JP2001133452A - 毒性物質の評価方法 - Google Patents

毒性物質の評価方法

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JP2001133452A JP31134599A JP31134599A JP2001133452A JP 2001133452 A JP2001133452 A JP 2001133452A JP 31134599 A JP31134599 A JP 31134599A JP 31134599 A JP31134599 A JP 31134599A JP 2001133452 A JP2001133452 A JP 2001133452A
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Toshiro Kato
藤 敏 朗 加
Kaneo Kano
納 周 雄 加
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個々の化学物質を網羅的に分析することな
く、生体に対する毒性影響を評価する方法として、動物
実験に依らない、簡便かつ迅速な毒性物質の評価方法を
提供すること。 【解決手段】 化学物質に対する感受性や生体反応特性
(細胞増殖性や生体物質生産性等)が細胞の種類によっ
て異なることに着目し、複数種の細胞応答性を比較評価
することによって、化学物質が示す生体影響の程度や性
質を特徴づけることができ、さらに、既知の化学物質に
関する評価結果に基づけば、被検水について得られた評
価結果から被検水中の有害な化学物質の種類と濃度を同
定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川水、湖沼水、
海水、上・下水、用・排水等の水環境中に含まれる内分
泌撹乱化学物質を含む毒性物質を簡便に同定・定量する
ための評価技術に関する。
【0002】
【従来の技術】水環境における化学物質汚染が社会問題
化している。環境汚染物質として制御の対象となる化学
物質は、細胞傷害性、発癌性、遺伝毒性、内分泌撹乱活
性等の様々な種類の毒性物質を包含しており、問題とな
る濃度レベルも極微量化しているのが現状であり、従来
の水質汚濁指標であるCOD(化学的酸素要求量)やB
OD(生物化学的酸素要求量)ではそれらの毒性は必ず
しも有効に評価できない。水環境における化学物質汚染
を制御・管理するには、これらの毒性化学物質の存在量
または毒性度を定量評価する必要がある。
【0003】被検水に含まれる毒性物質を同定・定量す
る従来の技術としては、物理化学的分析法、生化学的分
析法、動物実験法などがある。
【0004】まず、物理化学的分析法は、被検水中の化
学物質成分を濃縮、抽出、精製したのちにガスクロマト
グラフィー、液体クロマトグラフィーあるいはそれらと
質量分析計を組み合わせた機器分析法によって、被検水
中の毒性物質を同定・定量する方法である(例えば、環
境庁(1998)「外因性内分泌撹乱化学物質調査暫定
マニュアル」など)。しかしながら、機器分析に供する
ための被検水の前処理操作は、極めて煩雑な上に、測定
しようとする個々の化学物質毎に操作手順が異なる。従
って、被検水の毒性を明らかにするためには、あらゆる
種類の毒性物質について網羅的に分析する必要があり、
多大な労力と時間とコストを必要とする。また、今後予
想される対象物質の増大に対処するには限界がある。さ
らに、本方法では、被検水中に存在する個々の毒性物質
の濃度を明らかにすることはできるが、生体に対する毒
性影響の程度については、他の方法によらねばならな
い。
【0005】上記の物理化学的分析法とは異なる観点か
ら、生体に対する毒性物質の影響を予測するために様々
な生化学的手法が提案されている(総説として例えば、
内海英雄(1999)「あらためて内分泌撹乱化学物質
を考える」,水環境学会誌,第22巻,第8号,2頁な
ど)。例えば、内分泌撹乱化学物質を評価するための方
法としては、受容体結合試験と転写活性化試験が挙げら
れる。前者は、内分泌撹乱化学物質の多くがホルモン受
容体へ結合することに基づいて、エストロゲンとその受
容体、または、アンドロゲンとその受容体の結合を競合
的に阻害する程度をもって内分泌撹乱化学物質の存在量
を推定する方法である(例えば、R. Bolger et al.”Ra
pid screening of environmental chemicals for estro
gen receptor binding capacity”,Environmental Heal
th Perspectives, vol.106, No.9, p551)。この方法は
特定の受容体への結合能が明らかな毒性物質については
評価が可能であるが、特定の受容体への結合を介さない
で生体毒性を示す毒性物質については何ら情報を得られ
ない。一方、後者の転写活性化試験では、受容体とホル
モンが結合すると特定の遺伝子の発現が活性化する生体
反応を利用し、ある種の内分泌撹乱化学物質が受容体と
ホルモンの結合反応を競合的に阻害する結果として、本
来活性化するはずの遺伝子発現が抑制される原理に基づ
いた測定方法であり、人為的に遺伝子を組み換えること
によって活性化された遺伝子発現を可測量へと変換する
工夫が種々提案されている(M. Pons et al.(1990),”A
new cellular model of response to estrogens: a bi
oluminescent test to characterize (anti) estrogen
molecules”, Biotechniques, vol.9, p450; J. Nishi
kawa et al., "New screening methods for chemicals
with hormonal activities using interaction of nucl
ear hormone receptor with coactivator", Toxicol. A
ppl. Pharmacol., vol.154, p76など)。上記のような
生化学的手法は、化学物質と生体物質との結合の程度を
評価する方法であり、結合の結果としての生体反応の変
化やそれに続く副次的な生体反応についての確実な情報
を得ることは困難である。
【0006】さらに、前記した物理化学的分析法や生化
学的分析法では直接的な評価が困難であった生体に対す
る毒性影響を測定する方法として、動物実験法がある。
哺乳動物を用いた毒性試験、水棲生物や微生物を用いた
バイオアッセイ(総説として例えば、青山 勲(199
8)「生態毒性の評価とバイオアッセイ」廃棄物学会
誌,第9巻,第5号,358頁など)がある。これらの
動物実験においては、動物を維持管理するための大がか
りな実験設備が必要な上に、飼育や評価に多大なる労力
とコストが必要である。また、生物個体を用いる毒性試
験法は、動物愛護の観点からも、その実施が益々困難に
なっている状況にある。
【0007】ところで、動物に代わる実験材料として、
動物の培養細胞を用いる毒性試験方法が注目されてい
る。この方法は、個々の化学物質を分離分析することな
く、生物に対する化学物質の毒性影響を、細胞応答に対
する影響(細胞傷害性や増殖性など)として捉えること
で、動物実験法のような大がかりな設備と操作手順を必
要とせず、簡便に予測する方法である。例えば、内分泌
撹乱化学物質を評価する場合においては、ヒト由来の乳
ガン細胞MCF−7株を用いた細胞増殖性試験が唯一の
方法として採用されている(A. M. Soto (1995) ” The
E-Screen Assayas a tool to identify estrogen: An
update on estrogenic environmental pollutants”, E
nvironmental Health Perspectives, vol.103, No.113
など)。内分泌撹乱化学物質に限ってみても、化学物質
毎に作用濃度や感受性が異なることから、単一の方法の
みに頼ることは、他の毒性因子を見落とす危険をはらん
でいる。
【0008】化学物質による環境汚染においては、内分
泌撹乱性、発癌性、細胞傷害性、遺伝毒性等が問題視さ
れておるにも拘わらず、各々の毒性に特化した技術開発
が別々に実行されている。例えば、内分泌撹乱化学物質
の存在が確認されなかったとしても、他の毒性物質が存
在する危険性があり、同時並行的に複数種の毒性を評価
するための評価システムの開発が求められている。ま
た、内分泌撹乱化学物質といえども発癌性等の他の毒性
を有していることが指摘されており(総説として例え
ば、大井 玄「外因性内分泌撹乱化学物質と癌」癌と化
学療法,第26巻,第3号,263頁など)、他の毒性
を評価することによって内分泌撹乱性の評価結果をさら
に補完できると考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した物
理化学的分析法のように個々の化学物質を網羅的に分析
することなく、生化学的分析法では評価することが困難
であった生体に対する毒性影響を評価する方法として、
動物実験に依らない、簡便かつ迅速な毒性物質の評価方
法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】細胞の種類が異なると毒
性影響の現れ方や程度が異なることに着目し、複数種種
類の細胞に対する毒性物質の影響の程度を比較すれば、
内分泌撹乱性、発癌性、細胞傷害性、遺伝毒性等の広範
囲な毒性を把握することができ、さらに、既知の化学物
質に関する判定結果に基づけば被検水に関する判定結果
から被検水に含まれる毒性物質の種類や濃度を容易に同
定・定量することが可能となると考え、各々の毒性を評
価すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。すなわち、前記した課題は以下の(1)および
(2)により解決できる。
【0011】(1)標準試料の毒性指数を算出し(第一
工程から第三工程)、被検水の毒性指数を算出し(第四
工程から第六工程)、次に標準試料の毒性指数と被検水
の毒性指数とをグラフ化し(第七工程から第八工程)、
得られた標準試料の毒性指数と被検巣の毒性指数のグラ
フのパターンを比較して被検水中に含まれる毒性物質の
種類と濃度を同定することを特徴とする毒性物質の評価
方法。但し、上記記載の第一工程から第八工程は以下の
通りである。
【0012】第一工程:既知の毒性物質の溶液について
濃縮または希釈によって溶質濃度を変えた2段階以上の
標準試料を含む培養液中で培養細胞を1時間から7日間
の範囲で培養する工程。
【0013】第二工程:培養後に培養細胞の増殖量また
は異常染色体出現率を計測する工程。
【0014】第三工程:計測結果に基づいて50%作用
濃度を算出し、下式より毒性指数を算出する工程。 毒性指数=−log(50%作用濃度) ここで50%作用濃度として、既知の毒性物質に関する
重量濃度またはモル濃度を用いる。
【0015】第四工程:被検水について濃縮または希釈
によって濃度を変えた2段階以上の被検試料を含む培養
液中で培養細胞を1時間から7日間の範囲で培養する工
程。
【0016】第五工程:培養後に培養細胞の増殖量また
は異常染色体出現率を計測する工程。
【0017】第六工程:計測結果に基づいて50%作用
濃度を算出し、下式より毒性指数を算出する工程。 毒性指数=−log(50%作用濃度) ここで50%作用濃度として、被検水に対する濃縮率ま
たは希釈率を用いる。
【0018】第七工程:2種類以上の毒性評価項目に関
して、第一工程から第三工程において算出した標準試料
に関する毒性指数をグラフ化する工程。
【0019】第八工程:第七工程で選択したのと同一の
毒性評価項目に関して、第四工程から第六工程において
算出した被検水に関する毒性指数をグラフ化する工程。
【0020】(2)前記した(1)に記載の毒性指数を
表す式において、作用濃度を2点以上組み合わせて用い
ることを特徴とする毒性物質の評価方法。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、以下の記載に先立ち、本発
明において使用されている用語について説明する。 被検水:含有する毒性物質の種類や濃度を測定すべき、
所望の試料。 被検試料:濃縮や希釈あるいは抽出や精製等の前処理を
施した被検水。 標準試料:被検水を評価するための基準物質となりう
る、濃度や組成が既知の試料。
【0022】50%作用濃度:標準試料または被検試料
について計測した培養細胞の増殖量または異常染色体出
現率に関して、最大増殖量に対して50%の増殖を引き
起こす作用濃度、または、最大異常染色体出現率に対し
て50%の異常染色体出現を引き起こす作用濃度。標準
試料については既知の毒性物質に関する重量濃度または
モル濃度を用い、被検試料については被検水に対する濃
縮率または希釈率を用いる。
【0023】つぎに、本発明における毒性物質の評価方
法のフローを図1に示し、以下に詳述する。
【0024】第一工程:標準試料を添加して細胞を培養
する工程において、用いる標準試料としては、着目して
いる毒性毎に代表的な既知の毒性化学物質を標準物質と
したグラフを作成すればよいが、調査する化学物質の種
類が多いほど、被検水の毒性評価における精度や確度が
向上する。例えば、内分泌撹性を評価するためには、ダ
イオキシン類、ポリ塩化ビフェニール類、ポリ臭化ビフ
ェニール類、トリブチルスズ、アルキルフェノール類、
フタル酸エステル類、ヘキサクロロベンゼン、ペンタク
ロロフェノール、ビスフェノールAのほか内分泌攪乱性
を疑われている除草剤や殺虫剤、殺菌剤、有機金属類、
植物エストロゲン類等が挙げられる。これらの標準試料
は、ジメチルスルフォキシドやメタノール、エタノール
等の有機溶媒に溶解し、希釈系列を作り、これらの溶媒
の影響がでない範囲で細胞に加える。
【0025】用いる細胞としては、内分泌撹乱性、遺伝
毒性、発癌性、細胞傷害性等の評価しようとする毒性を
判断できる培養細胞もしくは微生物であれば特に限定は
ない。例えば、内分泌攪乱性を評価するためには、ヒト
乳癌由来細胞株であるMCF-7,T-47D,ZR-7
5-1,MMT-060562等が挙げられる。またこれ
らの細胞株を分子生物学的に改変したもの、あるいは、
ニトロソグアニジン等の変異原性物質を用いて改変した
ものを用いることも可能である。培養方法や培養容器
は、用いる細胞に適したものを用いることができる。ま
た、必要に応じて酵母等の真核微生物、大腸菌等の原核
微生物、そしてこれらを遺伝子工学的な手法を用いて改
変した微生物を用いることができる。これらの培養細胞
に標準試料を添加する際には、1段階のみでは細胞応答
に対する作用濃度の影響を定量的に判断することが困難
であるため、最大作用濃度付近を含めた2段階以上の濃
縮および/または希釈した試料について調査することが
望ましい。標準試料を添加し、培養する時間としては、
できる限り短時間が好ましいが、1時間未満では、細胞
の変化を十分とらえることができず、また、7日間以上
では、時間がかかりすぎ効率的な判断が困難となるた
め、1時間から最長7日間が望ましい。
【0026】第二工程:培養後に培養細胞の増殖量また
は異常染色体出現率を計測する工程においては、細胞数
を計測する手段としては、MTTアッセイやAlama
rBlue、スルホローダミンB、もしくはトリチウム
ラベルされたチミジン等を用いることができる。異常染
色体出現率を計測するためには、細胞を固定後、核染色
をおこない顕微鏡観察する方法が用いられるが、それ以
外の方法でも良く、AmesテストやUmuテスト、あ
るいはコメットアッセイを用いることができる。
【0027】培養細胞の増殖量または異常染色体出現率
に代わって、以下のような細胞の反応を計測してもよ
い。例えば、増殖抑制性、細胞毒性、細胞死(アポトー
シス)誘導性、膜電位の変化、一酸化窒素やサイトカイ
ンもしくはホルモン等の情報伝達物質の産生、プロテア
ーゼ、フォスフォリパーゼ、キナーゼ等細胞内情報伝達
にかかわる酵素の産生・誘導活性を用いることができ
る。
【0028】増殖抑制性、細胞毒性等培養細胞の細胞数
を計測する手段としては、MTTアッセイやAlama
r Blue、スルホローダミンB、もしくはトリチウ
ムラベルされたチミジン等を用いることができる。アポ
トーシス誘導性の評価のために顕微鏡観察および観察し
た画像をコンピューター等計算機を用いて数値化するこ
とも可能であるし、電気泳動によりアポトーシスの程度
を評価することもできる。膜電位の変化はパッチクラン
プ等の微小電極を用いた生物電気化学的な方法を用いる
ことができる。一酸化窒素やサイトカインある種のホル
モン等の測定には、ELISAやRIA等の生化学的方
法や複数の細胞を共培養し、一酸化窒素やサイトカイン
ある種のホルモン等の産生細胞がそれらの受容細胞に与
える影響を別の方法、例えば形態の変化や細胞接着分子
の発現などをELISAで測定することもできる。ま
た、細胞毒性や遺伝毒性を評価項目に組み込むことがで
きる。細胞毒性の評価には、種々の株化細胞や株化され
ていない細胞を用い、生細胞数の測定や死細胞中から出
てくるLDHを測定することによって細胞毒性を測定す
ることができるし、遺伝毒性の評価には、Amesテス
トやUmuテスト、あるいはコメットアッセイを用いる
ことができる。
【0029】第三工程:計測結果に基づいて50%作用
濃度を算出し、毒性指数を算出する工程においては、第
二工程において測定した細胞応答の変化量を、標準試料
を加えなかった時の変化量と比較し、50%作用濃度の
常用対数に−1を乗じた値を算出し、毒性指数とする。
細胞応答の変化量を最も精度良く計測することができる
ため、50%作用濃度を基準にすることが望ましいが、
標準とした物質毎に毒性の現れ方の濃度依存性が異なる
ため、2種以上の作用濃度を組み合わせて判定すること
によって、標準物質毎の作用の差異をより明確化できる
ために好適である。
【0030】第四工程:被検試料を添加して細胞を培養
する工程において、被検水としては、河川水,湖沼水,
海水等の環境中の水の他に上・下水や用水・排水等の社
会生活に関連した水など、制限なく用いることができ
る。被検水自体を純水や緩衝液で希釈したものを被検試
料として用いることができるが、必要に応じて、ろ過、
pH調整、濃縮、もしくは抽出、カラムクロマトグラフ
ィー等の前処理、予備精製を行うことができる。これら
の培養細胞に被検試料を添加する際には、1段階のみで
は細胞応答に対する作用濃度の影響を定量的に判断する
ことが困難であるため、2段階以上の濃縮および/また
は希釈した試料について調査することが望ましい。この
際用いる培養細胞としては、第一工程にて用いた細胞を
必ず使用する。被検試料を添加し、培養する時間として
は、できる限り短時間が好ましいが、1時間未満では、
細胞の変化を十分とらえることができず、また、7日間
以上では、時間がかかりすぎ効率的な判断が困難となる
ため、1時間から最長7日間が望ましい。そして、この
培養期間は、第一工程と同じにしなければならない。
【0031】第五工程:培養細胞の変化量を測定する工
程においては、第二工程において行った計測方法と同様
の方法を用いて行う。
【0032】第六工程:毒性指数を算出する工程におい
ては、第三工程において行った算出方法と同様の方法を
用いて行う。但し、被検物質の場合には濃度の代わりに
被検物質の希釈倍率または濃縮倍率の常用対数に−1を
乗じたものを毒性指数として用いる。
【0033】第七工程:標準物質の毒性指数をグラフ化
する工程においては第三工程において得られた毒性指数
を、例えば、図2に示すような放射状のグラフを用いて
グラフ化することが好ましいが、各毒性指数のパターン
が認識しやすいグラフの形態ならばよく、グラフの形態
を制限するものではない。
【0034】第八工程:被検試料の毒性指数をグラフ化
する工程においては、第七工程において用いた方法と同
様の方法を用いて行う。
【0035】以上、第一工程、第二工程、第三工程、第
七工程によって作成した標準物質の毒性指数に関するグ
ラフと、第四工程、第五工程、第六工程、第八工程によ
って作成した被検水の毒性指数に関するグラフとをパタ
ーン比較する。ここでいう、グラフのパターンとは、グ
ラフの形状を意味し、比較の結果、被検水のグラフパタ
ーンと標準試料のグラフパターンとが一致または相似形
となった場合には、被検水中の毒性物質の種類と濃度を
同定できる。また、被検水のグラフパターンと標準試料
のグラフパターンとが類似した場合には、被検水中の毒
性物質の種類と濃度を推定できる。パターンの比較は、
人間が直接行ってもよいし、計算機をもちいて行っても
良い。
【0036】さらに、前記した第三工程および第六工程
において、毒性指数を算出する際に、50%作用濃度に
加え、もしくは、50%作用濃度に代わり、20%作用
濃度、100%作用濃度(最大の生体反応を引き起こす
ところの試料濃度)等の2種以上の作用濃度を組合せて
用いれば、標準試料毎の作用の違いをより明確化するこ
とができるため、被検水中の有害物質の種類と濃度をよ
り精度良く同定することができる。
【0037】
【実施例】実施例1 第一工程:標準試料として、17−β−エストラジオー
ルとジクロロ酢酸を用いた。ジメチルスルフォキシドを
用いて溶解し、希釈系列を作成した。培養細胞に加える
際には、ジメチルスルフォキシドの濃度が、0.1%に
なるように加えた。
【0038】4種類の培養細胞、すなわちMCF-7、
T-47D、ZR-75-1、MMT-060562をそれ
ぞれ培養する。使用した培地は、MCF-7については
EMEM+10%FBS+1%NEAA+Na-Pyr
(1mM)を、T-47D,ZR-75-1についてはR
PMI1640+10%FBSを、MMT-06056
2についてDMEM+10%CS+1%NEAAを、そ
れぞれ用いて培養を行った。すべての培地はフェノール
レッドを含まない培地を使用し、継代は2〜3日に1回
行い、試験前日にデキストリン-活性炭処理した血清を
加えたそれぞれの培地(試験用培地)に交換した。試験
用培地交換して24時間後、それぞれの細胞を96穴の
マイクロプレートに播種し、さらに24時間培養した。
それぞれの細胞に対し、あらかじめ用意した17−β−
エストラジオールとジクロロ酢酸を加えて、さらに96
時間培養した。
【0039】染色体異常試験のために、新生チャイニー
ズハムスター雌の肺細胞(CHL/IU)を牛胎児血清
10%を含むEagle MEMの培養液中で、37
℃、5% CO2インキュベーター内で継代培養した。
染色体異常試験は、CHL/IU細胞を6cmシャーレで
一日培養後、検体を加え、46時間培養した。
【0040】第二、三工程:細胞増殖率のパラメーター
化のため、4種の細胞の細胞数をAlamar Blueにて測定
し、増殖率を次式により算出した。 増殖率=(試料を添加した時の細胞数−試料無添加時の
細胞数)÷試料無添加時の細胞数 そして、各物質について、最大増殖率に対して50%の
増殖率を引き起こしうる作用濃度(50%作用濃度)の
常用対数に−1乗じた毒性指数(E50)を算出した。
【0041】46時間培養したCHL/IU細胞をコル
セミド(最終濃度0.2μg/mL)で2時間処理し、
これをトリプシン処理して細胞を回収し、0.075M
KClで37℃、15分間の低張処理を行い、カルノ
ア液(酢酸:メタノール=1:3)で固定後、ギムザ染
色により染色体標本を作成した。これを400倍で顕微
鏡観察し、1用量につき100細胞の分裂中期像につい
て、染色体の異常構造が確認される細胞を計測した。各
物質について、最大の染色体異常細胞出現率に対して5
0%の染色体異常細胞出現を引き起こしうる作用濃度
(50%作用濃度)の常用対数に−1を乗じた毒性指数
(E50)を算出した。
【0042】第四、五、六工程:都市下水より得られた
サンプル水10Lをフィルターによるろ過後、ジクロロ
メタンにて抽出、減圧濃縮後、ジメチルスルフォキシド
を加え10mLとし、これを被検試料とした。第一工
程、第二工程、第三工程と同様の方法で被検試料の各パ
ラメーターを測定した。
【0043】第七工程:第三工程によって得られた毒性
指数を放射状にプロットし、17−β−エストラジオー
ルについては図2を、またジクロロ酢酸については図3
を得た。ジクロロ酢酸においては、高濃度10-3Mで細
胞の死滅が観察されたので図3中に点線にてプロットし
た。
【0044】第八工程:第六工程により得られた毒性指
数を放射状にプロットし、図4を得た。
【0045】第七工程で得られた17−β−エストラジ
オールとジクロロ酢酸のグラフと第八工程で得られた被
検試料のグラフのパターンはきわめて良く一致してお
り、標準物質の作用濃度と被検試料の希釈段階を比較、
計算することで、被検水として用いた都市下水中には1
-5g/L(すなわち10μg/L)の17−β−エス
トラジオールと10-5M(すなわち10μM)のジクロ
ロ酢酸が含まれていることがわかった。
【0046】実施例2 第一工程:標準試料として、17−β−エストラジオー
ルとジクロロ酢酸を用いた。ジメチルスルフォキシドを
用いて溶解し、希釈系列を作成した。培養細胞に加える
際には、ジメチルスルフォキシドの濃度が、0.1%に
なるように加えた。
【0047】4種類の培養細胞、すなわちMCF-7、
T-47D、ZR-75-1、MMT-060562をそれ
ぞれ培養する。使用した培地は、MCF-7について
は、EMEM+10%FBS+1%NEAA+Na-P
yr(1mM)を、T-47D,ZR-75-1について
はRPMI1640+10%FBSを、MMT-060
562についてDMEM+10%CS+1%NEAA
を、それぞれ用いて培養を行った。すべての培地はフェ
ノールレッドを含まない培地を使用し、継代は2〜3日
に1回行い、試験前日にデキストリン-活性炭処理した
血清を加えたそれぞれの培地(試験用培地)に交換し
た。試験用培地交換して24時間後、それぞれの細胞を
96穴のマイクロプレートに播種し、さらに24時間培
養した。それぞれの細胞に対し、あらかじめ用意した1
7−βエストラジオールとジクロロ酢酸を加えて、さら
に96時間培養した。
【0048】染色体異常試験のために、新生チャイニー
ズハムスター雌の肺細胞(CHL/IU)を牛胎児血清
10%を含むEagle MEMの培養液中で、37
℃、5% CO2インキュベーター内で継代培養した。
染色体異常試験は、CHL/IU細胞を6cmシャーレ
で一日培養後、検体を加え、46時間培養した。
【0049】第二、三工程:細胞増殖率のパラメーター
化のため、4種の細胞の細胞数をAlamar Blu
eにて測定し、増殖率を次式により算出した。 増殖率=(試料を添加した時の細胞数−試料無添加時の
細胞数)÷試料無添加時の細胞数
【0050】そして、各物質について、最大増殖率を与
える作用濃度、最大増殖率に対して50%の増殖率を引
き起こしうる作用濃度(50%作用濃度)、最大増殖率
に対して20%の増殖率を引き起こしうる作用濃度(2
0%作用濃度)、について作用濃度の常用対数に−1乗
じた毒性指数を算出し、各々、Emax、E50、E2
0とした。
【0051】46時間培養したCHL/IU細胞をコル
セミド(最終濃度0.2μg/mL)で2時間処理し、
これをトリプシン処理して細胞を回収し、0.075M
KClで37℃、15分間の低張処理を行い、カルノ
ア液(酢酸:メタノール=1:3)で固定後、ギムザ染
色により染色体標本を作成した。これを400倍で検鏡
し、1用量につき100細胞の分裂中期像について、染
色体の異常構造が確認される細胞を計測した。最大の染
色体異常細胞出現率に対して50%の染色体異常細胞出
現を引き起こしうる作用濃度(50%作用濃度)および
20%の染色体異常細胞出現を引き起こしうる作用濃度
(20%作用濃度)の常用対数に−1乗じた毒性指数を
算出し、各々E50、E20とした。
【0052】第四、五、六工程:都市下水より得られた
サンプル水10Lをフィルターによるろ過後、ジクロロ
メタンにて抽出、減圧濃縮後、ジメチルスルホキシドを
加え10mLとし、これを被検試料とした。第一工程、
第二工程、第三工程と同様の方法で被検試料の各パラメ
ーターを測定した。
【0053】第七工程:第三工程によって得られた毒性
指数を放射状にプロットし、17−β−エストラジオー
ルについては図5を、またジクロロ酢酸については図6
を得た。ジクロロ酢酸においては、高濃度10-3Mで細
胞の死滅が観察されたので図6中に点線にてプロットし
た。
【0054】第八工程:第六工程により得られた毒性指
数を放射状にプロットし、図7を得た。
【0055】第七工程で得られた17−β−エストラジ
オールとジクロロ酢酸のグラフ(それぞれ図5、図6)
と第八工程で得られた被検試料のグラフ(図7)のパタ
ーンはきわめて良く一致しており、標準物質の作用濃度
と被検試料の希釈段階を比較、計算することで、被検水
として用いた都市下水中には10-4.8μg/L(すなわ
ち16μg/L)の17−β−エストラジオールと10
-4.7M(すなわち20μM)のジクロロ酢酸が含まれて
いることがわかった。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、物理化学的分析手法を
用いることなく、環境中に存在する毒性物質を簡便かつ
効果的に同定・定量することができる。しかも、これま
で個々の毒性について別々に評価してきたあらゆる種類
の毒性を同時並行的に評価することができるため、既知
の毒性物質についてこれまで知られていない他の毒性
(例えば、内分泌撹乱化学物質であり、かつ発癌性を有
しているなど)についても新たな知見を得ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願における毒性物質の評価方法の手順を示す
図である。
【図2】実施例1における17−β−エストラジオール
の評価結果に基づく毒性指数のグラフを示す例図であ
る。
【図3】実施例1におけるジクロロ酢酸の評価結果に基
づく毒性指数のグラフを示す例図である。
【図4】実施例1における被検水の評価結果に基づく毒
性指数のグラフを示す例図である。
【図5】実施例2における17−β−エストラジオール
の評価結果に基づく毒性指数のグラフを示す例図であ
る。
【図6】実施例2におけるジクロロ酢酸の評価結果に基
づく毒性指数のグラフを示す例図である。
【図7】実施例2における被検水の評価結果に基づく毒
性指数のグラフを示す例図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三 木 理 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 4B024 AA11 CA02 CA20 DA02 HA11 4B063 QA07 QA13 QQ08 QQ43 QR55 QX01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】標準試料の毒性指数を算出し(下記第一工
    程から第三工程)、被検水の毒性指数を算出し(下記第
    四工程から第六工程)、次に前記標準試料の毒性指数と
    前記被検水の毒性指数とをグラフ化し(下記下記第七工
    程から第八工程)、得られた前記標準試料の毒性指数と
    被検水の毒性指数のグラフのパターンを比較することに
    より被検水中に含まれる毒性物質の種類と濃度を同定す
    ることを特徴とする、毒性物質の評価方法。但し、上記
    記載の第一工程から第八工程は以下の通りである。 第一工程:既知の毒性物質の溶液について濃縮または希
    釈によって溶質濃度を変えた2段階以上の標準試料を含
    む培養液中で培養細胞を1時間から7日間の範囲で培養
    する工程。 第二工程:培養後に培養細胞の増殖量または異常染色体
    出現率を計測する工程。 第三工程:計測結果に基づいて50%作用濃度を算出
    し、下式より毒性指数を算出する工程。 毒性指数=−log(50%作用濃度) ここで50%作用濃度として、既知の毒性物質に関する
    重量濃度またはモル濃度を用いる。 第四工程:被検水について濃縮または希釈によって濃度
    を変えた2段階以上の被検試料を含む培養液中で培養細
    胞を1時間から7日間の範囲で培養する工程。 第五工程:培養後に培養細胞の増殖量または異常染色体
    出現率を計測する工程。 第六工程:計測結果に基づいて50%作用濃度を算出
    し、下式より毒性指数を算出する工程。 毒性指数=−log(50%作用濃度) ここで50%作用濃度として、被検水に対する濃縮率ま
    たは希釈率を用いる。 第七工程:2種類以上の毒性評価項目に関して、第一工
    程から第三工程において算出した標準試料に関する毒性
    指数をグラフ化する工程。 第八工程:第七工程で選択したのと同一の毒性評価項目
    に関して、第四工程から第六工程において算出した被検
    水に関する毒性指数をグラフ化する工程。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の毒性指数を表す式におい
    て、作用濃度を2点以上組み合わせて用いる、請求項1
    に記載の毒性物質の評価方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009025051A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Hitachi Plant Technologies Ltd 有機ハロゲン化合物の簡易測定方法及び装置
JPWO2012029094A1 (ja) * 2010-09-03 2013-10-28 株式会社日立製作所 水質評価方法
CN112485399A (zh) * 2020-12-18 2021-03-12 江南大学 污水毒素浓度估计方法

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