JP2001133328A - 光透過性物体の色識別方法 - Google Patents

光透過性物体の色識別方法

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JP2001133328A
JP2001133328A JP31237799A JP31237799A JP2001133328A JP 2001133328 A JP2001133328 A JP 2001133328A JP 31237799 A JP31237799 A JP 31237799A JP 31237799 A JP31237799 A JP 31237799A JP 2001133328 A JP2001133328 A JP 2001133328A
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Mitsuru Hamano
満 浜野
Hiroaki Ogura
宏昭 小倉
Makoto Shibuya
真 渋谷
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Niigata Engineering Co Ltd
Original Assignee
Niigata Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より正確な色識別が可能となる色識別方法を
提供する。 【解決手段】 背後から光を照射した光透過性物体を撮
像した画像情報を基に、前記光透過性物体の色を特定す
る光透過性物体の色識別方法であって、前記画像情報か
ら前記光透過性物体を光が透過しない領域の画像情報を
分離する画像情報分離工程S50,S51と、該画像情
報分離工程によって得られた画像情報から、前記光が透
過しない領域と光が透過する領域との境界を含む所定領
域の画像情報を除外する境界画像情報除外工程S60,
S61,S62と、を含む。これにより、光透過性物体
のうち光透過部分と光を透過しない部分の境界部分に関
する画像情報が、色識別の判断対象から除外され、かか
る境界部分で発生する現象による色の誤判断が回避でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清涼飲料水等の樹
脂製ボトル、食品や洗剤の樹脂製容器、包装袋等の各種
樹脂製品、或いはガラス瓶等の光の波長成分の一部を透
過する性質を有する光透過性物体の色識別方法に関し、
特に、光透過性物体を透過した光に関する画像情報を基
に色を識別する光透過性物体の色識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】清涼飲料水等の樹脂製ボトルや食品、洗
剤等の樹脂製容器、包装袋等の各種樹脂製品、ガラス瓶
等の光透過性物体を再有効利用(リサイクル)しようと
する場合、これらの光透過性物体の色を識別し、色毎に
分別することが重要であり、その為、光透過性物体の色
を識別する方法としては、光透過性物体の背後から光を
照射して、光透過性物体を透過した光をカメラ等の撮像
装置で撮像して画像情報を得、その画像情報を画像処理
装置にて画像処理することによって光透過性物体の有す
る色を識別する方法が従来から知られている。
【0003】その色識別方法としては、例えば特願平1
0−336237号に示すように、背後から光を照射し
た光透過性物体を撮像して撮像画像情報を得る撮像工程
と、その撮像情報から予め指定した抽出領域の画像情報
を抽出する画像情報抽出工程と、抽出された画像情報と
基準画像情報との差分画像情報を算出する差分画像情報
算出工程と、差分画像情報を明度に関する情報に変換す
る明度算出工程と、明度で表された差分情報を基に差分
画像情報から光透過性物体の背景領域や半透明のラベル
等が貼付された低透過領域の光透過性物体の本来的な色
を示さない画像情報を分離する画像情報分離工程と、そ
れによって残留する光透過領域に関する画像情報を基に
光透過性物体の色を識別する色識別工程とからなるもの
がある。
【0004】かかる光透過性物体の色識別方法によれ
ば、先ず、撮像工程において、光が照射されている照明
装置の手前に光透過性物体を配置し、CCDカメラ等の
撮像装置によって光透過性物体を撮像し、RGBカラー
画像情報(赤、緑、青)による撮像情報を得る。
【0005】次に、画像情報抽出工程において、その撮
像画像情報から、予め指定した抽出領域の画像情報のみ
を抽出する。次に、差分画像情報算出工程において、基
準画像情報と抽出画像情報との差分画像情報とを算出す
る。ここで基準画像情報とは、光透過性物体の有する色
を人間の知覚する色に最も近い色として表現し識別する
ための基準とされる情報であり、具体的には、前記の抽
出領域における照明装置から直接照射される光のみの画
像情報をいう。
【0006】次に、明度算出工程において、前記差分画
像情報の全ての画素データについて、その明度を変換公
式を用いて算出する。尚、明度とは、物体の色を表現す
る際に用いられる均等色空間表色系における色の三属性
(色相、彩度、明度)の1つであり、公知の変換公式を
用いてRGB画像データをL***表色系のデータに
変換することができる。
【0007】次に、画像情報分離工程において、L**
*表色系における明度データに変換された差分画像情
報から、予め設定した明度しきい値を基に、光透過性物
体を光が透過しない領域に関する情報を分離する。ここ
で画像分離工程を設けたのは、撮像装置によって得られ
た撮像画像情報には、光透過性物体を透過した光の情報
のみならず、光透過性物体を透過しない光(即ち、照明
装置から直接照射された直接透過光、及び、光透過性物
体に半透明のラベルが貼着されていたり、光透過性物体
の内部に残留物が存在する場合等に光の透過が妨げられ
る低透過光のうちの少なくとも一方)に関する情報が含
まれる場合があるので、かかる光透過性物体の本来的な
色を示さない領域に関する情報を、色識別対象から除外
する為である。
【0008】この画像分離工程では、各画素の明度によ
って表現された差分画像情報と予め設定された明度しき
い値とを比較し、明度しきい値以上の画素データは背景
領域に関する画像情報と判断し、前記差分画像情報から
分離する。又、前記の明度しきい値とは別の明度しきい
値を予め設定しておき、その明度しきい値以下の画素デ
ータは、光の透過が妨げられた領域の画像情報であると
判断し、同様に前記差分画像情報から分離する。これら
の分離工程によって、光透過性物体を光が透過した光透
過領域のみの画像情報が得られ、光透過性物体が本来的
に有する色のみの画像情報が得られる。
【0009】そして、色識別工程において、前記の画像
情報分離工程によって得られた光透過領域のみの画像情
報の各々の画素について、統計的手法に基づいて1つの
代表画像情報を算出し、その代表画像情報を均等色空間
表色系情報(色相、彩度、明度)に変換する。
【0010】予め、明度と彩度による色度座標上におい
て境界情報を用いて分割された色度領域を、色の種類と
対応付けて区分しておき、均等色空間表色系情報に変換
された代表画像情報の色度値が、何れの領域に属するか
を検索する。
【0011】そして、検索された色度領域の有する色の
種類を、その光透過性物体の有する色として出力する。
かかる色識別方法によれば、樹脂性ボトルに付いている
キャップやラベル、ボトルの汚れ、ボトル内部の残留物
の有無、及び照明装置の照度変化等に影響されることな
く、高速に安定した色識別が可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例における画像情報分離工程後の分離画像情報におい
て、光透過性物体と背景の境界部分に関する情報(即
ち、光透過部分と直接照射部分との境界を含む領域)、
又は光透過性物体のうち光透過部分と半透明ラベル等の
貼付された部分との境界部分に関する画像情報に、透過
光領域とは異なる色度の画像情報が発生する場合があ
る。これらの境界領域で生ずる現象は、撮影環境の周囲
の外乱光の反射等の光学的要因、或いは半透明ラベル等
付着物の色度の影響によって発生するものと考えられる
が、この現象によって得られた画像情報もが色識別の判
断対象とされるので、光透過性物体の有する正確な色が
識別できないという問題が生じていた。
【0013】特に、光透過性物体を撮影するタイミング
や撮影時の光透過性物体の姿勢によっては、画像情報分
離工程により残留する光透過領域の画像情報が極端に少
ない場合もある。かかる場合は、光透過領域の画像情報
の中で前記境界領域の画像情報の占める割合が多くなっ
てしまうので、透過光領域の色とは異なる色の情報を認
識してしまうという問題が起こり易くなり、正確な色識
別が困難であった。
【0014】本発明は、かかる問題点を解決する為にな
されたものであり、より正確な色識別が可能となる色識
別方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、背後から光を照射した光透
過性物体を撮像した画像情報を基に、前記光透過性物体
の色を特定する光透過性物体の色識別方法であって、前
記画像情報から前記光透過性物体を光が透過しない領域
の画像情報を分離する画像情報分離工程と、該画像情報
分離工程によって得られた画像情報から、前記光が透過
しない領域と光が透過する領域との境界を含む所定領域
の画像情報を除外する境界情報除外工程と、を含むこと
こととした。
【0016】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
光透過性物体の色識別方法において、前記光が透過しな
い領域と光が透過する領域との境界を含む所定領域の画
像情報は、光透過性物体の背景と光透過性物体との境界
部を含む所定領域の画像情報であることとした。
【0017】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2に記載の光透過性物体の色識別方法において、前記
光が透過しない領域と光が透過する領域との境界を含む
所定領域の画像情報は、光透過性物体中の透過率の低い
領域と透過率の高い領域の境界部を含む所定領域の画像
情報であることとした。
【0018】
【本発明の作用及び効果】背後に設置された照明装置か
ら光を照射された樹脂製ボトル等、光透過性物体を撮像
し画像情報を得る。この画像情報は、背景領域に関する
情報としての照明装置からの直接照射光の情報、光透過
性物体の本来的な色を示す透過光に関する情報、光透過
性物体に半透過ラベル等が付着していた場合やボトル内
部等に内容物が残留しいていた場合等にその低透過領域
を通過した光の情報、或いはそれらの2つ或いは全てを
組み合わせた情報の何れかのものである。
【0019】次に、画像情報分離工程によって、前記画
像情報に背景領域や低透過領域に関する情報が含まれて
いる場合に備え、この画像情報から、背景領域や半透過
ラベル等の低透過領域の光透過性物体を光が透過しない
領域を分離して、光透過性物体を光が透過する光透過領
域に関する情報のみを得る。かかる画像情報分離工程
は、例えば、画像情報を明度を表す数値によって表現
し、その数値と予め設定された明度しきい値とを比較
し、一定の明度しきい値以上の画像情報を直接照射光に
関する情報と見做して削除し、他の一定の明度しきい値
以下の情報を低透過部分に関する情報と見做して削除す
るという手法によって行われる。かかる工程によって、
光透過性物体に付いているキャップやラベル、ボトルの
汚れ、ボトル内部の残留物の有無、及び照明装置の照度
変化等に影響されることなく、光透過性物体が本来的に
有する色を高速且つ安定して色識別することが可能とな
る。
【0020】更に、境界画像情報除外工程によって、前
記画像情報分離工程によって得られた光を透過する領域
に関する画像情報から、光が透過しない領域と光が透過
する領域との境界を含む所定領域の画像情報を除外す
る。
【0021】尚、光が透過しない領域と光が透過する領
域との境界とは、背景領域と光透過性物体との境界、及
び、光透過性物体の光透過領域と半透明ラベル等の光透
過を妨げる領域の境界の少なくとも一方をいう。即ち、
この境界画像情報除外工程によって、光透過性物体の背
景と光透過性物体との境界部を含む所定領域の画像情報
と、光透過性物体の中の透過率の低い領域と透過率の高
い領域の境界部を含む所定領域の画像情報が除外される
ことになる。
【0022】この境界画像情報除外工程は、例えば、前
述の画像分離工程において算出された各画素の明度値よ
り得ることができる濃淡画像情報において、高明度画像
情報の境界を収縮し、低明度画像情報の境界を拡大する
処理を施し、更に2値画像に変換することにより得られ
るマスク画像情報と、画像分離工程によって得られる分
離画像情報との論理積演算をするという手法による。
【0023】この境界画像情報除外工程によって、光透
過性物体の本来的な色とは異なる画像情報を含む可能性
の高い境界領域の画像情報を、検査対象から除外するこ
とができるので、周囲の外乱光の反射等の撮影環境にお
ける光学的要因、或いは半透明ラベル等の光透過性物体
の付着物及び残留物の色度の影響等によって発生する諸
現象の有無にかかわらず、光透過性物体が本来的に有す
る色を正確に判断でき、正確な色識別ができる。
【0024】そして、境界画像情報除外工程によって得
られた情報を基に、光透過性物体の色を識別し特定す
る。これによって、より正確な色識別が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る光透過性物
体の色識別方法を実施する為の装置であり、本発明に係
る光透過性物体の色識別方法の実施形態は、図2に示す
工程からなるものである。
【0026】図1の色識別装置1は、照明装置2と、光
拡散板3と、カラーCCDカメラ4と、色識別処理部5
と、を含んで構成されており、照明装置2から照明装置
2の上に配置された光拡散板3を介しカラーCCDカメ
ラ4に向けて光が照射されている。色を識別したい光透
過性物体としてのボトル6を照明装置2とカラーCCD
カメラ4の間に配置させ、カラーCCDカメラ4で撮像
してRGBカラー画像データによる画像情報を得る。
【0027】カラーCCDカメラ4により得られた撮像
画像情報は色識別処理部5に入力され、各種工程による
処理がなされた後、色識別結果として色識別処理部5か
ら出力されるように構成されている。尚、前記光拡散板
3は、照明装置2から照射される光を一様に拡散させる
ためのアクリル製等の半透明板であり、照明装置2から
照射される光が十分に拡散していれば設ける必要はな
い。又、前記カラーCCDカメラ4は所定の2次元領域
をカラー画像で撮像するカメラであり、画像情報をR,
G,Bアナログ信号で出力する。R,G,Bデジタル信
号で画像情報を出力するようなデジタルカラーCCDカ
メラを代わりに用いても良い。
【0028】本発明に係る光透過性物体の色識別方法
は、前述の色識別装置1を使用して、図2に示す工程に
よって実施される。先ず、ステップ10において、色識
別の対象となるボトル6を照明装置2とカラーCCDカ
メラ4の間に配置させてカラーCCDカメラ4で撮影
し、RGBカラー画像データによる撮像画像情報を得
る。尚、RGB画像データとは、R(赤),G(緑),
B(青)のそれぞれの成分を0〜255までの整数値で
階調表現した輝度値であり、数値が大きいほどその成分
の輝度が高いことを意味するものである。又、ボトル6
には、光の透過を妨げる物として、半透明のラベル7が
貼付されているものとする。
【0029】カラーCCDカメラ4から得られる撮像画
像情報としては、背景領域に関する情報としての照明装
置2からの直接照射光、光透過性物体の本来的な色に関
する情報としての透過光、光透過性物体に半透過性のラ
ベル7等が付着していた場合やボトル内部等に内容物が
残留しいていた場合等に得られる低透過部分、或いは、
それらのうち2つ又は全ての組み合わせ情報がある。
【0030】この撮像画像情報は、色識別処理部5に入
力されるのであるが、色識別処理部5は、ステップ20
〜ステップ71の各工程が実現可能となる機能をソフト
ウエア的に装備しており、ボトル6の色の識別結果が出
力されるように構成されている。
【0031】本発明に係る光透過性物体の色識別方法に
おける以下の工程は、色識別処理部5において実行され
る処理である。色識別部に入力された撮像画像情報の中
から、ステップ20の画像情報抽出工程おいて、予め設
定された抽出領域における撮像画像情報のみが抽出され
る。この工程で得られた画像情報を、抽出画像情報とい
う。
【0032】次に、ステップ30の差分画像情報算出工
程において、基準画像情報と抽出画像情報との差分画像
情報とを算出する。基準画像情報とは、ボトル6のない
状態の画像情報、即ち、照明装置から前記の抽出領域に
直接照射される照射光のみの画像情報をいう。この基準
画像情報は、後述の均等色空間情報変換によるL**
*表色系のデータ値として登録することもでき、その場
合は、L***表色系のデータによる抽出画像情報と
の差分を算出することになる。
【0033】このように差分画像情報を算出したのは、
照明装置2の照明光に影響されない光透過性物体の本来
の色のみを表現し識別できるようにするためである。本
来なら、均等色空間における中心である純白色を基準と
するところが、基準画像情報が有する色度を均等色空間
における中心としてその差分によって検査画像を表現す
るので、照明装置2の照明光の色の分布に影響されず、
光透過性物体の色を識別できるようになる。
【0034】次に、ステップ40の明度算出工程におい
て、前記差分画像情報の全ての画素データについて、色
の三属性である色相、彩度、明度によって物体の色を表
現する均等色空間表色系における明度を、以下の変換公
式を用いて算出する。
【0035】差分画像情報の領域サイズをm×nピクセ
ルとし、その領域中のi行j列の画素pijが有するR,
G,Bの各画素データのR,G,B輝度値をそれぞれ、
rij, gij, bijとすれば、R,G,B各画素データを
代表する代表データ値rt ,gt , bt は、以下の数式
1によって求められる。
【0036】
【数式1】
【0037】なお、代表データ値rt , gt , btの決
定方法は、上記のような輝度値の平均に限定せず、他の
統計的手法により前記抽出した領域中の代表値を推定、
選出、或いは算出しても良い。
【0038】RGBデータ値による代表データ値を求め
た後、公知の均等色空間表色系情報であるXYZ表色系
に変換する。尚、XYZ表色系とは、JIS Z 87
01等で規格化されている公知の色の数値表現方法であ
り、RGBデータをXYZ表色系に変換する変換式とし
て以下の数式2が公知である。
【0039】
【数式2】
【0040】尚、上記の変換式で示されるR,G,Bの
値は、本来、国際照明委員会(CIE)がCIE193
1勧告にて定めるR,G,B表色系の等色関数により求
められる値であるが、ここでは、カラーCCDカメラ4
から出力されるR,G,B成分の有限階調値を適用する
ものとする。
【0041】RGBデータ値によるR,G,Bの各画素
の代表データ値を、上記の変換式に代入し、XYZ表色
系による数値データを求める。そして、XYZ表色系に
よる数値データをL* a* b* 表色系によるデータに変
換する。尚、L* a* b* 表色系とは、JIS Z 8
729等で規格化されている公知の色の数値表現方法で
あり、均等色空間の表色系である。L* a* b* 表色系
は、L* 値、a* 値、b* 値からなる3次元の色空間
で、L* 値は明度指数と呼ばれる色の明るさを表す値、
a* 値およびb* 値は色の属性を表す色相と色の鮮やか
差を表す彩度を決定づける値であって、L* a* b*表
色系と前記XYZ表色系との関数は以下の数式3で表さ
れることが公知である。
【0042】
【数式3】
【0043】ここで、上記の式のXn ,Yn ,Zn は、
JIS Z 8729において、完全拡散反射面の三刺
激値とされているが、本実施形態では、このXn ,Yn
,Zn を、RGBデータによる各画素の代表データ値
R,G,Bを、数式2に代入して得られるXYZ表色系
による数値データX,Y,Zで置き換えることとする。
【0044】上記の方法によって、差分画像情報の各画
素の明度L*が算出される。次に、ステップ50、51
の画像情報分離工程において、差分画像情報から光透過
性物体を光が透過しない領域の画像情報を分離する。
【0045】ステップ50は、差分画像情報から背景領
域の画像情報を分離する工程である。明度L*で表現さ
れた差分画像情報と予め設定した明度しきい値と比較
し、明度しきい値以上の画素データは背景領域と判断
し、前記差分画像情報から背景領域に関する画像情報を
分離する。
【0046】この分離方法は、ボトルを透過した光は直
接照射光に比較して明度が低いことを利用するものであ
り、明度しきい値とは、前記明度算出工程にて算出した
各画素毎の明度指数L*を、L* 値の最大値から所定
のオフセット値を差し引いて算出したものであって、そ
の明度しきい値を上回る場合は、光透過性物体を光が透
過する部分より明るい部分、即ち、光透過性物体の背景
領域の画素であると判断し、差分画像情報から分離す
る。尚、明度L*の最大値から所定のオフセット値を差
し引いた値を明度しきい値としたのは、照明装置からの
照射光の時間的変動や、CCDカメラの受光素子の出力
変動等による明度の変動を吸収する為である。かかる観
点からこのオフセット値は、抽出領域の明度の変動幅を
持つ値であることが望ましい。
【0047】以上のような明度指数の比較を差分画像情
報の有する全画素に対して行うことにより、図3(a)
における領域R100,R110のような背景領域の画
像情報を前記差分画像情報から分離し、色識別の対象か
ら除外することができる。
【0048】又、ステップ51は、背景領域が削除され
た差分画像情報から半透明ラベル等が貼付された部分、
或いはボトル内部に残留物が存在する部分等の透過率の
低い領域R120の画像情報を分離する工程である。明
度L*で表現された差分画像情報と予め設定した上記と
は別の明度しきい値と比較し、その明度しきい値以下の
画素データは領域R120のような透過率の低い領域の
画像情報であると判断し、同様に前記差分画像情報から
分離する。これも、低透過領域は他の領域に比べて明度
が低いことを利用するものであり、ここでの明度しきい
値は、明度L*の最小値に所定のオフセット値を加えて
算出したものとする。これによって、ラベルが貼付され
る等によって光の透過が妨げられる低透過領域R120
の画像情報を分離し、光透過性物体を光が透過する光透
過領域R130のみを残留させ、光透過領域R130の
みを色識別の対象とすることができる。
【0049】しかし、この時、図3(b)に示すよう
に、撮影環境の周囲の外乱光の反射等の光学的要因で、
光透過性物体の背景領域R100,R110と光透過性
物体との境界部Lを含む所定領域R140,R150の
画像情報と、光透過性物体の中の低透過領域R120と
透過率の高い領域の境界部Lを含む所定領域R160の
画像情報に、光透過性物体を光が透過する光透過領域
(即ち、透過率の高い領域)とは異なる色度の画像情報
が発生する場合がある。この境界Lを含む所定領域R1
40,R150,R160とは、境界Lを含めて約0.
5〜1.0mm程度の幅Wを有する領域であることが実
験によって明らかにされている。
【0050】この現象によって得られた画像情報をも基
にして光透過性物体の色識別がなされると、正確な色の
識別結果がでないという問題が生じる。そこで、以下の
境界画像情報除外工程で、前記工程によって分離された
画像情報から、境界Lを含む所定領域の画像情報を除外
する。
【0051】境界画像情報除外工程は、ステップ60の
濃淡画像情報収縮工程と、ステップ61のマスク情報抽
出工程と、ステップ62の論理積演算処理工程とからな
る。ステップ60では、ステップ50及びステップ51
の画像分離工程によって得られた分離画像情報のうちス
テップ40により算出された各画素の明度値より得るこ
とができる濃淡画像情報(図3(c))のみを使用し、
画像変形フィルタ等を使用して、高明度画像情報の境界
を収縮し、低明度画像情報の境界を拡大する処理を施
し、境界領域R140,R150,R160を収縮す
る。尚、境界Lを含む所定領域は約0.5〜1.0mm
程度の幅Wの領域であるので、収縮処理を施す領域をこ
の幅Wに設定することが、光透過性物体本来の色をより
正確に判断するという観点から好ましい。
【0052】更に、ステップ61によって、収縮処理の
なされた画像情報を2値画像情報に変換し、図3(d)
に示すようなマスク画像情報を得る。そしてステップ6
2の論理積演算工程で、ステップ61で得られたマスク
画像情報とステップ50及びステップ51の画像分離工
程によって得られた分離画像情報の各画素について論理
積を求める。これによって、図3(e)に示すような境
界領域R140,R150,R160が除外された状態
の領域が残留し、かかる残留領域R170の情報を有効
な検査画像情報とする。
【0053】そして、最後の色識別工程では、ステップ
70において、前述の統計学的手法、即ち数式1に示す
変換式に基づいて、検査画像情報が有する全画素を代表
する代表画像情報として、R,G,Bの各画像データの
R,G,B輝度値rt , gt, bを算出し、前述の数式
2及び数式3の変換式によりL*a*b*表色系情報に
変換された代表画像情報の色度値が、a*軸とb*軸か
らなる色度平面上にある予め任意の色度領域に唯一の色
の種類を対応付けて区分してある色度領域情報群のうち
の、何れの色度領域に属するかを検索する。
【0054】そして、ステップ71において、検索され
た色度領域の有する色の種類を、その光透過性物体の有
する色として出力する。かかる色識別方法によれば、樹
脂性ボトルに付いているキャップやラベル、ボトルの汚
れ、ボトル内部の残留物の有無、及び照明装置の照度変
化等に影響されることなく、高速に安定した色識別が可
能である。
【0055】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、差分画像情報算出工程を有したことによって、照射
装置や撮像装置の交換等により撮影環境が変化した場合
であっても、撮影環境に合わせた基準画像情報を基に色
を識別できるので、撮影環境の変化に適切に対応できる
という効果を有する。
【0056】又、画像分離工程を有することによって、
差分画像情報算出工程によって得られた差分画像情報の
中に、背景領域や光透過性物体に貼られたラベルや汚れ
等の領域に関する画像情報が含まれていた場合でも、そ
れらの領域の画像情報を適切に抽出し分離することがで
き、光透過性物体の本来的な色を表現しない部分の画像
情報を検査対象から除外できるので、高精度に光透過性
物体の有する色を識別することができる。
【0057】更に、境界画像情報分離工程を有すること
によって、光透過性物体の本来的な色とは異なる画像情
報を含む可能性の高い境界領域の画像情報を、検査対象
から除外することができるので、周囲の外乱光の反射等
の撮影環境における光学的要因、或いは半透明ラベル等
の光透過性物体の付着物及び残留物の色度の影響等によ
って発生する諸現象の有無にかかわらず、光透過性物体
が本来的に有する色を正確に判断でき、正確な色識別が
できるという効果が生じる。
【0058】特に、光透過性物体を撮影するタイミング
や撮影時の光透過性物体の姿勢により、抽出画像情報内
において、光透過領域の画像情報の占める割合が極端に
少ない場合であって、正確な色識別が可能となる。
【0059】尚、本実施形態における、画像情報抽出工
程、及び差分画像情報算出工程は省略可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光透過性物体の色識別方法を実
行する装置を示す図
【図2】 本発明に係る光透過性物体の色識別方法の実
施形態を説明する図
【図3】 同上の色識別方法における色度領域を説明す
る図
【符号の説明】
1 色識別装置 2 照明装置 4 カラーCCDカメラ 5 色識別処理部 6 ボトル(光透過性物体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 真 神奈川県横浜市磯子区新磯子町27−1 株 式会社新潟鉄工所技術開発センター制御技 術部内 Fターム(参考) 2G020 AA08 DA02 DA03 DA04 DA05 DA22 DA31 DA34 DA66

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】背後から光を照射した光透過性物体を撮像
    した画像情報を基に、前記光透過性物体の色を特定する
    光透過性物体の色識別方法であって、 前記画像情報から前記光透過性物体を光が透過しない領
    域の画像情報を分離する画像情報分離工程と、 該画像情報分離工程によって得られた画像情報から、前
    記光が透過しない領域と光が透過する領域との境界を含
    む所定領域の画像情報を除外する境界画像情報除外工程
    と、を含むことを特徴とする光透過性物体の色識別方
    法。
  2. 【請求項2】前記光が透過しない領域と光が透過する領
    域との境界を含む所定領域の画像情報は、光透過性物体
    の背景と光透過性物体との境界部を含む所定領域の画像
    情報であることを特徴とする請求項1に記載の光透過性
    物体の色識別方法。
  3. 【請求項3】前記光が透過しない領域と光が透過する領
    域との境界を含む所定領域の画像情報は、光透過性物体
    中の透過率の低い領域と透過率の高い領域の境界部を含
    む所定領域の画像情報であることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の光透過性物体の色識別方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106949970A (zh) * 2017-03-05 2017-07-14 常州恒方大高分子材料科技有限公司 一种精确测定透明及半透明高分子材料颜色的方法

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