路を設けた基板の表面に接着樹脂層
    を介して銅箔を積層し、この表層の銅箔の表面に融点及
    び蒸発点が銅箔と同じ若しくは銅箔より大きい無機物の
    薄膜で銅箔の表面を被覆した後、レーザ光を照射して銅
    箔及び接着樹脂層に穴明け加工をして基板の回路が底面
    に位置するバイアホールを形成することを特徴とするプ
    リント配線板の製造方法。
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